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JP2013033576A - 対物レンズ素子、光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ素子、光ピックアップ装置 Download PDF

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JP2013033576A JP2011173428A JP2011173428A JP2013033576A JP 2013033576 A JP2013033576 A JP 2013033576A JP 2011173428 A JP2011173428 A JP 2011173428A JP 2011173428 A JP2011173428 A JP 2011173428A JP 2013033576 A JP2013033576 A JP 2013033576A
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康弘 田中
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Abstract

【課題】形状の異なる複数種類の回折構造を用いて使用波長の異なる光情報記録媒体に対する互換性を確保しつつ、光源波長の誤差が生じた場合でも収差の発生を抑制できる対物レンズ素子及びこれを用いた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】内周部R21と外周部R22とには、高さ及び周期(ピッチ)が異なる鋸歯状回折構造が設けられている。内周部R21に設けられる鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面M211と、外周部R22に設けられる鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面M212とが段差なく接続されている。光源波長の変化や環境温度変化に起因する材料屈折が変化しても、内周部R21と外周部R22とで位相のずれは発生せず、光源波長や環境温度が変化した場合でも、回折効率の低下や収差の発生を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光情報記録媒体の情報記録面に対して、情報の記録・再生・消去の少なくとも1つを行うために用いられる対物レンズ素子及びこれを用いた光ピックアップ装置に関する。
近年、波長400nm近傍の青色レーザー光を用いて、光ディスクの記録密度を高め、記憶容量を向上させた高密度光ディスクの研究・開発が活発に行われている。このような高密度光ディスクの規格の1つに、対物レンズの像側開口数(NA)を0.85程度、光ディスクの情報記録面上の保護基板厚を約0.1mmとしたBlu−Ray Disc(登録商標。以下、「BD」という)がある。
BDの他にも、波長680nm近傍の赤色レーザー光を用いるDVD(保護基板厚:約0.6mm)と、波長780nm近傍の赤外レーザー光を用いるCD(保護基板厚:約1.2mm)も併存しており、これらの3種類の規格を互換できる対物レンズが種々提案されている。
例えば、特許文献1には、BD、DVD、CDの3種類の規格に互換性のある光学素子及び光ピックアップ装置が開示されている。特許文献1に記載の対物レンズには、階段状の段差を周期的に配置してなる階段状回折構造(バイナリ型回折構造ともいう)が設けられている。この段差1段分の高さは、最も短い設計波長の光に対して約1.25波長の光路差を与えるように設計されている。また、半径方向に連続する4つの段差(ベース面からの高さが単位段差の0〜3倍)によって、1つの周期構造が構成されている。
このような段差構造を設けることによって、BD用の波長の光の使用時には、+1次回折光の回折効率を最大とし、DVDの波長の光の使用時には、−1次回折光の回折効率を最大とすることができる。したがって、波長に対する回折角の変化を利用して、BDとDVDとの切替時に、波長及びディスク基材厚の違いに起因して発生する球面収差を補正することが可能となる。
また、特許文献2には、複数の規格に互換性のある光学素子であって、深さの異なる鋸歯状回折構造を設けた構成が開示されている。
図20は、特許文献2に記載の従来の鋸歯状回折構造の要部断面図である。
特許文献2では、外周領域の回折次数(回折角度)を大きくするため、外周側の領域R22に設けた鋸歯状回折構造の周期(ピッチ)PB及び深さHBが、内周側の領域R21に設けた鋸歯状回折構造の周期(ピッチ)PA及び深さHAの2倍となるように設定されている。
特許第3993870号公報 特開2005−243151号公報
特許文献2に記載のように、領域毎に回折構造の形状を異ならせた構成において、各領域で回折される光を1点に収束させるためには、隣接する領域の境界の内外を通過する光の位相を一致させることが必要である。
しかしながら、特許文献2の構成では、設計波長または材料屈折率が変化した場合に、領域R21で回折される光と領域R22で回折される光との間で位相の不整合が生じるという問題がある。
より詳細に説明すると、特許文献2の構成では、外周側の領域R22に設けた格子高さ及び周期を、内周側の領域R21に設けた格子の格子高さ及び周期の2倍に設定しているが、領域R21による回折方向と、領域R22による回折方向とは一致している。この場合において、境界近傍にある点C21を透過した光の位相と、境界近傍にある点C22を透過した光の位相とが一致するのは、格子高さHAによって生じる光路長差が波長の整数倍、言い換えると、位相差が2πの整数倍になっているときである。
ただし、光ディスク装置のような大量生産される製品の場合、光源として用いる半導体レーザーの波長には、数nmの不可避のバラツキが生じる。また、動作環境温度の違いによっても、波長の変化が生じる。使用波長が設計中心からずれている場合でも、回折方向は、格子ピッチと波長との関係で決まる。したがって、各領域による回折方向は同じであり、領域間で回折方向の不整合は起こらないが、位相の一致は保持されない。
ここで、図20において、回折構造の上面が出射面であり、かつ、この回折構造に対して図20の下側から位相の揃った光が入射する場合を想定する。図20に示したベース面BA上では光の位相が揃っている。屈折率が空気とは異なる硝材中を、ベース面BAを越えて図の上方に向かって光が進むと、鋸歯形状の回折格子の影響によって、空気中を進む光との位相差が発生する。図20に示した点C20〜C22の範囲を通過する光について考えると、点C20を通過した光は、ベース面BAを越えてすぐに空気中に出射されるため、位相差は生じない。一方、点C20〜C22の範囲内では、点C22より僅かに内周側の点C21を通過する光が、ベース面BAを越えた後に硝材中で最も長い距離を進む。したがって、点C21を通過した光は、空気中を進む場合と比べて、位相差が最大となる。この位相差は、波長に比例して変化するが、点C20〜C22の範囲内では、点C21を通過する光の位相差の変化量が最大となる。回折光の位相変化量は、点C20〜C22の範囲の平均によって表すことができ、領域R21の回折構造が入射光に与える位相差は、図20に示したラインM211(領域R21の鋸歯の振幅の中心線)まで硝材がある場合と等しい。同様に、外周側の領域R22の回折構造が入射光に与える位相差は、図20のラインM212(領域R22の鋸歯の振幅の中心線)まで硝材がある場合の位相差と等しい。
図20のラインM211に平均的な出射面があるとみなした場合の出射光の位相差と、ラインM212に平均的な出射面があるとみなした場合の出射光の位相差とは同一ではないので、入射光の波長が変化した場合の位相変化量は、領域R21とR22とで異なる。したがって、入射光の波長が変化した場合、領域R21による回折光と領域R22による回折光とで、回折方向は共通するが、互いに位相のずれが生じるため、回折効率の低下に繋がる。更に、領域R21を通過した光と、領域R22を通過した光とを集光すると、収差が発生するという問題がある。
このように、従来技術では、領域毎に形状の異なる回折構造を設けた対物レンズは提案されているものの、各領域で回折された光を収束させた場合に、光源波長の誤差に起因して生じる位相のずれまでは設計上考慮されていなかった。
それ故に、本発明は、形状の異なる複数種類の回折構造を用いて使用波長の異なる光情報記録媒体に対する互換性を確保しつつ、光源波長の誤差が生じた場合でも収差の発生を抑制できる対物レンズ素子及びこれを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
本発明は、入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成する対物レンズ素子に関する。この対物レンズ素子において、光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する第1及び第2の入射光束のいずれもが透過する内周部と、内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されている。
上記の対物レンズ素子において、内周部及び外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられる。内周部と外周部との境界近傍において、内周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが以下の条件を満足する。
Δd=a×λ1/(n1―1)
ここで、
a:整数、
1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
あるいは、上記の対物レンズ素子において、内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられても良い。この場合、内周部と外周部との境界近傍において、内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが上記の条件を満足する。
あるいは、上記の対物レンズ素子において、内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、外周部には、内周部とは異なる複数の階段状回折構造が設けられても良い。この場合、上記の対物レンズ素子において、内周部と外周部との境界近傍において、内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、外周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが上記の条件を満足する。
また、本発明は、入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成し、更に、波長λ3の第3の入射光束を、基板厚t3を持つ基板を介して集光しスポットを形成するする対物レンズ素子に関する。この対物レンズ素子において、光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する第1〜第3の入射光束のいずれもが透過する内周部と、内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する第1及び第2の入射光束のみが透過する中間部と、中間部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されている。
この対物レンズ素子において、内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、中間部には、内周部とは異なる階段状回折構造が設けられ、外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられる。この場合、内周部と中間部との境界近傍において、内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、中間部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δd1と、内周部と中間部との境界近傍において、中間部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δd2とが、以下の条件を満足する。
Δd1=a×λ1/(n1―1)
Δd1=b×λ2/(n2―1)
Δd2=c×λ1/(n1―1)
ここで、
a:整数、
b:整数(ただし、bは、a×λ1/λ2に最も近い整数である)、
c:整数、
1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率、
2:波長λ2の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
また、本発明は、波長λ1の光束を出射する第1の光源と、波長λ2の光束を出射する第2の光源と、上記のいずれかの構成の対物レンズ素子と、光ディスクの情報記録媒体によって反射された光を検出する検出素子とを備えた光ピックアップ装置に関する。
本発明によれば、使用波長の異なる光情報記録媒体の規格に互換性があり、かつ、光源波長の誤差が生じた場合でも収差の発生を抑制することが可能な対物レンズ素子及びこれを用いた光ピックアップ装置を実現できる。
実施の形態1に係る対物レンズ素子に設けられる鋸歯状回折構造の要部断面図 実施の形態2に係る対物レンズ素子の概略構成図 図2に示される対物レンズ素子の内周部に設けられる階段状回折構造の説明図 図2に示される対物レンズ素子の内周部と外周部の境界近傍に設けられた回折構造を示す図 実施の形態2の変形例を示す図 実施の形態2に係る対物レンズ素子に設けられる回折構造のピッチ及び深さの説明図 実施の形態2に係る対物レンズ素子を備える光ピックアップ装置の概略構成図 実施の形態3係る対物レンズ素子の概略構成 図7に示される対物レンズ素子の内周部に設けられる階段状回折構造の説明図 図7に示される対物レンズ素子の内周部と中間部の境界近傍に設けられた回折構造を 実施の形態3の変形例を示す図 実施の形態3に係る対物レンズ素子に設けられる回折構造のピッチ及び深さの説明図 実施の形態3に係る対物レンズ素子を備える光ピックアップ装置の概略構成図 数値実施例1に係る対物レンズ素子の光路図 数値実施例1に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の球面収差を示すグラフ 数値実施例1に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の正弦条件を示すグラフ 数値実施例2に係る対物レンズ素子の光路図 数値実施例2に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の球面収差を示すグラフ 数値実施例2に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の正弦条件を示すグラフ 従来の鋸歯状回折構造の要部断面図
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る対物レンズ素子に設けられる鋸歯状回折構造の要部断面図である。
図1に示される鋸歯状回折構造は、波長の異なる光を用いる複数の光情報記録媒体の規格に対して互換性を確保するためのものであり、対物レンズ素子の入射側または出射側の光学機能面に設けられる。鋸歯状回折構造が設けられる光学機能面は、回転対称軸(光軸)を含む内周部R21と、内周部R21を取り囲む輪帯状領域である外周部R22とに分割されている。内周部R21と外周部R22とには、高さ及び周期(ピッチ)が異なる鋸歯状回折構造が設けられている。より詳細には、内周部R21に設けられる鋸歯状回折構造の深さHAは、波長λ1の光の入射時に+1次回折光の回折効率が最大となる深さである。一方、外周部R22に設けられた鋸歯状回折構造の深さHBは、波長λ1の光の使用時に+2次回折光の回折効率が最大となる深さである。
図1に示す回折構造は、内周部R21及び外周部R22の境界(図中の一点鎖線)近傍における接続方法に特徴がある。本実施の形態では、内周部R21に設けられる鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面M211と、外周部R22に設けられる鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面M212とが段差なく接続されている。ここで、回折構造の凹凸の中間レベルとは、回折構造の凹凸を構成する凸条の上端部を含む包絡面と、回折構造の凹凸を構成する溝の最深部を含む包絡面との中間にある仮想面の位置を意味する。この回折構造の凹凸の中間レベルは、図1に示す断面上において、鋸歯状回折構造の輪郭を構成する、のこぎり波の振幅の中心を結んだレベルであるとも言える。
曲面M211及び曲面M212は、それぞれ、内周部R21の平均的な位相面、外周部R22の平均的な位相面と等しいので、内周部R21の鋸歯状回折構造と外周部R22の鋸歯状回折構造とを上記のように接続すると、光源波長の変化や環境温度変化に起因する材料屈折が変化しても、内周部R21と外周部R22とで位相のずれは発生しない。したがって、光源波長や環境温度が変化した場合でも、回折効率の低下や収差の発生を抑制することができる。
本実施の形態では、曲面M211と曲面M212とを段差なく接続しているが、内周部R21及び外周部R22を通過する光の位相が揃えば良いので、境界部分に段差があっても良い。この場合、境界部分の段差高さは、次の条件を満たしていれば良い。
Δd=a×λ1/(n1―1) ・・・(1)
ここで、
Δd:内周部及び外周部の境界近傍において、内周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差、
a:整数、
λ1:最短の設計波長、
1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係る対物レンズ素子の概略構成図である。
実施の形態2に係る対物レンズ素子143は、BD規格とDVD規格とに互換性を有しており、波長λ1(400nm近傍)の青色光を厚み0.1mmの基板を介して情報記録面上に集光してスポットを形成すると共に、波長λ2(680nm近傍)の赤色光を厚み0.6mmの基板を介して情報記録面上に集光してスポットを形成する。対物レンズ素子143の入射側の光学機能面は、回転対称軸(光軸)を含む内周部131Bと、内周部131Bを取り囲む輪帯状の外周部131Fとに分割されている。内周部131Bには、周期的な階段状段差よりなる階段状回折構造が設けられ、外周部131Fには鋸歯状回折構造が設けられている。内周部131Bの階段状回折構造は、4レベルの階段状段差を1周期とする周期構造である。内周部131Bの階段状回折構造の段差高さは、波長λ1の青色光の使用時には+1次回折光の回折効率が最大となり、波長λ2の赤色光の使用時には−1次回折光の回折効率が最大となるように設計されている。外周部131Fの鋸歯型回折構造の段差深さは、波長λ1の青色光の使用時には+3次回折光の回折効率が最大となるように設計されている。
この例では、外周部131Fの鋸歯状回折構造の段差高さを、外周部131Fによって回折された+3次回折光の回折効率が最大となるように設計しているが、この回折次数は+3次以外でも良い。ただし、外周部131Fは、BD専用領域であるので、DVD用の波長λ2の光に対しては、実効NAを調整するための開口制限機能を有することが好ましい。すなわち、外周部131Fに入射した波長λ2の赤色光は、スポットに寄与することなく、かつ、迷光となって光検出器上に戻らないことが望まれる。ここでいう迷光とは、光ディスクの表面、記録面、光路上の光学部品、レンズ面等で反射して、光検出器上の信号光の強度に対して影響を与える光を指す。
図3は、図2に示される対物レンズ素子の内周部に設けられる階段状回折構造の説明図である。図3(a)は、対物レンズ素子の光学機能面に設けられる階段状段差構造の理論形状を表す。図3(b)は、BD用の波長λ1の光に対して与える位相の変化量を表し、図3(c)は、DVD用の波長λ2の光に対して与える位相の変化量を表す。
図3(a)に示す階段状回折構造は、連続する4レベルの段差で1周期を構成する周期構造である。1段分の段差高さは、BD用の青色光に対して、その波長λ1の約1.25倍の光路差を付与するように設計されている。この階段状回折構造に波長λ1の光が入射した場合、図3(b)に示すように、段差高さが1段増加する毎に約0.25波長分の位相差を与える。すなわち、波長λ1の光に対する位相変調量は、段差1段あたり約1/2πとなる。このとき、+1次回折光の回折効率が最も高くなる。一方、図3(a)に示す階段状回折構造に波長λ2の光が入射した場合、段差1段は、波長λ2の光に対して約0.75波長分の光路差を与える。したがって、この階段状回折構造は、図3(c)に示すように、段差高さが1段増加する毎に波長λ2の光に対して約−0.25波長分の位相差を与える。すなわち、波長λ2の光に対する位相変調量は、段差1段あたり約−1/2πとなる。このように、図3(a)に示す階段状回折構造は、波長λ1の光に対しては正のパワーを有する光学素子として機能し、波長λ2の光に対しては負のパワーを有する光学素子として機能する。
図4は、図2に示される対物レンズ素子の内周部と外周部の境界近傍に設けられた回折構造を示す図である。図4(a)は、理解を容易にするために、ベース非球面を除去して平坦面上に回折構造のみを配置した図である。図4(b)は、対物レンズ素子を構成するベース非球面上に回折構造を配置した図である。
図4において、曲面MG1(図中、簡略化して直線で表される)は、内周部131Bに設けた階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面であり、曲面MG2(図中、簡略化して直線で表される)は、外周部131Fに設けた鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面である。ここで、階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とは、最も高い段差の表面を含む包絡面と、最も低い段差の表面を含む包絡面との中間に位置する仮想的な曲面を意味する。
本実施の形態では、内周部131B及び外周部131Fの境界近傍において、曲面MG1と曲面MG2とが段差なく接続されている。このように回折構造を形成することによって、光源波長の変化や、温度変化によるレンズ材料の屈折率変化が生じた場合でも、内周部131Bを通過する光と外周部131Fを通過する光とで位相のずれが起こることが防止される。この結果、位相不整合による回折効率の低下を防止し、収差の発生を抑制することができる。
図5は、実施の形態2の変形例を示す図である。図5(a)は、理解を容易にするために、ベース非球面を除去して平坦面上に回折構造のみを配置した図である。図5(b)は、対物レンズ素子を構成するベース非球面状に回折構造を配置した図である。
図5において、曲面MG2’は、外周部131Fに設けられる鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面である。図5の例では、内周部131B及び外周部131Fの境界近傍において、曲面MG1と曲面MG2’とは、高さΔdの段差を介して接続されている。
この段差の高さΔdは、以下の条件を満足する。
Δd=a×λ1/(n1―1) ・・・(1)
ここで、
a:整数、
n1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
この条件を満たすように、曲面MG1と曲面MG2’との接続部分の段差の高さΔdを設定すれば、光源波長や材料屈折率が変化した場合でも、内周部131Bを通過した光と外周部131Fを通過した光との間で位相の不一致は生じない。また、この高さΔdを調節することで、対物レンズ素子全体として、光源波長及び温度変化に起因して発生する収差量を低減するための位相段差としての機能を与えることが可能となる。
図6は、実施の形態2に係る対物レンズ素子に設けられる回折構造のピッチ及び深さの説明図である。
実施の形態2に係る対物レンズ素子は、以下の条件を同時に満足することが好ましい。
3×P1ac<P1a<5×P1ac ・・・(2)
0.3×P1a/n<P21/m<1.5×P1a/n ・・・(3)
P21>2×P2b ・・・(4)
ここで、
P1ac:内周部の最も外側に位置する階段状回折構造を構成する最も外側の段のピッチ、
P1a:内周部の最も外側に位置する階段状回折構造のピッチ、
P21:外周部の最も内側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
P2b:外周部の最も外側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数、
n:内周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
である。
条件(2)及び(3)は、内周部131Bの最も外側の階段状回折構造のピッチと、外周部131Fの最も内側の鋸歯状回折構造のピッチとの関係を規定する。P21/mがP1a/nの0.3倍以下または1.5倍以上であって、条件(2)を満足しない場合、内周部131Bと外周部131Fとの間で、位相の変化度合いが急激に変わるため、波長変化や温度変化に起因して大きな収差が発生する。
また、条件(4)は、外周部131Fの最も外側の鋸歯状回折構造と、最も内側の鋸歯状回折構造とのピッチの関係を規定する。BDの焦点深度は浅いため、色収差性能が必要であり、高次の収差を抑制することが好ましい。条件(4)を満足しない場合、BD専用領域である外周部131Fの色収差性能が低下してしまう。
実施の形態2に係る対物レンズ素子は、以下の条件を満足することが好ましい。
dr2/m<ds1<dA1<4×ds1 ・・・(5)
ここで、
dr2:外周部の鋸歯状回折構造の深さ、
dA1:内周部の階段状回折構造の深さ、
ds1:内周部の階段状回折構造を構成する段の深さ、
m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
である。
条件(5)は、内周部131Bの階段状回折構造の深さと、外周部131Fの鋸歯状回折構造の深さとの関係を規定する。条件(5)を満足しない場合、BD用の波長の光の使用時における対物レンズ素子全体の回折効率が低下する。
図7は、実施の形態2に係る対物レンズ素子を備える光ピックアップ装置の概略構成図である。
レーザー光源1から出射された青色光ビーム61は、3ビーム格子3、リレーレンズ2を透過し、ビームスプリッター4で反射された後、コリメートレンズ8により略平行光に変換される。コリメートレンズ8は、光軸方向に可動であり、光軸方向に移動することによって光ディスク9の基材厚の誤差や情報記録面毎の基材厚の差に起因する球面収差を補正する。コリメートレンズ8を透過した青色光ビーム61は、1/4波長板5を透過し、立ち上げミラー12によって反射され、対物レンズ素子143に入射し、光ディスク9の情報記録面上に集光されて良好なスポットを形成する。光ディスク9の情報記録面によって反射された青色光ビーム61は、再び対物レンズ素子143を透過し、立ち上げミラー12によって反射され、1/4波長板5、コリメートレンズ8、ビームスプリッター4を順に透過する。ビームスプリッター4から出射された青色光ビーム61は、ビームスプリッター16によって反射され、検出レンズ32によって光検出器33上に集光され、光信号として検出される。
レーザー光源20から出射された赤色光ビーム62は、3ビーム格子22、ビームスプリッター16、ビームスプリッター4を透過し、コリメートレンズ8に入射し、発散光に変換される。このコリメートレンズ8は光軸方向に移動することによって、赤色光ビーム62の光束の平行度を調整できる。また、光ディスク9の使用時と同様に、コリメートレンズ8が光軸方向に移動することによって、ディスク基材厚の差や温度変化、波長変化等に起因する球面収差を補正する。コリメートレンズ8を透過した赤色光ビーム62は、1/4波長板5を透過し、発散光として立ち上げミラー12によって反射され、対物レンズ素子143に入射し、光ディスク10の情報記録面上に集光され良好なスポットを形成する。光ディスク10の情報記録面によって反射された赤色光ビーム62は、再び対物レンズ素子143を透過し、立ち上げミラー12によって反射し、1/4波長板5、コリメートレンズ8、ビームスプリッター4を順に透過する。ビームスプリッター4から出射された赤色光ビーム62は、ビームスプリッター16によって反射され、検出レンズ32によって光検出器33上に集光され、光信号として検出される。
図7に示した光ピックアップ装置は、実施の形態2に係る対物レンズ素子143を備えるので、光源波長が変化したり、温度変化によって対物レンズ素子143の形成材料の屈折率が変化したりした場合でも、回折効率の低下や収差の発生が抑制され、安定した集光スポットの形成が可能となる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3係る対物レンズ素子の概略構成図である。
実施の形態3に係る対物レンズ素子163は、BD規格とDVD規格とCD規格とに互換性を有しており、波長λ1(400nm近傍)の青色光を厚み0.1mmの基板を介して情報記録面上に集光してスポットを形成し、波長λ2(680nm近傍)の赤色光を厚み0.6mmの基板を介して情報記録面上に集光してスポットを形成し、波長λ3(780nm近傍)の赤外光を厚み1.2mmの基板を介して情報記録面上に集光してスポットを形成する。
対物レンズ素子163の入射側の光学機能面は、対称軸(光軸)を中心とする3つの領域、すなわち、対称軸を含む内周部151Bと、内周部151Bを取り囲む輪帯状の中間部151Mと、中間部151Mを取り囲む輪帯状の外周部151Fとに分割されている。内周部151Bには、階段状回折構造が設けられ、中間部151Mには、内周部151Bに設けられているものとは異なる階段状回折構造が設けられ、外周部151Fには、鋸歯状回折構造が設けられている。
内周部151Bは、BD、DVD、CD用の3波長の光で共用される領域である。内周部151Bに設けられる階段状回折構造は、1段ずつ単調に高さが増加する8レベルの段差で1周期を構成する周期構造である。内周部151Bの階段状回折構造の段差高さは、波長λ1の青色光の使用時には+2次回折光の回折効率が最大となり、波長λ2の赤色光の使用時には−2次回折光の回折効率が最大となり、波長λ3の赤外光の使用時には−3次回折光の回折効率が最大となるように設計されている。内周部151Bに設ける階段状回折構造の1周期は、必ずしも8レベルの段差から構成されている必要はなく、5、6、7、9レベルのいずれかの段差で構成されていても良い。
中間部151Mは、BD及びDVD用の2波長の光で共用される領域である。中間部151Mに設けられる階段状回折構造は、1段ずつ単調に高さが増加する4レベルの段差で1周期を構成する周期構造である。中間部151Mの階段状回折構造の段差高さは、波長λ1の青色光の使用時には+1次回折光の回折効率が最大となり、波長λ2の赤色光の使用時には−1次回折光の回折効率が最大となるように設計されている。中間部151Mに入射したCD用の赤外光ビームは、スポットに寄与せず、かつ、迷光となって光検出器に入ることなく、散乱する。すなわち、CD用の波長λ3の光に対して、中間部151Mは、開口制限機能を発揮する。中間部151Mに設ける階段状回折構造の1周期は、必ずしも4レベルの段差で構成されている必要はなく、4以外のレベル数の段差で構成されていても良い。
外周部151Fに設けられる鋸歯状回折構造の高さは、BD用の波長λ1の光の使用時に+3次回折光の回折効率が最大となるように設計されている。回折効率が最大となる回折次数は+3次以外でも良い。ただし、外周部151Fは、BD専用領域であって、DVD用の波長λ2の光及びCD用の波長λ3の光に対しては、実効NAを調整するための開口制限機能を有することが好ましい。すなわち、外周部151Fに入射した波長λ2の赤色光及び波長λ3の赤外光は、スポットに寄与することなく、かつ、迷光となって光検出器上に戻らないことが望まれる。ここでいう迷光とは、光ディスクの表面、記録面、光路上の光学部品、レンズ面等で反射して、光検出器上の信号光の強度に対して影響を与える光を指す。
図9は、図8に示される対物レンズ素子の内周部に設けられる階段状回折構造の説明図である。図9(a)は、対物レンズ素子の光学機能面に設けられる階段状段差構造の理論形状を表す。図9(b)は、BD用の波長λ1の光に対して与える位相の変化量を表し、図9(c)は、DVD用の波長λ2の光に対して与える位相の変化量を表し、図9(d)は、CD用の波長λ3の光に対して与える位相の変化量を表す。
図9(a)に示す階段状回折構造は、高さが1段分ずつ単調に増加する8レベルの段差で1周期を構成する周期構造である。1段分の段差高さは、BD用の青色光に対して、その波長λ1の約1.25倍の光路差を付与するように設計されている。この階段状回折構造に波長λ1の光が入射した場合、段差高さが1段増加する毎に波長λ1の光に対して約0.25波長分の位相差を与える。すなわち、波長λ1の光に対する位相変調量は、段差1段あたり約1/2πとなる。1周期p1が8レベルで構成されているため、図9(b)に示すように、図9(a)の階段状回折構造は、4レベルの段差で構成される周期p0の2周期分とみなすことができる。したがって、BD用の波長λ1の光の使用時には、+2次回折光の回折効率が最大となる。
DVD用の波長λ2の光が入射した場合、段差1段が波長λ2の光に対して与える光路差は約0.75波長となる。したがって、この階段状段差構造は、段差高さが1段増加する毎に波長λ2の光に対して約−0.25波長分の位相差を与える。すなわち、波長λ2の光に対する位相変調量は、段差1段あたり約−1/2πとなる。1周期p1が8レベルで構成されているため、図9(c)に示すように、図9(a)の階段状回折構造は、4レベルの段差で構成される周期p0の2周期分とみなすことができる。したがって、DVD用の波長λ2の光の使用時には、−2次回折光の回折効率が最大となる。
CD用の波長λ3の光が入射した場合、段差1段が波長λ3の光に与える光路差は約0.675波長となる。したがって、この階段状段差構造は、段差高さが1段増加する毎に波長λ3の光に対して約−0.375波長分の位相差を与える。1周期p1が8レベルで構成されているため、図9(d)に示すように、図9(a)の階段状回折構造は、階段状の段差が3箇所にある構造と同様に機能し、−3次回折光の回折効率が最大となる。
このように、図9(a)に示す階段状回折構造は、波長λ1の光に対しては正のパワーを有する光学素子として機能し、波長λ2及びλ3の光に対しては負のパワーを有する光学素子として機能する。
図10は、図8に示される対物レンズ素子の内周部と中間部の境界近傍に設けられた回折構造を示す図である。図10(a)は、理解を容易にするために、ベース非球面を除去して平坦面上に回折構造のみを配置した図である。図10(b)は、対物レンズ素子を構成するベース非球面上に回折構造を配置した図である。
図10において、曲面LG0(図中、簡略化して直線で表される)は、内周部151Bに設けた階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面であり、曲面LG1(図中、簡略化して直線で表される)は、中間部151Mに設けた階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面である。
本実施の形態では、内周部151B及び中間部151Mの境界近傍において、曲面LG0と曲面LG1とが段差なく接続されている。このように回折構造を形成することによって、光源波長の変化や、温度変化によるレンズ材料の屈折率変化が生じた場合でも、内周部151Bを通過する光と中間部151Mを通過する光とで位相のずれが起こることが防止される。この結果、位相不整合による回折効率の低下を防止し、収差の発生を抑制することができる。
図10には示さないが、中間部151Mと外周部151Fの境界近傍において、中間部151Mに設ける階段状段差構造と、外周部151Fに設ける鋸歯状回折構造とが同様に接続される。この接続方法については、実施の形態2で説明した通りであるので、ここでの繰り返しの説明は省略する。
図11は、実施の形態3の変形例を示す図である。図11(a)は、理解を容易にするために、ベース非球面を除去して平坦面上に回折構造のみを配置した図である。図11(b)は、対物レンズ素子を構成するベース非球面上に回折構造を配置した図である。
図11において、曲面LG1’は、中間部151Mに設けられる階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面である。図11の例では、内周部151B及び中間部151Mの境界近傍において、曲面LG0と曲面LG1’とは、高さΔd1の段差を介して接続されている。
この段差の高さΔd1は、以下の条件を満足する。
Δd1=a×λ1/(n1−1) ・・・(6)
Δd1=b×λ2/(n2−1) ・・・(7)
ここで、
a:整数、
b:整数、
1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率、
2:波長λ2の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
これらの条件は、曲面LG0と曲面LG1’との接続部分の段差の高さが、BD用の光の波長λ1の整数倍、かつ、DVD用の光の波長λ2の整数倍であることを意味する。波長λ1及びλ2の光はいずれも、内周部151B及び中間部151Mの境界を跨いで両方に入射するため、内周部151Bを透過した光と中間部151Mを透過した光との間に位相差が生じないように段差の高さΔd1が設定される。ここで、上記2式をbについて解くと次の通りになる。
b=a×λ1/λ2×(n2−1)/(n1−1)
波長毎の屈折率変化のオーダーはそれほど大きくなく、(n2−1)/(n1−1)の値は1とみなすことができ、b≒a×λ1/λ2と近似できる。実際のbの値としては、こa×λ1/λ2に最も近い整数を選べば良い。具体例として、λ1が408nm、λ2が658nmの場合、a及びbの組として、(a,b)=(5,3),(10,6),(15,9),・・・を使用できる。すなわち、a=5m、b=3m(mは、0以外の整数)を満足すれば良い。
また、中間部151Mに設けた階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面LG1’と、外周部151Fに設けた鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面(図示せず)とを、高さΔd2の段差で接続する場合、この高さΔd2は、以下の条件を満足する。
Δd2=c×λ1/(n2−1) ・・・(8)
ここで、
c:整数、
2:波長λ2の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
である。
この条件を満足することにより、実施の形態2で説明したように、中間部151Mを透過した光と外周部151Fを透過した光との位相の不一致が生じず、回折効率の低下や収差の発生を抑制できる。
図12は、実施の形態3に係る対物レンズ素子に設けられる回折構造のピッチ及び深さの説明図である。
実施の形態3に係る対物レンズ素子は、以下の条件を同時に満足することが好ましい。
3×P2ac<P2a<5×P2ac ・・・(9)
0.3×P2a/n<P31/m<1.5×P2a/n ・・・(10)
P31>2×P3b ・・・(11)
ここで、
P2ac:中間部の最も外側に位置する階段状回折構造を構成する最も外側の段のピッチ、
P2a:中間部の最も外側に位置する階段状回折構造のピッチ、
P31:外周部の最も内側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
P3b:外周部の最も外側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数、
n:中間部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
である。
条件(9)及び(10)は、中間部151Mの最も外側の階段状回折構造のピッチと、外周部151Fの最も内側の鋸歯状回折構造のピッチとの関係を規定する。P31/mがP2a/nの0.3倍以下または1.5倍以上であって、条件(2)を満足しない場合、中間部151Mと外周部151Fとの間で、位相の変化度合いが急激に変わるため、波長変化や温度変化に起因して大きな収差が発生する。
また、条件(11)は、外周部151Fの最も外側の鋸歯状回折構造と、最も内側の鋸歯状回折構造とのピッチの関係を規定する。BDの焦点深度は浅いため、色収差性能が必要であり、高次の収差を抑制することが好ましい。条件(11)を満足しない場合、BD専用領域である外周部151Fの色収差性能が低下してしまう。
実施の形態3に係る対物レンズ素子は、以下の条件を満足することが好ましい。
dr3/m<ds2<dA2<4×ds2 ・・・(12)
ここで、
dr3:外周部の鋸歯状回折構造の深さ、
dA2:中間部の階段状回折構造の深さ、
ds2:中間部の階段状回折構造を構成する段の深さ、
m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
である。
条件(5)は、内周部131Bの階段状回折構造の深さと、外周部131Fの鋸歯状回折構造の深さとの関係を規定する。条件(5)を満足しない場合、BD用の波長の光の使用時における対物レンズ素子全体の回折効率が低下する。
図13は、実施の形態3に係る対物レンズ素子を備える光ピックアップ装置の概略構成図である。
レーザー光源1から出射された青色光ビーム61は、3ビーム格子3、リレーレンズ2を透過し、ビームスプリッター4で反射された後、コリメートレンズ8により略平行光に変換される。コリメートレンズ8は、光軸方向に可動であり、光軸方向に移動することによって光ディスクの基材厚の誤差や情報記録面毎の基材厚の差に起因する球面収差を補正する。コリメートレンズ8を透過した青色光ビーム61は、1/4波長板5を透過し、立ち上げミラー12によって反射され、対物レンズ素子163に入射し、光ディスク9の情報記録面上に集光されて良好なスポットを形成する。光ディスク9の情報記録面によって反射された青色光ビーム61は、再び対物レンズ素子163を透過し、立ち上げミラー12によって反射され、1/4波長板5、コリメートレンズ8、ビームスプリッター4を順に透過する。ビームスプリッター4から出射された青色光ビーム61は、ビームスプリッター16によって反射され、検出レンズ32によって光検出器33上に集光され、光信号として検出される。
本実施の形態に係るレーザー光源は、赤色光と赤外光を選択的に出射する2波長レーザー光源である。レーザー光源20から出射された赤色光ビーム62は、3ビーム格子22、ビームスプリッター16、ビームスプリッター4を透過し、コリメートレンズ8に入射し、発散光に変換される。このコリメートレンズ8は光軸方向に移動することによって、赤色光ビーム62の光束の平行度を調整できる。また、光ディスク9の使用時と同様に、コリメートレンズ8が光軸方向に移動することによって、ディスク基材厚の差や温度変化、波長変化等に起因する球面収差を補正する。コリメートレンズ8を透過した赤色光ビーム62は、1/4波長板5を透過し、発散光として立ち上げミラー12によって反射され、対物レンズ素子163に入射し、光ディスク10の情報記録面上に集光され良好なスポットを形成する。光ディスク10の情報記録面によって反射された赤色光ビーム62は、再び対物レンズ素子163を透過し、立ち上げミラー12によって反射し、1/4波長板5、コリメートレンズ8、ビームスプリッター4を順に透過する。ビームスプリッター4から出射された赤色光ビーム62は、ビームスプリッター16によって反射され、検出レンズ32によって光検出器33上に集光され、光信号として検出される。
レーザー光源20から出射された赤外光ビーム63は、3ビーム格子22、ビームスプリッター16、ビームスプリッター4を透過し、コリメートレンズ8に入射し、発散光に変換される。コリメートレンズ8から出射された赤外光ビーム63は、1/4波長板5を透過し、立ち上げミラー12によって反射され対物レンズ163素子に入射し、光ディスク11の情報記録面上に集光されて良好なスポットを形成する。光ディスク11の情報記録面上で反射された赤外光ビーム63は、再び対物レンズ素子163を透過し、立ち上げミラー12によって反射され、1/4波長板5、コリメートレンズ8、ビームスプリッター4を順に透過しビームスプリッター16で反射された後、検出レンズ32によって集光され、光検出器33で光信号として検出される。
図13に示した光ピックアップ装置は、実施の形態3に係る対物レンズ素子163を備えるので、光源波長が変化したり、温度変化によって対物レンズ素子163の形成材料の屈折率が変化したりした場合でも、回折効率の低下や収差の発生が抑制され、安定した集光スポットの形成が可能となる。
尚、上記の実施の形態1〜3では、対物レンズ素子上に設けた回折構造を例として説明したが、屈折のパワーを有しない平板等の表面に、種類の異なる回折構造を境界を接して設ける場合にも、本発明は同様に適用できる。より詳細に説明すると、平面状の光学機能面を、回転対称軸を中心とする同心円状の複数の領域に分割し、隣接する領域のそれぞれに実施の形態1〜3で説明した階段状回折構造または鋸歯状回折構造を設け、それぞれの領域に設けた回折構造の凹凸の中間レベルを通過する面を段差なく接続すれば良い。あるいは、隣接する領域の回折構造の中間レベルを通過する面同士を段差を介して接続する場合、この段差を最短の設計波長の整数倍に設定すれば良い。
以下、本発明の数値実施例を、コンストラクションデータ、収差図等を挙げてさらに具体的に説明する。尚、各数値実施例において、非球面係数が与えられた面は、非球面形状の屈折光学面又は非球面と等価な屈折作用を有する面(例えば回折面等)であることを示す。非球面の面形状は、以下の数1で定義される。
Figure 2013033576
ここで、
X:光軸からの高さがhである非球面状の点の非球面頂点の接平面からの距離、
h:光軸からの高さ、
j:レンズ第j面の非球面頂点の曲率(Cj=1/Rj)、
j:レンズ第j面の円錐定数、
j,n:レンズ第j面のn次の非球面定数
である。
また、光学面に付加された回折構造によって生じる位相差は、以下の数2で与えられる。
Figure 2013033576
ここで、
φ(h):位相関数
h:光軸からの高さ
j,m:レンズ第j面の2m次の位相関数係数
(数値実施例1)
数値実施例1は、実施の形態2に対応する。数値実施例1に係る対物レンズ素子の第1面は、対称軸を含む内周部と、内周部を取り囲む外周部とに分割されている。第1面の内周部には、階段状回折構造が設けられ、外周部には、鋸歯状回折構造が設けられている。第2面も、内周部と外周部に分割されており、それぞれには異なる非球面が設けられている。数値実施例1に係る対物レンズ素子は、BD/DVD互換レンズである。BDに関する設計値は、波長408nm、焦点距離2.24mm、開口数(NA)0.86、情報記録媒体の保護層厚0.1mmである。DVDに関する設計値は、波長658nm、焦点距離1.74mm、NA0.6、情報記録媒体の保護層厚0.6mmである。
表1及び2に数値実施例1に係る対物レンズ素子のコンストラクションデータを示す。
Figure 2013033576
Figure 2013033576
図14は、数値実施例1に係る対物レンズ素子の光路図である。図15は、数値実施例1に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の球面収差を示すグラフである。図16は、数値実施例1に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の正弦条件を示すグラフである。図15及び16より、収差が良好に補正されていることが把握される。
表3に、第1面の内周部に設けた階段状段差構造の輪帯周期と、各輪帯に配置される段差の周期を示す。
Figure 2013033576
数値実施例1の内周部では、連続する4レベルの階段状段差により1つの輪帯周期が構成されている。表3における輪帯周期とは、図4(b)の矢印で示すように、半径方向(光軸と直交する方向)の輪帯の幅を指す。内周部には、対物レンズ素子の光軸から外周側へと順に、第1輪帯、第2輪帯、第3輪帯、…、第29輪帯が設けられている。また、段差周期とは、図4(b)の矢印で示すように、各輪帯に設けられる段差の半径方向(光軸と直交する方向)の幅を指す。各輪帯内において、光軸側から外方側に向へと順に、第1段差、第2段差、第3段差、第4段差とする。
表4に、第1面の外周部に設けた鋸歯状回折構造の輪帯周期を示す。
Figure 2013033576
表4における輪帯周期は、図4(b)の矢印で示すように、半径方向(光軸と直交する方向の)の輪帯の幅を指す。より詳細には、輪帯周期とは、図4(b)に示す断面上において、レンズ有効面の輪郭線(光軸と平行な段差の壁面を除く)と、曲面MG2を表す一点鎖線との交点間(隣接する交点間)の距離を表す。外周部には、対物レンズ素子の光軸から外周側へと順に、第1輪帯、第2輪帯、第3輪帯、…、第9輪帯が設けられている。
表5に、第1面の内周部に設けた階段状回折構造の段差高さを示す。また、階段状回折構造の1周期を構成する第1段差〜第3段差の高さは、BDの設計波長の光に対して1.25波長分の位相差を付与するように設計され、第4段差の高さは、逆方向に3.75波長分の位相差を付与するように設計されている。
Figure 2013033576
表6に、第1面の外周部に設けた鋸歯状回折構造の段差高さを示す。また、鋸歯状回折構造の段差高さは、BDの設計波長の光に対して3波長分の位相差を付与するように設計されており、+3次回折光を使用する。
Figure 2013033576
(数値実施例2)
数値実施例2は、実施の形態3に対応する。数値実施例2に係る対物レンズ素子の第1面は、対称軸を含む内周部と、内周部を取り囲む中間部と、中間部を取り囲む外周部とに分割されている。第1面の内周部には、階段状回折構造が設けられている。中間部には、内周部とは異なる階段状回折構造が設けられている。外周部には、鋸歯状回折構造が設けられている。第2面は非球面からなる。数値実施例2に係る対物レンズ素子は、BD/DVD/CD互換レンズである。BDに関する設計値は、波長408nm、焦点距離1.8mm、開口数(NA)0.86、情報記録媒体の保護層厚87.5μmである。DVDに関する設計値は、波長658nm、焦点距離2.0mm、NA0.6、情報記録媒体の保護層厚0.6mmである。CDに関する設計値は、波長785nm、焦点距離2.1mm、NA0.47、情報記録媒体の保護層厚1.2mmである。
表7及び8に数値実施例2に係る対物レンズ素子のコンストラクションデータを示す。
Figure 2013033576
Figure 2013033576
図17は、数値実施例2に係る対物レンズ素子の光路図である。図18は、数値実施例2に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の球面収差を示すグラフである。図19は、数値実施例2に係る対物レンズ素子に平行光が入射した場合の正弦条件を示すグラフである。図18及び19より、収差が良好に補正されていることが把握される。
表9に、第1面の内周部に設けた階段状段差構造の輪帯周期と、各輪帯に配置される段差の周期を示す。
Figure 2013033576
数値実施例2の内周部では、連続する8レベルの階段状段差により1つの輪帯周期が構成されている。表9の輪帯周期とは、図10(b)の矢印で示すように、半径方向(光軸と直交する方向)における輪帯の幅を指す。内周部には、対物レンズ素子の光軸から外周側へと順に、第1輪帯、第2輪帯、第3輪帯、…、第16輪帯が設けられている。また、段差周期とは、図10(b)の矢印で示すように、各輪帯に設けられる段差の半径方向(光軸と直交する方向)の幅を指す。各輪帯内において、光軸側から外方側に向へと順に、第1段差、第2段差、第3段差、…、第8段差とする。
表10に、第1面の中間部に設けた階段状段差構造の輪帯周期を示す。
Figure 2013033576
数値実施例2の中間部では、連続する4レベルの階段状段差により1つの輪帯周期が構成されている。表10の輪帯周期とは、図10(b)の矢印で示すように、半径方向(光軸と直交する方向)における輪帯の幅を指す。内周部には、対物レンズ素子の光軸から外周側へと順に、第1輪帯、第2輪帯、第3輪帯、…、第11輪帯が設けられている。また、段差周期とは、図10(b)の矢印で示すように、各輪帯に設けられる段差の半径方向(光軸と直交する方向)の幅を指す。各輪帯内において、光軸側から外方側に向へと順に、第1段差、第2段差、第3段差、第4段差とする。
表11に、第1面の外周部に設けた鋸歯状回折構造の輪帯周期を示す。
Figure 2013033576
表11における輪帯周期は、数値実施例1と同様に定義され、図4(b)の矢印で示した、半径方向(光軸と直交する方向)における輪帯の幅を指す。外周部には、対物レンズ素子の光軸から外周側へと順に、第1輪帯、第2輪帯、第3輪帯、…、第35輪帯が設けられている。また、鋸歯状回折構造の段差高さは、BDの設計波長の光に対して3波長分の位相差を付与するように設計されており、+3次回折光を使用する。
表12に、第1面の内周部に設けた階段状回折構造の段差高さを示す。
Figure 2013033576
表13に、第1面の中間部に設けた階段状回折構造の段差高さを示す。
Figure 2013033576
表14に、第1面の外周部に設けた鋸歯状回折構造の段差高さを示す。
Figure 2013033576
Figure 2013033576
表15に、数値実施例1及び2に係る対物レンズ素子の条件値を示す。
本発明は、波長の異なる光を用いる複数の規格の光ディスクに対して、情報の記録・再生・消去の少なくとも1つを行うために用いられる対物レンズ素子及びこれを用いた光ピックアップ装置に利用できる。
1 レーザー光源
7 光検出器
9 光ディスク
10 光ディスク
11 光ディスク
20 レーザー光源
33 光検出器
143 対物レンズ素子
163 対物レンズ素子

Claims (9)

  1. 入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、前記波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、前記基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成する対物レンズ素子であって、
    前記光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する前記第1及び第2の入射光束のいずれもが透過する内周部と、前記内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する前記第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されており、
    前記内周部及び外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられ、
    前記内周部と前記外周部との境界近傍において、前記内周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、前記外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが以下の条件を満足する、対物レンズ素子:
    Δd=a×λ1/(n1―1)
    ここで、
    a:整数、
    1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
    である。
  2. 入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、前記波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、前記基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成する対物レンズ素子であって、
    前記光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する前記第1及び第2の入射光束のいずれもが透過する内周部と、前記内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する前記第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されており、
    前記内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、
    前記外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられ、
    前記内周部と前記外周部との境界近傍において、前記内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、前記外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが以下の条件を満足する、対物レンズ素子:
    Δd=a×λ1/(n1―1)
    ここで、
    a:整数、
    1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
    である。
  3. 以下の条件を満足する、請求項2に記載の対物レンズ素子:
    3×P1ac<P1a<5×P1ac
    0.3×P1a/n<P21/m<1.5×P1a/n
    P21>2×P2b
    ここで、
    P1ac:内周部の最も外側に位置する階段状回折構造を構成する最も外側の段のピッチ、
    P1a:内周部の最も外側に位置する階段状回折構造のピッチ、
    P21:外周部の最も内側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
    P2b:外周部の最も外側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
    m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数、
    n:内周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
    である。
  4. 以下の条件を満足する、請求項2に記載の対物レンズ素子:
    dr2/m<ds1<dA1<4×ds1
    ここで、
    dr2:外周部の鋸歯状回折構造の深さ、
    dA1:内周部の階段状回折構造の深さ、
    ds1:内周部の階段状回折構造を構成する段の深さ、
    m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
    である。
  5. 入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、前記波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、前記基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成する対物レンズ素子であって、
    前記光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する前記第1及び第2の入射光束のいずれもが透過する内周部と、前記内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する前記第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されており、
    前記内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、
    前記外周部には、前記内周部とは異なる複数の階段状回折構造が設けられ、
    前記内周部と前記外周部との境界近傍において、前記内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、前記外周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δdが以下の条件を満足する、対物レンズ素子:
    Δd=a×λ1/(n1―1)
    ここで、
    a:整数、
    1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
    である。
  6. 入射側及び出射側に光学機能面を備え、波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、前記波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、前記基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成し、更に、前記波長λ2より長い波長λ3の第3の入射光束を、前記基板厚t2より大きい基板厚t3を持つ基板を介して集光しスポットを形成する対物レンズ素子であって、
    前記光学機能面のうち少なくとも一方は、回転対称軸を含み実質的にスポット形成に寄与する前記第1〜第3の入射光束のいずれもが透過する内周部と、前記内周部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する前記第1及び第2の入射光束のみが透過する中間部と、前記中間部を囲む輪帯状領域であって実質的にスポット形成に寄与する前記第1の入射光束のみが透過する外周部とに分割されており、
    前記内周部には、複数の階段状回折構造が設けられ、
    前記中間部には、前記内周部とは異なる階段状回折構造が設けられ、
    前記外周部には、複数の鋸歯状回折構造が設けられ、
    前記内周部と前記中間部との境界近傍において、前記内周部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、前記中間部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δd1と、前記内周部と前記中間部との境界近傍において、前記中間部に形成される階段状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面と、前記外周部に形成される鋸歯状回折構造の凹凸の中間レベルを通過する曲面とのレベル差Δd2とが、以下の条件を満足する、対物レンズ素子:
    Δd1=a×λ1/(n1―1)
    Δd1=b×λ2/(n2―1)
    Δd2=c×λ1/(n1―1)
    ここで、
    a:整数、
    b:整数(ただし、bは、a×λ1/λ2に最も近い整数である)、
    c:整数、
    1:波長λ1の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率、
    2:波長λ2の光に対する対物レンズ素子形成材料の屈折率
    である。
  7. 以下の条件を満足する、請求項6に記載の対物レンズ素子:
    3×P2ac<P2a<5×P2ac
    0.3×P2a/n<P31/m<1.5×P2a/n
    P31>2×P3b
    ここで、
    P2ac:中間部の最も外側に位置する階段状回折構造を構成する最も外側の段のピッチ、
    P2a:中間部の最も外側に位置する階段状回折構造のピッチ、
    P31:外周部の最も内側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
    P3b:外周部の最も外側に位置する鋸歯状回折構造のピッチ、
    m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数、
    n:中間部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
    である。
  8. 以下の条件を満足する、請求項6に記載の対物レンズ素子:
    dr3/m<ds2<dA2<4×ds2
    ここで、
    dr3:外周部の鋸歯状回折構造の深さ、
    dA2:中間部の階段状回折構造の深さ、
    ds2:中間部の階段状回折構造を構成する段の深さ、
    m:外周部に入射した波長λ1の光に対する回折次数
    である。
  9. 波長λ1の第1の入射光束を、基板厚t1を持つ基板を介して集光しスポットを形成するとともに、前記波長λ1より長い波長λ2の第2の入射光束を、前記基板厚t1より大きい基板厚t2を持つ基板を介して集光しスポットを形成する光ピックアップ装置であって、
    前記波長λ1の光束を出射する第1の光源と、
    前記波長λ2の光束を出射する第2の光源と、
    請求項1〜8のいずれかに記載の対物レンズ素子と、
    光ディスクの情報記録媒体によって反射された光を検出する検出素子とを備える、光ピックアップ装置。
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