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JP2013108570A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

捩り振動減衰装置 Download PDF

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JP2013108570A
JP2013108570A JP2011254506A JP2011254506A JP2013108570A JP 2013108570 A JP2013108570 A JP 2013108570A JP 2011254506 A JP2011254506 A JP 2011254506A JP 2011254506 A JP2011254506 A JP 2011254506A JP 2013108570 A JP2013108570 A JP 2013108570A
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JP2011254506A
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Yukio Matsuno
幸雄 松野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる捩り振動減衰装置を提供すること。
【解決手段】捩り振動減衰装置1の皿ばね25、26は、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離rが、カム部材2とディスクプレート7とカム部材2とが中立位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるように、カム部材2の回転中心に対してディスクプレート7、8の半径方向に偏芯して設置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、回転部材とカム部材との間で回転トルクが伝達されるように回転部材とカム部材とをアーム部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを変速機等を有する駆動伝達系を介して連結し、駆動源から駆動伝達系を介して車輪に動力を伝達している。ところが、駆動源に連結される駆動伝達系は、例えば、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によってこもり音やジャラ音が発生する。
ジャラ音とは、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音のことである。また、こもり音は、内燃機関のトルク変動を起振力とする駆動伝達系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音のことであり、駆動伝達系の捩れ共振は、例えば、定常域に存在する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを連結して駆動源からの回転トルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動伝達系との間の捩り振動を吸収する捩り振動減衰装置が知られている。
この捩り振動減衰装置としては、例えば、変速機の入力軸に連結されるハブと、駆動源側のフライホイールに締結および解放されるクラッチディスクを有するディスクプレートと、ハブおよびディスクプレートを弾性的に連結し、ハブおよびディスクプレートの円周方向に等間隔に設けられた弾性部材とから構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
ところがこの種の捩り減衰減衰装置は、弾性部材がハブおよびディスクプレートの円周方向に等間隔に設けられた構成となっているため、ハブおよびディスクプレートの捩れ角を大きくすることができず、ジャラ音やこもり音を充分に減衰することができない。
このような不具合を解消して互いに相対回転自在な回転部材の捩れ角を大きくすることができる捩り減衰減衰装置としては、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この捩り振動減衰装置は、外周部にカム面を有し、カム面の曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム部材と、カム部材と同一軸線上に設けられ、カム部材に対して相対回転自在なディスクプレートと、カム部材とディスクプレートとの間に設けられ、カム部材とディスクプレートとが相対回転したときに弾性変形する弾性部材とを備えている。
また、この捩り振動減衰装置は、一端部がカム部材のカム面に接触するとともに他端部が弾性部材に付勢され、カム部材とディスクプレートとが相対回転したときに、ディスクプレートに設けられた回動支点部を中心に回動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部材とディスクプレートとの間で回転トルクを伝達するアーム部材を備えている。
この捩り減衰減衰装置にあっては、カム部材の回転に伴ってアーム部材を揺動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部材とディスクプレートとの捩れ角の範囲を広角化することができ、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域にあっては、捩れ剛性を小さくして微小な捩り振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域では、回転部材とカム部材との捩れ角を大きくしてトルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ剛性を得るようにしている。
この結果、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
ところで、捩れ剛性と同様に捩り振動減衰装置にはヒステリシストルク発生機構が設けられている。このヒステリシストルク発生機構は、一方の回転部材と他方の回転部材とが相対回転する際に、摩擦力によってヒステリシストルクを発生するものである。
特許文献2の捩り振動減衰装置にヒステリシストルク発生部材を設ける場合には、例えば、回転部材とカム部材との間に皿ばねを介装し、皿ばねの弾性力を利用して回転部材とカム部材とが相対回転する際に回転部材と皿ばねとの間に摩擦力を発生させることが考えられる。
特開2006−144861号公報 WO2011/067815号公報
しかしながら、特許文献2に示す捩り振動減衰装置に皿ばねを設けた場合には、皿ばねの剛性が一定であるため、回転部材とカム部材との捩れ角に応じてヒステリシストルクが一定となってしまう。
すなわち、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域にあっては、弾性部材の捩れ剛性を小さくし、弾性部材の捩れ剛性に合わせてヒステリシストルクを小さくして微小な捩り振動を減衰してガラ音の発生を抑制する必要がある。
また、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域にあっては、弾性部材の捩れ剛性を大きくし、弾性部材の捩れ剛性に合わせてヒステリシストルクを大きくすることにより、大きい捩り振動を減衰してジャラ音やこもり音を抑制する必要がある。
しかしながら、捩れ角に応じてヒステリシストルクが一定であると、弾性部材の剛性が小さい回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域と、弾性部材の剛性が大きい回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域とにおいてヒステリシストルクを最適に設定することができない。
仮に、ガラ音を抑制するために、皿ばねの剛性を小さくして回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域にヒステリシストルクを小さくすることが考えられるが、皿ばねの剛性を小さくすると、回転部材とカム部材との捩れ角とが大きい領域においてヒステリシストルクが小さくなってしまい、ジャラ音やこもり音を十分に抑制できないおそれがある。
逆に、ジャラ音やこもり音を抑制するために、皿ばねの剛性を大きくして回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域にヒステリシストルクを大きくすることが考えられるが、皿ばねの剛性を大きくすると、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域においてヒステリシストルクが大きくなってしまい、ガラ音を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)外周部にカム面を有し、前記カム面の曲率が円周方向に沿って変化するように構成された楕円形状のカム部材と、前記カム部材と同一軸線上に設けられ、前記カム部材に対して相対回転自在な回転部材と、前記カム部材と前記回転部材との間に設けられ、前記カム部材と前記回転部材とが相対回転したときに弾性変形する弾性部材と、一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材に付勢され、前記カム部材と前記回転部材とが相対回転したときに、前記回転部材に設けられた回動支点部を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記カム部材と前記回転部材との間で回転トルクを伝達するアーム部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、前記回転部材と前記カム部材との間に、前記回転部材と前記カム部材の軸線方向に位置するようにして設けられた皿ばねを備え、前記皿ばねは、前記カム部材の回転中心軸から前記カム部材と前記皿ばねとが接触する接触点までの距離が、前記カム部材と前記回転部材が相対回転していない中立位置から前記カム部材と前記回転部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるように、前記カム部材の回転中心に対して前記回転部材の半径方向に偏芯して設置されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、回転部材とカム部材との間に、一端部がカム部材のカム面に接触するとともに他端部が弾性部材に付勢され、回転部材とカム部材とが相対回転したときに、回転部材に設けられた回動支点部を中心に回動して弾性部材を弾性変形させることにより、回転部材とカム部材との間で回転トルクを伝達するアーム部材を介装している。
このため、カム部材の回転に伴ってカム部材がアーム部材を介して弾性部材を押圧して弾性部材からアーム部材への反力を変化させることにより、回転部材とカム部材との捩れ角の範囲を広角化して回転部材とカム部材との間で回転トルクを伝達することができる。
このため、回転部材とカム部材との捩れ剛性を全体的に小さくすることができ、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域では、弾性部材の捩れ剛性を小さくして微小な捩り振動を減衰することができる。
また、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域では、弾性部材の捩れ剛性を大きくして大きい捩り振動を減衰することができる。
また、捩り振動減衰装置は、回転部材とカム部材との間に皿ばねを設け、この皿ばねは、カム部材の回転中心軸からカム部材と皿ばねとが接触する接触点までの距離が、回転部材とカム部材が相対回転していない中立位置からカム部材が回転部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるようにカム部材の回転中心に対して回転部材の半径方向に偏芯して設置されている。
このため、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域では、カム部材の回転中心軸からカム部材と皿ばねとが接触する接触点までの距離を小さくして皿ばねからカム部材に加わるモーメントを小さくすることができる。
すなわち、皿ばねの剛性をF(一定)とし、カム部材の回転中心軸からカム部材と皿ばねとの接触点までの距離をrとすると、皿ばねからカム部材に加わるモーメントMは、F×rとなる。皿ばねは、回転部材とカム部材との間に介装されているため、皿ばねから小さいモーメントMがカム部材に加わることにより、回転部材とカム部材との摩擦力が小さくなり、ヒステリシストルクが小さくなる。
このため、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域では、低剛性、低ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができる。
一方、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域では、カム部材の回転中心軸からカム部材と皿ばねとが接触する接触点までの距離を大きくして皿ばねからカム部材に加わるモーメントMを大きくすることができる。
このため、皿ばねから大きいモーメントMがカム部材に加わることにより、回転部材とカム部材との摩擦力が大きくなり、ヒステリシストルクが大きくなる。
したがって、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域では、高剛性、高ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができる。
この結果、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる。
上記(1)の捩り振動減衰装置において、(2)前記皿ばねが、円状に構成されている。
この捩り振動減衰装置は、皿ばねが円状に構成されるので、皿ばねをカム部材の回転中心に対して回転部材の半径方向に偏芯させることで、カム部材の回転中心軸からカム部材と皿ばねとが接触する接触点までの距離を、中立位置から回転部材とカム部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくすることができる。
このため、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて皿ばねからカム部材に加わるモーメントを大きくすることができ、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる。
上記(1)または(2)の捩り振動減衰装置において、(3)前記カム部材のカム面の曲率が、前記中立位置から前記回転部材と前記カム部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、カム部材のカム面の曲率が、中立位置から回転部材とカム部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるので、回転部材とカム部材との捩れ角の範囲を広角化して捩れ剛性を全体的に小さくすることができる。
また、回転部材とカム部材との捩れ角が大きくなるに従って弾性部材の捩れ剛性を大きくすることができる。
上記(1)〜(3)の捩り振動減衰装置において、(4)前記アーム部材の一端部に回転自在に設けられ、前記カム部材の前記カム面に接触する転動体を備えたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、アーム部材の一端部に、カム部材のカム面に接触する転動体が設けられるので、アーム部材の一端部とカム部材のカム面との接触圧が高くなるのを防止することができ、アーム部材の一端部とカム部材との磨耗を抑制することができる。
上記(1)〜(4)の捩り振動減衰装置において、(5)前記回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動支点部を構成する回動軸を介して前記アーム部材を回動自在に支持する一対のディスクプレートと、前記ディスクプレートの一方と前記カム部材との間に介装された第1の摩擦プレートと、前記ディスクプレートの他方と前記カム部材との間に介装された第2の摩擦プレートとを備え、前記皿ばねが、前記ディスクプレートの一方と前記第1の摩擦プレートとの間に介装され、前記一方の摩擦プレートを介して前記カム部材に接触する第1の皿ばねと、前記ディスクプレートの他方と前記第2の摩擦プレートとの間に介装され、前記第2の摩擦プレートを介して前記カム部材に接触する第2の皿ばねとを備えたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、皿ばねが、ディスクプレートの一方と第1の摩擦プレートとの間に介装され、第1の摩擦プレートを介してカム部材に接触する第1の皿ばねと、ディスクプレートの他方と第2の摩擦プレートとの間に介装され、第2の摩擦プレートを介してカム部材に接触する第2の皿ばねとを備えているので、第1の皿ばねおよび第2の皿ばねが一対のディスクプレートからカム部材を離隔させるようにカム部材を付勢し、摩擦プレートをカム部材に摩擦接触させることができる。
このため、摩擦プレートとカム部材とを摩擦接触させて、回転部材とカム部材との捩れ角に応じたヒステリシストルクを発生させることができる。
上記(1)〜(5)の捩り振動減衰装置において、(6)前記カム部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、前記回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、カム部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されるので、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、回転部材とカム部材との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性の弾性部材および低ヒステリシストルクの皿ばねによる捩れ特性によって微小な捩り振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、回転部材とカム部材との捩れ角が大きい領域では、回転部材とカム部材の捩れ角を大きくして高剛性の弾性部材および高ヒステリシストルクの皿ばねによる捩れ特性を得ることができる。
したがって、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートの一方を取り外した状態の捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材の上面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図5のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、カム部材と皿ばねとの位置関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が+30°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が+60°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が+90°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとボスとの捩れ角が−45°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の捩れ角とトルクの関係を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、カム部材の回転位置に応じたヒステリシストルクとr1〜r4寸法との関係を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図13は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1〜図4において、捩り振動減衰装置1は、カム部材2とカム部材2と同一軸線上に設けられた回転部材3とを備えている。
回転部材3には駆動源である図示しない内燃機関からの回転トルクが入力されるようになっており、カム部材2は、回転部材3の回転トルクを図示しない駆動伝達系の変速機に伝達するようになっている。
カム部材2と回転部材3との間には弾性部材としての一対のコイルスプリング4が設けられており、コイルスプリング4は、カム部材2と回転部材3が相対回転したときに圧縮されるようになっている。
カム部材2の内周部には、駆動伝達系の変速機の入力軸6(図4参照)の外周部にスプライン嵌合されるボス5が取付けられており、カム部材2は、ボス5を含んで構成されている。
なお、ボス5とカム部材2とは一体的に成形されてもよい。また、ボス5とカム部材2とを別体に形成し、ボス5の外周部およびカム部材2の内周部にスプライン部をそれぞれ形成し、ボス5とカム部材2とをスプライン嵌合してもよい。
また、回転部材3は、一対のディスクプレート7、8およびクラッチディスク10を備えている。ディスクプレート7、8は、カム部材2の軸線方向両側に配置されており、軸線方向に所定間隔を隔てて回動支点部としての回動軸9によって連接されている。
回動軸9は、ディスクプレート7、8に橋架されており、軸線方向両端部が大径に形成されることにより、ディスクプレート7、8に抜け止め係止されている。このため、ディスクプレート7、8は、回動軸9によって一体化されることで一体回転するようになっている。
また、ディスクプレート7、8の円状の中心孔7a、8aにはボス5が収納されており、ボス5は、ディスクプレート7、8と同一軸線上に設けられている。
また、クラッチディスク10は、ディスクプレート7の半径方向外方に設けられており、クッショニングプレート11および摩擦材12a、12bを備えている。クッショニングプレート11は、厚み方向に波打つリング状の部材から構成されており、リベット13aによってディスクプレート7に固定されている。
摩擦材12a、12bは、クッショニングプレート11の両面にリベット13bによって固定されており、この摩擦材12a、12bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材12a、12bを押圧するのを解除し、摩擦材12a、12bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力されない。
また、ディスクプレート7には支持部としての台座14が設けられており、この台座14は、ディスクプレート7から軸線方向に突出してディスクプレート8に取付けられている。
図3に示すように、台座14には台座14から突出する突起部14aを備えており、この突起部14aにコイルスプリング4の延在方向他端部が嵌合されている。また、コイルスプリング4の延在方向一端部にはスプリングシート15が取付けられ、コイルスプリング4の他端部は、自由端となっている。
また、コイルスプリング4とカム部材2との間にはアーム部材16が設けられており、このアーム部材16は、ディスクプレート7、8の間に位置し、回動軸9に揺動自在に支持されている。
図5、図6に示すように、回動軸9とアーム部材16の間にはニードルベアリング17が介装されている。ニードルベアリング17は、アーム部材16に取付けられたアウターレース17aと、アウターレース17aと回動軸9の間に介装された針状ニードル17bとから構成されている。
このニードルベアリング17は、アウターレース17aが針状ニードル17bを介して回動軸9に対して回転自在となっているため、アーム部材16は、ニードルベアリング17を介して回動軸9に回転自在に取付けられている。
アーム部材16の一端部は、二股形状の板状部としての突出片16A、16Bが形成されており、この突出片16A、16Bは、ピン18によって連結されている。
このピン18には転動体としてのコロ部材19が回転自在に取付けられている。コロ部材19は、ピン18の外周部に設けられたアウターレース19aおよびアウターレース19aとピン18の間に介装された針状ニードル19bからなるニードルベアリングと(図7参照)、アウターレース19aの外周部でアウターレース19aに取付けられたコロ19cとから構成されており、コロ19cがニードルベアリングを介してピン18に対して回転自在となっている。
このコロ19cは、カム部材2のカム面2aに接触して回転するようになっており、アーム部材16の一端部は、コロ19cを介してカム部材2のカム面2aに当接する。
アーム部材16の他端部は、二股形状の突出片16C、16Dが形成されており、この突出片16C、16Dは、ピン20によって連結されている。
このピン20にはコロ部材21が回転自在に取付けられている。コロ部材21は、ピン20の外周部に設けられたアウターレース21aおよびアウターレース21aとピン20の間に介装された針状ニードル21bからなるニードルベアリングと、アウターレース21aの外周部でアウターレース21aに取付けられたコロ21cとから構成されており、コロ21cがニードルベアリングを介してピン20に対して回転自在となっている。
コロ21cは、スプリングシート15の外周面に当接するようになっており、アーム部材16の他端部は、コロ21cを介してスプリングシート15の外周面に当接する。
また、カム部材2は、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面2aを有している。
本実施の形態では、カム部材2が、曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム面2aを有している。このカム面2aの曲率は、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が最小(捩れ角が略0°)、すなわち、ディスクプレート7、8とカム部材2とが捩れていない中立位置にあるときのカム部材2の初期位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっている。
このため、カム部材2が回転してアーム部材16の一端部が当接するカム面2aの位置が可変されることにより、スプリングシート15がアーム部材16によって付勢されてコイルスプリング4の圧縮量が可変される。このとき、スプリングシート15が台座14に近接および離隔するように移動することになる。
また、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸に対して点対称に配置されており、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸を挟んで同一の曲率を有するカム面2aにアーム部材16の一端部を接触させることができるようになっている。
一方、図4に示すように、ディスクプレート7、8とカム部材2との間にはヒステリシストルク発生機構22が介装されており、このヒステリシストルク発生機構22は、摩擦プレート23、24および皿ばね25、26から構成されている。
第1の摩擦プレートとしての摩擦プレート23は、表面が所定の摩擦係数を有する円板形状に形成されており、ディスクプレート7とカム部材2との間に介装されている。第2の摩擦プレートとしての摩擦プレート24は、表面が所定の摩擦係数を有する円板形状に形成されており、ディスクプレート8とカム部材2との間に介装されている。
第1の皿ばねとしての皿ばね25は、円状に形成されており、皿ばね25は、ディスクプレート7とカム部材2との軸線方向においてディスクプレート7とカム部材2との間に圧縮して介装されている。
第2の皿ばねとしての皿ばね26は、円状に形成されており、皿ばね26は、ディスクプレート8とカム部材2との軸線方向においてディスクプレート8とカム部材2との間に圧縮して介装されている。
図7に示すように、この皿ばね25、26は、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離rが、カム部材2とディスクプレート7とカム部材2とが中立位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるように、カム部材2の回転中心に対してディスクプレート7、8の半径方向に偏芯して設置されている。
そして、皿ばね25、26は、カム部材2がディスクプレート7、8から離隔する方向にカム部材2を付勢することにより、カム部材2と摩擦プレート25、26との摩擦力を増大させることにより、ディスクプレート7、8とカム部材2との摩擦力を増大させるようになっている。この結果、ディスクプレート7、8とカム部材2との間にヒステリシストルクを発生させることができる。
なお、図3では、説明の便宜上、摩擦プレート23、24と皿ばね25の図示省略し、皿ばね26とカム部材2との位置関係が明確になるように皿ばね26のみを図示している。この皿ばね26は、カム部材2の軸線方向に対して皿ばね25と同一位置に設けられている。
次に、作用を説明する。
図8〜図11は、ディスクプレート7、8が内燃機関の回転トルクを受けて図3の状態から反時計回転方向(R2方向)に回転している状態を示し、説明の便宜上、カム部材2がディスクプレート7、8に対して正側の時計回転方向(R1方向)に捩れるものとして説明を行う。
なお、図8〜図11ではディスクプレート8を取り除いた状態を示している。また、ディスクプレート7、8に対してカム部材2が正側に捩れるのは、車両の加速時である。
摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート7、8とカム部材2との相対回転が小さい状態、すなわち、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が0°付近の小さい状態では、図3に示すように、カム部材2が初期位置に位置してボス5と一体回転する。
このとき、カム部材2の曲率が小さいカム面2aにアーム部材16のコロ19cが接触しており、カム部材2がアーム部材16をスプリングシート15に押し付けることにより、コイルスプリング4がカム部材2によって付勢される。
このとき、コイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材2を押圧する。このため、ディスクプレート7、8の回転トルクがコイルスプリング4およびアーム部材16を介してカム部材2に伝達される。このため、変速機の入力軸21に内燃機関の回転トルクを伝達することになり、このとき、コイルスプリング4の圧縮量は小さいものとなる。
このため、ディスクプレート7、8からカム部材2に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩り振動を吸収して減衰する。
一方、車両の加速時に、内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ディスクプレート7、8とカム部材2との間の変動トルクが小さく、カム部材2がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R1方向)に相対回転する。
このとき、図3に示す状態から図8に示す状態のように、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材2がR1方向に回転すると、アーム部材16のコロ19cがカム面2aに沿って転動する。このため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム面2a上を摺動する。なお、図8は、捩れ角が+30°を示している。
カム面2aの曲率は、カム部材2の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材2のカム面2aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材2がR1方向に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害させないようにできる。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材2を強い押圧力で押圧する。
したがって、ディスクプレート7、8からカム部材2に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩り振動を吸収して減衰する。
内燃機関のトルク変動による回転変動がさらに大きくなる場合には、ディスクプレート7、8からカム部材2に伝達される変動トルクが大きく、カム部材2がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R1方向)にさらに相対回転する。
図8に示す状態からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角がさらに大きくなると、図9に示すように、アーム部材16のコロ19cがカム面2aに沿って転動し、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム面2a上を摺動する。
カム面2aの曲率は、カム部材2の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して曲率が大きくなるカム部材2のカム面2aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材2がR1方向に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方にさらに移動することにより、スプリングシート15を台座14にさらに近接させる。なお、図9は、捩れ角が+60°を示している。
そして、図10に示すように、ディスクプレート7、8に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、カム面2aの曲率が最大の頂部2bを乗り越えてディスクプレート7、8をカム部材2に対して空転させることができるため、車両の加速時にカム部材2をトルクリミッタとして機能させることができる。本実施の形態では、アーム部材16の一端部がカム面2aの頂部2bに乗り上げたときには、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が最大の+90°になる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の駆動トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力軸6からカム部材2に回転トルクが入力されることになる。減速時に内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ディスクプレート7、8とカム部材2との間の変動トルクが小さいため、カム部材2がディスクプレート7、8に対して相対的に負側(R2方向)に捩れることになる。
このとき、図3に示す状態から図11に示す状態のように、ディスクプレート7、8とカム部材2とが相対回転したときに、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材2が回転することにより、アーム部材16のコロ19cがカム面2aに沿って転動する。このため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介してカム面2a上を摺動する。
カム面2aの曲率は、カム部材2の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部がコロ19cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材2のカム面2aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材2が反時計回転方向(R2方向)に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部がコロ21cを介してスプリングシート15の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害しないようにすることができる。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部材2を強い押圧力で押圧する。
したがって、カム部材2からディスクプレート7、8に駆動伝達系の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩り振動を吸収して減衰する。
このように、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、カム部材2と、カム部材2の外周部に設けられてカム部材2と一体回転する楕円形状のカム面2aを有するカム部材2と、カム部材2とコイルスプリング4との間に設けられ、一端部がカム面2aに接触するとともに他端部がコイルスプリング4のスプリングシート15に当接し、ディスクプレート7、8に橋架された回動軸9を中心に揺動するアーム部材16とを含んで構成されている。
このため、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角の範囲を広角化して捩り振動減衰装置1の捩れ剛性を全体的に小さくすることができる。
図12は、ディスクプレート7、8とカム部材2の捩れ特性を示す図であり、本実施の形態におけるディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角と、カム部材2から出力される出力トルクとの関係を説明するグラフである。
横軸は、ディスクプレート7、8に対するカム部材2の相対的な捩れ角であり、縦軸がカム部材2から出力される出力トルクである。縦軸の出力トルクは、ディスクプレート7、8に対するカム部材2の反力に対応する。
図12に示すように、本実施の形態では、ディスクプレート7、8に対するカム部材2の捩れ角が大きくなるに従ってコイルスプリング4が縮むことにより、アーム部材16によるカム部材2への押圧力が大きくなる。
そして、アーム部材16によるカム部材2への押圧力が大きくなることにより、出力トルクが大きくなる。図12から明らかなように、コイルスプリング4の剛性は、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が小さい領域では、低剛性となり、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きい領域では、高剛性となる。
実施の形態の捩り振動減衰装置1の皿ばね25、26は、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離rが、カム部材2とディスクプレート7とカム部材2とが中立位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるように、カム部材2の回転中心に対してディスクプレート7、8の半径方向に偏芯して設置されている。
図3に示すようにディスクプレート7、8とカム部材2とが中立位置にある場合には、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離r1は、最も小さくなっている(図13のA参照)。
また、図8に示すように、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が小さい領域では、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離r2は、距離r1よりも大きくなる(図13のB参照)。
図9に示すように、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角がさらに大きい領域では、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離r3は、距離r2よりも大きくなる(図13のC参照)。
また、図10に示すように、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角がさらに大きい領域では、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離r4は、距離r3よりも大きくなる(図13のD参照)。
ここで、皿ばね25、26の剛性をF(一定)とし、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離をrとすると、皿ばね25、26からカム部材2に加わるモーメントMは、F×rとなる。
皿ばね25、26は、ディスクプレート7、8とカム部材2との間に介装されているため、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きい領域では、皿ばね25、26から小さいモーメントMが摩擦プレート23、24に加わることにより、カム部材2と摩擦プレート23、24の摩擦力が小さくなり、ディスクプレート7、8とカム部材2とのヒステリシストルクが小さくなる。
このため、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が小さい領域では、低剛性、低ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができる。
一方、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きい領域では、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが摩擦プレート23、24を介して接触する接触点までの距離rを大きくして皿ばね25、26から摩擦プレート23、24を介してカム部材2に加わるモーメントMを大きくすることができる。
このため、皿ばね25、26から大きいモーメントMがカム部材2に加わることにより、ディスクプレート7、8とカム部材2との摩擦力が大きくなり、ヒステリシストルクが大きくなる。
したがって、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きい領域では、高剛性、高ヒステリシストルクの捩れ特性を得ることができる。
この結果、ディスクプレート7、8とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる。
このように本実施の形態では、ディスクプレート7、8とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができるとともに、コイルスプリング4の捩れ剛性を全体的に小さくすることができるため、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性のコイルスプリング4および低ヒステリシストルクの皿ばね25、26による捩れ特性によって微小な捩り振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きい領域では、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角を大きくして高剛性のコイルスプリング4および高ヒステリシストルクの皿ばね25、26による捩れ特性を得ることができる。
したがって、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、皿ばね25、26が円状に構成されているので、皿ばね25、26をカム部材2の回転中心に対してディスクプレート7、8の半径方向に偏芯させることで、カム部材2の回転中心軸からカム部材2と皿ばね25、26とが接触する接触点までの距離r1〜r4を、中立位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくすることができる。
このため、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角に応じて皿ばね25、26から摩擦プレートは23、24を介してカム部材2に加わるモーメントMを大きくすることができ、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、カム部材2のカム面2aの曲率を、中立位置からディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従って大きくしているので、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角の範囲を広角化して捩れ剛性を全体的に小さくすることができる。
また、ディスクプレート7、8とカム部材2との捩れ角が大きくなるに従ってコイルスプリング4の捩れ剛性を大きくすることができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、アーム部材16の一端部に、カム部材2のカム面2aに接触するコロ部材19を回転自在に設けたので、アーム部材16の一端部とカム部材2のカム面2aとの接触圧が高くなるのを防止することができ、アーム部材16の一端部とカム部材2との磨耗を抑制することができる。
また、本実施の形態では、捩り振動減衰装置1を車両の内燃機関と変速機を有する駆動伝達系との間に介装するようにしているが、これに限らず、車両等の駆動伝達系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。
例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、回転部材とカム部材との捩れ角に応じて最適なヒステリシストルクを設定することができるという効果を有し、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、回転部材とカム部材との間で回転トルクが伝達されるように回転部材とカム部材とをアーム部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置等として有用である。
1 捩り振動減衰装置
2 カム部材
2a カム面
3 回転部材
4 コイルスプリング(弾性部材)
6 入力軸
7、8 ディスクプレート(回転部材)
9 回動軸(回動支点部)
14 台座
16 アーム部材
19 コロ部材(転動体)
23 摩擦プレート(第1の摩擦プレート)
24 摩擦プレート(第2の摩擦プレート)
25 皿ばね(第1の皿ばね)
26 皿ばね(第2の皿ばね)

Claims (6)

  1. 外周部にカム面を有し、前記カム面の曲率が円周方向に沿って変化するように構成された楕円形状のカム部材と、
    前記カム部材と同一軸線上に設けられ、前記カム部材に対して相対回転自在な回転部材と、
    前記カム部材と前記回転部材との間に設けられ、前記カム部材と前記回転部材とが相対回転したときに弾性変形する弾性部材と、
    一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材に付勢され、前記カム部材と前記回転部材とが相対回転したときに、前記回転部材に設けられた回動支点部を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記カム部材と前記回転部材との間で回転トルクを伝達するアーム部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、
    前記回転部材と前記カム部材との間に、前記回転部材と前記カム部材の軸線方向に位置するようにして設けられた皿ばねを備え、
    前記皿ばねは、前記カム部材の回転中心軸から前記カム部材と前記皿ばねとが接触する接触点までの距離が、前記カム部材と前記回転部材が相対回転していない中立位置から前記カム部材と前記回転部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなるように、前記カム部材の回転中心に対して前記回転部材の半径方向に偏芯して設置されることを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記皿ばねが、円状に構成されることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記カム部材のカム面の曲率が、前記中立位置から前記回転部材と前記カム部材との捩れ角が大きくなるに従って大きくなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記アーム部材の一端部に回転自在に設けられ、前記カム部材の前記カム面に接触する転動体を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  5. 前記回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動支点部を構成する回動軸を介して前記アーム部材を回動自在に支持する一対のディスクプレートと、前記ディスクプレートの一方と前記カム部材との間に介装された第1の摩擦プレートと、前記ディスクプレートの他方と前記カム部材との間に介装された第2の摩擦プレートとを備え、
    前記皿ばねが、前記ディスクプレートの一方と前記第1の摩擦プレートとの間に介装され、前記一方の摩擦プレートを介して前記カム部材に接触する第1の皿ばねと、前記ディスクプレートの他方と前記第2の摩擦プレートとの間に介装され、前記第2の摩擦プレートを介して前記カム部材に接触する第2の皿ばねとを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  6. 前記カム部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、前記回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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