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JP2010266393A - 化学除染方法 - Google Patents

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Yuko Hino
祐子 日野
Hideyuki Hosokawa
秀幸 細川
Makoto Nagase
誠 長瀬
Motoaki Sakashita
元昭 坂下
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Abstract

【課題】除染に要する時間を短縮することができる化学除染方法を提供する。
【解決手段】酸化除染工程で、酸化除染液注入装置3の薬液タンク4から過マンガン酸カリウム水溶液(酸化除染液)が、両端が化学除染対象部位57に接続された循環配管2内に注入される。この酸化除染液によって化学除染対象部位57が酸化除染される。酸化除染工程後の還元除染工程では、還元除染液注入装置8の薬液タンク9からシュウ酸が循環配管2内に注入され、さらに、錯体生成剤注入装置13の薬液タンク14から尿素が循環配管2内に注入される。尿素及びシュウ酸を含む還元除染液によって化学除染対象部位57が還元除染される。還元除染時に化学除染対象部位57から還元除染液に溶出したFe3+は、尿素と反応して水溶性の陽イオンであるヘキサ尿素鉄錯体を生成する。ヘキサ尿素鉄錯体は陽イオン交換装置20で除去される。
【選択図】図2

Description

本発明は、化学除染方法に係り、特に、原子力プラントに適用するのに好適な化学除染方法に関するものである。
原子力プラントでは、構成部材の、放射性物質を含む炉水と接触する表面に、原子力プラントの運転中に放射性核種を含む酸化皮膜が付着または生成される。このため、原子力プラントの配管及び機器の周囲では放射線量が高まるため、原子力プラントの定期点検作業あるいは施設廃止措置時での解体作業での作業員の被ばく線量を低減する必要がある。このため、原子力プラントにおいて化学除染が実施されている。
原子力プラントを対象とした化学除染方法は、構成部材の表面に形成された酸化皮膜に含まれるクロム系酸化物を酸化性の除染液(酸化除染液)を用いて酸化溶解する酸化除染工程、及びその酸化皮膜の主要成分である鉄系酸化物を還元性の除染液(還元除染液)を用いて還元溶解する還元除染工程を含んでいる。
特公平3−10919号公報に記載された化学除染方法では、酸化除染液として過マンガン酸水溶液を用い、還元除染液としてシュウ酸などのジカルボン酸水溶液を用いている。特許第4131814号公報に記載された化学除染方法は、酸化除染液としてオゾン、過マンガン酸あるいは過マンガン酸塩を溶解した溶液を用い、還元除染液としてギ酸とシュウ酸を溶解した溶液を用いている。
特開2000−121791号公報に記載された化学除染方法では、酸化除染液として過マンガン酸カリウムなどを溶解した溶液を用い、還元除染液としてシュウ酸及びヒドラジンを含む溶液を用いている。還元除染液を用いた還元除染工程が終了した後に、還元除染液に含まれるシュウ酸及びヒドラジンを酸化剤及び触媒を用いて分解している。特開2000−121791号公報は、除染対象物の除染を行った面にシュウ酸鉄が付着することを記載している。
特許第2941429号公報は除染廃液の処理方法を記載している。還元除染が終了した後に、還元除染液であるシュウ酸水溶液に含まれたFe3+は、シュウ酸と錯体を形成している。この錯体は陰イオンになっているため、紫外線を照射してFe2+に還元する。シュウ酸水溶液に含まれたそのFe2+は陽イオン交換樹脂で分離される。
特公平3−10919号公報 特許第4131814号公報 特開2000−121791号公報 特許第2941429号公報
還元除染液で溶解される鉄系酸化物としては、ヘマタイトと呼ばれる三二酸化鉄(Fe)とマグネタイトと呼ばれる四三酸化鉄(Fe)がある。還元除染液としてシュウ酸水溶液を使用して除染対象物の表面のマグネタイトを溶解すると、2価の鉄イオンFe2+が溶解する。しかしながら、シュウ酸水溶液中でのFe2+の溶解度が小さいため、シュウ酸鉄(II)塩が除染対象物の表面に存在する酸化鉄の表面に析出して堆積し、この酸化鉄の溶解に悪影響を与える恐れがある。しかしながら、シュウ酸は、鉄系酸化物の溶解に優れた力を有し、使用後には簡単に水と炭酸ガスに分解させることができ、廃棄物を発生しないという利点もある。
本発明の目的は、除染に要する時間を短縮することができる化学除染方法を提供することである。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、放射性核種に汚染された金属部材の表面に還元除染液を接触させてその金属部材を還元除染する還元除染工程、及びその金属部材の表面に酸化除染液に接触させてその金属部材を酸化除染する酸化除染工程を含み、その還元除染液が、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物、及びシュウ酸を含んでいることにある。
還元除染液に含まれるシュウ酸の作用によって金属部材(例えば、金属部材の表面に形成されている酸化皮膜)から還元除染液に溶出したFe3+が、還元除染液に含まれている、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物と反応してその陽イオン錯体を生成する。この陽イオン錯体は還元除染液から容易に除去することができる。その陽イオン錯体の生成により、シュウ酸鉄(II)塩の生成が抑制され、金属部材の表面へのシュウ酸鉄(II)塩の付着を抑制できる。このため、金属部材の還元除染に要する時間を短縮することができ、結果的に、化学除染の所要時間を短縮することができる。
本発明によれば、化学除染に要する時間を短縮することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の化学除染方法での処理手順を示すフローチャートである。 図1に示す化学除染方法で用いられる化学除染装置の構成図である。 還元除染液に含まれるシュウ酸の濃度に対するFe3+のシュウ酸錯体[Fe(C3−の生成割合を示す説明図である。 尿素1300ppm及びシュウ酸1000ppmの水溶液、及びpH2.5に調整されたシュウ酸2000ppmの水溶液をそれぞれ用いて還元除染を行った場合において、陽イオン交換樹脂による各水溶液に含まれるFe3+の分離結果を示す説明図である。 異なる還元除染液(尿素1300ppm及びシュウ酸1000ppmの水溶液、及びpH2.5に調整されたシュウ酸2000ppmの水溶液)を用いたそれぞれの化学除染における除染効果を示す特性図である。 本発明の他の実施例である実施例2の化学除染方法で用いられる化学除染装置の構成図である。
発明者らは、除染時間をさらに短縮できる化学除染方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物(例えば、尿素)をシュウ酸と共に還元除染液に添加することによって、Fe3+が陽イオンとして溶液中に存在する割合が増加し、Fe3+をFe2+に還元する工程を経ることなく陽イオン交換樹脂で分離できるという新たな知見を得ることができた。また、発明者らは、その化合物を添加することによって、シュウ酸鉄(II)塩の、化学除染対象部材の表面への析出が抑制されることを見出した。
上記の知見を得るために発明者らが行った実験について詳細に説明する。
この実験では、鉄系酸化物としてマグネタイト(粒状)を、還元除染液として尿素(濃度1300ppm)及びシュウ酸(濃度1000ppm)を含む水溶液を用いた。比較のため、還元除染液として従来の化学除染方法で使用されている、2000ppmのシュウ酸を含む水溶液を用いた実験も行った。マグネタイト及び還元除染液(尿素(濃度1300ppm)及びシュウ酸(濃度1000ppm))、及びマグネタイト及び還元除染液(シュウ酸(濃度2000ppm))を別々のビーカーに入れ、各ヒーター内の還元除染液を90±3℃となるよう加熱し、1時間撹拌した。この際、シュウ酸(濃度2000ppm)を含み尿素を含まない還元除染液を用いたケースでは、シュウ酸鉄(II)と考えられる黄色の析出物が生じた。尿素(濃度1300ppm)及びシュウ酸(濃度1000ppm)を含む還元除染液を用いたケースでは、析出物は生成しなかった。その後、それぞれの還元除染液をろ過して溶け残ったマグネタイト及び黄色析出物を分離した。ろ過したそれぞれの還元除染液について、陽イオン交換樹脂を通す前、及び陽イオン交換樹脂を通した後でのFe3+濃度を測定した。
この実験結果を図4示す。縦軸には、陽イオン交換樹脂通過前での各還元除染液のFe3+濃度を1とした場合で、陽イオン交換樹脂通過前後における各還元除染液に含まれるFe3+濃度を示した。
1300ppmの尿素及び1000ppmのシュウ酸を含む水溶液を陽イオン交換樹脂に1回通過させることにより、図4に示すように、その水溶液に含まれたFe3+が7割以上除去された。これに対し、2000ppmのシュウ酸を含む水溶液を陽イオン交換樹脂に1回通過させることにより、この水溶液から除去されたFe3+は2割以下であった。
以上の実験結果に基づいて、発明者らは、シュウ酸及び尿素を含む還元除染液を用いることによって、Fe3+を陽イオン交換樹脂で分離できるという新たな知見を得ることができた。
また、前述のように、シュウ酸及び尿素を含む還元除染液を用いてマグネタイトを溶解した場合は、シュウ酸を含んで尿素を含まない還元除染液を用いてそれを溶解した場合と異なり、シュウ酸鉄(II)塩の生成が見られなかった。これは、シュウ酸及び尿素を含む還元除染液を用いることで、還元除染において、シュウ酸鉄(II)塩の析出による酸化鉄の溶解への悪影響を改善できることを示している。
次に、酸化除染、及びシュウ酸及び尿素を含む還元除染液を用いた還元除染を行う化学除染方法による、酸化皮膜の溶解性能を確認した実験結果について、説明する。
実験では、沸騰水型原子炉に接続された一次系統の水質条件を模擬してCo−60含有酸化皮膜を付与したSUS316試験体を使用し、この試験体に対して酸化除染及び還元除染を行って試験体に形成された酸化皮膜の溶解性を確認した。酸化除染では、過マンガン酸カリウム300ppmの水溶液(酸化除染液)を用いた。還元除染では、尿素1300ppm及びシュウ酸1000ppmの水溶液(還元除染液)を用い、これとの比較のために、シュウ酸2000ppmの水溶液にヒドラジンを添加してpHを2.5に調整して生成した水溶液(還元除染液)を用いた。
まず、過マンガン酸カリウム300ppmの水溶液を、ビーカーに入れて90℃になるようにヒーターで加熱した。その後、酸化皮膜を形成した上記の試験体を、治具を用いてその過マンガン酸カリウム水溶液に浸漬させ、0.5時間の間、試験体に対して酸化除染を行った。酸化除染の終了後、試験体を水で洗浄し、室温で乾燥させた。乾燥した試験体のCo−60付着量を放射能測定により求めた。
次に、尿素1300ppm及びシュウ酸1000ppmを含む水溶液(便宜的に、第1還元除染液という)、及びヒドラジンの添加によりpHを2.5に調整した、シュウ酸2000ppmを含む水溶液(便宜的に、第2還元除染液という)を、別々のビーカーに入れて90℃に加熱した。第2還元除染液は尿素を含んでいない。前述の過マンガン酸カリウム水溶液で酸化除染を行った2つの試験体を、1つのビーカー内に充填された、加熱された第1還元除染液、及び他のビーカー内に充填された、加熱された第2還元除染液に別々に浸漬させ、それぞれ0.5時間の間、各試験体に対して還元除染を行った。還元除染の終了後、各試験体を水で洗浄し、室温で乾燥させた。乾燥した各試験体に対する放射能測定により、各試験体に対するCo−60の付着量を求めた。以上の酸化除染及び還元除染の一連の操作を各試験体に対して2回ずつ行い、各試験体でのCo−60付着量の変化を求めた。
以上に述べた酸化除染液及び還元除染液を用いた各化学除染の実験結果を図5に示す。図5の縦軸は化学除染前における試験体のCo−60付着量を化学除染後(酸化除染及び還元除染後)における試験体のCo−60付着量で割った値を示している。縦軸の数値が大きいほど、試験体のCo−60付着量が減少していることを示す。○印は還元除染で第1還元除染液(尿素1300ppm及びシュウ酸1000ppmを含む水溶液)を用いた結果を示し、◇印は還元除染で第2還元除染液(ヒドラジンの添加でpHを2.5に調整した、シュウ酸2000ppmを含む水溶液)を用いた結果を示している。本実験結果から分かるように、第1還元除染液を用いた化学除染方法による酸化皮膜の溶解性能は、第2還元除染液を用いた従来の化学除染方法による酸化皮膜の溶解性能と比較して、向上している。
このため、第1還元除染液を用いた還元除染を含む化学除染方法における除染の所要時間を、第2還元除染液を用いた還元除染を含む従来の化学除染方法における除染の所要時間よりも短縮することができる。
本発明は、発明者らが新たに見出した上記の知見に基づいて成されたものであり、還元除染液として、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物及びシュウ酸を含む除染液を使用し、化学除染対象部材の表面を還元溶解する工程と、酸化除染液を使用して化学除染対象部材の表面を酸化溶解する工程を含んでいる。
Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物としては、例えば、尿素を用いる。Fe3+及び尿素の反応により、水溶液中でヘキサ尿素鉄錯体([Fe(CON3+)が生成される。この錯体は、水に易溶であって水溶液中で陽イオンとなるので、陽イオン交換樹脂で分離できる。
また、マグネタイトを溶解した際に溶解する鉄イオンと尿素が化合物を形成するので、シュウ酸鉄(II)塩の形成が抑制される。このため、除染対象物の表面へのシュウ酸鉄(II)の付着によるその表面からの酸化鉄の溶解に対する悪影響が抑制される。
本発明の好適な一実施例である実施例1の化学除染方法を、図面を参照して説明する。
本実施例の化学除染方法に用いられる化学除染装置1の一例を、図2を用いて説明する。化学除染装置1は、循環配管2、酸化除染液注入装置3、還元除染液注入装置8.錯体生成剤注入装置13、循環ポンプ18、加熱器19、陽イオン交換装置20、分解槽23,24及び分解剤供給装置25,30を備えている。開閉弁35、水質モニタ50、循環ポンプ18、弁36、加熱器19、弁37、還元除染液注入装置8.錯体生成剤注入装置13、酸化除染液注入装置3及び開閉弁38が、上流よりこの順に循環配管2に設けられる。弁37をバイパスする配管39の両端が、循環配管2に接続される。分解剤供給装置25、弁40、分解槽23、分解剤供給装置30、分解槽24、水質モニタ52及び弁41が、上流よりこの順に配管39に設けられる。分解槽23,24内には、貴金属(白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、バナジウム及びパラジウムのいずれか)を活性炭に担持している触媒が充填されている。
酸化除染液注入装置3が、薬液タンク4、注入ポンプ5及び注入配管7を有する。薬液タンク4は、注入ポンプ5及び弁6を設置した注入配管7によって循環配管2に接続される。薬液タンク4には、酸化除染液である過マンガン酸カリウム水溶液が充填されている。還元除染液注入装置8が、薬液タンク9、注入ポンプ10及び注入配管12を有する。薬液タンク9は、注入ポンプ10及び弁11を設けた注入配管12によって循環配管2に接続される。薬液タンク9には、還元除染液であるシュウ酸水溶液が充填される。錯体生成剤注入装置13が、薬液タンク14、注入ポンプ15及び注入配管17を有する。薬液タンク14は、注入ポンプ15及び弁16を設置した注入配管17によって循環配管2に接続される。薬液タンク14には、錯体生成剤である尿素水溶液が充填されている。
分解剤供給装置25は、薬液タンク26、注入ポンプ27及び注入配管29を有する。薬液タンク26は、注入ポンプ27及び弁28を設置した注入配管29によって配管39に接続される。薬液タンク26には、窒素酸化物である亜硝酸ナトリウムの水溶液が充填されている。分解剤注入装置30が、薬液タンク31、注入ポンプ32及び注入配管34を有する。薬液タンク31は、注入ポンプ32及び弁33を設けた注入配管34によって配管39に接続される。薬液タンク31には酸化剤である過酸化水素が充填される。
弁36をバイパスする配管44の両端が、循環配管2に接続される。配管44には、弁45、陽イオン交換装置20、弁46及び水質モニタ51がこの順に設置される。陽イオン交換装置20内には、陽イオン交換樹脂層が形成されている。陽イオン交換樹脂層の替りに陽イオン交換膜を設けてもよい。弁45、陽イオン交換装置20及び弁46をバイパスする配管47の両端が、配管44に接続される。弁48、冷却器21、混床樹脂塔22及び弁49が、この順に配管47に設置される。混床樹脂塔22は、内部に、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を充填している。
水質モニタ50は、図示されていないが、循環配管2を流れる除染液(酸化除染液及び還元除染液)の流量を測定する流量計、その除染液の温度を測定する温度計、その除染液の導電率を測定する導電率計、その除染液のpHを測定するpH計、及びその除染液をサンプリングするための、サンプリング弁を有するサンプリング管を有する。サンプリング管は循環配管2に接続される。水質モニタ51及び52も水質モニタ50と同じ構成を有する。
弁54を設けた配管53が、循環配管2と配管44との接合点と循環ポンプ18の間で循環配管2に接続される。配管53は、循環配管2への水の供給、及び循環配管2からの水の排出を行う。弁56を設けたベント管55が、配管39と循環配管2との接合点と、注入配管12と循環配管2との接合点との間で、循環配管2に接合される。
化学除染装置1を用いた本実施例の化学除染方法を、以下に説明する。化学除染対象部位57(図2参照)として、例えば、沸騰水型原子力プラントの原子炉圧力容器に接続された再循環系配管を想定する。沸騰水型原子力プラントの運転が停止された後、仮設配管である循環配管2の両端が化学除染対象部位57である再循環系配管に接続される。すなわち、化学除染装置1が再循環系配管に接続される。この再循環系配管の内面の化学除染を図1に示された手順に基づいて説明する。
本実施例の化学除染方法は、図1に示すように、化学除染対象部位57に接続された化学除染装置1を運転して循環配管2内の水を昇温する昇温工程S1、化学除染対象部位57の表面の酸化物を酸化除染液により酸化溶解する酸化除染工程S2、酸化除染工程S2において残留した酸化除染液の成分を分解して除去する酸化除染剤分解工程S3、化学除染対象部位57の表面の酸化物を還元除染液により還元溶解する還元除染工程S4、還元除染工程S4において残留した還元除染液の成分を分解し除去する還元除染剤分解工程S5、還元除染剤分解工程S5の後に還元除染液に含まれる溶解成分を除去する浄化工程S6、及び浄化工程S6終了後に循環配管2内の水を冷却する冷却工程S7を含んでいる。なお、還元除染工程S4及び還元除染剤分解工程S5を酸化除染工程S2の前に行ってもよい。また、酸化除染工程S2から浄化工程S6までの一連の工程は、化学除染対象部位57の除染の状況に応じて1回から複数回繰り返して行われる。
各工程の詳細を以下に説明する。
(a)昇温工程S1
化学除染対象部位57である、沸騰水型原子力プラントの再循環系配管に両端が接続されている循環配管2内に、弁54を開いて循環配管2に接続された配管53から水を注入する。循環配管2及び再循環系配管内が満水状態になったとき、弁54を閉じる。化学除染装置1の開閉弁35、弁36,37、及び開閉弁38を開いて、残りの全ての弁を閉じた状態にして循環ポンプ18を駆動する。循環配管2内の水は、循環配管2及び再循環系配管によって形成される閉ループ内を循環する。循環している水は、加熱器19により、90〜100℃(但し沸点未満)の範囲内の温度、例えば、90℃に加熱される。
(b)酸化除染工程S2
循環している水が設定温度(例えば、90℃)まで上昇したとき、弁6を開いて注入ポンプ5を駆動し、薬液タンク4内から過マンガン酸カリウムを、循環配管2内を流れる水に注入する。水質モニタ50が、循環配管2内を流れる過マンガン酸カリウム水溶液(酸化除染液)をサンプリングし、過マンガン酸カリウム濃度を検出する。循環配管2内への過マンガン酸カリウムの注入は、測定された過マンガン酸カリウムの濃度に基づいて制御装置(図示せず)が注入ポンプ5の回転速度を制御することによって行われる。過マンガン酸カリウムの注入量の制御は弁6の開度を調節して行ってもよい。水質モニタ50で検出した過マンガン酸カリウムの濃度が設定濃度(例えば、200ppm〜500ppmの範囲内のある濃度)になったとき、上記の制御装置が注入ポンプ5を停止し弁6を閉じる。
過マンガン酸カリウム水溶液に含まれる過マンガン酸カリウムの濃度は、以下のように調整してもよい。すなわち、循環配管2内を流れる水の量に基づいて上記の設定濃度に必要な過マンガン酸カリウムの薬液タンク4からの注入量を、
(注入量)=(過マンガン酸カリウム水溶液の過マンガン酸カリウム濃度)×(循環配管内を流れる水の量)/(薬液タンク内の過マンガン酸カリウム濃度)
によって予め算出する。注入ポンプ5を駆動して薬液タンク4から循環配管2内に過マンガン酸カリウムを注入し、この注入量が算出した過マンガン酸カリウムの注入量になったとき、注入ポンプ5を停止してもよい。
設定濃度の過マンガン酸カリウムを含む過マンガン酸カリウム水溶液が、循環配管2より、化学除染対象部位57である再循環系配管内に供給される。再循環系配管の内面の酸化除染を、この過マンガン酸カリウム水溶液を用いて、例えば、4〜8時間程度、実施する。これによって除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜内に含まれたクロム系酸化物を除去する。再循環系配管内の過マンガン酸カリウム水溶液は、循環配管2内に戻される。過マンガン酸カリウム水溶液は、循環配管2及び再循環系配管によって形成される閉ループ内を循環する。
(c)酸化除染剤分解工程S3
酸化除染工程S2が終了後、弁11を開いて注入ポンプ10を起動し、薬液タンク9から循環配管2内を流れている過マンガン酸カリウム水溶液内にシュウ酸を注入する。このとき、シュウ酸が注入された過マンガン酸カリウム水溶液内の過マンガン酸イオンは、モル数で5倍のシュウ酸と反応してマンガンイオン、二酸化炭素、水及び水素イオンに分解される。過マンガン酸イオンの分解のために、所定量(例えば、上記の分解反応に必要な量の1.5倍程度)のシュウ酸を注入する。
上記した所定量のシュウ酸の注入が終了したとき、注入ポンプ10を停止する。過マンガン酸イオンの分解が実際に完了したことは、水質モニタ50でサンプリングしたサンプリング水が、過マンガン酸特有の紫色から透明になることにより確認できる。
(d)還元除染工程S4
酸化除染剤分解工程S3が終了したとき、弁45,46を開いて弁36の開度を調節することによって循環配管2内を流れる水溶液を陽イオン交換装置20に供給する。水溶液に含まれるマンガンイオンは、陽イオン交換装置20内の陽イオン交換樹脂によって除去される。酸化除染剤分解工程S3の終了後も、薬液タンク9から循環配管2内へのシュウ酸の注入が継続して行われる。このシュウ酸の注入と並行して、弁16を開いて注入ポンプ15を起動して薬液タンク14から循環配管2内に尿素を注入する。
水質モニタ50が、循環配管2内を流れる水溶液をサンプリングしてこの水溶液に含まれているシュウ酸及び尿素のそれぞれの濃度を測定する。循環配管2内へのシュウ酸の注入は、測定されたシュウ酸の濃度に基づいて上記の制御装置が注入ポンプ10の回転速度を制御することによって行われる。シュウ酸の注入量の制御は弁11の開度を調節して行ってもよい。水質モニタ50で測定したシュウ酸の濃度が設定濃度になったとき、その制御装置が注入ポンプ10を停止し弁11を閉じる。
循環配管2内を流れる水溶液に含まれるシュウ酸の濃度は、酸化除染剤分解工程S3で過マンガン酸イオンの分解に消費されるシュウ酸の量を加味して以下のように調整してもよい。すなわち、循環配管2内を流れる水溶液の水の量に基づいてシュウ酸の薬液タンク9からの注入量を、
(注入量)={(酸化工程で注入した過マンガン酸カリウム濃度の5倍モル量)+(循環配管内を流れる水溶液のシュウ酸濃度)}×(循環配管内を流れる水の量)/(薬液タンク内のシュウ酸の濃度)
によって予め算出する。注入ポンプ10を駆動して薬液タンク9から循環配管2内にシュウ酸を注入し、この注入量が算出したシュウ酸の注入量になったとき、注入ポンプ10を停止してもよい。
還元除染工程S4で循環配管2内を流れるシュウ酸及び尿素を含む水溶液におけるシュウ酸濃度は、10ppm〜2000ppm、好ましくは100ppm〜1000ppmであることが望ましい。Fe3+とシュウ酸イオンとの錯生成係数に基づいて算出した、尿素を含まないシュウ酸水溶液内で生成されるFe3+のシュウ酸錯体[Fe(C3−の全鉄量に対する割合は、その水溶液のシュウ酸濃度に対して図3に示すように変化する。図3から明らかであるように、シュウ酸濃度が低くなるほど[Fe(C3−の割合が減少する。しかし、シュウ酸濃度が低くなると鉄系酸化物の溶解性が悪くなるため、本実施例においてはシュウ酸の濃度範囲は上記の範囲が望ましい。
循環配管2内への尿素の注入は、水質モニタ50で測定された尿素の濃度に基づいて行われる。すなわち、尿素の注入は、測定された尿素の濃度に基づいて上記の制御装置が注入ポンプ15の回転速度を制御することによって行われる。尿素の注入量の制御は弁16の開度を調節して行ってもよい。水質モニタ50で測定した尿素の濃度が設定濃度(1000ppm〜2000ppmの範囲内のある濃度)になったとき、その制御装置が注入ポンプ15を停止し弁16を閉じる。
循環配管2内を流れる水溶液に含まれる尿素の濃度は、以下のように調整してもよい。すなわち、循環配管2内を流れる水溶液に含まれる水の量に基づいて上記した尿素の設定濃度に必要な尿素の薬液タンク14からの注入量を、
(注入量)=(循環配管内を流れる水溶液中の尿素濃度)×(循環配管2内を流れる水の量)/(薬液タンク内の尿素濃度)
によって予め算出する。注入ポンプ15を駆動して薬液タンク14から循環配管2内に尿素を注入し、この注入量が算出した尿素の注入量になったとき、注入ポンプ15を停止してもよい。
シュウ酸及び尿素を含む水溶液(還元除染液)は、循環配管2を通して化学除染対象部位57である再循環系配管内に供給される。シュウ酸及び尿素を含む水溶液(還元除染液)を用いた再循環系配管に対する還元除染は、例えば4〜15時間程度行われる。シュウ酸及び尿素を含む水溶液は、再循環系配管から循環配管2内に戻され、循環配管2及び再循環系配管によって形成される閉ループ内を循環する。シュウ酸及び尿素を含む水溶液に含まれたシュウ酸及び尿素の各濃度は、それぞれの設定濃度に保たれている。その還元除染によって、化学除染対象部位57(例えば、再循環系配管)の炉水に接触する表面に形成された酸化皮膜に含まれる鉄系酸化物が除去される。
還元除染時において、化学除染対象部位57から循環配管2に戻されたシュウ酸及び尿素を含む水溶液の一部は、循環配管2から配管44に流入し、陽イオン交換装置20に導かれる。還元除染によって化学除染対象部位57から溶出されてその水溶液に含まれたマンガンイオン、Fe2+イオン及びFe3+が、陽イオン交換装置20に充填された陽イオン交換樹脂よって除去される。
還元除染液に含まれるシュウ酸の作用によって化学除染対象部位57、すなわち、再循環系配管の内面に形成された酸化皮膜から還元除染液中に溶出したFe3+が、還元除染液に含まれる尿素と次式に示すような反応を生じる。この結果、還元除染液内には、反応物として水溶性のヘキサ尿素鉄錯体([Fe(CON3+)が生成される。
Fe3++6(NHCO→[Fe(CON3+
[Fe(CON3+は、水溶液である還元除染液内で陽イオンとして存在する。このため、陽イオン交換装置20内の陽イオン交換樹脂が、陽イオンであるヘキサ尿素鉄錯体を吸着して還元除染液から除去する。
還元除染液からのヘキサ尿素鉄錯体の除去の度合いは、水質モニタ50で測定された、陽イオン交換装置20に供給される前の還元除染液に含まれるヘキサ尿素鉄錯体の濃度と、水質モニタ51で測定された、陽イオン交換装置20を通過した還元除染液に含まれるヘキサ尿素鉄錯体の濃度との差に基づいて求めることができる。
(e)還元除染剤分解工程S5
還元除染工程S5が終了した後、弁40,41を開いて分解槽23,24への還元除染液の供給を開始し、弁37の開度を調節して分解槽23,24への還元除染液の供給量を制御する。弁28を開いて注入ポンプ27を駆動し、薬液タンク26から注入配管29を通して分解槽23の上流側の配管39に、亜硝酸ナトリウム水溶液を注入する。この亜硝酸ナトリウム水溶液は、分解槽23に導かれる。還元除染液に含まれる尿素((NHCO)は、分解槽23内で、触媒の作用により亜硝酸ナトリウムの亜硝酸(NO )と次式に示す反応を生じ、二酸化炭素(CO)、窒素(N)及び水(HO)に分解される。
(NHCO+2NaNO→ CO+2N+CO+HO+2NaOH
尿素を分解するときには温度を160℃以上にする必要がある。このため、本実施例では、還元除染剤分解工程S5の期間中、分解槽23に供給される還元除染液の温度が160℃になるように、加熱器19によって還元除染液が加熱される。注入された亜硝酸ナトリウムを含む160℃の還元除染液が分解槽23に供給され、上記したように、尿素が分解槽23で分解される。
なお、尿素は、亜硝酸イオン以外の酸化剤、例えば酸素(O)と、触媒の作用により次式に示す反応を生じ、二酸化炭素(CO)と窒素(N)、水(HO)に分解される。
2(NHCO+3O→2CO+2N+4H
このため、薬液タンク26に亜硝酸ナトリウム水溶液の替りに酸素を充填し、この酸素を分解槽23の上流側の配管39に供給してもよい。
前述の亜硝酸ナトリウムによる尿素の分解を開始するとき、弁33を開いて注入ポンプ32を駆動し、薬液タンク31から注入配管34を通して、分解槽23と分解槽24の間で配管39に過酸化水素を注入する。この過酸化水素は、還元除染液に添加されて分解槽24導かれる。160℃の還元除染液に含まれるシュウ酸((COOH))は、分解槽24内で、触媒の作用により過酸化水素(H)と次式に示す反応を生じ、二酸化炭素(CO)と水(HO)に分解される。
(COOH)+H → 2CO+2H
水質モニタ52は、分解槽24の下流で配管39内を流れる水溶液に含まれる尿素及びシュウ酸のそれぞれの濃度を測定する。前述した制御装置は、水質モニタ52で測定した尿素濃度及びシュウ酸濃度を入力し、尿素の分解率が小さい場合には注入ポンプ27の回転速度を増大させて亜硝酸ナトリウム水溶液の注入量を増大させ、シュウ酸の分解率が小さい場合には注入ポンプ32の回転速度を増大させて過酸化水素の注入量を増大させる。
分解槽23への亜硝酸ナトリウムの供給量、及び分解槽24への過酸化水素の供給量は、以下のように調節してもよい。水質モニタ52で測定した尿素の濃度に基づいて、この濃度の尿素の分解に必要な亜硝酸ナトリウムの供給量を、
(亜硝酸ナトリウムの注入流量)=2×(分解槽23に供給される水溶液に含まれる尿素のモル濃度)×(分解槽23を流れる水溶液の流量)/(薬液タンク内の亜硝酸ナトリウムのモル濃度)
によって予め算出する。注入ポンプ27を駆動して薬液タンク26から配管39内に供給する亜硝酸ナトリウムの量を、算出した亜硝酸ナトリウムの供給量に基づいて制御する。
水質モニタ52で測定したシュウ酸の濃度に基づいて、この濃度のシュウ酸の分解に必要な過酸化水素の供給量を、
(過酸化水素の注入流量)=(分解槽24に供給される水溶液に含まれるシュウ酸のモル濃度)×(分解槽24を流れる水溶液の流量)/(薬液タンク内の過酸化水素のモル濃度)
によって予め算出する。注入ポンプ32を駆動して薬液タンク31から配管39内に供給する過酸化水素の量を、算出した過酸化水素の供給量に基づいて制御する。
分解槽23での尿素の分解及び分解槽24でのシュウ酸の分解によって循環配管2内を流れる水溶液に含まれる尿素及びシュウ酸のそれぞれの濃度が水質モニタ52でのそれぞれの検出限界(例えば尿素及びシュウ酸ともに10ppm程度)まで減少したとき、注入ポンプ27を停止して弁28を閉じて亜硝酸ナトリウムの配管39への注入を停止し、注入ポンプ32を停止して弁33を閉じて過酸化水素の配管39への注入を停止する。
亜硝酸ナトリウム及び過酸化水素の注入停止を同時に行う必要はなく、尿素及びシュウ酸の一方の濃度が先に検出限界まで減少した場合には、先に検出限界まで減少した薬液(亜硝酸ナトリウムまたは過酸化水素)の注入を先に停止してもよい。
亜硝酸ナトリウム及び過酸化水素の配管39への注入が停止されたとき、弁40,41を閉じて分解槽23,24への通水を停止する。
(f)浄化工程S6
還元除染剤分解工程S5が終了した後、弁45,46を閉じるとともに、弁48,49を開いて循環配管2内を流れている水(循環水であり、シュウ酸及び尿素を含む水溶液内のシュウ酸及び尿素が分解されて残った水)を混床樹脂塔22に供給する。還元除染工程S4及び還元除染剤分解工程S5において陽イオン交換装置7で除去されなかった、循環配管2内を流れている循環水に含まれる溶出物及び除染剤の残りを、混床樹脂塔22で除去する。混床樹脂塔22に充填された陰イオン交換樹脂は高温で劣化しやすいので、混床樹脂塔22に供給される循環水は、冷却器21によって設定温度(例えば約60℃)以下に冷却される。この浄化工程は、例えば6時間から12時間程度実施される。
化学除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜に取り込まれているクロム濃度が低い場合(水素注入を行っていない場合)は、酸化除染工程S2、酸化除染剤分解工程S3、還元除染工程S4、還元除染剤分解工程S5及び浄化工程S6の一連の手順のうち、酸化除染工程S2及び酸化除染剤分解工程S3を省略してもよい。化学除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜に取り込まれたクロム濃度が水素注入運転等によって高められている場合は、酸化除染工程S2及び酸化除染剤分解工程S3を含む手順で化学除染を行う。
以上に述べた酸化除染工程S2、酸化除染剤分解工程S3、還元除染工程S4、還元除染剤分解工程S5及び浄化工程S6の一連の手順は、化学除染対象部位57の表面線量率に応じて、1回から複数回実施される。
(g)冷却工程S7
浄化工程S6の終了後、加熱器19への通水を停止し、加熱器19と並列に配置されて循環配管2に接続された冷却器(図示せず)に循環配管2内を流れる循環水を供給する。この循環水は、冷却器によって室温(例えば、20℃)まで冷却される。循環水が室温まで冷却された後、循環ポンプ18を停止し、開閉弁35,38を閉じて弁54を開にして化学除染装置1内の水を、配管53を通して排出する。
冷却工程S7における循環水の冷却を浄化工程S6において行ってもよい。この場合には、化学除染期間をより短縮できる。
冷却工程S7が完了すると、化学除染対象部位57を対象にした化学除染が終了する。化学除染対象部位57である再循環系配管に接続されている循環配管2が、再循環系配管から取り外される。
本実施例によれば以下に記載した効果を得ることができる。
還元除染液に含まれたシュウ酸が化学除染対象部位57である再循環系配管の内面に接触することによって、再循環系配管の内面に形成された酸化皮膜から還元除染液にFe3+が溶出する。このFe3+は還元除染液に含まれた尿素と反応して水溶性の陽イオンであるヘキサ尿素鉄錯体([Fe(CON3+)になる。陽イオンのヘキサ尿素鉄錯体は陽イオン交換装置20内の陽イオン交換樹脂によって除去される。したがって、還元除染によって還元除染液に溶出するFe3+は、ヘキサ尿素鉄錯体の形態で容易に除去することができる。本実施例は、溶出したFe3+を還元除染工程で効率良く除去できる。
本実施例では、シュウ酸及び尿素を含む還元除染液を用いて還元除染を行うので、化学除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜(マグネタイト)の溶解によって溶出した鉄イオンと尿素が化合物を形成する。[Fe(CON3+が生成されるので、溶出したFe3+がFe2+になってシュウ酸鉄(II)塩が生成されることを抑制できる。したがって、シュウ酸鉄(II)塩の、除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜表面への付着を抑制できる。これは、除染対象部位57の還元除染に要する時間を短縮することになり、ひいては化学除染の所要時間を短縮することになる。
尿素を用いないで溶出したFe3+を除去するためには、Fe3+を紫外線照射によりFe2+に還元し、このFe2+を陽イオン交換装置20内の陽イオン交換樹脂で除去する必要がある。本実施例は、還元除染液が尿素を含んでいるので、溶出したFe3+を含む還元除染液に紫外線を照射する必要がない。したがって、本実施例では、Fe3+が還元除染工程で除去されるので、Fe3+をFe2+に還元する工程が不要であり、化学除染に要する時間を短縮できる。
本実施例の化学除染方法によれば、酸化除染液として過マンガン酸カリウム水溶液、及び還元除染液として尿素及びシュウ酸を含む水溶液を、化学除染対象部位57の表面に形成された酸化皮膜に交互に接触させて除染することにより、放射性物質を効率良く除去することができる。
本実施例は、シュウ酸を、触媒及び酸化剤を用いて分解することができ、さらに、尿素を、触媒及び窒素酸化物(例えば、亜硝酸ナトリウム)を用いて分解することができる。シュウ酸は二酸化炭素及び水に分解され、尿素は二酸化炭素、窒素、水に分解される。このようなシュウ酸及び尿素の分解によって、陽イオン交換装置20内の陽イオン交換樹脂で除去する陽イオンの量を減らして陽イオン交換樹脂の寿命を伸ばすことができる。このため、陽イオン交換樹脂の廃棄物(放射性廃棄物)量を減らすことができる。
本実施例は、BWRプラントの再循環系配管だけでなく原子炉圧力容器に連絡される原子炉浄化系の浄化系配管の化学除染にも適用することができる。
本発明の他の実施例である実施例2の化学除染方法を、図6を用いて説明する。本実施例の化学除染方法に用いられる化学除染装置1Aは、実施例1で用いられる化学除染装置1にpH調整剤注入装置60を追加した構成を有する。化学除染装置1Aの他の構成は、化学除染装置1と同じである。pH調整剤注入装置60が、薬液タンク61、注入ポンプ62及び注入配管64を有する。薬液タンク61は、注入ポンプ62及び弁63を設置した注入配管64によって循環配管2に接続される。薬液タンク61には、pH調整剤であるヒドラジンが充填されている。
本実施例の化学除染方法においても、実施例1の化学除染方法と同様に、昇温工程S1、酸化除染工程S2、酸化除染剤分解工程S3、還元除染工程S4、還元除染剤分解工程S5、浄化工程S6及び冷却工程S7が順次行われる。
本実施例の化学除染方法では、還元除染工程S4において、シュウ酸、尿素及びヒドラジンが循環配管2内に注入される。シュウ酸及び尿素の循環配管2内への注入は、実施例1と同様に行われる。ヒドラジンを注入する場合には、弁63を開いて注入ポンプ62を駆動し、薬液タンク61内からヒドラジンを、循環配管2内を流れる水溶液に注入する。本実施例では、化学除染対象部位57に供給される還元除染液は、ヒドラジンも含んでいる。ヒドラジンは、化学除染対象部位57に供給される還元除染液のpHが例えば2.5になるように、循環配管2内への注入量を制御する。還元除染工程S4では、シュウ酸、尿素及びヒドラジンを含む還元除染液を用いて、化学除染対象部位57、例えば、再循環系配管の内面の還元除染を実施する。
還元除染工程S4が終了した後、還元除染剤分解工程S5が実施される。還元除染剤分解工程S5では、還元除染液に含まれるシュウ酸及び尿素が、実施例1と同様に、分解される。還元除染液に含まれるヒドラジンは、酸化剤である過酸化水素が供給される分解槽24内で触媒の作用によって、窒素及び水に分解される。
本実施例の化学除染方法によれば、実施例1の化学除染方法で生じる各効果を得ることができる。しかしながら、還元除染液がpH調整剤であるヒドラジンを含んでいるので、還元除染に要する時間は、ヒドラジンを含んでいない還元除染液を用いる実施例1の化学除染方法のその時間よりも長くなる。しかしながら、本実施例は、シュウ酸及びヒドラジンを含んで尿素を含んでいない還元除染液を用いる場合に比べて還元除染に要する時間を短縮することができる。
実施例1及び2では、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物として尿素を用いたが、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物は尿素に限定されない。Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物として尿素以外の化合物を使用する場合は、その化合物を分解する分解剤としては亜硝酸ナトリウムではなく、その化合物を分解するのに適した物質を用いる。Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物としては、尿素以外に、N,N’−ジアリチデンエチレンジアミン(Salen:C1616)を用いることができる。N,N’−ジアリチデンエチレンジアミンを用いた場合には、分解剤として亜硝酸ナトリウムの替りに過酸化水素を用いる。N,N’−ジアリチデンエチレンジアミンの分解にも、尿素の場合と同様な触媒を用いる。
上記した各実施例は、沸騰水型原子力プラントだけでなく、加圧水型原子力プラント及び核燃料再処理プラント等の原子力施設における配管等の除染に適用してもよい。
本発明は、沸騰水型原子力プラント、加圧水型原子力プラント及び核燃料再処理プラント等の原子力施設における配管等の除染に適用することができる。
1,1A…化学除染装置、2…循環配管、3…酸化除染液注入装置、4,9,14,26,31,61…薬液タンク、5,10,15,27,32,62…注入ポンプ、8…還元除染液注入装置、13…錯体生成剤注入装置、18…循環ポンプ、19…加熱器、20…陽イオン交換装置、23,24…分解槽、25,30…分解剤供給装置、57…化学除染対象部位、60…pH調整剤注入装置。

Claims (8)

  1. 放射性核種に汚染された金属部材の表面から前記放射性核種を除去する化学除染法において、
    前記金属部材の表面に還元除染液を接触させて前記金属部材を還元除染する還元除染工程、及び前記金属部材の表面に酸化除染液に接触させて前記金属部材を酸化除染する酸化除染工程を含み、
    前記還元除染液が、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物、及びシュウ酸を含んでいることを特徴とする化学除染方法。
  2. 前記Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物が尿素である請求項1に記載の化学除染方法。
  3. 前記還元除染工程で前記金属部材の表面に接触した前記還元除染液を陽イオン交換樹脂に接触させ、前記還元除染液に含まれている前記陽イオン錯体を前記陽イオン交換樹脂によって除去する請求項1または2に記載の化学除染方法。
  4. 前記還元除染液による還元除染が終了した後、前記還元除染液に含まれる、シュウ酸、及びFe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する化合物を分解する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化学除染方法。
  5. 前記シュウ酸の分解が、酸化剤の存在下で触媒によって行われる請求項4に記載の化学除染方法。
  6. 前記還元除染液による還元除染が終了した後、前記還元除染液に含まれる前記尿素の分解が、窒素酸化物の存在下で触媒によって行われる請求項2に記載の化学除染方法。
  7. 前記還元除染液が、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する前記化合物、及びシュウ酸以外に、pH調整剤を含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化学除染方法。
  8. 前記還元除染液が、Fe3+と水溶性の陽イオン錯体を形成する前記化合物、及びシュウ酸以外に、pH調整剤を含んでおり、前記pH調整剤の分解が、酸化剤の存在下で触媒によって行われる請求項4に記載の化学除染方法。
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