JP2009250198A - ラッシュアジャスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができ、また、アジャストスクリュを初期セットする作業が簡単なラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】シリンダヘッド2に形成されたガイド孔9に挿入されるリフタボディ10と、リフタボディ10と一体に上下動するナット部材11と、ナット部材11にねじ係合するアジャストスクリュ14と、アジャストスクリュ14を付勢するリターンスプリング15とを有するラッシュアジャスタにおいて、アジャストスクリュ14のナット部材11からの突出部分の外周に円周溝23を形成し、その円周溝23に、ナット部材11の内径よりも大きい外径をもつOリング24を装着し、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んだときに、Oリング24とナット部材11の下端面25との間に生じる摩擦力によってアジャストスクリュ14が回り止めされるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダヘッド2に形成されたガイド孔9に挿入されるリフタボディ10と、リフタボディ10と一体に上下動するナット部材11と、ナット部材11にねじ係合するアジャストスクリュ14と、アジャストスクリュ14を付勢するリターンスプリング15とを有するラッシュアジャスタにおいて、アジャストスクリュ14のナット部材11からの突出部分の外周に円周溝23を形成し、その円周溝23に、ナット部材11の内径よりも大きい外径をもつOリング24を装着し、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んだときに、Oリング24とナット部材11の下端面25との間に生じる摩擦力によってアジャストスクリュ14が回り止めされるようにする。
【選択図】図1
Description
この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、上下にスライド可能に支持されたリフタボディをカムで押し下げ、そのリフタボディでバルブステムを押し下げるようにしたもの(ダイレクト式動弁装置)が知られている。
この動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間(例えば、リフタボディとカムの間)の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じる恐れがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間(例えば、バルブとバルブシートの間)の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じる恐れがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、動弁装置にラッシュアジャスタを組み込み、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収することが多い。
このようなラッシュアジャスタとして、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディと、そのリフタボディと一体に上下動するナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献1)。
このラッシュアジャスタは、動弁装置の熱膨張などによって動弁装置の構成部材間の隙間が変化すると、その隙間の変化に応じて、アジャストスクリュがナット部材内を回転しながら軸方向に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間を調整する。
ところで、このラッシュアジャスタは、動弁装置から取り外した状態では、アジャストスクリュがリターンスプリングの付勢力によってナット部材から突出し、その状態で動弁装置に組み込むと、バルブがバルブシートに着座せず、エンジンが完爆しない。そのため、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込む際に、アジャストスクリュをナット部材にねじ込み、そのアジャストスクリュをナット部材から突出しないように押さえておく必要があった。しかし、アジャストスクリュを押さえておくのは煩雑である。
そこで、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだ状態に保持(以下、「初期セット」という)することが可能なラッシュアジャスタとして、アジャストスクリュとナット部材の間に蝋を充填し、その蝋でアジャストスクリュを回り止めしたものが提案されている(特許文献1)。
このラッシュアジャスタは、蝋がアジャストスクリュを回り止めするので、動弁装置に組み込むときにアジャストスクリュを押さえておく必要がない。また、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後は、エンジン作動中の温度上昇によって蝋が融解し、アジャストスクリュの初期セットが解除される。
しかし、アジャストスクリュとナット部材の間の蝋は、いったん融解するとアジャストスクリュとナット部材の間から流出するので、アジャストスクリュを再び初期セットすることができない。そのため、エンジンをオーバーホールするときに、再びアジャストスクリュを初期セットすることができず、不便であった。
そこで、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができるラッシュアジャスタとして、アジャストスクリュとナット部材とに小径の貫通孔を形成し、その貫通孔にセットピンを挿し通すことにより、アジャストスクリュを回り止めするようにしたものが知られている(特許文献2)。
しかし、アジャストスクリュとナット部材とに小径の貫通孔を形成するのは、コスト高である。また、アジャストスクリュを初期セットするときに、アジャストスクリュの貫通孔をナット部材の貫通孔に一致させる必要があるが、小径の貫通孔の位置を一致させる作業は容易でない。
また、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだときに、セットピンを抜き忘れるおそれがある。また、忘れずにセットピンを抜いた場合にも、貫通孔から抜いたセットピンをエンジン内に置き忘れるおそれがある。また、エンジンをオーバーホールするときに再びセットピンを使用するので、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後も、セットピンを保管しておく必要があり、その管理が面倒であった。
特開2000−110523号公報
特開平11−62519号公報
この発明が解決しようとする課題は、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができ、また、アジャストスクリュを初期セットする作業が簡単であり、さらに、動弁装置に組み込んだときにアジャストスクリュの初期セットを解除し忘れる心配がなく、しかも、動弁装置に組み込んだ後の管理が容易なラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記アジャストスクリュの前記ナット部材からの突出部分の外周に円周溝を形成し、その円周溝に、前記ナット部材の内径よりも大きい外径をもつリング状の弾性部材を装着し、前記アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときに、前記弾性部材と前記ナット部材の下端面との間に生じる摩擦力によって前記アジャストスクリュが回り止めされるようにした。
このようにすると、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときに、アジャストスクリュの円周溝に装着された弾性部材が、ナット部材の下端面に押さえ付けられて変形するので、その弾性部材の弾性復元力によって弾性部材とナット部材の下端面との間に摩擦力が生じ、その摩擦力によってアジャストスクリュが回り止めされ、その結果、アジャストスクリュを初期セットすることができる。また、アジャストスクリュの初期セットは、アジャストスクリュに衝撃荷重を加えることによって解除することができる。
前記弾性部材としては、例えば、ゴム製のOリングや弾性樹脂製のリング部材を用いることができる。
また、前記弾性部材として、下方に縮径する円錐コイルばねを用いることができる。この場合、その円錐コイルばねの下端を、径方向の締め代をもって前記円周溝に嵌合させると好ましい。このようにすると、円錐コイルばねとアジャストスクリュの間にガタが生じないので、円錐コイルばねの姿勢が安定し、その結果、アジャストスクリュを初期セットするときに、円錐コイルばねとナット部材の下端面との間に生じる摩擦力の大きさを、アジャストスクリュのねじ込みトルクで高精度に管理することが可能となる。
また、前記弾性部材として、巻き数が2巻きの円筒コイルばねを用いることができる。この場合、その円筒コイルばねを、径方向の締め代をもって前記円周溝に嵌合させると好ましい。このようにすると、円筒コイルばねとアジャストスクリュの間にガタが生じないので、円筒コイルばねの姿勢が安定し、その結果、アジャストスクリュを初期セットするときに、円筒コイルばねとナット部材の下端面との間に生じる摩擦力の大きさを、アジャストスクリュのねじ込みトルクで高精度に管理することが可能となる。
この発明のラッシュアジャスタは、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュを初期セットするので、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることが可能である。
また、このラッシュアジャスタは、アジャストスクリュをナット部材にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュをねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフトを回転させると、アジャストスクリュに加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュの回り止めが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュの回り止めを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタは、初期セットが解除された後に、アジャストスクリュの円周溝に弾性部材が保持されるので、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタは、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュやナット部材に形成する必要がないので、低コストである。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、シリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5とを有する。バルブステム5は、バルブ4から上方に延びており、バルブステム5の上部にはスプリングリテーナ6が固定されている。スプリングリテーナ6は、バルブスプリング7によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ4をバルブシート8に着座させている。
図1〜図3に示すように、ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2に形成されたガイド孔9に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ10と、リフタボディ10と一体に上下動するナット部材11と、そのナット部材11の内周に形成された雌ねじ12にねじ係合する雄ねじ13を外周に有するアジャストスクリュ14と、そのアジャストスクリュ14を付勢するリターンスプリング15とを有する。
図1に示すように、リフタボディ10は、筒部16と、筒部16の上端に設けられた端板17とからなる。ナット部材11は、端板17の下面に止め輪18で固定されており、その端板17でナット部材11の上端が閉塞され、ナット部材11の下端は開放している。
リフタボディ10の上方にはカム19が設けられている。カム19は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト20に一体に形成されており、カムシャフト20が回転すると、ベースサークル19aに対して隆起したカム山部19bが、端板17の上面を押圧してリフタボディ10を押し下げるようになっている。
図2、図3に示すように、リターンスプリング15は、アジャストスクリュ14と端板17の間に組み込まれており、アジャストスクリュ14をナット部材11から下方に突出する方向に付勢している。アジャストスクリュ14は、ナット部材11からの突出端が、バルブステム5の上端を押圧する(図1参照)。
雄ねじ13と雌ねじ12は、アジャストスクリュ14をナット部材11に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク21のフランク角が、遊び側フランク22のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ14に負荷されたときは、雄ねじ13と雌ねじ12の圧力側フランク21,21間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ14の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ14に負荷されたときは、雄ねじ13と雌ねじ12の遊び側フランク22,22間の滑りによってアジャストスクリュ14の回転が許容されるようになっている。
アジャストスクリュ14は、ナット部材11からの突出部分の外周に円周溝23が形成されており、その円周溝23に、ゴム製のOリング24が装着されている。Oリング24は、ナット部材11の内径よりも大きい外径をもち、円周溝23から外径側にはみ出す部分が、ナット部材11の下端面25を上方に臨むようになっている。Oリング24を形成する材料としては、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴムなどを採用することができる。
上述したラッシュアジャスタ1は、図2に示すようにアジャストスクリュ14がナット部材11から突出した状態から、アジャストスクリュ14を回転操作してナット部材11にねじ込むと、図3に示すように、Oリング24がナット部材11の下端面25に押さえ付けられて変形するので、そのOリング24の弾性復元力によってOリング24とナット部材11の下端面25との間に摩擦力が生じ、その摩擦力によってアジャストスクリュ14が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ14は、ナット部材11にねじ込まれた状態に保持(初期セット)される。
その後、図1に示すように、ラッシュアジャスタ1を動弁装置に組み込んだ状態で、クランキングによってカムシャフト20を回転させると、カム19のカム山部19bが端板17の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ14に衝撃荷重が加わり、その衝撃荷重によって、アジャストスクリュ14の初期セットが解除される。その結果、アジャストスクリュ14は、リターンスプリング15の付勢力によって回転しながら突出方向に移動し、端板17がカム19のベースサークル19aに接触する位置までリフタボディ10を上昇させる。
その後、エンジンの作動によりカムシャフト20が回転して、カム19のカム山部19bがリフタボディ10を押し下げると、バルブ4がバルブシート8から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ14に押し込み方向の荷重が負荷されるが、雄ねじ13の圧力側フランク21が雌ねじ12の圧力側フランク21で受け止められて、アジャストスクリュ14の軸方向位置が固定される。
更にカム19が回転して、カム山部19bが端板17の位置を過ぎると、バルブスプリング7の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート8に着座して、吸気ポート3を閉じる。
厳密には、カム19のカム山部19bがリフタボディ10を押し下げるときに、雄ねじ13と雌ねじ12の圧力側フランク21,21間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ14は押し込み方向に移動するが、カム山部19bが端板17の位置を過ぎて、押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ14は、リターンスプリング15から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
エンジン作動中に、シリンダヘッド2やバルブステム5など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム19とリフタボディ10の間の距離が大きくなったときは、カム19のカム山部19bがリフタボディ10を押し下げるときのアジャストスクリュ14の押し込み量よりも、更にカム19が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ14の突出量が大きくなる。その結果、カム19が回転するごとに、アジャストスクリュ14が突出方向に徐々に移動するので、カム19のベースサークル19aと端板17の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート8の接触面が摩耗したときは、カム19のベースサークル19aが端板17の位置にあるときにも、バルブスプリング7の付勢力がアジャストスクリュ14に作用するため、カム19のカム山部19bがリフタボディ10を押し下げるときのアジャストスクリュ14の押し込み量よりも、更にカム19が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ14の突出量が小さくなる。その結果、カム19が回転するごとに、アジャストスクリュ14が押し込み方向に徐々に移動し、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート8の接触面間に隙間が生じない。
エンジンをオーバーホールするときに、動弁装置からカムシャフト20を取り外すと、リターンスプリング15の付勢力によって、アジャストスクリュ14がナット部材11から突出する。そのため、動弁装置から取り外したカムシャフト20を、再び動弁装置に組み付けるときは、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んで初期セットした後に、カムシャフト20の組み付けを行なう。
このように、このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ14を初期セットするので、アジャストスクリュ14を繰り返し初期セットすることが可能である。
また、ラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュ14をねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタ1は、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフト20を回転させると、アジャストスクリュ14に加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュ14の回り止めが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタ1は、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュ14の初期セットを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ14の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ14の円周溝23にOリング24が保持されるので、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタ1を動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタ1は、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュ14やナット部材11に形成する必要がないので、低コストである。
また、ラッシュアジャスタ1は、円周溝23に装着する弾性部材としてOリング24を採用しており、このOリング24は広く一般に流通している部材なので、低コストである。
上記実施形態では、ラッシュアジャスタ1のコスト低減を図るために、円周溝23に装着する弾性部材としてOリング24を採用したが、Oリング24にかえて、断面方形の角リングなど他の形状のリング部材を採用してもよい。また、ゴム製のOリング24にかえて、熱可塑性エラストマ等の弾性樹脂からなるリング部材を採用してもよい。
図4、図5に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を示す。第1実施形態と対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
アジャストスクリュ14は、ナット部材11からの突出部分の外周に円周溝23が形成されており、その円周溝23に円錐コイルばね32が装着されている。円錐コイルばね32は、下方に縮径する円錐状に形成され、その下端が、径方向の締め代をもって円周溝23に嵌合している。また、円錐コイルばね32は、その上端が、ナット部材11の内径よりも大きい外径をもち、円周溝23から外径側にはみ出す部分が、ナット部材11の下端面25を上方に臨むようになっている。円錐コイルばね32は、例えば、ばね鋼で形成することができる。
上述したラッシュアジャスタ31は、図4に示すようにアジャストスクリュ14がナット部材11から突出した状態から、アジャストスクリュ14を回転操作してナット部材11にねじ込むと、図5に示すように、円錐コイルばね32がナット部材11の下端面25に押さえ付けられて変形するので、その円錐コイルばね32の弾性復元力によって円錐コイルばね32の上端とナット部材11の下端面25との間に摩擦力が生じ、その摩擦力によってアジャストスクリュ14が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ14が初期セットされる。
その後、ラッシュアジャスタ31を動弁装置に組み込んだ状態で、クランキングによってカムシャフト20を回転させると、カム19のカム山部19bが端板17の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ14に衝撃荷重が加わり、その衝撃荷重によって、アジャストスクリュ14の初期セットが解除される。
このラッシュアジャスタ31は、第1実施形態と同様、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ14を初期セットするので、アジャストスクリュ14を繰り返し初期セットすることが可能であり、また、その初期セット作業が簡単である。また、アジャストスクリュ14の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ14の円周溝23に円錐コイルばね32が保持されるので、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がなく、また、セットピン等の別部材を保管する必要もない。
さらに、このラッシュアジャスタ31は、円錐コイルばね32の下端が、径方向の締め代をもって円周溝23に嵌合しているので、円錐コイルばね32とアジャストスクリュ14の間にガタが生じず、円錐コイルばね32の姿勢が安定している。そのため、ナット部材11の下端面25に対する円錐コイルばね32の接触状態が安定し、アジャストスクリュ14を初期セットするときに、円錐コイルばね32とナット部材11の下端面25との間に生じる摩擦力の大きさを、アジャストスクリュ14のねじ込みトルクで高精度に管理することが可能である。
図6、図7に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ41を示す。第1実施形態と対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
アジャストスクリュ14は、ナット部材11からの突出部分の外周に円周溝23が形成されており、その円周溝23に円筒コイルばね42が装着されている。円筒コイルばね42は、コイルの巻き数が2巻きとなるように形成され、その各コイルが径方向の締め代をもって円周溝23に嵌合している。また、円筒コイルばね42は、ナット部材11の内径よりも大きい外径をもち、円周溝23から外径側にはみ出す部分が、ナット部材11の下端面25を上方に臨むようになっている。円筒コイルばね42は、例えば、ばね鋼で形成することができる。
上述したラッシュアジャスタ41は、図6に示すようにアジャストスクリュ14がナット部材11から突出した状態から、アジャストスクリュ14を回転操作してナット部材11にねじ込むと、図7に示すように、円筒コイルばね42がナット部材11の下端面25に押さえ付けられて変形するので、その円筒コイルばね42の弾性復元力によって円筒コイルばね42の上端とナット部材11の下端面25との間に摩擦力が生じ、その摩擦力によってアジャストスクリュ14が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ14が初期セットされる。
その後、ラッシュアジャスタ41を動弁装置に組み込んだ状態で、クランキングによってカムシャフト20を回転させると、カム19のカム山部19bが端板17の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ14に衝撃荷重が加わり、その衝撃荷重によって、アジャストスクリュ14の初期セットが解除される。
このラッシュアジャスタ41は、第1実施形態と同様、アジャストスクリュ14をナット部材11にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ14を初期セットするので、アジャストスクリュ14を繰り返し初期セットすることが可能であり、また、その初期セット作業が簡単である。また、アジャストスクリュ14の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ14の円周溝23に円筒コイルばね42が保持されるので、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がなく、また、セットピン等の別部材を保管する必要もない。
さらに、このラッシュアジャスタ41は、円筒コイルばね42が、径方向の締め代をもって円周溝23に嵌合しているので、円筒コイルばね42とアジャストスクリュ14の間にガタが生じず、円筒コイルばね42の姿勢が安定している。そのため、ナット部材11の下端面25に対する円筒コイルばね42の接触状態が安定し、アジャストスクリュ14を初期セットするときに、円筒コイルばね42とナット部材11の下端面25との間に生じる摩擦力の大きさを、アジャストスクリュ14のねじ込みトルクで高精度に管理することが可能である。
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
5 バルブステム
9 ガイド孔
10 リフタボディ
11 ナット部材
12 雌ねじ
13 雄ねじ
14 アジャストスクリュ
15 リターンスプリング
23 円周溝
24 Oリング
25 下端面
31 ラッシュアジャスタ
32 円錐コイルばね
41 ラッシュアジャスタ
42 円筒コイルばね
2 シリンダヘッド
5 バルブステム
9 ガイド孔
10 リフタボディ
11 ナット部材
12 雌ねじ
13 雄ねじ
14 アジャストスクリュ
15 リターンスプリング
23 円周溝
24 Oリング
25 下端面
31 ラッシュアジャスタ
32 円錐コイルばね
41 ラッシュアジャスタ
42 円筒コイルばね
Claims (7)
- シリンダヘッド(2)に形成されたガイド孔(9)に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ(10)と、そのリフタボディ(10)と一体に上下動するナット部材(11)と、そのナット部材(11)の内周に形成された雌ねじ(12)にねじ係合する雄ねじ(13)を外周に有するアジャストスクリュ(14)と、そのアジャストスクリュ(14)を前記ナット部材(11)から下方に突出する方向に付勢するリターンスプリング(15)とを有し、前記アジャストスクリュ(14)のナット部材(11)からの突出端で動弁装置のバルブステム(5)を押圧するラッシュアジャスタにおいて、
前記アジャストスクリュ(14)の前記ナット部材(11)からの突出部分の外周に円周溝(23)を形成し、その円周溝(23)に、前記ナット部材(11)の内径よりも大きい外径をもつリング状の弾性部材(24)を装着し、前記アジャストスクリュ(14)をナット部材(11)にねじ込んだときに、前記弾性部材(24)と前記ナット部材(11)の下端面(25)との間に生じる摩擦力によって前記アジャストスクリュ(14)が回り止めされるようにしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。 - 前記弾性部材としてゴム製のOリング(24)を用いた請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記弾性部材として、弾性樹脂製のリング部材を用いた請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記弾性部材として、下方に縮径する円錐コイルばね(32)を用いた請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記円錐コイルばね(32)の下端を、径方向の締め代をもって前記円周溝(23)に嵌合させた請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記弾性部材として、巻き数が2巻きの円筒コイルばね(42)を用いた請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
- 前記円筒コイルばね(42)を、径方向の締め代をもって前記円周溝(23)に嵌合させた請求項6に記載のラッシュアジャスタ。
Priority Applications (5)
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| JP2008102434A JP2009250198A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | ラッシュアジャスタ |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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-
2008
- 2008-04-10 JP JP2008102434A patent/JP2009250198A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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| A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20130109 |