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JP2013208012A - アンテナコイルユニット及び磁界共鳴式給電システム - Google Patents

アンテナコイルユニット及び磁界共鳴式給電システム Download PDF

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JP2013208012A
JP2013208012A JP2012077409A JP2012077409A JP2013208012A JP 2013208012 A JP2013208012 A JP 2013208012A JP 2012077409 A JP2012077409 A JP 2012077409A JP 2012077409 A JP2012077409 A JP 2012077409A JP 2013208012 A JP2013208012 A JP 2013208012A
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coil
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Hiroyuki Yamakawa
博幸 山川
Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
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Equos Research Co Ltd
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Equos Research Co Ltd
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Abstract

【課題】給電回路と受電回路とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有する磁界共鳴式のワイヤレス給電技術を実現する。
【解決手段】給電回路及び前記受電回路の少なくとも一方に備えられるアンテナコイルユニット8が、基準軸X1周りに導体線40を周回させて構成されたアンテナコイル4を複数備え、これら複数のアンテナコイル4が互いに同位相の磁束を形成する向きであって、基準軸X1が互いに平行する状態で隣り合うように、複数のアンテナコイルを並べて構成される。
【選択図】図13

Description

本発明は、磁界共鳴式のワイヤレス給電に用いられるアンテナコイルユニット及びこのアンテナコイルユニットを用いた磁界共鳴式給電システムに関する。
携帯電話機、個人情報端末(PDA)、電動アシスト自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車など、一箇所に据え置かれることなく移動可能な電気機器や電動装置は、外部から電源を供給されることなく動作可能なように、内部に電池などの蓄電装置を有している。近年、このような機器や装置に搭載された蓄電装置を充電する技術の開発が進められている。多くの場合、この充電は、例えば、機器や装置に設けられた充電口と、電力供給装置とをケーブル等で接続することによって行われる。
しかし、近年、このようなケーブルを用いることなくワイヤレスで、つまり非接触で電力を供給する技術が注目されている。非接触で電力を供給する技術の1つに、磁界共鳴を利用したものがある。磁界共鳴は、共通の固有振動数(共振周波数)を有した一対の共振回路、例えば電力供給設備側の共振回路と、機器や装置側の共振回路とを磁界を介して共鳴させ、この磁界を介して電力を伝送する技術である。この共振回路は、通常LC共振器により構成され、L(インダクタンス)はアンテナとなるアンテナコイル(共振コイル)によって実現される。磁界共鳴を利用した電力伝送において高い伝送効率を得るためには、給電側の共振回路に備えられる共振コイルと、受電側の共振回路に備えられる共振コイルとが、比較的精度良く対向する必要がある。ここで、例えば給電側又は受電側の共振回路に備えられるコイルユニットが複数の共振コイルを有していれば、給電側の共振コイルと受電側の共振コイルとの対向精度の許容差を大きくすることが可能である。
特開2009−106136号公報(特許文献1)には、磁界共鳴を利用して車両外部の電源から車両に非接触で給電する際に、給電側及び受電側の共振回路に備えられるコイルユニットの少なくとも一方が複数の共振コイルを有している構成が開示されている(特許文献1:図17〜図18等)。但し、特許文献1のコイルユニットには、給電側の共振回路と受電側の共振回路とを結合させるための空間以外の磁界の強度を抑制するために複数の共振コイルが備えられている、つまり、このコイルユニットには、1つの共振コイルに生じる磁界とその他の少なくとも1つの共振コイルに生じる磁界とが互いに逆位相となるように複数の共振コイルが配置されている。例えば2つの共振コイルの距離が無視できる程度の遠方においては、両共振コイルからの距離がほぼ等価となり、磁束が相殺されて磁界の強さをほぼゼロとすることができるので漏洩磁束を抑制することができる。しかし、2つの共振コイルの間においても、両共振コイルからの距離が等価となる位置が存在する(特許文献1:第70,90〜93段落、図11〜図12等)。このため、2つの共振コイルの間のちょうど中央、換言すればコイルユニットの中央においても磁束が相殺されてしまうことになる。つまり、給電側の共振コイルと受電側の共振コイルとの対向位置によっては極めて磁界が弱くなる場所(不感帯)を生じさせる場合がある。従って、特許文献1の構成では、必ずしも、対向する共振コイルの対向精度の許容差が大きくなるとは言えない。
特開2011−234496号公報
上記背景に鑑みて、磁界共鳴式のワイヤレス給電において、給電回路と受電回路とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有する技術が望まれる。
上記課題に鑑みて、給電回路及び受電回路に備えられた共振回路を磁界を介して共鳴させる磁界共鳴方式によりワイヤレス給電を行うために前記給電回路及び前記受電回路の少なくとも一方に備えられるアンテナコイルユニットが、以下のように提示される。即ち、本発明に係るアンテナコイルユニットの特徴構成は、基準軸周りに導体線を周回させて構成されたアンテナコイルを複数備え、当該複数のアンテナコイルが互いに同位相の磁束を形成する向きであって、前記基準軸が互いに平行する状態で隣り合うように、前記複数のアンテナコイルを並べて構成されている点にある。
この特徴構成によれば、給電回路及び受電回路の少なくとも一方に、複数のアンテナコイルを有して構成されたアンテナコイルユニットが備えられる。従って、給電回路と受電回路とが対向する方向に沿った方向に見て、給電回路のアンテナコイルと受電回路のアンテナコイルとが重複する相対位置が広い範囲に分布することになる。即ち、給電回路と受電回路とが対向する位置の許容差が大きくなる。また、本特徴構成によれば、並べて配置される複数のアンテナコイルは、互いに同位相の磁束を形成する向きであって、導体線が周回する基準軸が互いに平行する状態で隣り合う。従って、アンテナコイルが隣り合う側においても両アンテナコイルから生じる磁束が相殺されることはない。このため、例えばアンテナコイルユニットが2つのアンテナコイル(例えば「コイルA」と「コイルB」)で構成され、コイルAのコイルBから離間した側の位置(例えば「位置A」)から、コイルAとコイルBとの間の位置(例えば「位置AB」)を経て、コイルBのコイルAから離間した側の位置(例えば「位置B」)までの比較的広い範囲において、磁気共鳴を媒介する磁界を出現させることができる。つまり、本特徴構成によれば、不感帯を生じさせることなく広い共鳴範囲を提供することができる。このように、本特徴構成によれば、給電回路と受電回路とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有する磁界共鳴式のワイヤレス給電を実現することができる。
ここで、本発明に係るアンテナコイルユニットが、前記複数のアンテナコイルが直列接続されて構成されていると好適である。磁界共鳴式のワイヤレス給電では、共振回路の共振の鋭さQを高くすることが好ましい。例えば共振回路がLC共振器により構成される場合には、“L”(インダクタンス)が大きいほど“Q”も大きくなる。従って、複数のアンテナコイルの接続形態は、よりインダクタンスが大きくなるような形態であると好適である。アンテナコイルが並列接続されると合計のインダクタンスは、各インダクタンスの逆数の和の逆数となる。例えば、同じ大きさのインダクタンスを持つ2つのアンテナコイルが並列接続された場合には、合計のインダクタンスは1/2となる。アンテナコイルが直列接続されると、合計のインダクタンスは、各インダクタンスの和となる。例えば、同じ大きさのインダクタンスを持つ2つのアンテナコイルが並列接続された場合には、合計のインダクタンスは2倍となる。
アンテナコイルが隣接すると、互いに影響を与え合って個々のアンテナコイルのインダクタンスを低下させる場合がある。この影響は、複数のアンテナコイルの距離が近いほど強くなる傾向がある。従って、1つの態様として、本発明に係るアンテナコイルユニットは、隣接する他の前記アンテナコイルの影響によるそれぞれの前記アンテナコイルのインダクタンスの低下量に基づいて離間距離を設定し、当該離間距離だけ互いに離間させて前記複数のアンテナコイルを配置して構成されていると好適である。
ところで、上述したようなアンテナコイルユニットを備えることによって、以下のような磁界共鳴式給電システムを構築することが可能である。1つの態様として、本発明に係る磁界共鳴式給電システムは、前記給電回路が、前記アンテナコイルユニットを備えて構成され、前記受電回路が、1つの前記アンテナコイルを備えて構成される。ここで、前記基準軸に沿った方向に見た前記アンテナコイルの外周によって囲まれる面積である有効面積は、前記給電回路の前記アンテナコイルユニットが備える複数の前記アンテナコイルの前記有効面積の合計の方が前記受電回路の前記アンテナコイルの前記有効面積よりも広く設定されていると好適である。この構成によれば、給電回路と受電回路とが対向する方向に沿った方向に見て、給電回路のアンテナコイルユニットと受電回路のアンテナコイルとが重複する相対位置が広い範囲に分布することになる。即ち、本構成によれば、給電回路と受電回路とが対向する位置の許容差が大きくなり、高い伝送効率を有する磁界共鳴式のワイヤレス給電を実現することができる。
ここで、本発明に係る磁界共鳴式給電システムは、前記給電回路の前記アンテナコイルユニットを構成する前記複数のアンテナコイルのそれぞれの前記有効面積が、前記受電回路の1つの前記アンテナコイルの前記有効面積に等しいと好適である。この構成によれば、例えば各アンテナコイルを収容するケースを全てのアンテナコイルについて共通化することも可能であり、低コストで磁界共鳴式給電システムを構築することができる。また、給電回路に備えられるアンテナコイルユニットは少なくとも2つのアンテナコイルを有するので、受電回路に対して少なくとも2倍の有効面積を有することになる。従って、給電回路と受電回路とが対向する方向に沿った方向に見て、給電回路のアンテナコイルユニットと受電回路のアンテナコイルとが完全に重複する相対位置を広い範囲に亘って確保することができる。
ワイヤレス給電システムの構成を模式的に示すブロック図 ワイヤレス給電システムの構成を模式的に示す回路ブロック図 共振回路の等価回路図 アンテナコイルを流れる電流によって生じる磁界を示す図 磁界共鳴におけるアンテナコイルの対向誤差の概念を説明する図 アンテナコイルを流れる電流によって生じる磁界を示す図 補助コイル部を流れる電流によって生じる磁界を示す図 磁界共鳴を媒介する磁界とアンテナコイルとの関係を示す図 アンテナコイルの一例を示す斜視図 アンテナコイルの一例を示す斜視図 アンテナコイルの部分拡大図 アンテナコイルを流れる電流の向きを示す図 アンテナコイルユニットの一例を示す斜視図 アンテナコイルユニットを適用したシステムの模式的回路ブロック図 アンテナコイルユニットとアンテナコイルとの対向誤差を示す図 アンテナコイルとアンテナコイルとの対向誤差を示す図 対向誤差比と伝送効率との関係を示すグラフ 対向誤差と共振周波数変動との関係を示すグラフ 給電側共振コイルと受電側共振コイルとの関係の一例を示す図 給電側共振コイルと受電側共振コイルとの関係の一例を示す図
以下、本発明の実施形態を、車両に対してワイヤレス給電を行う磁界共鳴式給電システムを例として、図面に基づいて説明する。図1に示すように、磁界共鳴式給電システム1は、給電施設に設置された給電システム2と、車両9の側に搭載された受電システム3とにより構成される。本実施形態では、給電システム2は、例えば、屋外施設であれば地面Gの近傍に、屋内施設であれば床面の近傍に設置されている。
図1及び図2に示すように、給電システム2は、交流電源21と、ドライバ回路22と、給電側共振回路25とを有して構成されている。給電側共振回路25は、給電側共振コイル24を有して構成されている。受電システム3は、受電側共振回路35と、整流回路32と、蓄電装置31とを有して構成されている。受電側共振回路35は、受電側共振コイル34を有して構成されている。給電側共振回路25と受電側共振回路35とは、同じ固有振動数(共振周波数)を有する共振回路であり、両者を総称して共振回路5と称する。また、給電側共振コイル24及び受電側共振コイル34を総称して、共振コイル或いはアンテナコイル4と称する。
給電システム2の交流電源21は、例えば、電力会社が保有する商用の配電線網から供給される電源(系統電源)であり、その周波数は例えば50Hzや60Hzである。ドライバ回路22は、50Hzや60Hzの系統電源の周波数を、給電側共振回路25(共振回路5)の共振周波数に変換する回路であり、高周波電源回路により構成される。受電システム3の蓄電装置31は、充放電可能な直流電源であり、例えばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池やキャパシタが利用される。受電側共振回路35が受電した電力は、受電側共振回路35の共振周波数を有する交流電力である。整流回路32は、この共振周波数を有する交流電力を直流電力に整流する回路である。
尚、ドライバ回路22と給電側共振回路25とを併せて、或いは給電システム2全体は、広義の給電回路に相当する。また、給電側共振回路25は、狭義の給電回路に相当する。同様に、受電側共振回路35と整流回路とを併せて、或いは受電システム3の全体は、広義の受電回路に相当する。また、受電側共振回路35は、狭義の受電回路に相当する。
車両9は、例えば、回転電機91により駆動される電気自動車や、不図示の内燃機関及び回転電機91により駆動されるハイブリッド自動車である。回転電機91は、例えばインバータ92などの回転電機駆動装置を介して蓄電装置31に接続されている。本実施形態において、回転電機91は、例えば3相交流回転電機であり、回転電機駆動装置は、直流と交流との間で電力を変換するインバータ92を中核として構成されている。回転電機91は、電動機及び発電機として機能することが可能である。回転電機91が電動機として機能する際には、このインバータ92を介して蓄電装置31から電力の供給を受けて駆動力を発生する(力行運転)。一方、回転電機91が発電機として機能する際には、車両9の制動や、内燃機関などの駆動力によって発電された交流電力がインバータ92によって直流に変換され、蓄電装置31へ回生される(回生運転)。
磁界共鳴式給電システム1は、図2に示すように、一対の共振回路5(25,35)を磁界を介して共鳴させ、当該磁界を介して給電するシステムである。尚、「磁性」を利用した「共鳴」技術としては、しばしば医療分野において用いられる磁気共鳴画像法(MRI:magnetic resonance imaging)が知られている。但し、MRIが「磁気スピンの共振」という物理的事象を利用しているのに対して、本発明における「磁界共鳴式給電システム」ではそのような物理的事象は利用していない。本発明における「磁界共鳴式給電システム」では、上述したように、2つの共振回路5を「磁界」を介して共鳴させるものである。従って、ここでは、いわゆるMRIと明確に区別することも含めて、磁界における共鳴を利用して電力を伝送する磁界共鳴式給電システム1の伝送方式を「磁界共鳴方式」と称する。また、この伝送方式は、いわゆる「電磁誘導方式」とも異なる方式であるが、この点については後述する。
上述したように、給電側共振回路25と受電側共振回路35とは、同じ固有振動数(共振周波数)を有する。本実施形態においては、給電側共振回路25及び受電側共振回路35は、同一構成のLC共振器である。従って、以下の説明では、両者を区別する必要がない場合は、「共振回路5」として説明する。図3の等価回路に示すように、共振回路5は、インダクタンス成分“L”を有するアンテナコイル4と、キャパシタンス成分“C”を有するコンデンサ6とを有して構成されている。本実施形態では、図2に示すように、キャパシタンス成分“C”は、3つのコンデンサのキャパシタンス成分(Cs,Cs,Cp)の合成である。
給電側共振回路25及び受電側共振回路35は、同じ共振周波数を有する回路である。例えば、離間して配置された2つの音叉の内の一方を空気中で振動させると、他方の音叉も、空気を介して伝搬した振動に共鳴して振動するのと同様に、給電側共振回路25と受電側共振回路35とも共鳴する。より詳しくは、給電側共振回路25の共振(電磁気的振動)により生じた磁界を介して受電側共振回路35に伝搬した電磁気的振動に共鳴して、受電側共振回路35も共振する(電磁気的に振動する)。
ところで、非接触の電力伝送の方式として「電磁誘導方式」が知られている。特に磁界結合を利用した電磁誘導方式の回路構成は、図2に酷似したものである。但し、「電磁誘導方式」は、コイルの間を貫く磁束の強さの変化によって生じる起電力を利用したものであり、一般的にはコイル同士の結合(磁界結合)が支配的である。電磁誘導方式では、2つの回路の結合強度も、下記式(1)に示すように、2つのコイルのそれぞれの自己インダクタンス(L1,L2)と相互インダクタンスMとによって表されることが多い。2つのコイルが作る磁束の全てが鎖交した場合に結合強度が“1”となる。
Figure 2013208012
これに対して、「磁界共鳴方式」では、2つの共振回路5の間のインダクタンスLによる「磁界結合」と、キャパシタンスCによる「電界結合」との双方が、伝送効率に影響する。つまり、共振回路5のLC共振器としての性能も伝送効率に大きく影響する。「磁界共鳴方式」のワイヤレス給電において、給電の伝送効率は、磁界共鳴式給電システム1を構成する給電側共振回路25及び受電側共振回路35の「結合係数」(以下、単に「共振回路5の結合係数」と称する場合あり。)と、共振回路5の「無負荷Q」(無負荷時の共振の鋭さ)というパラメータによって支配される。
ここで、結合係数は、電磁誘導方式の結合強度を援用することができるので、詳細な説明は省略する。無負荷Qは、図3に示す等価回路において、回路の抵抗成分をRとして下記(2)式で示される。尚、ここでは、共鳴させる2つの共振回路5の回路定数が同じであるとしている(L=L1=L2,C=C1=C2,R=R1=R2)。
Figure 2013208012
磁界共鳴方式の伝送効率は、共振回路5の結合係数kと、共振回路5の無負荷Qとの積である「kQ積」に支配される。従って、磁界共鳴方式では、無負荷Qを高くする(大きくする)ことによって、伝送効率を高くすることが好ましい。1つの態様として、無負荷Qを“100”以上に設定すると好適である。
尚、より詳細には、磁界共鳴式給電システム1の効率は、給電システム2のドライバ回路22の効率、給電側共振回路25及び受電側共振回路35により構成される空間伝送部の効率(上記“kQ積”)、整流回路32の効率の積となる。ドライバ回路22及び整流回路32は、共に周波数変換を伴う回路であり、これらの回路を構成する半導体素子の周波数特性によって効率が支配される。
以上、磁界共鳴式給電システム1の原理について説明したが、磁界共鳴式給電システム1は、給電側共振回路25と受電側共振回路35とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有することが好ましい。はじめに、この「対向する位置」について説明する。
図4は、基準軸(第1基準軸X1)周りに導体線40を周回させて構成されたアンテナコイル4を模式的に示している。後述する補助コイル部42と区別する必要がある場合など、適宜、図4に示すアンテナコイル4を「主コイル部41」と称する。このアンテナコイル4(主コイル部41)には、導体線40を流れる電流によって磁束φ1が生じる。このアンテナコイル4が、給電側共振コイル24及び受電側共振コイル34としてそれぞれ給電側共振回路25及び受電側共振回路35に備えられる。図5に示すように、給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とを対向させると、磁界を介して給電側共振回路25に受電側共振回路35が共鳴する。図5に示すように、給電側共振コイル24の第1基準軸X1と受電側共振コイル34の第1基準軸X1とが一致している場合には、位置ずれがなく、対向誤差dは“0”である。
ところで、給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とが対向する側とは反対側、即ち、背面側においては、第1基準軸X1に沿った方向への磁界の広がりは不要である。反対に、図1に示すように、磁界共鳴式給電システム1が車両9に適用されるような場合には、特に受電側共振コイル34の背面側に磁界が及ぶと、磁束φ1が車両9の底部の鉄板や、車両9内部の機器に影響を及ぼす可能性がある。そこで、本実施形態においては、アンテナコイル4に指向性を持たせて、給電側及び受電側の共振回路5を結合する磁界が形成される空間以外の他の空間への磁束を漏洩を抑制する構成を採用する。
具体的には、図6に示すように、主コイル部41の一方側の軸方向端面(背面側軸方向端面PB)に沿って少なくとも1つ配置され、主コイル部41よりも小径の補助コイル部42を備えてアンテナコイル4が構成される。補助コイル部42は、第1基準軸X1とは異なる第2基準軸X2の周りに導体線40を周回させて構成されている。補助コイル部42の周回軸である第2基準軸X2は、主コイル部41の磁束φ1に対して交差する向き、好ましくはほぼ直交する向きに設定されている。そして、補助コイル部42は、図12を参照して後述するように、補助コイル部42を流れる電流の成分の内の主コイル部41の周方向に平行な成分(I2)が、主コイル部41に近い側において主コイル部41を流れる電流(I1)と同じ向きとなるように配置されている
補助コイル部42には、補助コイル部42に流れる電流によって図7に示すように磁束φ2が生じる。図6に示すように、補助コイル部42が備えられた側では、主コイル部41の磁束(φ1)が補助コイル部42を迂回路として、第1基準軸X1の軸方向一方側(図6の上側、後述する背面側軸方向端面PBの側)に広がることなく他方側の軸方向端面の側へと折り返していく(磁束φ4)。一方、補助コイル部42が備えられていない側である軸方向他方側(図6の下側、対向側軸方向端面PFの側)では、第1基準軸X1の軸方向に磁束が広がっている(磁束φ4)。つまり、図6に示すように、アンテナコイル4を対向させると、第1基準軸X1の何れか一方側への磁束の広がりを抑制しつつ、他方側への磁束の広がりを妨げることがない。即ち、図8に示すように、第1基準軸X1の一方側(背面側軸方向端面PB側)においては、車両9の底部の鉄板や車両9内の機器への磁界の影響を抑制することができ、他方側(対向側軸方向端面PF側)においては、磁界共鳴のための磁束を、対応する共振回路5に作用させることができる。
図9及び図10は、そのようなアンテナコイル4の具体的な構成の一例を示している。図9は、給電の際に対向する側の軸方向端面である対向側軸方向端面PFから見たアンテナコイル4の斜視図である。図10は、背面側軸方向端面PBから見たアンテナコイル4の斜視図である。この例では、アンテナコイル4は、16個の補助コイル部42を備えて構成されている。磁界は、主コイル部41の径方向の全ての方向に広がる。従って、補助コイル部42を用いて磁束を導き、漏洩磁束を抑制するためには、このように主コイル部41の周方向に複数の補助コイル部42が配置されていることが好ましい。
また、主コイル部41の周方向において漏洩磁束の抑制が弱くなる空白領域をできるだけ生じないように、補助コイル部42は、主コイル部41の周方向に均等な間隔で配置されると好適である。主コイル部41が第1基準軸X1に沿った方向に見て円環状である場合は、同じ角度間隔で主コイル部41の周方向に第2基準軸X2を設定することによって容易に実現可能である。また、主コイル部41が第1基準軸X1に沿った方向に見て矩形環状に形成されている場合には、例えば図9及び図10に示すように各辺において均等に配置されていると好適である。この場合も、主コイル部41の周方向に均等な間隔で配置されているということができる。同様に、主コイル部41が楕円形状やトラック形状などに形成されている場合も、補助コイル部42は主コイル部41の周方向にほぼ均等に配置されていると好適である。
アンテナコイル4の指向性及び効率は、主コイル部41及び補助コイル部42の巻き数や、インダクタンスによって異なる。主コイル部41及び補助コイル部42のインダクタンスは、磁界共鳴式給電システム1の仕様に応じて適宜設定される。例えば、2つの共振回路5を共鳴させるための媒介となる磁界は主として主コイル部41に依存する磁界であるから、補助コイル部42の全てのインダクタンスの合計が、主コイル部41のインダクタンスよりも小さくなるように構成される。
図9及び図10に示すアンテナコイル4の主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PR上に沿って渦巻き状に形成されている。この基準平面PRの規定を簡易に行うために、主コイル部41の形成に際して、基板材70(芯部材7)が利用される。この基板材70は、例えばポリカーボネイトやポロプロピレンによって構成されている。磁界共鳴式給電システム1では、対となるLC共振器(共振回路5)を磁界を介して共鳴させる。アンテナコイル4は、このLC共振器においてインダクタ(L)に対応する共振コイルである。芯部材7を用いてLC共振器のコンデンサ(C)を構成すれば、アンテナコイル4のアッセンブリでLC共振器を構築することができる。高い高周波特性を有したコンデンサを構成する上では、芯部材7の誘電正接の値が小さいこと(例えば、対象周波数帯において0.003未満)が好ましい。ポリカーボネイトやポリプロピレンは、誘電正接がおおよそ0.002以下で、誘電正接の値が小さい材料であり、芯部材7の主材として好適である。
基板材70には、第2基準軸X2を規定するために複数の軸芯部72が設けられている。これらの軸芯部72は、連結部71により連結されている。連結部71は、第1基準軸X1に直交する平面であり、基準平面PRを規定している。補助コイル部42は、主コイル部41に比べて小径のコイルであるから、1つの補助コイル部42のインダクタンスは小さくなる傾向がある。そこで、補助コイル部42は、必要なインダクタンスを確保するために、図10に示すように磁性体の補助コイルコア43を備えている。補助コイルコア43は、高い透磁率及び高い比抵抗を有する強磁性体材料、例えばフェライトなどで構成されていると好適である。また、主コイル部41を流れる電流によって生じる磁束を効果的に導くためには、補助コイル部42は、主コイル部41の径方向において主コイル部41の近傍に配置されることが好ましい。従って補助コイル部42は、図9及び図10に示すように、第1基準軸X1の軸方向に見て、主コイル部41と重複する部分を有するように配置されている。
主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PRに沿って、第1基準軸X1周りに渦巻き状に導体線40を周回させる主コイル部形成工程を経て形成される。補助コイル部42は、第2基準軸X2周りに、主コイル形成工程における導体線40の周回半径よりも小径で導体線40を周回させる補助コイル部形成工程を経て形成される。この補助コイル部形成工程は、主コイル部形成工程において導体線40を第1基準軸X1周りに周回させる間に実施される。尚、「周回させる間」には、主コイル部形成工程の最初、及び主コイル部形成工程の最後を含む。
ところで、主コイル部41及び補助コイル部42において、隣接する導体線40が近接しすぎていると、アンテナコイル4を流れる電流によって誘起される磁界によって隣接する導体線40を流れる電流同士の相互作用である近接効果が強くなる。つまり、近接効果によって、同方向に流れる電流を遠ざける効果が生じてしまう。この近接効果は無負荷Qを低下させる方向に作用する。また、隣接する導体線40の間に浮遊キャパシタンス(寄生コンデンサ)が生じて、アンテナコイル4のインピーダンスに影響を与える可能性もある。このため、導体線40は、その線間を密に巻き回すよりも、ある程度、疎に巻き回すことが好ましい。例えば、導体線40の線径の1〜2倍程度の隙間を有して巻き回されると好適である。主コイル部生成工程の途中に補助コイル部生成工程を実施すると、図11に示すように、主コイル部41の導体線間には、補助コイル部42において周回する導体線40に相当する隙間が形成される。例えば、補助コイル部42において、ほぼ隙間無く導体線40が1周巻き回された場合には、導体線40のほぼ1本分に相当する隙間が主コイル部41を構成する導体線40の間に形成されることになる。
図12は、アンテナコイル4を第2基準軸X2の軸方向に沿って見た図である。図12に示すように、補助コイル部42を流れる電流I2の成分の内の主コイル部41の周方向に平行な成分は、主コイル部41に近い側において主コイル部41を流れる電流I1と同じ向きである。従って、主コイル部41に対して補助コイル部42を設けても、磁界共鳴のための磁界を損なうことが抑制され、伝送効率の低下も少ない。
上述したように、磁界共鳴式給電システム1は、給電側共振回路25と受電側共振回路35とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有することが好ましい。本発明は、図5を参照して説明した対向誤差dを許容する許容範囲が大きい磁界共鳴式給電システム1が構築される点、及びそのようなシステムに適用されるアンテナコイルユニット(8)の構成に特徴を有する。図13及び図14に示すように、アンテナコイルユニット8は、基準軸(第1基準軸X1)周りに導体線40を周回させて構成されたアンテナコイル4を複数備えて構成される。また、アンテナコイルユニット8は、当該複数のアンテナコイル4が互いに同位相の磁束(φ4)を形成する向きであって、基準軸(第1基準軸X1)が互いに平行する状態で隣り合うように、複数のアンテナコイル4を並べて構成されている。
複数のアンテナコイル4は、図14に示すように直列接続されている。上述したように、磁界共鳴式のワイヤレス給電では、共振回路の共振の鋭さQを高くすることが好ましい。共振回路がLC共振器により構成される場合には、式(2)に示したように、“L”(インダクタンス)が大きいほど“Q”も大きくなる。アンテナコイル4が直列接続されると、アンテナコイルユニット8としての合計のインダクタンスは、各インダクタンスの和となる。例えば、同じ大きさのインダクタンスを持つ2つのアンテナコイル4が並列接続された場合には、合計のインダクタンスは2倍となる。換言すれば、個々のアンテナコイル4のインダクタンスは、アンテナコイルユニット8に要求されるインダクタンスの1/2でよい。このように、複数のアンテナコイル4の接続形態は、よりインダクタンスが大きくなるような直列接続であると好適である。
尚、当然ながら必要な“Q”を得ることができるインダクタンスが確保できる場合や、LC共振器のキャパシタンスによって必要な“Q”を得ることができる場合など、条件に応じてアンテナコイル4が並列接続されることを妨げるものではない。
ところで、アンテナコイル4が隣接していると、互いに影響を与え合って個々のアンテナコイル4のインダクタンスを低下させる場合がある。この影響は、複数のアンテナコイル4の離間距離SDが近いほど強くなる傾向がある。従って、隣接するアンテナコイル4のインダクタンスの低下量が、当該アンテナコイル4が単独で設置された場合のインダクタンス(固有のインダクタンス)に比べて無視できる程度に充分小さくなるように、離間距離SDが設定されていると好適である。ここで、「無視できる程度に充分小さい」とは、例えばインダクタンスの低下量が固有のインダクタンスの数%であること(10%未満)など、磁界共鳴式給電システム1に要求される仕様に応じて規定される。即ち、アンテナコイルユニット8は、隣接する他のアンテナコイル4の影響によるそれぞれのアンテナコイル4のインダクタンスの低下量に基づいて離間距離SDを設定し、当該離間距離SDだけ互いに離間させて複数のアンテナコイル4を配置して構成されている。
尚、当然ながら、搭載性を優先するような場合などでは、複数のアンテナコイル4が離間距離SDだけ離間されることなく、接するように配置されることを妨げるものではない。つまり、隣接するアンテナコイル4の影響によるインダクタンスの低下により、“Q”や伝送効率などが低下することをシステム全体の仕様として許容できれば、離間距離SDが“0”で配置されることを妨げるものではない。
図15に示すように、このようなアンテナコイルユニット8を給電側共振回路25の給電側共振コイル24として用い、1つのアンテナコイル4を受電側共振回路35の受電側共振コイル34として用いて、磁界共鳴式給電システム1を構築することが可能である。この際、アンテナコイル4の基準軸(第1基準軸X1)に沿った方向に見たアンテナコイル4の外周によって囲まれる面積である有効面積は、給電側共振回路25のアンテナコイルユニット8が備える複数のアンテナコイル4の有効面積“S2”の合計の方が、受電側共振回路35のアンテナコイル4の有効面積“S3”よりも広く設定されている。
このように設定されていると、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とが対向する方向に沿った方向に見て、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とが重複する相対位置が広い範囲に分布することになる。これにより、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とが対向する位置の許容差が大きくなり、高い伝送効率を有する磁界共鳴式給電システム1が実現される。尚、対向する位置の基準については、アンテナコイルユニット8に関しては、給電側共振コイル24としての磁界の中心を通り、第1基準軸X1に平行な軸とする。アンテナコイルユニット8が図15に示すように同じ仕様の2つのアンテナコイル4により構成される場合には、両アンテナコイル4の中間地点が対向する位置の基準となる。
ここで、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)を構成する複数のアンテナコイル4のそれぞれの有効面積“S2”が、受電側共振コイル34の有効面積“S3”に等しいと好適である。例えば各アンテナコイル4を収容するケースを全てのアンテナコイル4について共通化することも可能であり、低コストで磁界共鳴式給電システム1を構築することができる。また、給電側共振コイル24としてのアンテナコイルユニット8は少なくとも2つのアンテナコイル4を有するので、受電側共振コイル34に対して少なくとも2倍の有効面積を有することになる。従って、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とが対向する方向に沿った方向に見て、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とが完全に重複する相対位置を広い範囲に亘って確保することができる。
図17は、対向誤差dと伝送効率との関係を示している。図17は、給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とを、異なる3つのパターンで組み合わせて伝送効率を測定した実験結果を示している。この実験は、給電側共振コイル24に対して、受電側共振コイル34を、給電側共振コイル24の磁界の中心の位置である基準点を通る直線(測定基準直線)に沿って移動させて逐次、伝送効率を測定したものである。後述する「アンテナ長AL」は、測定基準直線に沿った方向での給電側共振コイル24の長さ(最も外側の導体線40の間の長さ)である。
図17において特性“T1”は、図15に示したように、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とを組み合わせた場合の特性である。特性“T2”は、図16に示すように、同じ仕様の単一のアンテナコイル4で構成された給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とを組み合わせた場合の特性である。特性“T3”は、外形上は図15と同様であるが、アンテナコイル4を、磁束が同位相ではなく逆位相となるように隣接配置して構成されたアンテナコイルユニット8と、受電側共振コイル34とを組み合わせた場合の特性である。尚、図17に示すグラフの横軸は、比較条件を揃えるために、対向誤差dは、下記に示す「対向誤差比」で表している。
対向誤差比 = (対向誤差d/アンテナ長AL)×100[%]
図17に示すように、複数のアンテナコイル4を有して構成されるアンテナコイルユニット8(特性“T1”)は、単一のアンテナコイル4(特性“T2”)に比べて、広い対向誤差比の範囲で良好な伝送効率を発揮することができる。伝送効率の値は、単一のアンテナコイル4の方がアンテナコイルユニット8に対して最大で約4〜5%程度上回っているが、アンテナコイルユニット8の伝送効率も約90%以上であり、実用上充分な高効率を示している。一方、アンテナコイル4の磁束が逆位相となるようにアンテナコイル4が隣接配置されたアンテナコイルユニット8では、対向誤差比が“0”近傍である中央位置において伝送効率がほぼ“0”となるなど、中央位置近傍で伝送効率が大きく落ち込んでおり、いわゆる不感帯が生じている。従って、上述したように、アンテナコイルユニット8を構成するに際しては、複数のアンテナコイル4が互いに同位相の磁束を形成する向きに隣接配置されることが好ましい。
ところで、磁界共鳴式給電システム1では、共振回路5の共振周波数の精度が重要であるが、この共振周波数は、対向誤差dの影響を受けて変動する。図18は、対向誤差dと共振周波数の変動率との関係を示している。図18において特性“T4”は、図15に示したように、給電側共振コイル24(アンテナコイルユニット8)と受電側共振コイル34とを組み合わせた場合の特性である。特性“T5”は、図16に示すように、同じ仕様の単一のアンテナコイル4で構成された給電側共振コイル24と受電側共振コイル34とを組み合わせた場合の特性である。
対向誤差dが“0”の近傍においては、単一のアンテナコイル4の方がアンテナコイルユニット8に対して共振周波数に近い周波数となっている。これは、図17を参照して上述したように、伝送効率の差となって現れている。但し、変動率を考えると、単一のアンテナコイル4の方は、対向誤差dに応じて約9%の周波数変動を生じているのに対して、複数のアンテナコイル4を有して構成されたアンテナコイルユニット8の方は、対向誤差dに応じた周波数変動が約5%に留まっている。つまり、対向誤差dに対する周波数変動の耐性は、アンテナコイルユニット8の方が単一のアンテナコイル4に比べて強い。
高い伝送効率を有する磁界共鳴式給電システム1を得る上で共振周波数の変動が少ないことは好適である。この他、磁界共鳴式給電システム1は、非接触電力伝送技術を利用したシステムであるから、例えば日本における電波法などの法規制の対象となる場合がある。磁界共鳴式給電システム1の場合、法規制の対象となる周波数帯は、共振回路5の共振周波数に対応する。共振回路5の共振周波数の変動が少ないと、法規制を満足する共振回路5を構成することが容易となり、システム全体のコストダウンにも貢献する。
給電側共振回路25にアンテナコイルユニット8が備えられた場合、対となる受電側共振回路35には、単一のアンテナコイル4又は複数のアンテナコイル4を有するアンテナコイルユニット8が備えられる。以下、受電側共振回路35に備えられる共振コイル(アンテナコイル4又はアンテナコイルユニット8)について説明する。ここでは、給電側共振回路25に備えられるアンテナコイルユニット8が、上述したように2つのアンテナコイル4を有して構成されているものとする。また、給電側共振回路25と受電側共振回路35とは、同じ共振周波数の共振回路であれば良く、例えばLC共振器の場合には“L”と“C”とにより共振周波数が規定される。このため、例えば2つの共振回路5において“L”の値が異なっていれば、“C”の値で調整することが可能であるが、ここでは、給電側と受電側とで、インダクタンス“L”が同じ値である場合を例示する。
受電側共振回路35は、例えば3つのパターンの共振コイルを備えて構成することができる。ここでは、比較を容易にするために「同じ」という表現を用いているが、これは厳密な概念を示すものではなく、当然ながら「同程度」という概念を含む。
(1)給電側共振回路25のアンテナコイルユニット8の1つのアンテナコイル4と同じ有効面積で、アンテナコイルユニット8の全体と同じインダクタンスを有する1つのアンテナコイル4(図15参照)。但し、有効面積は、基準軸(第1基準軸X1)に沿った方向に見たアンテナコイル4の外周によって囲まれる面積である。
(2)給電側共振回路25と同じ構成(有効面積及びインダクタンス)のアンテナコイルユニット8(図19参照)。
(3)給電側共振回路25と同じ有効面積で、アンテナコイルユニット8の全体と同じインダクタンスを有する1つのアンテナコイル4(図20参照)。
上記(1)の構成は、受電側共振回路35に備えられる共振コイル(アンテナコイル4)を小型化できる。従って、例えば、受電側共振回路35が車両9などに搭載される場合に省スペース化が実現できる。上記(2)の構成は、受電側共振回路35に備えられる共振コイル(アンテナコイルユニット8)の小型化は実現できないが、共振コイルを共通化することができる。また、図18に例示したように、同じインダクタンスを有する場合、共振コイルが分割されている方が対向誤差dに対する周波数変動が少なくなるので、伝送効率は(1)に比べて優れている。受電側共振回路35の搭載スペースを考慮しなくてよい場合は、(1)に比べて(2)の構成が好適である。上記(3)の構成は、(1)及び(2)と比べて共振コイルの電気抵抗が小さい。搭載性、伝送効率の点では、上記(1)及び(2)の構成に及ばないが、このような構成を採用することも可能である。
尚、上記説明においては、給電側共振回路25に複数のアンテナコイル4を有したアンテナコイルユニット8が備えられる場合を例として説明した。しかし、当然ながら、受電側共振回路35にアンテナコイルユニット8が備えられていてもよい。この場合、対となる給電側共振回路25には、単一のアンテナコイル4又は複数のアンテナコイル4を有するアンテナコイルユニット8が備えられる。
〔その他の実施形態〕
以下、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態においては、指向性を有したアンテナコイル4を用いる場合を例示して説明した。複数のアンテナコイル4を用いてアンテナコイルユニット8を構成すると、共振コイルの有効面積が大きくなる。このため、給電側の共振コイルから生じる磁界が、共鳴対象となる受電側の共振コイル以外に影響を及ぼす可能性も高くなる。従って、上記実施形態においては、このような漏洩磁束を抑制することも考慮して、指向性を有したアンテナコイル4を用いて説明した。しかし、給電側共振回路25と受電側共振回路35とが対向する位置の許容差が大きく、高い伝送効率を有する磁界共鳴式給電システム1を実現する上では、指向性を有したアンテナコイル4を用いる形態に限定されないことは自明である。即ち、図4や図5に例示したような指向性を有していないアンテナコイル4を用いてアンテナコイルユニット8が構成されてもよい。
(2)上記実施形態では、図8に示したように給電側共振回路25及び受電側共振回路35の双方が指向性を有したアンテナコイル4を有している場合を例示した。しかし、漏洩磁束の影響を抑制したい側が何れか一方である場合には、何れか一方側のみのアンテナコイル4が指向性を有して構成されていてもよい。例えば、少なくとも受電側共振コイル34に補助コイル部42が備えられていれば、車両9に対する磁界の影響を抑制することができる。このように、車両9の側(受電側共振回路35)のみで漏洩磁束が抑制されれば充分な場合、指向性を有していないアンテナコイル4を用いて給電側共振回路25が構成されていてもよい。
(3)上記実施形態においては、矩形環状の主コイル部41を有するアンテナコイル4を例示した。しかし、アンテナコイル4(主コイル部41)の形状は、矩形環状に限定されるものではなく、円環状やトラック形状であってもよい。
(4)上記実施形態においては、アンテナコイル4(主コイル部41)が第1基準軸X1に直交する基準平面PR上に沿って渦巻き状に形成されている例を示した。しかし、主コイル部41の構成はこの形態に限定されるものではない。例えば、主コイル部41は、第1基準軸X1に直交する基準平面PRに平行な面に沿って周回すると共に、第1基準軸X1に沿って背面側軸方向端面PBに向かうに従って径が拡大する螺旋状(竜巻状)に形成されていてもよい。また、主コイル部41は、基準平面PRに平行な面に沿って同じ径で周回しつつ、第1基準軸X1に沿って延在する円筒形状(バネ形状)に形成されていてもよい。尚、図9、図10等には、主コイル部41に磁性体のコアが備えられていない形態のアンテナコイル4を例示したが、主コイル部41にコアが備えられていてもよい。
(5)上記実施形態においては、車両9に搭載された蓄電装置に対してワイヤレス給電を行う形態を例示したが、当然ながら本発明は、車両への適用に限定されるものではない。例えば、小型水力発電や太陽光発電、小型風力発電により発電された電力を、一般家屋やビルディングなどに伝送する用途、つまりスマートグリッドシステムにおける電力伝送にも利用することができる。
本発明は、給電回路及び受電回路に備えられた共振回路を磁界を介して共鳴させる磁界共鳴方式によりワイヤレス給電を行うために給電回路及び受電回路の少なくとも一方に備えられるアンテナコイルユニットに利用することができる。また、本発明は、このアンテナコイルユニットを備えて構成される磁界共鳴式給電システムに利用することができる。
1 :磁界共鳴式給電システム
2 :給電システム(給電回路)
3 :受電システム(受電回路)
4 :アンテナコイル
5 :共振回路
6 :コンデンサ
8 :アンテナコイルユニット
24 :給電側共振コイル(アンテナコイル、アンテナコイルユニット)
25 :給電側共振回路(給電回路)
34 :受電側共振コイル(アンテナコイル、アンテナコイルユニット)
35 :受電側共振回路(受電回路)
40 :導体線
PR :基準平面
SD :離間距離
X1 :第1基準軸(基準軸)
S2,S3:有効面積

Claims (5)

  1. 給電回路及び受電回路に備えられた共振回路を磁界を介して共鳴させる磁界共鳴方式によりワイヤレス給電を行うために前記給電回路及び前記受電回路の少なくとも一方に備えられるアンテナコイルユニットであって、
    基準軸周りに導体線を周回させて構成されたアンテナコイルを複数備え、当該複数のアンテナコイルが互いに同位相の磁束を形成する向きであって、前記基準軸が互いに平行する状態で隣り合うように、前記複数のアンテナコイルを並べて構成されたアンテナコイルユニット。
  2. 前記複数のアンテナコイルが直列接続されて構成されている請求項1に記載のアンテナコイルユニット。
  3. 隣接する他の前記アンテナコイルの影響によるそれぞれの前記アンテナコイルのインダクタンスの低下量に基づいて離間距離を設定し、当該離間距離だけ互いに離間させて前記複数のアンテナコイルを配置した請求項1又は2に記載のアンテナコイルユニット。
  4. 前記給電回路が、請求項1から3の何れか一項に記載のアンテナコイルユニットを備えて構成され、前記受電回路が、1つの前記アンテナコイルを備えて構成された磁界共鳴式給電システムであって、
    前記基準軸に沿った方向に見た前記アンテナコイルの外周によって囲まれる面積である有効面積は、前記給電回路の前記アンテナコイルユニットが備える複数の前記アンテナコイルの前記有効面積の合計の方が前記受電回路の前記アンテナコイルの前記有効面積よりも広く設定されている磁界共鳴式給電システム。
  5. 前記給電回路の前記アンテナコイルユニットを構成する前記複数のアンテナコイルのそれぞれの前記有効面積は、前記受電回路の1つの前記アンテナコイルの前記有効面積に等しい請求項4に記載の磁界共鳴式給電システム。
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