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JP2010129790A - 成膜方法 - Google Patents

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JP2010129790A JP2008303171A JP2008303171A JP2010129790A JP 2010129790 A JP2010129790 A JP 2010129790A JP 2008303171 A JP2008303171 A JP 2008303171A JP 2008303171 A JP2008303171 A JP 2008303171A JP 2010129790 A JP2010129790 A JP 2010129790A
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Masahiro Shimizu
正裕 清水
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Abstract

【課題】例えば主として粉体の成膜材料を用いることによって成膜材料を選択的に加熱することができ、もって迅速に且つ効率的に成膜処理を行うことが可能な成膜方法を提供する。
【解決手段】被処理体Wの表面に薄膜を形成する成膜方法において、被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層70を形成する付着工程と、成膜材料層の形成された被処理体に電磁波74を照射して成膜材料層を加熱することによって薄膜72Aを形成する照射工程とを有する。これにより、例えば主として粉体の成膜材料を用いることによって成膜材料を選択的に加熱し、迅速に且つ効率的に成膜処理を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハ等に対してマイクロ波や高周波等の電磁波を照射することにより成膜材料を加熱して成膜を行う成膜方法に関する。
一般に、半導体デバイスを製造するには、半導体ウエハに成膜処理、パターンエッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の各種の熱処理を繰り返し行なって所望のデバイスを製造するが、半導体デバイスが高密度化、多層化及び高集積化するに伴ってその仕様が年々厳しくなっており、これらの各種の熱処理のウエハ面内における均一性の向上及び膜質の向上が特に望まれている。
例えば半導体ウエハの表面に金属膜や絶縁膜等を形成する場合には、一般的には加熱ランプや加熱ヒータを有する処理装置を用いて、この処理装置の処理容器内で半導体ウエハを加熱し、この時に処理容器内へ供給した原料ガスを気相反応によって酸化や還元等の化学反応させて所望の薄膜を半導体ウエハの表面に堆積させたり、或いは半導体ウエハの表面に付着した原料ガスを表面反応によって酸化や還元等の化学反応をさせて所望の薄膜を表面に堆積させるようになっている。
また、半導体ウエハをアニール処理する場合には、上述のような加熱ランプ等を用いた装置の他にLED素子やレーザ素子を有する処理装置も用いられ、更にはマイクロ波や高周波等の電磁波を用いて半導体ウエハを加熱するようにした処理装置も提案されている(特許文献1〜8)。
米国特許第5689614号 特開2004−296245号公報 特開2004−134674号公報 米国特許第6818864号 特開平5−21420号公報 特開2002−280380号公報 特開2005−268624号公報 特開2007−258286号公報
ところで、上述のような加熱ランプや加熱ヒータを用いた処理装置で行われる成膜方法では、成膜の材料として原料ガス等を用いて、この原料ガス等の各種ガスを精度良く流量制御しつつ供給しなければならないことから、ガス供給系が非常に複雑化していた。
また、加熱ランプや加熱ヒータを用いていることから、半導体ウエハの全体が加熱されるため、例えば下層に耐熱性の低い素子等がすでに作り込まれている半導体ウエハの表面に薄膜を形成する場合には、成膜時のプロセス温度をあまり高くできないような制約が加わり、十分に効率的な成膜処理ができない場合もあった。
そこで、上述のように主としてアニール装置として用いられていた電磁波を利用した処理装置を、半導体ウエハ等の表面に薄膜を形成する成膜装置として利用することも考えられるが、実用に耐え得るような成膜方法が提案されていないのが現状である。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、例えば主として粉体の成膜材料を用いた場合に成膜材料を選択的に加熱することができ、もって迅速に且つ効率的に成膜処理を行うことが可能な成膜方法を提供することにある。
請求項1の発明は、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、前記被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層を形成する付着工程と、前記成膜材料層の形成された前記被処理体に電磁波を照射して前記成膜材料層を加熱することによって前記薄膜を形成する照射工程と、を有することを特徴とする成膜方法である。
このように、被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層を形成する付着工程と、この被処理体に電磁波を照射して成膜材料層を加熱することによって薄膜を形成する照射工程とを有することにより、例えば主として粉体の成膜材料を用いた場合に成膜材料を選択的に加熱することができ、もって迅速に且つ効率的に成膜処理を行うことが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記成膜材料は、液体であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記成膜材料は、粉体であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記粉体は、液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記粉体は、金属よりなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記粉体は、前記金属の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において、前記粉体の半径の平均値dは、前記金属に対する前記電磁波の浸透深さδとの関係が式”2.0・δ≦d≦20・δ”を満たすような値に設定されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、前記粉体は、Zn、Al、Cu、Ti、Wよりなる群から選択される1以上の金属よりなることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項4の発明において、前記粉体は、磁性材料よりなることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記粉体は、前記磁性材料の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項9又は10の発明において、前記磁性材料は、Fe、Ni、Co、MgO、Fe Si、酸化鉄、酸化クロム、フェライトよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項4の発明において、前記粉体は、誘電材料よりなることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記粉体は、前記誘電材料の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項12の発明において、前記粉体は、非極性液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14の記載の発明において、前記粉体の加熱温度は、前記誘電材料の融点以下の範囲であることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14又は15の発明において、前記非極性液体は、ベンゼン、ヘキサンよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項12乃至16のいずれか一項に記載の発明において、前記誘電材料は、STO(SrTiO )、BST(BaSrTiO )、GST(GeSbTe)、HfSiONよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項12の発明において、前記誘電材料は、低誘電率の誘電材料よりなることを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項18の発明において、前記粉体の加熱温度は、前記低誘電率の誘電材料の融点未満の範囲であることを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項18又は19の発明において、前記誘電率の誘電材料は、SiO 、C (x、yは正の整数)、ボラジン(B )よりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項18乃至20のいずれか一項に記載の発明において、前記粉体は、極性液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項21の発明において、前記極性液体は、水、エチルアルコール、メチルアルコールよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項12乃至22のいずれか一項に記載の発明において、前記照射工程では、降温時に前記電磁波の投入電力を制御することにより降温速度を調整するようにしたことを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項2の発明において、前記成膜材料は、極性液体中に混合されていることを特徴とする。
本発明に係る成膜方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層を形成する付着工程と、この被処理体に電磁波を照射して成膜材料層を加熱することによって薄膜を形成する照射工程とを有することにより、例えば主として粉体の成膜材料を用いた場合に成膜材料を選択的に加熱することができ、もって迅速に且つ効率的に成膜処理を行うことができる。
以下に、本発明に係る成膜方法の好適な一実施例について添付図面を参照して説明する。
まず、本発明方法は、被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層を形成する付着工程と、上記成膜材料層の形成された上記被処理体に電磁波を照射して上記成膜材料層を加熱することによって薄膜を形成する照射工程とを有している。ここで被処理体としては、例えば薄い円板状のシリコン基板よりなる半導体ウエハが用いられ、その直径は例えば450mm、300mm、8インチ(200mm)、6インチ(150mm)等の種々の寸法のものを用いることができる。
上記成膜材料としては、成膜すべき材料そのものを用い、その形状は例えば粉体、或いは液体であり、特にここでは主として粉体を用いている。成膜材料を粉体にすることにより、後述するように電磁波による加熱効率を大幅に向上させることができ、且つ半導体ウエハに対して成膜材料を選択的に加熱することができる。そして、成膜材料としては、金属、磁性材料、誘電材料を用いることができる。具体的には、上記金属としては特に非磁性のCu、Al等を用い、上記磁性材料としてはFe 、MgO等を用い、上記誘電材料としてはSTO(ストロンチウム・チタン酸化物)等を用いることができる。
上記付着工程では、粉体、或いは液体の成膜材料をスピンコーティングやシャワーコーティングする。この場合、成膜材料が粉体の場合には粉体を単独で付着させてもよいが、この粉体を各種の液体中に混入させて液状化した状態でスピンコーティングやシャワーコーティングにより塗布して付着させるのが好ましい。また液体状の成膜材料を他の液体と混合させて塗布するようにしてもよい。上記液体としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール等の極性液体やベンゼン等の非極性液体を用いることができる。
上記照射工程では、上記成膜材料を付着して表面に成膜材料層が形成された半導体ウエハに電磁波を照射することにより、電磁波加熱が生じて成膜材料をこの溶融温度、或いはそれに近い温度に加熱して薄膜を形成する。上記電磁波加熱としては、その成膜材料に応じてジュール加熱、磁性加熱、誘電加熱がそれぞれ単独で、或いは複数組み合わさって生じて材料が加熱される。この際、成膜材料が粉体の場合には、粉体間に電磁波が十分に入り込んで、成膜材料層の内部まで浸入して行くことになる。
そして、この電磁波は、照射された材料に対して表面からある程度までの深さに浸透する性質があり、例えば金属表面では抵抗率が低く周波数が低いほど浸透する深度が浅くなり、さらには反射になって行く。そして、半導体ウエハなどは円板状の連続体であるために粉体の場合と比較してその表面積が小さいので単位体積当たりの電磁波の吸収量が少なくなる。これに対して、本発明のように粉体の場合は、表面積が大きいため単位体積当たりの電磁波の吸収量が多くなる。この結果、前述したように迅速に且つ効率的に成膜材料を選択的に加熱することが可能となり、半導体ウエハ自体はそれ程加熱されないことになる。
ここで上記照射工程で用いられる熱処理装置の一例について説明する。図1は本発明の成膜方法を実施するための熱処理装置の一例を示す構成図である。図1に示すように、この熱処理装置2は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金により筒体状に成形された処理容器4を有している。この処理容器2の内面は、導入される電磁波が反射され易くするために鏡内仕上げされている。この処理容器4は被処理体である基板として例えば直径が300mmである薄い円板状のシリコン基板よりなる半導体ウエハWを収容できるような大きさに設定されており、この処理容器4自体は接地されている。この処理容器4の天井部は開口されており、この開口部には、Oリング等のシール部材6を介して後述するように電磁波を透過する天板8が気密に設けられている。この天板8の材料としては、例えば石英や窒化アルミニウム等のセラミック材が用いられる。
また、この処理容器4の側壁には、開口10が設けられると共に、この開口10には被処理体として例えば半導体ウエハWを搬出入する際に開閉されるゲートバルブ12が設けられる。また処理容器4には、処理時に必要なガスを内部へ導入するガス導入手段14が設けられている。このガス導入手段14としては、ここでは処理容器4の側壁に設けた複数本、図示例では2本のガスノズル14A、14Bよりなり、これらの各ガスノズル14A、14Bから処理に必要なガスを供給できるようになっている。尚、ガスノズルの数は2本に限定されず、用いるガス種によって増減することができる。
更には、ガス導入手段14として、上記ガスノズルに代えて、処理容器4の天井部の直下に、電磁波に対して透明な材料である例えば石英製のシャワーヘッドを設けるようにしてもよい。また処理容器4の底部の周辺部には、排気口16が形成されており、この排気口16には、排気通路18に圧力制御弁20や真空ポンプ等の排気ポンプ22等を介設してなる排気系24が接続されており、処理容器4内の雰囲気を真空を含む減圧雰囲気に排気可能としている。またこの処理容器4の底部は大きく開口され、この開口に例えばOリング等のシール部材26を介在させて底部を兼ねる肉厚な載置台28が気密に取り付け固定されていると共に、この載置台28も接地されている。
この載置台28は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金製の肉厚な載置台本体30と、この上部に設けられる温調手段としての複数の熱電変換素子32と、この熱電変換素子32の上面側に設置される薄い円板状の載置板34とにより構成され、この載置板34上に被処理体である半導体ウエハWを直接的に載置するようになっている。具体的には、上記熱電変換素子32としては、例えばペルチェ素子が用いられる。
このペルチェ素子は、異種の導体や半導体を電極によって直列に接続し電流を流すと接点間でジュール熱以外に熱の発生や吸熱が生じる素子であり、例えば200℃以下の温度での使用に耐え得るBi Te (ビスマス・テルル)素子、より高温で使用できるPbTe(鉛・テルル)素子、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)素子等によって形成されており、熱電変換素子制御部36にリード線38を介して電気的に接続されている。熱電変換素子制御部36は、前記ウエハWの熱処理時に熱電変換素子に供給される電流の方向や大きさを制御する。
このペルチェ素子よりなる熱電変換素子32は、直径が300mmのウエハWに対して例えば60個の熱電変換素子32を前記載置板34の裏面側(載置台本体30の上面側)に略全面にわたってほとんど隙間なく敷き詰めて配列されている。このように熱電変換素子32を密接させて配置すると、ウエハWと載置板34を均一に加熱することができる。熱電変換素子32の形状は、四角形に限らず、円形や六角形であってもよい。ここで熱電変換とは、熱エネルギーを電気エネルギーに、また電気エネルギーを熱エネルギーに変換することを言う。
ここで上記各熱電変換素子32は、全体で一体的に温度制御を行うようにしてもよいが、グループ化して複数の加熱用ゾーンに区画し、各ゾーン毎に個別独立的に温度制御を行うようにしてもよい。尚、この温調手段としての熱電変換素子32は必要な場合に設けるようにし、後述する電磁波による加熱が十分な場合には設けなくてもよい。
上記載置台本体30の内部には、熱媒体流路40がその平面方向の略全面に亘って形成されている。この熱媒体流路40は、上記熱電変換素子32の下部に設けられており、ウエハWの降温時に熱媒体として冷媒(水)が供給されることにより、上記熱電変換素子32の下面から温熱を奪ってこれを冷却するように構成されている。また、ウエハWの昇温時には必要に応じて温媒が供給されることにより、熱電変換素子32の下面から冷熱を奪ってこれを加熱するように構成されている。この熱媒体流路40は、熱媒体を送給する媒体循環器42に熱媒体導入管44と熱媒体排出管46を介して接続されており、これにより、媒体循環器42は熱媒体を熱媒体流路40に循環供給する。
また上記熱電変換素子32上に設置される載置板34の材料としては、例えばSiO 材、AlN材、SiC材、Ge材、Si材、金属材等によって製作される。また載置台28にはウエハWを昇降する図示しない昇降機構が設けられ、この昇降機構は、載置台本体30及び載置板34を貫通してウエハWを下から支持する複数本の昇降自在な支持ピンと、これらの支持ピンを昇降させる駆動装置等で構成されている。尚、上記載置板34上に静電チャックを設けるようにしてもよい。
また、載置台本体30には、これを上下方向に貫通する貫通孔48が形成されており、ここに放射温度計50が設置される。具体的には、上記貫通孔48に上記載置板34の下面まで延びる光ファイバ52を気密状態で挿通して載置板34からの輻射光を案内し得るようになっている。そして、この光ファイバ52の端部には放射温度計本体54が接続されており、所定の測定波長帯域の光より載置板34の温度、すなわちウエハ温度を測定できるようになっている。
そして、処理容器4の天板8の上方には、上記ウエハWに向けて電磁波を照射する電磁波供給手段56が設けられている。ここで電磁波としては、周波数が10MHz〜20THzの範囲の電磁波を用いることができ、ここでは一例として28GHzのマイクロ波領域の電磁波を用いた場合を例にとって説明する。
具体的には、この電磁波供給手段56は、上記天板8の上面に設けられた入射アンテナ部58と、例えば12GHz〜10THzの範囲内の周波数の電磁波を発生することができる電磁波発生源60を有している。そして、この電磁波発生源60と上記入射アンテナ部58とが導波路62により連結されている。上記電磁波発生源60としては、例えばジャイロトロン、マグネトロン、クライストロン、進行波管等を用いることができ、具体的には上述のように28GHzを用いることができ、この他に82.7GHz、110GHz、168GHz、874GHz等の周波数の電磁波を用いることができる。
そして、この電磁波発生源60より出力された電磁波は、例えば矩形導波管やコルゲート導波管等よりなる導波路62により天板8上に設けた入射アンテナ部58に導かれる。そして、この入射アンテナ部58には、図示しない複数の鏡面反射レンズや反射ミラーが設けられており、上記導かれた電磁波を処理容器4内の処理空間Sに向けて反射して導入できるようになっている。
この場合にも、上記反射された電磁波は天板8を透過して処理空間Sに導入されてウエハWの表面に直接的に照射されることになり、これにより、半導体ウエハWの表面の成膜材料層を選択的に加熱することができるようになっている。
そして、この熱処理装置2の全体の動作は、例えばマイクロコンピュータ等よりなる制御手段64により制御されるようになっており、この動作を行うコンピュータのプログラムはフレキシブルディスクやCD(Compact Disc)やフラッシュメモリやハードディスク等の記憶媒体66に記憶されている。具体的には、この制御手段64からの指令により、ガスの供給や流量制御、電磁波の供給や電力制御、プロセス温度やプロセス圧力の制御等が行われる。そして、このように構成された熱処理装置2を用いて前述した照射工程が行われることになる。
照射工程の具体例としては、まず、ゲートバルブ12を介して半導体ウエハWを搬送アーム(図示せず)により処理容器4内に収容し、図示しない昇降ピンを上下動させることによりウエハWを載置台28の載置板34上に載置し、ゲートバルブ12を閉じて処理容器4内を密閉する。この場合、上記半導体ウエハWとしては、単体の半導体基板、例えばシリコン基板を用いてもよいし、化合物半導体基板、例えばGaAs基板等を用いてもよいし、いずれにしてもこの基板上に例えば各種のトランジスタ素子等が作り込まれており、その上面側に先の付着工程で施された成膜材料層が形成されている。
次に、排気系24によって処理容器4内を排気すると共に、ガス導入手段14の各ガスノズル14A、14Bから必要なガスを処理容器4内へ供給する。この場合、処理容器4内は、好ましくはプラズマが立たないようなプロセス圧力に維持する。このようなプロセス圧力は、例えば1.3Pa以下の圧力、或いは0.13Pa以上の圧力である。また、上記成膜処理に必要なガスとしては、例えばAr、He等の希ガスやN 等を用いることができる。またプロセス圧力として大気圧、或いは大気圧近傍の不活性ガス中で行ってもよい。更には、不活性ガスを供給しないで処理容器内を真空引きした状態で成膜処理を行ってもよい。
上記操作と同時に、ペルチェ素子よりなる熱電変換素子32に通電してウエハWを加熱し、更に電磁波供給手段56の電磁波発生源60を駆動することにより、この電磁波発生源60にて発生したマイクロ波を、導波路62を介して入射アンテナ部58に供給してマイクロ波を放射させて天板8を透過し、これにより処理空間Sにマイクロ波を導入させる。処理空間Sに導入されたマイクロ波はウエハWの表面に照射される。
これにより、上記マイクロ波よりなる電磁波の照射により、半導体ウエハWの全体がある程度加熱されるが、特に半導体ウエハWの表面に形成されている成膜材料層が選択的に加熱されることになる。すなわち、処理容器4内へ導入された電磁波は、成膜材料層の粉体間に電磁波が十分に入り込んで浸入して行き、電磁波加熱によってこれを迅速に且つ効率的に加熱することができる。そして、粉体を例えば溶融することによって薄膜が形成されることになる。この場合、後述するように、成膜材料が金属よりなる場合において、その粉体の半径を限定することにより、より一層、迅速に且つ効率的に加熱することができる。
上述のような加熱成膜において、半導体ウエハW自体は、これに先に作り込まれている下層の半導体素子、例えばトランジスタ等の素子が熱的なダメージを受けない温度範囲内になるように温度調整を行い、下層の半導体素子等の熱的ダメージを抑制できる範囲内において、上層である成膜材料層の迅速加熱を実現できるようにしている。
ここで、成膜材料が電磁波によって加熱される原理について簡単に説明する。まず、用いる成膜材料の種類によって電磁波加熱の電力P[W/m ]は以下の式のように与えられる。
P=σ・|E| /2+π・f・μo・μr・|H| +π・f・εo・εr・|E|
ここで各記号は以下の通りである。
σ:成膜材料の導電率[S/m]
E:電界強度[V/m]
f:周波数[1/sec]
μo:真空中の透磁率[H/m]
μr:成膜材料の比透磁率
H:磁界強度[A/m]
εo:真空中の誘電率[F/m]
εr:成膜材料の比誘電率
ここで上記式の右辺の第1項の”σ・|E| /2”はジュール加熱を意味し、第2項の”π・f・μo・μr・|H| ”は磁性加熱を意味し、第3項の”π・f・εo・εr・|E| ”は誘電加熱を意味することになる。
そして、成膜材料の特性によって、上記ジュール加熱と磁性加熱と誘電加熱の3つの加熱態様が単独で、或いは複数組み合わさって成膜材料の加熱に寄与することになる。上記ジュール加熱では発生する渦電流によって加熱がなされる。上記磁性加熱では電磁波の磁気成分に対して磁性を生む電子スピンが応答し、そして、自発磁化により内部エネルギーの変化分がフォノンに転化して加熱される。また、上記誘電加熱は、電磁波の電界に対して極性を持つ分子が応答して振動することによって加熱され、比誘電率εrと誘電正接tanδの積が誘電損となり、この値に比例して加熱が行われる。
以下に、成膜材料が金属の場合、磁性材料の場合、誘電材料の場合のそれぞれについてその成膜方法を詳しく説明する。
<成膜材料が金属の場合>(ジュール加熱)
まず、成膜材料が金属の粉体の場合について説明する。図2は成膜材料が金属の場合の成膜方法の一例を示す工程図、図3は金属の粉体の半径と吸収エネルギーとの関係を示すグラフである。
まず、図2(A)に示すように、半導体ウエハWを用意する。この半導体ウエハWは例えばシリコン基板等よりなり、この上面には前工程で例えばトランジスタ等の各種の素子が作り込まれており、その上面には例えばパターン化されたSiO 膜等により絶縁層(図示せず)が形成されている。そして、ここでは金属の配線層等を薄膜として形成することになる。そして、図2(B)に示すように、上記半導体ウエハWの上面に、成膜材料を付着させることにより成膜材料層70を形成する(付着工程)。
この場合、上述のように成膜材料としては金属の粉体72が用いられる。この金属の粉体72は、これを単独で付着させてもよいが、この粉体72を液体に混入して液状化し、この液状化した粉体72を前述したようにスピンコートやシャワーコートにより塗布させることによって、所望の厚さ、例えば0.2μm程度の薄い成膜材料層70を形成する。上記金属としては、磁性、非磁性を問わず、例えばZn、Al、Cu、Ti、Wよりなる群から選択される1以上の金属を用いることができるが、特にZn、Al、Cu等の非磁性の金属を多く適用できる。また上記液体としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、ベンゼン等を用いることができる。
このようにして、付着工程が完了したならば、次に電磁波を照射する照射工程へ移行する。この照射工程では、先に図1において説明したような熱処理装置2を用い、この半導体ウエハWの表面に対して、図2(C)に示すように電磁波74を照射する。これにより、先に説明したようにこの表面の成膜材料層70を選択的に加熱して金属よりなる粉体72を例えば融点以上の温度まで加熱して溶融させて薄膜72Aを形成することになる。この薄膜72Aは、上述したように溶融から凝固を経て、結晶性の膜状態になり、下層の界面密着性も向上させることができる。
この場合、前述したように成膜材料は粉体状(粉末)になされているので、電磁波が金属の粉体72間に浸入し易くなっており、これを迅速に且つ効率的に選択加熱することができる。加熱温度は、金属の粉体72が、銅の場合は、例えば980〜1000℃程度、アルミニウムの場合は660〜700℃程度、亜鉛の場合は420〜460℃程度である。また、ここでは金属の粉体72は導電性を有しているので、各粉体72毎に内部で渦電流が発生し、この結果、各金属の粉体72を一層迅速に且つ効率的に選択加熱することができる。
ここで上記金属の粉体72の規格化した半径(規格化半径)d/2δの最適な値は、図3に示すようにピーク値となる2.0程度であり、その時の吸収エネルギーのピーク値は、2.5[W/m ]である。尚、”d”は粉体72の半径を示し、”δ”は後述する浸透深さを示す。従って、ピーク値の半分、すなわち1.3[W/m ]以上の吸収エネルギーを得るためには、金属の粉体72の規格化半径d/2δを1.0〜10の範囲内に設定するのが好ましいことが判る。
従って、上記粉体72の半径dの最適値は、”2.0δ≦d≦20δ”の範囲内であり、この式を満たすように粉体72の半径を設定することにより、発生する渦電流により金属の粉体72を一層迅速に且つ効率的に加熱することができる。
ここで上記”δ”は、導電体試料の深さ方向に電磁場が浸透していく程度を示す浸透深さ[μm]を表し、以下の式で与えられる。
δ=5.03×10 ×√(ρ/μr・f)
ここで上記各記号は以下のようである。
ρ:抵抗率[Ωcm]
μr:比透磁率
f:周波数[Hz]
上記半径dが小さ過ぎると、粉体72が電界に埋もれてしまって渦電流が有効に発生せず、また、半径dが大き過ぎると粉体の表面のみに渦電流が発生して表面のみの加熱となって内部まで加熱することができない。
これに対して、半径dを上記したような範囲内に設定することにより、粉体72の内部まで渦電流が発生するので、これを迅速に且つ効率的に選択加熱することができる。尚、一般的に上記粉体72の半径(直径)を精度良くコントロールして製粉するのはかなり困難であり、粉体の半径は正規分布を呈すことになることから、この正規分布のピーク値を上記半径dとする。そして、前述したように、シリコン基板W自体は、それ程加熱されないので、これに予め作り込まれている下層の半導体素子等が熱的ダメージを受けることを防止することができる。
<成膜材料が磁性材料の場合>(磁性加熱)
次に成膜材料が磁性材料(磁性体)の粉体の場合について説明する。図4は成膜材料が磁性材料の場合の成膜方法の一例を示す工程図、図5は磁性材料を利用した半導体素子の1つである磁気抵抗メモリの一例を示す概略構成図である。
まず、図4(A)に示すように、半導体ウエハWを用意する。この半導体ウエハWは例えばシリコン基板等よりなり、この上面には前工程で例えばトランジスタ等の各種の素子が作り込まれており、その上面には例えばパターン化されたSiO 膜等により絶縁層(図示せず)が形成されている。そして、ここでは金属の配線層等を薄膜として形成することになる。そして、図4(B)に示すように、上記半導体ウエハWの上面に、成膜材料を付着させることにより成膜材料層70を形成する(付着工程)。
この場合、上述のように成膜材料としては磁性材料の粉体76が用いられる。この磁性材料の粉体76は、これを単独で付着させてもよいが、この粉体76を液体に混入して液状化し、この液状化した粉体72を前述したようにスピンコートやシャワーコートにより塗布させることによって、所望の厚さ、例えば0.2μm程度の薄い成膜材料層70を形成する。上記磁性材料としては、例えばFe、Ni、Co、MgO、Fe Si、酸化鉄(Fe 等)、酸化クロム、フェライトよりなる群から選択される1以上の材料を用いることができるが、特にFe 、MgO等の金属酸化物やFe Si等の金属ケイ化物を多く適用できる。また上記液体としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、ベンゼン等を用いることができる。
このようにして、付着工程が完了したならば、次に電磁波を照射する照射工程へ移行する。この照射工程では、先に図1において説明したような熱処理装置2を用い、この半導体ウエハWの表面に対して、図4(C)に示すように電磁波74を照射する。これにより、先に説明したようにこの表面の成膜材料層70を選択的に加熱して磁性材料よりなる粉体76を例えば融点以上の温度まで加熱して溶融させて薄膜76Aを形成することになる。この薄膜76Aは、上述したように溶融から凝固を経て、結晶性の磁区の揃った膜状態になり、下層の界面密着性も向上させることができる。
この場合、前述したように成膜材料は粉体状(粉末)になされているので、電磁波が磁性材料の粉体76間に浸入し易くなっており、これを迅速に且つ効率的に選択加熱することができる。加熱温度は、磁性材料の粉体76が、Fe の場合は、例えば1500〜1538℃程度、MgOの場合は3200〜3250℃程度、Fe Siの場合は1200〜1300℃程度である。そして、前述したように、シリコン基板W自体は、それ程加熱されないので、これに予め作り込まれている下層の半導体素子等が熱的ダメージを受けることを防止することができる。
また、ここで磁性材料としてFe、Ni等の導電性のある金属を用いた場合には、先に説明したような渦電流が発生するので、ジュール熱による加熱も同時に行われることになる。また、磁性材料として金属酸化物であるFe 等を用いた薄膜76Aは、前述したように磁気抵抗メモリに用いることができる。具体的には、この磁気抵抗メモリは図5に示すように、ソースS、ドレインD、ゲートGを有するスイッチングトランジスタのドレインD側に接続されたメモリ部78の薄膜として用いることができる。
<成膜材料が誘電材料の場合>(誘電加熱)
次に成膜材料が誘電材料(誘電体)の場合について説明する。図6は成膜材料が誘電材料の場合の成膜方法の一例を示す工程図である。
まず、図6(A)に示すように、半導体ウエハWを用意する。この半導体ウエハWは例えばシリコン基板等よりなり、この上面には前工程で例えばトランジスタ等の各種の素子が作り込まれている場合もあるが、メモリのキャパシタ膜やゲート絶縁膜として用いる場合もあり、適用される薄膜の部位によって下層の状態も異なってくる。そして、ここでは誘電層を薄膜として形成することになる。そして、図6(B)に示すように、上記半導体ウエハWの上面に、成膜材料を付着させることにより成膜材料層70を形成する(付着工程)。
この場合、上述のように成膜材料としては誘電材料の粉体80が用いられる。この誘電材料の粉体80は、これを単独で付着させてもよいが、この粉体80を液体に混入して液状化し、この液状化した粉体80を前述したようにスピンコートやシャワーコートにより塗布させることによって、所望の厚さ、例えば0.2μm程度の薄い成膜材料層70を形成する。上記誘電材料としては、例えばSTO(SrTiO )、BST(BaSrTiO )、GST(GeSbTe)、HfSiONよりなる群から選択される1以上の材料を用いることができるが、特にSTO、BST等の多元素高誘電体薄膜を多く適用できる。すなわち、ここでは高誘電率の誘電材料も低誘電率の誘電材料も、共に用いることができる。また上記液体としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、ベンゼン等を用いることができる。
このようにして、付着工程が完了したならば、次に電磁波を照射する照射工程へ移行する。この照射工程では、先に図1において説明したような熱処理装置2を用い、この半導体ウエハWの表面に対して、図6(C)に示すように電磁波74を照射する。これにより、先に説明したようにこの表面の成膜材料層70を選択的に加熱して誘電材料よりなる粉体80を例えば融点以上の温度まで加熱して溶融させて薄膜80Aを形成することになる。この薄膜80Aは、上述したように溶融から凝固を経て、結晶性の膜状態になり、下層の界面密着性も向上させることができる。この粉体80の加熱温度は、粉体80の融点程度まで、或いは融点未満の温度で融点に近い温度まで加熱する場合もある。そして、上記薄膜80Aとしては比較的粒サイズの大きな結晶性の薄膜を得ることができる。
上述のような加熱により、前述したように成膜材料は粉体状(粉末)になされているので、電磁波が誘電材料の粉体80間に浸入し易くなっており、これを迅速に且つ効率的に選択加熱することができる。加熱温度は、誘電材料の粉体80が、STOの場合は例えば2300〜2430℃程度、BSTの場合は例えば2000〜2100℃程度、GSTの場合は500〜600℃程度である。そして、前述したように、シリコン基板W自体は、それ程加熱されないので、この下層に半導体素子等が予め作り込まれている場合には、これが熱的ダメージを受けることを防止することができる。
そして、このような誘電材料よりなる薄膜80Aは、前述したように、高誘電率の誘電材料を用いた場合には、トランジスタ部のhigh−k膜(誘電率の高い膜)やメモリ部のキャパシタ膜やPRAH(Phase Carge RAM)の記憶素子GST(GeSbTe)などに用いることができ、低誘電率の誘電材料を用いた場合には、層間絶縁膜などに用いることができる。
上記誘電材料の粉体80の照射工程では、電磁波の照射を終了する場合、定格電力の供給状態から瞬時にオフするように制御しているが、これに限定されず、電磁波の照射を終了して薄膜80Aを降温させる時には、電磁波の投入電力を少しずつ低下させるように制御して薄膜80Aの降温速度が遅くなるように、すなわちゆっくりと降温するように調整してもよい。これによれば、図6(C)に併記してあるように、薄膜80Aにおける結晶の粒径を大きくすることができる。また、この降温速度を制御することにより所望の大きさの結晶粒径を得ることができる。具体的には、電磁波の当入電力を定格出力の状態から例えば1〜600sec程度の時間をかけてゼロ出力まで順次低下させるようにして、降温速度を制御する。これにより、所望の大きさの結晶粒径を得ることができる。
[誘電材料と非極性液体との混合]
上記成膜材料として誘電材料を用いた場合では、この誘電材料の塗布を行い易くするために、誘電材料を液体に混入させるのが好ましい点について説明したが、加熱のメカニズムを考慮すると、極性を持つ誘電材料の分子が電磁波の電界に対して振動することにより効率的に加熱することができるので、この極性を持つ粉体が振動し易くするためには、この粉体を十分な量の非極性液体中に混入させるのが好ましい。図7は非極性液体に混合された誘電材料を半導体ウエハの表面に塗布(付着)した時の状態を示す図である。
ここでは、上述したように成膜材料である誘電材料の粉体80を、この粉体80が電磁波に晒された時に自由に振動できる程度の十分な量の非極性液体中に混入させて、これを半導体ウエハWの表面に塗布(付着)し、成膜材料層70を形成している。この場合、上述したようにこの成膜材料層70にあっては、十分な量の非極性液体84中に上記誘電材料の粉体80が混入された状態となっている。図7中では、この発明の理解を容易にするために、非極性液体84の層を厚く記載している。
この非極性液体84としては、例えばベンゼン、ヘキサン等を用いることができる。また誘電材料としては、先に説明した実施形態と同様に高誘電率の誘電材料と低誘電率の誘電材料を共に用いることができる。
このように、多量の非極性液体84に混入された誘電材料の粉体80を塗布して形成した成膜材料層70に、前述したように電磁波を照射することにより、粉体80内に電磁波が浸入してこれらを誘電加熱するのみならず、極性を持つ粉体80自身が電磁波によって自由に振動して加熱されるので、先に説明した場合よりも、更に一層迅速に、且つ効率的に選択加熱することができる。
この場合、上記非極性液体84は、極性を有していないのでそれ程加熱されないことになる。またこの場合にも、電磁波を遮断する時に、投入電力を順次低下させるようにして降温速度を制御すれば、薄膜の結晶の粒径の大きさをコントロールすることができる。
[低誘電率の誘電材料と極性液体との混合]
成膜材料として誘電材料を用いた先の実施形態では、高誘電率の誘電材料も低誘電率の誘電材料も適用する場合を例にとって説明したが、ここでは主として低誘電率の誘電材料を適用する場合について説明する。
具体的には、ここでは低誘電率の誘電材料、すなわちLow−k粉体を極性液体、すなわち高誘電率液体に混入させて用いる。図8は低誘電率の誘電材料を極性液体に混入させた場合の成膜方法の一部を示す工程図である。ここでは図8(A)に示すように、低誘電率の誘電材料の粉体86を極性液体88中に混入させて、例えばペースト状(練り粉)になされており、これが半導体ウエハWの表面に付着(塗布)されて成膜材料層70が形成されている。
この低誘電率の誘電材料としては、例えばSiO 等を用いることができる。また、上記極性液体(高誘電率液体)88としては、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール等を用いることができる。
そして、図8(B)に示すように、前述と同様に上記成膜材料層70に電磁波74を照射すると、低誘電率の誘電材料の粉体86の加熱は遅いが、極性液体88の極性を持つ分子が電磁波の電界に対して強く振動して急速に加熱されることになり、この極性液体88が蒸発して乾燥し、薄膜86Aが形成される。この際、上記極性液体88が蒸発して膜中から抜け切れない蒸気が、上記薄膜86A中にポア(空孔)90として形成されることになる。この場合、上記成膜材料層70の加熱温度は、低誘電率の誘電材料の融点未満であって融点に近い温度である。
このように薄膜86Aを形成することにより、薄膜86A中にポア90を形成することができるので、誘電率のより低い、すなわちLow−kの絶縁膜を迅速且つ効率的に選択加熱することができる。この場合、電磁波を照射している時の投入電力を調整して加熱速度を制御することにより、薄膜86A中に形成されるポア90の比率を、例えば50〜80%程度の範囲内で調整することができるので、薄膜86Aのk値(誘電率)をコントロールすることができる。
またここでは低誘電率の誘電材料として固形状の粉体を用いたが、これに限定されず、液体の低誘電率の誘電材料を用いてもよい。この液体の低誘電率の誘電材料を上記極性液体88に混入させて用いる。この液体の低誘電率の誘電材料としては、B(ボロン)、N(窒素)及びC(炭素)を含むボラジンを用いることができる。
尚、図1に示す電磁波を用いた熱処理装置は単に一例を示したに過ぎず、これに限定されないのは勿論である。また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、液晶表示装置に用いるガラス基板やセラミック基板等にも本発明を適用することができる。
本発明の成膜方法を実施するための熱処理装置の一例を示す構成図である。 成膜材料が金属の場合の成膜方法の一例を示す工程図である。 金属の粉体の半径と吸収エネルギーとの関係を示すグラフである。 成膜材料が磁性材料の場合の成膜方法の一例を示す工程図である。 磁性材料を利用した半導体素子の1つである磁気抵抗メモリの一例を示す概略構成図である。 成膜材料が誘電材料の場合の成膜方法の一例を示す工程図である。 非極性液体に混合された誘電材料を半導体ウエハの表面に塗布(付着)した時の状態を示す図である。 低誘電率の誘電材料を極性液体に混入させた場合の成膜方法の一部を示す工程図である。
符号の説明
2 熱処理装置
4 処理容器
14 ガス導入手段
24 排気系
28 載置台
32 熱電変換素子
56 電磁波供給手段
58 入射アンテナ部
60 電磁波発生源
62 導波路
70 成膜材料層
72 金属の粉体
72A 粉体
74 電磁波
76 磁性材料の粉体
76A 薄膜
80 誘電材料の粉体
80A 薄膜
84 非磁性液体
86 低誘電率の誘電材料の粉体
88 極性液体
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (24)

  1. 被処理体の表面に薄膜を形成する成膜方法において、
    前記被処理体の表面に成膜材料を付着させて成膜材料層を形成する付着工程と、
    前記成膜材料層の形成された前記被処理体に電磁波を照射して前記成膜材料層を加熱することによって前記薄膜を形成する照射工程と、
    を有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記成膜材料は、液体であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記成膜材料は、粉体であることを特徴とする請求項1又は2記載の成膜方法。
  4. 前記粉体は、液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする請求項3記載の成膜方法。
  5. 前記粉体は、金属よりなることを特徴とする請求項4記載の成膜方法。
  6. 前記粉体は、前記金属の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項5記載の成膜方法。
  7. 前記粉体の半径の平均値dは、前記金属に対する前記電磁波の浸透深さδとの関係が式”2.0・δ≦d≦20・δ”を満たすような値に設定されていることを特徴とする請求項5又は6記載の成膜方法。
  8. 前記粉体は、Zn、Al、Cu、Ti、Wよりなる群から選択される1以上の金属よりなることを特徴とする請求項6又は7記載の成膜方法。
  9. 前記粉体は、磁性材料よりなることを特徴とする請求項4記載の成膜方法。
  10. 前記粉体は、前記磁性材料の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項9記載の成膜方法。
  11. 前記磁性材料は、Fe、Ni、Co、MgO、Fe Si、酸化鉄、酸化クロム、フェライトよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項9又は10記載の成膜方法。
  12. 前記粉体は、誘電材料よりなることを特徴とする請求項4記載の成膜方法。
  13. 前記粉体は、前記誘電材料の融点以上の温度に加熱されることを特徴とする請求項12記載の成膜方法。
  14. 前記粉体は、非極性液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする請求項12記載の成膜方法。
  15. 前記粉体の加熱温度は、前記誘電材料の融点以下の範囲であることを特徴とする請求項14記載の成膜方法。
  16. 前記非極性液体は、ベンゼン、ヘキサンよりなる群より選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項14又は15記載の成膜方法。
  17. 前記誘電材料は、STO(SrTiO )、BST(BaSrTiO )、GST(GeSbTe)、HfSiONよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の成膜方法。
  18. 前記誘電材料は、低誘電率の誘電材料よりなることを特徴とする請求項12記載の成膜方法。
  19. 前記粉体の加熱温度は、前記低誘電率の誘電材料の融点未満の範囲であることを特徴とする請求項18記載の成膜方法。
  20. 前記誘電率の誘電材料は、SiO 、C (x、yは正の整数)、ボラジン(B )よりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項18又は19記載の成膜方法。
  21. 前記粉体は、極性液体中に混入されて液状化されていることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか一項に記載の成膜方法。
  22. 前記極性液体は、水、エチルアルコール、メチルアルコールよりなる群から選択される1以上の材料よりなることを特徴とする請求項21記載の成膜方法。
  23. 前記照射工程では、降温時に前記電磁波の投入電力を制御することにより降温速度を調整するようにしたことを特徴とする請求項12乃至22のいずれか一項に記載の成膜方法。
  24. 前記成膜材料は、極性液体中に混合されていることを特徴とする請求項2記載の成膜方法。
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