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JP2009206010A - 有機el表示装置用光散乱性フィルム、及びそれを用いた有機el表示装置 - Google Patents

有機el表示装置用光散乱性フィルム、及びそれを用いた有機el表示装置 Download PDF

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JP2009206010A
JP2009206010A JP2008049127A JP2008049127A JP2009206010A JP 2009206010 A JP2009206010 A JP 2009206010A JP 2008049127 A JP2008049127 A JP 2008049127A JP 2008049127 A JP2008049127 A JP 2008049127A JP 2009206010 A JP2009206010 A JP 2009206010A
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JP
Japan
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polymer
film
mass
light scattering
organic
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Application number
JP2008049127A
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English (en)
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Tatsuo Nomura
達穗 野村
Ryuji Saneto
竜二 実藤
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Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
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Publication date
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/877Arrangements for extracting light from the devices comprising scattering means

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Abstract

【課題】有機EL表示装置の種々の機能性部材のベースフィルムとして有用な、光散乱性フィルムを提供する。
【解決手段】ラクトン環含有重合体を含むポリマーフィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置用光散乱性フィルム、好ましくは、前記ポリマーフィルムが、光散乱性粒子をさらに含有することを特徴とする前記光散乱性フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL表示装置用光散乱性フィルム、及びそれを用いた有機EL表示装置に関する。
従来、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に用いられる種々の機能性部材が提案されている。
例えば、有機EL表示装置の表示性能を改善する部材として、光散乱性部材が知られている(例えば特許文献1)。
一方、有機ELは、水蒸気や酸素などのガスによって劣化するため、それらを遮断するための部材として、ガスバリア性部材も種々提案されている。例えば、特許文献2には、所定の水蒸気透過率及び酸素透過率を有するベースフィルムの表面に、ハードコート層及びガスバリア層が順次成膜されてなるガスバリア層付フィルムが提案され、該ベースフィルムとして、ノルボルネン系樹脂材料からなるフィルムが挙げられている。
特開平8−83688号公報 特開2006−334909号公報
従来、有機EL表示装置の技術分野では、表示性能の改善のための光散乱性部材と、ガスバリア性部材とは、別々の目的のための部材として使用されていて、互いの性能を低下させることなく、双方の性能を複合化する技術については、なんら提供されていない。
本発明は、有機EL表示装置用のガスバリア性部材と光散乱性部材とを複合可能な技術を提供することを課題とする。
また、本発明は、有機EL表示装置の種々の機能性部材、例えば、ガスバリア性部材のベースフィルムとして有用な、光散乱性フィルムを提供することを課題とする。
また、本発明は、表示性能が改善された有機EL表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] ラクトン環含有重合体を含むポリマーフィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置用光散乱性フィルム。
[2] 前記ポリマーフィルムが、光散乱性粒子を含有することを特徴とする[1]の光散乱性フィルム。
[3] 前記光散乱粒子が、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2及びAnO2の中から選択される少なくとも一種の無機微粒子であることを特徴とする[1]又は[2]の光散乱性フィルム。
[4] 前記ポリマーフィルムのヘイズが、20%以上であることを特徴とする[3]の光散乱性フィルム。
[5] 前記光散乱性粒子の平均粒径が、10nm〜100nmであることを特徴とする[3]又は[4]の光散乱性フィルム。
[6] 前記ポリマーフィルム上に、少なくとも一層のガスバリア層を有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光散乱性フィルム。
[7] [1]〜[6]のいずれかの光散乱性フィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置。
本発明によれば、有機EL表示装置用のガスバリア性部材と光散乱性部材とを複合化することができる。より具体的には、本発明によれば、良好なガスバリア性を付与可能な、有機EL表示装置用の新規な光散乱性フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、有機EL表示装置の表示性能の改善に寄与するとともに、種々の機能性部材、例えば、ガスバリア性部材、のベースフィルムとして有用な、光散乱性フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、表示性能が改善された有機EL表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[光散乱性フィルム]
本発明は、ラクトン環含有重合体を含むポリマーフィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置用の光散乱性フィルムに関する。本発明者が鋭意検討した結果、ラクトン環含有共重合体は、従来光散乱性粒子として利用されている種々の無機粒子等との親和性が良好であり、ラクトン環含有共重合体中にそれらの無機粒子を均一に分散し易い。従って、ラクトン環含有重合体を含有するポリマーフィルム中に、無機粒子を分散させることで、該フィルムに光散乱性を持たせることができる。また、ラクトン環含有共重合体を含むポリマーフィルムは、透湿度が低く、透湿度の観点では、例えば、従来のガスバリア性フィルムのベースフィルムに用いられている、ノルボルネン系樹脂フィルムと同等である。しかし、ノルボルネン系樹脂中に、上記光散乱性の無機粒子を均一に分散させることは困難であり、従来、ガスバリア性部材と光散乱性部材とを複合化することの弊害になっていた。本発明によれば、ラクトン環含有重合体と、該重合体中に分散した光散乱性粒子とを含有するポリマーフィルムを、ガスバリア層のベースフィルムとして利用することで、従来と同等のガスバリア性を示すとともに、前記ポリマーフィルムが示す光散乱性によって、有機EL表示装置の表示性能の改善にも寄与する光散乱性フィルムを提供することができる。
また、ガスバリア性部材に限らず、有機EL用表示装置に用いられる従来の機能性部材に利用されているベースフィルムを、本発明の光散乱性フィルムに代替することにより、従来の機能を損なうことなく、ベースフィルムが有する光散乱性によって、有機EL表示装置の表示性能の改善も達成することができる。
本発明の光散乱性フィルムは、ラクトン環含有重合体を含むポリマーフィルムのみからなっていてもよいし、また該ポリマーフィルムをベースフィルムとして含み、さらにその上に1以上の機能層を有していてもよい。図1〜図3に本発明の光散乱性フィルムのいくつかの例の断面模式図を示す。なお、図中の各層の厚みの相対的関係は、実際の光散乱性フィルムにおける各層の相対的関係と必ずしも一致していない。
図1に示す光散乱性フィルム10は、光散乱性粒子12が分散したラクトン環含有重合を含有するポリマーフィルムである。光散乱性フィルム10は、有機材料を含有する単層又は複数層からなる有機発光層の基板として有用であり、光取り出し面側に配置するのが好ましい。
図2に示す光散乱性フィルム10’は、光散乱性粒子12が分散したラクトン環含有重合を含有するポリマーフィルム10の上に、ガスバリア層14を有する。光散乱性フィルム10’を、有機発光層の基板として、光取り出し面側に配置することで、ポリマーフィルム10の光散乱性によって表示性能が改善されるとともに、ガスバリア層14によって、水蒸気及び酸素が遮断され、耐久性が改善される。ポリマーフィルム10とガスバリア層14との接着性を改善するために、ポリマーフィルム中に分散する粒子12の粒径をコントロールすることで、又は光散乱性のための粒子12とは別に、粒径の大きい粒子を含有させて、ポリマーフィルム10の表面にある程度凹凸を形成してもよい。
図3に示す光散乱性フィルム10”は、ポリマーフィルム10と、ガスバリア層14との間にハードコート層16を有する。ハードコート層16は、ポリマーフィルム10とガスバリア層14との接着性を改善し、剥離等の故障が生じるのを防止する機能がある。
なお、本発明の光散乱性フィルムの他の態様として、ラクトン環含有重合体を含み、光散乱性粒子を含まないポリマーフィルムと、その上に光散乱層を有する態様が挙げられる。この態様でも、図1〜図3に示した態様と同様に、光散乱性による表示性能の改善を達成できるが、薄型化を考慮すると、前記ポリマーフィルム自体が、光散乱性を示す態様が好ましい。
以下、本発明の光散乱性フィルムの作製に利用可能な材料及び方法について説明する。
(ラクトン環含有重合体)
本発明の光散乱性フィルムは、ラクトン環含有重合体の少なくとも1種を含有するポリマーフィルムを有する。前記ラクトン環含有重合体は、下記一般式(1)で表されるラクトン環構造単位を有する重合体であるのが好ましい。
Figure 2009206010
式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表す;なお、有機残基は酸素原子を含有していてもよい。
前記ラクトン環含有重合体の構造中における上記式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。ラクトン環構造の含有割合が5質量%未満であると、得られた重合体の耐熱性、耐溶剤性及び表面硬度が低下することがある。逆に、ラクトン環構造の含有割合が90質量%を超えると、得られた重合体の成形加工性が低下することがある。
前記ラクトン環含有重合体は、上記式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造を有する共重合体であってもよい。上記式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基含有単量体と、不飽和カルボン酸と、下記式(2)で表される単量体とからなる群より選択される少なくとも1種の単量体由来の構造単位(繰り返し構造単位)が好ましい。
Figure 2009206010
式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R5基、又は−CO−O−R6基を表し、Acはアセチル基を表し、R5及びR6は、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表す。
前記ラクトン環含有重合体の構造中における上記式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造の含有割合は、(メタ)アクリル酸エステルを重合して形成される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%であり、水酸基含有単量体を重合して形成される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。また、不飽和カルボン酸を重合して形成される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。さらに、上記式(2)で表される単量体を重合して形成される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
前記ラクトン環含有重合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、重合工程によって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)を得た後、得られた重合体(a)を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入するラクトン環化縮合工程を行うことによって得られる。
重合工程においては、例えば、下記式(3)で表される単量体を配合した単量体成分の重合反応を行うことにより、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体が得られる。
Figure 2009206010
式中、R5及びR6は、互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表す。
上記式(3)で表される単量体としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチルなどが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの単量体のうち、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性を向上させる効果が高いことから、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。
重合工程に供する単量体成分中における上記式(3)で表される単量体の含有割合は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%である。上記式(3)で表される単量体の含有割合が5質量%未満であると、得られた重合体の耐熱性、耐溶剤性及び表面硬度が低下することがある。逆に、上記式(3)で表される単量体の含有割合が90質量%を超えると、重合工程やラクトン環化縮合工程においてゲル化が起こることや、得られた重合体の成形加工性が低下することがある。
重合工程に供する単量体成分には、上記式(3)で表される単量体以外の単量体を配合してもよい。このような単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、及び、下記式(2)で表される単量体などが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
Figure 2009206010
式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R5基、又は−CO−O−R6基を表し、Acはアセチル基を表し、R5及びR6は水素原子又は炭素原子数1〜20の有機残基を表す。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、上記式(3)で表される単量体以外の(メタ)アクリル酸エステルである限り、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの(メタ)アクリル酸エステルのうち、得られた重合体の耐熱性や透明性が優れることから、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
上記式(3)で表される単量体以外の(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中におけるその含有割合は、本発明の効果を充分に発揮させる上で、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%である。
水酸基含有単量体としては、上記式(3)で表される単量体以外の水酸基含有単量体である限り、特に限定されるものではないが、例えば、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられる。これらの水酸基含有単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記式(3)で表される単量体以外の水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中におけるその含有割合は、本発明の効果を充分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられる。これらの不飽和カルボン酸は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの不飽和カルボン酸のうち、本発明の効果が充分に発揮されることから、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中におけるその含有割合は、本発明の効果を充分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
上記式(2)で表される単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの単量体のうち、本発明の効果を充分に発揮することから、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい。
上記式(2)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中におけるその含有割合は、本発明の効果を充分に発揮させる上で、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0〜10質量%である。
単量体成分を重合して分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得るための重合反応の形態としては、溶剤を使用する重合形態であることが好ましく、溶液重合が特に好ましい。
重合温度や重合時間は、使用する単量体の種類や割合などに応じて変化するが、例えば、好ましくは、重合温度が0〜150℃、重合時間が0.5〜20時間であり、より好ましくは、重合温度が80〜140℃、重合時間が1〜10時間である。
溶剤を使用する重合形態の場合、重合溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、溶剤の沸点が高すぎると、最終的に得られるラクトン環含有重合体の残存揮発分が多くなることから、沸点が50〜200℃である溶剤が好ましい。
重合反応時には、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;などが挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、単量体の組合せや反応条件などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
重合を行う際には、反応液のゲル化を抑制するために、重合反応混合物中に生成した重合体の濃度が50質量%以下となるように制御することが好ましい。具体的には、重合反応混合物中に生成した重合体の濃度が50質量%を超える場合には、重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加して50質量%以下となるように制御することが好ましい。重合反応混合物中に生成した重合体の濃度は、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。なお、重合反応混合物中に生成した重合体の濃度が低すぎると生産性が低下するので、重合反応混合物中に生成した重合体の濃度は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。
重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加する形態としては、特に限定されるものではなく、例えば、連続的に重合溶剤を添加してもよいし、間欠的に重合溶剤を添加してもよい。このように重合反応混合物中に生成した重合体の濃度を制御することによって、反応液のゲル化をより充分に抑制することができ、特に、ラクトン環含有割合を増やして耐熱性を向上させるために分子鎖中の水酸基とエステル基との割合を高めた場合であっても、ゲル化を充分に抑制することができる。添加する重合溶剤としては、例えば、重合反応の初期仕込み時に使用した溶剤と同じ種類の溶剤であってもよいし、異なる種類の溶剤であってもよいが、重合反応の初期仕込み時に使用した溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。また、添加する重合溶剤は、1種のみの単一溶剤であっても2種以上の混合溶剤であってもよい。
以上の重合工程を終了した時点で得られる重合反応混合物中には、通常、得られた重合体以外に溶剤が含まれているが、溶剤を完全に除去して重合体を固体状態で取り出す必要はなく、溶剤を含んだ状態で、続くラクトン環化縮合工程に導入することが好ましい。また、必要な場合は、固体状態で取り出した後に、続くラクトン環化縮合工程に好適な溶剤を再添加してもよい。
重合工程で得られた重合体は、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)であり、重合体(a)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算により求めた値である。重合工程で得られた重合体(a)は、続くラクトン環化縮合工程において、加熱処理されることによりラクトン環構造が重合体に導入され、ラクトン環含有重合体となる。
重合体(a)にラクトン環構造を導入するための反応は、加熱により、重合体(a)の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とが環化縮合してラクトン環構造を生じる反応であり、その環化縮合によってアルコールが副生する。ラクトン環構造が重合体の分子鎖中(重合体の主骨格中)に形成されることにより、高い耐熱性が付与される。ラクトン環構造を導く環化縮合反応の反応率が不充分であると、耐熱性が充分に向上しないことや、成形時の加熱処理によって成形途中に縮合反応が起こり、生じたアルコールが成形品中に泡やシルバーストリークとなって存在することがある。
ラクトン環化縮合工程において、上記式(1)で表されるラクトン環構造が導入される。
重合体(a)を加熱処理する方法については、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を利用すればよい。例えば、重合工程によって得られた、溶剤を含む重合反応混合物を、そのまま加熱処理してもよい。あるいは、溶剤の存在下で、必要に応じて閉環触媒を用いて加熱処理してもよい。あるいは、揮発成分を除去するための真空装置あるいは脱揮装置を備えた加熱炉や反応装置、脱揮装置を備えた押出機などを用いて加熱処理を行うこともできる。
環化縮合反応を行う際に、重合体(a)に加えて、他の熱可塑性樹脂を共存させてもよい。また、環化縮合反応を行う際には、必要に応じて、環化縮合反応の触媒として一般に使用されるp−トルエンスルホン酸などのエステル化触媒又はエステル交換触媒を用いてもよいし、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸などの有機カルボン酸類を触媒として用いてもよい。さらに、例えば、特開昭61−254608号公報や特開昭61−261303号公報に開示されているように、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩などを用いてもよい。
あるいは、環化縮合反応の触媒として有機リン化合物を用いてもよい。使用可能な有機リン酸化合物としては、例えば、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸などのアルキル(アリール)亜ホスホン酸(ただし、これらは、互変異性体であるアルキル(アリール)ホスフィン酸になっていてもよい)及びこれらのモノエステル又はジエステル;ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、フェニルエチルホスフィン酸などのジアルキル(アリール)ホスフィン酸及びこれらのエステル;メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、トリフルオルメチルホスホン酸、フェニルホスホン酸などのアルキル(アリール)ホスホン酸及びこれらのモノエステル又はジエステル;メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸などのアルキル(アリール)亜ホスフィン酸及びこれらのエステル;亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸フェニル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニルなどの亜リン酸モノエステル、ジエステル又はトリエステル;リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸オクチル、リン酸イソデシル、リン酸ラウリル、リン酸ステアリル、リン酸イソステアリル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸ジイソデシル、リン酸ジラウリル、リン酸ジステアリル、リン酸ジイソステアリル、リン酸ジフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソデシル、リン酸トリラウリル、リン酸トリステアリル、リン酸トリイソステアリル、リン酸トリフェニルなどのリン酸モノエステル、ジエステル又はトリエステル;メチルホスフィン、エチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのモノ−、ジ−又はトリ−アルキル(アリール)ホスフィン;メチルジクロロホスフィン、エチルジクロロホスフィン、フェニルジクロロホスフィン、ジメチルクロロホスフィン、ジエチルクロロホスフィン、ジフェニルクロロホスフィンなどのアルキル(アリール)ハロゲンホスフィン;酸化メチルホスフィン、酸化エチルホスフィン、酸化フェニルホスフィン、酸化ジメチルホスフィン、酸化ジエチルホスフィン、酸化ジフェニルホスフィン、酸化トリメチルホスフィン、酸化トリエチルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィンなどの酸化モノ−、ジ−又はトリ−アルキル(アリール)ホスフィン;塩化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウムなどのハロゲン化テトラアルキル(アリール)ホスホニウム;などが挙げられる。これらの有機リン化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの有機リン化合物のうち、触媒活性が高くて着色性が低いことから、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸モノエステル又はジエステル、リン酸モノエステル又はジエステル、アルキル(アリール)ホスホン酸が好ましく、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸モノエステル又はジエステル、リン酸モノエステル又はジエステルがより好ましく、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、リン酸モノエステル又はジエステルが特に好ましい。
環化縮合反応の際に用いられる触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、重合体(a)に対して、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜2.5質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%、特に好ましくは0.05〜0.5質量%である。触媒の使用量が0.001質量%未満であると、環化縮合反応の反応率が充分に向上しないことがある。逆に、触媒の使用量が5質量%を超えると、得られた重合体が着色することや、重合体が架橋して、溶融成形が困難になることがある。
触媒の添加時期は、特に限定されるものではなく、例えば、反応初期に添加してもよいし、反応途中に添加してもよいし、それらの両方で添加してもよい。
環化縮合反応を溶剤の存在下で行い、かつ、環化縮合反応の際に、脱揮工程を併用することが好ましい。この場合、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態、及び、脱揮工程を環化縮合反応の過程全体にわたっては併用せずに過程の一部においてのみ併用する形態が挙げられる。脱揮工程を併用する方法では、縮合環化反応で副生するアルコールを強制的に脱揮させて除去するので、反応の平衡が生成側に有利となる。
脱揮工程とは、溶剤、残存単量体などの揮発分と、ラクトン環構造を導く環化縮合反応により副生したアルコールを、必要に応じて減圧加熱条件下で、除去処理する工程を意味する。この除去処理が不充分であると、得られた重合体中の残存揮発分が多くなり、成形時の変質などにより着色することや、泡やシルバーストリークなどの成形不良が起こることがある。
環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、用いる装置については、特に限定されるものではないが、例えば、本発明をより効果的に行うために、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置やベント付き押出機、また、脱揮装置と押出機を直列に配置したものを用いることが好ましく、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置又はベント付き押出機を用いることがより好ましい。
熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置を用いる場合の反応処理温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。反応処理温度が150℃未満であると、環化縮合反応が不充分となって残存揮発分が多くなることがある。逆に、反応処理温度が350℃を超えると、得られた重合体の着色や分解が起こることがある。
熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置を用いる場合の反応処理圧力は、好ましくは931〜1.33hPa(700〜1mmHg)、より好ましくは798〜66.5hPa(600〜50mmHg)である。反応処理圧力が931hPa(700mmHg)を超えると、アルコールを含めた揮発分が残存しやすいことがある。逆に、反応処理圧力が1.33hPa(1mmHg)未満であると、工業的な実施が困難になることがある。
ベント付き押出機を用いる場合、ベントは1個でも複数個でもいずれでもよいが、複数個のベントを有する方が好ましい。
ベント付き押出機を用いる場合の反応処理温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。反応処理温度が150℃未満であると、環化縮合反応が不充分となって残存揮発分が多くなることがある。逆に、反応処理温度が350℃を超えると、得られた重合体の着色や分解が起こることがある。
ベント付き押出機を用いる場合の反応処理圧力は、好ましくは931〜1.33hPa(700〜1mmHg)、より好ましくは798〜13.3hPa(600〜10mmHg)である。反応処理圧力が931hPa(700mmHg)を超えると、アルコールを含めた揮発分が残存しやすいことがある。逆に、反応処理圧力が1.33hPa(1mmHg)未満であると、工業的な実施が困難になることがある。
なお、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、後述するように、厳しい熱処理条件では得られるラクトン環含有重合体の物性が劣化することがあるので、前述した脱アルコール反応の触媒を用い、できるだけ温和な条件で、ベント付き押出機などを用いて行うことが好ましい。
また、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、好ましくは、重合工程で得られた重合体(a)を溶剤と共に環化縮合反応装置に導入するが、この場合、必要に応じて、もう一度ベント付き押出機などの環化縮合反応装置に通してもよい。
脱揮工程を環化縮合反応の過程全体にわたっては併用せずに、過程の一部においてのみ併用する形態を行ってもよい。例えば、重合体(a)を製造した装置を、さらに加熱し、必要に応じて脱揮工程を一部併用して、環化縮合反応を予めある程度進行させておき、その後に引き続いて脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行い、反応を完結させる形態である。
先に述べた環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態では、例えば、重合体(a)を、二軸押出機を用いて、250℃付近、あるいはそれ以上の高温で熱処理する時に、熱履歴の違いにより環化縮合反応が起こる前に一部分解などが生じ、得られるラクトン環含有重合体の物性が劣化することがある。そこで、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う前に、予め環化縮合反応をある程度進行させておくと、後半の反応条件を緩和でき、得られるラクトン環含有重合体の物性の劣化を抑制できるので好ましい。特に好ましい形態としては、例えば、脱揮工程を環化縮合反応の開始から時間をおいて開始する形態、すなわち、重合工程で得られた重合体(a)の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とを予め環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う形態が挙げられる。具体的には、例えば、予め釜型反応器を用いて溶剤の存在下で環化縮合反応をある程度の反応率まで進行させておき、その後、脱揮装置を備えた反応器、例えば、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置や、ベント付き押出機などで、環化縮合反応を完結させる形態が好ましく挙げられる。特に、この形態の場合、環化縮合反応用の触媒が存在していることがより好ましい。
前述したように、重合工程で得られた重合体(a)の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とを予め環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う方法は、本発明においてラクトン環含有重合体を得る上で好ましい形態である。この形態により、ガラス転移温度がより高く、環化縮合反応率もより高まり、耐熱性に優れたラクトン環含有重合体が得られる。この場合、環化縮合反応率の目安としては、例えば、実施例に示すダイナッミクTG測定における150〜300℃の範囲内における質量減少率が、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下である。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際に採用できる反応器は、特に限定されるものではないが、例えば、オートクレーブ、釜型反応器、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置などが挙げられ、さらに、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応に好適なベント付き押出機も使用可能である。これらの反応器のうち、オートクレーブ、釜型反応器が特に好ましい。しかし、ベント付き押出機などの反応器を用いる場合でも、ベント条件を温和にしたり、ベントをさせなかったり、温度条件やバレル条件、スクリュー形状、スクリュー運転条件などを調整することにより、オートクレーブや釜型反応器での反応状態と同じ様な状態で環化縮合反応を行うことが可能である。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際には、例えば、重合工程で得られた重合体(a)と溶剤とを含む混合物を、(i)触媒を添加して、加熱反応させる方法、(ii)無触媒で加熱反応させる方法、及び、前記(i)又は(ii)を加圧下で行う方法などが挙げられる。
なお、ラクトン環化縮合工程において環化縮合反応に導入する「重合体(a)と溶剤とを含む混合物」とは、重合工程で得られた重合反応混合物それ自体、あるいは、いったん溶剤を除去した後に環化縮合反応に適した溶剤を再添加して得られた混合物を意味する。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際に再添加できる溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン;などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。重合工程に用いた溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。
方法(i)で添加する触媒としては、例えば、一般に使用されるp−トルエンスルホン酸などのエステル化触媒又はエステル交換触媒、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩などが挙げられるが、本発明においては、前述の有機リン化合物を用いることが好ましい。触媒の添加時期は、特に限定されるものではないが、例えば、反応初期に添加してもよいし、反応途中に添加してもよいし、それらの両方で添加してもよい。触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば、重合体(a)の質量に対して、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜2.5質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%、特に好ましくは0.05〜0.5質量%である。方法(i)の加熱温度や加熱時間は、特に限定されるものではないが、例えば、加熱温度は、好ましくは室温〜180℃、より好ましくは50〜150℃であり、加熱時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜10時間である。加熱温度が室温未満であるか、あるいは、加熱時間が1時間未満であると、環化縮合反応率が低下することがある。逆に、加熱温度180℃を超えるか、あるいは、加熱時間が20時間を超えると、樹脂の着色や分解が起こることがある。
方法(ii)は、例えば、耐圧性の釜型反応器などを用いて、重合工程で得られた重合反応混合物をそのまま加熱すればよい。方法(ii)の加熱温度や加熱時間は、特に限定されるものではないが、例えば、加熱温度は、好ましくは100〜180℃、より好ましくは100〜150℃であり、加熱時間は、好ましくは1〜20時間、より好ましくは2〜10時間である。加熱温度が100℃未満であるか、あるいは、加熱時間が1時間未満であると、環化縮合反応率が低下することがある。逆に、加熱温度が180℃を超えるか、あるいは加熱時間が20時間を超えると、樹脂の着色や分解が起こることがある。
いずれの方法においても、条件によっては、加圧下となっても何ら問題はない。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際には、溶剤の一部が反応中に自然に揮発しても何ら問題ではない。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の終了時、すなわち、脱揮工程開始直前における、ダイナミックTG測定における150〜300℃の範囲内における質量減少率は、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1%以下である。質量減少率が2%を超えると、続けて脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行っても、環化縮合反応率が充分高いレベルまで上がらず、得られるラクトン環含有重合体の物性が劣化することがある。なお、上記の環化縮合反応を行う際に、重合体(a)に加えて、他の熱可塑性樹脂を共存させてもよい。
重合工程で得られた重合体(a)の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とを予め環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う形態の場合、予め行う環化縮合反応で得られた重合体(分子鎖中に存在する水酸基とエステル基との少なくとも一部が環化縮合反応した重合体)と溶剤を、そのまま脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応に導入してもよいし、必要に応じて、前記重合体(分子鎖中に存在する水酸基とエステル基との少なくとも一部が環化縮合反応した重合体)を単離してから溶剤を再添加するなどのその他の処理を経てから脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応に導入しても構わない。
脱揮工程は、環化縮合反応と同時に終了することには限らず、環化縮合反応の終了から時間をおいて終了しても構わない。
ラクトン環含有重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000、より好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算により求めた値である。
ラクトン環含有重合体は、ダイナミックTG測定における150〜300℃の範囲内における質量減少率が好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下である。
ラクトン環含有重合体は、環化縮合反応率が高いので、成形後の成形品中に泡やシルバーストリークが入るという欠点が回避できる。さらに、高い環化縮合反応率によってラクトン環構造が重合体に充分に導入されるので、得られたラクトン環含有重合体が充分に高い耐熱性を有している。
ラクトン環含有重合体は、濃度15質量%のクロロホルム溶液にした場合、その着色度(YI)が、好ましくは6以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、特に好ましくは1以下である。着色度(YI)が6を超えると、着色により透明性が損なわれ、本来目的とする用途に使用できないことがある。
ラクトン環含有重合体は、熱質量分析(TG)における5%質量減少温度が、好ましくは330℃以上、より好ましくは350℃以上、さらに好ましくは360℃以上である。熱質量分析(TG)における5%質量減少温度は、熱安定性の指標であり、これが330℃未満であると、充分な熱安定性を発揮できないことがある。
ラクトン環含有重合体は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは125℃以上、さらに好ましくは130℃以上、特に好ましくは140℃以上である。
ラクトン環含有重合体は、それに含まれる残存揮発分の総量が、好ましくは1,500ppm以下、より好ましくは1,000ppm以下である。残存揮発分の総量が1,500ppmを超えると、成形時の変質などによって着色したり、発泡したり、シルバーストリークなどの成形不良の原因となる。
ラクトン環含有重合体は、射出成形により得られる成形品に対するASTM−D−1003に準拠した方法で測定された全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率は、透明性の指標であり、これが85%未満であると、透明性が低下し、本来目的とする用途に使用できないことがある。
前記ポリマーフィルムは、含有する全ポリマー材料の中で、ラクトン環含有重合体を主成分として含むのが好ましく、具体的にはその含有割合は、含有する全ポリマー材料中、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、さらに好ましくは70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%である。熱可塑性樹脂フィルム中のラクトン環含有重合体の含有割合が50質量%未満であると、光散乱性粒子の分散性が低下し所望の光散乱性が得られなかったり、所望のガスバリア性が得られない場合がある。
(その他の重合体)
前記ポリマーフィルムには、その他の成分として、ラクトン環含有重合体以外の重合体(以下「その他の重合体」ということがある。)を含有していてもよい。その他の重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などのオレフィン系重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン化ビニル系重合体;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系重合体;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂などのゴム質重合体;などが挙げられる。
前記光散乱性フィルムにおけるその他の重合体の含有割合は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜30質量%、特に好ましくは0〜20質量%である。
(光散乱性粒子)
前記ポリマーフィルムは、光散乱性粒子を含有しているのが好ましい。前記粒子は、ポリマー中に均一に分散しているのが、光散乱性が改善される点で好ましい。光散乱性を得るためには、粒子の屈折率npは、分散媒体、即ちラクトン環含有重合体を主成分とするポリマー材料、の屈折率nmと比較して、その差Δn=np−nmが大きいことが好ましい。
前記粒子の粒径については特に制限はないが、有機EL表示装置の表示性能に悪影響を与えず、光散乱性による表示性能の改善を達成するためには、粒子の平均粒径は0.1〜100nm程度であることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。粒子の平均粒子径が10nmより小さくなると散乱性能が落ちる。また粒子径が100nmより大きくなると、透明性フィルムの透明性が極端に低下し、表示性能に悪影響となる場合がある。
前記粒子は無機粒子であっても有機微粒子であっても、無機微粒子であってもよい。使用可能な無機粒子の例には、無機酸化物、無機窒化物及び無機炭酸化物の粒子が含まれる。中でも、無機酸化物が好ましく、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2及びAnO2がより好ましい。また、使用可能な有機粒子の例には、ポリメチルメタクリレートビーズ、アクリル−スチレン共重合体ビーズ、メラミンビーズ、ポリカーボネートビーズ、スチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ等が含まれる。
本発明では、単一種の無機粒子を単独で使用してもよいし、複数種の無機粒子を組み合わせて用いてもよい。
本発明に使用する粒子は、特開2005−213410号公報等に記載されている粒子の中心部に酸化チタン、表面部に酸化珪素を配置してなる屈折率分布を有する複合粒子であってもよい。前記複合粒子の製造方法については、特に制限されないが、ゾル-ゲル法により金属アルコキシドから作製する方法が簡便に屈折率プロファイルを制御することができる点で好ましい。また、セラミックスの複合粒子を得る場合は、粒子の中心部を構成する微粒子を核粒子として使用してもよい。具体的には、特開2002−274860号公報に記載されているような酸化ケイ素など低屈折率を示す微粒子の表面に組成の異なる金属アルコキシド溶液をコーティングする方法などが挙げられる。
(添加剤)
前記ポリマーフィルムには、種々の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤などの安定剤;ガラス繊維、炭素繊維などの補強材;フェニルサリチレート、(2,2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモンなどの難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤などの帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;などが挙げられる。
前記光散乱性フィルム中における添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜0.5質量%である。
(ポリマーフィルムの製造方法)
前記ポリマーフィルムは、ラクトン環含有重合体とともに光散乱性粒子を含有する組成物から作製することができる。前記組成物は種々の方法で調製することができる。例えば、(i)ラクトン環含有重合体と粒子とを、ブラベンダー、押出機、ロール等を用いて溶融混合する方法、(ii)ラクトン環含有重合体と粒子と有機溶媒とを混合して溶液とし、該溶液中の溶媒を除去する方法を挙げることができる。中でも、粒子の分散性の向上を図ることができる点で、前記(ii)の方法が好ましい。前記(ii)の方法を用いる場合、混合を行う装置として高速回転ミキサーを用いることが好ましい。好ましく用いられる前記高速回転ミキサーは、撹拌部の先端速度が15m/sec以上、好ましくは20m/sec以上、より好ましくは30m/sec以上の速度で稼動されることが望ましい。先端速度の上限は、通常、90m/sec程度である。このような高速回転による撹拌によって、せん断力を強力にして、粒子の分散を均一にすることができる。混合に要する時間は、通常は2〜1800秒間、好ましくは5〜1200秒間、より好ましくは5〜900秒間である。また、混合するときの温度は、通常は20〜80℃、好ましくは30〜70℃である。
前記高速回転ミキサーは、容器と撹拌ホイールとを備えており、撹拌ホイールは、高速回転が可能でその端部が容器内側近傍に達する粒径を有していることが好ましい。このような撹拌ホイールを高速回転させると、遠心力によって、撹拌液が容器内側面に回転しながら、薄膜状に押し付けられ、その薄膜に撹拌ホイールの先端部が接触して、効率的な撹拌を実現できる。前記高速回転ミキサーとしては、薄膜旋回型高速ミキサー、薄膜旋回型高速回転分散混合機等を挙げることができ、市販品としては、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速ミキサー(商品名:T.K.フィルミックス)、特殊機化工業株式会社製の薄膜旋回型高速粉体溶解装置(商品名:T.K.パウダーフィルミックス)等を挙げることができる。溶媒を除去する装置としては、特に制限されないが、円筒型濃縮乾燥機が好ましく用いられる。この円筒型濃縮乾燥機を用いるときの条件は、通常、乾燥温度が100〜350℃、圧力が1MPa以下である。さらに、溶媒を除去した樹脂組成物を、二軸押出機等を用いてさらに溶融混練を行うことが好ましく、その場合、円筒型濃縮乾燥機から吐出された溶融状態の樹脂組成物をそのまま二軸押出機の混練ゾーンに供給して連続的に溶融混練を行うことも可能である。
前記組成物は、上記(i)及び(ii)の方法に限定されず、例えば、オムニミキサーなど、従来公知の混合機で混合して調製することができる。
上記方法等により調製した組成物を、溶融押し出し法によりフィルム状に成形することで、前記ポリマーフィルムを作製することができる。また、それ以外にも、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、カレンダー法、圧縮成形法など、従来公知のフィルム成形法が挙げられる。これらのフィルム成形法のうち、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法が好ましい。
溶液キャスト法(溶液流延法)に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチエルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶液キャスト法(溶液流延法)を行うための装置としては、例えば、ドラム式キャスティングマシン、バンド式キャスティングマシン、スピンコーターなどが挙げられる。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の成形温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸などを行うこともできる。
前記ポリマーフィルムは、未延伸フィルム又は延伸フィルムのいずれでもよい。延伸フィルムである場合は、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸フィルムである場合は、同時2軸延伸フィルム又は逐次2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸した場合は、機械的強度が向上し、フィルム性能が向上する。ラクトン環含有重合体を主成分とするポリマーフィルムは、その他の熱可塑性樹脂を混合することにより、延伸しても位相差の増大を抑制することができ、光学的等方性を保持することができる。
延伸温度は、フィルム原料である前記組成物のガラス転移温度近傍であることが好ましく、具体的には、好ましくは(ガラス転移温度−30℃)〜(ガラス転移温度+100℃)、より好ましくは(ガラス転移温度−20℃)〜(ガラス転移温度+80℃)の範囲内である。延伸温度が(ガラス転移温度−30℃)未満であると、充分な延伸倍率が得られないことがある。逆に、延伸温度が(ガラス転移温度+100℃)超えると、組成物の流動(フロー)が起こり、安定な延伸が行えなくなることがある。
面積比で定義した延伸倍率は、好ましくは1.1〜25倍、より好ましくは1.3〜10倍の範囲内である。延伸倍率が1.1倍未満であると、延伸に伴う靭性の向上につながらないことがある。逆に、延伸倍率が25倍を超えると、延伸倍率を上げるだけの効果が認められないことがある。
延伸速度は、一方向で、好ましくは10〜20,000%/min、より好ましく100〜10,000%/minの範囲内である。延伸速度が10%/min未満であると、充分な延伸倍率を得るために時間がかかり、製造コストが高くなることがある。逆に、延伸速度が20,000%/minを超えると、延伸フィルムの破断などが起こることがある。
なお、前記ポリマーフィルムの光学的等方性や機械的特性を安定化させるために、延伸処理後に熱処理(アニーリング)などを行うことができる。熱処理の条件は、従来公知の延伸フィルムに対して行われる熱処理の条件と同様に適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
前記ポリマーフィルムは、その厚さが好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。厚さが5μm未満であると、フィルムの強度が低下する場合がある。一方、厚さが200μmを超えると、フィルムの透明性が低下するだけでなく、透湿性が小さくなり、水系接着剤を用いた場合、その溶剤である水の乾燥速度が遅くなることがある。
前記ポリマーフィルムは、その表面の濡れ張力が、好ましくは40mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上、さらに好ましくは55mN/m以上である。表面の濡れ張力が少なくとも40mN/m以上であると、前記ポリマーフィルムと他の層、例えば、ガスバリア層との接着強度がさらに向上する。表面の濡れ張力を調整するために、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理、その他の従来公知の表面処理を施すことができる。
(ポリマーフィルムのヘイズ)
前記ポリマーフィルムが光散乱性となるためには、そのヘイズが、20%以上であるのが好ましい。ポリマーフィルムのヘイズは、その中に分散される散乱性粒子の充填率及び/又はその粒径等によって調整することができる。散乱性粒子の充填率が高いほどヘイズが高くなる傾向があり、また散乱粒子の粒径が大きいほどヘイズが高くなる傾向がある。
(ポリマーフィルムのガスバリア性)
前記ポリマーフィルムは、ラクトン環含有重合体を含有しているので、透湿度が低く、ノルボルネン系樹脂フィルム等と同等のガスバリア性を示す。より具体的には、水蒸気透過率が0.5g/m2/day〜0.8g/m2/day、酸素透過率が150cm3/m2/day〜160cm3/m2/day程度を達成可能である、PET等の従来の汎用品と比較して、優れた水蒸気バリア性を示す。
なお、本明細書において、ガス透過率はMOCON社製ガス透過率測定装置(装置名OX-TRAN、PERMATRAN-Wなど、以下簡単に「MOCON」で表記する)を用いて測定することが可能である。ここで、MOCON法の測定下限は、酸素透過率が0.001cm3/m2/day、水蒸気透過率が0.01g/m2/day(カタログ値)であるが、実際には装置内部のガス配管系における吸着ガスやリークガスの影響を受けるため、前記測定下限よりも一桁程度高くなる。
(ガスバリア層)
本発明の光散乱性フィルムの一態様は、前記ポリマーフィルムをベースフィルムとし、その上に、ガスバリア層を有する態様である。前記ガスバリア層については、従来、有機EL表示装置に利用されているガスバリア層の性質、材料、構成及びその作製方法を参照することができる。前記ガスバリア層は、酸素ガス及び水蒸気ガスに対してバリア性を示す層である。水蒸気透過率が0.01g/m2/day〜0.1g/m2/day程度であるのが好ましく、酸素透過率が0.01cm3/m2/day〜1cm3/m2/day程度であるのがより好ましい。
前記ガスアリア層は、無機化合物からなる薄層であるのが好ましい。前記ガスバリア層は、種々の方法、例えば、塗布法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などにより形成することができる。具体的には特許第3400324号、特開2002−322561号、特開2002−361774号各公報記載の形成方法を採用することができる。前記ガスバリア層の作製に用いる材料は、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、又はTa等から選ばれる1種以上の金属を含む金属酸化物、金属窒化物、金属酸化窒化物、金属炭化物、金属酸化炭化物、金属窒化炭化物、及び金属酸化窒化炭化物などから選択するのが好ましい。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物又は酸化窒化物が好ましく、特に、Si又はAlの金属酸化物、窒化物又は酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
前記ガスバリア層の厚みに関しては特に限定されないが、5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、10nm〜200nmである。また、特開2006−334909号公報に記載されている通り、2層以上のガスバリア層を積層してもよい。この場合、各層が同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
(ハードコート層)
本発明の光散乱性フィルムの他の態様は、前記ポリマーフィルムと前記ガスバリア層とを有し、その間に、ハードコート層を有する態様である。前記ハードコート層については、従来、有機EL表示装置に利用されているハードコート層の性質、材料、構成及びその作製方法を参照することができる。前記ハードコート層は、前記ポリマーフィルムと前記ガスバリア層との接着性を改善する機能を有する層であり、この機能を示す限り、前記ハードコート層の材料については特に制限はない。多官能アクリルモノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー、各種重合開始剤を溶媒に溶解した組成物に、必要に応じてシリカ、アルミナ等の無機フィラーを添加して得られた塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱及び/又は電離放射線により硬化することで形成される有機層であってもよい。また、特開2006−334909号公報に記載されている通り、ガスバリア層と同種の材料を含んでいると、接着性が改善されるのでより好ましい。
[有機EL表示装置]
本発明の光散乱性フィルムは、有機EL表示装置に用いられる。本発明の光散乱性フィルムは、有機EL表示装置の封止フィルムや基板として用いることができる。また、前記光散乱性フィルムは、有機発光層に対して、該層からの発光を取り出す面側に配置されるのが好ましい。
本発明の有機EL表示装置は、通常、基板上に陰極と陽極とを有し、両電極の間に発光層を含む有機化合物層を有する。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明である。
本発明の有機EL表示装置における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでもよく、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割してもよい。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
次に、本発明の有機EL表示装置を構成する各要素について、詳細に説明する。
(基板)
本発明の有機EL表示装置は、基板として、本発明の光散乱性フィルムを有していてもよい。本発明の光散乱性フィルムを基板として用いない場合は、基板は、従来の有機EL表示装置に用いられている様々な基板から選択することができる。
前記基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(陽極)
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
(陰極)
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としては2属金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又は2属金属との合金(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又は2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μm程度であり、50nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
(発光層)
有機EL表示装置は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機発光層−
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
前記燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry, Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(実施例:光散乱性フィルムの作製)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた反応器にメタクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、4−メチル−2−ペンタノン、n−ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを添加すると同時に、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートとMIBKからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下、約105〜120℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、リン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(Phoslex A−18 堺化学工業(株)製)を加え、還流下、約90〜120℃で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液をベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、導入し、この押出し機内で、さらに環化縮合反応と脱揮を行い、押出すことにより、ラクトン環含有重合体の透明なペレットを得た。
得られた重合体樹脂をトルエンに溶解させた溶液と、酸化チタン(ホソカワミクロン社製、粒径58nm、屈折率2.7)をトルエンに分散した懸濁液とを混合し、この混合液を高速旋回分散機(特殊機化工業社製、フィルミックスFM80−50型)を用い、分散処理し、次いで溶融状態で押出し機から押出すことによりペレットを得た。
このペレットを、50mmφ単独押出し機を用い、400mm幅のコートハンガータイプTダイから溶融押出した後、二軸延伸装置を用いて、150℃の温度条件下で延伸することにより60μmのフィルムを得た。
(比較例フィルム1の作製)
窒素雰囲気下に、脱水したシクロヘキサン、1−ヘキセン、ジブチルエーテル及びトリイソブチルアルミニウムを反応器に入れ、室温で混合した後、45℃に保持しながら、8−エチリデンーテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(以下「ETCD」と略記する。)及び六塩化タングステンを、2時間連続的に添加して重合した。得られた溶液にブチルグリシジルエーテル及びイソプロピルアルコールを加えて重合反応を停止させ、ETCD開環重合体を含有する溶液を得た。
得られたETCD開環重合体を含有する重合反応溶液にシクロヘキサンを加え、さらに水素化触媒として、ニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)を加え、攪拌しながら200℃まで加温し、4時間反応させることにより、脂環式構造を有する重合体樹脂であるETCD開環重合体水素化物を含有する反応溶液を得た。得られた反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後,酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカル社製、イルガノックス1010)を添加し、溶解させた。次いで円筒型濃縮乾燥機を用い、揮発成分を除去しつつ、溶融状態で押出し機から押出すことによりペレットを得た。
実施例1と同様に、得られた重合体樹脂に酸化チタン(ホソカワミクロン社製、粒径58nm、屈折率2.7)を混合し、この混合液を高速旋回分散機(特殊機化工業社製、フィルミックスFM80−50型)を用い、分散処理し、次いで押出し機によりペレット化した。
得られたペレットを溶融押出しした後、二軸延伸装置を用いて60μmのフィルムを得た。
(比較例フィルム2の作製)
実施例1の作製途中で得られたラクトン環含有重合体の透明なペレットを溶融押出しした後、二軸延伸装置を用いて60μmの透明なフィルムを得た。
作製した光散乱性フィルム、比較例用フィルム1、2を、前記有機EL表示装置の最表面に貼り付け、有機EL表示装置1〜3を作製した。
作製した各有機EL表示装置について、斜め方向(方位角0°、極角60°)における輝度の上昇効果を、それぞれ評価した。具体的には、比較例フィルム2を利用した有機EL表示装置を基準として、その基準に対して、斜め輝度の上昇効果があったか否かを評価した。
Figure 2009206010
上記表に示す結果から、本発明の実施例の光散乱性フィルムを利用した有機EL表示装置は、斜め方向の輝度が高く、優れた表示性能を示した。
一方、比較例1のフィルムを用いた有機EL表示装置は、粒子を分散させて、光散乱性を持たせることを試みたが、分散不良となり、輝度上昇効果がみられなかった。
本発明の光散乱性フィルムの一例の断面模式図である。 本発明の光散乱性フィルムの他の例の断面模式図である。 本発明の光散乱性フィルムの他の例の断面模式図である。
符号の説明
10、10’、10” 光散乱性フィルム
12 光散乱性粒子
14 ガスバリア層
16 ハードコート層

Claims (7)

  1. ラクトン環含有重合体を含むポリマーフィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置用光散乱性フィルム。
  2. 前記ポリマーフィルムが、光散乱性粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の光散乱性フィルム。
  3. 前記光散乱粒子が、SiO2、ZrO2、TiO2、SnO2及びAnO2の中から選択される少なくとも一種の無機微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光散乱性フィルム。
  4. 前記ポリマーフィルムのヘイズが、20%以上であることを特徴とする請求項3に記載の光散乱性フィルム。
  5. 前記光散乱性粒子の平均粒径が、10nm〜100nmであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光散乱性フィルム。
  6. 前記ポリマーフィルム上に、少なくとも一層のガスバリア層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光散乱性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光散乱性フィルムを少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置。
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