JP2011163992A - Ftcdとその自己抗体との複合体の免疫測定方法、それに用いるキット及びそれを用いた癌判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検体中のFTCDとその自己抗体との複合体に、FTCDに対する試薬抗体およびその自己抗体に対する結合可能物質を作用させ、得られる複合体と試薬抗体と結合可能物質との免疫複合物を測定することによりその複合体を測定することができ、それによって、原発性肝細胞癌などの癌判定が可能である。
【選択図】なし
Description
他方、アガロース2次元電気泳動に2D−DIGE法(two-dimensional fluorescence difference gel electrophrosis)を適用した改良アガロース2次元電気泳動法(非特許文献2)により、原発性肝細胞癌の癌部および周辺の非癌部組織の蛋白発現量の比較をプロテオーム解析を行ない、FTCDが非癌部に多く発現されることが明らかになっている(非特許文献3)
従って、本発明は、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体を免疫測定することを特徴とする、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体の免疫測定方法に関する。
更に、本発明は、FTCDに対する試薬抗体およびその自己抗体に対する結合可能物質を含む、FTCDとその自己抗体との複合体の免疫測定用キットに関する。
更に、本発明は、FTCDとその自己抗体との複合体を測定することにより、癌であることを判定する、癌判定方法に関する。
本発明の免疫測定方法においては、例えば、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体に、FTCDに対する試薬抗体およびその自己抗体に対する結合可能物質を作用させ、得られる複合体と試薬抗体と結合可能物質との免疫複合物を測定することによりその複合体を測定することができる。
本発明において、自己抗体とは、自己の身体に存在する物質に対して自己の身体で産生される抗体であって、自己の身体に存在する物質がFTCDであり、そのFTCDに対する抗体をいう。
本発明において、FTCDに対する試薬抗体とは、試薬として用いるFTCDと特異的に結合する抗体をいい、本明細書では単に試薬抗体と記載することもある。その試薬抗体は、その産生動物種としてヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等があり、それぞれに所定範囲の免疫グロブリンがある。その試薬抗体は、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれでもよい。また、試薬抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの断片(抗原と結合能を有するもので例えば、H鎖、L鎖、Fab、F(ab’)2等)のいずれでもよい。このような試薬抗体は、FTCD全長蛋白質またはその断片ペプチドを抗原として、上記した産生動物種に免疫して、その免疫動物から抗血清として得ることができ、また、免疫動物からの脾細胞とミエローマ細胞とを融合して、融合細胞から、FTCDに対する抗体を産生する融合細胞をスクリーニングして、得られるハイブリドーマからモノクローナル抗体として得ることもできる。また、FTCDに対する試薬抗体は、抗FTCD抗体として市販されており、それらの市販品を使用することもできる。
試薬としてのFTCD抗原を用いる場合、FTCDに対する自己抗体と抗原抗体反応しうる抗原であれば特に限定しないが、FTCD全長蛋白質、FTCD全長蛋白質の変異体であって該蛋白質と同様のFTCDに対する自己抗体と抗原抗体反応しうる機能を有し且つ該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有する蛋白質もしくはFTCD全長蛋白質のアミノ酸配列において1個から数個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加したアミノ酸配列を有する蛋白質である変異体、FTCDの断片ペプチドであってFTCDの自己抗体と抗原抗体反応しうるペプチドを例示できる。FTCD全長蛋白質は、Abnova社より入手可能であるが、全アミノ酸配列が既知であるので、FTCD全長蛋白質やその変異体は、遺伝子組換え技術によっても合成できる。本発明においてFTCDの断片ペプチドを用いるときは、FTCD全長蛋白質を酵素分解等によって各種のペプチド断片に切断して作成してもよいし、市販の自動ペプチド合成装置を用いても容易に作成することができる。また、標的のFTCDの断片ペプチドを遺伝子組み換え技術によっても作成することができる。
そのようにして得られたFTCD全長蛋白質の変異体や断片ペプチドを、FTCDに対する自己抗体と反応させ抗原抗体反応をするものを選択して試薬としてのFTCD抗原として用いることができる。本発明においては、上記した各ペプチド断片の全体のほか、その一部も使用できるし、それらの混合物も使用でき、これらも試薬としてのFTCD抗原に包含される。
標識成分としては、酵素、放射性物質、蛍光物質、化学発光物質等常用される標識成分を使用することができるが、酵素や放射性物質が好ましい。
標識するための酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ウシ小腸アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合しEIAで常用される発色基質が適宜使用される。発色基質としては、例えばHRPの場合は、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、TMBZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、p−ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフォスファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフェート、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等が使用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド等が使用される。
標識するための放射性物質としては放射性ヨウ素原子等を、蛍光物質としてはFITCやローダミン等を、化学発光物質としてはルミノール等を例示することができる。
このようにして固相化したFTCDに対する試薬抗体に、FTCDとその自己抗体との複合体とを含む検体とを接触させると、複合体中のFTCD部分と試薬抗体とが結合する。さらに、その結合物に対し、標識成分で標識されたその自己抗体に対する結合可能物質(例えば標識抗IgG抗体)を作用させると複合体と試薬抗体と結合可能物質との免疫複合物が生成する。その結果、生成する免疫複合物中の標識成分を測定することにより、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体を測定することができる。
上記と同様にして、固相化担体にFTCDの自己抗体に対する結合可能物質を結合させて、固相化した結合可能物質に、FTCDとその自己抗体との複合体とを含む検体とを接触させて、複合体中の自己抗体部分と結合可能物質とを結合させ、さらに、その結合物に対し、標識成分で標識されたFTCDに対する試薬抗体(例えば、抗FTCD抗体)を作用させて、複合体と結合可能物質と試薬抗体との免疫複合物を生成させて、同様にして、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体を測定することもできる。
プレートに抗FTCD抗体を加え、低温例えば4℃で静置して感作し、その後、PBS等の洗浄液で洗浄する。ついで、そのプレートをBSAでコーティングし、抗FTCD抗体ELISAプレートを作成する。希釈した検体を抗FTCD抗体ELISAプレートに加え、加温例えば37℃で静置し、次いでPBS等の洗浄液で洗浄をする。得られるプレートのウェルにHRP標識された抗ヒトIgG抗体を加え、加温例えば37℃で静置する。ついで、ウェルをPBS等の洗浄液で洗浄した後、TMBZを加え、例えば室温で静置した後、反応停止剤として1N硫酸を加える。吸光度はマイクロプレートリーダー(BioRad社製)を用いて、波長450nmにて吸光度を測定する。吸光度の値とあらかじめ作成しておいた検量線から、FTCDとその自己抗体との複合体の値を求める。
また、一般にFTCDとその自己抗体との複合体の量が多いと、原発性肝細胞癌(原発性肝細胞癌、原発性胆管細胞癌など)、転移性肝癌等の肝癌、膀胱癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、甲状腺癌、皮膚癌などの癌が疑われ、本発明によりFTCDに対する自己抗体を測定することは、患者の癌疾患の判別に有効である。本発明においては、原発性肝細胞癌の判別に有効であり、例えば、健常人と、初発原発性肝細胞癌患者や再発原発性肝細胞癌患者との判別に有効である。
実施例1
FTCDとその自己抗体との複合体の測定
健常人、初発原発性肝細胞癌患者、及び再発原発性肝細胞癌患者から採取した血清検体について、FTCDとその自己抗体との複合体の測定を、以下に具体的に説明するようにして行なった。
(1)抗FTCD抗体ELISAプレートの作成
ELISAプレート(Nunc社製,Maxisorp)に抗FTCD抗体(Abnova社製,5μg/mL,100μL/well)を1晩4℃静置して感作し、その後、0.05%Tween20を含むPBS(200μL/well)で3回洗浄を行った。ついで、1.5%BSA、10%サッカロースを含むPBS(200μL/well)で1晩コーティングし、抗FTCD抗体ELISAプレートを作成した。
検出抗体としてHRP標識された抗ヒトIgG抗体(Zymed社製)を、0.05% Tween20を含むPBSにて4000倍に希釈したものを用いた。サンプル血清はPBSにて100倍に希釈した。その希釈したサンプルを抗FTCD抗体ELISAプレートに100μL/wellずつ加え、1時間37℃で静置し、その後、0.05% Tween20を含むPBS(200μL/well)で3回洗浄を行った。得られるプレートのウェルに希釈したHRP標識された抗ヒトIgG抗体を100μL/wellずつ加え、30分間37℃で静置した。ついで、0.05%Tween20を含むPBS(200μL/well)で3回洗浄した後、TMBZを100μL/wellずつ加え、10分間室温で静置の後、反応停止剤として100μL/wellの1N硫酸を加えた。吸光度はマイクロプレートリーダー(BioRad社製)を用いて、波長450nmにて測定を行った。
なお、検体は健常人16例、初発原発性肝細胞癌患者検体16症例、再発原発性肝細胞癌患者16例を用いた。
FTCDとその自己抗体との複合体を測定した結果を用いた結果を、図1に示す。有意差検定はKaleidaGraph4.0を用い、Wilcoxonの2標本検定にて統計処理した。
図1に示すように、健常人群と比較し、特に再発原発性肝細胞癌患者検体群のFTCDとその自己抗体との複合体は、大きな有意差を認めた。
Claims (13)
- 検体中のホルミニノトランスフェラーゼ シクロデアミナーゼ(formininotransferase cyclodeaminase;FTCD)とその自己抗体との複合体を免疫測定することを特徴とする、検体中のFTCDとその自己抗体との複合体の免疫測定方法。
- 検体中のFTCDとその自己抗体との複合体に、FTCDに対する試薬抗体およびその自己抗体に対する結合可能物質を作用させ、得られる複合体と試薬抗体と結合可能物質との免疫複合物を測定することによりその複合体を測定する、請求項1に記載の免疫測定方法。
- 試薬抗体および結合可能物質のいずれかが標識成分で標識されており、免疫複合物中の標識成分を測定して免疫複合物を測定することにより複合体を測定する、請求項2に記載の免疫測定方法。
- 検体中のFTCDとその自己抗体との複合体に、水不溶性担体に結合しているFTCDに対する試薬抗体を作用させ、次いで、標識成分で標識されたその自己抗体に対する結合可能物質を作用させ、複合体と試薬抗体と結合可能物質との免疫複合物を生成させ、その免疫複合物に結合している標識成分を測定することによりその複合体を測定する、請求項3に記載の免疫測定方法。
- その自己抗体に対する結合可能物質が、抗IgG抗体である、請求項2から4のいずれかに記載の免疫測定方法。
- 標識成分が酵素または放射性物質である、請求項3から5のいずれかに記載の免疫測定方法。
- 癌判定用である、請求項1から6のいずれかに記載の免疫測定方法。
- 癌が原発性肝細胞癌である、請求項7に記載の免疫測定方法。
- 検体が血液由来検体である、請求項1から8のいずれかに記載の免疫測定方法。
- FTCDに対する試薬抗体およびその自己抗体に対する結合可能物質を含む、FTCDとその自己抗体との複合体の免疫測定用キット。
- FTCDとその自己抗体との複合体を測定することにより、癌であることを判定する、癌判定方法。
- 血液由来検体中の複合体を測定する、請求項11に記載の癌判定方法。
- 癌が原発性肝細胞癌である、請求項12に記載の癌判定方法。
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