JP2009032438A - 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法および膜−電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体高分子型燃料電池において、電極と電解質膜との間の接触抵抗を低減して電池性能を向上させる。
【解決手段】燃料電池用膜−電極接合体の製造方法は、第1の固体高分子電解質から成る電解質膜20を用意する第1の工程(ステップS100)と、第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子29を用意する第2の工程(ステップS110)と、触媒を含む電極を用意する第3の工程(ステップS140)と、複数の微粒子を間に介して、電極と電解質膜20とを重ね合わせて接合する第4の工程(ステップS150)と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池用膜−電極接合体の製造方法は、第1の固体高分子電解質から成る電解質膜20を用意する第1の工程(ステップS100)と、第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子29を用意する第2の工程(ステップS110)と、触媒を含む電極を用意する第3の工程(ステップS140)と、複数の微粒子を間に介して、電極と電解質膜20とを重ね合わせて接合する第4の工程(ステップS150)と、を備える。
【選択図】図2
Description
この発明は、燃料電池用膜−電極接合体の製造方法および膜−電極接合体に関する。
燃料電池の性能に影響する要因の一つとして、電解質膜と電極との間の接触抵抗が挙げられる。従来、電極と電解質膜との間の接触抵抗を低減する方法として、電解質膜上にプロトン伝導性を有する樹脂の溶液をスプレー噴霧して、この樹脂溶液の層が乾燥する前に、樹脂溶液層を介して電解質膜上に電極を形成する方法が提案されている。このように、電解質膜上に設けた樹脂溶液層が乾燥する前に電極を形成することにより、電極と電解質膜との間の密着性を向上させ、接触抵抗を低減することができる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、電解質膜上に樹脂溶液層を形成する場合には、樹脂溶液層が有する水分によって電解質膜が膨潤すると共に、電解質膜が乾燥する際には電解質膜が収縮する。そのため、樹脂溶液層を設けることにより電極と電解質膜との間の密着性を向上させようとしているにも拘わらず、電解質膜の膨潤と収縮とに起因して、電極と電解質膜との間の密着性がかえって低下してしまう場合があった。そのため、電極と電解質膜との間の接触抵抗のさらなる低減が望まれていた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、固体高分子型燃料電池において、電極と電解質膜との間の接触抵抗を低減して電池性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法は、
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜を用意する第1の工程と、
第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子を用意する第2の工程と、
触媒を含む電極を用意する第3の工程と、
前記複数の微粒子を間に介して、前記電極と前記電解質膜とを重ね合わせて接合する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜を用意する第1の工程と、
第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子を用意する第2の工程と、
触媒を含む電極を用意する第3の工程と、
前記複数の微粒子を間に介して、前記電極と前記電解質膜とを重ね合わせて接合する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法によれば、複数の微粒子を介して電解質膜と電極との接合を行なうため、電解質膜と電極とを接合する際に、電解質膜に対して過剰な水分が供給されることがない。また、予め電解質膜とは別体で電極を作製し、このような電極と電解質膜とを接合しているため、電極から電解質膜に対する過剰な水分供給を抑制することができる。したがって、過剰な水分供給に起因する電解質膜の膨潤や、その後の乾燥に起因する電解質膜の収縮が生じることがない。このように、電極と電解質膜との接合に際して電解質膜の膨潤と収縮が抑制されることにより、電解質膜の膨潤と収縮とに起因する電解質膜と電極との間の密着性の低下を抑えることができる。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法において、前記第4の工程は、前記微粒子を構成する前記第2の固体高分子電解質の少なくとも一部が軟化し得る温度に加熱して、前記電解質膜と前記電極とを接合させることとしても良い。このような構成とすれば、微粒子を構成する軟化した第2の固体高分子電解質によって、電解質膜と電極との間の密着性を高めることができる。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法において、前記第4の工程で行なう加熱は、前記電極と前記電解質膜とを接合した後に前記複数の微粒子の少なくとも一部が溶融することなく粒子形状を保つ条件での加熱であることとしても良い。このような構成とすれば、電極近傍における液水に起因するガス流れの阻害の発生を抑制することができる。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法において、前記第2の固体高分子電解質は、フッ素系電解質であり、前記第4の工程は、前記フッ素系電解質が軟化する温度に加熱して、前記電解質膜と前記電極とを接合させることとしても良い。フッ素系電解質は、固体高分子電解質の中ではガラス転移温度が比較的低い。そのため、比較的低い温度に加熱することにより、微粒子を容易に軟化させることができ、電解質膜と電極との間の密着性を確保することができる。
このような本発明の膜−電極接合体の製造方法において、前記第1の固体高分子電解質は、炭化水素系電解質であることとしても良い。このようにして製造した膜−電極接合体を用いて燃料電池を製造することにより、電解質膜を間に介した燃料ガスの流路と酸化ガスの流路との間のガスのクロスリークが比較的起こり難い燃料電池を得ることができる。このような炭化水素系電解質は、固体高分子電解質の中ではガラス転移温度が比較的高いが、フッ素系電解質から成る微粒子によって電解質膜と電極との間の密着性を確保するため、電解質膜と電極との接合の際には、炭化水素系電解質が軟化する温度にまで加熱することなく容易に接合を行なうことができる。
本発明の膜−電極接合体の製造方法において、前記第3の工程は、触媒と溶媒とを含む触媒ペーストを基材上に塗布し、塗布した前記触媒ペーストを乾燥させる工程であり、前記第4の工程は、前記基材上に形成した前記電極と、前記電解質膜とを接合する工程であることとしても良い。このような構成とすれば、基材上に触媒ペーストを塗布するという簡便な方法により電極を形成することができると共に、接合に先立って触媒ペーストを乾燥させるため、電極から電解質膜へと供給される水分量を抑制することができる。
本発明の膜−電極接合体の製造方法において、前記第4の工程は、前記電極と前記電解質膜の一方の部材の面上に前記複数の微粒子を配置し、前記微粒子を配置した面と他方の部材とを重ね合わせて、接合を行なう工程であることとしても良い。このような構成とすれば、複数の微粒子を配置するという簡便な工程により、電解質膜と電極との間の密着性を確保することができる。
本発明の第1または第2の膜−電極接合体の製造方法において、前記微粒子は、粒径が、1〜100μmであることとしても良い。このような構成とすることで、電解質膜と電極との間の密着性を良好に確保することができる。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体は、
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜と、
前記電解質膜上に配置された第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子によって形成される微粒子部と、
前記微粒子部を間に介して前記電解質膜上に形成された触媒を備える電極と
を備えることを要旨とする。
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜と、
前記電解質膜上に配置された第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子によって形成される微粒子部と、
前記微粒子部を間に介して前記電解質膜上に形成された触媒を備える電極と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の膜−電極接合体によれば、第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子から成る微粒子部によって、電解質膜と電極との間の密着性を確保することができる。したがって、本発明の膜−電極接合体を用いて燃料電池を製造することにより、電解質膜と電極との間の接触抵抗を低減し、電池性能を向上させることができる。また、本発明の膜−電極接合体のように、固体の微粒子によって電解質膜と電極との間の密着性が確保された膜−電極接合体では、電解質膜と電極との接合時に、電解質膜に対して過剰な水分が供給されることがない。そのため、膜−電極接合体において、過剰な水分供給に起因する電解質膜の膨潤や、その後の乾燥に起因する電解質膜の収縮が生じておらず、膜−電極接合体の内部における応力発生が抑制されている。したがって、本発明の膜−電極接合体を用いて燃料電池を製造することにより、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の膜−電極接合体の製造方法により製造した膜−電極接合体や、本発明の膜−電極接合体を備える燃料電池などの形態で実現することが可能である。
A.燃料電池の構成:
図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料電池を構成する単セル10の概略構成を表わす断面模式図である。単セル10は、電解質膜20と、電解質膜20の各々の面上に形成された微粒子部27,28と、微粒子部27,28上に形成された電極であるアノード21およびカソード22と、電極を形成した上記電解質膜20を両側から挟持するガス拡散層23,24と、ガス拡散層23,24のさらに外側に配設されたガスセパレータ25,26と、を備えている。
図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料電池を構成する単セル10の概略構成を表わす断面模式図である。単セル10は、電解質膜20と、電解質膜20の各々の面上に形成された微粒子部27,28と、微粒子部27,28上に形成された電極であるアノード21およびカソード22と、電極を形成した上記電解質膜20を両側から挟持するガス拡散層23,24と、ガス拡散層23,24のさらに外側に配設されたガスセパレータ25,26と、を備えている。
本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、電解質膜20は、湿潤状態でプロトン伝導性を示す固体高分子電解質を備えている。本実施例では、電解質膜20は、炭化水素系固体高分子電解質によって形成されている。微粒子部27、28は、電解質膜20上に配置され、フッ素系固体高分子電解質から成る複数の微粒子によって形成される。アノード21およびカソード22は、触媒として、例えば白金、あるいは白金合金を備えている。より具体的には、アノード21およびカソード22は、上記触媒を担持したカーボン粒子と、微粒子部27,28を構成する固体高分子電解質と同様のフッ素系電解質と、を備えている。電解質膜20と、微粒子部27,28と、アノード21およびカソード22は、MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)30を構成している。MEA30の詳しい構成、および製造工程については、後に詳述する。
ガス拡散層23,24は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発泡金属によって形成することができる。本実施例のガス拡散層23,24は、いずれも、平坦な板状部材として形成されている。このようなガス拡散層24は、電気化学反応に供されるガスの流路になると共に、集電を行なう。
ガスセパレータ25,26は、ガス不透過な導電性部材、例えば圧縮カーボンやステンレス鋼から成る部材によって形成される。ガスセパレータ25,26は、それぞれ所定の凹凸形状を有している。この凹凸形状によって、ガスセパレータ25とガス拡散層23との間には、水素を含有する燃料ガスが流れる単セル内燃料ガス流路47が形成される。また、上記凹凸形状によって、ガスセパレータ26とガス拡散層24との間には、酸素を含有する酸化ガスが流れる単セル内酸化ガス流路48が形成される。
さらに、単セル10の外周部には、単セル内燃料ガス流路47および単セル内酸化ガス流路48におけるガスシール性を確保するために、ガスケット等のシール部材が配置されている(図示せず)。また、本実施例の燃料電池は、単セル10を複数積層したスタック構造を有しているが、このスタック構造の外周部には、単セル10の積層方向と平行であって燃料ガスあるいは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各単セル10に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内燃料ガス流路47内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各単セル10に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内酸化ガス流路48内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。
B.MEA30の構成および製造方法:
図2は、MEA30のカソード側、すなわち、電解質膜20と、微粒子部28と、カソード22の様子を、拡大して模式的に表わす説明図である。図2では、図1とは異なり、膜面が水平となる向きにMEA30が表わされている。また、図2では、図中に四角で囲んだ領域について、さらに拡大して示している。既述したように、微粒子部27,28は、電解質膜20とアノード21あるいはカソード22との間に配置された固体高分子電解質から成る複数の微粒子29によって形成される層である。MEA30は、後述するように、電解質膜20上に微粒子29を配置した後に、電解質膜20とは別体で作製した電極をさらに重ね合わせてこれらを熱圧接合することによって形成している。そのため、図2では、微粒子部27,28を構成する複数の微粒子29の一部が、電解質膜20および各々の電極の表面から内部へと入り込むように表わされている。図2では、MEA30のカソード側の構成のみを示しているが、本実施例のMEA30は、アノード側においても同様の構成を有している。以下に、このようなMEA30の製造方法について説明する。
図2は、MEA30のカソード側、すなわち、電解質膜20と、微粒子部28と、カソード22の様子を、拡大して模式的に表わす説明図である。図2では、図1とは異なり、膜面が水平となる向きにMEA30が表わされている。また、図2では、図中に四角で囲んだ領域について、さらに拡大して示している。既述したように、微粒子部27,28は、電解質膜20とアノード21あるいはカソード22との間に配置された固体高分子電解質から成る複数の微粒子29によって形成される層である。MEA30は、後述するように、電解質膜20上に微粒子29を配置した後に、電解質膜20とは別体で作製した電極をさらに重ね合わせてこれらを熱圧接合することによって形成している。そのため、図2では、微粒子部27,28を構成する複数の微粒子29の一部が、電解質膜20および各々の電極の表面から内部へと入り込むように表わされている。図2では、MEA30のカソード側の構成のみを示しているが、本実施例のMEA30は、アノード側においても同様の構成を有している。以下に、このようなMEA30の製造方法について説明する。
図3は、MEA30の製造方法を表わす工程図である。MEA30を製造する際には、まず、電解質膜20となる固体高分子電解質から成る膜を用意する(ステップS100)。本実施例では、既述したように、炭化水素系の固体高分子膜を用いている。
また、電解質膜20とは別に、固体高分子電解質から成る微粒子29を作製する(ステップS110)。本実施例では、微粒子29を、フッ素系の固体高分子電解質であるパーフルオロスルホン酸系の電解質によって形成している。このような電解質から成る微粒子29を作製する方法としては、例えば、スプレードライ法を用いることができる。具体的は、上記フッ素系の固体高分子電解質を含有する溶液を用意して、この電解質溶液を、スプレードライヤによって造粒し、微粒子29を作製すればよい。スプレードライ法を用いる場合には、造粒の条件を適宜選択することにより、所望の粒径の粒子を造粒することができる。調節可能な造粒条件としては、用いる電解質溶液中の電解質(固形分)に対する溶媒(水やアルコールなど)の液量や、スプレードライを行なう際のノズル温度(入り口温度)や噴霧圧、あるいは電解質溶液の噴霧量を挙げることができる。スプレードライ法を用いることで、微粒子29として、略球形の粒子を容易に作製することができる。このような固体高分子電解質から成る微粒子29の粒径は、例えば、1〜100μmとすることができる。なお、微粒子29を作製する際には、スプレードライ法以外の方法を用いても良く、例えば、凍結乾燥法により形成することとしても良い。
次に、ステップS110で作製した微粒子29を、ステップS100で用意した電解質膜20上に配置して(ステップS120)、電解質膜20上に、微粒子部27,28となる微粒子29から成る層を形成する。電解質膜20上に配置する微粒子29は、後述するように、電解質膜20と電極との間の密着性を高めるための構成である。そのため、本実施例では、電解質膜20上において、電解質膜20と電極とが重なる領域全体にわたって、微粒子29を配置している。
また、電解質膜20および微粒子29とは別に、電極であるアノード21およびカソード22を形成するための触媒ペーストを作製する(ステップS130)。触媒ペーストは、白金を担持したカーボン粒子と、微粒子29と同様のフッ素系固体高分子電解質とを含有している。白金を担持したカーボン粒子は、例えばカーボンブラックから成るカーボン粒子を、白金化合物の溶液(例えば、テトラアンミン白金塩溶液やジニトロジアンミン白金溶液や白金硝酸塩溶液、あるいは塩化白金酸溶液など)中に分散させて、含浸法や共沈法、あるいはイオン交換法によって作製する。このようにして作製した白金担持カーボン粒子を、水および有機溶剤からなる適当な溶媒中に分散させると共に、既述したフッ素系固体高分子電解質を含有する電解質溶液(例えば、ナフィオン溶液、アルドリッチ社製)をさらに混合することで、触媒ペーストが得られる。
次に、上記触媒ペーストを所定の基材に塗布して、基材上にアノード21あるいはカソード22となる電極を形成する(ステップS140)。触媒ペーストを塗布する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る基材を用いることができる。触媒ペーストの基材上への塗布は、例えば、スプレー法や、スクリーン印刷、あるいは、ドクターブレード法や、インクジェット法により行なうこともできる。これらの方法を用いることで、触媒ペーストを所望の厚みに塗布することができる。上記のように触媒ペーストを塗布した後に、塗布した触媒ペーストを乾燥させることで、内部に微細な細孔を有する多孔質な電極を形成することができる。なお、ステップS140において行なう塗布した触媒ペーストの乾燥は、塗布した触媒ペーストが含む溶媒の少なくとも一部を除去するものであれば良いが、乾燥の程度を大きくするほど、後述する電極と電解質膜との接合時に電極から電解質膜へと供給される水分量を抑えることができる。
その後、ステップS140で基材上に作製した電極を、ステップS120で微粒子29を配置した電解質膜20上に熱圧転写し(ステップS150)、その後に基材を剥離して除去することにより、MEA30が完成される。すなわち、電解質膜20上に、微粒子29から成る微粒子部27,28が形成されると共に、微粒子部27,28上に、さらにアノード21あるいはカソード22が形成されたMEA30が完成する。ステップS150の熱圧転写を行なう際の条件の一つとしての接合時の温度は、微粒子29を構成する固体高分子電解質の少なくとも一部が軟化する温度とすればよい。このように、微粒子29が軟化することにより、微粒子29から成る微粒子部27,28を介して電解質膜20と電極とが密着される。すなわち、微粒子部27,28は、電解質膜20と電極との密着性を向上させる接着層として働く。本実施例では、微粒子29をフッ素系電解質により形成しているため、熱圧転写を行なう際の温度は、フッ素系電解質から成る微粒子29が軟化する温度であれば良く、例えば、80〜160℃で行なうことができる。また、熱圧転写を行なう際の他の条件としての圧力は、上記のように軟化した電解質を備える微粒子部27,28を介して電解質膜20と電極とを充分に密着させることができる圧力であれば良く、例えば、1〜10MPaとすることができる。熱圧転写を行なう際の条件は、温度と圧力と時間との組み合わせとして設定できるが、この転写時の条件は、転写により接合された電解質膜20および電極の間の微粒子部27,28において、微粒子29の少なくとも一部が溶融することなく粒子形状を保つ条件とすることが望ましい。
なお、図3のステップS120あるいはステップS150の工程は、アノード側とカソード側とについて同時に行なう必要はない。アノード側とカソード側の一方の側についてステップS120ないしステップS150の工程を行なって電解質膜と電極の接合を行なった後に、他方の側について同様の工程を繰り返し行なえば良い。
以上のように構成された本実施例の燃料電池が備えるMEA30の製造方法によれば、電解質膜20と電極との間に複数の微粒子29を配置した上で、電解質膜20と電極との接合を行なうことによって、電解質膜20と電極との間に微粒子部27,28を形成している。そのため、電解質膜20と電極との間の密着性を向上させる接着層として働く微粒子部27,28を形成する際に、電解質膜20に対して過剰な水分が供給されることがない。また、電極は、予め電解質膜20とは別体で作製して乾燥されているため、電極から電解質膜20に対して過剰な水分が供給されることもない。したがって、過剰な水分供給に起因する電解質膜20の膨潤や、その後の乾燥に起因する電解質膜20の収縮が生じることがない。電解質膜20の膨潤と収縮が抑制されることにより、電解質膜20の膨潤と収縮とに起因する燃料電池製造時における電解質膜20と電極との間の密着性の低下を抑えることができる。さらに、電解質膜20の膨潤と収縮が抑制されることにより、電解質膜20の膨潤と収縮とに起因するMEA30内部における応力発生を抑制し、燃料電池が発電を行なう過程における電解質膜20と電極との間の密着性の低下を抑えることができる。
また、本実施例では、電解質膜20と電極との間に複数の微粒子29を配置して行なう接合の際に、微粒子29を構成する固体高分子電解質の少なくとも一部を軟化させることによって、電解質膜20と電極との間の密着性をより高めている。そのため、このように電解質膜20と電極との間の密着性を確保することにより、電解質膜20と電極との間の接触抵抗を低減して電池性能を向上させることができると共に、燃料電池の耐久性を向上させることができる。
ここで、本実施例では、微粒子29を、固体高分子電解質、具体的には、電極が備える電解質と同様のフッ素系固体高分子電解質によって構成している。このように、微粒子29がプロトン伝導性を有することにより、電解質膜20と電極との間のプロトンの移動が微粒子29によって妨げられることが無く、微粒子部27,28を設けることに起因する電池性能の低下を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池のように、炭化水素系電解質から成る電解質膜を用いた燃料電池は、電解質膜を間に介した燃料ガスの流路と酸化ガスの流路との間のガスのクロスリークが比較的起こり難く、さらに、炭化水素系電解質はフッ素系電解質に比べて製造コストが低い等の優れた特徴を有している。しかしながら、炭化水素系電解質は、ガラス転移温度が高く(約220℃)、ガラス転移温度が電解質の分解温度に近いという性質を有している。そのため、電解質膜と電極との接合を、例えば、電解質膜をガラス転移温度付近へと昇温させて電解質膜を軟化させた上で電極と熱圧着することにより行なおうとすると、電解質膜の分解・劣化を抑えつつ電解質膜と電極とを接合するための温度制御が困難になるという問題があった。本実施例では、このような炭化水素系電解質から成る電解質膜20と、電極との間に、フッ素系電解質から成る微粒子29を配置しているため、炭化水素系電解質の分解温度よりも低いが、フッ素系電解質が軟化する温度に昇温させて熱圧接合を行なうことができる。そのため、電解質膜20と電極とを熱圧接合して両者の密着性を確保する工程を容易化することができる。
なお、電解質膜20を炭化水素系電解質により形成し、微粒子29をフッ素系電解質により形成する場合には、上記のような利点を有するが、異なる構成としても良い。電解質膜20と微粒子29と電極が備える電解質としては、種々の組み合わせが可能である。
また、実施例では、微粒子29は、固体高分子電解質のみによって構成されることとしたが、異なる構成としても良い。微粒子29は、軟化して電解質膜20と電極との密着性を高めことができると共に、微粒子部27,28においてプロトン伝導性を確保することができる固体高分子電解質を、少なくとも一部の成分として含有していればよい。これにより、電解質膜と電極との密着性を高めて燃料電池の初期性能を高めると共に、電解質膜への過剰な水分供給を抑えて燃料電池の耐久性を高める効果を得ることができる。微粒子29が、固体高分子電解質以外の物質をさらに含有する場合には、電解質以外の他の物質が、導電性や触媒活性、あるいはプロトン伝導性を有していれば、微粒子29を配置することに起因する電池反応の低下を抑えることができる。微粒子が固体高分子電解質以外の物質を含む構成としては、例えば、微粒子が、白金などの触媒粒子や、カーボンなどの導電性物質から成る粒子を、さらに備える構成を挙げることができる。このような微粒子を作製するには、例えば、微粒子の材料として、固体高分子電解質に加えて、さらに上記触媒粒子や導電性粒子を含む分散液をスプレードライヤに供して、造粒すればよい。
ステップS120では、電解質膜20と電極とが重なる領域である接触領域全体に、微粒子29を配置して微粒子部27,28を形成したが、異なる構成としても良い。微粒子部を形成する領域が、上記接触領域の一部であっても、微粒子部を設けた部分において、電解質膜への水供給に起因する耐久性の劣化を抑えつつ、電解質膜と電極との密着性を向上させる同様の効果を得ることができる。例えば、上記接触領域において、外周部近傍のみに微粒子部を設けることとしても良い。ただし、上記接触領域全体において電解質膜と電極との間の密着性を均等に確保するには、実施例のように、接触領域全体に微粒子を略均等に配置して、微粒子部を形成することが望ましい。
実施例では、電解質膜20上に微粒子29を配置して、その上に電極を重ね合わせてMEAを作製したが、異なる構成としても良い。例えば、基材上に形成した電極上に微粒子29を配置して、その上に電解質膜20を重ね合わせて全体を熱圧接合し、MEAを作製しても良い。あるいは、電極上に微粒子29を配置して、その上に電解質膜20を重ね合わせ、その電解質膜20上にさらに微粒子29を配置し、その上にさらに電極を重ね合わせ、その後全体を熱圧接合して、MEAを作製することも可能である。
また、実施例では、微粒子29を用いて、電解質膜20の両側に微粒子部27,28をそれぞれ設けたが、アノード側とカソード側のいずれか一方のみに微粒子部を設けることとしても良い。電解質膜の少なくともいずれか一方の面において、微粒子を間に介して電解質膜と電極とを接合させるならば、微粒子部を形成した側において、電解質膜への水供給に起因する耐久性の劣化を抑えつつ、電解質膜と電極との密着性を向上させる同様の効果を得ることができる。
C.実施例の燃料電池の評価結果:
既述した実施例に則して実験例1〜実験例4の燃料電池を作製し、比較例の燃料電池と共に性能を評価した。各燃料電池は、MEAの構成のみが異なっている。各燃料電池が備えるMEAの作製条件は、以下の通りである。なお、実験例1以外のMEAの作製条件としては、実験例1と異なる部分のみを説明している。
既述した実施例に則して実験例1〜実験例4の燃料電池を作製し、比較例の燃料電池と共に性能を評価した。各燃料電池は、MEAの構成のみが異なっている。各燃料電池が備えるMEAの作製条件は、以下の通りである。なお、実験例1以外のMEAの作製条件としては、実験例1と異なる部分のみを説明している。
実験例1:
ステップS100では、既述したように、炭化水素系電解質から成る電解質膜20を用意した。ステップS110では、電解質溶液として、ナフィオン溶液(デュポン社製、固形分20%)を溶媒で希釈して固形分10%としたものを用いた。そして、このような電解質溶液から、スプレードライヤを用いて、粒度分布のピークが粒径5〜10μmとなるような粉体を作製し、微粒子29とした。ステップS120では、所定量の上記微粒子29を、篩を通して電解質膜20の上に略均等になるように配置した。その際、目付量は、0.2mg/cm2とした。
ステップS100では、既述したように、炭化水素系電解質から成る電解質膜20を用意した。ステップS110では、電解質溶液として、ナフィオン溶液(デュポン社製、固形分20%)を溶媒で希釈して固形分10%としたものを用いた。そして、このような電解質溶液から、スプレードライヤを用いて、粒度分布のピークが粒径5〜10μmとなるような粉体を作製し、微粒子29とした。ステップS120では、所定量の上記微粒子29を、篩を通して電解質膜20の上に略均等になるように配置した。その際、目付量は、0.2mg/cm2とした。
ステップS130では、白金の担持量が50wt%である白金担持カーボン粒子と、水と、ステップS110で用いたものと同様の電解質溶液とを混合し、この混合物を超音波によって分散させて触媒ペーストを作製した。ステップS140では、このような触媒ペーストを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の基材上にバーコータで塗布し、120℃のホットプレート上で乾燥させて、電極を形成した。得られた電極に含まれる単位面積当たりの白金量を算出したところ、約1mg/cm2であった。
ステップS150では、上記基材上に形成した電極を、電解質膜20における上記微粒子29を配置した面と重ね合わせて、電解質膜上に熱圧転写した。熱圧転写は、温度100℃、圧力3MPa、時間50分の条件にて行なった。
実験例2(微粒子部27,28が厚い):
実験例2では、ステップS120において、微粒子29を電解質膜20上に略均等になるように配置する際の目付量を、0.4mg/cm2とした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
実験例2では、ステップS120において、微粒子29を電解質膜20上に略均等になるように配置する際の目付量を、0.4mg/cm2とした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
実験例3(微粒子29の粒径が大きい):
実験例3では、ステップS110において、スプレードライヤを用いて微粒子29を作製する際に、粒度分布のピークを粒径40〜50μmとした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
実験例3では、ステップS110において、スプレードライヤを用いて微粒子29を作製する際に、粒度分布のピークを粒径40〜50μmとした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
実験例4(接合時の温度が高い):
実験例4では、ステップS150において、熱圧転写を行なう際に、温度を150℃とした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
実験例4では、ステップS150において、熱圧転写を行なう際に、温度を150℃とした以外は、実験例1と同様の工程により製造した。
比較例1(微粒子29に代えて電解質溶液を用いる):
比較例1では、電解質膜20と電極との間に、粉体状の微粒子29を配置する代わりに、電解質溶液を配置した。すなわち、ステップS110に代えて、ステップS110で用いたものと同様の電解質溶液(固形分10%)を用意する工程を行ない、ステップS120に代えて、上記電解質溶液を、スプレー噴霧によって、電解質膜20上に、目付量0.2mg/cm2となるように配置した。他の、ステップS100、S130、S140の工程は、実施例1と同様に行なっており、ステップS150では、電解質膜20上に配置した電解質溶液が乾燥する前に、電極の熱圧転写を行なった。
比較例1では、電解質膜20と電極との間に、粉体状の微粒子29を配置する代わりに、電解質溶液を配置した。すなわち、ステップS110に代えて、ステップS110で用いたものと同様の電解質溶液(固形分10%)を用意する工程を行ない、ステップS120に代えて、上記電解質溶液を、スプレー噴霧によって、電解質膜20上に、目付量0.2mg/cm2となるように配置した。他の、ステップS100、S130、S140の工程は、実施例1と同様に行なっており、ステップS150では、電解質膜20上に配置した電解質溶液が乾燥する前に、電極の熱圧転写を行なった。
比較例2(電解質膜と電極とを直接接合する):
比較例2では、微粒子29に係るステップS110およびステップS120を行なうことなく、ステップS100で用意した電解質膜20上に、ステップS140で基材上に形成した電極を、直接接合した。ステップS150では、電解質膜と電極との界面に水を供給しつつ、温度は130℃で熱圧転写を行なった。電解質膜と電極との界面に水を供給する方法としては、液水を供給する方法、具体的には、電解質膜表面を予め水で濡らす方法を用いた。
比較例2では、微粒子29に係るステップS110およびステップS120を行なうことなく、ステップS100で用意した電解質膜20上に、ステップS140で基材上に形成した電極を、直接接合した。ステップS150では、電解質膜と電極との界面に水を供給しつつ、温度は130℃で熱圧転写を行なった。電解質膜と電極との界面に水を供給する方法としては、液水を供給する方法、具体的には、電解質膜表面を予め水で濡らす方法を用いた。
上記のように作製した各MEAを用いて、燃料電池を、図1に示すような単セルの状態で作製し、負荷に接続して発電を行なわせた。図4は、各燃料電池について、温度を80℃に保ち、出力電流密度を0.2A/cm2に保持したときの出力電圧の測定値を示している。なお、このとき、各燃料電池のアノードおよびカソードに対しては、水素および酸素が大過剰(理論的に必要な量に対する実際の供給量の比の値であるいわゆるストイキが1.2〜6.0)になるように水素ガスあるいは空気を供給し、供給する水素ガスおよび空気は、バブラを用いて加湿した。
図4に示すように、実験例1〜実験例4のいずれの燃料電池も、比較例1と同等の出力電圧を示した。すなわち、電解質から成る微粒子29を介して電解質膜20と電極とを接合させた場合には、初期性能として、電解質溶液を用いて電解質膜と電極とを接合させた場合と同等の性能が得られた。このように高い初期性能を示すことより、実施例のように粉体状の固層の接着層を用いる場合には、液層の接着層を用いる場合と同様に、電解質膜と電極との間の接触抵抗が充分に小さくなることが確認された。したがって、実施例のように粉体状の接着層を用いる場合には、液層の接着層を用いる場合と同様に、電解質膜と電極との間の密着性が高められていると考えられる。なお、既述したように実験例1〜実験例4は、微粒子29の目付量や、微粒子29の粒径、あるいは接合温度が異なっているが、これらの条件の違いによる初期性能の大きな低下は見られなかった。
図5は、各燃料電池について、80℃の温度条件下で負荷に対する発電を行なわせると共に、一定の時間間隔で負荷との接続の入り切りを繰り返す動作を行ない、電解質膜の耐久性を調べた結果を示している。電解質膜の耐久性は、電解質膜を介した燃料ガス流路側から酸化ガス流路側への水素のリーク量に基づいて調べた。具体的には、燃料電池のカソード側から排出されるカソードオフガス中の水素濃度を測定し、カソードオフガス中の水素濃度が、予め定めた基準値を超えるまでの時間を耐久時間として、各々の燃料電池の耐久時間を比較した。上記基準値は、ここでは、水素の爆発下限界の100分の1の濃度としており、カソードオフガス中の水素濃度が上記基準値を超えるまでの時間、すなわち、オン−オフを繰り返す燃料電池の発電を開始してからの経過時間を、耐久時間とした。なお、上記耐久時間を測定する際には、各燃料電池のアノードおよびカソードに対しては、ストイキが1.2〜6.0となるように水素ガスあるいは空気を供給しており、供給する水素ガスおよび空気は、バブラを用いて加湿した。
図5に示すように、実験例1〜実験例4のいずれの燃料電池も、比較例1および比較例2の燃料電池に比べて、有意に長い耐久時間を示した。以上のように、電解質微粒子から成る接着層を設ける場合には、電解質膜と電極とを接合する際に電解質膜に水分が供給される方法を用いる場合に比べて、燃料電池の耐久性が向上することが確認された。このような結果は、電解質微粒子から成る接着層を設ける場合には、電解質に過剰の水分が供給されることに起因する電解質膜の変形(寸法変化)を抑制できるため、燃料電池が発電する際に経時的に進行する電解質膜の劣化が抑制されることによると考えられる。
また、上記図4および図5に示した結果とは別に、各実験例および比較例の燃料電池について、出力電流を変化させたときの出力電圧の変化(いわゆるI−V特性)を調べた。燃料電池のI−V特性は、一般に、出力電流がある程度大きく(高負荷に)なるまでは出力電圧も高くなるが、出力電流がある程度以上大きくなると、出力電圧は次第に低下するという特徴を示す。このように高負荷領域において出力電圧を低下させる要因の一つとして、電気化学反応に伴い発生する水に起因するフラッディング(液水に起因するガス流れの阻害)が挙げられる。発電量が多くなるほど生成水量が増すため、高負荷領域では、フラッディングに起因する電圧低下の程度が大きくなる。各実験例および比較例の燃料電池についてI−V特性を調べると、実験例2および実験例4では、比較例1と共に、実験例1および実験例3に比べて高負荷領域における電圧低下の程度が大きくなるという結果が得られた(データ示さず)。すなわち、実験例2および実験例4では、比較例1と共に、実験例1および実験例3に比べて、高負荷領域においてフラッディングの発生の程度が大きいと考えられる。この理由として、実験例2については、実施例1に比べて微粒子29の目付量が多いため、MEA内における電解質量の増加に起因してMEA内における保水量が増加したためと考えられる。また、実験例4については、微粒子の目付量(MEA内の電解質量)は実験例1と同じであるが、電極との接合温度が高い点が異なっている。接合温度が高いと、より多くの微粒子29が接合時に溶融して、微粒子部27,28は、微粒子の集合体ではなく、比較例1が備える電解質溶液から成る接着層に近い状態になっていると考えられる。したがって、以上の結果より、実施例1および実施例3のように微粒子の集合体としての形状を維持した構造の接着層を設ける場合には、溶融された電解質によって接着層を形成する場合よりも、フラッディングの発生を抑制できると考えられる。
10…単セル
20…電解質膜
21…アノード
22…カソード
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
27,28…微粒子部
29…微粒子
30…MEA
47…単セル内燃料ガス流路
48…単セル内酸化ガス流路
20…電解質膜
21…アノード
22…カソード
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
27,28…微粒子部
29…微粒子
30…MEA
47…単セル内燃料ガス流路
48…単セル内酸化ガス流路
Claims (13)
- 燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜を用意する第1の工程と、
第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子を用意する第2の工程と、
触媒を含む電極を用意する第3の工程と、
前記複数の微粒子を間に介して、前記電極と前記電解質膜とを重ね合わせて接合する第4の工程と
を備える膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項1記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第4の工程は、前記微粒子を構成する前記第2の固体高分子電解質の少なくとも一部が軟化し得る温度に加熱して、前記電解質膜と前記電極とを接合させる
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項2記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第4の工程で行なう加熱は、前記電極と前記電解質膜とを接合した後に前記複数の微粒子の少なくとも一部が溶融することなく粒子形状を保つ条件での加熱である
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項2記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第2の固体高分子電解質は、フッ素系電解質であり、
前記第4の工程は、前記フッ素系電解質が軟化する温度に加熱して、前記電解質膜と前記電極とを接合させる
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項4記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第1の固体高分子電解質は、炭化水素系電解質である
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項1ないし5いずれか記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第3の工程は、触媒と溶媒とを含む触媒ペーストを基材上に塗布し、塗布した前記触媒ペーストを乾燥させる工程であり、
前記第4の工程は、前記基材上に形成した前記電極と、前記電解質膜とを接合する工程である
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項1ないし6いずれか記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記第4の工程は、前記電極と前記電解質膜の一方の部材の面上に前記複数の微粒子を配置し、前記微粒子を配置した面と他方の部材とを重ね合わせて、接合を行なう工程である
膜−電極接合体の製造方法。 - 請求項1ないし7いずれか記載の燃料電池用膜−電極接合体の製造方法であって、
前記微粒子は、粒径が、1〜100μmである
膜−電極接合体の製造方法。 - 燃料電池用膜−電極接合体であって、
第1の固体高分子電解質から成る電解質膜と、
前記電解質膜上に配置された第2の固体高分子電解質を含む複数の微粒子によって形成される微粒子部と、
前記微粒子部を間に介して前記電解質膜上に形成された触媒を備える電極と
を備える膜−電極接合体。 - 請求項9記載の燃料電池用膜−電極接合体であって、
前記第2の固体高分子電解質は、フッ素系電解質である
膜−電極接合体。 - 請求項10記載の燃料電池用膜−電極接合体であって、
前記第1の固体高分子電解質は、炭化水素系電解質である
膜−電極接合体。 - 請求項9ないし11いずれか記載の燃料電池用膜−電極接合体であって、
前記微粒子は、粒径が、1〜100μmである
膜−電極接合体。 - 燃料電池であって、
請求項9ないし12いずれか記載の膜−電極接合体を備える燃料電池。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010272356A (ja) * | 2009-05-21 | 2010-12-02 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用膜−電極接合体、その製造方法、および燃料電池 |
| WO2012060029A1 (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池及び燃料電池の製造方法 |
| WO2019151310A1 (ja) * | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 凸版印刷株式会社 | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
| JP2020091973A (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | 凸版印刷株式会社 | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池 |
-
2007
- 2007-07-25 JP JP2007193026A patent/JP2009032438A/ja active Pending
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