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JP2013013353A - 1,3−プロパンジオールの製造方法 - Google Patents

1,3−プロパンジオールの製造方法 Download PDF

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JP2013013353A JP2011147353A JP2011147353A JP2013013353A JP 2013013353 A JP2013013353 A JP 2013013353A JP 2011147353 A JP2011147353 A JP 2011147353A JP 2011147353 A JP2011147353 A JP 2011147353A JP 2013013353 A JP2013013353 A JP 2013013353A
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propanediol
coli
glycerol
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Kunihiro Kimoto
訓弘 木本
Hiroaki Yamamoto
浩明 山本
Tetsuo Toratani
哲夫 虎谷
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Abstract

【課題】グリセロールから1,3−プロパンジオールを製造する際に、遺伝子組み換え大腸菌を利用して、1,3−プロパンジオールの生産性を向上させる1,3−プロパンジオールの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、1,3−プロパンジオールの製造方法に関するものである。
1,3−プロパンジオールは、ポリエステル及びポリウレタンの製造に使用されるモノマーとして、また環状化合物の合成用出発材料としてなど、広範な用途を有する有用な化合物である。
1,3−プロパンジオールの製造方法は、大別して、化学合成法と微生物発酵法とがあり、化学合成法としては、アクロレインを原料とするDegussa法と、エチレンオキシドを原料とするShell法とが挙げられる。
一方、微生物発酵法としては、例えば、クレブシエラ(Klebsiella)属、クロストリジウム(Clostridium)属に属する嫌気性菌などを利用する方法、遺伝子組み換え大腸菌を利用する方法が挙げられる(例えば、特許文献1,2を参照)。
非特許文献1には、嫌気性菌などを利用する方法として、クレブシエラ(Klebsiella)属のクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)を用い、グリセロールデヒドラターゼとグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子(以下「GD/GDR」と略す場合もある)を添加し、グリセロールを脱水して3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを得、さらに、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ(以下「PDH」と略す場合もある)を添加して、3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを1,3−プロパンジオールに転換して、1,3−プロパンジオールを得る方法が記載されている。非特許文献1に記載の方法は、一般的なグリセロールからの嫌気発酵による方法のため、厳密に酸素を遮断する必要があり、工業生産には不向きである。
また、特許文献1には、遺伝子組み換え大腸菌を利用する方法として、グルコースを原料として、出芽酵母(Sacchstomyces cerevisiae)から単離された、グリセロール−3−リン酸(G3P)ホスファターゼをコードする遺伝子DAR1,GPP1と、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)から単離された、グリセロールデヒドラターゼとをコードする遺伝子dhaB1,dhaB2,dhaB3と、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子をコードする遺伝子orfX,orfZと、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼをコードする遺伝子dhaTとが組み換えられた大腸菌株RJ8/pAH48/pDT29を使用して、グルコースを原料として、1,3−プロパンジオールへ転換し、1,3−プロパンジオールを得る方法が記載されている。
特許文献2には、ジオールデヒドラターゼおよび/またはグリセロールデヒドラターゼならびにジオールデヒドラターゼ再活性化因子およびまたはグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子を含んでなる菌体および/または菌体処理物を用いて、グリセロールを脱水して3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを得て、この3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを液相において酵素を使用しない化学合成法により水素添加して、1,3−プロパンジオールを製造する方法が記載されている。すなわち、特許文献2に記載の方法は、化学的合成方法も含まれている。
特表2006−512907号公報 特開2005−102533号公報
Enzyme Microb.Tech.20,82−86(1997)
本発明の目的は、発酵性基質から1,3−プロパンジオールを製造する際に、遺伝子組み換え大腸菌を利用して、1,3−プロパンジオールの生産性を向上させる1,3−プロパンジオールの製造方法を提供することである。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に示す本発明に至った。
(1)少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
(2)少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、グリセロールを含む発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
(3)グリセロールデヒドラターゼ、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、およびアデノシルトランスフェラーゼを含んでなる菌体に、グリセロールを含む発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
(4)微好気培養条件下で1,3−プロパンジオールを製造する、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
(5)グリセロールデヒドラターゼとグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子とアデノシルトランスファラーゼを含んでなる菌体は、大腸菌(E.coli)株であって、宿主大腸菌として、E.coli W3110、E.coli JM107、E.coli JM109、E.coli DH1、E.coli DH5、E.coli DH5αからなる群から選択される単一種である、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
本発明の1,3−プロパンジオールの製造方法により、従来の方法より更に、1,3−プロパンジオールの生産量が増大する方法が提供された。
本発明の実施の形態における1,3−プロパンジオールの製造方法について、以下に説明する。
[1,3−プロパンジオールの製造方法]
本実施の形態における1,3−プロパンジオールの製造方法は、少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、グリセロールを単一の炭素源した培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
本実施の形態における他の1,3−プロパンジオールの製造方法は、グリセロールデヒドラターゼ、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、およびアデノシルトランスフェラーゼを含んでなる菌体に、グリセロールを単一の炭素源した培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造する方法である。
本実施の形態において、グリセロールデヒドラターゼは、特に制限されることなく、この酵素を有する/発現するいずれの源由来であってもよい。具体的には、Klebsiella属、Citrobacter属、Clostridium属、Lactobacillus属、Enterobacter属、 Caloramator属、Salmonella属及びListeria属に属する微生物があり、より詳しくは、Klebsiella pneumoniae、Citrobacter pneumoniae、Clostridium pasteurianum、Lactobacillus leichmannii、Citrobacter intermedium、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus brevis、Enterobacter agglomerans、Clostridium butyricum、Caloramator viterbensis、Lactobacillus collinoides、Lactobacillus hilgardii、Salmonella typhimurium、Listeria monocytogenes、及びListeria innocua由来のグリセロールデヒドラターゼなどが挙げられる。これらのグリセロールデヒドラターゼは、単独で使用されてもあるいは2以上の混合物として使用されてもよい。
上記起源からグリセロールデヒドラターゼを単離する方法は、特に制限されることなく、抽出、カラムクロマトグラフィー(例えば、HPLC)等の、公知の酵素の分離・単離方法と同様にして、上記したようないずれかの微生物から単離できる。
本発明において、「グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子」とは、グリセロール→3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド+HOの反応を触媒して失活したデヒドラターゼの活性を再度促す(再活性化する)因子を意味する。より詳細には、デヒドラターゼが触媒するグリセロール→3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド+HOの反応には、補酵素B12が関与しているが、グリセロールデヒドラターゼは、グリセロール→3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド+HOの反応を展開・触媒すると、補酵素B12がつぶれて、活性中心が失活してしまうが、ここでグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子がつぶれた補酵素B12を新たな補酵素B12と置換して、グリセロールデヒドラターゼの活性を再度促して(再活性化して)、グリセロールデヒドラターゼをグリセロールの脱水反応に再使用できるようにする。このようにグリセロールデヒドラターゼを再活性化する作用を有するものを、本発明においては、「グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子」と称する。このグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子は、上記したような作用を有するものであれば、特に制限されることなく、公知の、不活化したグリセロールデヒドラターゼを活性化するグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子が使用される。
ここで、「グリセロールデヒドラターゼ」を以下「GD」と略し、「グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子」を以下「GDR」と略す場合もある。また、「グリセロールデヒドラターゼとグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子」を、以下「GD/GDR」と略す場合もある。
本願発明者らは、グリセロールデヒドラターゼ、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、およびアデノシルトランスフェラーゼを組み込んだ遺伝子組み換え大腸菌を、グリセロールを単一の炭素源した培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールの生産量が向上することを見出した。
本実施の形態における1,3−プロパンジオールの製造方法は、微好気培養条件下で、前記菌体を培養する。ここで、本明細書における「微好気培養」とは、溶存酸素濃度/飽和酸素濃度を1/1000〜1/10として培養することをいい、嫌気培養に比べ好気性の培養をいう。溶存酸素濃度/飽和酸素濃度は好ましくは1/500〜1/30であり、更に好ましくは1/200〜1/40である。ここで、本明細書における『微好気培養条件』は、1,3−プロパンジオールの製造工程において少なくとも一定時間維持されていれば良く、必ずしも1,3−プロパンジオールの製造工程において継続的に維持される場合のみに限定されない。
また、本実施の形態において、利用できる宿主大腸菌は、E.coli W3110、E.coli JM107、E.coli JM109、E.coli DH1、E.coli DH5、E.coli DH5αからなる群から選択される単一種である。
本実施の形態において、「グリセロールデヒドラターゼ、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、およびアデノシルトランスフェラーゼを含んでなる菌体」として、例えば、プラスミドpSPKGRTで、菌株E.coli W3110を形質転換した、E.coli W3110(pSPKGRT)を用いることができ、表1に示すような遺伝子が導入された遺伝子組み換え大腸菌株である。
ここで、表1に示す「dhaB1」および「dhaB2」および「dhaB3」は、グリセロールデヒドラターゼの機能的に結合した活性をコードする遺伝子であり、いずれも、クレブシエラ・ニューモニエ由来である。また、表1に示す「orfX」と「orfZ」は、デヒドラターゼ再活性遺伝子をコードする遺伝子であり、「dhaT」は、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素をコードする遺伝子であり、いずれも、クレブシエラ・ニューモニエ由来である。また、表1に示す「KoADT」は、アデノシルトランスフェラーゼの機能的に結合した活性をコードする遺伝子であり、クレブシエラ・オキシトカ由来である。
本実施の形態において発酵性基質としては、次に示すような一般的な炭素源より、使用する宿主微生物の資化性を考慮して、適宜一種または二種以上選択して使用する。
糖類:
グルコース、
フルクトース、
マルトース、
ガラクトース。
天然炭水化物:
澱粉、
澱粉加水分解物、
糖蜜、
廃糖蜜、
麦、
とうもろこしなど。
アルコール類:
グリセロール、
メタノール、
エタノールなど。
脂肪酸類:
酢酸、
グルコン酸、
ピルビン酸、
クエン酸など。
アミノ酸類:
グリシン、
グルタミン、
アスパラギンなど。
炭化水素類:
ノルマルパラフィンなど。
培地に添加するエタノールアミンまたは2−アミノプロパン−1−オンは、例えば、0.1から5g/Lであり、好ましくは、1.0〜1.5g/Lである。
ここで、本実施の形態における培地組成として、公知の培養組成を用い、先に示した1,3−プロパンジオール生産能を有する菌体について、当業者が適宜培地組成を選択することができる。本実施の形態の培地として、例えば、本発明の好ましい生育培養液は、LB培地、SD培地、YM培地などの一般的な培地等が用いられる。
培地に添加される、炭素源でもあり原料であるグリセロールの濃度は、30〜80g/Lの範囲から添加量を選択することによって、過不足が避けられる。
グリセロールに加えて、培地には、窒素源が加えられる。本実施の形態において、窒素原としては、上述したように、エタノールアミンまたは2−アミノ−1−プロパノールを必須成分とし、さらに、適宜、通常の発酵に用いうる各種の窒素化合物が用いられる。好ましい無機窒素源は、アンモニウム塩、及び硝酸塩である。好ましい有機窒素源はアミノ酸類、酵母エキス、ペプトン類、肉エキス、肝臓エキス、消化血清末などである。より好ましい無機窒素源は、硫安、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、硝酸カリウム及び硝酸ソーダである。より好ましい窒素源はアルギニン、シトルリン、オルニチン、リジン、酵母エキス、ペプトン類である。
さらに、炭素源のグリセロールや上記窒素源に加えて、本実施の形態に用いる菌体または菌体処理物の培養に適した他の有機物あるいは無機物を培地に加えることもできる。例えば、上述したビタミンB12(シアノコバラミン)を必須成分として、その他に、ビタミンなどの補因子や各種の塩類等の無機化合物を培地に加えることによって、偏性嫌気性微生物の増殖や活性を増強できる場合もある。例えば、無機化合物、ビタミン類、動植物由来の微生物増殖補助因子として以下のものを挙げることができる。
無機化合物として、例えば、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、塩化ナトリウム、塩化コバルト、塩化カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、明ばん、モリブデン酸ソーダ、塩化カリウム、ホウ酸等、塩化ニッケル、タングステン酸ナトリウム、セレン酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウムが挙げられる。
また、ビタミン類として、必須成分のビタミンB12の他に、例えば、ビオチン、葉酸、ピリドキシン、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、チオオクト酸、p−アミノ安息香酸が挙げられる。
これらの無機化合物やビタミン類、あるいは増殖補助因子を添加して培養液を製造する方法は公知である。従って、適宜製造方法にしたがって、培養液を作製する。培地は、液体、半固体、あるいは固体とすることができる。本実施の形態における1,3−プロパンジオールの製造方法において、好ましい培地の形態は、液体培地である。
本実施の形態における菌体の培養は、上述した微好気培養条件下であることを除き、公知の微生物の培養方法にしたがって培養することができる。工業的な製造には、培地や基質ガスを連続的に供給することができ、かつ培養物を回収するための機構を備えた連続培養システム (continuous fermentation system)も使用できる。
本実施の形態における菌体の培養において、連続培養システム内へ所定量の酸素を混入させて微好気条件にする。培養器は通常用いられる培養槽がそのまま利用できる。嫌気性微生物の培養にも利用することができる培養タンクは市販されており、培養槽内に混入する酸素を、窒素などの不活性気体あるいは基質ガスなどで置換することにより、上述した範囲の微好気の雰囲気を作ることができる。
例えば、嫌気培養ジャー(anaerobic jar)を、嫌気性微生物を培養するためのバイオリアクターとすることができる。嫌気培養ジャーは、金属、ガラス、あるいは合成樹脂製の気密容器で構成され、内部を大気中の酸素から遮断することができる。さらに、嫌気培養ジャーは、嫌気培養ジャー内部の空間や培養液中に含まれる分子状酸素を除去するための機構を備えることができる。例えば、窒素、ヘリウム、水素、炭酸ガスなどを底部から通気攪拌することで、内部を嫌気状態に維持することができる。
本実施の形態において、培養槽に、付加的な機能を与えることができる。例えば、通常使用される撹拌混合槽のほか、気泡塔型、ドラフトチューブ型の培養槽も利用できる。液体培地に吹き込まれる混合気体によって菌体または菌体処理物は遊離分散され、菌体または菌体処理物と培地を十分に接触させることができる。また、バイオトリックリングフィルター(biotrickling filter)のように通気性の高いスラグ、その他セラミック系の無機充てん物、あるいはポリプロピレン等の有機合成物質の充てん層に、水分を滴らせながら菌体または菌体処理物を生息させ、そこにガスを通気しながら培養することもできる。さらに、使用する菌体または菌体処理物は常法によりカラギーナンゲル、アルギン酸ゲル、アクリルアミドゲル、キチン、セルロース、寒天などに固定化して用いることもできる。
本実施の形態では、当業者が、培養された菌体または菌体処理物と培養生成液を分離するため、公知の方法を用いることができる。好ましい分離の方法は、濾過性能、濃縮性能を有するホローファイバー型限外濾過あるいは精密濾過膜を利用する方法である。また、菌体または菌体処理物と該生成液の分離に十分な濾過速度を得るためには使用する菌体または菌体処理物に応じて適当な分画分子量の膜を選択すれば良い。培養槽から限外濾過膜を通して分離された培養液から1,3−プロパンジオールを回収することができる。回収された1,3−プロパンジオールの精製方法は公知であり、例えば、培養物を遠心分離などで菌体を除き、上清を減圧下に濃縮、乾固後、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルエーテル、ハロゲン系などの有機溶媒で抽出する。抽出液をさらにシリカゲルクロマトグラフィーや晶析などの操作を行うことで精製できる。培養槽の形状によっては、培地を十分撹拌するため、撹拌機等を利用することもできる。培養槽内の培養物を攪拌することによって、培地成分や必要なガスを嫌気性微生物に接触させる機会を増やして、1,3−プロパンジオールの生成効率を最適化することができる。また水素、窒素、炭酸ガスなどの単一あるいは混合ガスをマイクロあるいはナノバブルとして供給することもできる。
菌体または菌体処理物の十分な生育のため、培養物のpHは、3.0〜9.0が好ましく、5.5〜8.5がより好ましい。また、1,3−プロパンジオールの回収量を増加させるため、培養槽の温度は特に制限されるものではないが、28〜37℃を好ましい温度、32℃〜34℃をより好ましい温度として挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
以下、各実施例においては、以下の方法により、グリセロール、1,3−プロパンジオールの定量を行った。
グリセロール、1,3−プロパンジオールの定量:
培養液1mLを遠心分離して除菌した後、0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過して高速液体クロマトグラフィー測定サンプルとした。
[高速液体クロマトグラフィー条件]
カラム:ULTRON PS−80H (8.0mm×300mm)
移動相:10mM HSO水溶液
流速:0.7mL/min
カラム温度:40℃
検出:屈折率(RI)
保持時間:グリセロールが14.8分、1,3−プロパンジオールが19.0分である。
培養時のOD600の測定:
培養液を水で47倍希釈したのち、BioRad社製 SmartSpec3000を用いて、600nmにおける濁度を測定した。
[実施例1](1,3−プロパンジオール生合成遺伝子を含有するプラスミドの構築)
Klebsiella pneumoniae ATCC25955から抽出したゲノムを鋳型にして、グリセロールデヒドラターゼ遺伝子(配列番号1)、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子遺伝子(配列番号2)、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ遺伝子(配列番号3)をそれぞれPCR増幅させた。次に、Klebsiella oxytoca ATCC 8724 から抽出したゲノムを鋳型にして、アデノシルトランスフェラーゼ遺伝子(配列番号4)をPCR増幅させた。得られた各DNA断片をpSE420U(Invitrogen製のプラスミドベクターpSE420のマルチクローニングサイトを改変したプラスミド、WO 2006/132145)とTakara Ligation Kitを用いて、ライゲーションし、大腸菌JM109株を形質転換した。得られた形質転換株を、アンピシリンを含むLB培地で生育させ、生育した形質転換体からプラスミドを抽出し、全ての遺伝子が挿入されている事が確認できたプラスミドをpSPKGRTとした。
[実施例2](フラスコ培養による1,3−プロパンジオールの生産)
実施例1により得られたpSPKGRTで、W3110、JM107、JM109、DH1、DH5、DH5αを形質転換し、生産菌株を作製した。次に、各菌株を7mLのLB培地で生育させて前培養液を調製し、そのうちの2.5mLを1,3−プロパンジオール生産培地に植菌した。なお、1,3−プロパンジオール生産培地は、500mL容量のひだ付き三角フラスコに50mLを仕込んだ。
培地組成は、60g/L グリセロール、6.0g/L KHPO、0.5g/L 酵母エキス(極東)、3.0g/L (NHSO、2.0g/L MgSO・7水和物、1.0g/L クエン酸、1.0g/L エタノールアミン、ミネラル溶液 10mL/L、2mg/L シアノコバラミン、0.02mM IPTG、pH 7.5とした。ミネラル溶液は、2gのニトリロ三酢酸を300mLのイオン交換水で溶解し、KOHでpH 6.0に調整した後、1gのMnSO・1水和物、0.8gのFe(SO(NH・6水和物、0.2gのCoCl・6水和物、0.002gのZnSO・7水和物、0.02gのCuSO・2水和物、0.02gのNiCl・6水和物、0.02gのNaMnO・2水和物、0,02gのNaSeO、0.02gのNaWOを溶解させ、イオン交換水で1Lとした。
前培養液を植菌した後、温度を33℃、回転速度を145rpmとして、培養を開始した。16時間後、OD600が2〜4になった事を確認した後、回転速度を70rpmに下げて培養を継続した。培養中の1,3−プロパンジオールの生産濃度を表1に示した。比較例として、145rpmで培養を継続した結果を表2に示し、エタノールアミン無添加の培地で実施例1と同様に培養した結果を表3に示した。微好気条件で培養する事により生産量が増え、さらにエタノールアミンを添加する事により生産量が増えた。
[比較例1]
回転速度を終始145rpmとして培養を行った以外は、実施例2に準拠して行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
エタノールアミンを添加しなかった以外は、実施例2に準拠して行った。結果を表4に示す。
[実施例3](ミニジャーによる1,3−プロパンジオールの生産)
実施例2で調製したW3110(pSPKGRT)およびJM109(pSPKGRT)を50mLのLB培地で生育させて前培養液を調製し、1,3−プロパンジオール生産培地に植菌した。植菌量は14mLとし、生産培地は1.2Lとした。生産培地の成分は、実施例2と同じである。植菌後、温度を33℃、撹拌速度を600rpm、通気量を0.5vvm、pHを7.2で制御しながら培養を開始し、OD600が2〜3になった時点から、溶存酸素濃度が飽和酸素濃度の2%になるように撹拌速度をコントロールしながら培養を継続した。培養中の1,3−プロパンジオールの生産量を表5に示した。

Claims (5)

  1. 少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造することを特徴とする1,3−プロパンジオールの製造方法。
  2. 少なくともグリセロールデヒドラターゼと1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼを含んでなる菌体に、グリセロールを含む発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造することを特徴とする1,3−プロパンジオールの製造方法。
  3. グリセロールデヒドラターゼ、グリセロールデヒドラターゼ再活性化因子、1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、およびアデノシルトランスフェラーゼを含んでなる菌体に、グリセロールを含む発酵性基質を炭素源とした培地にエタノールアミン、または2−アミノ−1−プロパノールを加えて培養することにより、1,3−プロパンジオールを製造することを特徴とする1,3−プロパンジオールの製造方法。
  4. 微好気培養条件下で1,3−プロパンジオールを製造することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
  5. グリセロールデヒドラターゼとグリセロールデヒドラターゼ再活性化因子とアデノシルトランスファラーゼを含んでなる菌体は、大腸菌(E.coli)株であって、宿主大腸菌として、E.coli W3110、E.coli JM107、E.coli JM109、E.coli DH1、E.coli DH5、E.coli DH5αからなる群から選択される単一種であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の1,3−プロパンジオールの製造方法。
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