JP2009156863A - X線用光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板変形の原因となる膜応力を抑制するための応力緩衝層を設ける際に、応力緩衝層によって生じる膜厚ムラを低減する。
【解決手段】 基板と、軟X線波長領域の光に対して反射特性を有する第1の多層膜と、前記第1の多層膜と前記基板の間に設けられ、第一の多層膜の膜応力を低減する第2の多層膜とを有するX線用光学素子であって、
前記第2の多層膜は周期構造を有し、前記周期構造の単位周期膜厚が、7nmの2以上の整数倍の90%以上110%未満であるX線用光学素子、を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板と、軟X線波長領域の光に対して反射特性を有する第1の多層膜と、前記第1の多層膜と前記基板の間に設けられ、第一の多層膜の膜応力を低減する第2の多層膜とを有するX線用光学素子であって、
前記第2の多層膜は周期構造を有し、前記周期構造の単位周期膜厚が、7nmの2以上の整数倍の90%以上110%未満であるX線用光学素子、を用いる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、露光装置等の光学系に多層膜反射鏡として用いられるX線用光学素子に関するものである。
一般的に、波長40nm以下のX線波長域の光に対しては、物質の屈折率は、n=1−δ−iβ(δ、β:正の実数)と表され、δ、βともに1に比べて非常に小さい(屈折率の虚部βはX線の吸収を表す)。従って、屈折率がほぼ1に近くなりX線はほとんど屈折しない。
そのため、可視光領域の光のように屈折を利用したレンズはX線波長域の光の誘導には使用できない。そのため、反射を利用した光学素子が光の誘導に用いられるが、やはり屈折率が1に近いために反射率は非常に低く、大部分のX線は透過するか或いは吸収されてしまう。そこで、使用するX線の波長域での屈折率と真空の屈折率との差が大きい物質と差の小さい物質とを交互に何層も積層することで、それらの界面である反射面を多数設け、光学的干渉理論に基づいて各膜厚を調整した多層膜反射鏡が開発された。
このような多層膜反射鏡の代表的なものとして、W(タングステン)/C(炭素)、Mo(モリブデン)/Si(シリコン)等の組み合わせが知られている。そして、これらの多層膜はスパッタリング、真空蒸着、CVD等の薄膜形成技術によって作製されていた。最近、X線用の多層膜反射鏡の開発が進むに従い多層膜の評価が行われるようになり、いくつかの材料の組み合わせについてその実用性が明らかにされつつある。例えば、Mo/Siの組み合わせの多層膜は、123Åというシリコンの吸収端の長波長側で高い反射率を示すため、軟X線縮小投影露光装置の反射光学系に用いる多層膜反射鏡として優れている。この軟X線縮小投影露光装置は半導体回路の微細化要求に応じるための有効な手段と目されており、研究開発が盛んに行われている。
一方、多層膜反射鏡の実用化に向けては、反射率の低下防止、光耐久性、光学素子面内で所望の膜厚分布を得るための膜厚分布制御、光学素子面の変形原因となる膜応力の抑制等、多くの課題が残っている。特に、膜厚分布に製造誤差が生じると、光学設計に応じて表面形状を精密に研磨した光学素子の面形状を変化させてしまう。これは、露光装置の光学収差性能を大幅に低下させるため、重要な課題である。また、膜応力も光学素子の面形状を変化させてしまい、光学収差性能の低下を招くため、同様に重要な課題である。つまり、露光装置の光学収差性能を確保するためには、精密な膜厚分布制御と膜応力の抑制を両立させる必要があると言える。
このような課題の中でも、膜応力対策としては特表2002−504715号公報及び特表2002−525698号公報等に開示された技術が知られている。
特表2002−504715号公報では、基板と多層膜からなる反射層の間に応力方向の異なる単層もしくは多層からなる応力緩衝層を形成して光学素子の変形を相殺する提案がなされている。特にMo/Siから構成される応力緩衝層では、反射層の単位周期膜厚(6.9nm)と同程度の単位周期膜厚を持つMo分率と応力緩衝層(5.8nm)のペア数を最適化することにより応力を極小化する方法が提案されている。
また、特表2002−525698号公報では、応力緩衝層をMo/Si、もしくはMo/Beで構成することで反射層としての効果も持たせ、総膜厚を薄くする方法が提案されている。
具体的には反射層の上部と下部で逆方向の応力を有する構成が提案されている。
しかしながら、多層膜反射鏡における多層膜の膜応力による基板の変形を防止する上記従来の方法は、つぎのような未解決の課題を有する。
特表2002−504715号公報(特許文献1)に開示されたように、基板と多層膜の間に応力方向の異なる多層膜の応力緩衝層を形成して変形を相殺する方法では、以下のような問題点があった。
単層からなる応力緩衝層の場合は、接触式段差計や、単層膜厚と同程度の波長の光を用いた分光測定にて膜厚を測定する。しかしこれらの方法では、特にX線領域の露光装置で要求される1nm以下の精度での膜厚測定を行うことが困難であった。このため、基板上に成膜した応力緩衝層が場所によって膜厚にムラがあっても、膜厚測定の精度以下では膜厚制御を行うことはできない。すなわち、露光装置等の光学素子に単層からなる応力緩衝層を用いた場合は、応力緩衝層に膜厚ムラが生じても測定することができず、応力緩衝層に膜厚ムラが存在するとその上に成膜する反射層の表面形状も変化するため、光学素子の面形状誤差となる。
一方、多層構造の応力緩衝層では、使用波長と同程度の波長光による回折を用いることで高精度での膜厚測定が可能である。しかし、特表2002−504715号公報(特許文献1)に開示されたように、Mo/Siから構成される応力緩衝層でMo分率等を最適化することにより応力を極小化する方法では、単位周期膜厚が反射層と同程度と小さいため(略7nm)、応力緩衝層のペア数を多くする必要が生じる。そのため、各層はわずかな膜厚ムラしか持っていなくても総膜厚が大きいことにより、結果として応力緩衝層の膜厚ムラが増大して光学素子の面形状誤差となり、露光装置の露光性能を悪化させる要因となっていた。
また、特表2002−525698号公報(特許文献2)に開示された構成では、必要最低限のMo層の膜厚及びSi層の厚さがあるので、Mo/Siの膜厚比を極端に大きくもしくは小さくすることはできないため、Mo/Si及びMo/Beの組み合わせの各分率調整にて制御可能な応力範囲が狭くなる。そのため、膜応力の十分な除去が達成できず膜応力が残留することとなっていた。結局、応力緩衝層が十分な膜応力を除去できる程度に応力緩衝層のペア数を多くする必要が生じ、光学素子の面形状誤差の原因となりうるという特表2002−504715号公報(特許文献1)と同様の問題を持っている。
特表2002−504715号公報
特表2002−525698号公報
本発明は、応力緩衝層の総膜厚を小さくすることで、応力緩衝層の膜厚ムラによる面形状誤差を抑制し、光学性能を向上させたX線用光学素子を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決する本発明のX線用光学素子は、
基板と、軟X線波長領域の光に対して反射特性を有する第1の多層膜と、前記第1の多層膜と前記基板の間に設けられ、第一の多層膜の膜応力を低減する第2の多層膜とを有するX線用光学素子であって、
前記第2の多層膜は周期構造を有し、前記周期構造の単位周期膜厚が、7nmの2以上の整数倍の90%以上110%未満であるX線用光学素子である。
基板と、軟X線波長領域の光に対して反射特性を有する第1の多層膜と、前記第1の多層膜と前記基板の間に設けられ、第一の多層膜の膜応力を低減する第2の多層膜とを有するX線用光学素子であって、
前記第2の多層膜は周期構造を有し、前記周期構造の単位周期膜厚が、7nmの2以上の整数倍の90%以上110%未満であるX線用光学素子である。
第2の多層膜の周期構造を最適化するに当たり、単位周期膜厚を増大させることで必要ペア数を抑制し、総膜厚を抑える。かつ、単位周期膜厚を略7nmの整数倍とすることで、分光測定器による膜厚測定を可能とし、成膜時の膜厚制御を高精度に行うことが可能となる。これにより膜厚ムラを抑えて、面形状誤差を抑制した高い光学性能をもつX線用光学素子を提供することができる。
本発明のX線用光学素子は、特に波長12nmから15nmの軟X線に対して高反射特性を有する光学素子である。軟X線波長領域では、単位周期膜厚7nmの多層構造に近い多層膜が、膜面に対し鉛直方向(0°)から30°程度である高入射角度の光に対して明確な反射率ピークを示すことが知られている。この反射率ピーク位置は周期構造の多層膜の単位周期膜厚に依存するため、このピークを利用し多層膜の膜厚を高精度に測定することができる。波長12nmから15nmの軟X線を利用した分光測定器(図4参照)は非常に良好な波長精度を達成しつつあり、半導体露光装置用の光学素子の要求膜厚測定精度を達成するほとんど唯一の方法である。
本発明は、このような高精度測定を可能とする波長12nmから15nmの軟X線を用いた分光測定器を利用し、単位周期膜厚が7nmの2以上の整数倍に近い多層膜の膜厚も高精度に測定することが可能となる点に着目してなされたものである。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態によるX線用光学素子の膜構成を示すもので、基板10上に、軟X線波長領域で反射ミラーとして作用する高反射特性を有する第1の多層膜11と、多層膜11と基板10の間に介在する周期構造の第2の多層膜12と、を有する。
多層膜11は使用するX線波長に対して屈折率の異なる複数の材料の交互層からなる構造を有している。
多層膜12は応力緩衝層として、使用するX線波長に対して屈折率の異なる複数の材料の交互層から構成され、交互層は膜の順序、膜厚に関して周期性を有している。その単位周期膜厚は、7nmに対し2以上の整数倍の90%以上110%未満である。単位周期膜厚をこのように設定することにより、単位周期膜厚が略7nmの応力緩衝層に比べて、必要ペア数を大幅に低減し、総膜厚を抑制できる。また、波長12nmから15nmの軟X線による高入射角度測定を利用した分光測定器を用いた膜厚測定も可能となる。軟X線を利用した分光測定器は、使用波長が短波長であることと材料によっては高入射角度での明確な反射率ピーク測定が可能であることから、0.02%以下の精度で測定することが可能である。
基板10の表面は光学研磨が施されている。
第1の多層膜11は、使用波長に対し所望の分光特性を得られるように材料及び各膜厚が選定された膜構成を有する。特に軟X線領域では、Mo/Si、Ru/Si、W/Si、Ru/Be、Ru/Mo/Si、Ru/Mo/Be、Mo/Be、Mo2 C/Si、Mo2 C/Be、Mo/B4 C/Si/B4 C、Mo/C/Si/C、Ru/B4 C/Si/B4 C、Ru/C/Si/C、Ru/B4 C/Be/B4 C、Ru/C/Be/C、W/C/Si/C、W/C/Si、いずれかの構造を用いるとよい。また、多層膜11の最表面部には多層膜内部とは異なる材料からなる層が付加されていてもよい。
多層膜の持つ応力は、多層膜の単位周期の膜厚比、多層膜の総数、成膜時の真空チャンバー内の真空度や、成膜条件によって決まる。したがって多層膜11の持つ応力はあらかじめ知ることができる。また、テストピース上に多層膜を試作して、その応力を測定してもよい。
このようにして得られた多層膜11の応力と逆符号の応力を持つように応力緩衝層を、多層膜11と基板との間に設けることで応力緩衝効果を得ることができる。
本発明のX線用光学素子の特徴は、上記のように応力緩衝効果を奏するように何らかの方法で応力緩衝層の成膜条件を定めた上で、周期構造を持つ応力緩衝層である第2の多層膜12は、波長12nmから15nmの軟X線領域にて高入射角度で明確な反射率ピークを持つように、7nmに対し2以上の整数倍の90%以上110%未満である単位周期膜厚を持つところにある。また、単位周期を構成する材料は、Mo/Si、Ru/Si、W/Si、Ru/Be、Ru/Mo/Si、Ru/Mo/Be、Mo/Be、Mo2 C/Si、Mo2 C/Be、Mo/B4 C/Si/B4 C、Mo/C/Si/C、Ru/B4 C/Si/B4 C、Ru/C/Si/C、Ru/B4 C/Be/B4 C、Ru/C/Be/C、W/C/Si/C、W/C/Si、のいずれかより選定される。特にMo/Siを用いると応力緩衝効果が強まるため、応力緩衝層として効果的である。その場合、Moの膜厚が11.6nm以上14.4nm未満であり、かつSiの膜厚が1nm以上2nm未満であることがより望ましい。この場合は応力緩衝効果が特に強まり、かつ高入射角度の軟X線に対し明確な反射ピークを示すため高精度な膜厚測定が可能であることから、より一層膜厚ムラの少ない多層膜12を成膜することができる。
これにより、効果的に膜応力を低減した膜厚ムラの少ない高品質なX線用光学素子を実現できる。また、実施例以下に詳しく示されるが、応力緩衝層の一単位あたりの応力緩衝効果を高めることができるので、応力緩衝層の総膜厚を低減することもできる。
このようなX線用光学素子を複数枚搭載した露光装置では、応力による基板変形、膜厚測定誤差による面内膜厚ムラが抑制されるため、光学収差が小さい露光が可能である。
図4はX線用光学素子の製造工程において多層膜の膜厚測定に用いる分光測定器を示す。一般的に、分光測定器は使用波長の光を発生させる光源と、光を分光する分光部と、被測定物の姿勢を制御するステージと、光を検知する検知部より構成される。
図4に示す分光測定器は、軟X線を発生する光源101と、光源101より出射される軟X線を分光するための回折格子102と、被照射物からの分光を検知する検知器103と、を有する。回折格子102の角度を変化させることにより分光を行い、分光測定を行う。また、照射光と被照射物Wと検知器103の相対角度を変化させることにより、被照射物Wへの照射光入射角度を変化させることができる。
図1は、実施例1による、X線光学系で反射ミラーとして作用するX線用光学素子を示す。軟X線波長領域において高反射特性を有する第1の多層膜11は、MoとSiの交互層40ペアより構成されている。多層膜11と同じ膜構成をSiウエハ等からなるテストピースに成膜し、干渉計にて成膜前後のテストピースの面形状を測定し、その面形状変化量とテストピースのヤング率から膜応力を算出すると、この多層膜単独での膜応力は−98.3N/mであった。
多層膜11と基板10の間を占める第2の多層膜12は、MoとSiを交互に積層し、一対のMo/Si膜厚である単位周期膜厚が、7nmの2倍の90%以上110%未満の範囲内である14.7nmの周期構造となっている。Mo/Siのペア数は11である。
この多層膜12と同じ膜構成の多層膜をテストピースに成膜し、前述と同様に干渉計にて成膜前後のテストピースの面形状を測定し、その面形状変化量とテストピースのヤング率から膜応力を算出すると、膜応力は+89.2N/mであった。
基板10は、低熱膨張係数の材料からなる基板である。表面には光学研磨が施され、0.32nmRMSの粗さを持つ。一般的に露光装置の光学素子基板としては熱膨張係数が小さいものが求められるため、材料としてはゼロデュアやULEが考えられている。特にEUV露光装置では吸収係数や屈折率等の基板の光学性能は問われないため、透明でなくてもよい。
図2(a)は、多層膜12の軟X線(波長12nmから15nm)領域での分光反射特性を示す。測定には、図4に示した分光測定器を用いた。光は多層膜面の法線方向より5°傾いた角度で多層膜に入射させ、回折格子の角度を変えることで入射光の波長を変化させ、分光反射特性データを得た。基板10上に多層膜12を成膜し、入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を測定したところ、波長13.63nm、反射率7.02%を中心とした明確な反射ピークが観測された。
このように、単位周期膜厚を7nmの略2倍に増大した場合でも、図4の分光測定器による高精度な膜厚測定が可能であることが確認された。
図2(b)は、多層膜11の5°入射における分光反射率を示す。基板10上の多層膜12の上に多層膜11を成膜し、入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を測定したところ、波長13.50nm、反射率69.2%を中心とした明確な反射ピークが観測された。
そして、多層膜12の上に多層膜11を積層した状態の膜応力を上記と同様の方法で求めたところ、−8.8N/mであった。
図3(a)は、実施例2によるX線用光学素子であるX線用凹形状反射鏡を示す断面図であり、基板20は、周知の低膨張光学材料であるゼロデュアにより構成され、光学研磨が施された曲面20aを有する。曲面20a上には、図3(b)に示すように、上部の多層膜である第1の多層膜21及び下部の多層膜である第2の多層膜22が成膜されている。
多層膜21は単位周期膜厚H1を有し、この交互多層膜の構成要素はSi層21aとMo層21bである。多層膜22は単位周期膜厚H2を有し、この交互多層膜の構成要素はSi層22aとMo層22bである。
基板20はゼロデュアからなる基板である。
多層膜21、22を成膜する際の成膜条件出しとして、Siウエハ等からなるテストピースと、図3(a)と同じ面形状をもつ凹面曲面基板を用いて成膜条件の最適化を行う。
まず、テストピースに上部の多層膜21と同じ膜構成の、反射層に相当する多層膜を成膜した。この多層膜のSi層の膜厚は4.12nm、Mo層の膜厚は2.82nm、よって単位周期膜厚は6.94nmとなる。このMo/Siペアを40ペア成膜したところ、膜応力は−96.2N/mであった。
次に、テストピースに下部の多層膜22と同じ膜構成の、応力緩衝層に相当する多層膜を成膜した。この多層膜のSi層の膜厚は1.1nm、Mo層の膜厚は13.3nm、よって単位周期膜厚は14.4nmとなる。上部の多層膜の応力を相殺するように下部の多層膜の積層対数を最適化したところ、9ペアで膜応力+97.1N/mであった。
次に、基板20と同じ面形状をもつ凹面曲面基板に上部の多層膜21と同じ膜構成の多層膜を40ペア成膜した。その際、入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を曲面内の複数の個所で測定したところ、膜厚ムラは0.8%であった。測定には図4で示した分光測定器を用い、被照射物である凹面曲面基板の姿勢を変化させることで測定ポイントにおける入射光の入射角度が5°になるように調節した。
この値をもとに真空成膜時の基板自転及び公転の動作パターンを微調整し再び基板20と同じ面形状をもつ凹面曲面基板に成膜したところ、膜厚ムラは±0.02%まで低減した。
次に、基板20と同じ面形状をもつ凹面曲面基板に下部の多層膜22と同じ膜構成の多層膜を9ペア成膜した。その際、入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を測定し、曲面内の膜厚ムラが均一になるように真空成膜時の基板自転及び公転の動作パターン条件を最適化し、膜厚ムラを±0.03%まで低減した。
次に、図3(a)の凹面形状反射鏡の基板20に、上記の最適化された成膜条件にて多層膜22を9ペア成膜した。入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を測定し、曲面20a内の膜厚ムラが±0.03%であることを確認した。
次に、基板20上の多層膜22上に多層膜21を40ペア積層した。入射光角度5°にて軟X線領域の反射分光特性を測定し、曲面20a内の膜厚ムラが±0.02%であることを確認した。
基板20に下部の多層膜22が9ペアと上部の多層膜21が40ペア積層された光学素子の面内平均膜応力は+1.1N/mであった。
このような手順にて、多層膜構成を有する凹面形状反射鏡を製造することで、応力緩衝層による応力抑制効果が充分であってしかも膜厚ムラの少ないX線用光学素子を実現できる。
本実施例では凹面基板を用いたが、凸面基板にても同様の手順を踏むことで同様の効果を得ることができる。
応力緩衝層である多層膜22は単位周期膜厚が14.4nmであり9ペア積層しているため総膜厚は129.6nmとなる。基板面内の膜厚ムラは±0.03%であるため、基板面形状は下部の多層膜22の成膜後に0.039nmの形状誤差を持つことになる。
比較のために、下部の多層膜の単位周期膜厚をλ/2の約1倍である7nmにしてMo分率を変化させることで+91.2N/mの応力を持ち、本実施例と同等の応力緩衝効果を得る光学素子を製造した。この場合には38ペアの積層が必要(総膜厚266.0nm)であり、応力緩衝層の総膜厚は266nmとなる。基板面内の膜厚ムラが±0.03%であるため、総膜厚が266nmであれば、光学素子面は下部多層膜成膜後に0.080nmの形状誤差を持つことになる。これは前述したように、応力緩衝効果を奏するためにはSiもしくはMoの膜厚には一定の下限があるためである。したがって一単位あたりのMo/Siの膜厚比の調整する従来の方法では応力緩衝効果に限界があり、それゆえ7nmあたりに得られる応力緩衝効果は本発明と比べて小さいためである。
これにより、本発明のX線用光学素子においては、膜応力を抑制した状態での総膜厚を低減し、それによって膜厚ムラによる光学素子面の形状誤差を抑制できることが確認できた。
このような面形状誤差が小さいX線用光学素子を搭載した露光装置では、残存光学収差の小さい光学系を得ることが可能となる。
従来の応力緩衝層と本発明による応力緩衝層を以下の表1に示す。従来の応力緩衝層のペア数に比べずっと少ないペア数で、従来と同等の応力緩衝効果を発揮することが分かる。
従来の応力緩衝層と本発明による応力緩衝層を以下の表1に示す。従来の応力緩衝層のペア数に比べずっと少ないペア数で、従来と同等の応力緩衝効果を発揮することが分かる。
10,20 基板
11,21 第1の多層膜
21,22 第2の多層膜
11,21 第1の多層膜
21,22 第2の多層膜
Claims (5)
- 基板と、軟X線波長領域の光に対して反射特性を有する第1の多層膜と、前記第1の多層膜と前記基板の間に設けられ、第1の多層膜の膜応力を低減する第2の多層膜とを有するX線用光学素子であって、
前記第2の多層膜は周期構造を有し、前記周期構造の単位周期膜厚が、7nmの2以上の整数倍の90%以上110%未満であるX線用光学素子。 - 前記第2の多層膜が、Mo/Siからなる請求項1に記載のX線用光学素子。
- 前記第1の多層膜が、Mo/Si、Ru/Si、W/Si、Ru/Be、Ru/Mo/Si、Ru/Mo/Be、Mo/Be、Mo2 C/Si、Mo2 C/Be、Mo/B4 C/Si/B4 C、Mo/C/Si/C、Ru/B4 C/Si/B4 C、Ru/C/Si/C、Ru/B4 C/Be/B4 C、Ru/C/Be/C、W/C/Si/C、W/C/Si、のうちのいずれかの膜構成を有し、
前記第2の多層膜が、Mo/Siの膜構成を有する請求項2に記載のX線用光学素子。 - 前記第2の多層膜のMo/Siの膜構成において、
Moの膜厚が11.6nm以上14.4nm未満であり、Siの膜厚が1nm以上2nm未満である請求項2に記載のX線用光学素子。 - 請求項1記載のX線用光学素子を搭載したことを特徴とする露光装置。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
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