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JP2009069070A - 標的物質の検出方法及び検出用キット - Google Patents

標的物質の検出方法及び検出用キット Download PDF

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JP2009069070A JP2007239692A JP2007239692A JP2009069070A JP 2009069070 A JP2009069070 A JP 2009069070A JP 2007239692 A JP2007239692 A JP 2007239692A JP 2007239692 A JP2007239692 A JP 2007239692A JP 2009069070 A JP2009069070 A JP 2009069070A
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Abstract

【課題】免疫学的手法を用いた固相凝集法において、検体中の複数種類の標的物質を、一の反応容器中で高精度かつ簡便に検出するための標的物質の検出方法、及び該検出方法に用いられる検出用キットの提供。
【解決手段】検体中の複数種類の標的物質を、前記標的物質と特異的に結合し得る物質を担持した凝集用粒子を用いて検出する方法であって、(a)前記検体中に場合により存在する標的物質を、反応容器底面を一部として含む内表面に固相化する工程と、(b)工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を、沈降速度を異ならせて供給した後、凝集の有無を識別する工程と、又は、(b’)工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を供給した後、凝集用粒子の種類ごとに、異なるタイミングで凝集の有無を識別する工程と、を有することを特徴とする標的物質の検出方法、及び該検出方法に用いられる検出用キット。
【選択図】なし

Description

本発明は、免疫学的手法を用いて、検体中の複数種類の標的物質を、一の反応容器内において高精度かつ簡便に検出するための標的物質の検出方法、及び該検出方法に用いられる検出用キットに関する。
多種多様な物質が含まれている血液等の検体から、微量の標的物質を検出するために、抗原抗体反応等の免疫学的手法を利用した検出方法が広く用いられている。例えば、抗体を担持した粒子を抗原と混合すると抗原抗体反応の結果凝集が生じることを利用して、標的物質と特異的に結合し得る物質を担持した粒子を検体中に添加した場合に、該粒子の凝集の有無を識別することにより、検体中に標的物質が存在しているか否かを検出する方法がある。特に、免疫検査の分野では、標的物質が抗体や抗原である場合に、磁性体粒子に該標的物質と特異的に結合する抗原や抗体を結合させて、検体中の標的物質を捕捉して測定する方法が広く知られている。
抗体を結合させた抗体感作磁性体粒子を用いて、検体が抗体を含有しているか否かを検出する方法の一つに、磁性混合受身凝集反応法(Magnetic−Mixed passive hemagglutination test;M−MPHA)がある。M−MPHA法は、主に、抗血小板抗体等の血液中の抗体や抗原の有無を検出するために行われている。具体的には、まず、マイクロプレートやウェル等の反応容器の底面に、ヒト血小板抗原をコーティングした後、一次反応として、該反応容器に検体であるヒト血清を添加して反応させ、血清中の抗血小板抗体をヒト血小板抗原に結合させて捕捉する。その後、洗浄によりB/F分離(未結合の血清成分の除去)を行い、さらに二次反応として、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子又は抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を添加し、一次反応で捕捉された抗血小板抗体との抗原抗体反応の結果生じる凝集の有無を識別する。ヒト血清中にIgG型抗血小板抗体が存在していた場合には、反応容器に捕捉されたIgG型抗血小板抗体と二次反応で添加された抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子との抗原抗体反応により凝集が生じる。凝集した粒子は、反応容器底面均一に分散しているように観察されるが、凝集しなかった粒子は、沈降して反応容器の最低部に沈積する。つまり、M−MPHA法においては、凝集パターン(凝集用粒子の分布パターン)を観察することにより、凝集の有無が識別し得るため、検体中の標的物質の有無を簡便に検出することができる。
通常、M−MPHA法においてヒト血清中のIgG型HLA抗体とIgM型HLA抗体の両方を検出する場合には、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子を用いた凝集反応と、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を用いた凝集反応とは、別個の反応容器中で行われる。一般的に、IgM型HLA抗体の検出よりも、IgG型HLA抗体の検出が優先されている。これは、IgG型HLA抗体の検出率の方が高いためである。このため、臨床検査の現場においては、はじめにIgG型HLA抗体を用いてM−MPHA法を行い、凝集が観察されずIgG型HLA抗体陰性であると判断された場合であって、それでもHLA抗体の存在が疑わしい血清に対してIgM型HLA抗体を用いたM−MPHA法が実施され、IgM型HLA抗体の存在の有無が確認されている。つまり、IgG型HLA抗体とIgM型HLA抗体の両抗体の有無を確認するためには、別々にM−MPHA法を実施する必要があるため、特に多検体を処理する場合には検査に時間や手間がかかり、また、検体量が微量である場合には、充分な検査ができないという問題が生じている。そこで、微量の検体を用いて迅速に複数の標的物質を検出し得る凝集反応法の開発が望まれている。
複数の標的物質に対する凝集反応を同時に行う方法については、種々の方法が開示されている。例えば、(1)標的物質の種類ごとに異なる粒径の複数種類の凝集用粒子と検体を混合した反応溶液を、凝集用粒子の最大粒径よりも充分に大きい最大間隔から凝集用粒子の最小粒径よりも充分に小さい最小間隔まで、徐々に減少した間隙を設けた分注ノズルのような先細の中空部材に対して注入して、凝集用粒子の粒径ごとに異なる位置に凝集塊を分離することにより、複数の標的物質の検出を一度の操作で行う方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。その他、(2)複数種類の凝集用粒子を同時に検体に添加して反応させた後、形成された凝集パターンを識別することにより、検体が、複数の標的物質のうち、いずれか1種類を含有しているのか、複数種類を含有しているのかを検出する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。該方法では、
特開平6−11508号公報 特開平3−2526号公報
しかしながら、上記(1)及び(2)の方法のように、複数種類の凝集用粒子を用いて同時に凝集反応を行う場合には、凝集用粒子や標的物質の種類によっては、互いに干渉し合うという問題がある。特に、上記M−MPHA法のように反応容器底面に標的物質を固相化する固相凝集法においては、反応容器中に2種類以上の凝集用粒子が存在している場合には、反応容器の壁面上で干渉し合い、安定した凝集パターンが得られ難い。例えば、検体中に検出すべき標的物質が存在していない凝集用粒子(陰性粒子)が、標的物質が存在している凝集用粒子(陽性粒子)を巻き込むことにより、該陽性粒子が標的物質と結合することなく、反応容器の最低部に沈積して偽陰性に近い凝集パターンを形成することがある。逆に、標的物質に結合した陽性粒子が陰性粒子を巻き込むことにより、陰性粒子が反応容器底面均一に分散し、偽陽性に近い凝集パターンを形成することもある。このため、固相凝集法においては、複数種類の標的物質を一の反応容器中で精度よく検出することは困難であった。
本発明は、M−MPHA法等の免疫学的手法を用いた固相凝集法において、検体中の複数種類の標的物質を、一の反応容器中で高精度かつ簡便に検出するための標的物質の検出方法、及び該検出方法に用いられる検出用キットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、各凝集用粒子が沈降するまでの時間差を利用して、凝集用粒子の種類ごとに異なるタイミングで凝集パターンを形成させることにより、異なる種類の凝集用粒子による干渉を防止しつつ、安定した凝集パターンを形成させることができ、複数種類の標的物質を高精度に検出することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、検体中の複数種類の標的物質を、前記標的物質と特異的に結合し得る物質を担持した凝集用粒子を用いて検出する方法であって、(a)前記検体中に場合により存在する標的物質を、反応容器底面を一部として含む内表面に固相化する工程と、(b)工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を、沈降速度を異ならせて供給した後、凝集の有無を識別する工程と、又は、(b’)工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を供給した後、凝集用粒子の種類ごとに、異なるタイミングで凝集の有無を識別する工程と、を有することを特徴とする標的物質の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、前記標的物質が抗体又は抗原であり、前記標的物質と特異的に結合し得る物質が、前記抗体又は抗原に特異的に結合し得る抗原又は抗体であることを特徴とする標的物質の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの重量比が、小さい重量の粒子に対する大きい重量の粒子が1.5倍以上であることを特徴とする標的物質の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの保持している磁力の比が、小さい磁力の粒子に対する大きい磁力の粒子が1.5倍以上であることを特徴とする標的物質の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、前記工程(b)又は工程(b’)において、反応容器内の凝集用粒子に遠心力及び/又は磁場を加えることを特徴とする標的物質の検出方法を提供するものである。
また、本発明は、複数種類の標的物質を検出するためのキットであって、反応容器底面を一部として含む内表面に前記標的物質を固相化し得る反応容器と、各標的物質にそれぞれ特異的に結合し得る物質を担持した複数種類の凝集用粒子と、を有することを特徴とする検出用キットを提供するものである。
また、本発明は、前記凝集用粒子が凍結乾燥したものであり、前記凝集用粒子を復元するための復元液を有することを特徴とする検出用キットを提供するものである。
また、本発明は、さらに、検体を希釈するための検体希釈溶液と、前記標的物質を底面に固相化した後に前記反応容器を洗浄するための洗浄液と、を有することを特徴とする検出用キットを提供するものである。
本発明の標的物質の検出方法を用いることにより、複数種類の標的物質を、一の反応容器中で効率良くかつ高精度に検出することができる。本発明の標的物質の検出方法では、凝集用粒子の種類ごとに異なるタイミングで凝集パターンを形成させるために、反応容器に標的物質が固相化されている場合であっても、異なる種類の凝集用粒子による干渉を防止し得るためと推察される。また、一の反応容器に要する検体量があれば、複数種類の標的物質を検出し得るため、検体量が微量である臨床検査等においても、検出の取り逃がしがなく、充分な検査を行うことができる。さらに、反応容器や試薬等の使用量を抑えることができるため、検査の低コスト化も期待し得る。
また、本発明の検出用キットを用いることにより、免疫学的手法を用いた固相凝集法による複数種類の標的物質の検出を簡便に行うことができる。
本発明における標的物質とは、検出の標的となる生体物質であって、特異的に結合し得る物質が存在する物質であれば、特に限定されるものではなく、ビオチン等の低分子化合物であってもよく、核酸やタンパク質、多糖類等の高分子化合物であってもよい。また、該タンパク質は、アミノ酸のみから構成されるタンパク質であってもよく、糖タンパク質であってもよく、リポタンパク質であってもよい。但し、本発明において特異的に結合するとは、該標的物質の検出や精製等に通常用いることができる程度に特異的に結合し得ることを意味し、他の物質等と全く交差しないものである必要はない。
本発明における検体は、標的物質の存在の有無を測定する生体成分を含有する試料であれば、特に限定されるものではなく、生物から採取された試料であってもよく、培養細胞を調製した試料であってもよい。特に、臨床検査等に用いられる生体試料であることが好ましい。該生体試料として、例えば、血液、骨髄液、リンパ液、尿、腹水、滲出液、羊膜液、器官洗浄液等がある。また、該生体試料は、生物から採取された状態の試料であってもよく、調製した試料であってもよい。該調製の方法は、該生体試料中に含有されている標的物質を損なわない方法であれば、特に限定されるものではなく、通常、生体試料に対してなされている調製方法を行うことができる。該調製方法として、例えば、生理食塩水等を用いた希釈、標的物質の分離又は濃縮等がある。
特に、本発明の標的物質の検出方法においては、標的物質と、凝集用粒子が担持する該標的物質と特異的に結合し得る物質(以下、標的物質結合物質ということがある。)は、抗原と抗体の関係にあることが好ましい。例えば、標的物質が抗原の場合には、標的物質結合物質は該標的物質に対する抗体であることが好ましく、標的物質が抗体の場合には、標的物質結合物質は該標的物質の抗原であることが好ましい。凝集用粒子の凝集が良好になされるため、標的物質が抗原であり、標的物質結合物質が該標的物質に対する抗体であることがより好ましい。なお、標的物質結合物質として用いる抗体は、未精製の抗体や、ポリクローナル抗体であってもよいが、検出及び定量の精度の点から、精製したモノクローナル抗体であることが好ましい。
本発明の凝集用粒子は、標的物質結合物質を担持する粒子であり、該標的物質結合物質を介して標的物質と結合することにより凝集する粒子である。該凝集用粒子の材料は、通常凝集反応における担体として用いられる材料であれば、特に限定されるものではない。該凝集用粒子として、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリスチレン、ラテックス、アガロース、デキストラン、セルロース、ポリアクリルアミド、カオリン、活性炭粉末、セラミック、赤血球等の生体成分等から形成される粒子等がある。また、ゼラチンとアラビアゴムのコアセルベートのように、複数種類の材料からなる粒子であってもよい。
本発明の凝集用粒子は磁性体粒子であってもよい。該磁性体粒子として、例えば、前記において凝集用粒子として挙げられている素材の粒子にフェリコロイドや鉄粉等の磁性体を含有させた粒子や、磁性体のみから形成される粒子等がある。
本発明の凝集用粒子の粒子径は、粒子の材料や粒子の重量、凝集効率等を考慮して、適宜決定することができる。例えば、ゼラチンとアラビアゴムのコアセルベートの凝集用粒子である場合には、4〜20μm程度であることが好ましい。比表面積が充分であり、凝集効率が良好であること、充分な大きさであるため、視認観察に好適な滲みのない明確な凝集パターンが形成され得ること、均一な粒径の凝集用粒子を形成し易いこと、等の利点を有するためである。
標的物質結合物質を凝集用粒子に担持させる方法は、標的物質結合物質を少なくとも凝集用粒子表面に結合させることができる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、標的物質結合物質を凝集用粒子表面に物理的に吸着させてもよく、凝集用粒子表面の官能基に化学的に結合させてもよい。化学的に結合させる場合には、各官能基に適した方法により標的物質結合物質を結合させることができる。例えば、水溶性カルボジイミドでカルボン酸とアミノ基を結合させるEDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル) −カルボジイミド塩酸塩)法、EDACとN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)とを予め混合してカルボン酸とアミノ基とを結合させる方法、双極性を有するリンカーを用いてアミノ基同士を架橋する方法、活性化したアルデヒド基やトシル基と受容体中の官能基を結合する方法等がある。凝集用粒子表面に官能基を有さない磁性体粒子の場合には、凝集用粒子表面を官能基で被覆してもよい。
本発明は、検体中の複数種類の標的物質を、前記標的物質と特異的に結合し得る物質、すなわち標的物質結合物質を担持した凝集用粒子を用いて検出する方法であって、(a) 前記検体中に場合により存在する標的物質を、反応容器底面を一部として含む内表面に固相化する工程と、(b) 工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を、沈降速度を異ならせて供給した後、凝集の有無を識別する工程と、又は、(b’) 工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を供給した後、凝集用粒子の種類ごとに、異なるタイミングで凝集の有無を識別する工程と、を有することを特徴とする。
具体的には、まず、工程(a)として、検体中に場合により存在する標的物質を、反応容器底面を一部として含む内表面に固相化する。該固相化の方法は、標的物質が有する標的物質結合物質との結合活性を損なうことなく固相化し得る方法であれば、特に限定されるものではなく、通常生体成分を固相化するために用いられる任意の方法を用いて行うことができる。例えば、直接標的物質を物理的に吸着させてもよく、反応容器の表面に予めレクチン等の標的物質を結合し得る物質をコーティングした後、該コーティングを介して反応容器の表面に標的物質を結合させてもよい。標的物質の固相化部位は、容器底面を一部として含む内表面である。
本発明において用いられる反応容器は、半球状又は円錐状のような同心円状に傾斜した底面を有する反応容器であることが好ましい。平底の反応容器ではなく、底面に最低部を有する反応容器を用いることにより、標的物質と結合せず未凝集の凝集性粒子を、底面の最低部に沈積させることができるため、後記図1に示すように、検体中に標的物質が存在していた場合と存在していなかった場合の凝集パターンを明確に識別することができる。このような反応容器として、例えば、底面がU字状又はV字状のウェルを有するマイクロプレート等がある。
例えば、標的物質が抗血小板抗体である場合には、レクチン等の血小板抗原をコーティングした反応容器に検体を供給し、一定時間静置することにより、該反応容器底面に検体中に場合により存在する標的物質を固相化することができる。なお、血小板抗原をコーティングされた反応容器は、市販のものを用いてもよい。その後、該反応容器から検体を除去して、検体中の固相化されなかった成分を除去する。該反応容器は、さらに、適当な洗浄液を用いて洗浄してもよい。該洗浄液は、標的物質を損なうことなく、反応容器を洗浄し得る溶液であれば、特に限定されるものではなく、例えば、生理食塩水、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)、HEPESバッファー等がある。また、Tween20やTritonX−100等の界面活性剤を含有する洗浄液であってもよい。
次に、工程(b)として、工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を、沈降速度を異ならせて供給した後、凝集の有無を識別する。反応容器に供給された凝集用粒子は、沈降して該反応容器底面に固相化された標的物質と結合することにより、凝集が生じる。凝集用粒子の種類ごとに沈降速度を異ならせることにより、複数種類の凝集用粒子を一度に供給した場合であっても、凝集用粒子の種類ごとに、反応容器底面にまで沈降する時期、つまり凝集パターンの形成時期をずらすことができるため、他の種類の凝集用粒子による干渉を最小限に抑えることができる。このように凝集用粒子の種類ごとに時期をずらして凝集させた結果得られる凝集パターンを、順次識別することにより、一の反応容器で複数種類の標的物質を精度よく検出することができる。
例えば、凝集用粒子の重量比を大きくすることにより、沈降速度を異ならせることができる。凝集用粒子の重量は、粒径を調整することや、適当な比重の材料を用いて凝集用粒子を形成することにより変化させることができる。粒径と比重の両方で沈降速度を異ならせてもよい。その他、凝集用粒子として磁性体粒子を用いる場合には、該凝集用粒子が保持する磁力に差を設けることにより、収磁速度に差が生じる結果、沈降速度を異ならせることができる。凝集用粒子が保持する磁力は、凝集用粒子に含有させる磁性体量を調整することにより変化させることができる。
各凝集用粒子の沈降速度は、一の種類の凝集用粒子による凝集パターン形成が終了した後に、別の種類の凝集用粒子による凝集パターンの形成が開始するような沈降速度差を有するように適宜調整することが好ましい。凝集用粒子を重力により沈降させる場合は、異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの重量比が、小さい重量の粒子に対する大きい重量の粒子が1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。同様に、磁力により沈降させる場合は、異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの保持している磁力の比が、小さい磁力の粒子に対する大きい磁力の粒子が1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。なお、磁性体粒子と非磁性体粒子を用いてもよい。あるいは、粒径が大きい凝集用粒子よりも小さい凝集用粒子の方が、沈降速度が速くなるように、凝集用粒子の種類ごとに重量比又は磁性体含量を異ならせるようにしてもよい。
本発明の標的物質の検出方法においては、工程(a)の後、工程(b’)として、工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を供給した後、凝集用粒子の種類ごとに、異なるタイミングで凝集の有無を識別してもよい。該凝集用粒子は、全種類を一度に供給してもよく、種類ごとに順次供給してもよい。凝集用粒子の種類ごとに異なるタイミングで供給する場合には、凝集パターンの形成時期が重ならないように、各凝集用粒子の沈降速度等を考慮して、適宜供給するタイミングを決定することができる。例えば、重量比や保持する磁力比が1.5倍以上である等により、各凝集用粒子の沈降速度に充分な差がある場合には、複数種類の凝集用粒子を一度に供給した場合であっても、凝集用粒子の種類ごとに凝集パターンの形成時期をずらすことができる。一方、各凝集用粒子の沈降速度に充分な差がない場合であっても、ある種類の凝集用粒子による凝集パターンが形成された後に、別の種類の凝集用粒子を供給することにより、凝集用粒子の種類ごとに凝集パターンの形成時期をずらすことができる。
反応容器内の凝集用粒子に遠心力や磁場を加えることにより、迅速に凝集用粒子を沈降させることができる。また、重量比や磁力の比による沈降速度の差をより顕著にすることもできるため、各凝集用粒子による凝集の有無を精度よく識別することができる。したがって、より短時間で高精度の検出を行う場合には、凝集用粒子の種類ごとの重量比や磁力の比を大きくし、遠心力や磁場を加えて各凝集用粒子の沈降速度を早くすることが好ましい。遠心力と磁場の両方を反応容器内の凝集用粒子に加えてもよい。その他、例えば、MTS(マイクロタイピングシステム)等のゲルカラム凝集法において、遠心力による移動速度が異なるように各種類の凝集用粒子の重量比等を調整して、凝集パターン形成の時間差を設けるようにしてもよい。なお、反応容器を遠心機に設置して遠心処理をすることにより、反応容器内の凝集用粒子に遠心力を加えることができる。また、反応容器の底面の最低部の下部に磁石を設置することにより、反応容器内の凝集用粒子に磁場を加えることができる。凝集用粒子に加える遠心力や磁場の強度は、凝集用粒子の種類ごとに異なるタイミングで反応容器の底面まで沈降させられるように、用いる凝集用粒子のそれぞれの沈降速度等を考慮して、適宜設定することができる。
また、凝集用粒子の種類ごとに異なる色調の粒子とすることにより、各凝集用粒子による凝集パターンの識別を容易にすることができる。凝集用粒子の色調は、色素等を凝集用粒子に含有させることにより、適宜変化させることができる。その他、色調の異なる素材を用いることによっても、凝集用粒子の種類ごとに色調を変化させることができる。
各種凝集用粒子による凝集の有無の識別は、各凝集パターンが形成された時点ごとに行ってもよく、所定時間ごとに1回ずつ行ってもよく、断続的ないし連続的に複数回ずつ行ってもよい。特に、CCDのような撮像装置により、凝集パターンの形成開始から継続的にビデオイメージを取得し、そのパターン変化を解析して、各種凝集用粒子の動態を精密に判別してもよい。
検体中の2種類の標的物質AとBを、重量と磁力が異なる2種類の凝集用粒子(標的物質Aと特異的に結合する抗体aを担持した抗体a感作凝集用粒子2と、標的物質Bと特異的に結合する抗体bを担持した抗体b感作凝集用粒子3)を用いて検出する場合に形成される凝集パターンの模式図を図1に示す。図1(a)〜(f)において、左図は反応容器1の断面図であり、右図は反応容器1の平面図である。また、図1(a)と(b)は重量と磁力が大きい抗体a感作凝集用粒子2により先に形成される凝集パターンの模式図であり、図1(c)〜(f)は、その後、抗体a感作凝集用粒子2と抗体b感作凝集用粒子3により形成される凝集パターンの模式図である。
抗体a感作凝集用粒子2の重量と磁力を、抗体b感作凝集用粒子3の重量と磁力の2倍とし、検体中に場合により存在する標的物質AとBを底面に固相化したU字状のウェルである反応容器1に、抗体a感作凝集用粒子2と抗体b感作凝集用粒子3を同時に供給した後、反応容器1の底面の下に、磁石を設置して磁場を加えると、重量と磁力が大きい抗体a感作凝集用粒子2が先に沈降し、凝集パターンを形成する。検体中に標的物質Aが存在していた場合、すなわち、検体が抗体a陽性である場合には、反応容器1の底面に標的物質Aが固相化されているため、図1(a)左図に示すように、抗体a感作凝集用粒子2により底面全体にほぼ均一な薄い凝集層が形成され、図1(a)右図に示すように、反応容器1の底面全体が抗体a感作凝集用粒子2の色調に薄く染色されているような凝集パターンが形成される。一方、検体中に標的物質Aが存在していなかった場合、すなわち、検体が抗体a陰性である場合には、反応容器1の底面に標的物質Aが固相化されていないため、図1(b)左図に示すように、抗体a感作凝集用粒子2は反応容器1の底面の最低部に沈積し、図1(b)右図に示すように、反応容器1の底面の最低部が抗体a感作凝集用粒子2の色調に濃く染色されているような凝集パターンが形成される。
抗体a感作凝集用粒子2による凝集パターンが形成された後、重量と磁力が小さい抗体b感作凝集用粒子3が反応容器1の底面に沈降し、凝集パターンを形成する。検体が抗体a陽性かつ抗体b陽性である場合には、反応容器1の底面に標的物質Aと標的物質Bの両方が固相化されているため、図1(c)左図に示すように、抗体b感作凝集用粒子3により底面全体にほぼ均一な薄い凝集層が形成され、図1(c)右図に示すように、反応容器1の底面全体が抗体a感作凝集用粒子2の色調と抗体b感作凝集用粒子3の色調が重ね合わされた色調に薄く染色されているような凝集パターンが形成される。一方、検体が抗体a陽性かつ抗体b陰性である場合には、反応容器1の底面には標的物質Aは固相化されているが、標的物質Bが固相化されていないため、図1(d)左図に示すように、抗体b感作凝集用粒子3は反応容器1の底面の最低部に沈積し、図1(d)右図に示すように、反応容器1の底面のうち、最低部が抗体b感作凝集用粒子3の色調に濃く染色されており、その他の領域が抗体a感作凝集用粒子2の色調に薄く染色されているような凝集パターンが形成される。
検体が抗体a陰性かつ抗体b陽性である場合には、反応容器1の標的物質Aは固相化されておらず、標的物質Bが固相化されているため、図1(e)左図に示すように、抗体b感作凝集用粒子3により底面全体にほぼ均一な薄い凝集層が形成され、図1(e)右図に示すように、反応容器1の底面のうち、最低部が抗体a感作凝集用粒子2の色調に濃く染色されており、その他の領域が抗体b感作凝集用粒子3の色調に薄く染色されているような凝集パターンが形成される。また、検体が抗体a陰性かつ抗体b陰性である場合には、反応容器1の底面に標的物質Aと標的物質Bのいずれも固相化されていないため、図1(f)左図に示すように、抗体b感作凝集用粒子3は反応容器1の底面の最低部に沈積し、図1(f)右図に示すように、反応容器1の底面のうち最低部のみが抗体a感作凝集用粒子2の色調と抗体b感作凝集用粒子3の色調が重ね合わされた色調に濃く染色されているような凝集パターンが形成される。
本発明の検出用キットは、複数種類の標的物質を検出するためのキットであって、前記標的物質を底面に固相化し得る反応容器と、各標的物質にそれぞれ特異的に結合し得る物質を担持した複数種類の凝集用粒子と、を有することを特徴とする。このような検出用キットを用いることにより、検体から複数種類の標的物質を高精度かつ簡便に検出することができる。該検出用キットに含まれている凝集用粒子は、標的物質との結合活性を損なわない形態であれば特に限定されるものではなく、適当なバッファーを用いたスラリー状であってもよく、凍結乾燥したものであってもよい。長期保存に適しており、標的物質との結合活性を損なうおそれが小さいため、該凝集用粒子は凍結乾燥したものであることが好ましい。また、該凝集用粒子が凍結乾燥したものである場合には、該凝集用粒子を復元するための復元液を有する検出用キットであることも好ましい。該復元液は、凍結乾燥させた凝集用粒子を、標的物質との結合活性を損なうことなく復元し得る溶液であれば、特に限定されるものではない。該復元液として、例えば、生理食塩水やPBS等がある。さらに、検体を希釈するための検体希釈溶液と、前記標的物質を底面に固相化した後に前記反応容器を洗浄するための洗浄液とを有することも好ましい。該検体希釈溶液としては、洗浄液で挙げた溶液を用いることができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子の作製
ヒトIgG抗体に対する抗体を担持した凝集用粒子である抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子を作製した。
まず、0.6gのアラビアゴム(仙波糖化工業社製)をEtOH/HO(2/1)に溶かし、更にTween20、フェリコロイドW10(タイホー工業社製)を添加し、NaOHでpHを調整したのち、40℃に加温した4%ゼラチン水溶液(ニッピ工業社製)を添加し混合した。次に、pHが約5になるように攪拌しながら、酢酸をゆっくり添加し、平均直径4〜5μmのコアセルベートを作製した。
作製されたコアセルベートを10℃以下に冷却し、ゲル化した。その後、グルタルアルデヒド(和光純薬社製)を2mL加えて攪拌した後に、室温で一晩静置して、コアセルベートを架橋した。
架橋されたコアセルベートを純水で洗浄後、純水で20%(V/V)のスラリーに調整した。10mLの該スラリーを分取して、沈査に10mLのN−ヒドロキシスクシンイミド(ナカライテスク社製)0.01g/mLとEDAC(Sigma Chemical社製)0.01g/mL水溶液を加え、攪拌しながら室温で反応させた。反応後、コアセルベートを洗浄し、ウサギ抗ヒトIgG抗体(Jackson社製)を0.1Mクエン酸リン酸バッファー(pH5)に5μg/mLになるように溶解したものを加えて、室温で反応させ、0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)含有PBS(pH7.2)で洗浄して、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子を得た。得られた粒子は、含有しているフェリコロイドW10により、茶色を呈していた。
(合成例2)抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子の作製
ヒトIgM抗体に対する抗体を担持した凝集用粒子である抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を作製した。
まず、0.6gのアラビアゴム(仙波糖化工業社製)をEtOH/HO(2/1)に溶かし、更にTween20、フェリコロイドW10(タイホー工業社製)を添加し、NaOHでpHを調整したのち、40℃に加温した4%ゼラチン水溶液(ニッピ工業社製)を添加し混合した。次に、pHが約4になるように攪拌しながら、酢酸をゆっくり添加し、平均直径9〜10μmのコアセルベートを作製した。
作製されたコアセルベートを純水で洗浄後、1.5gの炭酸ナトリウム、0.26gの緑色色素Green ES4BD(日本化薬社製),3.0gの塩化ナトリウムを添加し、一晩攪拌した。翌日、該コアセルベートを純水で更に洗浄後、純水で20%(V/V)のスラリーに調整した。10mLの該スラリーを分取して、沈査に10mLのN−ヒドロキシスクシンイミド(ナカライテスク社製)0.01g/mLとEDAC(Sigma Chemical社製)0.01g/mL水溶液を加え、攪拌しながら室温で2時間反応させた。反応後、コアセルベートを洗浄し、ウサギ抗ヒトIgM抗体(Jackson社製)を0.1Mクエン酸リン酸バッファー(pH5)に5μg/mLになるように溶解したものを加えて、室温で反応させ、0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)含有PBS(pH7.2)で洗浄して、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を得た。得られた粒子は、含有している色素により、緑色を呈していた。
(実施例1)
反応容器内の凝集用粒子に磁場を加えることにより、検体中の標的物質の検出を行った。ヒトIgG型HLA抗体とヒトIgM型HLA抗体を標的物質とし、ヒトIgG型HLA抗体陽性血清、ヒトIgM型HLA抗体陽性血清、ヒトIgG型HLA抗体及びヒトIgM型HLA抗体陽性血清、ヒトHLA抗体陰性血清の4種の血清を検体として用いた。
まず、血小板抗原固相プレート(anti−PLT・オリビオ・MPHA IIの抗原プレート、オリンパス社製)を洗浄液(0.05%Tween20含有生理食塩水)で5回洗浄した。該血小板抗原固相プレートの各ウェルに、検体希釈液(1%ゼラチン含有生理食塩水)で4倍に希釈した各血清を、25mLずつそれぞれ供給し、37℃で30分間インキュベートすることにより、各血清中に含まれている標的物質を固相化した。その後、該ウェル中の希釈済血清を捨てた後、洗浄液(0.05%Tween20含有生理食塩水)で5回洗浄した。
該ウェルに、合成例1で合成した抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子と合成例2で合成した抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を、それぞれ25μL供給した後、該血小板抗原固相プレートを磁石板上で3分間静置し、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、該血小板抗原固相プレートを磁石板上から取り外し、形成された凝集パターンを観察し、1回目の凝集の有無の判定を行った。さらに、該血小板抗原固相プレートを再度磁石板上に戻して3分間静置し、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、該血小板抗原固相プレートを磁石板上から取り外し、形成された凝集パターンを観察し、2回目の凝集の有無の判定を行った。また、対照として、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルと、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルに対しても同様の操作を行い、形成された凝集パターンを観察した。
Figure 2009069070
表1は、各血清における凝集の有無の判定の結果を示したものである。表中、「+」は凝集が観察されたこと、「−」は凝集が観察されなかったことを、それぞれ示しており、表中「+」の隣の色名は、観察された凝集の色調を記載したものである。また、表中、「IgG抗体陽性血清」はヒトIgG型HLA抗体陽性血清を、「IgM抗体陽性血清」はヒトIgM型HLA抗体陽性血清を、「IgG+IgM抗体陽性血清」はヒトIgG型HLA抗体及びヒトIgM型HLA抗体陽性血清を、「抗体陰性血清」はヒトHLA抗体陰性血清を、それぞれ表している。
表1に示すように、ヒトIgG型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察され、2回目の判定時には凝集パターンの変化は観察されなかったのに対して、ヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察されず、2回目の判定時には凝集が観察された。一方で、ヒトIgG型HLA抗体及びヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定で凝集が観察され、2回目の判定時には凝集の色調の変化が観察されたのに対して、ヒトHLA抗体陰性血清では、1回目と2回目の両方で凝集は観察されなかった。これらの結果から、粒径が異なる凝集性粒子、すなわち重量と磁性体量が異なる凝集性粒子を用いて、各凝集性粒子に磁場を加えることにより、各凝集性粒子の沈降速度に差を設けて、凝集パターンの形成時期をずらすことにより、一の反応容器において、複数種類の標的物質を検出し得ることが明らかである。
(実施例2)
反応容器内の凝集用粒子に遠心力を加えることにより、検体中の標的物質の検出を行った。
実施例1と同様にして、血小板抗原固相プレートの各ウェルに、希釈済血清を供給し、標的物質を固相化した後、各ウェルを洗浄した。
該ウェルに、合成例2で合成した抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を25μL供給した後、該血小板抗原固相プレートを27×g(中型遠心機、300rpm程度)で1分間遠心し、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、該血小板抗原固相プレートを遠心機から取り外し、形成された凝集パターンを観察し、1回目の凝集の有無の判定を行った。さらに、該ウェルに、合成例1で合成した抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子を25μL供給した後、該血小板抗原固相プレートを再度27×g(中型遠心機、300rpm程度)で1分間遠心し、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、該血小板抗原固相プレートを遠心機から取り外し、形成された凝集パターンを観察し、2回目の凝集の有無の判定を行った。また、対照として、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルと、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルに対しても同様の操作を行い、形成された凝集パターンを観察した。
Figure 2009069070
表2は、各血清における凝集の有無の判定の結果を示したものである。表中、「+」、「−」、「+」の隣の色名、及び血清の記載は、表1と同様である。表2に示すように、ヒトIgG型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察されず、2回目の判定時には凝集が観察されたのに対して、ヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察され、2回目の判定時には凝集パターンの変化は観察されなかった。一方で、ヒトIgG型HLA抗体及びヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定で凝集が観察され、2回目の判定時には凝集の色調の変化が観察されたのに対して、ヒトHLA抗体陰性血清では、1回目と2回目の両方で凝集は観察されなかった。これらの結果から、凝集性粒子を反応容器へ供給するタイミングを調整して、凝集パターンの形成時期をずらすことにより、一の反応容器において、複数種類の標的物質を検出し得ることが明らかである。
(実施例3)
反応容器内の凝集用粒子を自然沈降させることにより、検体中の標的物質の検出を行った。
実施例1と同様にして、血小板抗原固相プレートの各ウェルに、希釈済血清を供給し、標的物質を固相化した後、各ウェルを洗浄した。
該ウェルに、合成例1で合成した抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子と合成例2で合成した抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子を、それぞれ25μL供給し、該血小板抗原固相プレートを常温湿潤状態で1〜2時間静置し、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、形成された凝集パターンを観察し、1回目の凝集の有無の判定を行った。さらに、該血小板抗原固相プレートを常温湿潤状態で1時間静置し、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子による凝集パターンを形成させた。その後、形成された凝集パターンを観察し、1回目の凝集の有無の判定を行った。また、対照として、抗ヒトIgG抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルと、抗ヒトIgM抗体感作磁性体粒子のみを供給したウェルに対しても同様の操作を行い、形成された凝集パターンを観察した。
Figure 2009069070
表3は、各血清における凝集の有無の判定の結果を示したものである。表中、「+」、「−」、「+」の隣の色名、及び血清の記載は、表1と同様である。表3に示すように、ヒトIgG型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察され、2回目の判定時には凝集パターンの変化は観察されなかったのに対して、ヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定では凝集が観察されず、2回目の判定時には凝集が観察された。一方で、ヒトIgG型HLA抗体及びヒトIgM型HLA抗体陽性血清では、1回目の判定で凝集が観察され、2回目の判定時には凝集の色調の変化が観察されたのに対して、ヒトHLA抗体陰性血清では、1回目と2回目の両方で凝集は観察されなかった。これらの結果から、粒径が異なる凝集性粒子、すなわち重量が異なる凝集性粒子を用いることにより、各凝集性粒子の沈降速度に差を設けて、凝集パターンの形成時期をずらすことにより、一の反応容器において、複数種類の標的物質を検出し得ることが明らかである。
本発明の標的物質の検出方法及び該検出方法に用いる検出用キットを用いることにより、
一の反応容器中で複数種類の標的物質を簡便かつ高精度に検出することができるため、検体量が微量であり、かつ多検体を高精度かつ迅速に処理することを要求される臨床検査等の分野で利用が可能である。
検体中の2種類の標的物質AとBを、重量と磁力が異なる2種類の凝集用粒子(標的物質Aと特異的に結合する抗体aを担持した抗体a感作凝集用粒子2と、標的物質Bと特異的に結合する抗体bを担持した抗体b感作凝集用粒子3)を用いて検出する場合に得られる凝集パターンを模式的に表した図である。図1(a)〜(f)において、左図は反応容器1の断面図であり、右図は反応容器1の平面図である。また、図1(a)と(b)は重量と磁力が大きい抗体a感作凝集用粒子2により先に形成される凝集パターンのうち、(a)は検体が抗体a陽性である場合、(b)は検体が抗体a陰性である場合の凝集パターンの模式図である。図1(c)〜(f)は、その後、抗体a感作凝集用粒子2と抗体b感作凝集用粒子3により形成される凝集パターンのうち、(c)は検体が抗体a陽性かつ抗体b陽性である場合、(d)は検体が抗体a陽性かつ抗体b陰性である場合、(e)は検体が抗体a陰性かつ抗体b陽性である場合、(f)は検体が抗体a陰性かつ抗体b陰性である場合の、それぞれの凝集パターンの模式図である。
符号の説明
1…反応容器、2…抗体a感作凝集用粒子、3…抗体b感作凝集用粒子

Claims (8)

  1. 検体中の複数種類の標的物質を、前記標的物質と特異的に結合し得る物質を担持した凝集用粒子を用いて検出する方法であって、
    (a) 前記検体中に場合により存在する標的物質を、反応容器底面を一部として含む内表面に固相化する工程と、
    (b) 工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を、沈降速度を異ならせて供給した後、凝集の有無を識別する工程と、
    又は、
    (b’) 工程(a)により得られた反応容器に、複数種類の前記凝集用粒子を供給した後、凝集用粒子の種類ごとに、異なるタイミングで凝集の有無を識別する工程と、
    を有することを特徴とする標的物質の検出方法。
  2. 前記標的物質が抗体又は抗原であり、前記標的物質と特異的に結合し得る物質が、前記抗体又は抗原に特異的に結合し得る抗原又は抗体であることを特徴とする請求項1記載の標的物質の検出方法。
  3. 異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの重量比が、小さい重量の粒子に対する大きい重量の粒子が1.5倍以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の標的物質の検出方法。
  4. 異なる種類の凝集用粒子の任意の2種類の粒子の1個当りの保持している磁力の比が、小さい磁力の粒子に対する大きい磁力の粒子が1.5倍以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の標的物質の検出方法。
  5. 前記工程(b)又は工程(b’)において、反応容器内の凝集用粒子に遠心力及び/又は磁場を加えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の標的物質の検出方法。
  6. 複数種類の標的物質を検出するためのキットであって、反応容器底面を一部として含む内表面に前記標的物質を固相化し得る反応容器と、各標的物質にそれぞれ特異的に結合し得る物質を担持した複数種類の凝集用粒子と、を有することを特徴とする検出用キット。
  7. 前記凝集用粒子が凍結乾燥したものであり、前記凝集用粒子を復元するための復元液を有することを特徴とする請求項6記載の検出用キット。
  8. さらに、検体を希釈するための検体希釈溶液と、前記標的物質を底面に固相化した後に前記反応容器を洗浄するための洗浄液と、を有することを特徴とする請求項6又は7記載の検出用キット。
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