いくつかの語句の用法が、参照のみの便宜のため以下の記載の中で使用されているが、それらの用法に限定されない。カップリングアセンブリの各要素に対して、語句「前方へ」、「後方へ」の語句は、それぞれ、カップリング方向と、カップリング方向から遠ざかる方向とを指す。語句「右方へ」、「左方へ」は、図面における方向を指し、それに関連して語句の用法が適用されている。語句「内側へ」、「外側へ」は、カップリングアセンブリの幾何学的な中央線の方向又は長手方向の軸の方向と、それらから遠ざかる方向とを指す。語句「上方に」、「下方に」は、図面における方向を指し、それに関連して語句の用法が適用されている。上記の語句のすべては、通常、考えられる、派生語句、等価語句を含む。
図1A及び1Bのそれぞれに、螺子付き雌カップリング12に対して、接続(結合、連結、カップリング)可能かつ分離可能な雄カップリング10の実施形態の1つが図示されている。同時に、雄カップリング10及び雌カップリング12は、押すことで接続するタイプ(プッシュ−トゥ−コネクトタイプ)のカップリングアセンブリとして動作する。このことは、以下、さらに詳細に検討される。図1Bに示されるように、雄カップリング10及び雌カップリング12は、非接続位置にある。図示された実施形態では、螺子付き雌カップリング12は、標準的な螺刻された雌ポートを例とする螺子付き雌ポートである。一実施形態では、標準的な螺子付き雌ポートは、SAE規格のO-リングのボスポート(boss port)である。代替可能な実施形態では、標準的な螺子付き雌ポートは、ISO、DIN又はBSPP規格のO-リングポートである。
図1Cに、接続位置における雄カップリング10及び螺子付き雌カップリング12の断面図が示されている。接続位置においては、雄カップリング10及び螺子付き雌カップリング12が、それ自体を通じて、流体を運ぶためのカップリングアセンブリとして機能する。雄カップリング10及び螺子付き雌カップリング12の双方は、それらが図1Cに示されたような接続位置にあるときに、同一の中央にある長手方向の軸Aを分かち合うようにされている。一実施形態において、雄カップリング10及び/又は螺子付き雌カップリング12は、ステンレス鋼からなる。また他の実施形態では、雄カップリング10及び/又は螺子付き雌カップリング12は、炭素鋼、青銅、アルミニウム、プラスチックのような他の材料からなる。
図1Bに戻り同図を参照すると、螺子付き雌カップリング12は、収容端部14と、(不図示の)遠隔端を有する図示しない遠距離部を備えている。収容端部14と遠距離部(不図示)との間に、それ自体を通って流体が流れるように許容する通路16が、雌カップリング12を貫通して延在している。一実施形態において、螺子付き雌カップリング12の遠隔部は、分離された部品(不図示)の内側螺刻部に装着するための外側螺刻部を含むか、或いは、螺刻された雌ポートは、ポンプやマニホルド等の装置内に一体化される。代替的な実施形態(不図示)において、螺子付き雌カップリング12は、分離された部品(不図示)に装着するための、他の適正な接続手段を含む。
螺子付き雌カップリング12は、さらに、収容端部14から後方かつ内側に延在する面取りされた加工面(C付け加工面又は緩やかな面が付けられた面)18を含む。そして、内側螺刻部20の1組は、面取りされた加工面18から後方に延在する。図示された実施形態では、面取りされた加工面18が、環状シールを収容するためにシール面として機能する。これについては、さらに詳細に後述する。もう1つの実施形態では、螺子付き雌カップリング12の収容端部14は、環状シールを収容するためのシール面として機能する。
図示された実施形態において、内側螺刻部20は、断面観察したとき、台形のプロファイルを有し、かつ、7個の螺刻部(螺子山)20a〜gを含む。別の実施形態(不図示)では、内側螺刻部20は、断面観察したとき、(例えば三角形、正方形、長方形)の他のプロファイルの形態を採り、多くの螺刻部(螺子部)を含む。また別の実施形態(不図示)では、螺子付き雌カップリング12は、加工面18を含まない。
上記の図示された実施形態では、雄カップリング10は本体22を含む。図2Aで示されているように、本体22は襟部24を含む。襟部24は、先端部26を有する先導部と、後端部28を有する後尾部とを分離している。流体が通路を通って流れることを許容する当該通路30は、先端部26から後端部28へと、雄カップリング10を貫通して延在している。図示された実施形態では、雄カップリング10の後尾部は、ホースを収容するためのホースニップルを含む。他の実施形態では(不図示)、後尾部が、他の構成要素の螺刻されたカップリングへの装着のための外側螺刻部を備えている。襟部24は、後尾部(不図示)が外側螺刻部を備えるならば、レンチによって係合するためのフラット部を含む。
引き続き、図2Aを参照すると、本体22の先導部は、襟部24から前の方に延在する第1の外部筒状表面31と、肩部33によって第1の外部表面30から分離されるテーパ付き表面32とを含む。テーパ付き表面32は、本体22の先端部26の方に向かって先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Bに傾けられて方向付けられている。図示された実施形態では、角度Bは、約2°である。別の実施例(不図示)では、角度Bが、0°から約90°の間にある。また、表面32は、テーパ付き形状の代わりに段付き(ステップ部付き)形状を含む。或いは、表面32はテーパ部の代わりにステップ部を含みうる。
それ自体から半径方向かつ外側に延在する保持構造34が、テーパ付き表面32の前方にある。図示された実施形態では、保持構造34が。本体22の先端部26から外側かつ後方に延在する傾斜部35を含む。肩部37に合致する第2の外側かつ円筒状表面36が、傾斜部35から延在している。肩部37は、テーパ付き表面32の方に内側に曲がる。
図1Dに戻り同図を参照すると、雄カップリング10はさらに、分離された、弾性的に広げることが可能な保持リング38のような環状支持要素を含む。この環状支持要素は、テーパ付き表面32の周りに配置され、かつ、肩部37に係合している。図示された実施形態では、保持リング38は、円状の断面を有し、かつ、第2の外部表面36よりも大きな外側直径を有している。保持リング38は、雄カップリング部材10と螺子付き雌カップリング12と共に係止状態のままとするときに補助となる肩部として機能する。これについては、さらに後述する。他の実施形態(不図示)では、分離された係止用リングが、三角形、台形、正方形のような異なる断面を有する。一実施形態では、保持リング38は、ステンレス製ばね鋼からなる。他の実施形態では、保持リング38は、リン青銅、炭素鋼、又はステンレス鋼について焼き戻しされたばねのような他の金属からなる。他の実施形態(不図示)では、本体22は、保持リング38の代わりに、環状の支持要素として機能する一体リブを含む。
本体22の第1の外部表面31は、外側に面を向けている環状溝39を含み、この環状溝39はそれ自体から半径方向かつ内側に向け延在している。溝39の内部に、プラスチック、皮又は硬質ゴムのような剛体材料から構成された支持リング40と、ネオプレン又は他の可塑性材料のような適切なシール材から構成された環状シール41が配置されている。環状シール41は、サポートリング40と本体22の先端部26との間の溝39に配置されている。サポートリング40は、カップリングアセンブリが高圧の応用例で使用されているときに、環状シール41を衝撃から保護するのに機能する。他の実施形態(不図示)では、サポートリング40は、カップリングアセンブリが低圧の応用例で使用されるときには取り除かれる。
雄カップリング10はさらに、雄カップリング10を螺子付き雌カップリング12にシール接続するのに機能するように構成され、軸方向に移動可能かつ回転可能なスリーブ42を含む。これは、以下さらに詳細に検討される。図示された実施形態では、スリーブ42が、本体22の先導部の周りに配置され、かつ、本体22に対して軸方向に移動かつ回転するように構成されている。図2Bに示されているように、スリーブ42は、スプライン部43及び本体部分44を含む。本体部分44は、レンチによって係合するための、内側円筒状表面45及び連続した平面部46を持つ外面を含む。スプライン部43は、周状に3つの空間を有するリブ49が形成され、周状に三箇所離間し、かつ、内側の方向に面している溝48を有する段付きの内面47を含む。タブ50が、各リブ49から軸方向かつ前方に向けて延在している。(不図示の)他の実施形態では、段付き内面47は、異なる個数のリブを形成し、異なる個数の溝を含みうる。スプライン部43の段付き内面47は、肩部51によって、本体部分44の内面45から分離される。スリーブ42のスプライン部43は、さらに外面52と、それ自体から半径方向かつ外側に延在する肩部53を含む。
図1Dに戻り同図を参照すると、本体部分44の内面45は、本体22の第1の外面31を収容し、かつ、本体22の溝39に支持リング40を収容するように寸法が決められている。本体部分44の内面45はさらに、本体22の溝39において環状シール41をシール係合するように寸法が決められ、これによって、埃もしくは他の汚染物が環状シール41の前方の領域に入らないようにし、かつ、カップリングアセンブリの内側の流体圧力を維持する。肩部51は、本体22の肩部33に係合するように構成されている。
雄カップリング10はさらに、スリーブ42の外面52の周りに配置されている環状シール54を含む。環状シール54は、ネオプレン又は他の適切なシール材から構成され、かつ、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工された加工面18にシール係合するように構成されている。
雄カップリング10はさらにラチェット係合部材を含み、雄カップリング10と螺子付き雌カップリング12を同時に係止する。図示された実施形態では、係合部材は、3つに分かれたラチェット係止部材セグメント55の形態にあり、このセグメント55は、本体22の先導部の周りに配置され、同時に、ラチェット係止部材を形成する。(図示しない)他の実施形態では、係止部材は、異なる個数のラチェット係止部材セグメントを含みうる。
図2Cに示されるように、各係止部材セグメント55は、前端部56、後端部57及び外部円筒状表面59を有するキー部58を含む。各係止部材セグメント55のキー部58は、スリーブ42のスプライン部43において、溝48の1つに係合し、これによって、係止部材セグメント55とスリーブ42との間に干渉部を創り出す。この干渉部によって、スリーブ42が回転すると、係止部材セグメント55が回転する。
各係止部材セグメント55はさらに、保持構造を含む。この保持構造は、雄カップリング10が螺子付き雌カップリング12の中に挿入されるときに、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合するように構成されている。このことは、さらに詳細に後で検討される。例示された実施形態では、保持構造は、外部に部分的に螺刻された(螺子付き)構造60を含む。螺刻された構造60は、ラチェット係止部材が係止部材セグメント55からなるという事実によって、「部分的」と、特徴付けられる。一方、各係止部材セグメント55の部分的に螺刻された構造60は、螺刻された構造の一部のみを有している。しかし、螺刻部は、隣り合う係止部材セグメント55が各セグメントの間に小さな空間を持つために連続しないが、当然のことながら、係止部材セグメント55は、同時に螺刻された構造を形成する。
図示された実施形態では、部分的に螺刻された構造60は、断面で観察すると、6つの台形状の螺刻部60aから60fを含む。しかし、(不図示の)他の実施形態では、部分的に螺刻された構造60が、異なる個数の螺刻部を含むことができ、及び/又は、それらの螺刻部が、それらが螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20と、噛合かつ係合することが可能である限り、(例えば、三角形、正方形又は長方形の)断面図で観察されるときに、他の形状の構造を採用しうる。さらに、(不図示の)他の実施形態では、保持構造が、複数個に分けられた半径方向かつ外側に延在する突起部又は凸部を有することが可能であり、これらは、螺刻された雌ポート12の内側螺刻部20に係合することができる。これらの実施形態では、該複数個に分けられた半径方向かつ外側に延在する突起部又は凸部は、それらが、螺刻された雌ポート12の内側螺刻部20に係合することができる限り、いかなる形状を採用することができ、かつ、いかなるパターンにおいても配列しうる。
各係止部材セグメント55はさらに、後端部57に隣接して具備された内側テーパ付き表面61を含む。内側テーパ付き表面61は、係止部材セグメント55の後端部57の方に向かって先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Cの方向に向けられている。図示された実施形態では、角度Cは、約2°である。(不図示)の他の実施形態では、角度Cは、0°と90°との間に設定できる。図1Dで示されているように、ギャップ62は、各係止部材セグメント55のテーパ付き表面61と本体22のテーパ付き表面32との間で規定される。このギャップ62は、対向するテーパ付き表面、すなわち、各係止部材セグメント55のテーパ付き表面61と本体22のテーパ付き表面32とによって創出される。
各係止部材セグメント55の後端部57とテーパ付き表面61との間に、係止又は旋回する表面63が具備されている。図示された実施形態では、旋回する表面63は曲げられている。さらに、旋回する表面63は、面取りされた加工がされている。旋回する表面63は、旋回軸P(図面から外に延びている)を形成している。軸Pの周りに、各係止部材セグメント55が旋回する。各係止部材セグメント55の旋回軸Pは、長手方向の軸Aから離間されており、かつ、軸Aと垂直な方向に向けられている。
旋回軸Pを形成する表面によって、各係止部材セグメント55は、第1の位置(すなわち係止位置)と第2の位置(すなわち解除位置)との間で旋回することができる。係止位置において、各係止部材セグメント55のキー部58の外部表面59は、図1Dに示されているように、スリーブ42の内面45に当接する。(不図示の)解除位置では、各係止部材セグメント55が、旋回軸Pの周りに旋回される(これにより、部分的に螺刻された構造60を、半径方向かつ内側に押しつぶす)。その結果、各係止部材セグメント55のテーパ付き表面61が、本体22のテーパ付き表面に当接する。しかし、当然のことながら、解除位置は、各係止部材セグメント55のテーパ付き表面が本体22のテーパ付き表面に当接することを必要としない。代わりに、各係止部材セグメント55は、係止部材セグメント55の部分的に螺刻された構造60の外側末端部と、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20の内側末端部との間に、クリアランスを提供するのに十分な量の旋回のみが必要とされる。
各係止部材セグメント55のテーパ付き表面61の前方は、溝構造である。図2Cに示されているように、各係止部材セグメント55における溝構造は、三角状リブ66によって分離され、かつ、内側に向く2つの溝64、65を含む。同時に、係止部材セグメント55における溝64は、第1の環状溝64を形成する。同様に、係止部材セグメント55における溝65は、第2の環状溝98を形成する。(不図示の)他の実施形態では、リブ66は、断面で観察したとき、他の形状(例えば、正方形、長方形又は台形)の形態を採る。
第1の溝64は、内側が円筒状の表面67と、それ自体から半径方向かつ内側に延在する肩部68によって少なくとも部分的に形成される。内面67は、係止部材セグメント55が、各セグメントの解除位置に動かされるときに保持用リング38を収容するように寸法が決められている。面取りされた加工された表面69は、テーパ付け表面61と合致するように、肩部68から各保持部材セグメント55の後端部63の方に向かって、内側の方向に一定の角度で延在する。面取りされた加工された表面69は係止用表面として機能する。このことは詳細に後で検討される。図示された実施形態では、長手方向の軸Aに対して面取りされた加工された表面69の角度は、約45°である。当然のことながら、長手方向の軸Aに対して、面取りされた加工された表面69の角度は、その設計次第で変更可能である。併せて、(不図示の)他の実施形態では、表面69が、面取りされた加工の代わりに曲げられる(例えば、凸状又は凹状に)。第2の溝65は、内側に円筒状の表面70と、それ自体から半径方向かつ内側に延在する肩部71によって少なくとも部分的に画成される。
図示された実施形態(図1D参照)では、雄カップリング10はさらに、第2の溝65の内部に配置された環状で弾性のある付勢要素72を含む。その結果、雄カップリング10は内面70に係合する。付勢要素72は、係止部材セグメント55を係止位置に付勢するように構成される。付勢要素72は、リブ66と肩部71との間で捕捉(trap)される。これにより、軸方向の動きを制限する。図示した実施形態では、付勢要素72は、スプリング状リングであり、このスプリング状リングは、その弾性物性次第で、つぶされ又は元の状態に戻ることが可能である。他の実施形態では、付勢要素72は、ゴム材又はプラスチック材からなる。
図1Dに示されるように、付勢要素72は、円形状の断面と本体22の第2の外面36よりも大きな外側直径を有する。(不図示の)他の実施形態では、付勢要素72は、三角形、台形及び正方形のような異なる断面を有しうる。一実施形態では、付勢要素72は、ステンレスのバネ鋼から形成可能である。他の実施形態では、付勢要素72は、リン青銅材、炭素鋼、又はステンレス鋼を、焼き戻しした(テンパー処理した)スプリングのような他の金属から形成可能である。
雄カップリング10を螺子付き雌カップリング12に接続するために、各係止部材セグメント55の部分的に螺刻された本体60の前方の大部分が、螺子付き雌カップリング12の前方の大部分に係合するまで、雌カップリング10は、螺子付き雌カップリング12の中に前方に向けて移動される。雄カップリング10が連続して前方に移動するときに、螺子付き雌カップリング12の螺刻部20aが、係止部材セグメント55と交差し、かつ、力を与え、付勢要素72の付勢に対して、旋回用軸Pの周りを旋回する。これにより、各係止部材セグメント55の部分的な螺刻構造60が、半径方向かつ内側に縮小(contract)する。これにより、付勢要素72を縮小(contract)させる。係止部材セグメント55は、螺子付き雌カップリング12の螺刻部20aの頂点を越えて、カム動作又は「ラチェット」動作を行うまで、半径方向かつ内側に縮小する。このことが起こるとすぐに、係止部材セグメント55は、付勢要素72の弾性によって、付勢し、又は「跳ね返り(スプリングバック)」、その結果、部分的に螺刻された構造60の前方の大部分が、螺子付き雌カップリング12の螺刻部20aの、前方の大部分と噛合かつ係合する。
雄カップリング10を螺子付き雌カップリング12の中へさらに前方に移動させるときに、各係止部材セグメント55の部分的に螺刻された構造60は、係止位置と解除位置との間で交互に入れ替わることによって、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に沿ってカム動作又は「ラチェット動作」し、螺子付き雌カップリング12の付加的な内側螺刻部20と、徐々に噛合しかつ係合する。
一旦、係止部材セグメント55の部分的な螺刻部60のすべてが、螺刻状の雌カップリング12の内側螺刻部20に係合すると、雄カップリング10及び螺子付き雌カップリング12は、互いに機械的に接続される。しかし、当該接続は、雄カップリング10が、さらに螺子付き雌カップリング12にシール接続されて初めて完全となる。このことを達成するために、肩部53が螺子付き雌カップリング12の収容端部14に係合するまで、スリーブ42が、(例えば時計方向に)回転させられる。そのとき、スリーブ42は、トルクを受け、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工された表面18に対して環状シール54を十分に圧縮し、雄カップリング10を螺子付き雌カップリング12にシール接続する(図1C)。スリーブ42にトルクを与えることによって、雄カップリング10と螺子付き雌カップリング12との機械的な接続が、さらに螺子付き雌カップリング12から本体22を遠ざけるように引くことによって強化される。さらに、スリーブ42の付加的なトルク付与が、スリーブ42と、螺子付き雌カップリング12の収容端部14と、の間のギャップを除去し、かつ、高圧下、環状シール54の突き出しを防止する。好ましくは、雄カップリング10は、スリーブ42の全周の1/4から1/2が、上記の接続を完了するのに必要とされるように設計される。一旦、この位置において、雄カップリング10が引き出されるのを防ぎ、かつ、雄カップリング10が螺子付き雌カップリング12にシール係合される。さらに、雄カップリング10は、螺子付き雌カップリング12に対して旋回しないようにされる。
雄カップリング10を、螺子付き雌カップリング12から非接続とすることを望むときは、スリーブ42を反対方向(例えば反時計方向)に回転し、2つの構成要素が非接続位置になるまで、雄カップリング10を螺子付き雌カップリング12から螺子の締結状態を非螺合状態にする(図1B)。
図1Bに図示され、かつ、上記されたものの1つと類似した螺子付き雌カップリング12に接続され、かつ、分離可能なように構成されている雄カップリング300の、他の実施形態の斜視図と断面図がそれぞれ図3A及び図3Bに図示されている。同時に、雄カップリング300及び螺子付き雌カップリング12が、プッシュ-トゥ-コネクトタイプのカップリングアセンブリとして動作する。このことは、以下、詳細に検討される。
接続位置において、雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12は、カップリングアセンブリとして機能し、流体がそこを通じて運ばれる。雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12の双方は、それらが接続位置になるときに(不図示)、同一の中央になる長手方向の軸Aを分かち合う。一実施形態において、雄カップリング300は、スレンレス鋼から形成可能である。他の実施形態では、雄カップリング300は、炭素鋼、青銅、アルミニウム及びプラスチックのような他の材料から形成可能である。
図示された実施形態では、雄カップリング300は本体310を含む。図3B及び図4Aに示したように、本体310は襟部312を有し、この襟部312が、先端部314を有する先導部と、後端部316を有する後尾部を別ける。流体をそれ自体の中を通す通路318が、先端部314から後端部316に雄カップリング部材300を通り延在している。図示された実施形態では、雄カップリング300の追従部は、ホースを収容するためのホースニップルを含む。別の実施形態では(不図示であるが)、追従部が、他の構成要素の螺刻カップリングに装着するための外側螺刻部を備えている。襟部312は、後尾部(不図示)が螺刻部を備えるならば、レンチによって係合するためのフラット部分を含む。
本体310の先導部は、襟部312から延在する第1の外部円筒状表面320と、それ自体から半径方向かつ内側に延在する外側に面がある環状溝324によって第1の外面320から分離される第2の外側円筒状表面322と、を含む。本体310の先導部はさらに、第3の外部円筒状表面326を有する。この表面326は肩部328によって、第1の外部表面320から分離される。第2の外部表面326の前方は、一組の外側螺刻部330であるが、この外側螺刻部330は、設計次第で、左回りまたは右回りの螺刻部とすることが可能である。
本体310の先導部はさらに第4の外部円筒状表面332を含む。この表面332は、肩部334によって、一組の外側螺刻部330から分離されている。第1の外部のテーパ付き表面336は、第4の外部表面332から前方と内側の方に延在している。そして、第1の外部のテーパ付き表面336は本体310の先導する端部314の方に向けて先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して、角度Bで方向付けられている。図示の実施形態では、角度Bは約9°である。別の実施形態(不図示)では、角度Bは、設計次第で他の角度で方向付けが可能である。
第5の外部円筒状表面338が、本体310の先端部314から後方へ延在している。第2の外側のテーパ付き表面340は、第5の外面338から後方及び内側方向に延在し、第1のテーパ付き表面336と一致している。第2のテーパ付き表面340は、本体310の後端部316の方へ向かって先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Cで方向付けされている。図示された実施形態では、角度Cは約50°である。別の実施形態(不図示)では、角度Cは、設計次第で他の角度で方向付けが可能である。
図示された実施形態では、硬質プラスチック、皮又は硬質ゴムによって構成可能である支持リング342は、ネオプレン又は他の適切なシール材によって構成可能である溝324の内部に配置される。支持リング342は、本体310の環状シール328と先端部314との間の溝324に配置されている。支持リング342は、雄カップリング300及び螺子付き雌カップリング12が高圧下で使用されているときに環状シール344が損傷しないようにするのに機能する。他の実施形形態(不図示)では、サポートリング342は、ある適用例では除かれる。例えば、雄カップリング300及び螺刻された雌カップリング12が、低圧下で使用される場合である。
雄カップリング300はさらに、本体310の、先導部の周りの係止部材を含む。図示された実施形態では、係止部材は、王冠状のラチェット係止部材346の形態を採り、このラチェット係止部材346は、前端部348と、本体310の肩部334に係合する後端部350を有する。係止部材346は、設計次第で、王冠状以外の異なる形状の態様を採用しうる。
図3B及び図4Bを参照すると、複数個の可撓性指状部354を形成する複数個の軸方向スロット352が、係止部材346の前端部348から延在している。複数の弾性指状部354は、係止部材346の後端部350に隣接して一緒に接合されている。図示された実施形態では、係止部材346は、8本の可撓性指状部354を含む。他の実施形態では、係止部材は、異なる個数のスロット及び指状部を含みうる。一実施形態では、係止部材346は、スレンレスばね鋼から形成される。他の実施形態では、係止部材346は、リン青銅部材、炭素鋼若しくはスレンレス鋼を焼き戻し(テンパー処理)した、ばね鋼、又は、プラスチック若しくはゴムのような他の材料から形成されうる。
係止部材346の各弾性指状部354は、保持構造を含む。雄カップリング300が螺子付き雌カップリング12の中に挿入されるときに、該保持構造は、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合するように構成されている。このことは、さらに詳細に後述する。図示された形態では、保持構造は、外部にある部分的に螺刻された構造355を含む。螺刻された構造355は、係止部材346が弾性指状部354からなるという事実により、「部分的」と、特徴づけられる。一方、各弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355は、螺刻された構造の一部のみを有する。しかし、隣接する弾性指状部354がそれらの間に小さな空間を有するので、螺刻部は連続しないようにすることができるが、当然のことながら、弾性指状部354では、共に螺刻構造を形成できる。
図示された実施形態では、断面図(図4B)で観察すると、部分的に螺刻された構造355は、4個の台形状の部分的な螺刻部356を含む。部分的な各螺刻部356は、引き込み型の部分的な螺刻部357及び係止用テーパ付き表面358を含む。各部分的な螺刻部356の引き込み型のテーパ付き表面357は、係止部材346の前端部348の方向に向かって先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Dで方向付けられている。図示された実施形態では、角度Dは約30°である。(不図示の)他の実施形態では、角度Dは、設計次第で他の角度に方向付けられている。角度Dが小さければ小さいほど、雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12の中に挿入するのに必要な力の量は小さくて済む。各部分的な螺刻部356の係止するためのテーパ付き表面358は、係止部材346の後端部350の方に向かって先細り、かつ、長手方向軸Aに対して角度Eで方向付けされている。例示された実施形態では、角度Eは約60°である。他の実施形態(不図示)では、角度Eは、設計次第で他の角度で方向付けが可能である。
他の実施形態(不図示)では、部分的に螺刻された構造355は、異なる個数の螺刻部を有し、及び/又は、螺刻部が、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20と噛合かつ係合する限り、断面で観察されるときに他の形状(三角形、正方形又は長方形)を採りえる。さらに、他の実施形態(不図示)において、保持構造は、螺刻された雌ポート12の内側螺刻部20を係合可能、かつ、分離した、半径方向かつ外側に延在する複数個の突起部又は突出部を含みうる。これらの実施形態では、この分離した、半径方向かつ外側に延在する突起部又は突出部は、これらが螺刻された雌ポート12の内側螺刻部20に係合可能な限りにおいて、いかなる形状をも採ることができ、かつ、いかなるパターンで配置されうる。
第1の位置(例えば係止位置)と第2の位置(例えば解除位置)との間で、各弾性指状部354は移動可能である。係止位置では、部分的な螺刻構造355の螺刻部は、雄カップリング300が螺子付き雌カップリング12の中に挿入されるときに、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合する。(不図示の)解除位置では、各弾性指354が、その他の弾性指354と接合する基部で曲がり、結果として、各弾性指354の部分的に螺刻された構造355は、径方向内側につぶされ、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20から係合状態が解かれる。その弾性により、弾性指354は、付加的な力を必要することなく、各係止位置に復元できる。
係止部材346の各弾性指354はさらに、部分的に螺刻された構造355の後方に向かって備えられたステム部359を含む。各弾性指354のステム部359は、そこから延在する半径方向かつ外側に突出するバンプ362を有する外部表面360を含む。バンプ362は、曲面、曲面と平面の組み合わせ、又は平面の組み合わせを含みうる。
さらに、係止部材346は、係止部材346の前端部348から後方へ延在する内側のテーパ付き表面364を含む。内側のテーパ付き表面364は、係止部材346の後端部350の方に向かって先細り、長手方向の軸Aに対して角度Fに方向付けられる。図示の実施形態では、角度Fは約50°であり、この角度は、本体310の、第2のテーパ付き表面340の角度Cと同じ角度である。他の実施形態(不図示)で、角度Fは設計によって他の角度で方向付けることが可能である。
雄カップリング300が、螺子付き雌カップリング12に接続されたとき(これは、さらに詳細に後に説明されるが)、係止部材346の弾性指354に作用する、以下の競合する2つの力がある。(i)本体310の第2のテーパ付き表面340と、係止部材346の係止部材346の、内側のテーパ付き表面364との間の相互作用によって創出される力。この力は、弾性指状部354に、係止位置に対して外側へかつ半径方向に力を与えるものである。(ii)弾性指状部354の部分的な螺刻部356と螺子付き雌カップリング12内の内側螺刻部20との間の相互作用によって創出される力。この力は、弾性指状部354をそれらの解除位置に対して内側にかつ半径方向に力を与える。弾性指状部354が一定圧力下、各係止位置に対して外側にかつ半径方向に力が与えられることを確かにするために、本体310の、第2のテーパ付き表面340の角度Cと、係止部材346の、内側のテーパ付き表面364の角度Fは、係止部材346の係止用テーパ付き表面358の角度Eよりもよりも小さくされるべきである。図示された実施形態では、本体310の第2のテーパ付き表面340の角度Cと、係止部材346の、内側のテーパ付き表面364の角度Fは、係止部材346の各部分的な螺刻部356の係止用テーパ付き表面358の角度Eよりも約10°小さい。しかし、当然のことながら、これらの角度は、設計次第で異なる大きさに変えることが可能である。さらに、本体310の、第2のテーパ付き表面340の角度Cと、係止部材346の、内側のテーパ付き表面364の角度Fとは、一定環境において、係止部材346の各部分的な螺刻部356の係止用テーパ付き表面358の角度Eよりも小さくする必要はない(例えば、一定環境とは、スプリングのような付勢要素が、外側かつ半径方向に弾性指状部354に力を与えるときの補助に使用される場合、又は、楔部材若しくは他の保持デバイスが、弾性指状部354に外側かつ半径方向に力を与え、並びに、楔形部材又は他の保持デバイスが取り除かれるまで内側かつ半径方向に動かないようにするために使用される場合である)。
雄カップリング300はさらに、軸方向に移動可能でありかつ回転可能なスリーブ366を含む。スリーブ366は、雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12にシール接続するように構成されている。これはさらに詳細に後述される。図示された実施形態では、スリーブは、螺刻されたナット(以下「ナット366」と称する)の形態である。ナット366は、本体310の先導部の周りに配置され、回転するように構成され、結果として、本体310に対して軸状に移動する。図3B及び図4Cに示されているように、ナット366は、前端部368及び後端部370を含む。第1の内部円筒状表面372は、ナット366の前端部368から後方に向かって延在している。この表面372は、各弾性指状部354のステム部359の外面360を収容するように寸法が決められている。第1の内面372は、雄カップリング300がアセンブリ状態にあるときに、各弾性指状部354のステム部359の上でバンプ362の前方に向かって配置されている。傾斜表面374は、第1の内面372から後方かつ外側に延在しており、第1の内部表面372と傾斜面374との一致が、エッジ376を形成する。第2の内部円筒状表面378は、傾斜表面374から後方へ延在する。
ナット366のエッジ376は、ナット366が後方に移動するとき(例えば、反時計方向にナット366を回転することによって)、係止部材346の各弾性指状部354のステム部359上でバンプ362に係合するように構成されている。ナット366のエッジ376が、各弾性指状部354のステム部359の上で、バンプ362に一旦係合すると、エッジ376は、各解除位置に向かう方向に向かって、内側かつ半径方向に曲がるために、弾性指状部354に力を加え始める。ナット366の後方への移動が連続すると、ナット366の第1の内面372がバンプの上でカム動作し、これによって、各弾性指状部354の部分的な螺刻構造355は、これ以上、螺子付き雌カップリング12において内側螺刻部20に係合しないところまで、弾性指状部354を各解除位置の内側方向かつ半径方向に曲げるように力を与える。
第3の内側の円筒状表面380が、ナット366の後端部370から前方に向かって延在する(図4C参照)。この円筒状表面380は、本体310の第1の外面320を収容し、かつ、溝324に、支持リング42を収容するように寸法が決められている。第3の内面380はさらに、本体310の溝324に、環状シール344を収容し、かつ、シール係合するように寸法決めされており、これによって、埃又は他の汚染物が環状シール344の前方の領域に入らないように、かつ、雄カップリング300及び螺子付き雌カップリング12の内部の流体圧力を維持する。
一組の内側螺刻部382が、第2内面378と第3内面380との間に具備されている。一組の内側螺刻部382は、本体310の上で、該一組の外側螺刻部334を螺子状に係合するように構成されている。ナット366と本体310との間の螺子係合によれば、ナット366は、「ジャムナット(jam nut)」のように作用し、さらに、雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12との間の接続を強化し、並びに、雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12とをシール接続するために補助的に機能する。これについて、以下詳細に記載されている。
図示された実施形態において、内側に面が向いている溝384は、第2の内面378とナット366の一組の内側螺刻部382との間に具備されており、かつ、第2の内面378から外側方向かつ半径方向に延在する。O-リング386のような制限部材(摩擦が制限された部材)の摩擦要素が、溝378の内部に配置されている。O-リング386は、第2の内面378の内側直径よりも小さい。直径が異なるため、O-リング386は、ナット366が係止部材346の上にアセンブリされるとき、ナット366と係止部材346との間で圧縮される。摩擦要素(例えば圧縮されたO-リング386)の目的は、ナット366と係止部材346との間の摩擦を創出することによって係止部材346にナット366を機械的に結合することである。その結果、ナット366が回転するとき、係止部材346が回転する。ナット366が螺子付き雌カップリング12の最低位置になるまで、係止部材346は、ナット366によって回転されることを許容される。この場合には、ナット366と係止部材346との間の摩擦接合がくずれる。換言すれば、O-リング386は、クラッチとして機能する。このクラッチは、一定の負荷では(例えば、ナット366が螺子付き雌カップリング12に係合する前の一定の時間において)、ナット366が回転すると、係止部材346が回転する。しかし、より大きな負荷の下では(例えば、ナット366が螺子付き雌カップリング12に係合するときに)、係止部材346は、ナット366が回転すると(すなわち、ナット366が係止部材346とは独立して回転可能であると)、もはや回転しない。
ナット366による係止部材346の回転は、以下の2つのことを遂行する。(i)該回転は、雄カップリング300を、螺子付き雌カップリング12の中に引き出すこと。このことは、雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12の中に十分に挿入しないためのインストーラの可能性を減じることと、(ii)ナット366の多くの回転を減じて、雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12との間の接続を完全にする。他の実施形態(不図示)では、O-リング386は、ナット366と係止部材346との間の制限付き摩擦量を創出可能な、対応する構成要素、プラスチックリング又は他の構成要素(環状又は非環状の)の上で、一組のボール状の回り止めによって置換可能である。
ナット366はさらに、レンチによって係合する一連の平坦部388と、ナット366の前端部368から後方に延在する外部円筒状表面390と、外部表面390から外側方向かつ半径方向に延在する肩部392を有する。環状シール394が、外部表面390の上に配置されている。環状シール394は、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工された表面18にシール係合するように構成されている。環状シール394は、ネオプレン又は他の適当なシール材からなる。
図示された実施形態では、雄カップリング300はさらに、環状シール394とナット366の肩部392との間に具備された斜め座金396を含む。斜め座金396は、図3Bでは中立的な状態で示されており、図3Cでは圧縮された状態で示されている。他の実施形態(不図示)では、斜め座金396は、スプリングワッシャ又はロックワッシャで置換しうる。他の代替実施形態(不図示)では、斜め座金396はある適用例、例えば、雄カップリング300及び螺子付き雌カップリング12が低圧で使用されているときには除かれる。
斜め座金396の目的は、偶発的にナット366を非螺刻化(非螺子化)することを防ぐことである。このことは、カップリングアセンブリが高くかつ衝撃的な高圧力に曝されるときに起こりえる。これらの状況下では、ナット366の非螺刻化はナット366と螺子付き雌カップリング12の収容端部14との間のギャップを創出し、環状シール394を、ギャップを通過して突出させ、その結果、流体漏れが起こると認知された。実験によれば、偶発的なナット366の非螺刻化は、以下の2つのことによって生じた。(i)係止部材346の弾性指状部354が、本体310の中で凹むようになること、及び、(ii)係止部材346の弾性指状部354が螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20の方に向かって外側の方向かつ半径方向に拡張すること、である。この凹みと拡張によれば、ナット366は予備負荷を失い(このことはナット366にトルクが与えられたときに適用された)、もって、ナット366と、螺子付き雌カップリング12の収容端部14との間にギャップを生じさせた。環状シール394とナット366の肩部392との間に斜め座金396を使用することによって、斜め座金396は、雄カップリング300が螺子付き雌カップリング12に挿入され、かつ、ナット366にトルクがかけられた後で、その圧縮状態(図3C)へと平坦化する。斜め座金396は、圧縮状態の間、その弾性により中立的な状態の方へ付勢される。その結果、(いくらかの予備負荷の損失程度まで)ナット366における予備負荷の損失を補償することができる。カップリングアセンブリが高く、かつ、衝撃的な圧力条件にさらされるときに起こりうるナット366の非自発的な非螺刻化を防ぐ他の方法は、本体310のいくつか又はすべての表面、係止部材346、及び/又はナット366を熱処理し、これらを、より硬くし、かつ、これらの構成要素間に生じる凹み量を制限することである。
当然のことながら、斜め座金396がナット366の上に設置されるときに、斜め座金396とナット366との間に小さな直径状のクリアランスがある。ある一定の高い衝撃的な圧力条件では、小さな直径状のクリアランスは、それ自体を通って環状シール394を突出させるのに十分である。このことを回避するために、斜め座金396における貫通孔は、斜め座金396が、フラット又は圧縮状態で形成されることとは逆に、中立的な状態である0ときに形成される。貫通孔を斜め座金396に、中立的な状態に形成することによって、斜め座金396の内径が、斜め座金396が平坦化されるときに内側に先細り、これによって、ナット366にかけられたトルクが下がった後で、斜め座金396とナット366との間のクリアランスを減じるか又は可能な限り取り除く。
雄カップリング300を、螺子付き雌カップリング12に接続するために、係止部材346の各弾性指状部354の部分的に螺刻した構造355の前方の大部分の部分的な螺刻部355aが、螺子付き雌カップリング12の前方の大部分の螺刻部20aに係合するまで、雄カップリング部材300が、螺子付き雌カップリング12の前方に移動される。雄カップリング300が連続して前方に移動すると、螺子付き雌カップリング12の、前方の大部分の螺刻部20aが弾性指状部354を付勢し、内側に曲がり、その結果、弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355が半径方向かつ内側方向に収縮する。弾性指状部354は、それらが、螺子付き雌カップリング12の螺刻部20の頂点を越えて、カム動作又は「ラチェット」動作するまで半径方向かつ内側方向に収縮する。このことが起こるとすぐに、弾性指状部354が、その弾性によって、それぞれの係止位置まで戻る(spring back)。その結果、部分的に螺刻した構造355の内の、前方の大部分の部分的な螺刻部355aが、螺子付き雌カップリング12の、前方の大部分の螺刻部20aに噛合かつ係合する。
雄カップリング300が、螺子付き雌カップリング12の中の方にさらに移動すると、各弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355が、係止位置と解除位置との間を交互に移動することによって、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に沿ってカム動作するか又は「ラッチ」状態となり、螺子付き雌カップリング12の付加的な内側螺刻部20に徐々に噛合し、かつ、係合する。
弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355のすべての部分的な螺刻部が一旦螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合すると、雄カップリング300及び螺子付き雌カップリング12は、互いに機械的に接続される。しかし、その接続は、雄カップリング300が螺子付き雌カップリング12にさらにシール接続されるまでは、完全ではない。このことを成し遂げるために、その肩部392が螺子付き雌カップリング12の収容用端部14に係合するまで、ナット366が(例えば時計周りに方向に)回転される。ナット366は、それからトルクがかけられ、雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12にシール接続するために、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工された表面18に対して環状シール394を十分に圧縮する。ナット366にトルクを与えることによって、雄カップリング300と螺子付き雌カップリング12との間の機械的接続が、螺子付き雌カップリング12から遠ざかるように本体310を引くことによってさらに強化される。特に、本体10の、第2のテーパ付き表面340の角度C及び係止部材346の、内部のテーパ付き表面364の角度Fが、係止部材346の各部分的な螺刻部356の係止用テーパ付き表面358の角度Eよりも小さいために、弾性指状部354は、それらの係止部に向かって外側方向かつ半径方向に力がかけられる。
さらにまた、ナット366にトルクをかけることによって、斜め座金396はその圧縮状態まで平坦化される(図3C)。これによって、ナット366と、螺子付き雌カップリング12の収容端部との間のギャップを除去する。圧縮状態では、斜め座金396が、その弾性によって、中立的な状態の方向に付勢される。その結果、(いずれかの予備負荷の損失がある程度まで)ナット366における予備負荷の損失を補償できる。これによって、環状シール394が高圧力下で突出することを防ぐ。好ましくは、雄カップリング300は、ナット366の1/4〜1/2ターンのみで該接続を完全にするのに必要とされるように設計されている。一旦この位置において、雄カップリング300が引き出されないようにされ、かつ、螺子付き雌カップリング12にシール係合される。さらに、雄カップリング300は、螺子入り雌カップリング12に対して旋回しないようにされる。
雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12から非接続状態にしたいときには、ナット366が反対方向に回転され(例えば、反時計周りの方向に)、ナット366を後方に移動させる。一旦、ナット366のエッジ376が、係止部材346の各弾性指状部354の、ステム部359上のバンプに係合すると、各弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355が、もはや螺子付き雄カップリング12において螺刻部20に係合しなくなるまで、弾性指状部354は、(各解除位置まで)内側方向かつ半径方向に曲がるように力が与えられる。このことが起こるときに、雄カップリング300は、螺子付き雌カップリング12から外すことができる。
(不図示の)他の実施形態では、ナット366は、前方の方向に付勢されたスリーブによって置換することができる。この他の実施形態では、ナット366の第3の内部表面380が、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工表面18の外側の直径よりも大きく寸法が決められることが可能であり、これによって、前方の方向にスリーブ366を付勢する力を創出する。スリーブ366の上で圧力をかけるための力は、螺子付き雌カップリング12のシール面に対して環状シール394を圧縮することを助ける。(不図示の)他の実施形態では、ナット366は、前方の方向に付勢されたバネ負荷がかけられたスリーブによって置換可能である。上記で説明された他の実施形態のように、スリーブ355の上で押す力は、螺子付き雌カップリング12のシール面に対して、環状シール394を圧縮することを助ける。さらに他の実施形態(不図示)では、ナット366が、前の方向に付勢された、バネ負荷のスリーブで置換が可能である。そして、ナット366の第3の内面380は、螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工された表面18の外側の直径よりも大きく寸法付けされ、該前の方向においてスリーブ366を付勢する付加的な力を創出する。
図5A及び図5Bは、上記で説明されたものと類似であり、かつ、図1Bで図示された螺子付き雌カップリング12(不図示)に接続され、かつ、そこから分離されるように構成された雄カップリング500の、それぞれ他の実施形態の斜視図と断面図である。同時に、雄カップリング500及び螺子付き雌カップリング12は、プッシュ-トゥ-コネクト型のカップリングアセンブリとして動作する。このことは、以下さらに詳細に説明される。
接続された位置では、雄カップリング部材500と螺子付き雌カップリング12は、その中を流体が通過して送られるためのカップリングアセンブリとして機能する。雄カップリング500及び螺子付き雌カップリング12は、双方が接続された位置にあるときに、同一の中央の、長手方向の軸Aを別ける。一実施形態では、雄カップリング500は、スレンレス鋼から形成可能である。他の実施形態では、雄カップリング500は、炭素鋼、青銅、アルミニウム及びプラスチックのような他の材料から形成可能である。
図示された実施形態では、雄カップリング500は本体510を含む。図6Aに示されるように、本体510は、襟部512を含む。この襟部512は、先端部514を有する先導部514と、後端部516を有する後尾部を分離する。流体がそれ自体の中を流れるように許容する通路518が、雄カップリング部材500を通り、先端部516から後端部516に延在している。図示された実施形態では、雄カップリング500の後尾部は、ホースを収容するためのホースニップルを含む。(不図示の)実施形態では、後尾部が、他の構成要素の螺子付きカップリングに装着するための外側螺刻部を具備している。襟部512は、(不図示の)後尾部が外側の螺刻部を具備する場合には、レンチによって係合するための平坦部を含む。
本体510の先導部は、襟部512から延在する第1の外側円筒状表面520を含む。第1の外側表面520は、それ自体から内側の方向かつ半径方向に延在する、外側に面が向いている環状溝522を含む。第1の外側表面520の前方は、第2の外側のテーパ付け加工がされた外側表面526に延在する肩部524である。第2の外側のテーパ付け加工がされた表面526は、本体510の先端部514の方に先細り、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Bで方向付けられている。図示された実施形態では、角度Bは、約9°である。(不図示の)他の実施形態では、角度Bは、約0°から約90°の間で設定可能である。
傾斜面528は、本体510の先端部514から後方かつ外側の方向に延在している。第3の外側円筒状表面530は、傾斜面528から後方に向けて延在している。第2の外側テーパ付け加工された表面532は、第2の外側表面534から後方かつ内側に向けて延在している。第2の外側テーパ付け加工された表面532は、第1のテーパ加工された外側表面526と接合し、かつ、長手方向の軸Aに対して角度Cの方向に方向付けられている。図示された実施形態では、角度Bは約9°である。(不図示の)他の実施形態では、角度Cは、設計次第で他の角度で方向付けられることができる。
図5Bで示されるように、硬質プラスチック、皮、又は硬質ゴムからなる支持リング534と、ネオプレン又は他の適切なシール材から構成することが可能な環状シール536が、溝522の内部に配置される。支持リング534は、雄カップリング部材500の、環状シール536と先端部516との間の溝522に配置される。支持リング534は、雄カップリング500及び螺子付き雌カップリング512が高圧の適用例において使用されるとき、環状シール536をダメージから保護するために機能する。(不図示の)他の実施形態では、支持リング534は、例えば、雄カップリング500と螺子付き雌カップリング12が低圧の適用例において使用されるときに、ある適用例では取り除かれる。
雄カップリング500はさらに、本体510の先導部の周りに配置された係止部材を含む。図示された実施例では、係止部材は、本体510の肩部528に係合する、前端部540と後端部542を有する王冠状のラチェット係止部材538の形態である。当然のことながら、係止部材346は、設計次第で、王冠状以外の異なる形状の形態を採ることができる。
複数個の弾性指状部546を形成する複数個の軸状スロット544が、係止部材538の前端部540から延在している。複数個の弾性指状部546は、係止部材538の後端部542に隣接して一緒に接合されている。図示された実施形態では、係止部材538は4つの弾性指状部546を含む。他の実施形態では、係止部材は、異なる個数のスロット及び弾性指状部を含みうる。一実施形態では、係止部材538は、ステンレス製のばね鋼から形成される。他の実施形態では、係止部材538は、リン青銅材料、カーボン鋼又はスレンレス鋼を焼き戻したばねのような他の金属から形成可能である。
係止部材538の各弾性指状部546は、保持構造を含む。保持構造は、雄カップリング500が螺子付き雌カップリング12の中に挿入されるとき、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に噛合かつ係合するように構成されている。これは、さらに詳細に後述する。図示された実施形態では、保持構造が、外部の部分的に螺刻された構造548を含む。螺刻された構造548は、係止部材538が弾性指状部546から構成されるという事実によって、「部分的である(partial)」として特徴付けられる。一方、各弾性指状部546の部分的に螺刻された構造548は、螺刻された構造の一部のみを有する。しかし、当然のことながら、隣接する弾性指状部546が共に、それらの中に小さな空間を持つために、螺刻部が連続しないが、螺刻された構造を形成する。
図示された実施形態では、部分的に螺刻された構造548は、断面観察したときに、5つの台形状螺刻部548a〜eを含む。しかし、(不図示の)他の実施形態では、部分的に螺刻された構造548は、異なる個数の螺刻部を有し、及び/又は、螺刻部は、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20と噛合かつ係合できる限り、断面(例えば、三角形、正方形又は長方形の形状の断面)で観察すると、他の形状を採ることができる。さらに、他の実施形態(不図示)では、保持構造は、複数個に分かれた半径方向かつ外側方向に延在する突起部又は突出部を含み、突起部又は突出部は、螺子付き雌ポート12の内側螺刻部20に係合可能である。これらの実施形態では、複数個に分かれた半径方向かつ外側に向かって延在する突起部又は突出部は、それらが、螺子付雌ポート12の内側螺刻部20に係合可能である限りにおいて、いかなる形状の形態をも採用することができ、かつ、いかなるパターンで配置することもできる。
図6Bに示されるように、係止部材538の各弾性指状部546はさらに、部分的に螺刻された構造548の後方に具備されたステム部550を含む。各ステム部550は外面552を含む。係止部材538の後端部542の方に向かって外側に先細る内側テーパ付け加工表面554が、部分的に螺刻された構造548の反対側にある。
弾性指状部546は、第1の位置(すなわち係止位置)と第2の位置(すなわち解除位置)との間を移動することができる。係止位置では、外部に螺刻された構造548の螺刻部は、雄カップリング500が螺子付き雌カップリング12の中に挿入されるときに、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20と噛合かつ係合する。(不図示の)解除位置では、各弾性指状部546は、それが他の弾性指状部546に接合する基部で曲がる。その結果、各弾性指状部546の螺刻構造548が半径方向かつ内側に分断し、かつ、部分的に螺刻された構造548が、螺子付き雌スプリング12の内側螺刻部20から非係合状態になる。この弾性特性によれば、指状部546は、さらなる力を必要とすることなく、係止位置に戻れる。
雄カップリング500はさらに、軸方向に移動可能かつ回転可能なスリーブ556を含む。このスリーブ556は、雄カップリング500を螺子付き雌カップリング12にシール接続するときに助けるように構成されている。このことは、下記に詳細に説明される。図示された実施形態では、スリーブ556は、本体510の先導部の周りに配置され、かつ、本体510に対して軸方向に移動するように構成されている。図6Cに示されているように、スリーブ556は、前端部558及び後端部560を含む。段付き内側の表面562は、スリーブ556の前端部558から後方に向けて延在している。表面562は、4つの周方向に空間があるリブ566を形成する4つの空間が形成され、かつ内側に面が向いている溝564を有する。溝564は、係止部材538においてスロットと並列に配置される。(不図示の)他の実施形態では、段付きの内面562は、異なる個数の溝及びリブを含みうる。
第2の内側の円筒状表面568が、スリーブ556の後端部560から前方に向かって延在している。第2の内側の円筒状表面568は、本体510の第1の外側方面520を収容し、かつ、溝522において支持リング534を収容するように寸法が決められている。第2の内面568はさらに、本体510の溝522において環状シール536を収容し、かつ、シール係合するように寸法が決められている。これによって、埃又は汚染物が、環状シール536の前方の領域に入らないようにし、かつ、雄カップリング500及び螺子付き雌カップリング12の内側の流体圧力を維持する。
図5Bに戻り同図を参照すると、雄カップリング500はさらに、係止部材538の各スロット544内部に配置されたキー570及びスリーブ556の各溝564を含む。キー570は、係止部材538をスリーブ556に接続するように機能する。その結果、スリーブ556の回転が、係止部材538を回転させる。例示された実施形態では、4つのキー570が使用される。しかし、異なる個数のキー570が、他の実施形態において使用可能である。
スリーブ556はさらに、レンチによって係合するための連続した平坦部572と、スリーブ556の前端部558から後方へ延在する外部円筒状表面574、及び外面574から半径方向かつ外側に向けて延在する肩部576を含む。螺子付き雌カップリング12の面取りされた加工の表面18をシール係合するように構成される環状シール578が、外面574の上に配置される。環状シール578は、ネオプレン又は他の適切なシール材から構成される。
雄カップリング500を螺子付き雌カップリング12に接続するために、雄カップリング500は、各弾性指状部546の部分的に螺刻された構造548の、前方の大部分の螺刻部548aが螺子付き雌カップリング12の前方の大部分の螺刻部20aに係合するまで、螺子付き雌カップリング12の中の前方に移動される。雄カップリング500の連続した前方への移動のときに、螺子付き雌カップリング12の前方の大部分の螺刻部20aは、弾性指状部546と相互作用し、弾性指状部546を半径方向かつ内側に収縮させる。この結果、弾性指状部546の部分的に螺刻された構造548は半径方向かつ内側に収縮する。弾性指状部546は、螺子付き雌カップリング12の螺刻部20の頂点上で、カム動作又は「ラチェット」動作をするまで、半径方向かつ内側に収縮する。この動作が起きるとすぐに、弾性指状部546は、その弾性によって、各係止位置に「復元」する。その結果、部分的に螺刻された構造540の、前方の大部分の螺刻部548aは、螺子付き雌カップリング12の前方の大部分の螺刻部20と噛合かつ係合する。
雄カップリング500が螺子付き雌カップリング12の中へとさらに前方に移動するときに、各弾性指状部546の部分的に螺刻された構造548は、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に沿って、係止位置と解除位置とを交代することによって、カム動作又は「ラチェット動作」し、螺子付き雌カップリング12の付加的な内側螺刻部20と徐々に噛合かつ係合する。
一旦、弾性指状部546の部分的に螺刻された構造548の部分的な螺刻部のすべてが、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合すると、雄カップリング500及び螺子付き雌カップリング12が、機械的に互いに接続される。しかし、この接続は、雄カップリング500がさらに、螺子付き雌カップリング12に接続して初めて完全となる。このことを達成するために、スリーブ556が、肩部576が、螺子付き雌カップリング12の収容端部14に係合するまで(例えば時計の回転方向に)回転する。それから、ナット355にトルクがかけられて、環状シール578を面取りされた加工された表面18に対して十分に圧縮し、雄カップリング500を螺子付き雌カップリング12にシール接続する。スリーブ556にトルクをかけることによって、雄カップリング500と螺子付き雌カップリング12との間の機械的な結合がさらに、本体510を、螺子付き雌カップリング12から遠ざかるように引くことによって強化される。このことは、本体510の第2のテーパ付き表面532を係止部材538の内部のテーパ付き表面554に係合させ、かつ、弾性指状部546に対して、係止位置に対して外側かつ半径方向に力を与える。さらに、スリーブ556の付加的なトルク付与は、スリーブ556と螺子付き雌カップリング12の収容端部14との間のギャップを取り除き、かつ、環状シール578が高圧力下で突出しないようにする。好ましくは、雄カップリング500は、スリーブ556の僅か1/4〜1/2ターンだけが、当該接続を完全にするのに必要とされるように設計される。この位置において一度、雄カップリング500が、引かれないようにされ、かつ、螺子付き雌カップリング12にシール係合される。さらに、雄カップリング500が、螺子付き雌カップリング12に対して旋回しないようにされる。
雄カップリング部材500を、螺子付き雌カップリング12から非接続としたいときには、スリーブ556は、雄カップリング500を螺子付き雌カップリング12から逆螺子状に反対方向に回転させる。
雄カップリング300が、斜め座金396を含む図面に図示され、かつ、上述された、ただ1つの実施形態であるが、当然のことながら、図面に図示され、かつ、上述されたその他の雄カップリング10、500が、各環状シールとスリーブ/ナットとの間に具備された斜め座金を含み得る。
さらに、図面に図示され、かつ、上述された、雄カップリング10、300、500は、接続動作の間に、螺子付き雌カップリングの内側螺刻部に徐々に係合するラチェット係止部材を含むが、雄カップリングの係止部材のそれぞれは、該接続動作中、螺子付き雌カップリングの内側螺刻部を徐々に係合する必要がないように構成されうる。換言すれば、各雄カップリングの係止部材は、雄カップリングが螺子付き雌カップリングの中に挿入されるときに、「ラチェット運動」しないように構成されうる。
例えば、上述の雄カップリング300において、雄カップリング300を螺子付き雌カップリング12の中に挿入する前に、ナット366は、ナット366のエッジ376が係止部材346の各弾性指状部354のステム部359の上でバンプ362に係合し、かつ、弾性指状部354に、各解除位置の内側の方向かつ半径方向に曲げるように力を与えるまで、(例えば、反時計周りの方向にナット366を回転することによって)後方に移動されうる。弾性指状部354が各解除位置に移動されるにつれて、雄カップリング300が、部分的に螺刻された構造355を、螺刻された雌カップリング12の内側螺刻部20に係合することなく、螺子付き雌カップリング12の中に挿入されうる。螺子付きメス型カップリング12では、ナット366は、エッジ376が各弾性指状部354のステム部359の上でバンプ362を非係合状態とするまで、(例えば、ナット366を時計方向に回転させることによって)、前方に移動可能である。これによって、弾性指状部354を、各係止位置に戻し、かつ、螺子付き雌カップリング12の内側螺刻部20に係合させる。
当然のことながら、上記説明された実施形態のすべてに対し、上述した円筒状表面の一又はそれ以上が、接続アセンブリ(例えばテーパ付き表面)又は曲表面(例えば凸表面又は凹表面)の長手方向の軸Aに対して角度が付けられた直線的な外形を有する表面によって置き換えら得る。さらに、当然のことながら、上記検討された一又はそれ以上のテーパ付き又は面取りされた表面は、円筒状表面又は曲表面(例えば凸表面又は凹表面)で置き換えられ得る。
当然のことながら、上記検討された雄カップリングは、流体コネクタ以外の分野での適用可能である。例えば、雄カップリング、特にラチェット係止を含む構成要素が、分かれた構成要素における雌螺刻部に結合するプシュ-トゥ-コネクト型の締結装置として使用が可能である。この例では、前記構成要素は、輸送流体を必要としない。
さらにまた、当然のことながら、上記検討された係止部材(ラチェット又は非ラチェット)は、螺子付き雄カップリングに結合するための雌カップリング上に使用されるように改造可能である。例えば、上述した雄カップリング300で使用された係止部材346は、外側部よりはむしろ、各弾性指状部354の内側部の上で、部分的に螺刻された構造355を含むように改造可能であり、その結果、各弾性指状部354の部分的に螺刻された構造355が、螺子付き雄カップリングの外側螺刻部に係合できる。
「含む(includes)」又は「含んでいる(including)」の語句が、明細書又は特許請求の範囲に使用されている限りにおいて、当該語句は、請求項で中間形態の語として使用されているときに「有する(comprising)」の語句に類似の態様に包含される意図である。さらにまた、「又は」の語句が、(例えばA又はBのように)使用される程度において、当該語句は、「A若しくはB、又は、AとBの両方」の意味が意図されている。出願人が、「A又はBばかりか、AとBの両方」を示すものと意図するときには、「A又はBばかりか両方」の語句が使用される。このようにして、語句「又は」は包含的な意味に使用され、排他的な使用ではない。ブライアン エー.ガーナの「現代法律用法624の辞書」(1995年 第2版)を参照されたい。さらに、「中で、おいて(in)」又は「中へ(into)」の語句が明細書又は請求の範囲で使用されている程度において、それは、さらに、「上で(on)」又は「上へ(onto)」の意味を意図している。さらに、「結合(接続、連結)する(connect)」の語句が明細書又は請求の範囲で使用されている程度において、「直接的に結合する(directly connected to)」との意味ばかりでなく、例えば、他の構成要素又は複数個の構成要素を介して結合されているような、「間接的に結合(接続、連結)する(indirectly connected to)」の意味を意図している。
本願明細書は、様々な実施形態を例示し、かつ、これらの実施形態が詳細に述べられているが、このような詳細な内容に、特許請求の範囲に記載された発明の要旨が、厳格に又はいずれの方法においても限定的なものであるとの意図はない。さらなる効果又は改造は、当業者には直ちに把握されるであろう。それゆえに、より広い見地によれば、本発明は、図示され記載された特徴的な詳細及び図示された実施例に限られるものではない。したがって、本願出願人の特許請求の範囲に記載された発明の精神又は範囲から逸脱することなく、当該詳細から、さらに当該範囲が広がる。加えて、上述の実施形態は例示的なものである。そして、上記の特徴又は要素が、ここで記載され又は後の出願で特許請求される、すべての可能性のある組み合わせに対して本質な唯一のものではない。