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JP2010260115A - 繊維強化複合材料用穴あけ工具 - Google Patents

繊維強化複合材料用穴あけ工具 Download PDF

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JP2010260115A
JP2010260115A JP2009110829A JP2009110829A JP2010260115A JP 2010260115 A JP2010260115 A JP 2010260115A JP 2009110829 A JP2009110829 A JP 2009110829A JP 2009110829 A JP2009110829 A JP 2009110829A JP 2010260115 A JP2010260115 A JP 2010260115A
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JP2009110829A
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Junya Okita
淳也 沖田
Hideki Moriguchi
秀樹 森口
Naohiro Nakamura
直宏 中村
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Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】加工穴径が大きい場合にもバリや繊維層の剥離を抑制し、なおかつ、びびり振動なども抑えて、高品位の加工穴を能率よく得ることができる繊維強化複合材料用の穴あけ工具を実現して提供することを課題としている。
【解決手段】本体部4の先端に回転中心Cよりも径方向外側に偏って軸方向前方に延び出す刃部3aが形成され、その刃部3aに切れ刃7が形成されて本体部先端の回転中心部に切れ刃が存在せず、前記刃部3aの最先端と最外周との間に設けられる切れ刃7が刃部3aの最先端から最外周に向かうにつれて刃部の基端側に向かって傾斜している構造にした。
【選択図】図1

Description

この発明は、炭素繊維等の補強繊維とマトリックス樹脂を含んだ繊維強化プラスチックス(FRP)材などの繊維強化複合材料に穴をあけるための工具に関する。
FRP、特に、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、比強度、比弾性率が大きいことから、近年、航空機や車両の構造体などに多用される傾向にある。このようなFRP材を用いて構造体を構成する場合、通常はFRP部材に穴を開け、ボルトやリベットで接続して使用しており、このため、例えば、航空機部品のような構造体にFRP材を利用するには、多くの穴あけ加工を必要とする。
FRP材の穴あけにおいては、図12に示したように、穴の出口部分において繊維の毛羽立ちが生じやすく、また、積層構造のFRP材は層間で剥離が生じやすいなど、加工品位上の問題が起こりやすい。
その一方で、用途が航空機等の構造体である場合には特に、高い加工品位が求められる。従って、上で述べた品質上の問題の回避が極めて重要である。また、高強度のCFRP材などでは工具刃先の摩耗進行が速く、結果として、加工品位を維持するために工具交換を早めることとなり、製品コストに占める工具費の上昇を招いているのが実情である。
このような問題を回避するために、これまでにもいくつかの改善策が提案されている。例えば、下記特許文献1では、ドリルのねじれ溝を、正捩れ方向と反対方向に形成する(逆捩れにする)とともに、ドリル先端の切れ刃を、内周側と外周側とがそれらの中間部で交叉するV字状に形成することを提案している。このドリルは、まず、ねじれ溝を逆捩れとすることですくい角を負にしてFRP中の繊維を押し切るような切削形態を作り出し、V字型の切れ刃形状によって加工中の振動を抑制しながら切削することで、穴周りの縁におけるバリ、むしれなどを抑制できるとしている。しかしながら、特許文献1の手法の場合、加工時の負荷がドリル切れ刃の外周へ集中するため、同部において摩耗やチッピングが生じやすい。さらに、同部において一挙に穴縁が形成されるため、刃先に損傷がある場合には特に、発生したバリ、毛羽立ちをそれ以上除去することができず、そのため、良好な加工品位を維持することが難しい。
そこで発明者らは、特許文献2のように、ボールエンドミルまたはラジアスエンドミルを用い、通常のドリルなどと同じように、主軸周りの回転と軸方向の送り運動により穴あけを行う加工方法を提案した。これにより、FRP材の穴周りのバリや剥離の抑制が可能であり、良好な加工品位が得られる。しかしながら、この方法は、比較的径の小さい穴に対しては非常に有効であるが、穴の直径が10mmを越えるような加工になると、工具が被削材(ワーク)に与える軸方向の力(スラスト力)が大きくなりやすく、そのために、ボールエンドミルを用いてもバリ等の抑制が十分にできないことが分かってきた。加えて、ボールエンドミルによる穴あけでは、びびり振動も発生しやすく、このために、加工穴径が大きい場合には、さらなる対応が必要である。
なお、大径穴加工でのスラスト力増大は、例えば、特許文献3のように、切れ刃の半径方向での存在割合が少ない工具を用いることで回避可能と考えられる。同文献はこのようなことについては言及していないが、スラスト力の低減効果を内包していると推測される。
特許第2699527号公報 特開2009−39810号公報 特開平02−237707号公報
特許文献3に記載された工具形状は、切れ刃の最先端が外周寄りに位置する。この形態の場合、最終的な穴仕上がり箇所の穴縁近傍から加工がなされるので、最初に同部に大きなスラスト力が作用する。このため、図13の模式図のように、穴仕上がり箇所の内外(穴の外周部と被削材に押し付け圧が加わらない穴縁よりも外側)で、被削材に加わる圧力に大きな差が生じ、穴の周囲において繊維層の剥離が発生する。この剥離は、当初から最終的な加工径の周囲で発生することになり、これ以上穴径が拡大することがないため、その後の加工でも取り除くことができない。
この発明は、繊維強化複合材料用の穴あけ工具、特に加工穴径が大きい場合にもスラスト力を抑制してバリや繊維層の剥離を抑制し、なおかつ、びびり振動なども抑えて、高品位の加工穴を能率よく得ることができる穴あけ工具を実現して提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明の穴あけ工具は、本体部先端の回転中心よりも径方向外側に偏って軸方向前方に延び出す刃部が形成され、その刃部に切れ刃が形成されて本体部先端の回転中心部に切れ刃が存在せず、前記刃部の最先端と最外周との間に設けられる切れ刃が前記刃部の最先端から最外周に向かうにつれて刃部の基端側(シャンクに近い側)に向かって傾斜していることを特徴としている。
この穴あけ工具は、前記刃部の最先端よりも内周側には切れ刃が存在せず、さらに、同工具の先端の端面視(軸方向視図)において、1つの切れ刃が占める工具端面視での長さの割合が、工具半径の50%以下であることが有効である。また、刃部の先端から外周側に向かって先端角を段階的に又は徐々に減少させること、さらには、外周での先端角を60°以下、切れ刃の逃げ角を15°以上とすることが望ましい。
このほか、工具の軸心部に切屑の吸引回収や圧送排出のための貫通穴を設けること、切れ刃部を焼結ダイヤモンドなどの硬質焼結体で構成すること、或は、超硬合金で構成される基材の表面に気相成長法によるダイヤモンドコーティング層を施し、成膜後に刃先の研磨処理を行って切れ刃部を構成することも有益である。
繊維強化複合材料の穴あけ用工具を、本体部先端の回転中心部に切れ刃が存在しない構造にすることで、被削材の削り代が通常のドリル等による加工に比べて少なくなり、加工品位に大きな影響を与えるスラスト力を低減することが可能になる。このことは駆動力の小さいエア駆動式の加工装置を用いる場合にも有利である。また、繊維強化複合材料の切削では切屑が粉状になるため作業環境が悪化するが、この工具であれば削り代の減少により切屑の量自体を削減することができる。
この効果は特に、1つの切れ刃が占める工具端面視での半径方向の長さの割合が、工具半径の50%以下である場合に得られやすい。また、回転中心部に刃がないので本体の軸心部に大きな穴をあけることができ、その穴を排出通路にして粉状の切屑を吸引回収、或は圧送排出することも可能である。
また、刃部の最先端と最外周との間に最先端から最外周に向かうにつれて刃部の基端側に向かう切れ刃を有していることで、穴の貫通開始時はまず最終的な加工径よりも小さな穴となる。そしてそこから徐々に加工径が大きくなるため、仕上げ加工的な効果が得られる。しかもこのときには仕上げ代となる領域にもスラスト力が加わり、刃部の最先端が被削材を貫通した後は加工領域が次第に狭くなって繊維層にかかる圧力が漸減するため、仕上げ代部分の繊維層が剥離しにくい。
よって工具が被削材を貫通し始める際の大きなバリや剥離が発生しにくい。穴貫通時に大きなバリや剥離が一旦発生すると、その後、いくら仕上げ加工を行っても除去しきれないケースが多く、この発明の工具はこれを防ぐことで良好な加工品位を得ることができる。
なお、刃部の最先端よりも内周側に切れ刃がない工具は、スラスト力の低減により穴貫通時のバリ、剥離の問題を回避する効果が高く、被削材を貫通し始める際の品位をさらに良好に保つことができる。
また、刃部の先端から外周側に向って先端角を減少させた工具は、外周の先端角が同一になっている先端角一定の工具に比べて軸方向の切れ刃長が短くなるので、加工時間の短縮やビビリ振動の抑制が図れる。
さらに、前述の仕上げ効果は、特に外周での先端角が60°以下に設定された工具で顕著になる。また、CFRP材は特に、弾性復元量が大きいため、穴の仕上げ面が工具の逃げ面に接触しやすい。そうなると逃げ面の摩擦による加工品位の低下が考えられるようになるが、逃げ角を15°以上にしたものは、被削材がCFRPのときにも想定される被削材の弾性復元量に対応できる逃げ面の逃げ量が確保され、逃げ面の摩擦による加工品位の低下が起こりにくい。
このほか、この発明の工具は、切れ刃の径方向長さが通常のドリルやエンドミルに比べて短い。よって、特に薄い被削材を加工するときに発生しやすいびびり振動も効果的に抑制することができる。
さらに、切れ刃が短いため、焼結ダイヤモンド材(PCD材)のような高価な刃具材料を鑞付けして使用しても工具のコストを抑えることができる。また、CFRP材の加工ではダイヤモンドコーティング工具がよく用いられるが、耐摩耗性向上のためにコーティング層の膜厚を厚くしたものは刃先丸味が大きくなって切れ味が低下することが問題となる。一般的なドリルのような形状の場合、研磨加工で刃先を尖らせるのは難しいが、この発明の工具は刃長が短く、しかも単純形状であるので、成膜後に刃先を磨いて鋭利にすることも可能である。これにより長寿命かつ高品位加工が可能な工具を提供することができる。
この発明の穴あけ工具の第1の形態の概要を示す平面図 図1の穴あけ工具の側面図 (a)〜(c)は刃形の具体例を示す正面図 図3(a)〜図3(c)のX−X及びY-Y線に沿った切れ刃部の拡大断面図 この発明の穴あけ工具の第2の形態の概要を示す平面図 図5の穴あけ工具の先端側の端面図 この発明の穴あけ工具の第3の形態の要部の拡大断面図 (a)この発明の穴あけ工具による穴加工の初期の状態を示す図、(b)穴加工が途中まで進行した状態を示す図 この発明の穴あけ工具による穴加工でくり抜かれた被削材の側面形状と平面形状を示す図 実施例の発明品6で加工した穴の性状を示す図 実施例2で測定したスラスト力の変化を示す図 通常の工具でFRP材に穴を加工したときに穴の縁に発生したバリを示す図 特許文献3の工具でFRP材に穴を加工したときに繊維層に対してスラスト力が作用する状態を示す模式図
以下、添付図面の図1〜図11に基づいて、この発明の穴あけ工具の実施の形態について説明する。図1及び図2は、第1の形態の穴あけ工具のほぼ全体の概要を示している。この穴あけ工具は、刃先交換型のボーリングバイトにこの発明を特徴づける刃部を追加工して構成したものであって、鋼製の断面円形のシャンク1の先端に設けられたヘッド部2に、超硬合金製の刃具3が着脱自在に装着されている。
この工具は、ヘッド部2に対する刃具3の締結が、押え具5とクランプねじ6を用いて行なわれているが、取り付け穴を有する刃具をヘッド部2にクランプねじを用いて直接固定しても構わないし、シャンク1とヘッド部2と刃具3の3者から成る本体部4を一体に形成することも許容される。
例示の工具の刃具3は、本体部4の中心軸(回転中心)Cから偏心して取り付けられており、同中心軸Cから刃具3に形成された刃部3aの最外周までの半径方向の距離Lが加工穴の半径となる。図3(a)のWは刃幅である。この刃幅Wは、刃部3aの強度なども考慮する必要があるが、その値は、工具半径の50%以下が好ましい。
刃部3aの先端形状(刃形)は、図3に示すように数種類のパターンがある。同図は、刃部3aをすくい面側から見たものであり、一般的なドリルでの定義と同じく、図中θ{図3(c)はθ1、θ2}で表した角度の2倍の角度がこの発明での先端角である。
図3(a)の刃形は、刃部3aの最先端が刃部3aの径方向の内端と外端との間にあり、最先端を境にした外周側と内周側の双方に切れ刃7が存在する。刃部3aの最先端と最外周との間に設けられる切れ刃7は、刃部3aの最先端から最外周に向かうにつれて刃部の基端側(シャンクに近い側)に向かって角度θ傾斜しており、その傾斜の角度によって先端角2×θが決まる。その先端角2×θは、仕上げ効果を高めるために60°以下にするのがよい。
図3(b)は、刃部3aの内周側が最先端に突き出る形に加工されており、最先端よりも外周側のみに、刃部3aの最先端から最外周に向かうにつれて刃部の基端側に向かって傾斜した切れ刃7が存在する。さらに、図3(c)は、先端角を内周側では2×θ1、外周側では2×θ1よりも小さい2×θ2の2段階に設定している。この図3(c)の刃形は、先端角一定の図3(b)の形状に比べて、外周側の先端角を同一に保ちながら切れ刃7の軸方向長さを短縮することができ、それによる加工時間の短縮や、びびり振動の抑制が期待できる。
図3(c)の刃形の先端角は、切れ刃7を曲線の切れ刃にして内周側から外周側に向って先端角が徐々に小さくなるように変化させることも可能である。その先端角は外周部の2×θ2を60°以下にするとよい。
なお、いずれの形状も、刃部3aの最先端の小領域wのすくい面側から見た切れ刃稜線は、欠損対策のために面取りやホーニングによって強化処理することが許容される。その強化処理した最先端から外周にかけて切れ刃7を刃部3aの基端側に向かう形で延在させる。ここで、刃部3aの最先端に例えばすくい面側から見て、内周側に傾斜した面取りを設ける、あるいはRホーニング処理で丸みをつけると、厳密には刃部の最先端よりも内周側に微小長さの刃が存在することになるが、この発明では、刃部3aの内周側を刃部の最先端に配置する図3(b),(c)の形態については、その部分も刃先の最先端とみなす。切れ刃7は、加工後の仕上げ面との接触を避けるために、図4の断面図に示す逃げ角γを付与している。
本実施例は、刃部3aを中心軸Cの片側のみに設けて工具を1枚刃の形態にしているが、同様の刃部3aを周方向に定ピッチで複数設けて中心軸C基準で対称形状の2枚刃工具やそれ以上の刃を有する多刃工具として構成することもできる。ただし、CFRPなどの繊維強化複合材料を加工する場合、各刃に加わるスラスト力は1刃当たりの送り量を小さくしてもある程度のところで頭打ちになってそれ以下には小さくならないため、多刃構造にすると総スラスト力が大きくなり、かえって加工品位に悪影響を及ぼすことがある。よって、3枚刃以下の刃数とすることが望ましい。後述する他の実施形態の工具についても同様である。また、交換式刃具3に焼結ダイヤモンドなどの硬質焼結体を鑞付けしてその硬質焼結体で切れ刃を構成してもよい。
この発明の工具の第2の形態を図5、図6に示す。この第2の形態の穴あけ工具は、シャンク1を鋼材のパイプで形成している。そのシャンク1は、切屑ポケット8を形成するために先端側の一部分を除去している。そして、このシャンク1の先端の切屑ポケット8に面した突出部に、既述の切れ刃7を有する超硬合金や焼結ダイヤモンドで構成された刃具3を鑞付けなどで接合している。
この第2の形態の工具は、穴加工時にシャンク1が被削材と干渉しないように、シャンク1の外周面(パイプの外周面)を切れ刃7の径方向外端よりも内周側に配置し、シャンク1の内周面(パイプの内周面)は逆に切れ刃7の径方向内端よりも外周側に配置している。なお、シャンクの基端側で加工時に加工穴の内部に入り込まない部分については、上記のような関係を満たさなくてもよい。また、シャンク1の先端も、切れ刃7の先端よりも軸方向後方に後退させている。
この工具は、シャンク1を中空のパイプで構成しているので、吸引や圧送による気流を
シャンク1の中心部に設けた貫通穴9に通して切屑を強制吸引回収、強制圧送排出することが可能である。なお、この工具の刃部の先端は図3(b)と同様の形状にしたが、図3(a)や図3(c)のような先端形状であってもよい。また、刃具3の材質は、超硬合金のほか、焼結ダイヤモンドなどの硬質焼結体を鑞付けしたものであってもよい。
次に、第3の形態を図7に示す。この第3の形態の工具形状等は第1の形態と同じであるので図を省く。この第3の形態は、刃具3として、超硬合金製の基材3bに気相成長によるダイヤモンドコーティング層3cを施したものを使用している。
ダイヤモンドコーティング層3cは、膜厚が増加するにつれて刃先が丸みを帯びて鈍化し、それが加工品位低下の原因となることから、図7の断面形状のように、成膜後に切れ刃7の刃先を鋭利にする研磨処理(鎖線の鈍化部を除去する処理)を行って使用するとよい。基材についてはコーティング層の密着力を確保するために、Coバインダ量が8%以下のものを使用することが望ましい。
また、ダイヤモンドコーティング層3cの厚みは、薄すぎると耐摩耗性が低下し、研磨処理の効果も出にくいことから、おおむね10μm以上とすることが推奨される。研磨方法は、ダイヤモンド砥石による方法や、高速回転させたステンレス棒やCFRP材を押し付ける方法がある。
この発明の工具の性能評価試験を行った。その評価試験を以下に説明する。
評価に使用した穴あけ工具は、前述の第1の形態で説明したものである。その工具のシャンクは、住友電工ハードメタル製S12F−CKBR−16であり、交換可能な刃具は、KBMXR0311−05を使用し、刃先を追加工して表1に示す各種の諸元のものを準備した。刃具の材料はJIS K20種超硬合金である。
本体部の中心軸Cから切れ刃最外周までの半径方向距離L{図1(a)参照}は6mmであり、φ12mmの穴を加工する。刃幅W{図1(a)参照}は2mmであり、切れ刃の工具半径に占める工具端面視での長さの割合は50%以下(1/3)である。また、刃部の最先端における切れ刃稜線は、欠損対策としてすくい面側から見て穴半径方向(刃幅方向)20μm程度の領域wに面取りを施している。
準備した発明品の工具の諸元を表1に示す。発明品1は、図3(a)の刃形であり、2mmの刃幅のうち、径方向中央部が最も軸方向前方に突出している。発明品2〜5は、図3(b)の刃形であり、刃部の内周が最も軸方向前方に突出している。発明品6は先端角が2段の図3(c)の刃形であり、内周側の先端角2×θ1=90°、外周側の先端角2×θ2=40°となっている。
比較品は、一般的なツイストドリルを用意した。φ12mmのJIS Z20種超硬合金製のノンコートの2枚刃ドリルであり、先端角は140°、ねじれ角30°である。
被削材は、炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)の板材であり、面内方向に炭素繊維を有する単位層を8層接合し、全体厚みを2.78mmとしている。このCFRP材に対して厚み方向の穴あけを行った。そのときの加工条件は、切削速度100m/min、1刃当たり送り量fz=0.025mm/tooth、ドライ条件での貫通穴加工である。
図8に加工初期の様子と加工途中の様子を示す。穴外周部を円をなす状態に溝加工し、その加工部よりも内周部分が図9のようにくり抜かれる。このような加工は、切屑が粉状となる繊維強化複合材料を加工対象としているがゆえに実現できるものであり、金属のように連続した切屑が生成する被削材では、特に穴深さが大きくなると切屑詰まりを起こす可能性が高い。加工結果の評価として、加工1穴目の穴出口に発生するバリ(毛羽立ち)の最大長さ、および1刃当たりのスラスト力を表1に併せて示す。
表1からわかるように、発明品は比較品(従来ドリル)に対し、加工品位、スラスト力のいずれにおいても優位である。外周での先端角については、60°以下の発明品5,6が、バリが小さくて良好である。加工品位、スラスト力が最も良かった発明品6で被削材10に加工した穴11は、図10のようになっている。また、逃げ角については、15°以上で特にスラスト力が小さくなっており、15°以上とすることがスラスト力低減の効果が顕著に引き出されて望ましいことが分かる。
次に、切れ刃の工具半径方向に占める工具端面視での長さの割合の影響の検証結果を記す。使用した穴あけ工具は、図5、図6の第2の形態であり、シャンクは外径φ13.8mmの鋼パイプで形成し、その先端にK種超硬合金製の刃具を鑞付けしている。本体部の中心軸から切れ刃の径方向外端までの距離Lは7mmで、φ14mmの穴をあける。刃形は、図3(b)のタイプで、先端角θ=60°、逃げ角γ=15°とした。
この工具の切れ刃の、工具半径方向に占める工具端面視での長さの割合を変化させて実施例1と同一条件で、同一被削材に穴をあけた。なお、シャンクを構成するパイプの肉厚は刃幅よりも0.4mm小さくし、パイプの内周を切れ刃の径方向内端よりも外側に配置して加工時の被削材との干渉を回避する構造にした。
この工具を用いた加工でのスラスト力の測定結果を図11に示す。このように、切れ刃の、工具半径方向に占める工具端面視での長さの割合が50%を越えるとスラスト力が急増する傾向が見られた。
切屑の強制排出の効果について検証するため、実施例2と同様の工具で、工具端面視での切れ刃の長さの割合が工具半径の1/3に設定されたものを使用し、板厚12mmのCFRP材の穴あけを行った。
ここでは、通常の穴あけと、マシニングセンターの主軸を通して切屑吸引を行う形態の2通りを比較した。その結果、前者の通常の加工形態では、加工穴出口でのバリが最大で0.6mm程度あったが、切屑を吸引回収する後者の形態ではそのバリが0.2mm程度に抑制された。
板厚が厚くなる加工では特に、穴貫通前の円形溝に切屑が溜まりやすく、残留切屑が加工に悪影響を及ぼして穴貫通時にバリが発生しやすくなるが、切屑吸引を行うことで切屑が加工に与える悪影響が排除されて高加工品位の安定した維持が可能になる。
次に、刃具材質の影響を評価した結果を示す。この評価は、実施例1と同様のφ12mmの穴あけ試験によって行った。超硬合金製の刃具の先端に焼結ダイヤモンドを鑞付けしてそれに切れ刃を形成した穴あけ工具と、第3の形態のように、超硬合金の基材上にダイヤモンドコーティング層を施し、その後、研磨加工を行って切れ刃を鋭利にした穴あけ工具を比較した。
両工具とも、先端角θ=60°、逃げ角γ=15°とした。焼結ダイヤモンドの材質は、住友電工ハードメタル製のDA2200である。また、ダイヤモンドコーティング層は、ダイヤモンド粒子の平均粒径が約1μmであり、コーティング層の膜厚は約15μmとした。成膜後の切れ刃近傍に、CFRP材を削りだして作成した円柱を、すくい面側および逃げ面側から回転させながらおしつけて、切れ刃の研磨を行った。ダイヤモンドコーティング層を施した刃具の基材はJIS K01種超硬合金製である。
表2に、加工穴1穴目および30穴目のスラスト力と最大バリ長さを示す。
この表2から分かるように、発明品7〜9は、いずれも加工の初期は良好であるが、超硬合金の発明品7は30穴目の加工では摩耗によってバリ、スラスト力とも悪化している。これに対し、焼結ダイヤモンドおよびダイヤモンドコーティング層を刃具に採用した発明品8,9は、ともに30穴目の加工でも良好な状態を保っている。ダイヤモンドコートの刃先に研磨を施していない発明品10は1穴目の加工時点でバリが比較的大きく、穴の加工品位を良好にするには、刃先の鋭利性を高めることが重要であることがわかる。なお、発明品10は、経時摩耗によって刃先が初期よりも鋭利化されるため、1穴目よりも30穴目でのバリがむしろ減少している。
1 シャンク
2 ヘッド部
3 刃具
3a 刃部
3b 基材
3c ダイヤモンドコーティング層
4 本体部
5 押え具
6 クランプねじ
7 切れ刃
8 切屑ポケット
9 貫通穴
10 被削材
11 穴
w 刃先の強化処理領域
C 本体部の中心軸
θ,θ1,θ2 先端角の1/2
γ 逃げ角
W 刃幅
L 中心軸から切れ刃の径方向外端までの距離(工具半径)

Claims (8)

  1. 補強繊維とマトリクス樹脂を含む繊維強化複合材料の穴あけに用いる回転切削式の穴あけ工具であって、本体部(4)先端の回転中心よりも径方向外側に軸方向前方に延び出す刃部(3a)が形成され、その刃部(3a)に切れ刃(7)が形成されて本体部先端の回転中心部に切れ刃が存在せず、前記刃部(3a)の最先端と最外周との間に設けられる切れ刃(7)が前記刃部(3a)の最先端から最外周に向かうにつれて刃部(3a)の基端側に向かって傾斜していることを特徴とする繊維強化複合材料用穴あけ工具。
  2. 前記刃部(3a)の内周側が刃部の最先端に位置し、その最先端よりも径方向外側にのみ切れ刃(7)が存在する請求項1に記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  3. 工具の先端側の端面視において、1つの切れ刃(7)が占める半径方向の長さの割合が、工具半径の50%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  4. 外周での先端角(2×θ、2×θ2)を60°以下としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  5. 切れ刃(7)の逃げ角(γ)を15°以上にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  6. 本体部(4)回転中心部に切屑の吸引回収又は圧送排出のための貫通穴(9)を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  7. 刃部(3a)の少なくも一部を焼結ダイヤモンドで構成してその焼結ダイヤモンドに切れ刃(7)を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
  8. 超硬合金の基材(3b)上に気相成長法で合成したダイヤモンドコーティング層(3c)を施し、さらに、成膜後に刃先の研磨処理を行った刃部(3a)を備えさせたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料の穴あけ工具。
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