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JP2009260122A - 高電圧コイルおよびその製造方法 - Google Patents

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Takaaki Oba
太賀彰 大場
Hiroshi Fujiura
浩 藤浦
Nobuhiko Uchida
信彦 内田
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Abstract

【課題】高い信頼性を有しながら、従来に比べて安価にかつ生産性良く製造することができる高電圧コイルおよびその製造方法を提供する
【解決手段】磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品に注形用熱硬化性樹脂組成物が注形硬化された高電圧コイルであって、注形硬化したコイル部品が被覆用樹脂により被覆されていることを特徴とする高電圧コイルおよびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高電圧コイルおよびその製造方法に関し、特にイグニッションコイルおよびその製造方法に関する。
例えば、自動車用イグニッションコイルにおいては、コイル構成部品の保護や絶縁のため、鉄心と一次コイルおよび二次コイルで構成したコイル本体をケースに収納するとともに、このケース内にエポキシ樹脂組成物を注型し硬化させている(例えば、特許文献1および2参照。)。エポキシ樹脂組成物の注型にあたっては、ボイドなどが生じないように真空注型が一般的である。
近年、自動車用イグニッションコイルは、多機能化が進むとともに、信頼性に対する要求がますます高まってきている。他方、コストの低減および生産性の向上に対する要求も高まってきている。通常、コイルヘの樹脂注入はケースを用いるため、工程が複雑化し材料費も高くなり、また、硬化時の収縮によりケースと樹脂の密着性が損なわれることもあった。そのため、ケースを使用せずにフィラー量の異なる2種類の樹脂を注形してフライバックトランスを製造することも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながらイグニッションコイル用に応え得る技術は未だ得られていない。
特開2002−15928号公報 特開平7−126493号公報 特開平5−82377号公報
本発明は、上記のような状況下で提案されたものであって、高い信頼性を有しながら、従来に比べて安価にかつ生産性良く製造することができる高電圧コイルおよびその製造方法、さらには該高電圧コイルおよびその製造方法に好適な注形用熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品を熱硬化性樹脂組成物により注形硬化し、さらにその外層を樹脂層により被覆することによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の高電圧コイルおよびその製造方法を提供するものである。
1.磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品に注形用熱硬化性樹脂組成物を注形硬化した高電圧コイルであって、注形硬化したコイル部品が被覆用樹脂により被覆されていることを特徴とする高電圧コイル。
2.前記被覆用樹脂が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であり、かつ前記被覆用樹脂の硬化後の曲げ弾性率が500〜5000MPaであることを特徴とする上記1記載の高電圧コイル。
3.前記被覆用樹脂がエポキシ/アミン系コーティング樹脂であることを特徴とする上記2記載の高電圧コイル。
4.前記注形用熱硬化性樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂、(B)シリカ粉末、(C)硬化剤および(D)硬化促進剤を含み、かつ、
前記(B)成分の含有量が、樹脂組成物全体の50〜75質量%であり、
前記(B)成分中に、粒径1μm未満である粒子の含有量が0.1質量%未満であって体積平均粒径が10〜30μmの球状シリカ粉末が25〜85質量%含まれ、
繊維質の含有量が、該注形用熱硬化性樹脂組成物全体の1質量%以下であることを特徴とする上記1〜3いずれかに記載の高電圧コイル。
5.前記注形用熱硬化性樹脂組成物が、さらに(E)ゴム粒子を含むことを特徴とする上記4記載の高電圧コイル。
6.前記(A)成分中に、脂環式エポキシ樹脂が10〜50質量%含まれる前記注形用熱硬化性樹脂組成物であることを特徴とする上記4又は5記載の高電圧コイル。
7.前記注形用熱硬化性樹脂組成物の硬化後の曲げ弾性率が6500〜16000MPaであることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の高電圧コイル。
8.磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品に注形用熱硬化性樹脂組成物を注形硬化し、さらに注形硬化したコイル部品を被覆用樹脂により被覆することを含む上記1〜7のいずれかに記載の高電圧コイルの製造方法。
本発明によれば、高い信頼性を有しながら、従来に比べて安価にかつ生産性良く製造することができる高電圧コイルおよびその製造方法、さらには該高電圧コイルおよびその製造に好適な注形用熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高電圧コイルは、磁気コアに1次コイルおよび2次コイルを巻回させたコイル部分に注形用熱硬化性樹脂組成物を注形硬化させ、その注形硬化させたコイル部品が被覆用樹脂により被覆されているものである。
[注形用熱硬化性樹脂組成物]
本発明における注形用熱硬化性樹脂組成物としては、特に制限はないが、注形用エポキシ樹脂組成物が好ましい。本明細書では、注形用エポキシ樹脂組成物を例にとって説明する。
まず、注形用エポキシ樹脂組成物に用いられる(A)〜(E)の各成分について説明する。
(A)エポキシ樹脂
本発明に用いられる(A)成分のエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子構造、分子量などに制限されることなく一般に使用されているものを広く用いることができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビスフェノールなどのジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;シクロヘキサン誘導体などのエポキシ化によって得られる脂環式エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明においては、(A)成分中に脂環式エポキシ樹脂を10〜50質量%含有させることが好ましい。脂環式エポキシ樹脂を使用することにより、樹脂組成物の粘度を低下させ、また、ガラス転移点を高くすることができる。さらに、脂環式エポキシ樹脂は沸点が比較的高いため、高温で真空成型する際に揮発しにくく、真空成型性を高めることができる。(A)成分中の割合が10質量%以上にすることにより、その効果を充分に発揮させることができ、また50質量%以下であると、脂環式エポキシ樹脂の反応性が硬化触媒に悪影響を及ぼすおそれがなく、硬化物の靭性が低下し、脆くなるおそれもない。
なお、(A)成分として、前記したもの以外にも、例えば、液状のモノエポキシ樹脂や、難燃性を付与するため、臭素系のエポキシ樹脂などを使用することができる。液状のモノエポキシ樹脂は併用成分として使用することが好ましい。
(B)シリカ粉末
本発明に用いられる(B)成分のシリカ粉末としては、溶融シリカ、溶融球状シリカおよび結晶シリカなどが挙げられ、粉砕したものであってもよい。
本発明において、(B)成分中に、粒径1μm未満である粒子の含有量が0.1質量%未満であって体積平均粒径が10〜30μmの球状シリカ粉末を25〜85質量%含ませることが好ましい。この条件を満足しない場合、つまり、該球状シリカ粉末の(B)成分中における含有量が25質量%に満たないか、あるいは85質量%を超えた場合には、硬化物の弾性率が低下し、割れやすくなる。
(B)成分のシリカ粉末の配合量としては、(B)成分を、樹脂組成物全体の50〜75質量%配合させることが好ましく、より好ましくは65〜75質量%である。配合量が樹脂組成物全体の50質量%以上であれば、樹脂組成物を硬化した場合の硬化物の機械的強度を充分なものとすることができ、また75質量%以下であれば、樹脂組成物の粘度が増大するのを抑え、充分にコイルに含浸させることができ、本発明の効果を得ることができる。
(C)硬化剤
本発明に用いられる(C)成分の硬化剤としては、前記した(A)エポキシ樹脂と反応し、硬化させることができるものであれば、特に制限することなく使用することができる。具体的には、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸およびこれらの誘導体などの酸無水物;フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂など、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂などのフェノール樹脂硬化剤などが挙げられる。その他、ジシアンアミド、イミダゾール、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素のようなルイス酸のアミン錯体なども使用可能である。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、なかでも、酸無水物が好ましく、特にメチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸の使用が好ましい。
(C)成分の硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂を硬化させることができる量であればよいが、好ましくは(A)エポキシ樹脂100質量部に対して80〜120質量部の範囲が好ましい。配合量が80質量部以上であると耐熱性に優れ、また120質量部以下であるとコイルに対する接着性を良好なものとすることができる。
(D)硬化促進剤
本発明に用いられる(D)成分の硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂と(C)硬化剤との反応を促進する作用を有するものであれば、特に制限することなく使用することができる。
具体的には、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5などのジアザビシクロアルケンおよびその誘導体;トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィンなどホスフィン類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。本発明においては、イミダゾール化合物、DBUなどの3級アミン類が好ましい。
この(D)成分の硬化促進剤は、(C)硬化剤の種類により適宜選択することができ、その配合量についても適宜決定することができる。
(E)ゴム粒子
本発明に用いられる(E)成分のゴム粒子は、樹脂組成物に主として耐クラック性を付与するために、必要に応じて配合される成分である。
この(E)成分としては、安定性の観点から、コアシェル構造を有するものが好ましく使用される。具体的には、市販品を例示すると、パラロイドEXL2314(呉羽化学工業(株)製 商品名)、スタフィロイドAC−3355およびスラフィロイドAC−3816(いずれも、ガンツ化成(株)製 商品名)などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(E)成分のゴム粒子の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部配合することが好ましく、0.3〜7質量部配合することがより好ましい。配合量が0.1質量部以上であれば耐クラック性を十分に付与することができ、また、10質量部以下であればコイル含浸性が良好なものとなる。
次に、上記(A)〜(E)成分以外に、注形用エポキシ樹脂組成物に必要に応じて配合される各種成分について説明する。
本発明の注型用エポキシ樹脂組成物には、(B)シリカ粉末以外の無機充填剤の1種以上を、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて配合することができる。このような無機充填剤としては、例えばアルミナ、ジルコン、タルク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニアなどの粉末、これらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素および窒化珪素などが挙げられる。
さらに、注形用エポキシ樹脂組成物に関する分野において、樹脂組成物に一般に配合される、脂環式エポキシ化合物などの反応性希釈剤、カップリング剤、沈降防止剤、カーボンブラックなどの着色剤、消泡剤および三酸化アンチモンなどを配合することができる。
但し、本発明の目的のためには、繊維質は、樹脂組成物全体の1質量%以下となるよう、実質的に含有させないようにすることが好ましい。繊維質の含有量が、樹脂組成物全体の1質量%を超えると、コイルヘの含浸性が低下し、本発明による効果が得られなくなる。
本発明の注型用熱硬化性樹脂組成物は、硬化後の曲げ弾性率が6500〜16000MPaであるものが好ましく、9000〜13000MPaであるものがより好ましい。硬化後の曲げ弾性率が6500MPa以上であれば、金型離型時に割れが発生することがなく、また16000MPa以下であれば、靭性に優れ、成形性が良好なものとなる。
本発明の注型用熱硬化性樹脂組成物を注型材料として調製するにあたっては、通常の方法を用いることができる。すなわち、例えば注型用エポキシ樹脂組成物を用いる場合、(A)エポキシ樹脂に、(B)シリカ粉末および前記の必要に応じて配合される各種成分を、ミキサーなどによって十分に混合することにより主剤成分を調製する。一方で、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤および(E)ゴム粒子を十分に混合することにより硬化剤成分を調製する。調製した主剤成分および硬化剤成分は、使用に際し、ミキサーなどにより均一に混合することによってエポキシ樹脂組成物を注型材料として調製することができる。
[被覆用樹脂]
本発明における被覆用樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂でも、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂のいずれでも良いが、硬化後の曲げ弾性率が500〜5000MPaであり、かつ、20〜50℃の低温で硬化することが好ましい。曲げ弾性率が500MPa以上であれば外部からの衝撃に対して凹みなどが生じず、5000MPa以下であればクラックが生じることもない。特に好ましいのは、エポキシ/アミン系コーティング剤であり、例えば京セラケミカル(株)社製 商品名:TCG0295などが特に好ましい。
[高電圧コイルの製造方法]
本発明における高電圧コイルの製造方法としては、磁気コア、1次コイル、2次コイルなどの所要のコイル構成部品を用い、
例えば、まず、磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回するなどし、コイル部品を組立てる。コイル部品を注型用金型内に配置した後、この金型内に前記注型用熱硬化性樹脂組成物を真空下で注型し、加熱硬化する。
なお、注型用金型には、ゲートからランナヘの接続箇所に注入樹脂を一時滞留させるための樹脂液溜を有し、かつ、末端にベントを有する構造のものを使用することが好ましい。また、注型条件としては、射出時の樹脂温度120〜150℃、樹脂粘度0.1〜2Pa・s、部品1個当たりの樹脂充填速度5〜20cm3/secが好ましい。
次に、注形硬化したコイル部品の外層を前記被覆用樹脂で被覆することによって、本発明の高電圧コイルを製造することができる。
コイル部品の被覆用樹脂による被覆は、ディップ法、スプレー法、フィルムで覆う方法など被覆できる方法であれば、特に制限はない。被覆層の厚さは、1〜500μmであれば対衝撃性に優れた高電圧コイルとすることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明は、これらによって何ら限定されるものではない。
下記の実施例1〜9、比較例1および参考例1において、用いた各成分は次のとおりである。
(A)エポキシ樹脂
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型液状エポキシ樹脂としてEP4100E((株)ADEKA製 商品名)、脂環式エポキシ樹脂としてERL4221(ダウ・ケミカル(株)製 商品名)
(B)シリカ粉末
ヒューズレックスRD−8(粉砕シリカ、平均粒径15μm、(株)龍森製 商品名)、ヒューズレックスMSR−15(球状シリカ、平均粒径15μm、(株)龍森製 商品名)、FB−5D(球状シリカ、平均粒径6μm、電気化学工業(株)製 商品名)
(C)硬化剤
酸無水物としてHN2000(日立化成(株)製 商品名)
(D)硬化促進剤
硬化促進剤としてカオーライザーNo.20(花王(株)製 商品名)、アデカハードナーEHC−30((株)ADEKA製 商品名)
(E)ゴム粒子
ゴム粒子としてパラロイドEXL2314(呉羽化学工業(株)製 商品名)
(任意成分)
消泡剤としてTSA720(GE東芝シリコーン(株)製 商品名)、シランカップリング剤としてA−187(日本ユニカー(株)製 商品名)
実施例1〜9、比較例1および参考例1
実施例1〜9、比較例1および参考例1において、上記各成分は表1に示した割合で配合し、下記(1)および(2)のとおり行った。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)シリカ粉末および任意成分を、1時間真空混練して主剤成分を調製した。また、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤および(E)ゴム粒子を混合して硬化剤成分を調製した。調製した主剤成分および硬化剤成分を均一に混合して注型用熱硬化性樹脂組成物とした。
(2)次に、磁気コア、1次コイル、2次コイルなどのコイル構成部品を組立てたコイル部品(ボビン径18mm、巻線径45μm、巻数15000)を注型用金型内に配置し、注型用熱硬化性樹脂組成物を、真空下で金型内に注型し、コイル部品に含浸させた。150℃で10分間加熱し硬化させた後、金型から取り出し、さらに150℃で1時間硬化させた。その後、被覆用樹脂としてエポキシコーティング剤を、注形硬化したコイル部品の表面にディップコートして、被覆の厚さ10μmのコイルを製造した。
被覆用樹脂であるエポキシコーティング剤としては、以下のものを用いた。
TCG0295〔(エポキシ/アミン)京セラケミカル(株)製 商品名、曲げ弾性率(25℃):620MPa、表面処理条件:25℃/24時間〕、TCG2045〔(エポキシ/酸無水物)京セラケミカル(株)製 商品名、曲げ弾性率(25℃):300MPa、表面処理条件:160℃/1時間〕
[特性評価]
実施例1〜9、比較例1および参考例1の注型用熱硬化性樹脂組成物を硬化物としたものおよび得られたコイルについて、その特性を以下の方法により評価した。得られた結果を注型用熱硬化性樹脂組成物の組成とともに表1に示す。
なお、コイルの特性評価について、比較例1は被覆用樹脂による被覆をしないで評価し、参考例1は、ポリプロピレンケース(ケース外径23mm)を使用してコイルを作製し評価した。
(1)硬化物の曲げ弾性率、曲げ強さ
注型用熱硬化性樹脂組成物を150℃で1.5時間加熱し硬化させて試験片を作製した後、この試験片についてJIS C 2105に準じて、25℃にて測定した。
(2)硬化物のガラス転移点
注型用熱硬化性樹脂組成物を150℃で1.5時間加熱し硬化させて試験片を作製した後、この試験片を10℃/minで250℃まで昇温し、TMA(熱機械分析装置)を用いて測定した。
(3)コイルの含浸性、表面外観、表面強度
コイルの含浸性および表面外観を、コイルの切断面および表面外観のボイドの有無を目視にて観察することにより評価した。また、コイルを1mおよび3mの高さから落下させ、表面の割れ(クラック)および凹みの有無を目視にて観察することにより、表面強度を評価した。
Figure 2009260122
表1から、本発明の高電圧コイルは、硬化物の特性が優れた注形用熱硬化性樹脂組成物を用いており、ポリプロピレンケースを用いた参考例1のコイルと同様の表面強度を有することがわかる。
本発明の高電圧コイルは、従来に比べて安価にかつ生産性良く製造することができ、高い信頼性を有していることから、特にイグニッションコイルとして有用である。

Claims (8)

  1. 磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品に注形用熱硬化性樹脂組成物を注形硬化した高電圧コイルであって、注形硬化したコイル部品が被覆用樹脂により被覆されていることを特徴とする高電圧コイル。
  2. 前記被覆用樹脂が熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であり、かつ前記被覆用樹脂の硬化後の曲げ弾性率が500〜5000MPaであることを特徴とする請求項1記載の高電圧コイル。
  3. 前記被覆用樹脂がエポキシ/アミン系コーティング樹脂であることを特徴とする請求項2記載の高電圧コイル。
  4. 前記注形用熱硬化性樹脂組成物が(A)エポキシ樹脂、(B)シリカ粉末、(C)硬化剤および(D)硬化促進剤を含み、かつ、
    前記(B)成分の含有量が、樹脂組成物全体の50〜75質量%であり、
    前記(B)成分中に、粒径1μm未満である粒子の含有量が0.1質量%未満であって体積平均粒径が10〜30μmの球状シリカ粉末が25〜85質量%含まれ、
    繊維質の含有量が、該注形用熱硬化性樹脂組成物全体の1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の高電圧コイル。
  5. 前記注形用熱硬化性樹脂組成物が、さらに(E)ゴム粒子を含むことを特徴とする請求項4記載の高電圧コイル。
  6. 前記(A)成分中に、脂環式エポキシ樹脂が10〜50質量%含まれる前記注形用熱硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項4又は5記載の高電圧コイル。
  7. 前記注形用熱硬化性樹脂組成物の硬化後の曲げ弾性率が6500〜16000MPaであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高電圧コイル。
  8. 磁気コアに1次コイルと2次コイルとを巻回したコイル部品に注形用熱硬化性樹脂組成物を注形硬化し、さらに注形硬化したコイル部品を被覆用樹脂により被覆することを含む請求項1〜7のいずれかに記載の高電圧コイルの製造方法。
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