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JP2013253790A - ニバレノールの分析法 - Google Patents

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JP2013253790A
JP2013253790A JP2012127741A JP2012127741A JP2013253790A JP 2013253790 A JP2013253790 A JP 2013253790A JP 2012127741 A JP2012127741 A JP 2012127741A JP 2012127741 A JP2012127741 A JP 2012127741A JP 2013253790 A JP2013253790 A JP 2013253790A
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water
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JP2012127741A
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Atsushi Yamamoto
敦 山本
Yoshinori Inoue
嘉則 井上
Waka Uechaya
若 上茶谷
Mitsuru Saito
満 齊藤
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Nippon Filcon Co Ltd
Chubu University
Original Assignee
Nippon Filcon Co Ltd
Chubu University
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Abstract

【課題】
食品あるいは飼料中のマイコトキシン(カビ毒)の一種であるニバレノールの定量を行う化学分析法において、煩雑な操作を行うことなく、被検試料中に微量に存在するニバレノールを高精度で、迅速かつ簡便に抽出・精製しうる前処理法を提供する。
【解決手段】
試料を遠沈管に採り、水を加えて十分膨潤させた後、アセトニトリルで振とう抽出し、遠心分離後の上澄に色素除去用吸着剤及び塩析剤を加えて再度振とう・遠心分離し、その上澄を弱イオン性の両性イオン型官能基を有する固相抽出剤を充填した固相抽出カートリッジに通液してニバレノールを捕捉させた後、固相抽出カートリッジを適切な洗浄液で洗浄後、固相抽出カートリッジに捕捉されたニバレノールを水で溶出させるという前処理で得られた試料溶液を、高速液体クロマトグラフィ−紫外吸収検出法を用いてニバレノールを定量する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品あるいは飼料中のニバレノールの定量を行う化学分析法に関する。
マイコトキシン(mycotoxin)はカビの二次代謝産物として産生される毒物で、現在300種類以上が知られている。代表的なマイコトキシンとしては、アフラトキシン、オクラトキシン、ニバレノール(以下、「NIV」という)やデオキシニバレノール(以下、「DON」という)などのトリコテセン系、パツリン、フモニシンなどがある。ヒトや動物がマイコトキシンを摂取した場合、肝臓、腎臓、胃腸などに重篤な健康傷害が生じ、深刻な場合には死亡に至ることがある。これらのマイコトキシンは農産物を汚染する危害要因であり、生産段階や貯蔵段階において、植物病原菌であるカビが貯蔵穀物などを汚染する。NIVやDONは、麦類(小麦及び大麦)の品質低下や収穫量の減少の原因となる赤カビ病の病原菌であるフザリウム属のカビにより産生される。わが国は麦の生育後期に降雨が多く、赤カビ病が発生しやすい環境にある。我が国において、1950年代に赤カビ病の被害を受けた米・麦を摂食した人や家畜の間に急性赤カビ中毒症が多発している。現在では赤かび病の被害は減少しているが、気象条件により赤カビ病が蔓延した場合には、NIVやDONによる汚染や健康障害が発生する可能性がある。NIVやDONは加工や調理工程においても完全に除去・分解することは難しいため、生産段階において汚染を防止することが重要とされる。厚生労働省では、平成14年に、小麦に対するDONの暫定基準(1.1mg/kg)を設定している(非特許文献1)。農林水産省では、平成14年、飼料にDONの暫定許容値(生後3ヵ月以上の牛に給与される飼料:4ppm、生後3ヵ月以上の牛を除く家畜などに給与される飼料:1ppm)を設定(非特許文献2)し、平成20年に、実施規範「麦類のデオキシニバレノール・ニバレノール汚染低減のための指針」を策定している(非特許文献3)。DONについては暫定基準値が設定されているものの、NIVに関しては、我が国におけるNIVの暴露量は食品安全委員会が設定した耐容一日摂取量(TDI:Tolerable Daily Intake)を下回っていることから、一般的な日本人における食品からのNIVの摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性は低いと考えられる、という観点から基準値は設定されていない。しかしながら、NIVの毒性はDONよりも10倍も高いとされ、高温多湿である我が国の気候では赤カビ病が発生しやすいという点を鑑みると、NIVに対する厳密な管理・規制が必要である。
マイコトキシンの分析法に関しては総説(非特許文献4)が出されており、ガスクロマトグラフィ(以下、「GC」という)や液体クロマトグラフィ(以下、「HPLC」という)を用いる分析法が主に用いられている。DONについては、厚生労働省から通知試験法(以下、「通知法」という)が出されており、広く使用されている(非特許文献1及び非特許文献5)。通知法(非特許文献1)では、定性及び定量試験として紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(以下、「HPLC−UV法」という)を用い、確認試験としてHPLC−質量分析計(以下、「HPLC−MS法」という)又はGC−質量分析計(以下、「GC−MS法」という)を用いる、としている。図5にDONに関わる通知法の概要を示す。通知法では夾雑成分の除去には多機能カラムを用いるが、小麦であっても夾雑成分の除去が十分ではないため、HPLC−UV法(検出検出波長220nm)ではDONの周辺にも夾雑成分が検出されてしまう。そのため、確認試験としてHPLC−MS法又はGC−MS法を用いるとしているが、2回の試験を行うことは煩雑であるだけでなく、設備や維持管理コスト、分析時間という点からも課題が多い。一方、NIVに関しては、DONの通知法のような公定試験法は設定されていないが、DONに対する通知法に従ってNIVの測定を行った場合、夾雑成分の除去が不十分であるためNIVを精度良く定量することは困難である。HPLC−タンデム質量分析計(MS/MS)を用いることにより定量可能であるとされる(非特許文献4)が、このような機器は非常に高価で、維持管理コストも高いため、オンサイト(現場)分析や簡便で迅速な分析が必要とされるマイコトキシンには決して有効な手法であるといえない。
ところで、食品中の残留農薬分析における前処理の煩雑さを解消する手法として、QuEChERS法が注目されている。QuEChERS法とは、Quick、Easy、Cheap、Effective、Rugged、Safeの頭文字を繋いだものである(非特許文献6)。この方法は、ディスポーザブルの遠沈管に試料と抽出溶媒としてのアセトニトリル(基本的には試料と同量)と、塩析脱水のための硫酸マグネシウムと、夾雑成分除去のための吸着剤を入れ、素早く混合・振とうし、遠心分離をかけ、その上澄を試験溶液とするという、非常に簡便化された前処理法で、この方法により多数の農薬の抽出が可能であるとされている。この方法を用いることにより、従来1〜2時間もかかっていた残留農薬分析のための前処理が30分程度で完了するとされ、前処理の簡便化だけでなく、省力化手法としても有望である。マイコトキシンの前処理においてもこのような前処理の簡便化が期待されるが、QuEChERS法を利用したマイコトキシン分析の前処理手法に関する報告はない。また、QuEChERS法では極性の高い農薬の抽出・回収率が低い、極性農薬の溶出位置周辺に夾雑成分が多数溶出して測定の妨害となるなどの問題も指摘されている。QuEChERS法は選択的検出が可能なHPLC−MSやGC−MS法のために開発されたものであり、この方法を汎用のHPLC−UV法に適用させた場合には、夾雑成分による妨害は非常に深刻なものとなる。従って。水溶性の高いNIVの分析に適用させるには更なる工夫が必要である。
マイコトキシンの一種であるアフラトキシンやオクラトキシンの分析のための前処理法用として、選択的な反応性抗体を固定した吸着剤を充填したイムノアフィニティカラムが市販されているが、NIV及びDON前処理用のイムノアフィニティカラムも市販されている。測定試料をイムノアフィニティカラムに通液し、緩衝液の洗浄により夾雑成分を除去した後、メタノールで溶出してHPLC−UV法で分離定量するという方法である。前処理としては簡便な方法であるが、水溶液中からしかNIV及びDONを抽出できないため、通知法のような有機溶媒抽出により得られた試料溶液の前処理には適用できない。しかし、抽出溶媒を水溶液として、食品試料などからNIVを効率よく抽出することは困難であるため、既存法とはまったく異なる新規な抽出法を開発しなければならないという課題がある。また、このイムノアフィニティカラムは1検体限りの使い捨てであり、そのコストが非常に高いという問題もある。
NIVやDONを検出する別の方法としては、トリコテセン系マイコトキシンに対して親和性の高いモノクローナル抗体またはその抗体断片を用いてトリコテセン系マイコトキシンを検出・定量する方法(特許文献1)、T細胞と検体とを接触させることにより当該T細胞にアポトーシスを誘導させ、誘導されたアポトーシスを測定することによりトリコテセン系マイコトキシンを検出・定量する方法(特許文献2)がある。これらの方法はトリコテセン系マイコトキシンに対して特異性の高い認識機構により検出するため、夾雑成分の妨害を受けにくいという特徴がある。しかしながら、トリコテセン系マイコトキシンを包括的に検出・定量するものであるため、個別の定量値を得ることはできない。
特許公開2005−245211号公報 再表01/018196
平成14年5月21日付、食安発第0521001号厚生労働省食品安全部長通知 平成14年7月5日付、14生畜第2267号農林水産省飼料課長通知 平成20年12月17日付、20消安第8915号、20生産第5731号農林水産省消費・安全局長、生産局長連名通知 田端節子、「カビ毒の分析法」、ぶんせき、2008、No.10、p.531(2008)。 平成15年7月17日付、食安発第0717001号厚生労働省食品安全部長通知 M. Anastassiades、S.J. Lehotay、Journal of AOAC International、vol.86、No.2、p.412(2003) Y. Inoue、 W. Kamichatani、 M. Saito、 Y. Kobayashi、 A. Yamamoto、Chromatographia、vol.73、No.9−10、p.849(2011). 小林泰之、山本敦、上茶谷若、井上嘉則、分析化学、vol.60、No.8、p.635(2011).
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、食品あるいは飼料中のトリコテセン系マイコトキシンであるNIVの定量を行う化学分析法において、煩雑な操作を行うことなく、被検試料中に微量に存在するNIVを高精度で、迅速かつ簡便に抽出・精製しうる前処理法及びHPLC−UV法を用いる分析法を提供することを目的とする。
本発明者などは、トリコテセン系マイコトキシンであるNIVを迅速、安価かつ簡便に定量可能な分析手法提供すべく鋭意研究を行った結果、新規な予備抽出工程を開発するとともに、その予備抽出液を親水性基材に弱イオン性の両性イオン型官能基が導入された固相抽出剤(以下、「両性イオン型固相抽出剤」という」)を用いて精製することで、夾雑成分の妨害を受けることなくHPLC−UV法でNIVを高精度かつ容易に定量可能であることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、食品あるいは飼料中のニバレノールの化学分析において、弱イオン性の両性イオン型官能基を有する固相抽出剤を充填した固相抽出カートリッジを用いて、測定対象である食品あるいは飼料中のニバレノールを抽出・精製して分析を行う分析法であって、試料を遠沈管に採り、水を加えて十分に膨潤させた後、アセトニトリルで振とう抽出し、遠心分離後の抽出液に色素除去用吸着剤及び塩析剤を加えて再度振とう・遠心分離して上澄を得る、という予備抽出工程と、予備抽出工程で得られた上澄を、前記固相抽出カートリッジに通液してニバレノールを捕捉させた後、前記固相抽出カートリッジを洗浄液で洗浄して夾雑成分を除去し、前記固相抽出カートリッジに捕捉されたニバレノールを水で溶出させる、という精製工程と、を備えた前処理により得られる試料溶液を、HPLC−UV法で測定してニバレノールを定量する、というニバレノールの分析法である。
本発明において、前記両性イオン型固相抽出剤の一つの形態は、下記式(1)で示される弱イオン性の両性イオン型高分子が多孔質の親水性基材に導入されている固相抽出剤である。
Figure 2013253790
また、本発明において、前記両性イオン型固相抽出剤のもう一つの形態は、下記式(2)で示される弱イオン性の両性イオン型高分子が多孔質の親水性基材に導入されている固相抽出剤である。
Figure 2013253790
本発明において、両性イオン型固相抽出剤の親水性基材としては、前記式(1)ないし式(2)の化合物が導入可能な官能基を有する多孔質の非芳香族系親水性高分子ゲルまたはシリカゲルを用いることができる。
本発明においては、前記色素除去用吸着剤として、活性炭あるいはカーボン系吸着剤を用いることができる。
また、本発明においては、前記塩析剤として、塩化ナトリウム及び硫酸マグネシウムからなる塩析剤を用いることができる。
本発明の分析法は、簡便な抽出法と水溶性の高い化合物に高い親和性を示す両性イオン型固相抽出剤との組み合わせにより、食品あるいは飼料中のNIVを、安価な器具で、迅速かつ簡便に高効率で抽出することができ、夾雑成分の除去率も高いため、汎用のHPLC−UV法でNIVを高精度に定量することが可能である。本法を利用することで、NIVの分析精度を高めると共に、分析効率の改善やコストの低減を達成することが可能となる。なお、本前処理法で得られるNIVを含む測定溶液は水溶液であるため、HPLC−UV法のみならず、他の分析手法を用いて定量分析を行うことも容易である。例えば、DONの通知法に確認試験法として記載されるHPLC−MS法に適用させることも可能である。さらには、イムノアッセイ法への適用も可能である。
図1は、本発明の分析法における操作フローを示した図である。 図2は、本発明に用いられる両性イオン型固相抽出剤が充填された固相抽出カートリッジの構成の一例を示した説明図である。 図3は、本発明の分析法と通知法により得られたふすま抽出液のクロマトグラムである。図2a)はNIV 0.5ppm標準液のクロマトグラムである。図2b)は、本発明の分析法により前処理して測定した玄麦のクロマトグラムである。図2c)は、本発明の分析法により前処理して測定したNIV 0.5ppmを添加した玄麦のクロマトグラムである。図2d)は、通知法により前処理して測定した玄麦のクロマトグラムである。図2e)は、通知法により前処理して測定したNIV 0.5ppmを添加した玄麦のクロマトグラムである。 図4は、本発明の分析法と通知法により得られたふすま抽出液のクロマトグラムである。図4a)は、NIV 1ppm標準液のクロマトグラム 図4b)は、本発明の分析法により前処理して測定したふすまのクロマトグラム 図4c)は、本発明の分析法により前処理して測定したNIV 1ppmを添加したふすまのクロマトグラム 図4d)は、通知法により前処理して測定したふすまのクロマトグラム 図4e)は、通知法により前処理して測定したNIV 1ppmを添加したふすまのクロマトグラム 図5は、通知法の操作フローを示した図である。
本発明は、遠沈管を用いて簡便に抽出を行う予備抽出工程と、両性イオン型固相抽出剤を充填した固相抽出カートリッジを用いて夾雑成分除去を行う精製工程とを組み合わせて試料前処理を行い、得られた測定用試料溶液をHPLC−UV法を用いて分離・定量するという点が、最も特徴的な構成である。
本実施例の操作フローを図1に示す。図1の操作フローに従い、本発明の実施形態を説明する。
本発明の前処理は、予備抽出工程と精製工程の2つから構成される。予備抽出工程では、食品あるいは飼料中からNIVを抽出した後、色素などの夾雑成分をある程度除去すると共に、水分を取り除き、次の精製工程に供しやすい状態の溶液を調製する。精製工程では、両性イオン型固相抽出剤を用いてNIV及びDONを捕捉・濃縮するとともに、HPLC分析において妨害となる残存した夾雑成分の除去を行う。
予備抽出工程では、測定対象試料の膨潤⇒振とう抽出⇒遠心分離⇒塩析剤・吸着剤による色素などの夾雑成分除去⇒遠心分離、という段階を経て、精製工程に供させる上澄を得る。
予備抽出工程において、測定対象である食品あるいは飼料は、粉砕または細切後、その一定量が遠沈管に採取される。ここで使用される遠沈管は、ガラス製のものでも樹脂製のものでもよい。採取された試料に、試料と同量の水を加えて激しく振とう後、20〜30分放置する。次いで、加えた水の倍量のアセトニトリルを加えて、速やかに1分間激しく振とうする。通知法ではアセトニトリル:水(85:15)で直接抽出することとなっているが、試料の膨潤が不十分である場合には高い抽出率を得ることができない。そこで、事前に水を加えて振とう放置することにより試料が十分に膨潤して抽出しやすい状態とすることができる。また、NIVは水溶性が非常に高いため、本発明では水:アセトニトリル(1:2)となるような条件で抽出を行う。アセトニトリルによる振とう抽出を行った後、速やかに遠心分離を行い、上澄を得る。遠心分離条件は特に規定するものではないが、3000〜10000回転で2〜5分行う。得られた上澄を別の遠沈管に移し、色素除去用吸着剤及び塩析剤加えて再度振とうし、遠心分離して上澄を得る。色素吸着剤としては、活性炭あるいはカーボン系吸着剤を用いることができる。これらは市販されているものを使用することができる。活性炭あるいはカーボン系吸着剤の使用量は、得られた上澄20mLに対して、0.5〜1gである。また、塩析剤としては塩化ナトリウムと硫酸マグネシウムを使用するが、これらの使用量は得られた上澄20mLに対して、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウムともに1〜3gである。
また、この工程において添加される塩析剤は、塩析及び脱水効果によって、NIVの抽出溶媒(本発明ではアセトニトリル)への移行度合い(溶解性)を高めるために添加される。このような効果をもたらすものとしては無水硫酸ナトリウムが広く用いられているが、無水硫酸ナトリウムを用いた場合には、NIVが無水硫酸ナトリウムに吸着・取り込まれて抽出回収率が低下するという問題が生じる。
予備抽出工程により得られた上澄から1mLを採取し、これにアセトニトリル2mLを加えて攪拌・混合し、両性イオン型固相抽出剤を用いる精製工程に供する。精製工程では、予備抽出工程により得られた上澄⇒両性イオン型固相抽出剤でNIVを捕捉⇒洗浄液による夾雑成分除去⇒水による溶出、という段階を経て、HPLC−UV法に供させる試料溶液を得る。
アセトニトリルを加えて調整した溶液3mLを0.5〜2mL/minで、100mgの両性イオン型固相抽出剤を充填した固相抽出カートリッジに通液してNIVを捕捉させる。全量通液後、適切な洗浄液1mLを通液し、充填ベッド内に残存する負荷溶液や疎水性夾雑成分の溶出・除去を行う。その後、水0.5mLを用いて、両性イオン型固相抽出剤に捕捉されたNIVを溶出させる。
ここで、両性イオン型固相抽出剤の使用は、NIVに対する親和性が高く、効率よく捕捉して濃縮できるというだけでなく、試験溶液となる固相抽出カートリッジからの溶出液を水溶液として得ることができ、かつ疎水性の高い成分を保持することなく除去することができるという点で重要である。NIVのHPLCによる分離は、オクタデシルシリル化シリカゲルを固定相に用い、アセトニトリル:水(例えば、5:95)を移動相として逆相分配モードで行われる。この分離モードでは、試料溶液の液性が移動相よりも溶離力の強い場合には保持や分離の変動が大きくなる。そのため,有機溶媒を含まない水溶液を試料とすることが望ましい。また、試料中に疎水性の高い夾雑成分が含まれる場合には、測定対象成分が溶出した後も夾雑成分の溶出が続き、分析時間が異常に長くなるという問題が生じる。従って,測定試料中には疎水性の高い夾雑成分を含まないことが望ましい。
これらのことから,NIVの捕捉・濃縮が可能で、疎水性夾雑成分の除去ができ、そして測定試料が水溶液で得られる、という、両性イオン型固相抽出剤の使用が好適となる。
本発明においては、予備抽出工程により得られた上澄にアセトニトリルを加えて液性調整を行う。本発明には脱水工程が組み込まれてはいるが、遠心分離後の上澄には僅かではあるが水分が含まれている。両性イオン型固相抽出剤における捕捉率は、試料負荷液中の水分濃度により大きく変動する。そこで、アセトニトリルを追加して、アセトニトリル濃度を高める、すなわち水分濃度を低下させる。本発明では、上澄1mLに対してアセトニトリル2mLを加えて残存水分濃度を低くする。また,洗浄液としては、固相抽出カートリッジに残存する試料負荷液の押し出しも兼ねるため、試料負荷液と混和するものでなければならず、また両性イオン型固相抽出剤に捕捉されたNIVが溶出されないものでなければならない。そこで、試料負荷液と同じアセトニトリルを用いる。固相抽出カートリッジの洗浄後、水0.5mLを用いて、両性イオン型固相抽出剤に捕捉されたNIVを溶出させる。この溶出液がHPLC−UV法による測定試料となる。本発明において使用される両性イオン型固相抽出剤はNIVのような水溶性の高い成分を水だけで溶出可能である。従って、通知法で用いられているような乾固及び再溶解 (転溶) という操作は不要となるとともに,上述したようなHPLC−UV法に好適な試料液性の測定試料溶液を得ることが可能となる。なお、上述した通り本前処理法で得られるNIVを含む測定溶液は水溶液であるため、HPLC−UV法以外の定量法に容易に適用可能である。例えば、DONの通知法に確認試験法として記載されるHPLC−MS法で定量することも可能であり、さらにはイムノアッセイ法への適用も可能である。
本発明は、水溶性化合物に対して高い親和性を有する両性イオン型固相抽出剤にNIVを捕捉させて精製を行う。本実施形態において、両性イオン型固相抽出剤には、多孔質の親水性基材に弱イオン性の両性イオン型高分子が導入された固相抽出剤が使用される。
本発明において親水性基材に導入される両性イオン性の高分子の第1及び第2の形態としては、下記式(1)に示されるジアリルアミン誘導体−マレイン酸共重合体または下記式(2)に示されるアリルアミン誘導体−マレイン酸共重合体であり、これらが親水性基材に導入される。また、これら共重合体を混合して親水性基材に導入してもよい。これらの両性イオン型高分子は、例えば、ジアリルアミン誘導体またはアリルアミン誘導体と無水マレイン酸との共重合により得られる共重合体を加水分解することにより得ることができる。ジアリルアミン誘導体またはアリルアミン誘導体とマレイン酸との組成比(式(1)及び式(2)におけるmとnの比)は1〜2:1であるものが用いられる。これらの両性イオン性高分子の分子量を正確に求めることは難しいが、大凡の平均分子量として5000〜100000のものが本発明に用いられる。
Figure 2013253790
Figure 2013253790
前記両性イオン型高分子は水溶性であり、それぞれのイオン性基の周りに多数の水分子が水和しているため、親水性基材にこれらの高分子が導入された固相抽出剤は高い保水性を示す。ジアリルアミン−マレイン酸共重合体を導入した固相抽出剤の保水性に関しては既に報告があり、親水性化合物が親水性相互作用に基づき捕捉されるとされている(非特許文献7及び非特許文献8)。本発明では、両性イオン型高分子の水和力に基づいて固相抽出剤表面に形成される保水層に水溶性の高いNIVを親水性相互作用によって捕捉する。親水性相互作用とは固定相の親水基に基づく極性や水素結合などの相互作用や、固定相表面に形成された水和相への分配などの複合的な相互作用であり、親水性化合物のクロマトグラフィック分離に用いられている。この分離系は極性固定相とアセトニトリルなどの極性移動相とにより構成され、極性固定相への親和性を利用して極性化合物の分離を行うものである。
本発明においては、親水性相互作用を明確に発現させるため、前記両性イオン型高分子を導入する基材にも親水性のものを使用する。親水性基材の一つの形態としては、公知の親水性モノマーと親水性架橋性モノマーとの共重合により得られる多孔質の親水性の高分子ゲルを使用することが可能であるが、前記両性イオン型高分子を化学的に導入させるため、反応性官能基を有する必要がある。このような反応性基材は、反応性官能基を有する反応性モノマーと架橋性モノマーとの共重合、または親水性基材に後反応により反応性官能基を導入することにより得られる。前記両性イオン型高分子の導入においては、アンモニウム基(以下、イミノ基も含めて「アンモニウム基」という)との反応、またはカルボキシル基との反応により行うことが可能であるが、導入反応の容易さ及び反応生成物の安定性の点を考えると、アンモニウム基との反応を利用するのが有利である。従って、本発明においては、反応性官能基としてアンモニウム基と反応可能なエポキシ基、ハロゲン化アルキル基などの官能基を有する多孔質の親水性高分子ゲルまたはシリカゲルを基材として用いる。
アンモニウム基と反応可能な官能基を有する親水性高分子ゲルの一つの形態は、アンモニウム基と反応可能な官能基を有する親水性のビニルモノマーと、2個以上のビニル基を有する親水性の架橋性モノマーとの懸濁共重合によって得られる架橋性高分子である。アンモニウム基と反応する官能基を有する親水性のビニルモノマーの官能基としては、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基などがあげられる。ハロゲン化アルキル基を有する反応性モノマーとしては、例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−クロロエチルメタクリレート、2−クロロエチルアクリレートなどがあげられる。エポキシ基を有する官能性モノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどがあげられる。これらモノマーと共重合が可能なビニル基を2個以上有する親水性の架橋性モノマーとしては、エチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールトリメタクリレートなどの多官能メタクリレート系モノマー、この他、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレートなどのシアヌル酸骨格を持つ架橋性モノマーなどがあげられる。また、親水性高分子ゲルの親水性や水素結合性などの物性を改善するために、第三のビニルモノマーを添加することも可能である。物性改善のためのビニルモノマーとしては、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、モルホリノアクリルアミドなどのアミド系モノマー、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセリンメタクリレート、ネオペンチルグリコールメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレートなどのメタクリレートモノマー、さらにはN−ビニルピロリドンなどがあげられる。本発明の親水性高分子ゲルにおいて、アンモニウム基と反応する官能基を有するビニルモノマーの量は、全ビニルモノマーに対して20〜80重量%、好ましくは30〜80重量%であり、十分な硬度を確保するためにビニル基を2個以上有する親水性の架橋性モノマーは少なくとも20重量%以上用いる。また、親水性基材の親水性や水素結合性などの物性を改善するために添加される他のビニルモノマーは、0〜20重量%で用いるのが好ましい。
アンモニウム基と反応可能な官能基を有する親水性高分子ゲルのもう一つの形態は、水酸基を多数有する親水性担体に、アンモニウム基と反応可能な官能基を化学反応によって導入することにより得られる。水酸基を多数有する親水性担体としては、ポリビニルアルコール系架橋性樹脂、ヒドロキシメタクリレート系架橋性樹脂などの合成高分子系の親水性担体、さらにはセルロース、デキストランなどの多糖類を原料とする親水性担体などを使用することができる。これらの親水性担体の水酸基に公知の方法により、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基などのアンモニウム基と反応可能な官能基を導入することが可能である。
本発明において用いられる親水性基材のさらなる形態としては、公知の方法により得られる多孔質のシリカゲルである。前記両性イオン型高分子を化学的に導入させるため、アンモニウム基と反応可能な官能基を事前に導入しておく必要がある。アンモニウム基と反応が可能な反応性官能基の導入方法としては、反応性官能基を有するシランカップリング剤を公知の方法によりシリカゲル表面のシラノール基に反応させればよい。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのトルエン溶液中にシリカゲルを入れ、還流条件下で反応させることで、シリカゲル表面にアンモニウム基と反応可能なエポキシ基を導入することが可能である。
本発明においては、高い吸着能が要求されるため、十分な比表面積を有する多孔質の親水性基材が必要となる。そのため、本発明においては、非膨潤時の細孔物性として、平均細孔径6〜50nm、比表面積10〜800m/gのものを用いるのが好ましい。また、本発明において使用される親水性基材の粒子径は任意に設定することができるが、一般に、平均粒子径で25〜200μmのものを用いる。また、親水性基材の形状に関しては、不定形の破砕型であっても、球形であってもかまわない。このような親水性の基材の反応性官能基に、両性イオン型官能基が導入される。
上記両性イオン型官能基が導入された固相抽出剤は、固相抽出用のエンプティカートリッジに充填され使用される。エンプティカートリッジの形状としては種々のものを入手することができるが、本発明においては特に規定するものではない。また、エンプティカートリッジやフリットの材質においても特別な規定はないが、本分析法で使用されるアセトニトリルに対して耐性のあるものでなければならず、通常は安価なポリプロピレンやポリエチレン製のものが用いられる。図2に本発明に用いられる固相抽出カートリッジの構造の一例を示す。両性イオン型官能基が導入された固相抽出剤12は、下部フリット13が挿入されているエンプティカートリッジ(図2においてはシリンジ型)11に充てんされる。上部フリット14を挿入して固相抽出剤の充填ベッドを固定する。このようにして作製された固相抽出カートリッジ10が、NIVの前処理の精製工程に用いられる。
上述した、予備抽出工程及び精製工程を経て、調製されたNIVを含む試料溶液は、高速液体クロマトグラフィ−紫外吸収検出法(HPLC−UV法)により、分離検出され、定量される。分離条件についてはDONの通知法に規定されるものに準じて、オクタデシルシラン結合シリカゲルを充填したカラムを用いる。移動相もDONの通知法に規定されるものでも良いが、NIVの保持が小さく、残存する夾雑成分との分離を改善するため、DONの通知法に規定されるものよりは有機溶媒濃度を減らすことが好ましい。例えば、アセトニトリルを5%添加した水を移動相として用いる。この分離機構は、逆相分配モードと呼ばれ、水溶性の高いものから溶出し、疎水性の高いものほど強くカラムに保持される。但し、分離カラムのメーカーや製法が異なる場合には、上記移動相を用いたとしても、同一の分離が得られるという訳ではない。つまり、分離カラムに合わせて移動相条件を変更する必要がある。従って、本発明においては、何ら分離条件を規定するものではなく、DONの通知法を参考に適宜最適な分離が得られる条件を設定すればよい。また、DONの通知法において確認試験法としてHPLC−MS法が記載されているが、本NIVの分析法を用いた場合でも確認試験が必要となる場合、DONの通知法に準じてHPLC−MS法を用いた確認試験を行えばよい。
以上のように、本発明のNIVの分析法を用いることで、食品や飼料、食品原料などに残存するNIVを簡便かつ迅速に定量することが可能となる。次に実施例によって本発明を説明するが、この実施例によって本発明を何ら限定するものではない。
(実施例1)
(1)両性イオン型高分子導入固相抽出剤の合成:親水性基材の合成
親水性基材は、水系懸濁重合法により合成した。グリシジルメタクリレート160g、エチレンジメタクリレート40g、酢酸ブチル200gの混合溶液に2、2’−アゾビスイソブチロニトリル2gを溶解した混合物を、0.1%メチルセルロース水溶液1、000mL中に加え、攪拌機を用いて攪拌羽根を400rpmで回転させ、油層を分散した。その後、分散液(懸濁液)を加温し、80℃で6時間重合反応を行った。生成した共重合体粒子を濾取し、水、メタノールの順で洗浄した。一日風乾後、分級を行い、45〜90μmの親水性基材75gを得た。この親水性基材の平均粒子径と分散度(d75/d25)をBeckman Coulter Multisizer 3 Coulter Counterで測定したところ、平均粒子径は64.5μm、分散度は1.26であった。また、比表面積と平均細孔径をBeckman Coulter SA3100 Surface Area Analyzerで測定したところ、比表面積は31m/g、平均細孔径は20nmであった。
(2)両性イオン型高分子導入固相抽出剤の合成:両性イオン型高分子の導入
ジアリルアミン−マレイン酸共重合体(日東紡績製PAS−410C、濃度40%)50mLを、水250mL、2−プロパノール100mLの混合溶媒中に加え、均一な溶液とした後、実施例1の(1)で得られた親水性基材50gを加え、攪拌して均一なスラリーとした。さらに、5M NaOH 50mLを加えて、攪拌しながら60℃で20時間反応をさせた。反応終了後、2−プロパノール、水、メタノールの順で洗浄し、一晩風乾させ、両性イオン型固相抽出剤を得た。導入された両性イオン型高分子の量を求めるため、Perkin Elmar 2400 Series II CHNS/O Elemental Analyzerで測定したところ、窒素量は0.64N%であった。この両性イオン型固相抽出剤100mgを固相抽出用エンプティカートリッジ(容量:3mL)に充填した。
(3) 本発明の方法による玄麦の前処理
ネジ式蓋付きポリエチレン製遠沈管(容量:50mL)に粉砕した玄麦10gを採取し、水10mLを加えて1分間激しく振とうし、20分間放置した。その後、アセトニトリル20mLを加え、速やかに激しく1分間振とう後、5000rpmで3分間遠心分離し、上澄を別のポリエチレン製遠沈管(容量:25mL)に採取した。得られた上澄に、活性炭0.5g、塩化ナトリウム1g、硫酸マグネシウム1gを加え、1分間振とう後、上記と同一の条件で遠心分離し、上澄を得た。前記上澄から1mLをポリエチレン製遠沈管(容量:10mL)に採取し、2mLのアセトニトリルを加え、軽く攪拌し、混合した。この溶液全量を、実施例1(2)で作製した両性イオン型固相抽出剤充填固相抽出カートリッジに、1mL/minの流速で通液した。次いで、アセトニトリル1mLを、1mL/minの流速で通液し、両性イオン型固相抽出剤の洗浄を行った。アセトニトリルを十分に押し出した後、水0.5mLを通液し、両性イオン型固相抽出剤に捕捉されたNIVを溶出させ、測定用試料溶液を得た。また、玄麦の水による膨潤時に0.5ppmとなるようにNIVを添加して、同様の方法で前処理した標準添加試料溶液も調製した。
(4) 比較例1:通知法によるふすまの前処理
500mL三角フラスコに粉砕した玄麦50gを採取し、アセトニトリル:水(85:15)200mLを加えて、30分間振とう器にかけ、激しく振とうさせた。フラスコの内容物をグラスフィルター(Whatman GF/B)で濾過した。ろ液10mLを多機能カラム(Romer Lab製、MultiSep 227)に、0.5mL/minの流速で通液し、最初の流出液約3mLを捨て、次いで流出する5mLを共栓付き試験管に採取した。この流出液の4.0mLを共栓付き試験管に正確に採り、40℃の水浴で加温して溶媒をゆっくり除去した。次いで、上記の残留物にアセトニトリル:水:メタノール(5:90:5)1.0mLを加えて溶かした後、10、000rpmで5分間遠心分離し、測定用試料溶液を得た。また、玄麦の水による膨潤時に0.5ppmとなるようにNIVを添加して、同様の方法で前処理した標準添加試料溶液も調製した。
(5) HPLC−UV法による玄麦抽出液中のNIVの分析
実施例2及び比較例1により得られた測定用試料溶液をHPLC−UV法により測定した。HPLC−VU法の測定条件は次ぎの通りである。カラム:CapcellPak C18(5μm、4.6×250mm)、移動相:水:アセトニトリル=95:5、流速:1.0mL、カラム温度:40℃、検出:紫外吸収検出器、220nm。得られたクロマトグラムを図3に示す。通知法ではNIVの近傍に夾雑成分のピークが検出されているが、本発明の方法では夾雑成分の妨害を受けることなくNIVを定量できることが判る。尚、この時添加したNIVから添加回収率を求めると、通知法では66.5%、本発明の分析法では92.3%であり、本発明の分析法のほうが高い回収率を得ることができた。
(実施例2) HPLC−UV法によるふすま抽出液中のNIVの分析
本発明の分析法と通知法を用いてふすま中のNIVの測定を行った。前処理は実施例2及び比較例1と同じ手順で行い、測定方法は前記比較試験1と同じである。但し、NIVの添加量は1ppmとした。結果を図4に示す。図で明白なように、通知法ではNIVの溶出位置に夾雑成分に基づくピークが検出され、NIVを正確に定量することは困難である。このような場合、HPLC−MSによる確認試験が必要となり、煩雑な二重測定を行わなければならない。一方、本発明の方法では、NIVの溶出位置に夾雑成分に基づくピークは検出されず、NIVを精度良く定量できることが判明した。尚、この時添加したNIVから添加回収率を求めると、通知法では67.4%、本発明の分析法では89.2%であり、本発明の分析法のほうが高い回収率を得ることができた。
本発明によれば、簡便な抽出法と水溶性の高い化合物に高い親和性を示す両性イオン型固相抽出剤とを組み合わせることにより、食品あるいは飼料中のNIVを、安価な器具で、迅速かつ簡便に高効率で抽出することが可能となる。本発明の分析法は、本発明の分析法は、食品あるいは飼料中からNIVを効率よく抽出することが可能であり、HPLC−UV法による測定においてNIVの分離・検出の妨害となる夾雑成分を両性イオン型固相抽出剤により除去することが可能であるため、NIVを高精度に同時定量することが可能である。また、前処理に要する時間も短く、かつ簡便で、多検体同時処理も可能である。さらに、疎水性夾雑成分の除去率も高く、HPLC−UV法におけるスループットも高い。本法を利用することで、NIVの分析精度が高まるだけでなく、分析効率の改善やコストの低減を達成することが可能である。また、本前処理法で得られるNIVを含む測定溶液は水溶液であるため、HPLC−UV法以外の定量法に適用させることも可能で、イムノアッセイ法を用いてNIVの定量を行うことも可能である。さらに、詳細な確認試験が必要となった場合には、簡便性は損なわれるものの、DONの通知法に準じたHPLC−MS法を用いて確認試験を行うことも可能である。以上の通り、本発明の分析法の普及により食の安全の確保に貢献することが可能となる。
10:カラム(両性イオン型固相抽出剤充填固相抽出カートリッジ)
11:エンプティカートリッジ(シリンジ型)
12:両性イオン型固相抽出剤
13:下部フリット
14:上部フリット

Claims (6)

  1. 食品あるいは飼料中のニバレノールの化学分析において、弱イオン性の両性イオン型官能基を有する固相抽出剤を充填した固相抽出カートリッジを用いて、測定対象である食品あるいは飼料中のニバレノールを抽出・精製して分析を行う分析法であって、
    試料を遠沈管に採り、水を加えて十分に膨潤させた後、アセトニトリルで振とう抽出し、遠心分離後の抽出液に色素除去用吸着剤及び塩析剤を加えて再度振とう・遠心分離して上澄を得る、
    という予備抽出工程と、
    予備抽出工程で得られた上澄を、前記固相抽出カートリッジに通液してニバレノールを捕捉させた後、前記固相抽出カートリッジを洗浄液で洗浄して夾雑成分を除去し、前記固相抽出カートリッジに捕捉されたニバレノールを水で溶出させる、
    という精製工程と、を備えた前処理により得られる試料溶液を、高速液体クロマトグラフィ−紫外吸収検出法で測定してニバレノールを定量することを特徴とするニバレノールの分析法。
  2. 前記弱イオン性の両性イオン型官能基を有する固相抽出剤が、下記式(1)で示される弱イオン性の両性イオン型高分子が多孔質の親水性基材に導入されている固相抽出剤であることを特徴とする請求項1に記載のニバレノールの分析法。
    Figure 2013253790
  3. 前記弱イオン性の両性イオン型官能基を有する固相抽出剤が、下記式(2)で示される弱イオン性の両性イオン型高分子が多孔質の親水性基材に導入されている固相抽出剤であることを特徴とする請求項1に記載のニバレノールの分析法。
    Figure 2013253790
  4. 前記親水性基材が、前記式(1)ないし式(2)の化合物を導入可能な官能基を有する多孔質の非芳香族系親水性高分子ゲルまたはシリカゲルからなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のニバレノールの分析法。
  5. 前記色素除去用吸着剤が、活性炭あるいはカーボン系吸着剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のニバレノールの分析法。
  6. 前記塩析剤が、塩化ナトリウム及び硫酸マグネシウムからなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のニバレノールの分析法。
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