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JP2009006781A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2009006781A
JP2009006781A JP2007168537A JP2007168537A JP2009006781A JP 2009006781 A JP2009006781 A JP 2009006781A JP 2007168537 A JP2007168537 A JP 2007168537A JP 2007168537 A JP2007168537 A JP 2007168537A JP 2009006781 A JP2009006781 A JP 2009006781A
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clutch
motor
mover
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JP2007168537A
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Tomoyuki Odawara
友之 小俵
Kazuyuki Kono
和之 河野
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

【課題】 エンジンとモータとを断接する締結要素の可動子の位置を制御しつつ、締結要素が摩耗等したときでも制御の精度を維持し、エンジン始動の応答性を高めることができる車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】 エンジンとモータとを断接する第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が発生し始める締結開始位置よりも所定の距離だけ開放側に、EV走行モードでの第1クラッチCL1の可動子(ピストン)のスタンバイ位置を設定する待機位置設定手段と、可動子(ピストン)をスタンバイ位置に制御する位置制御手段と、EV走行モード時に可動子(ピストン)を締結側に移動させ、またはHEV走行モード時に可動子(ピストン)を開放側に移動させて、伝達トルク容量TCL1と相関する変数(エンジン回転数Ne等)の変化を検出することに基づきスタンバイ位置を補正する待機位置補正手段と、を有することとした。
【選択図】 図6

Description

本発明は、駆動力源としてエンジンとモータを備えた車両の制御装置に関する。
駆動力源としてエンジンとモータを備えた車両の制御装置として特許文献1の技術(以下、従来例という)が開示されている。このハイブリッド車両は、エンジンとモータとを断接する入力クラッチと、モータと駆動輪との間に介装された自動変速機と、を備え、走行モードとして、モータのみを動力源として走行するモータ走行モードと、エンジンを動力源に含みながら走行するエンジン走行モードとを有し、走行状態に応じてこれらの走行モードを自動的に切り替えることで、燃費の向上を図っている。
特開平11−82260号公報
従来例にあっては、入力クラッチの係合圧を制御し、モータ走行領域とエンジン走行領域との間に設定したスタンバイ制御領域において、入力クラッチの摩擦部材同士の距離を予め詰めておくスタンバイ制御を行う。すなわち、エンジン走行モードに移行する直前、入力クラッチの伝達トルク容量を僅かに発生させつつ、入力クラッチをすぐに完全締結できるぎりぎりの位置に、入力クラッチ油圧サーボのシリンダ内ピストンを待機させておく。これにより、モータ走行モードからエンジン走行モードに切り替えるべく、モータによりエンジンを始動する際、入力クラッチの締結指令から実際に完全締結されるまでの時間を短くして、エンジン始動の応答性を高めている。
しかし、この従来例では、ピストン(可動子)に作用する油圧を制御対象とすることで、クラッチの摩擦部材同士の押し付け力を制御するのみであり、摩擦部材同士の距離を決定するピストンのストローク量、すなわちピストン位置を微妙に制御することができない。例えば、モータ走行時に、伝達トルク容量が発生し始める締結開始位置よりも僅かに開放側にピストン位置を制御し、伝達トルク容量をゼロとしつつピストンを待機させることは、油圧制御では困難である。
よって、エンジンとモータとを断接するクラッチにつき、締結力ではなく、ピストンの位置、および(ピストン位置により決定される)摩擦部材の位置を直接の制御対象とすることが考えられる(以下、比較例とする)。この比較例では、ピストン位置を直接の制御対象とするため、所望の位置に摩擦部材を待機させることができ、例えばエンジン走行モードへ切り替える際(=エンジン始動時)のクラッチの制御精度を従来例よりも向上できる。
しかし、この比較例では、摩擦部材間の距離を実際に検知してピストンの位置を制御するわけではない。このため、例えば摩擦部材が摩耗した場合には、目標の待機位置にピストンを移動させても、摩耗により広がった摩擦部材間の距離分が埋められない。よって、エンジン始動時のクラッチ制御の精度が低下し、エンジン始動時間を十分に短くすることができない、という問題が残る。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、エンジンとモータとを断接するクラッチ(締結要素)の可動子(ピストン)の位置を制御しつつ、クラッチが摩耗等したときでも、クラッチ制御の精度を維持し、エンジン始動の応答性を高めることができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の制御装置は、エンジンと、モータと、移動することにより前記エンジン側の回転部材と前記モータ側の回転部材とを断接する可動子を有して前記エンジンと前記モータとの間に介装された締結要素と、を備え、前記締結要素を開放し前記モータの駆動力のみで走行する第1走行モードと、前記締結要素を締結し前記エンジンの駆動力を用いて走行する第2走行モードと、を切り替え可能な車両の制御装置であって、前記締結要素の伝達トルク容量が発生し始める締結開始位置よりも所定の距離だけ開放側に、前記第1走行モードでの前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、前記第1走行モード時に前記可動子を締結側に移動させ、または前記第2走行モード時に前記可動子を開放側に移動させて、前記伝達トルク容量と相関する変数の変化を検出することに基づき前記待機位置を補正する待機位置補正手段と、を有することとした。
よって、本発明の車両の制御装置にあっては、可動子(ピストン)の待機位置を補正する待機位置補正手段を有するため、クラッチが摩耗等したときでも待機位置を適正に制御して、クラッチ制御の精度およびエンジン始動の応答性を高めることができる。
以下、本発明の車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
(駆動系の構成)
まず、実施例1における車両の駆動系の構成を説明する。
図1は、実施例1の車両の制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。このハイブリッド車両の駆動系は、エンジンEと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有している。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
エンジンEは、ガソリンエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブの開度等が制御される。なお、エンジン出力軸A1にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装された締結要素であり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧(第1クラッチ圧)により、その締結および開放が制御される。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
(第2クラッチ)
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装された締結要素であり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、その締結および開放が制御される。第2クラッチCL2は、ハイブリッド車両専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の締結要素のうち、いくつかの締結要素を流用している。第2クラッチCL2には、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いているが、他の構成としてもよい。
(自動変速機)
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を、車速VSPやアクセル開度APO等に応じて、予めATコントローラ7に記憶された所定の変速マップに従って自動的に切り替える変速機である。自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。
(走行モード)
このハイブリッド車両の駆動系は、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じた3つの走行モードを有している。第1の走行モードは、発進時を含む低負荷走行時に、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」)である。
第2の走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」)である。例えば急加速時等の高負荷走行時には、車両の要求駆動力が大きく、駆動力としてエンジントルクが必要となる。このため、要求駆動力が所定値以上となった場合等に、第1クラッチCL1を締結してエンジンEを始動し、HEV走行モードに移行する。
第3の走行モードは、第1クラッチCL1は締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC(Wet Start Clutch)走行モード」と略称する。)である。この走行モードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成する。さらに、エンジン停止状態からの発進時にエンジンEを始動しつつ駆動力を出力可能な走行モードである。
上記HEV走行モードは、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを有している。「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪RR,RLを動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪RR,RLを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。
上記走行発電モードは、定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させ、発電した電力をバッテリ4の充電のために使用する。また、減速運転時には、制動エネルギーを利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させ、制動エネルギーを回生する。
(第1クラッチの構成)
図2は、第1クラッチCL1の軸方向断面を示す。第1クラッチCL1は、手動変速機に用いられるクラッチと同様の乾式単板の摩擦クラッチであり、フライホイールFWに一体結合されたクラッチカバー31内に、クラッチディスク32と、プレッシャプレート33と、皿バネ(ダイヤフラム)34と、を有し、また、(レリーズレバーの機能も果たす)皿バネ34を弾性変形させるレリーズベアリング37と、レリーズベアリング37を軸方向に往復移動させるピストン35と、ピストンを35収容するスリーブシリンダ36と、を有している。
クラッチディスク32は、クラッチプレート32aと、クラッチプレート32aの外周側でプレート面に設けられた摩擦部材であるクラッチフェーシング32b、32cと、振動吸収用のトーションスプリング32eを介してクラッチプレート32aに接続されたクラッチハブ32dと、を有している。クラッチハブ32dは、上記ロータに接続したモータ出力軸A2にスプライン結合され、軸方向に摺動可能に設けられている。
リング状のスリーブシリンダ36は、そのピストン収容孔36bがエンジンE側に開口するように固定設置されている。スリーブシリンダ36の軸孔36aには、モータ出力軸A2が回転可能に設けられている。リング状のピストン35は、スリーブシリンダ36のピストン収容孔36b内に軸方向に摺動可能に収容されている。収容孔36bの内周面とピストン35のモータジェネレータMG側の端面との間で、油圧室Rが形成されている。第1クラッチ油圧ユニット6(自動変速機ATの油圧コントロールバルブ内)から油圧室Rに作動油が供給されることで、第1クラッチ圧が発生する。作動油が供給・排出され、第1クラッチ圧が制御されることで、ピストン35が軸方向に往復移動する。
ピストン35と皿バネ34との間には、スラスト玉軸受けであるレリーズベアリング37が設けられている。レリーズベアリング37は、ピストン35のエンジンE側の端面に対して軸方向で対向配置されたリング状のレリーズベアリング当接部37bと、レリーズベアリング当接部37bの外周側でレリーズベアリング当接部37bと一体に形成されたレリーズベアリング外周部37cと、レリーズベアリング当接部37bとピストン35のエンジンE側の端面との間に転動可能に設置された複数のボール37aと、を有している。レリーズベアリング外周部37cは、モータジェネレータMG側へ軸方向に伸長して形成され、スリーブシリンダ36を覆うように配置されている。レリーズベアリング当接部37bおよびレリーズベアリング外周部37cは、ピストン35およびスリーブシリンダ36に対して軸周り方向に回転可能に設けられている。
レリーズベアリング外周部37cの外周面に対向して、レリーズベアリング外周部37cの軸方向位置を検出するストロークセンサ15が設けられている。レリーズベアリング外周部37cはピストン35と一体に軸方向移動するため、ストロークセンサ15は、ピストン35のストローク位置xを検出する。また、レリーズベアリング外周部37cの外周面に対向して、レリーズベアリング外周部37c(およびレリーズベアリング当接部37b)の回転数を検出する回転数センサが設けられている。
(第1クラッチの作用)
図2中、中心軸の上側は第1クラッチCL1の完全締結状態を示し、下側は完全開放状態を示す。
(完全開放状態)
第1クラッチCL1の完全開放状態(EV走行モード)では、油圧室Rに作動油が供給され、第1クラッチ圧によりピストン35のストローク位置xは、第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1を発生させないストローク領域である完全開放領域にある。
EV走行モードでは、エンジンEは作動せず、モータジェネレータMGのみが作動する。よって、エンジン出力軸A1に連結されたフライホイールFWは回転せず、モータ出力軸A2に連結されたクラッチディスク32が回転している。第1クラッチCL1が開放されていているため、フライホイールFWにトルクは伝達されない。よって、フライホイールFWと一体結合したクラッチカバー31と、クラッチカバー31に接した皿バネ34、皿バネ34に接したレリーズベアリング当接部37b、およびレリーズベアリング外周部37cとは、回転せずに静止状態を保つ。
(完全開放状態→完全締結状態)
油圧室Rから作動油が排出され第1クラッチ圧が抜かれることにより、ピストン35がモータジェネレータMG側の軸方向にストロークする。レリーズベアリング当接部37bに接触した皿バネ34の内周側がモータジェネレータMG側に移動するため、皿バネ34がクラッチカバー31との接触部34aを支点として弾性変形し、皿バネ34の外周側がエンジンE側に移動する。皿バネ34の弾性力により、皿バネ34の外周側がプレッシャプレート33をエンジンE側に押し付ける。
プレッシャプレート33が、クラッチディスク32をフライホイールFWに押し付けると、プレッシャプレート33とクラッチフェーシング32cとの間、およびクラッチフェーシング32bとフライホイールFWとの間に摩擦力が発生する。これにより第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が発生する。伝達トルク容量TCL1が発生し始めるピストン35のストローク位置を締結開始位置x3とする。
伝達トルク容量TCL1が発生し始めると、エンジン出力軸A1とモータ出力軸A2との間で伝達トルク容量TCL1を上限とするトルクを伝達可能になる。よって、モータトルクTmを用いてエンジン出力軸A1が回転し始め、エンジン回転数Neが0rpmから上昇する。
また、伝達トルク容量TCL1が発生し始めると、エンジンEのフリクションや慣性力に打ち勝ってエンジン出力軸A1を回転させるために必要なモータトルクTmの分だけ、モータジェネレータMGに作用する負荷が増大する。この負荷の増大により、後述するモータトルク制御中にはモータ回転数Nmが低下し、後述するモータ回転数制御中にはモータトルクTmが増大する。
モータトルクTmを用いてエンジン出力軸A1が回転し始める時点は、伝達トルク容量TCL1が発生し始める時点と同一とみなせる。よって、(1)エンジン回転数Neが0rpmから上昇し始める時点、(2)モータ回転数Nmが低下し始める時点(モータトルク制御中)、または(3)モータトルクTmが増大し始める時点(モータ回転数制御中)におけるピストン35のストローク位置xを、上記締結開始位置x3とみなせる。
このように、エンジンEとモータジェネレータMGとは第1クラッチCL1を介して断接される構成となっているため、第1クラッチCL1の締結状態(伝達トルク容量TCL1)に応じて、エンジンEとモータジェネレータMGとは負荷を及ぼし合う。すなわち、エンジンEの作動状態とモータジェネレータMGの作動状態とは影響を及ぼし合う。本発明は、第1クラッチCL1の締結状態がこれらの作動状態に与える影響に基づいて締結開始位置x3を検出するものである。
尚、ストローク位置xが締結開始位置x3よりも締結側のストローク領域にあるとき、第1クラッチCL1が半締結状態(半クラッチ)となり、ストローク位置xに応じたトルク、言い換えれば皿バネ34がフライホイール30とクラッチフェーシング32bとを押し付ける力に応じたトルクが伝達されるようになる。すなわち、伝達トルク容量TCL1は、ピストン35のストローク位置xにより決定され、制御される。
(完全締結状態)
第1クラッチCL1の完全締結状態(HEV走行モード、WSC走行モード)では、油圧室Rから作動油が排出され、ピストン35のストローク位置xは、最大の伝達トルク容量TCL1maxを発生させるストローク領域である完全締結領域にある。
完全締結状態では、フライホイールFW(=エンジン出力軸A1)とクラッチディスク32(=モータ出力軸A2)とが一体に回転する。また、クラッチカバー31、皿バネ34、およびプレッシャプレート33も、エンジン出力軸A1およびモータ出力軸A2と一体に回転する。一方、皿バネ34と接触しないレリーズベアリング当接部37bおよびレリーズベアリング外周部37cは、回転せずに静止状態を保つ。
(完全締結状態→完全開放状態)
油圧室Rに作動油が供給されると、第1クラッチ圧によりピストン35がエンジンE側の軸方向に移動する。第1クラッチ圧が一定以上になると、ピストン35と一体に移動するレリーズベアリング当接部37bが皿バネ34の内周側に接触し、エンジンE側に押し付ける。これにより皿バネ34がクラッチカバー31との接触部34aを支点として弾性変形する。よって、皿バネ34がフライホイール30とクラッチフェーシング32bとを押し付ける力が減少し始め、伝達トルク容量TCL1が減少し始める。このときのピストン35のストローク位置xを開放開始位置x2とする。
ピストン35が開放開始位置x2よりも開放側、かつ上記締結開始位置x3よりも締結側のストローク位置にあるとき、第1クラッチCL1が半締結(半クラッチ)状態となるため、このストローク領域を半締結領域という。半締結領域では、伝達トルク容量TCL1は、ピストン35のストローク位置xにより決定され、制御される。
ピストン35がさらに開放側にストロークし、上記締結開始位置x3よりも開放側に移動すると、皿バネ34の外周側がモータジェネレータMG側に移動するようになる。すると皿バネ34の外周側とフライホイールFWとの間の軸方向距離が広がって、両者の間に挟まれたクラッチディスク32およびプレッシャプレート33を軸方向に移動可能とする。よって、クラッチフェーシング32bとフライホイールFWとの間に軸方向隙間ができ、第1クラッチCL1が完全開放状態となる。
上記のようにピストン35が開放開始位置x2までストロークしたとき、レリーズベアリング当接部37bが皿バネ34の内周側に接触し、これをエンジンE側に押し付ける。このとき、皿バネ34はフライホイールFW(=エンジン出力軸A1)と一体に回転している。このため、皿バネ34からレリーズベアリング当接部37bに対して摩擦によるトルクが伝達される。こうして伝達されるフライホイールFW(=エンジン出力軸A1)側の回転慣性力がレリーズベアリング37の静止摩擦力に打ち勝つようになると、レリーズベアリング当接部37bおよびレリーズベアリング外周部37cは、ピストン35およびスリーブシリンダ36に対して回転を始める。
レリーズベアリング当接部37bに対して上記摩擦によるトルクが伝達され、伝達されるフライホイールFW(=エンジン出力軸A1)側の回転慣性力がレリーズベアリング37の静止摩擦力に打ち勝つようになる時点は、皿バネ34が変形して伝達トルク容量TCL1が減少し始める時点と同一とみなせる。よって、レリーズベアリング外周部37cが回転を始めるストローク位置xが、上記開放開始位置x2である。
尚、第1クラッチCL1が完全開放され、フライホイールFW(=エンジン出力軸A1)が静止すると、それに伴い皿バネ34からレリーズベアリング当接部37bに対してトルクが伝達されなくなり、レリーズベアリング当接部37bおよびレリーズベアリング外周部37cも回転を停止して静止する。
(制御系の構成)
次に、実施例1におけるハイブリッド車両の制御系を説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両の制御系は、後述する各種センサおよびスイッチの他、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、インバータ3、バッテリ4、第1クラッチコントローラ5、第1クラッチ油圧ユニット6、ATコントローラ7、第2クラッチ油圧ユニット8、ブレーキコントローラ9、および統合コントローラ10を有している。第1クラッチ油圧ユニット6および第2クラッチ油圧ユニット8は、自動変速機ATに備えられた油圧コントロールバルブ内に設けられている。
尚、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が可能なCAN通信線11を介して互いに接続されている。
各種センサおよびスイッチは、エンジン回転数センサ12、レゾルバ13、第1クラッチ油圧センサ14、ストロークセンサ15、アクセル開度センサ16、車速センサ17、第2クラッチ油圧センサ18、車輪速センサ19、ブレーキストロークセンサ20、モータ回転数センサ21、第2クラッチ出力回転数センサ22、レリーズベアリング回転数センサ23、ブレーキ油圧センサ24、およびバッテリ電力センサ25を有している。
(エンジンコントローラ)
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12が検出したエンジン回転数Neや統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令Te*等の情報に基づき、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えばスロットルバルブアクチュエータへ出力する。エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
(モータコントローラ)
モータコントローラ2は、レゾルバ13が検出したモータジェネレータMGのロータ回転位置、および統合コントローラ10からの目標モータトルク指令Tm*等に基づき、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。
また、モータジェネレータMGに流れる電流値(電流値の正負によって駆動トルクと回生トルクを区別している)に基づいて、モータジェネレータトルク(以下、モータトルクTmという)を推定するモータトルク推定部2aが設けられている。この推定されたモータトルクTmの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
(第1クラッチコントローラ)
第1クラッチコントローラ5は、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令(目標ストローク位置x*)に基づき、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令(目標ストローク位置x*を実現する第1クラッチ圧指令値)を演算し、これを第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。また、ストロークセンサ15が検出したストローク位置xと目標ストローク位置x*との偏差に基づき、第1クラッチ圧指令値を補正する。検出したストローク位置xの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10に入力される。
(ATコントローラ)
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16が検出したアクセル開度APO、車速センサ(AT出力回転数センサ)17が検出した車速VSP、第2クラッチ油圧センサ18が検出した第2クラッチ圧、および統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令(目標伝達トルク容量TCL2*)等に基づき、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令を第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセル開度APO、および車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10に入力される。
(ブレーキコントローラ)
ブレーキコントローラ9は、車輪速センサ19が検出した4輪FR,FL,RR,RLの各車輪速、ブレーキストロークセンサ20が検出したブレーキストロークBS、および統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づき、回生協調ブレーキ制御を行う。例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから算出される要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(摩擦制動力)で補うように制御する。
(統合コントローラ)
統合コントローラ10は、主に、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせる機能を有している。統合コントローラ10は、モータ回転数センサ21が検出したモータ回転数Nm、第2クラッチ出力回転数センサ22が検出した第2クラッチ出力回転数N2out、レリーズベアリング回転数センサ23が検出したレリーズベアリング回転数、ブレーキ油圧センサ24が検出したブレーキ圧、バッテリ電力センサ25が検出したバッテリ4の使用可能な電力容量(以下、バッテリSOC)、およびCAN通信線11を介して得られた各情報、すなわちエンジン回転数Ne、ストローク位置x、第1、第2クラッチ圧、アクセル開度APO、車速VSP、およびブレーキストロークBS等の入力を受ける。
(統合コントローラ10の制御内容)
以下に、図3に示すブロック図を用いて、実施例1の統合コントローラ10にて演算される制御を説明する。例えば、この演算は、制御周期10msec毎に統合コントローラ10で演算される。統合コントローラ10は、目標駆動力演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400と、変速制御部500と、を有している。
(目標駆動力演算)
目標駆動力演算部100では、所定の目標駆動力マップを用いて、アクセルペダル開度APOと車速VSPとから、目標駆動力tFoOを演算する。
(目標走行モード演算)
モード選択部200では、図4に示すEV-HEV選択マップを用いて、走行状態(アクセルペダル開度APOおよび車速VSP)から、目標走行モードを演算する。但し、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標走行モードとする。
尚、EV-HEV選択マップには、低車速領域でアクセルペダル開度APOが大きいときに、大きな駆動力を出力するために、WSC走行モードが設定されている。HEV→WSC切換線もしくはEV→WSC切換線は、自動変速機ATが1速段のときに、エンジンEのアイドル回転数よりも小さな回転数となる車速VSP1に設定されている。図4中、斜線領域がWSC走行モードの領域である。網掛け領域は、WSC走行モードとEV走行モードと切り換える際のヒステリシス領域である。
(目標充放電演算)
目標充放電演算部300では、所定の目標充放電量マップを用いて、バッテリSOCから目標充放電電力tPを演算する。
動作点指令部400は、エンジン制御部410と、モータ制御部420と、第1クラッチ制御部430と、第2クラッチ制御部440と、エンジン始動制御部450と、を有している。
(エンジン制御)
エンジン制御部410は、目標駆動力tFoO等に基づき目標エンジントルクTe*を演算し、これをエンジンコントローラ1に出力して、エンジンEの動作を制御する。
(モータ制御)
モータ制御部420は、目標駆動力tFoO等に基づき目標モータ回転数Nm*および目標モータトルクTm*を演算し、これらをモータコントローラ2に出力して、モータジェネレータMGの動作を制御する。すなわち、モータ回転数制御とモータトルク制御を行う。モータ回転数制御では、第2クラッチ出力回転数N2outよりもモータ回転数Nm(第2クラッチCL2のモータジェネレータMG側の回転数)が高くなるように目標モータ回転数Nm*を設定する。モータトルク制御では、目標駆動力tFoOおよび推定されたモータトルクTmに基づいて目標モータトルクTm*を設定し、モータトルクTmが目標モータトルクTm*になるように制御する。EV走行モードでは、モータトルク制御を行う。
(第1クラッチ制御)
第1クラッチ制御部430は、ピストン35の目標ストローク位置x*を演算して第1クラッチコントローラ5に出力する。これにより第1クラッチCL1の締結および開放を制御して、EV走行モードとHEV走行モード(WSC走行モードを含む。以下同様)を切り換える。また、EV走行モード時には、ピストン35をスタンバイ位置に待機させる。
(第2クラッチ制御)
第2クラッチ制御部440は、目標駆動力tFoOに基づいて第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量TCL2*を演算し、これを変速制御部500に出力して、第2クラッチCL2の伝達トルク容量TCL2を制御する。
(エンジン始動制御)
エンジン始動制御部450は、目標走行モードがEV走行モードからHEV走行モードに切り換わってエンジン始動要求がなされると、エンジンEの始動制御を行う。以下、エンジン始動制御部450の制御内容について説明する。
エンジン始動制御部450は、エンジン始動要求がなされると、モータジェネレータMGのトルクをエンジンEに伝達してエンジンEの回転数を引き上げるべく、第1クラッチ制御部430に制御指令を出力して、第1クラッチCL1のスリップ制御を行う。具体的には、半締結領域内で目標伝達トルク容量TCL1*に応じた所定値に目標ストローク位置x*を設定させる。第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が発生すると、エンジン出力軸A1が回されてエンジン回転数Neが0rpmから上昇する。すなわち、エンジンEのクランキングが行われる。所定条件が成立するとエンジン点火が行われ、エンジンEが自立回転を始める。エンジン回転数Neが自立回転を示す値になったことを確認すると、第1クラッチ制御部430に制御指令を出力して、目標伝達トルク容量TCL1*を一定割合で最大値TCL1maxまで上昇させる。これにより第1クラッチCL1を完全締結状態として、エンジン始動を完了する。
また、モータ制御部420に制御指令を出力して、モータトルク制御からモータ回転数制御へ切り替える。さらに、第2クラッチ制御部440に制御指令を出力して、第2クラッチCL2をスリップ制御する。具体的には、第2クラッチCL2の伝達トルク容量TCL2を目標駆動力tFoOに基づき制御させる。モータ回転数制御により、モータジェネレータMGの目標モータ回転数Nm*は、第2クラッチ出力回転数N2outに所定スリップ量を加算した値に設定される。これにより、第2クラッチCL2の過剰なスリップが防止される。
このモータ回転数制御により、目標駆動力tFoOおよび第2クラッチCL2の伝達トルク容量TCL2よりも大きな目標モータトルクTm*が自動的に設定される。また、上記のように第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1を増大させる際にモータジェネレータMGに作用する負荷の増大分(クランキングトルク)だけ高い目標モータトルクTm*が自動的に再設定される。よって、駆動トルクに加えてエンジン始動分のトルクをモータジェネレータMGに発生させても、車両走行に必要な駆動力が減少することはなく、駆動輪RR,RLには第2クラッチCL2の伝達トルク容量TCL2相当値が確実に出力される。したがって、目標駆動力tFoOを達成しつつ、駆動輪RR,RL側には伝達トルク容量TCL2以上のトルクが出力されることが防止され、安定した走行または滑らかな発進が達成される。
エンジン始動が完了すると、モータ回転数制御からモータトルク制御に再び切り換えると共に、第2クラッチCL2を完全締結する。
(変速制御)
動作点指令部400は、シフトスケジュールに沿って目標変速段(目標ATシフト)を自動的に設定し、変速制御部500に出力する。変速制御部500は、この目標変速段を達成するように、自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御し、自動変速機AT内の各クラッチの伝達トルクを制御する。尚、このシフトスケジュールは、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて予め目標変速段が設定されたものであり、アップシフト線、ダウンシフト線等が設定されている。
(第1クラッチ制御の詳細)
図3に示すように、第1クラッチ制御部430は、目標伝達トルク容量演算部431と、トルク−ストロークマップ432と、目標ストローク位置演算部433と、スタンバイ位置補正部434と、を有している。
目標伝達トルク容量演算部431は、エンジン回転数Neやモータ回転数Nm等に基づき、第1クラッチCLの伝達トルク容量TCL1の目標値、すなわち目標伝達トルク容量TCL1*を演算する。
トルク−ストロークマップ432は、図5に示すように、伝達トルク容量TCL1とピストン35のストローク位置xとの相関を示す特性マップである。この相関特性は、予め設計値として規定されている。任意の2つのストローク位置xの間の距離が、ピストン35のストローク量である。
ピストン35が最小ストローク位置x1から開放開始位置x2までの完全締結領域にあるとき、伝達トルク容量TCL1は所定の最大値TCL1maxとなり、第1クラッチCLは完全締結状態である。
ピストン35が開放開始位置x2から締結開始位置x3までの半締結領域にあるとき、第1クラッチCLは半締結(半クラッチ)状態である。すなわち、伝達トルク容量TCL1はゼロから最大値TCL1maxまでの間の値をとり、ストローク量に応じて皿バネ34の特性に従って変化する。半締結領域では、所定の伝達トルク容量TCL1が与えられると、それに応じた所定のストローク位置xが一義的に決定される。尚、図5では伝達トルク容量TCL1の増大に応じてストローク位置xが締結側に遷移する線形のグラフを示したが、非線形の特性であってもよい。
ピストン35が締結開始位置x3から最大ストローク位置x5までの完全開放領域にあるとき、伝達トルク容量TCL1は最小値=ゼロとなり、第1クラッチCLは完全開放状態である。
完全開放領域の中でも、最大ストローク位置x5よりも締結側であり、かつ締結開始位置x3から所定のストローク量αだけ開放側にオフセットした位置に、スタンバイ位置x4が設定されている。このストローク量αは、ピストン35がスタンバイ位置x4から締結側にストローク量αだけ移動するまでの時間、すなわち第1クラッチCL1の締結指令後、実際に伝達トルク容量TCL1が発生するまでの時間が十分に短くなる距離に設定されている。また、ストローク量αは、油温等の外乱に起因するスタンバイ位置x4の制御誤差によってもクラッチフェーシング32bとフライホイールFWとの間に摩擦力が発生せず、EV走行中に伝達トルク容量TCL1が発生するおそれがない距離に設定されている。
目標ストローク位置演算部433は、目標走行モードや目標伝達トルク容量TCL1*に基づき、トルク−ストロークマップ432を用いて、ストローク位置xの目標値である目標ストローク位置x*を演算する。EV走行モード時には、目標ストローク位置x*をスタンバイ位置x4に設定する。HEV走行モード時には、目標ストローク位置x*を完全締結領域内の所定値(例えば最小ストローク位置x1)に設定する。EV走行モードとHEV走行モードの切り換え時には、半締結領域内で目標伝達トルク容量TCL1*に応じた所定値に目標ストローク位置x*を設定し、スリップ制御を行う。
スタンバイ位置補正部434は、トルク−ストロークマップ432に設定されたスタンバイ位置x4を学習補正する。具体的には、各制御周期で、EV走行モード時にはピストン35を締結側に移動させ、またHEV走行モード時にはピストン35を開放側に移動させて、伝達トルク容量TCL1と相関する変数の変化を検出することに基づきスタンバイ位置x4を補正する。
スタンバイ位置補正部434は、走行距離計測部435と摩耗量推定部436を有している。走行距離計測部435は、スタンバイ位置x4の補正を前回実行した時点から現時点までの車両の走行距離Lを計測する。摩耗量推定部436は、スタンバイ位置x4の補正を前回実行した時点から現時点までのエンジンEの始動回数、言い換えれば第1クラッチCL1の締結回数を検出し、この回数に基づき、上記2時点間における第1クラッチCL1の摩耗量Sを推定する。
(スタンバイ位置の補正制御)
以下、スタンバイ位置補正部434による制御内容を、図6のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1では、上記計測した走行距離Lまたは推定した摩耗量Sを読み込み、ステップS2に進む。
ステップS2では、学習補正の開始条件が成立したか否かを判定する。開始条件が成立したときはステップS3に進む。開始条件が不成立であるときはステップS13に進んで前回のスタンバイ位置x4を保持する。上記開始条件は、上記計測した走行距離Lが所定の閾値以上となったこと、または上記推定した摩耗量Sが所定の閾値以上となったことである。尚、これら2条件がともに成立したことを開始条件としてもよいし、第1クラッチCL1の摩耗を示す他の変数を用いて開始条件を設定してもよい。
ステップS3では、目標走行モードがEV走行モードであるか否かを判定する。EV走行中であるときはステップS4に進み、それ以外のときはステップS7に進む。
(EV走行モード時)
ステップS4では、第1クラッチ圧を所定量だけ減少させ、ピストン35を所定量だけ締結側にストロークさせる。その後、ステップS5に進む。上記所定量は、ストローク量α未満の値である。
ステップS5では、第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1と相関する変数の変化を検出する。具体的には、モータ回転数Nmが低下し始めたか否か、またはエンジン回転数Neが上昇し始めたか否かを検出する。これらの変数(NmまたはNe)の変化(低下または上昇)を検出すればステップS6に進み、検出しなければステップS4に戻る。尚、どちらか一方のみの変数の変化を検出することとしてもよい。
ステップS6では、締結開始位置x3を算定する。上記変数の変化を検出したときのストローク位置xが締結開始位置x3となる。よって、ストロークセンサ15の検出値を読み込んで締結開始位置x3を設定する。その後、ステップS11に進む。
すなわち上記のように、(1)エンジン回転数Ne>0rpm、(2)モータ回転数Nmの低下(モータトルク制御中)、(3)モータトルクTmの上昇(モータ回転数制御中)の3条件のいずれかを満たすストローク位置が締結開始位置x3である。本実施例1では、EV走行中にモータトルク制御が行われる。よって、スタンバイ位置x4の補正のためにEV走行モードでピストン35をストロークさせて伝達トルク容量TCL1を発生させる際には、モータトルク制御が行われている。このため、エンジン回転数Neが0rpmから上昇し始めるストローク位置x、またはモータ回転数Nmが低下し始めるストローク位置xが、上記締結開始位置x3となる(上記(1)(2)の条件)。
尚、これら2条件がともに満たされたときに、ストロークセンサ15の検出値を読み込んで締結開始位置x3を設定することとしてもよい。
ステップS11では、算定した締結開始位置x3に基づき、トルク−ストロークマップ432を補正する。具体的には、トルク−ストロークマップ432に設定されていた締結開始位置x3を、上記算定した値により置き換えて補正する。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、スタンバイ位置を決定する。具体的には、算定した締結開始位置x3を所定のストローク量αだけ開放側にオフセットさせた位置にスタンバイ位置x4を決定する。そして、トルク−ストロークマップ432に設定されていたスタンバイ位置x4を、上記決定した値により置き換えて補正する。その後、今回の制御周期を終了する。
(HEV走行モード時)
ステップS7では、目標走行モードがHEV走行モード(WSC走行モードを含む)であるか否かを判定する。HEV走行中であるときはステップS8に進み、それ以外のときはステップS3に戻る。
ステップS8では、第1クラッチ圧を所定量だけ増大させ、第1クラッチCL1のピストン35を所定量だけ開放側にストロークさせる。その後、ステップS9に進む。上記所定量は、例えば完全締結時のストローク位置が最小ストローク位置x1に設定されている場合は、ストローク量δ未満の値である。
ステップS9では、伝達トルク容量TCL1と相関する変数の変化を検出する。具体的には、レリーズベアリング外周部37cの回転が発生したか否かを検出する。この変数(レリーズベアリング回転数)の変化(発生)を検出すればステップS10に進み、検出しなければステップS8に戻る。
ステップS10では、開放開始位置x2を算定する。レリーズベアリング回転数の発生を検出したときのストローク位置xが開放開始位置x2となる。よって、ストロークセンサ15の検出値を読み込んで開放開始位置x2を設定する。その後、ステップS11に進む。尚、レリーズベアリング回転数センサ23とストロークセンサ15との間で、センサ検出値の読み込みタイミングを同期させる。
ステップS11では、算定した開放開始位置x2に基づき、トルク−ストロークマップ432を補正する。具体的には、トルク−ストロークマップ432に設定されていた開放開始位置x2を、上記算定した値により置き換えて補正する。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、スタンバイ位置x4を決定する。具体的には、算定した開放開始位置x2を所定のストローク量γだけ開放側にオフセットさせた位置に締結開始位置x3を想定する。このストローク量γは、開放開始位置x2から締結開始位置x3までのストローク量として、皿バネ34の初期特性(トルク−ストローク特性)に応じて予め設定された値である。さらに、想定した締結開始位置x3をストローク量αだけ開放側にオフセットさせた位置にスタンバイ位置x4を決定する。そして、トルク−ストロークマップ432に設定されていたスタンバイ位置x4を、決定した値により置き換えて補正する。その後、今回の制御周期を終了する。
[実施例1の作用効果]
以下、実施例1から把握される、本発明の車両の制御装置が有する作用効果を列挙する。
(1)本発明の車両の制御装置は、エンジンEと、モータ(モータジェネレータMG)と、移動することによりエンジンE側の回転部材(フライホイールFW等)とモータジェネレータMG側の回転部材(クラッチディスク32等)とを断接する可動子(ピストン35)を有してエンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装された第1クラッチCL1と、を備え、第1クラッチCL1を開放しモータジェネレータMGの駆動力のみで走行するEV走行モードと、第1クラッチCL1を締結しエンジンEの駆動力を用いて走行するHEV走行モード(WSC走行モードを含む)と、を切り替え可能な車両の制御装置であって、第1クラッチCL1の伝達トルク容量TCL1が発生し始める締結開始位置x3よりも所定の距離(ストローク量α)だけ開放側に、EV走行モードでのピストン35のスタンバイ位置x4を設定する待機位置設定手段(トルク−ストロークマップ432、目標ストローク位置演算部433)と、ピストン35のストローク位置xをスタンバイ位置x4に制御する位置制御手段(第1クラッチ制御部430)と、EV走行モード時にピストン35を締結側に移動させ、またはHEV走行モード時にピストン35を開放側に移動させて、伝達トルク容量TCL1と相関する変数(エンジン回転数Ne等)の変化を検出することでスタンバイ位置x4を補正する待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)と、を有することとした。
すなわち、EV走行モード時には、ピストン35を締結開始位置x3よりもストローク量αだけ開放側のスタンバイ位置x4に待機させる。これにより、EV走行中、締結容量TCL1が発生してモータジェネレータMGに負荷トルクが作用する事態を確実に防止できる。よって、無駄なバッテリ電力の消費や、第1クラッチCL1の特性や耐久性の悪化を確実に防止できる。また、ピストン35を正確に締結開始位置x3に待機させる場合に比べて、制御ロジックが複雑にならず制御を簡便化できる効果がある。
また、HEV走行モードに切り換える際、第1クラッチCL1の締結指令から実際に伝達トルク容量TCL1が発生してエンジンEが始動されるまでの時間が短縮される。例えば、図5に示す最大ストローク位置x5からピストン35をストロークさせて第1クラッチCL1を締結した場合には、締結開始位置x3までのストローク量βが大きい(β>α)。このためピストン35の空振りストローク量が大きく、実際に伝達トルク容量TCL1が発生するまでの空振り時間が長くなる。これに対し、本発明の車両の制御装置では、空振り時間を短縮するため、締結指令からのエンジン始動の応答性を向上できる。
また、ピストンに作用する油圧を制御することで、仮に、クラッチの摩擦部材同士の押し付け力のみを制御する構成では、ピストンのストローク位置を直接の制御対象とせず、伝達トルク容量をゼロとしつつ速やかに締結可能な微妙な位置にピストンを制御できない。これに対し、本発明はピストン35のストローク位置xを直接の制御対象とする位置制御手段を有しているため、所望の位置にピストン35を待機させることができ、エンジン始動時の第1クラッチCL1の制御精度を向上できる。
さらに、EV走行中であってもHEV走行中であってもスタンバイ位置x4を補正できる待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)を有する。このため、第1クラッチCL1のクラッチフェーシング32b等が摩耗したり、個体差(組み付けクリアランス)によりバラツキが生じたりして、実際の締結開始位置x3が設定値に対してズレたときでも、スタンバイ位置x4を適正に制御できる。したがって、クラッチ制御の精度を維持し、エンジン始動の応答性を確実に向上できる、という効果を有する。
(2)ピストン35のストローク位置xを検出するストロークセンサ15を備え、待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、上記変数の変化を検出したときのストローク位置xに基づきスタンバイ位置x4を補正することとした。
例えばEV走行モード時には、エンジン回転数Neの発生、またはモータ回転数Nmの低下を検出したときのストローク位置xが締結開始位置x3となる。よって、ストロークセンサ15の検出値を読み込んで締結開始位置x3を設定する。算定した締結開始位置x3を所定のストローク量αだけ開放側にオフセットさせた位置にスタンバイ位置x4を決定する。このように、ストロークセンサ15の検出値に基づきスタンバイ位置x4を適正化できる。
(3)待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、EV走行モード時にピストン35を締結側に移動させて、締結開始位置x3を上記変数の変化により検出し、締結開始位置x3に基づきスタンバイ位置x4を補正することとした。
このように、第1クラッチCL1の摩耗等により締結開始位置x3がズレたときでも、実際の締結開始位置x3を検出でき、この検出した締結開始位置x3に基づきスタンバイ位置x4を補正する。スタンバイ位置x4は、実際に伝達トルク容量TCL1が発生し始めるピストン35のストローク位置(締結開始位置x3)に基づき設定する必要があるところ、このように実際の締結開始位置x3に基づき直接にスタンバイ位置x4を適正化できるため、クラッチ制御の精度を維持し、エンジン始動の応答性を確実に向上できる、という効果を有する。
(4)待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、HEV走行モード時にピストン35を開放側に移動させて、伝達トルク容量TCL1が減少し始める開放開始位置x2を上記変数の変化により検出し、開放開始位置x2に基づきスタンバイ位置x4を補正することとした。
このように、第1クラッチCL1の摩耗等により開放開始位置x2や締結開始位置x3がズレたときでも、実際の開放開始位置x2を検出でき、この検出した開放開始位置x2と所与のトルク−ストローク特性とに基づきスタンバイ位置x4を補正する。よってHEV走行中においても、開放開始位置x2等の変化に応じてスタンバイ位置x4を適正化でき、次回以降のエンジン始動の応答性を確実に向上できる、という効果を有する。
(5)待機位置設定手段(トルク−ストロークマップ432、目標ストローク位置演算部433)は、ピストン35のストローク位置xと伝達トルク容量TCL1との相関を予め記憶したトルク−ストロークマップ432に基づきスタンバイ位置x4を設定し、待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、EV走行モード時にピストン35を締結側に移動させて、締結開始位置x3を検出するとともに、HEV走行モード時にピストン35を開放側に移動させて、伝達トルク容量TCL1が減少し始める開放開始位置x2を検出し、検出した締結開始位置x3および開放開始位置x2に基づきトルク−ストロークマップ432を補正することとした。
このようなトルク−ストロークマップ432を有することで、EV走行中にピストン35をスタンバイ位置x4に制御するだけでなく、エンジン始動等の際、トルク−ストロークマップ432に基づきストローク位置xを制御して所望の伝達トルク容量TCL1を得ることができる(第1クラッチCL1の半締結制御)。ここで、検出した締結開始位置x3および開放開始位置x2に基づきトルク−ストロークマップ432を補正することで、第1クラッチCL1の摩耗等により締結開始位置x3等がズレたときでも、トルク−ストロークマップ432のトルク−ストローク特性を適正化できる。よって、実際の締結開始位置x3等が変化した場合であっても、スタンバイ位置x4を適正化してエンジン始動の応答性を向上できるだけでなく、トルク−ストロークマップ432の特性を適正化して上記半締結制御におけるクラッチ制御性を向上できる、という効果を有する。
(6)車両の走行距離Lを計測する走行距離計測部435を有し、待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、前回の補正を実行した後の走行距離Lが所定値以上となったときに今回の補正を実行することとした。
すなわち、走行中に頻繁に上記スタンバイ位置x4の補正を行うと、車両挙動に影響することも考えられる。よって、走行距離Lが所定値以上となり、現実的に締結開始位置x3等にズレが発生することが予想される時点で、上記補正を実行することとした。よって、効果的にスタンバイ位置x4を適正化できる一方、補正実行回数を制限することで車両挙動を確実に安定化できる、という効果を有する。
(7)第1クラッチCL1の摩耗量Sを推定する摩耗量推定手段を有し、待機位置補正手段(スタンバイ位置補正部434)は、前回の補正を実行した後の摩耗量Sが所定値以上となったときに今回の補正を実行することとした。具体的には、エンジンEの始動回数に基づき摩耗量Sを推定することとした。
このように摩耗量Sが所定値以上となり、現実的に締結開始位置x3等にズレが発生することが予想される時点で、上記補正を実行することとした。よって、効果的にスタンバイ位置x4を適正化できる一方、補正実行回数を制限することで車両挙動を確実に安定化できる、という効果を有する。
(9)第1クラッチCL1は乾式の摩擦クラッチであることとした。
一般に乾式クラッチは、摩擦板同士が潤滑されないため、締結・開放の動作による摩耗の度合いが激しい。このため、ピストンストローク位置やトルク−ストローク特性の経時変化が、湿式クラッチに比べて大きい。よって、乾式の摩擦クラッチに本発明を適用した場合、上記作用効果をより効果的に得ることができる。
(10)エンジンE側およびモータ(モータジェネレータMG)側の回転部材(フライホイールFW、クラッチディスク32)同士を弾性力により押し付けまたは離間させる弾性部材(皿バネ34)が設けられ、ピストン35は、移動することにより弾性部材(皿バネ34)を弾性変形させて、ストローク位置xに応じた伝達トルク容量TCL1を発生させることとした。
すなわち弾性部材の弾性変形量と伝達トルク容量TCL1は相関を有している。言い換えれば、弾性部材の変形量と弾性力との相関特性に応じて、ピストン35のストローク位置と伝達トルク容量TCL1との相関特性が決定される。よって、ピストン35のストローク位置xを制御することで所望の伝達トルク容量TCL1を発生させることができる。このようにトルク−ストローク特性を予め明確に把握できるため、これを利用した上記スタンバイ位置x4の制御や半締結制御が正確かつ確実である、という効果を有する。
(11)上記弾性部材は皿バネ34であることとした。
一般に、クラッチに用いられる皿バネはレリーズレバーの機能を併せ持っており、皿バネの内周側を押すと、皿バネの中間部を支点として外周側が変位する構成となっている。よって、皿バネ34の内周側34bと、支点となる接触部34aとの間の距離に対して、接触部34aと外周側34cとの間の距離を小さく設定すれば(レリーズレバー比を大きくとれば)、皿バネ34の変形量に対して発生する弾性力の変化量を小さくできる。よって、皿バネ34を用いたとき、上記トルク−ストローク特性においても、ストローク量の変化に対して伝達トルク容量TCL1の変化の割合を小さくできる。これは、トルク−ストローク特性を用いて制御する際、ストローク位置xに応じて伝達トルク容量TCL1をより細かく制御できる自由度が高いことを意味する。したがって、他の弾性部材(例えばコイルバネ)を用いた場合よりも、上記(10)の作用効果を効果的に得ることができる。尚、上記支点となる接触部34aとして、ピボットリング等の部材を新たに設けてもよい。
(12)モータ(モータジェネレータMG)と駆動輪RR,RLとの間に介装され、モータ(モータジェネレータMG)と駆動輪RR,RLとを断接する第2クラッチCL2を備えた車両の制御装置であることとした。
よって、この形式の車両に本願発明を適用した場合、上記作用効果を得ることができる。
(13)上記モータは発電機能を有するモータジェネレータMGであることとした。
よって、この形式の車両に本願発明を適用した場合、上記作用効果を得ることができる。
以上、本発明の車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は本発明に含まれる。
例えば、実施例1ではエンジン始動制御時に、モータトルク制御からモータ回転数制御に切り換えることとしたが、エンジン始動時にモータ回転数制御に切り換えることなくモータトルク制御を継続し、第2クラッチCL2を完全締結したまま、またはスリップ制御させつつ、エンジン始動に必要なトルクをモータジェネレータMG(目標モータトルクTm*)に加算する構成としてもよい。
また、EV走行モード時にモータ回転数制御を行うこととしてもよい。この場合、EV走行モード時にスタンバイ位置x4の補正を行う際、モータトルクTm(モータジェネレータMGに流れる電流値)の増大が発生した時点のストローク位置に基づき締結開始位置x3を検出できる(上記条件(3))。
実施例1では第1クラッチCL1として単板クラッチを用いたが、多板クラッチを用いることとしてもよい。また、湿式クラッチを用いることとしてもよい。
実施例1では、エンジンE側およびモータジェネレータMG側の回転部材(フライホイールFW、クラッチディスク32)同士を弾性力により押し付けまたは離間させる弾性部材として皿バネ34を用いたが、コイルバネ等、他の弾性部材を用いることとしてもよい。
実施例1では、第1クラッチCL1として、ピストン35が最小ストローク位置x1にありストローク量がゼロの時に最大伝達トルク容量TCL1maxとなり完全締結される常閉式のものを用いたが、上記ストローク量がゼロの時に伝達トルク容量TCL1がゼロとなり完全開放される常開式のクラッチを用いることとしてもよい。
実施例1では、油圧により移動(ストローク)するピストンを可動子として用いたクラッチに本発明を適用したが、電磁的な吸引力により移動する部材を可動子として用いた電磁クラッチや、アクチュエータ(モータ)により回転駆動されるネジのピッチ量に応じて移動する部材を可動子として用いた、いわゆるEMB(Electric Motor Brake)に本発明を適用することとしてもよい。
実施例1では、第2クラッチCL2として自動変速機ATに内蔵されたクラッチを利用する例を示したが、モータジェネレータと変速機との間に第2クラッチCL2を追加して介装したり、または、変速機と駆動輪との間に第2クラッチCL2を追加して介装したりしてもよい。さらには、第1クラッチCL1のみを持つハイブリッド車両にも適用できる。
実施例1の制御装置が適用された車両を示す全体システム図である。 第1クラッチの軸方向断面図である。 実施例1の制御装置における統合コントローラの制御ブロック図である。 EV-HEV選択マップである。 第1クラッチの伝達トルク容量とピストンストローク位置との相関を示す特性マップ(トルク−ストロークマップ)である。 スタンバイ位置の補正制御を表すフローチャートである。
符号の説明
E エンジン
A1 エンジン出力軸
FW フライホイール
CL1 第1クラッチ
A2 モータ出力軸
MG モータジェネレータ
CL2 第2クラッチ
AT 自動変速機
RL 左後輪(駆動輪)
RR 右後輪(駆動輪)
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
10 統合コントローラ
12 エンジン回転数センサ
15 ストロークセンサ
21 モータ回転数センサ
23 レリーズベアリング回転数センサ
32 クラッチディスク
32b クラッチフェーシング
34 皿バネ
35 ピストン
37 レリーズベアリング
37c レリーズベアリング外周部
430 第1クラッチ制御部
431 目標伝達トルク容量演算部
432 トルク−ストロークマップ
433 目標ストローク位置演算部
434 スタンバイ位置補正部
435 走行距離計測部
436 摩耗量推定部
450 エンジン始動制御部

Claims (19)

  1. エンジンと、
    モータと、
    移動することにより前記エンジン側の回転部材と前記モータ側の回転部材とを断接する可動子を有して前記エンジンと前記モータとの間に介装された締結要素と、を備え、
    前記締結要素を開放し前記モータの駆動力のみで走行する第1走行モードと、前記締結要素を締結し前記エンジンの駆動力を用いて走行する第2走行モードと、を切り替え可能な車両の制御装置であって、
    前記締結要素の伝達トルク容量が発生し始める締結開始位置よりも所定の距離だけ開放側に、前記第1走行モードでの前記可動子の待機位置を設定する待機位置設定手段と、
    前記可動子の位置を前記待機位置に制御する位置制御手段と、
    前記第1走行モード時に前記可動子を締結側に移動させ、または前記第2走行モード時に前記可動子を開放側に移動させて、前記伝達トルク容量と相関する変数の変化を検出することに基づき前記待機位置を補正する待機位置補正手段と、
    を有する車両の制御装置。
  2. 前記可動子の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記待機位置補正手段は、前記変数の変化を検出したときの前記可動子の位置に基づき前記待機位置を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記待機位置補正手段は、前記第1走行モード時に前記可動子を締結側に移動させて、前記締結開始位置を前記変数の変化により検出し、前記締結開始位置に基づき前記待機位置を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記変数は、前記エンジンの回転数であることを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記変数は、前記モータのトルクまたは回転数であることを特徴とする請求項3または4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記待機位置補正手段は、前記第2走行モード時に前記可動子を開放側に移動させて、前記伝達トルク容量が減少し始める開放開始位置を前記変数の変化により検出し、前記開放開始位置に基づき前記待機位置を補正することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記エンジン側または前記モータ側の回転部材と前記可動子との間に、前記回転部材および前記可動子に対して回転可能な支持部材が設置され、
    前記可動子は前記支持部材を介して前記回転部材同士を押し付け可能に設けられ、
    前記変数は、前記支持部材の回転数であることを特徴とする請求項6に記載の車両の制御装置。
  8. 前記待機位置設定手段は、前記可動子の位置と前記伝達トルク容量との相関を予め記憶したマップに基づき前記待機位置を設定し、
    前記待機位置補正手段は、前記第1走行モード時に前記可動子を締結側に移動させて、前記締結開始位置を検出するとともに、前記第2走行モード時に前記可動子を開放側に移動させて、前記伝達トルク容量が減少し始める開放開始位置を検出し、検出した前記締結開始位置および前記開放開始位置に基づき前記マップを補正すること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の車両の制御装置。
  9. 前記締結開始位置の検出に用いる前記変数は、前記エンジンの回転数であることを特徴とする請求項8に記載の車両の制御装置。
  10. 前記締結開始位置の検出に用いる前記変数は、前記モータのトルクまたは回転数であることを特徴とする請求項8または9に記載の車両の制御装置。
  11. 前記エンジン側または前記モータ側の回転部材と前記可動子との間に、前記回転部材および前記ピストンに対して回転可能な支持部材が設置され、
    前記可動子は前記支持部材を介して前記回転部材同士を押し付け可能に設けられ、
    前記開放開始位置の検出に用いる前記変数は、前記支持部材の回転数であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の車両の制御装置。
  12. 車両の走行距離を計測する走行距離計測手段を有し、
    前記待機位置補正手段は、前回の補正を実行した後の前記走行距離が所定値以上となったときに今回の補正を実行することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の車両の制御装置。
  13. 前記締結要素の摩耗量を推定する摩耗量推定手段を有し、
    前記待機位置補正手段は、前回の補正を実行した後の前記摩耗量が所定値以上となったときに今回の補正を実行することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の車両の制御装置。
  14. 前記摩耗量推定手段は、前記エンジンの始動回数に基づき前記摩耗量を推定することを特徴とする請求項13に記載の車両の制御装置。
  15. 前記締結要素は乾式の摩擦締結要素であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の車両の制御装置。
  16. 前記エンジン側および前記モータ側の回転部材同士を弾性力により押し付けまたは離間させる弾性部材が設けられ、
    前記可動子は、移動することにより前記弾性部材を弾性変形させて、前記可動子の位置に応じた前記伝達トルク容量を発生させること
    を特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の車両の制御装置。
  17. 前記弾性部材は皿バネであることを特徴とする請求項16に記載の車両の制御装置。
  18. 前記モータと駆動輪との間に介装され前記モータと前記駆動輪とを断接する第2の締結要素を備えたことを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の車両の制御装置。
  19. 前記モータは発電機能を有するモータジェネレータであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の車両の制御装置。
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