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JP2009009769A - アルカリ形燃料電池 - Google Patents

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Akira Morita
暁 森田
Shoji Ihara
正二 井原
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Canon Inc
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Abstract

【課題】簡単な構成で、発電部の温度に応じて酸化剤を加湿することができ、小型で低コスト化を図ることが可能となるアルカリ形燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料成分と水成分を含む燃料溶液が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極との間に、アニオン交換膜を配置して構成された発電部を備えるアルカリ形燃料電池であって、
前記酸化剤極に供給される酸化剤を、加熱及び加湿する加湿部を有し、
前記加湿部は、酸化剤と燃料溶液とを隔てる水透過膜を有し、
前記水透過膜を介して前記燃料溶液の熱及び水成分が前記酸化剤に輸送可能に構成される。
【選択図】 図3

Description

本発明はアルカリ形燃料電池に関するものである。特に、発電部に供給する酸化剤を発電状況に応じて加湿することを可能としたアルカリ形燃料電池に関するものである。
温暖化等の環境問題や、原油価格の高騰などを背景に石油代替エネルギーに関する研究開発が盛んに行われている。
例えば、風力発電、地熱発電、太陽光発電、燃料電池等が挙げられる。その中でも燃料電池は、天候に左右されずに発電することができ、小型化が可能であることから、自動車業界や電子機器業界等で精力的に研究開発が進められている。
燃料電池には幾つかの種類がある。これらの中で、アニオン交換膜を電解質膜とするアルカリ形燃料電池は、カチオン交換膜を電解質膜とする燃料電池のように燃料電池内部が強酸性雰囲気とならないことから、触媒に貴金属以外の金属を使用することができる。
また、セパレータなどの構成材料も、アルカリ形燃料電池では、耐強酸性材料を使用する必要がないため、低価格の材料を使用することができる。
このため、アルカリ形燃料電池では大幅なコストダウンや、燃料電池の酸化還元触媒に貴金属以外の金属触媒を用いて、燃料電池の発電性能を向上させることが期待できる。
アルカリ形燃料電池の燃料としては、水素や、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類やジメチルエーテルなどの有機化合物およびこれらの有機化合物の水溶液が、研究されている。
これらの燃料の中でも、エタノールは、バイオマスから製造することができるため、再生可能な燃料として、石油代替エネルギーとして、特に注目されている。また、アルカリ形燃料電池の触媒としては、各種の燃料に応じて、貴金属系触媒や非貴金属系触媒が使用されている。
貴金属触媒としては、Pt、Pt−Ruなど、非貴金属触媒としては、Ni、Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni等が用いられる
燃料としてエタノールを用いた場合の、アルカリ形燃料電池の電極反応は次のとおりとなる。

燃料極
25OH+12OH-→2CO2+9H2O+12e- ……(1)

酸化剤極
12e-+3O2+6H2O→12OH- ……(2)

アルカリ形燃料電池で使用するアニオン交換膜は、OHイオンを透過させる電解質膜である。
アルカリ形燃料電池が発電中は、上反応式で示されるように、酸化剤極側で、電子と酸素と水の反応でOHイオンを生成し、生成したOHイオンはアニオン交換膜を透過して燃料極に移動し、燃料極側でエタノールと反応して、二酸化炭素と水と電子を生成する。
アニオン交換膜を利用したアルカリ形燃料電池では、発電反応に水が必要であるが、一般に、燃料にあらかじめ所定量の水を加えておき、この燃料溶液を発電反応に用いることにより、燃料と水を同時に供給する方法が用いられている。
カチオン交換膜形の燃料電池では、発電中の電極反応で、燃料極から酸化剤極に、カチオン交換膜を透して水素イオンが移動し、酸化剤極側で、水素イオンと電子と酸素から水が生成されるが、アルカリ形燃料電池では、水は燃料極側で生成される。
アルカリ形燃料電池は、発電反応時に酸化剤極で水が消費される。
水は、アニオン交換膜を経由して燃料極側から酸化剤極側に供給されるが、酸化剤極に流れる酸化剤が乾燥していた場合は、この水が酸化剤に拡散し、発電反応で必用な水が充分供給されず、そのために出力が低下する問題がある。
燃料電池は、発電中、反応部の温度が室温より上昇するので、酸化剤として大気中の空気をそのまま送風したら、反応部では相対湿度がかなり低くなり、乾燥空気となる。
一方、カチオン交換膜燃料電池で、燃料として水素を使用した場合は、反応物として水は必要ないが、カチオン交換膜の種類によっては、電気伝導度を良好に維持するために、カチオン交換膜を加湿する必用がある。
従来において、水素燃料を利用したカチオン交換膜燃料電池で電解質膜を加湿する方法として、つぎのような方法が提案されている。
特許文献1では、水流路を備え、酸化剤極の外側に水流路を有する多孔質体から形成される加湿水透過板を配置し、加湿水透過板の外側から水を供給する方法が提案されている。
また、酸化剤ガスの加湿量を制御する方法として、特許文献2では、セパレータの少なくとも一部を、水分が透過可能な多孔質部により形成し、酸化剤ガス流路の反対側に冷却用ガス流路を設ける方法が提案されている。
これらにより、冷却用ガスの湿度にあわせて、酸化剤ガスの加湿量を制御することが可能になる。
特開2005−322529号公報 特開2005−197150号公報
しかしながら、上記従来例の特許文献1および特許文献2の方法においては、酸化剤を加湿しようとする場合に、次のような課題を有している。
すなわち、特許文献1の方法では、酸化剤の加湿のために、水流路を別に設ける必用があり、水流路に流す水、および水の循環制御等が必要で、装置が大型・複雑化し、装置重量も大きくなる。
また、特許文献2の方法では、酸化剤の加湿のために、別なガス流路(冷却ガス流路)を設ける必用があり、この方法でも、装置が大型・複雑化し、装置重量も大きくなる。
このように、特許文献1および特許文献2のいずれの方法においても、装置が大型・複雑化し、重量が大きくなり、燃料電池の小型化を図る上で課題を有している。
また、酸化剤の加湿時の温度を発電部の温度変化に合わせて制御することが難しいことから、加湿が不足したり、逆に加湿時の温度が高すぎて酸化剤流路や酸化剤側の電極表面において結露が生じる。
そのため、酸化剤極への酸化剤の供給が困難になるという課題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、簡単な構成で、発電部の温度に応じて酸化剤を加湿することができ、小型で低コスト化を図ることが可能となるアルカリ形燃料電池を提供することを目的とするものである。
本発明は、つぎのように構成したアルカリ形燃料電池を提供するものである。本発明のアルカリ形燃料電池は、
燃料成分と水成分を含む燃料溶液が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極との間に、アニオン交換膜を配置して構成された発電部を備えるアルカリ形燃料電池であって、
前記酸化剤極に供給される酸化剤を、加熱及び加湿する加湿部を有し、
前記加湿部は、酸化剤と燃料溶液とを隔てる水透過膜を有し、
前記水透過膜を介して前記燃料溶液の熱及び水成分が前記酸化剤に輸送可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記発電部に前記酸化剤を供給する酸化剤流路を有する酸化剤極側に設けられたセパレータと、
前記燃料溶液を流通させる燃料流路を有する燃料極側に設けられたセパレータと、を備え、
前記発電部と前記加湿部が、これらのセパレータに挟まれて構成されていることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記発電部のアニオン交換膜と、前記加湿部の水透過膜は、同一部材であることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記発電部のアニオン交換膜と、前記加湿部の水透過膜は、別部材であることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記加湿部が、前記発電部に対して、前記酸化剤の流れにおいて上流側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記加湿部が、前記発電部中に分散させて配置されていることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記加湿部が、前記発電部に対して、前記酸化剤の流れにおいて上流側に設けられた該発電部とは別のユニットで構成され、
前記加湿部ユニットは、少なくとも一部が水透過膜によって構成された燃料流路と、前記発電部に前記酸化剤を供給する酸化剤流路と、を有することを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記燃料成分は、アルコールまたはエーテルであることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記燃料成分は、エタノールまたはメタノールであることを特徴とする。
また、本発明のアルカリ形燃料電池は、前記エタノールまたはメタノールに対する前記アニオン交換膜のアルコール透過率が、2.0×10−6[cm/s]以下であることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で、発電部の温度に応じて酸化剤を加湿することができ、小型で低コスト化を図ることが可能となる。
特に、燃料溶液中に含まれる水成分によって酸化剤を加湿して発電部に供給することで、安定して高出力発電を行うことが可能となる燃料電池を実現することができる。
本発明によれば、加湿部で、燃料の熱で酸化剤を加熱すると共に、燃料溶液中の水で酸化剤を加湿可能とする手段を有するアルカリ形燃料電池を提供することができる。
本発明のアルカリ形燃料電池においては、酸化剤として空気または酸素を、また、燃料としては、アルコールまたはエーテルを、水成分を含む水溶液の形で用いることができる。
そして、これらの燃料に含まれる水成分が、加湿部において酸化剤に輸送され、酸化剤を加湿する。
燃料として好ましくは、エタノールまたはメタノールが用いられる。
次に、本発明における燃料成分と水成分を含む燃料溶液が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極との間に、アニオン交換膜を配置して構成された発電部を備えるアルカリ形燃料電池の実施の形態について説明する。
[第一の実施の形態]
本発明の第一の実施の形態のアルカリ形燃料電池における構成例について説明する。
図1に、本実施形態におけるアルカリ形燃料電池の構成例を説明する模式図を示す。
図1は燃料電池の一つのセルを側面から見た図である。本実施形態の燃料電池は、複数の同様なセルからなるスタックで構成されていてもよいし、一つのセルだけで構成されていても良い。
図1において、1は酸化剤極側に設けられたセパレータ(酸化剤極側セパレータ)で、後述の図2で説明するように、内部に酸化剤を流すための流路5が形成されている。
2はガスケットで、後述の図2で説明するように、発電部と加湿部を囲むように構成されている。
3は電解質膜で、アニオンを効率よく透過する、アニオン交換膜である。また、この電解質膜は、水に対しては親和性が良いが、燃料は、ほとんど透過しない。4は燃料極側に設けられたセパレータ(燃料極側セパレータ)で、後述の図2で説明するように、内部に燃料溶液を流すための流路8が形成されている。
次に、本実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部の構造について説明する。
図2にこれらの構造を説明する模式図を示す。この図2は、図1の燃料電池をA方向から見た図である。
図2において、5は酸化剤極側セパレータに形成された流路である。
また、8は燃料極側セパレータに形成された燃料を流通させるための流路である。
これらの流路は、電解質膜側に対して開口部を有するように、セパレータ上に彫られた溝で構成されている。
なお、図2(a)で、流路が点線で表示されているのは、図1のA方向から見た場合、酸化剤極側セパレータの背面側に流路が彫られていることを示す。
酸化剤は、流路5に沿って、入口5aから出口5bの方向に流れ、燃料溶液は、流路8に沿って、入口8aから出口8bの方向に流れる。
6は発電部であり、7は加湿部である。
本実施の形態において、加湿部は、電解質膜の一部領域において、該電解質膜を挟んで対向する酸化剤極側空間と燃料極側空間とによって構成されている。
その際、電解質膜の一部領域における前記酸化剤極側空間が、前記電解質膜と前記酸化剤極側に設けられたセパレータとガスケットで囲まれて形成される。
また、電解質膜の一部領域における前記燃料極側空間が、前記電解質膜と前記燃料極側に設けられたセパレータとガスケットで囲まれて形成される。
図3に、上記加湿部による酸化剤の加湿について具体的に説明する模式図を示す。
図3は、図2(b)におけるB−B断面図である。
図3において、11は酸化剤極で、酸化剤極触媒、バインダ、ガス拡散層等から構成されている。
12は燃料極で、燃料極触媒、バインダ、ガス拡散層等から構成されている。
発電部6は、電解質膜3の一部と、酸化剤極11と燃料極12とで構成された、いわゆる電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly、以下MEAと省略)からなる。
酸化剤極11及び燃料極12の触媒は、Pt、Au、Pd、Co、Fe、Ni、Ti等の元素を含む金属微粒子が用いられる。これらの金属微粒子をカーボン微粒子などの担体に担持させて使用する場合もある。バインダは触媒を固定できるものならどんなものでも良いが、アニオン導電性を持つ樹脂を使用するのが好ましい。ガス拡散層は電子伝導性とガス透過性の両方を持つ材料で構成される。例えば、カーボンペーパー、カーボンクロスや発泡金属、金属メッシュなどを用いると良い。場合によってそれらにカーボン微粒子や樹脂、それらの混合物を充填したり、表面に塗布したりすることもある。
電解質膜は、アニオン交換膜から形成されている。アニオン交換膜としては、酸化剤極側で生成されるOHイオンを、燃料極側に移動させることができる媒体であれば、特に限定はされない。
例えば、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が挙げられる。
エネルギーの損失を抑えるために燃料であるアルコールの透過率は小さい方が好ましい。具体的には、2.0×10−6[cm/s]以下であるものが好適に使用できる。
MEAの作製方法としては、まず始めに上記触媒とバインダを混合し、アルコールなどの溶媒中で攪拌することによって均一に分散させてスラリーを作製する。次にそのスラリーをガス拡散層表面に、ドクターブレード、スプレー、スクリーン印刷等の方法を用いて、所定の厚さに塗布する。これを触媒側が電解質膜と接するようにアノード、カソード両側から重ね合わせてMEAとする。ガス拡散層表面ではなく、電解質膜の表面に触媒を塗布してその上にガス拡散層を重ねても良い。また、重ね合わせた後、ホットプレス等で熱と圧力を加えて圧着させることもある。
9は、電解質膜3とガスケット2と酸化剤極側セパレータ1と酸化剤極11とによって囲まれた酸化剤極側の空間である。
また、10は、電解質膜3とガスケット2と燃料極側セパレータ4と燃料極12とによって囲まれた燃料極側の空間である。
本実施形態において、加湿部7は、上記したように電解質膜3の一部と、上記空間9及び空間10によって挟まれた部分とから構成されている。
酸化剤は、13aから13bの方向に、酸化剤極側セパレータ1に彫られた流路5に沿って流れるように構成されている。
一方、燃料溶液は、14aから14bの方向に、燃料極側セパレータ4に彫られた流路8に沿って流れるように構成されている。
次に、本実施形態の燃料電池において、燃料溶液と酸化剤を供給し、発電させた場合の、酸化剤が加湿される仕組みについて説明する。
酸化剤は発電部6に供給される前に、加湿部7を通過するように構成されている。
加湿部7の電解質膜3は燃料極側に供給された燃料溶液に含まれている水を吸収し、その水透過性により、電解質膜3の酸化剤極側表面は水を含んだ状態となっている。
したがって、酸化剤は加湿部を通過することにより、電解質膜3の表面の水を吸収し、加湿された後、発電部に供給される。
逆に、燃料溶液は先に発電部6を通過した後、加湿部7を通過する。
このような構成にすることによって、燃料溶液は発電部で発電反応温度まで上昇した後に、加湿部に達するので、加湿部を発電反応温度近傍まで加熱すると共に、発電反応温度近傍の水で、電解質膜を透して酸化剤を加湿する。
従って、酸化剤は、発電反応近傍の温度で加湿されることになる。発電部の温度は、発電量に応じて変化するが、本実施形態では、発電部の温度が変われば、それに従って、燃料溶液の温度が変化し、加湿部の温度も変化する。
酸化剤の湿度(相対湿度)は、温度により変化するので、酸化剤は、発電反応温度近傍で加湿する必要がある。
以上のように、加湿部7において、水透過膜である電解質膜3を介して前記燃料溶液の熱及び水成分が前記酸化剤に輸送可能に構成されていることがわかる。
本実施形態によれば、発電反応温度が変化しても、常に、発電反応温度に応じて酸化剤を加湿することが可能となる。
すなわち、酸化剤を加湿するとき、発電反応部より高い温度で加湿すると、発電反応部で結露が発生し、いわゆるフラッディングをおこすことがある。
本実施形態では、加湿部の温度は、発電部を通過した後の燃料溶液の温度なので、発電部以上の温度にならず、発電部で、酸化剤の結露が発生することがなく、フラッディングの発生を防ぐことができる。
アルカリ形燃料電池では、前述した式(1)に示すとおり、発電反応で燃料溶液中に水が生成される。
加湿部では、発電反応によって、燃料溶液中に生成された水分で、酸化剤を加湿できるので、酸化剤を加湿するための、追加の水分供給を燃料溶液にすることをできるだけ抑えるよにすることができる。
なお、本実施例において、セパレータに彫られた流路の形状は、上記した流路5、流路8のような構成に限定されるものではない。
酸化剤が加湿部から発電部へ、燃料溶液が発電部から加湿部に順次送られるように構成されていれば、他のいかなる流路の形状でもよい。
さらに、セパレータに流路がなくても、酸化剤と燃料溶液が、結果的に、同様な向きで流れるように構成されていればよい。
図4に、上記した流路5、流路8とは異なる、他の流路形状をもつセパレータの構成例を示す。
図4において、15は酸化剤極側セパレータ、17は燃料極側セパレータである。
16は酸化剤極側セパレータ15に形成された流路である。また、18は燃料極側セパレータ17に形成された流路である。
これらの流路16、18は、図2に示すセパレータと同様に、電解質膜側に対して開口部を有するように、セパレータ上に彫られている。
酸化剤は流路16に沿って、入口16aから出口16bの方向に流れ、燃料溶液は流路18に沿って、入口18aから出口18bの方向に流れるように構成されている。
なお、図4(a)で、流路が点線で表示されているのは、図1のA方向から見た場合、酸化剤極側セパレータの背面側に流路が彫られていることを示す。
セパレータ1、4の代わりに、セパレータ15、17を用いても、上記で説明したのと同様に、本発明を実施できる。
本実施形態では、加湿部で、燃料溶液中の燃料成分が電解質膜を透過して酸化剤に拡散すると、酸化剤側に燃料が漏れることになり、燃料利用率が低下しエネルギー変換効率低下の原因となる。
従って、電解質膜はできるだけ燃料を透過させないことが好ましい。
燃料として良く用いられるメタノールやエタノールなどのアルコールを使用した場合では、発電部では、典型的には、80mW/cm2の出力が得られ、このとき消費する燃料は、概略8〜12μg/sである。
電解質膜のアルコール透過率が2.0×10-6[cm2/s]のとき、電解質膜を透過するアルコール成分は、概略0.4μg/s/cm2以下である。
したがって、発電部と同じ面積の加湿部を設けても、加湿部で電解質膜を透過して酸化剤側に拡散する燃料溶液中のアルコールは、発電で消費する燃料の、1〜2%以下であり、燃料利用率の低下は、実用上は問題とならない。
本実施形態においては、発電部のアニオン交換膜と、前記加湿部の水透過膜は、同一部材であるため、構成が簡単になり、燃料電池のコンパクト化の観点で好ましい。
[第二の実施の形態]
本発明の第二の実施の形態のアルカリ形燃料電池における構成例について説明する。
図5に、本実施形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部の構造を説明するための模式図を示す。
図5においては、第一の実施形態と同じ構成要素には、同一の番号が振られているので、共通する部分の説明は省略する。
第一の実施形態では、発電部と加湿部は、一つの電解質膜3で構成されていたが、本実施形態では、発電部の電解質膜19と加湿部の水透過膜20は、別々の膜から構成されている。
また、第二実施形態のおけるガスケット2には、図5で示されるように、発電部と加湿部の間からの酸化剤ガスおよび燃料のリークを防ぐためにシール部2aが設けられている。
これら以外の構成は、基本的には第一の実施形態のものと同様である。
13a、13bおよび14a、14bはそれぞれ、酸化剤および燃料流路の流れる方向を模式的に示したものである。
14a、14bが点線で表示されているのは、燃料溶液が、本図の背面側に供給されていることを示す。
発電部6は、第一実施形態と同様な構成の、MEAで作られている。
また、加湿部7の構造も第一実施例と同様であるが、燃料極側の空間と酸化剤極側の空間を分離する膜が、第一実施形態の場合は、発電部と同じ電解質膜3であったのに対し、本実施形態では、発電部の電解質膜19とは、別の水透過膜20である。
本実施形態では、発電部の膜19と加湿部の膜20を別部材にすることができる。
従って、加湿部の膜としては、アニオン伝導性が必要な発電部の膜の種類や厚さによって限定されること無く、燃料成分と水に対する透過性の比率や、水分拡散量などによって、加湿部に適する水透過膜を選択することが出来る。このような水透過膜の例としては、芳香族ポリイミド膜等が挙げられる。また、発電部と同じ材質の電解質膜であり、厚みを変えたものを用いることも可能である。
[第三の実施の形態]
本発明の第三の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部を別ユニットとした構成例について説明する。
図6に、本実施形態のアルカリ形燃料電池における構成例を説明する模式図を示す。
第一の実施形態、および第二の実施形態では、発電部と加湿部を同一の燃料電池セル部に対になるように構成したが、本実施形態では発電部と加湿部を別ユニットとした。このような構成においても、本発明を実施することができる。
図6において、66は発電部であり、複数の燃料電池セルを積み重ねた構造を有する、いわゆる燃料電池スタックから構成されている。燃料電池スタックの構成については、周知なので、詳細の説明を省略する。
67は加湿部であり、21、22、23は酸化剤が流れる酸化剤流路である。
酸化剤は、13aから13bの方向に、加湿部67を通過した後、発電部66に供給される。
また、26、25、24は、燃料溶液が流れる燃料流路である。燃料溶液は、14aから14bの方向に、発電部66を通過した後、加湿部67に供給される。 次に、本実施形態における加湿部の具体的な構造について説明する。
図7に、本実施形態における加湿部の構造を説明するための模式図を示す。
図7において、27は水透過膜で作られた細管で、内部に燃料溶液をとおすことができる。
燃料溶液中の水は、水透過膜をとおることができ加湿部67内の空間の気体を加湿することができる。
発電部66を経由した燃料溶液は燃料流路25(14cの向き)から加湿部67に供給され、細管27に分流して加湿部67を通過し、燃料流路24から排出される(14bの向き)。
酸化剤は、酸化剤流路21から加湿部67に供給され(13aの向き)、加湿部内の空間28を経由して酸化剤流路22を経由して(13cの向き)、発電部66に供給される。
加湿部67では、空間28を通過する酸化剤は、細管27を通る燃料溶液で、加熱されると共に、細管27の表面から、燃料溶液中の水分で、加湿される。
本実施形態でも、第一実施形態と同様に、発電部を経由した燃料溶液により、酸化剤を加湿するので、発電部の温度に応じた温度で、酸化剤を加湿することができる。
また、発電反応で燃料溶液中に水分が発生し、その水分が酸化剤の加湿に使われるので、酸化剤加湿のための余分な水分を燃料溶液中に供給する量を、最低限に抑えることができる。
本実施形態では、加湿部ユニットと発電部ユニットの個別ユニットで構成しているため、加湿量、酸化剤流路の圧力損失、発電部と加湿部の立体形状等を目的に応じて、柔軟に設計することができる。
[第四の実施の形態]
本発明の第四の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部中に加湿部を分散させて配置した構成例について説明する。
図8に、本実施形態における発電部と加湿部を説明するための模式図を示す。
図8においては、第一の実施形態と同じ構成要素には、同一の番号が振られているので、共通する部分の説明は省略する。
図8において、86は発電部、87は加湿部である。
本実施形態においては発電部中に加湿部を分散させて配置されており、これ以外の構成は、基本的には第一の実施形態の燃料電池の構成と同様である。
13a、13bおよび14a、14bはそれぞれ、酸化剤および燃料流路の流れる方向を模式的に示したものである。
14a、14bが点線で表示されているのは、燃料溶液が、本図の背面側に供給されていることを示す。
第一の実施形態では、発電部と加湿部は、一つの電解質膜上で、酸化剤の流れの下流側(燃料溶液の流れの上流側)と、酸化剤の流れの上流側(燃料溶液の流れの下流側)の2つの領域に分離して設けられた。
これに対して、本実施形態では、発電部と加湿部をに分離するのではなく、図8に示すように、発電部中に加湿部を分散させて配置されている。
発電部86の構造は、発電部中に加湿部を分散させて配置されている点以外は、第一実施例と同様なMEAから構成されている。
また加湿部87の構造も、第一実施例と同様に酸化剤側と燃料溶液側を単に電解質膜で仕切ることにより構成されているが、本実施形態では、加湿部は、図8で示すように、発電部の中に分散して配置されている。
この場合には、酸化剤が酸化剤流路を流れるに従い、電解質膜の単位面積当たりで、発電部が占める割合が大きくなる(加湿部の占める割合が小さくなる)ように加湿部を分散配置すると、酸化剤が均等に加湿されて効果的である。
本実施形態では、酸化剤と燃料溶液の温度を、加湿部と発電部で、ほぼ同一に保たれるので、酸化剤の加湿をより好適な温度で行うことが出来る。発電部と加湿部の形状は正方形、長方形、円形等どのようなものでも構わない。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例では、鉄、コバルトをカーボン微粒子に担持した触媒をカーボンペーパーの表面に塗布した酸化剤極と、ニッケル、コバルト、鉄をカーボン微粒子に担持した触媒をニッケルフォーム表面に塗布した燃料極を用いる。これらの触媒を塗布する際には、ポリテトラフルオロエチレンをバインダとして用いている。
また、それらの電極で、アニオン交換膜を両側から挟んだ構成とされる。
さらに、電極の外側から流路が形成されたカーボン集電体で挟んだ燃料電池セルが構成される。
この際、アニオン交換膜の半分を酸化剤極と燃料極の各々の触媒で覆われるように配置して発電部とし、残り半分は触媒で覆われていない加湿部とされる。
この際には、酸化剤流路上で酸化剤導入口側に加湿部、出口側に発電部が、燃料流路上で燃料導入口側に発電部、出口側に加湿部がくるように配置される。
このようにして作製した燃料電池の酸化剤流路に、加湿部を通過した後、発電部に達するように酸化剤として乾燥空気を0.2l/minで供給した。
また燃料流路に発電部を通過した後、加湿部に達するように、燃料溶液として10%エタノール、1M KOH水溶液を2ml/minで供給した。
そして、負荷電流を50mA/cm2/minで増加させて、燃料電池の出力を測定した。この時、発電部の温度は70℃であった。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同様にして作製した燃料電池セルを使用して、酸化剤流路に発電部を先に通過した後、加湿部に達するように酸化剤として乾燥空気を0.2l/minで供給した。
燃料流路には加湿部を先に通過した後、発電部に達するように、燃料溶液として10%エタノール、1M KOH水溶液を2ml/minで供給した。
このように実施例1とは酸化剤と燃料溶液を供給する向きを逆にして、負荷電流を50mA/cm2/minで増加させて、燃料電池の出力を測定した。発電部の温度は実施例1と同様に70℃であった。
このようにして測定した実施例1および比較例1の最大出力値を実施例1の最大出力値を1に規格化して、表1に示す。
[表1]
Figure 2009009769
この結果から、本発明を用いれば、本発明を実施しない場合と比べて出力が上昇することが分かる。
実施例1および比較例1で、酸化剤を乾燥空気の代わりに、室温で充分加湿した空気を用いても、表1と同様な結果を得た。
これは、発電部の温度が70℃と室温に比べて高いため、室温で加湿された酸化剤も、発電部では、相対湿度が小さくなり、結果的に、室温で無加湿の酸化剤と同じ結果となったものと解釈される。
[実施例2]
実施例2として、実施例1に記載したものと同様に作製した燃料電池セルを用い、発電部の温度を70℃に保ち、酸化剤として、70℃で湿度10%になるように湿度調節した酸素を燃料電池に供給して、出力測定を行った。
(比較例2)
比較例2として、実施例2とは、酸化剤と燃料溶液の供給する向きを逆向き、すなわち酸化剤は発電部を通過した後、加湿部に供給されるように、燃料溶液は加湿部を通過した後、発電部に供給されるように変更した以外は同じ条件で、出力測定を行った。
(比較例3)
酸化剤の湿度を70℃(発電部の温度)で26%になるように変更した以外は比較例2と同じ条件で出力測定を実施した。
(比較例4)
酸化剤の湿度を70℃(発電部の温度)で66%に変更した以外は比較例2と同じ条件で出力測定を実施した。
このようにして測定した出力値を実施例2の最大出力値を1に規格化して表2に示す。
[表2]
Figure 2009009769
比較例2、3、4の結果から、酸化剤の湿度が上がるにしたがって出力の向上が見られる。
このことから、比較例2では、酸化剤の湿度が十分でないために実施例と比べて出力が低くなって解釈できる。
すなわち、本発明を利用することで、酸化剤極に加湿された酸化剤を供給することが可能となり、その結果、燃料電池の出力が向上したことが分かる。
本発明の第一の実施の形態におけるアルカリ形燃料電池の構成例を説明する模式図である。 本発明の第一の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部の構造を説明する模式図である。 本発明の第一の実施の形態のアルカリ形燃料電池における加湿部による酸化剤の加湿について説明する模式図である。 本発明の第一の実施の形態のアルカリ形燃料電池における他の流路形状をもつセパレータを説明する模式図である。 本発明の第二の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部の構造を説明する模式図である。 本発明の第三の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部を別ユニットとした構成例を説明する模式図である。 本発明の第三の実施の形態のアルカリ形燃料電池における加湿部の構造を説明する模式図である。 本発明の第四の実施の形態のアルカリ形燃料電池における発電部と加湿部を説明する模式図である。
符号の説明
1:酸化剤極側セパレータ
2:ガスケット
3:電解質膜
4:燃料極側セパレータ
5:流路
6、66、86:発電部
7、67、87:加湿部
8:流路
9:空間
10:空間
11:酸化剤極
12:燃料極
13:酸化剤供給方向
14:燃料溶液供給方向
15:酸化剤極側セパレータ
16:流路
17:燃料極側セパレータ
18:流路
19:電解質膜
20:水透過膜
21:酸化剤流路
22:酸化剤流路
23:酸化剤流路
24:燃料流路
25:燃料流路
26:燃料流路
27:細管
28:空間

Claims (10)

  1. 燃料成分と水成分を含む燃料溶液が供給される燃料極と、酸化剤が供給される酸化剤極との間に、アニオン交換膜を配置して構成された発電部を備えるアルカリ形燃料電池であって、
    前記酸化剤極に供給される酸化剤を、加熱及び加湿する加湿部を有し、
    前記加湿部は、酸化剤と燃料溶液とを隔てる水透過膜を有し、
    前記水透過膜を介して前記燃料溶液の熱及び水成分が前記酸化剤に輸送可能に構成されていることを特徴とするアルカリ形燃料電池。
  2. 前記発電部に前記酸化剤を供給する酸化剤流路を有する酸化剤極側に設けられたセパレータと、
    前記燃料溶液を流通させる燃料流路を有する燃料極側に設けられたセパレータと、を備え、
    前記発電部と前記加湿部が、これらのセパレータに挟まれて構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ形燃料電池。
  3. 前記発電部のアニオン交換膜と、前記加湿部の水透過膜は、同一部材であることを特徴とする請求項2に記載のアルカリ形燃料電池。
  4. 前記発電部のアニオン交換膜と、前記加湿部の水透過膜は、別部材であることを特徴とする請求項2に記載のアルカリ形燃料電池。
  5. 前記加湿部が、前記発電部に対して、前記酸化剤の流れにおいて上流側に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のアルカリ形燃料電池。
  6. 前記加湿部が、前記発電部中に分散させて配置されていることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ形燃料電池。
  7. 前記加湿部が、前記発電部に対して、前記酸化剤の流れにおいて上流側に設けられた該発電部とは別のユニットで構成され、
    前記加湿部ユニットは、少なくとも一部が水透過膜によって構成された燃料流路と、前記発電部に前記酸化剤を供給する酸化剤流路と、を有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ形燃料電池。
  8. 前記燃料成分は、アルコールまたはエーテルであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアルカリ形燃料電池。
  9. 前記燃料成分は、エタノールまたはメタノールであることを特徴とする請求項8に記載のアルカリ形燃料電池。
  10. 前記エタノールまたはメタノールに対する前記アニオン交換膜のアルコール透過率が、2.0×10-6[cm2/s]以下であることを特徴とする請求項9に記載のアルカリ形燃料電池。
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