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JP2012002453A - 内面溝付伝熱管、及び熱交換器 - Google Patents

内面溝付伝熱管、及び熱交換器 Download PDF

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JP2012002453A JP2010139246A JP2010139246A JP2012002453A JP 2012002453 A JP2012002453 A JP 2012002453A JP 2010139246 A JP2010139246 A JP 2010139246A JP 2010139246 A JP2010139246 A JP 2010139246A JP 2012002453 A JP2012002453 A JP 2012002453A
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Hiroki Nijo
広樹 二條
Mamoru Hofuku
守 法福
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Abstract

【課題】拡管加工におけるフィン先端の潰れや傾倒を少なくすることを可能とした内面溝付伝熱管、及び熱交換性能に優れた熱交換器を提供する。
【解決手段】内面溝付伝熱管1は、最も高い第1フィン4の高さ(Hf)と最も低い第2フィン5の高さ(Hf)との比(Hf/Hf)を1.15以下に設定している。最も高い第1フィン4の高さ(Hf)と最も低い第2フィン5の高さ(Hf)との高低差は、0.02mm以下に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、管内に冷媒を流動させて管外流体と熱交換させる場合に好適に使用される内面溝付伝熱管、及び熱交換性能に優れた熱交換器に関する。
空気調和機や冷凍機などに適用される熱交換器の一例としては、管内に冷媒を流動させて冷媒の蒸発又は凝縮を生じさせることで、管外流体との間で熱交換を行なうプレートフィンチューブ型の熱交換器がある。
このプレートフィンチューブ型熱交換器は、一定の間隔をもって平行に配置された複数の板状フィンを備えており、各板状フィンに貫通して形成された貫通孔内に伝熱管を挿入拡管することで形成されている。かかる構成を有する熱交換器により、複数の板状フィンの間を流れる流体と、伝熱管の内部に流れるフロン系冷媒、代替フロン冷媒あるいは二酸化炭素冷媒との間で熱交換が行なわれる。
この熱交換器においては、熱交換性能がよく、軽量であることなどが求められる。それに用いる伝熱管にあっては、管内を流れる冷媒との間の熱伝達性能がよいこと、相手方の板状フィンとの間の熱伝達性能がよいこと、更には管の重量が小さいことなどが求められる。
この種の伝熱管の一例としては、管長手方向に延びる複数の螺旋状フィンが一定の高さをもって形成されており、各螺旋状フィンの間に螺旋状溝を形成した内面溝付伝熱管が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この内面溝付伝熱管によれば、内面に螺旋状フィンや螺旋状溝を有しない平滑管と比べて管内面積が増大するので、管内熱伝達効率を向上させることができる。
この伝熱管の他の一例としては、複数の螺旋状フィンのフィン高さに高低差を設けた内面溝付伝熱管が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この内面溝付伝熱管によると、フィン高さを低く形成した螺旋状フィンの分だけ、単位長さあたりに必要とする材料を削減することができるので、上記特許文献1に記載された内面溝付伝熱管と比べて、伝熱管の重量を低減させることが可能となる。
特開平8−327272号公報 特開2002−350080号公報
ところで、内面溝付伝熱管を用いてプレートフィンチューブ型熱交換器を製作する場合は、一定の間隔で平行に配置された複数の板状フィンに貫通形成された貫通孔内に内面溝付伝熱管を挿通した後、その伝熱管の内部に、螺旋状フィンの先端で定まる最小内径よりも僅かに大きい拡管治具を挿入する。その拡管治具の挿入力により伝熱管を拡管させ、伝熱管外面と板状フィンとを互いに密着して固定する。
上記特許文献2に記載された内面溝付伝熱管では伝熱管か単体に対する試験では、良好な伝熱性能が得られるが、上記の拡管加工を施した熱交換器を作成した場合は、良好な伝熱性能が得られない。すなわち、上記特許文献1のように一定の高さで形成された螺旋状フィンよりもフィン高さが低い螺旋状フィンを製作してしまうと、上記特許文献1に記載された螺旋状フィンと比べて、熱交換器の熱交換性能を低下させてしまうという問題点もあった。
従って、本発明は、上記従来の課題を解消するためになされたものであり、その具体的な目的は、拡管加工後であっても、良好な伝熱性能を示す内面溝付伝熱管、及び熱交換性能に優れた熱交換器を提供することにある。
本件発明者等は、複数の高さを有するフィンの伝熱管についての検討を重ねたところ、以下のような現象を確認した。すなわち、フィン高さが高い螺旋状フィンに対してのみに拡管治具が接触し、フィン高さが高い螺旋状フィンの先端が、拡管治具との接触によって押し潰されたとき縮んで変形する。一方のフィン高さが低い螺旋状フィンの先端は、フィン高さが高い螺旋状フィンに比べて変形を受けにくい。さらに、フィン高さが低いフィンには、拡管治具が接触しない為、フィン高さが一定である内面溝付伝熱管に比べると、その分フィン高さが高いフィンへの圧力が過大となり、フィン先端が過度に押し潰れたり、傾倒したりする形状変化を受けやすいということが分かった。
フィン高さに高低差を設けた内面溝付伝熱管の拡管加工において、フィン先端が局部的に過度に押し潰れたり、傾倒したりするという現象を踏まえて上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、フィン高さ比、及び/又はフィン高低差を所定の値に設定すれば、拡管加工におけるフィン先端の潰れや傾倒を少なく抑制しながら、内面溝付伝熱管を拡管させることができることが判明し、予想外の成果を挙げることができ、実用上に問題が生じない優れた製品が形成できることを知った。
即ち、本発明は、上記目的を達成するため、管内面に凹凸状の溝を管長手方向にわたり形成した複数のフィンを有し、前記複数のフィンは、第1フィンと、前記第1フィンの高さよりも低い第2フィンとにより構成され、最も高い前記第1フィンの高さ(Hf)と最も低い前記第2フィンの高さ(Hf)との比(Hf/Hf)を1.15以下に設定したことを特徴とする内面溝付伝熱管を提供する。
本発明に係る内面溝付伝熱管では、上記構成に加えて、最も高い第1フィンの高さ(Hf)と最も低い第2フィンの高さ(Hf)との高低差を0.02mm以下に設定することが好適である。
本発明に係る内面溝付伝熱管では、最も低い第2フィンのフィン数を最も高い第1フィンと同数に設定することが好適である。それに加えて、最も低い第2フィンと最も高い第1フィンとを交互に配設することが更に好適である。
本発明に係る内面溝付伝熱管にあっては、最も低い第2フィンのフィン数を最も高い第1フィンよりも少ない数に設定してもよく、あるいは最も低い第2フィンのフィン数を最も高い第1フィンよりも多い数に設定してもよい。
更に、本発明にあっては、上記目的を達成するため、上記内面溝付伝熱管を拡管加工した拡管伝熱管を備えたことを特徴とする熱交換器が提供される。
本発明によれば、拡管加工におけるフィン潰れやフィン傾倒が少なくなり、安定した熱交換性能を十分に確保することができる。
(a)は本発明に係る好適な第1の実施の形態である内面溝付伝熱管を模式的に示す断面図であり、(b)は(a)の点線で囲まれた部分を示す部分断面拡大図である。 第1の実施の形態である内面溝付伝熱管を管長手方向に沿って切り欠いた部分断面図である。 第1の実施の形態である内面溝付伝熱管を適用した第2の実施の形態に係る熱交換器の組み立てを説明するための図である。 拡管加工前の内面溝付伝熱管の部分断面を示し、(a)は実施例1に係るフィン部分断面であり、(b)は実施例2に係る部分断面、(c)は比較例1のフィン部分断面であり、(d)は比較例2のフィン部分断面である。 拡管加工後の内面溝付伝熱管の部分断面を示し、(a)は実施例1に係るフィン部分断面であり、(b)は実施例2に係る部分断面、(c)は比較例1のフィン部分断面であり、(d)は比較例2のフィン部分断面である。 本発明に係る内面溝付伝熱管を組み付けた伝熱管性能測定装置を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
(伝熱管の全体構成)
図1及び図2において、全体を示す符号1は、この第1の実施の形態に係る典型的な内面溝付の伝熱管を模式的に例示している。この伝熱管1は、銅又は銅合金等の銅系材料、又はアルミニウムやアルミニウム合金等のアルミ系材料からなり、丸管によって形成された管本体2を有している。
この管本体2の内面には、図1及び図2に示すように、管軸線O方向(管長手方向)に螺旋状に加工された複数のフィン3,…,3が形成されている。図示例による管本体2は、6.35mmの外径doと、5.61mmの最小内径diとを有している。このフィン3が存在しない部分の管本体2の溝底肉厚Twは、0.22mmに設定されている。
(伝熱管の内部構成)
この伝熱管1のフィン3は、管軸線O方向から見た正面視で、図1及び図2に示すように、山部及び谷部が繰返して形成された波形形状をなしており、フィン高さが互いに異なる大小(高低)2種類のフィンからなる。図示例によるフィン3は、第1フィン4(以下、「高フィン4」ともいう。)と、その第1フィン4よりも高さが低い第2フィン5(以下、「低フィン5」ともいう。)とからなる。この高フィン4と低フィン5とは、複数の溝6,…,6を管軸線O方向に螺旋状に加工を行なうことで形成されており、同一ピッチPをもって管本体2の内面に交互に配されている。図示例では、高フィン4、低フィン5、及び溝6のねじれ角βは30度に設定されている。
この高フィン4は、管軸線O方向から見た正面視で、図1及び図2に示すように、断面が略台形形状をなす24個の帯状突起体によって形成されている。図示例による高フィン4の頂角αは、0<α<90度の範囲内に設定されるとともに、その高さHfは、0.15mmに設定されている。
一方の低フィン5は、図1及び図2に示すように、高フィン4とは同形を有する帯状突起体からなる。この低フィン5は、互いに隣り合う2つの高フィン4の間に配されており、高フィン4と同数に形成されている。図示例による低フィン5の高さHfは、高フィン4よりも0.02mm程度低い0.13mmに設定されている。
上記のように構成された内面溝付伝熱管1は、拡管加工前において、高フィン4の高さHfと低フィン5の高さHfとのフィン高低比(Hf/Hf)を1.15以下に設定することに主要な特徴部を有している。この内面溝付伝熱管1としては、高フィン4の高さHfと低フィン5の高さHfとのフィン高低差(Hf−Hf)を0.02mm以下に設定することが更に望ましい。
この内面溝付伝熱管1としては更に、高フィン4の高さHfの潰れ量比率を15%以内に収めることが肝要である。この第1の実施の形態において「潰れ量比率」とは、「拡管加工前のフィン高さHfと拡管加工後のフィン高さHf1−1との変化量」を「拡管加工前のフィン高さHf」で割った値{(Hf−Hf1−1)/Hf}をいう。
拡管加工前のフィン高低比を1.15以下、及び/又は拡管加工前のフィン高低差を0.02mm以下に設定することで、拡管加工後の高フィン4の潰れ量比率を15%以内に留めることができるようになる。これにより、初期の目的とするフィン加工性を阻害しない範囲で複数のフィン3を形成することができるとともに、内面溝付伝熱管1の熱伝達効率を低下させることはない。一方、拡管加工前のフィン高低比が1.15を越えたり、あるいは拡管加工前のフィン高低差が0.02mmを越えたりすると、拡管加工後の高フィン4の潰れ量比率が15%より大きな値となり、内面溝付伝熱管1の熱伝達効率、加工精度や生産性を向上させることはできないので好ましくない。
(伝熱管の変形例)
図示例における内面溝付の伝熱管1によれば、高フィン4、低フィン5、及び溝6は、管本体2の内面に螺旋状に形成されているが、これに限定されるものではない。最大フィン高さHfと最小フィン高さHfとのフィン高低比(Hf/Hf)が1.15以下、及び/又は最大フィン高さHfと最小フィン高さHfとのフィン高低差(Hf−Hf)が0.02mm以下に設定されていれば、例えば管軸線O方向に直線状又は曲線状に延びるフィン4,5と溝6とを帯状に形成してもよいことは勿論である。
この第1の実施の形態にあっては、内面溝付の伝熱管1の低フィン5を互いに隣り合う2つの高フィン4の間に高フィン4と同数に形成しているが、これに限定されるものではない。最大フィン高さHfと最小フィン高さHfとのフィン高低比(Hf/Hf)が1.15以下、及び/又は最大フィン高さHfと最小フィン高さHfとのフィン高低差(Hf−Hf)が0.02mm以下を満足していれば、例えば低フィン5のフィン数を高フィン4よりも少ない数に設定してもよく、これとは逆に低フィン5のフィン数を高フィン4よりも多い数に設定してもよいことは勿論である。
この第1の実施の形態にあっては更に、内面溝付伝熱管1のフィン高さが互いに異なる2種類のフィン4,5により構成されているが、例えば一定の規則に従いフィン高さが異なる3種類以上のフィンからなっていてもよく、図示例に制限されるものではない。フィン高低比(Hf/Hf)が1.15以下、及び/又はフィン高低差(Hf−Hf)が0.02mm以下を満たすように設定されていれば、内面溝付の伝熱管1の内外径、底肉厚、溝数、フィン頂角、ねじれ角、フィン先端幅、フィン根本幅、溝底幅、フィン根本半径、複数のフィン間のピッチ、断面形態、配置位置、配置数などを適宜に設定することができる。
(第1の実施の形態の効果)
上記第1の実施の形態、及び変形例である内面溝付伝熱管1によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)内面溝付伝熱管1のフィン高さ比、及び/又はフィン高低差のそれぞれを所定の値に設定することで、拡管加工におけるフィン先端の潰れや傾倒を最小限に抑制することができる。
(2)内面溝付伝熱管1の拡管加工におけるフィン先端の潰れや傾倒を抑制しながら、単位長さあたりの管質量を低減することができる。
(3)内面溝付伝熱管1の拡管加工におけるフィン潰れやフィン倒れが少ないことから、管内を流れるフロン系冷媒、代替フロン冷媒、あるいは二酸化炭素冷媒等として用いる熱交換器の内面溝付伝熱管として、優れた伝熱性能を維持することができる。
[第2の実施の形態]
(熱交換器)
図3を参照すると、図3には、上記のように形成された伝熱管1を用いて熱交換器を製作する概要が例示されている。同図によると、伝熱管1の外径よりも、大きい径を有する貫通孔11をプレス打抜き加工したアルミニウム製の薄い板状フィン10を平行に配置し、その貫通孔11を介して、定法に従い管内面に転造加工を施してU字状に折曲形成された伝熱管1を挿入する。このとき、伝熱管1の外面と薄板状フィン10の貫通孔11との間には隙間12が形成される。
伝熱管1内に押圧ロッド21を介して拡管マンドレル20を伝熱管1の管長手方向に沿って挿入し、伝熱管1を拡管させることで、拡管伝熱管1aを形成するとともに、この拡管伝熱管1aの外面と薄板状フィン10とを密着固定して一体化させる。U字状に折曲形成された図示しない短尺管を用い、互いに隣接する拡管伝熱管1aの開放端同士を連結し、例えばバーナーを用いて拡管伝熱管1a及び短尺管をろう付け接合する。
上記組立作業により、伝熱管1が拡管された拡管伝熱管1aと、その拡管伝熱管1aの外面に密着した薄板状フィン10とを備えるプレートフィンチューブ型熱交換器を廉価に製作することができる。この熱交換器は蒸発器又は凝縮器として使用される。
(第2の実施の形態の効果)
上記第2の実施の形態である熱交換器によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)拡管加工により管外面に薄板状フィンを装着して熱交換器を製作した場合であっても、拡管加工におけるフィン先端の潰れや傾倒を最小限に抑制しつつ、伝熱管外面と薄板状フィンとを密着固定させることができる。
(2)フィン潰れ量を小さく抑制するとともに、フィンが斜めに倒れるのを防止することができるので、凝縮・蒸発熱伝達率の低下を防止できる。
(3)伝熱管のフィン高さにフィン高低比、及び/又はフィン高低差を設定することにより、単位長さあたりの管質量を低減することができるので、熱交換器の軽量化が可能になる。
なお、本発明は、上記各実施の形態、変形例や図示例に限定されるものではなく、それらの実施の形態、変形例、及び図示例から当業者が容易に変更可能な技術的範囲をも当然に包含するものである。
以下に、本発明の更に具体的な実施の形態として、実施例及び比較例を挙げて、図4〜図6及び表1〜表6を参照しながら、内面溝付伝熱管について詳細に説明する。なお、この実施例にあっては、内面溝付伝熱管の典型的な一例を挙げており、本発明は、これらの実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(内面溝付伝熱管の寸法)
銅製の原管を用いて、定法に従い管内面に転造加工を施すことで、フィン高低差0.01mm、フィン高低差0.02mm、フィン高低差0.03mm、及びフィン高さ一定の4通りの伝熱管を下記表1に示す寸法条件でそれぞれ試作した。下記表1に示すように、これらの伝熱管におけるフィン高さ寸法以外の平均外径、最小内径、底肉厚、溝数、フィン頂角、ねじれ角、フィン先端幅、フィン根本幅、溝底幅、及びフィン根本半径は、同一寸法で試作した。
上記のように試作された拡管加工前の伝熱管の断面形状は、図4に示す通りである。図4(a)はフィン高低比1.07、フィン高低差0.01mmの実施例1に係る伝熱管であり、図4(b)はフィン高低比1.14、フィン高低差0.02mmの実施例2に係る伝熱管であり、図4(c)はフィン高さが一定である比較例1に係る伝熱管であり、図4(d)はフィン高低比1.24、フィン高低差0.03mmの比較例2に係る伝熱管である。
(内面溝付伝熱管の評価結果)
実施例1及び2の伝熱管と比較例1及び2の伝熱管における拡管加工後の管内面形状を調査し、フィン倒れやフィン潰れの有無を確認した。その結果を下記表2にまとめて示す。
拡管加工後の伝熱管のフィン断面形状は、図5に示す通りである。図5(a)は実施例1の伝熱管であり、図5(b)は実施例2の伝熱管であり、図5(c)は比較例1の伝熱管であり、図5(d)は比較例2の伝熱管である。
図4及び図5から明らかなように、図4に示す拡管加工前のフィン断面形状と、図5に示す拡管加工後のフィン断面形状とを比較すると、図5(a)に示す実施例1のフィン4,5、図5(b)に示す実施例2のフィン4,5、及び図5(c)に示す比較例1のフィン4,5は傾いていないが、図5(d)に示す比較例2のフィン4は大きく傾いている。
ここで、下記表2を参照すると、表2から明らかなように、実施例1及び2のごとく拡管加工前のフィン高低差が0.02mm以下であり、拡管加工前のフィン高低比が1.15以下であるならば、拡管加工前の高(主)フィン及び拡管加工後の高(主)フィンの寸法変化と、拡管加工前の低(副)フィン及び拡管加工後の低(副)フィンの寸法変化とは、それぞれ0.02mm以内に留まっており、それらのフィン潰れ量比率にあっても、15%以内に収まっている。
一方、比較例2のごとくフィン高低差が0.03mm以上であり、拡管加工前のフィン高低比が1.15を越えていると、拡管加工後の低(副)フィンの寸法変化や潰れ量比率は、実施例2の低(副)フィンとほぼ同程度であるが、拡管加工後の高(主)フィンの寸法変化は、0.02mmを越えており、その潰れ量比率にあっても、15%を超えている。高(主)フィンの寸法及び潰れ量比率は、実施例1及び2のフィンよりも大きく変化した。
これらの結果から、拡管加工前のフィン高低差が0.02mm以下であり、拡管加工前のフィン高低比が1.15以下であれば、高フィンのフィン倒れを少なく抑制し、高フィンのフィン潰れを15%以内に安定化させることが可能となり、実用上に問題が生じない内面溝付伝熱管を形成できることが確認できた。
(熱交換試験)
図6を参照すると、図6には伝熱管性能測定装置が模式的に示されている。同図において、全体を示す符号30は伝熱管性能測定装置を示している。この伝熱管性能測定装置30は、圧縮機31、凝縮器32、膨張弁33、及び蒸発器34を備えている。
図6において、圧縮機31は、冷媒蒸気を圧縮するものである。凝縮器32は、圧縮機31によって圧縮された冷媒蒸気を凝縮して冷媒液を得るものである。膨張弁33は、凝縮器32からの冷媒液を減圧するものである。蒸発器34は、膨張弁33によって減圧された冷媒を蒸発して冷媒ガスを得るものである。熱交換器の仕様は、下記表3に示す通りである。
蒸発熱伝達率を測定する蒸発試験には、内面溝付の伝熱管1を蒸発器34に組み込んで行う。蒸発器34において熱交換流体として空気を用い、蒸発器34と伝熱管1の外面との間の空気側に流れる前面風速を0.57m/s、1.0m/s、及び1.5m/sの3通りとし、伝熱管外面に空気を流すことで、冷媒側となる伝熱管内面に供給される冷媒を蒸発させた。冷媒としては、フロンR410Aを用いた。その空気側及び冷媒側を下記表4に示す測定条件(室外条件)とし、蒸発試験を行った。この蒸発試験では、冷媒と熱交換流体とは平行流となるように図6に実線で示す矢印方向に流した。
一方、凝縮熱伝達率を測定する凝縮試験には、凝縮器32に内面溝付の伝熱管1を組み込んで行う。この凝縮試験にあっても、熱交換流体として空気を用い、その空気側において前面風速を0.57m/s、1.0m/s、及び1.5m/sの3通りとし、伝熱管外面に空気を流して伝熱管内面に供給される冷媒蒸気を凝縮させた。その空気側及び冷媒側を下記表4に示す測定条件(室外条件)とし、凝縮試験を行った。この凝縮試験では、冷媒と熱交換流体とは対向流となるように図6に破線で示す矢印方向に流した。
(熱交換性能測定)
このように準備された伝熱管性能測定装置30を用いて、前面風速を0.57m/s、1.0m/s、及び1.5m/sの3通りに変化させて、それらの前面風速ごとに、実施例1及び2に係る伝熱管と比較例1及び2に係る伝熱管の交換熱量、通常フィン比、冷媒流量、及び冷媒圧力損失を測定し、凝縮性能及び蒸発性能の良否を確認した。その結果を下記表5及び表6のそれぞれにまとめて示す。この実施例において、表5及び表6に示す「通常フィン比」とは、「実施例1及び2に係る内面溝付伝熱管の交換熱量」と「比較例1における伝熱管の熱交換量」との性能比をいう。
(熱交換性能測定結果)
下記表5から明らかなように、実施例1及び2の伝熱管と比較例1の伝熱管を用いた熱交換器の凝縮性能は低下していない。その凝縮性能としては、拡管加工前のフィン高低差が0.02mm以下であり、拡管加工前のフィン高低比が1.15以下である場合は変わらない。フィン高低差0.02mm以下の実施例1及び2の伝熱管を用いた熱交換器では、フィン高さが一定である比較例1の伝熱管を用いた熱交換器の凝縮性能とほぼ同等の凝縮性能を有している。
拡管加工前のフィン高低差が0.03mmであり、拡管加工前のフィン高低比が1.15を越えた比較例2の伝熱管を用いた熱交換器では、実施例1及び2と比較例1に比べて、熱交換器の凝縮性能が低下している。拡管加工前のフィン高低差が大きくなるのに伴って、熱交換器の凝縮性能が低下する傾向にある。
一方、蒸発性能においては、下記表6から明らかなように、拡管加工前のフィン高低差にかかわらず、ほぼ同等の蒸発性能を有しているものの、フィン高低差0.02mmの実施例2の伝熱管を用いた熱交換器の蒸発性能が最も高くなっている。フィン高低差0.01mmの実施例1の伝熱管を用いた熱交換器では、フィン高さが一定である比較例1の伝熱管を用いた熱交換器とほぼ同等の蒸発性能となっている。フィン高低差0.03mmの比較例2の伝熱管を用いた熱交換器では、実施例2と比較例1に比べて、空気の前面風速が大きくなるのに伴い、交換熱量(通常フィン比)が低下する傾向にある。
これらの結果から、拡管加工前のフィン高低差が0.02mm以下、及び/又は拡管加工前のフィン高低比が1.15以下であれば、フィン潰れ量を少なく抑制するとともに、フィンが斜めに倒れるのを防止することができるようになり、凝縮熱伝達率の低下、及び蒸発熱伝達率の低下を防止できることが確認できた。
上記実施例1及び2と上記比較例1及び2とは、下記表3に示すように、内面溝付伝熱管の溝底幅、溝数、及びねじれ角のそれぞれを一定に試作したが、その溝底幅が大きくなると、凝縮性能は上がり、溝数が増えると、凝縮性能と蒸発性能とが上がる。ねじれ角を大きくすると、凝縮性能と蒸発性能とは上がるが、圧力損失は大きくなる。内面溝付伝熱管の溝底幅、溝数、及びねじれ角などを適宜に設定することで、蒸発器又は凝縮器に効果的に使用することができる。
以上の説明から明らかなように、上記試験結果と、内面溝付伝熱管の溝底幅、溝数、及びねじれ角などの設定寸法とを踏まえて、蒸発性能を重要視する場合は、蒸発性能が上がるような熱交換器、それに用いられる内面溝付伝熱管を作製することができる。凝縮性能を重要視する場合は、凝縮性能が上がるような熱交換器、それに用いられる内面溝付伝熱管を作製することができる。蒸発及び凝縮ともに重要視する場合においても、蒸発性能及び凝縮性能が上がるような熱交換器、それに使われる内面溝付伝熱管を作製することができる。
1 内面溝付伝熱管
1a 拡管伝熱管
2 管本体
3 フィン
4 第1のフィン
5 第2のフィン
6 溝
10 薄板状フィン
11 貫通孔
12 隙間
20 拡管マンドレル
21 押圧ロッド
30 伝熱管性能測定装置
31 圧縮機
32 凝縮器
33 膨張弁
34 蒸発器
do 外径
di 最小内径
Hf 第1のフィン高さ
Hf 第2のフィン高さ
O 管軸線
P ピッチ
Yw 溝底肉厚
α フィン頂角
β ねじれ角

Claims (7)

  1. 管内面に凹凸状の溝を管長手方向にわたり形成した複数のフィンを有し、
    前記複数のフィンは、第1フィンと、前記第1フィンの高さよりも低い第2フィンとにより構成され、
    最も高い前記第1フィンの高さ(Hf)と最も低い前記第2フィンの高さ(Hf)との比(Hf/Hf)を1.15以下に設定したことを特徴とする内面溝付伝熱管。
  2. 前記最も高い第1フィンの高さ(Hf)と前記最も低い第2フィンの高さ(Hf)との高低差を0.02mm以下に設定したことを特徴とする請求項1記載の内面溝付伝熱管。
  3. 前記最も低い第2フィンのフィン数を前記最も高い第1フィンと同数に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の内面溝付伝熱管。
  4. 前記最も低い第2フィンと前記最も高い第1フィンとを交互に配設したことを特徴とする請求項3記載の内面溝付伝熱管。
  5. 前記最も低い第2フィンのフィン数を前記最も高い第1フィンよりも少ない数に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の内面溝付伝熱管。
  6. 前記最も低い第2フィンのフィン数を前記最も高い第1フィンよりも多い数に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の内面溝付伝熱管。
  7. 上記請求項1〜6のいずかに記載の内面溝付伝熱管を拡管加工した拡管伝熱管を備えたことを特徴とする熱交換器。
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