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JP2009127813A - 水素ガス供給方法およびその供給設備 - Google Patents

水素ガス供給方法およびその供給設備 Download PDF

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Abstract

【課題】液体水素貯槽内を加圧する水素ガス温度と前記貯槽へ充填された液化水素温度の温度差を少なくし、前記貯槽内の圧力を適正な圧力範囲に維持しつつ、水素ガスをユースポイントに供給する方法およびその設備を提供する。
【解決手段】液体水素貯槽1内を加圧する水素ガスを冷却するために、前記貯槽1から取り出した液体水素を冷媒とする熱交換器10を設けた水素ガス供給設備を使用して、前記貯槽1内の液体水素を取り出して蒸発器2により気化した水素ガスをユースポイントに供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液化水素を気化して水素ガスとし、これをユースポイントへ供給する水素ガス供給方法および水素ガス供給設備に関し、液化水素貯槽に充填された液化水素を水素ガスに気化させ、ロスをなくし効率よく使用先に供給することを可能とするものである。
例えば、大量に水素ガスを使用する工場などにおいては、その工場の敷地に、液化水素貯槽等を備えた水素ガス供給設備を設置し、その設置場所まで液化水素輸送車にて液化水素を移動させ、前記液化水素貯槽へ液化水素を充填することが行われている。このような従来の水素ガス供給設備を図3に示す。
以下、図3を参照しながら、従来の水素ガス供給方法および水素ガス供給設備を説明する。
図3に示した水素ガス供給設備は、液化水素貯槽1と蒸発器2とを主な構成要素とするものである。
液化水素貯槽1は、液化水素を貯蔵する容器であり、例えば金属製の内容器と金属製の外容器との間を断熱構造とした容器などが用いられる。蒸発器2は、大気中の熱や40℃程度の蒸気熱を加熱手段とし、熱交換により液化水素を気化させ水素ガスにする機器である。
前記貯槽1内の液化水素からなる液相部9と前記蒸発器2とは供給ライン3で接続されており、前記貯槽1の下部から取り出された液化水素は、前記蒸発器2により気化されて水素ガスとなり、供給ライン3を流れ、最終的にユースポイントに供給される。
水素ガスをユースポイントが必要とする圧力、流量で供給するためには、水素ガス供給設備の供給圧力を一定に維持する必要がある。そのため、前記貯槽1の圧力が下がりすぎた場合のために、貯槽1の気相部8と蒸発器2と貯槽1の液相部9をつなぐ加圧ライン4が設けられている。この加圧ライン4には、弁20が設けられ、この弁20が開になると、前記貯槽1の液相部9から液化水素が取り出され、前記蒸発器2において加圧用水素ガスとして気化させ、この加圧用水素ガスを加圧ライン4から前記貯槽1内の水素ガスからなる気相部8に流入させて、この加圧用水素ガスにより液相部9を加圧するように構成されている。
また、逆に前記貯槽1内の圧力が上がりすぎた場合、貯槽1を保護するため、圧力を下げる必要がある。そのため、前記貯槽1の気相部8と供給ライン3をつなぐ回収ライン5が設けられており、この回収ライン5に圧力コントロール弁21が設けられている。圧力コントロール弁21の一次側の圧力が設定圧力以上になった場合、貯槽1の気相部8の水素ガスを供給ライン3に流し、圧力を下げつつユースポイントに供給する。
さらに、回収ライン5を介し気相部8のガスを供給ライン3に逃がしたにもかかわらず、貯槽1内の圧力が上昇する場合にそなえ、前記回収ライン5には、前記回収用水素ガスを大気へ放出する放出ライン7が設けられている。この放出ライン7には大気放出弁22と安全弁23が設けられており、前記貯槽1内の圧力が設計された圧力を超えて上昇するのを防ぎ、前記貯槽1や付属機器の損傷・破壊を未然に防止するようになっている。
前記弁20、圧力コントロール弁21、大気放出弁22、安全弁23の設定圧力は、弁20、圧力コントロール弁21、大気放出弁22、安全弁23の順に高くなっており、貯槽1の圧力は弁20の設定圧力と安全弁23の設定圧力との間を維持するようになっている。
前記貯槽1の気相部8と液相部9には充填ライン6が設けられ、図示しない液化水素輸送車に搭載された液化水素輸送容器からの液化水素が前記貯槽1内へ充填されるようになっている。
なお、上記構造の貯槽は、液化水素に限定されるものではなく、産業的に広く使われる液化窒素、液化酸素、液化アルゴンでも同様である。
液化水素輸送車は、液化水素輸送容器を加圧する機能を備えており、前記貯槽1への液化水素の充填は、前記輸送容器内の圧力を前記貯槽1内の圧力以上とし、圧力差を利用して行う。
充填方法は、(a)前記貯槽1内の前記気相部8から充填する方法と、(b)前記貯槽1内の液相部9から充填する方法とがある。
充填時には、(a)、(b)いずれの方法であっても前記貯槽1内の圧力は上昇する。
それは、液化水素輸送容器の圧力が貯槽1内の圧力よりも高いことによる。特に、(a)の方法では配管の端部から貯槽1内に充填される際にはジュールトムソン効果により、液化水素の温度が上昇するためである。
また、前記加圧用水素ガスの温度が、前記加圧ライン4に設置された図示しない複数のバルブを通過するたびにジュール‐トムソン効果により上昇した状態で、前記貯槽1内へ流入することもひとつの要因である。
一方、液化窒素、液化酸素、液化アルゴンのガスでは、液化水素と違いジュールトムソン効果により温度は下がる。したがって、充填時には(a)の方法により気相部8のガスを冷却し、液化して圧力を下げながら充填するため、充填に伴い圧力が上昇することはない。
また、液化水素の沸点は−252.8℃(1atm)であり、液化窒素の沸点−195.8℃(1atm)、液化酸素の沸点−183.0℃(1atm)、アルゴンの沸点−185.5℃(1atm)よりも低いため、液化水素は、液化窒素、液化酸素、液化アルゴンに比べ、ジュールトムソン効果の影響を受けやすい。
このように、水素ガスをユースポイントに供給するためには、前記貯槽1内の圧力を供給圧力に維持しつつ、前記貯槽1内を加圧する必要がある。適正な供給圧力範囲とは、ユースポイントで求められる水素ガス供給流量を確保できる前記貯槽1内の最低圧力から最高圧力のことで、弁20の設定圧力から大気放出弁22の作動圧力未満の範囲である。
まず、供給適正範囲の最低圧力は、加圧ライン4に設けられた弁20の設定圧力となる。貯槽1の圧力が下がり、弁20の設定圧力以下になった場合、弁20は閉から開となり、貯槽1内を加圧する。
次に、貯槽1内の最高圧力を適正な圧力に収める方法として3段階による方策が採用されている。第1ステップは、液化水素充填などにより、前記貯槽1内の圧力が適正な供給圧力範囲の最大値である圧力コントロール弁21の設定値を超える場合、圧力コントロール弁21は閉から開となり、前記貯槽1内の水素ガスを前記回収ライン5と供給ライン3を経てユースポイントへ供給することで、前記貯槽1内の圧力を適正な供給圧力範囲内に収めるようにする。
前記第1ステップの圧力修正手段をもってしても、貯槽1内の圧力を適正な供給圧力範囲に維持できない場合がある。この時、第2ステップとして、大気放出弁22を閉から開とし、貯槽1内の水素ガスを前記放出ライン7を介して大気に放出して貯槽1内の圧力を適正な供給圧力範囲に収めるようにする。さらに、第2ステップでも圧力を下げることができない場合、第3ステップとして安全弁23が作動することになる。
圧力の上昇は、特に、液化水素輸送車から液化水素を前記貯槽1内へ充填する時、ユースポイントに水素ガスを供給する時、またこれを同時に行う場合に顕著である。
それは、液化水素輸送車からの液化水素の圧力が貯槽1内の圧力よりも高くなっていること、また加圧用水素ガスの圧力も高くなっていることによる。圧力が高くなるとジュールトムソン効果による温度上昇が大きくなる傾向がある。そのため、前記加圧用水素ガスの温度と充填される液化水素温度は高くなり、充填される液化水素が前記貯槽1内で水素ガスに気化し、また液相表面の液化水素を気化させ、第3ステップまで至り、高価な水素ガスを大気放出により、損失する問題がある。
特開2007−32696号公報
しかしながら、従来の水素ガス供給設備における前述の3段階の前記貯槽1内の圧力を適正な供給圧力範囲に収める方法において、前記貯槽1へ流入する加圧用水素ガス温度と液化水素輸送車から前記貯槽1へ充填された液化水素温度が高ければ高いほど、該液化水素が水素ガスに気化して、前記貯槽1内の圧力が高くなり、前記貯槽1内の圧力を適正な供給圧力範囲内に維持しようとするため、前記放出ライン7を通じて大気へ放出される損失水素ガス量が多くなる。
本発明では、前記加圧用水素ガス温度と液化水素輸送車から前記貯槽1へ充填された液化水素温度を下げ、該液化水素の気化を最小限にとどめ、前記貯槽1内を適正な供給圧力範囲に維持する水素ガス供給方法および水素ガス供給設備を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、液化水素貯槽内の液化水素を取り出して気化し、ユースポイントに供給するとともに、前記貯槽から液化水素を取り出して気化し、加圧用水素として前記貯槽内の気相部に送って、この加圧用水素ガスにより、前記貯槽内の液化水素を加圧する水素ガスの供給方法であって、前記加圧用水素ガスを冷却したのち、前記貯槽内の気相部に送ることを特徴とする水素ガス供給方法である。
請求項2に記載の発明は、前記加圧用水素ガスの冷却が、前記貯槽から取り出される液化水素との熱交換によるものであることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス供給方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の水素ガス供給方法を使用する水素ガス供給設備であって、
液化水素を貯留する液化水素貯槽と、前記貯槽内から取り出された液化水素を加熱する蒸発器と、前記貯槽内から取り出された液化水素を冷媒とする熱交換器とを備え、
前記貯槽内から取り出した液化水素が前記熱交換器から前記蒸発器の順に流れて気化し水素ガスとなり、この水素ガスがユースポイントに供給される水素ガス供給ラインと、
前記貯槽内から取り出した液化水素が前記蒸発器から前記熱交換器の順に流れて気化し冷却されたのち、前記貯槽内の気相部へ流れる加圧ラインを有することを特徴とする水素ガス供給設備である。
本発明によれば、液体水素貯槽から取り出され蒸発器で気化され加圧ラインを流れる加圧用水素ガスを前記貯槽内へ流入させる前に冷却することで、加圧用水素ガスの温度を下げ、貯槽へ供給した際の温度を低く設定することができるため、液化水素輸送車から前記貯槽へ充填された液化水素温度との温度差を小さくすることにより、前記加圧用水素ガスが前記液化水素への冷却能力を増大させることができ、前記液化水素の気化による前記貯槽内の圧力の上昇をできる限り抑えることができる。
前記加圧用水素ガスを冷却する方法として、前記貯槽から取り出され供給ライン流れる液化水素を冷流体とし、前記貯槽から取り出され蒸発器で気化され加圧ラインを流れる加圧用水素ガスを温流体として熱交換させるものでは、水素ガス供給設備に冷流体として液化窒素や液化アルゴンを用いた熱交換器を新たに設置する必要がなくなる。
前記液化水素が気化されて水素ガスになり、前記貯槽内の圧力が上昇する場合、前記貯槽内の圧力を適正な供給圧力範囲内に維持しようとするため、前記貯槽内へ接続する回収ラインを経て放出ラインから大気放出されるとともにユースポイントに供給されない損失水素ガス量が増加するが、前記熱交換方法を導入することで、前記損失水素ガス量を最小限にしつつ、水素ガスをユースポイントに安定に供給することができるものである。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の水素ガス供給設備の一実施形態を示すもので、図3に示した従来の水素ガス供給設備と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図1に示した水素ガス供給設備と図3に示した水素ガス供給設備と異なるところは、図1に示した水素ガス供給設備には、加圧ライン4を流れる水素ガスを冷却する熱交換器10が設けられている点である。
この熱交換器10は、供給ライン3の液化水素貯槽1と蒸発器2との間に設けられ、この供給ライン3を流れる液化水素を冷流体とし、液化水素貯槽1から加圧ライン4に導出され、蒸発器2で気化した水素ガスを温流体とするものである。
図1に示す水素ガス供給設備において、水素ガスをユースポイントに供給するためには、前記貯槽1内から取り出された液化水素を前記熱交換器10に通して加熱して、次に、前記蒸発器2を通して水素ガスに気化し、ユースポイントに供給する。
また、前記貯槽1内の圧力を供給圧力に維持しつつ、前記貯槽1内を加圧するためには、前記貯槽1内から取り出された液体水素を前記蒸発器2を通して加圧用水素ガスとして気化して、次に、前記熱交換器10を通して冷却して、再び液体水素貯槽1へ流入させる。
図2は前記熱交換器10の一例を示すものである。
この熱交換器10は、二重管11により構成され、断面形状が円状である内側の流路14を液化水素が流れ、その外側にある断面形状がドーナツ状である流路15を水素ガスが流れるものであり、前記液化水素の流れAの方向と前記水素ガスの流れBの方向が互いに反対向きの向流式の熱交換器である。なお、流路14に水素ガスを流し、流路15に液化水素を流してもよい。
流路14に流れる液化水素は、前記貯槽1から取り出されたものであり、その温度は約−250℃程度であるため、前記熱交換器10では冷流体として使用されたのち、蒸発器2で水素ガスに気化され、ユースポイントに供給される。
流路15に流れる水素ガスは、前記貯槽1から取り出され、蒸発器2で水素ガスに気化されたものであり、そのガス温度は20〜40℃程度であるため、熱交換器10では温流体として使用されて冷却されたのち、加圧用水素ガスとして前記貯槽1内へ流入する。
従来例の説明で述べたように、前記加圧用水素ガスの温度は、加圧ライン4に設置された図示しない複数のバルブを通過するたびにジュール‐トムソン効果により上昇し、前記貯槽1内へ流入するが、熱交換器10に流入させることにより、前記加圧用水素ガスの温度を前記貯槽1内へ流入する前に温度下降させることが可能である。
特に、液化水素輸送車から液化水素を前記貯槽1内へ充填する時、水素ガスをユースポイントに供給している時、熱交換器10で冷却された前記加圧用水素ガスが液化水素を冷却することができ、充填される液化水素が前記貯槽1内で水素ガスに気化する量を減少させることができる。
その結果、前記貯槽1の気相部8に接続された回収ライン5による供給により圧力変動を小さくし、放出ライン7から大気放出される量を減少させ、ユースポイントに供給されない損失水素ガス量を減少させることができる。
なお、上記の実施形態の説明では、熱交換器10として二重管式熱交換器を例に挙げたが、金属板を一定間隔で積重ねる構成になっているプレート式熱交換器、容器内にコイル管を配した熱交換器などを使用してもよい。
本発明によれば、水素ガスを用いる各種産業分野、例えば、石油産業、化学産業、半導体産業、ガラス産業、金属産業および自動車産業などにおいて、液化水素貯槽に充填された液化水素を経済性が高く使用できる水素ガスの供給方法を提供できる。
本発明の水素ガス供給設備の一例を示す概略図である。 本発明の水素ガス供給設備に設けられた熱交換器の一例を示す概略断面図である。 従来の水素ガス供給設備の一例を示す概略図である。
符号の説明
1・・・液化水素貯槽、2・・・蒸発器、3・・・供給ライン、4・・・加圧ライン、5・・・回収ライン、6・・・充填ライン、7・・・放出ライン、8・・・気相部、9・・・液相部、10・・・熱交換器、11・・・二重管、12・・・液化水素の流れ、13・・・水素ガスの流れ

Claims (3)

  1. 液化水素貯槽内の液化水素を取り出して気化し、ユースポイントに供給するとともに、前記貯槽から液化水素を取り出して気化し、加圧用水素として前記貯槽内の気相部に送って、この加圧用水素ガスにより、前記貯槽内の液化水素を加圧する水素ガスの供給方法であって、前記加圧用水素ガスを冷却したのち、前記貯槽内の気相部に送ることを特徴とする水素ガス供給方法。
  2. 前記加圧用水素ガスの冷却が、前記貯槽から取り出される液化水素との熱交換によるものであることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス供給方法。
  3. 請求項1または2に記載の水素ガス供給方法を使用する水素ガス供給設備であって、
    液化水素を貯留する液化水素貯槽と、前記貯槽内から取り出された液化水素を加熱する蒸発器と、前記貯槽内から取り出された液化水素を冷媒とする熱交換器とを備え、
    前記貯槽内から取り出した液化水素が前記熱交換器から前記蒸発器の順に流れて気化し水素ガスとなり、この水素ガスがユースポイントに供給される水素ガス供給ラインと、
    前記貯槽内から取り出した液化水素が前記蒸発器から前記熱交換器の順に流れて気化し冷却されたのち、前記貯槽内の気相部へ流れる加圧ラインを有することを特徴とする水素ガス供給設備。
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