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JP2008237677A - 生体内留置物 - Google Patents

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JP2008237677A
JP2008237677A JP2007084333A JP2007084333A JP2008237677A JP 2008237677 A JP2008237677 A JP 2008237677A JP 2007084333 A JP2007084333 A JP 2007084333A JP 2007084333 A JP2007084333 A JP 2007084333A JP 2008237677 A JP2008237677 A JP 2008237677A
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Japan
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biodegradable copolymer
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physiologically active
vivo
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Application number
JP2007084333A
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English (en)
Inventor
Yuichi Oya
裕一 大矢
Tatsuro Ouchi
辰郎 大内
Yotaro Fujita
陽太郎 藤田
Kazuto Ishihara
和人 石原
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Terumo Corp
Kansai University
Original Assignee
Terumo Corp
Kansai University
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Abstract

【課題】生体内での分解速度が速く、かつ生体適合性に優れた生分解性高分子で表面をコートすることにより、留置部位の内皮化を促進させ、血栓症のリスクを低減することが可能な生体内留置物の提供。
【解決手段】生体内に留置するための生体内留置物であって、該生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体上に形成された生物学的生理活性物質放出層からなり、前記生物学的生理活性物質放出層は、反応性官能基を有する環状デプシペプチドとε−カプロラクトンとを共重合して得られる生分解性共重合体と、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
【選択図】なし

Description

本発明は、血管、胆管、気管、尿道などの生体内に挿入・留置して使用する生体内留置物に関する。
一つの例として、虚血性心疾患に適用される血管形成術について説明する。
我が国における食生活の欧米化が、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の患者数を急激に増加させていることを受け、それらの冠動脈病変を軽減化する方法として経皮的経血管的冠動脈形成術(PTCA)が施行され、飛躍的に普及してきている。現在では、技術的な発展により適用症例も増えており、PTCAが始まった当時の限局性(病変の長さが短いもの)で一枝病変(1つの部位にのみ狭窄がある病変)のものから、より遠位部で偏心的で石灰化しているようなもの、そして多枝病変(2つ以上の部位に狭窄がある病変)へとPTCAの適用が拡大されている。PTCAとは、患者の脚又は腕の動脈に小さな切開を施してイントロデューサーシース(導入器)を留置し、イントロデューサーシースの内腔を通じて、ガイドワイヤを先行させながら、ガイドカテーテルと呼ばれる長い中空のチューブを血管内に挿入して冠状動脈の入口に配置した後ガイドワイヤを抜き取り、別のガイドワイヤとバルーンカテーテルをガイドカテーテルの内腔に挿入し、ガイドワイヤを先行させながらバルーンカテーテルをX線造影下で患者の冠状動脈の病変部まで進めて、バルーンを病変部内に位置させて、その位置で医師がバルーンを所定の圧力で30〜60秒間、1回或いは複数回膨らませる手技である。これにより、病変部の血管内腔は拡張され、それにより血管内腔を通る血流は増加する。しかしながら、カテーテルによって血管壁が傷つけられたりすると、血管壁の治癒反応である血管内膜の増殖が起こり30〜40%程度の割合で再狭窄が報告されている。
この再狭窄を予防する方法は、ステントやアテローム切除カテーテル等の器具を用いる方法等が検討され、ある程度の成果をあげている。ここで言うステントとは、血管や他の管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その内腔を確保するためにそこに留置することができる管状の医療用具である。それらの多くは、金属材料または高分子材料よりなる医療用具であり、例えば金属材料や高分子材料よりなる管状体に細孔を設けたものや、金属材料のワイヤや高分子材料の繊維を編み上げて円筒形に成形したもの等様々な形状のものが提案されている。ステント留置の目的は、PTCA等の手技を施した後に起こる再狭窄の予防及びその低減化を狙ったものであるが、このようなステントの留置のみでは狭窄を顕著に抑制することができていないのが実状であった。
そして近年では、このステントに免疫抑制剤や抗癌剤等の薬剤を担持させることによって、管腔の留置部位で長期にわたって局所的にこの薬剤を放出させ、再狭窄率の低減化を図る試みが盛んに提案されている。
例えば、特許文献1には、ステント本体の表面に生体吸収性ポリマー又は生体安定性ポリマーと、治療のための物質との混合物をコーティングしたステントが記載されている。そして、そのポリマーとして、ポリL乳酸、ポリカプロラクトンを用いることができることが記載されている。
また、特許文献2には、薬剤を生体適合性ポリマー等を用いて付着・コーティングしたステントが記載されている。そして、この生体適合性ポリマー等として、ポリDL乳酸(D体とL体との共重合体)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸/ポリグリコール酸共重合体を用いることができることが記載されている。
しかしながら、特許文献1や2のように、薬剤をコーティングするポリマーとしてポリ乳酸やポリカプロラクトンなどの汎用的な生分解性高分子を用いた場合、ポリマー自体の分解速度が遅く留置部位に留まる期間が長期にわたるため、ステント留置部位の内皮化を阻害して、血栓症を引き起こす恐れがあった。
特開平8−33718号公報 特開平9−56807号公報
本発明の目的は、生体内での分解速度が速く、かつ生体適合性に優れた生分解性高分子で表面をコートすることにより、留置部位の内皮化を促進させ、血栓症のリスクを低減することが可能な生体内留置物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
(1)生体内に留置するための生体内留置物であって、該生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体の表面に形成された生物学的生理活性物質放出層からなり、
前記生物学的生理活性物質放出層は、反応性官能基を有する環状デプシペプチドとε−カプロラクトンとを共重合して得られる生分解性共重合体と、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
(2)前記生体内留置物本体が、金属材料で形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の生体内留置物。
(3)前記生体内留置物本体が、高分子材料で形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の生体内留置物。
(4)前記環状デプシペプチドが有する反応性官能基がアミノ基である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内留置物。
(5)前記生分解性共重合体が一般式(A)で表されることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体内留置物。
Figure 2008237677

(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜10の整数を示し、xは2〜100を示し、yは10〜1000を示し、x/(x+y)が0.01〜0.90であり、x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
(6)前記一般式(A)におけるR1が水素原子を示し、nが4を示し、xが5〜50を示し、yが50〜800を示し、x/(x+y)が0.02〜0.30である上記(5)に記載の生体内留置物。
(7)前記生分解性共重合体の数平均分子量(Mn)が、1,000〜100,000である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の生体内留置物。
(8)前記生分解性共重合体の数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比(Mn/Mw)が1.0〜5.0である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内留置物。
(9)前記生分解性共重合体のガラス転移温度(Tg)が−60〜−10℃である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体内留置物。
(10)前記生分解性共重合体の融点が30〜80℃である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の生体内留置物。
(11)前記生分解性共重合体の融解熱量が−70〜0J/gである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の生体内留置物。
(12)前記生分解性共重合体を試験部位の厚さが0.2〜0.5mm、幅が2.2mm、長さが18mm、試験片の全長が40mmのダンベル状に切り抜き、これを引っ張り試験したときの破断強度が5〜20MPa、ヤング率が50〜350MPa、破断時ひずみが100〜600%である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の生体内留置物。
(13)前記生分解性共重合体は、37℃のリン酸緩衝溶液(PBS)で浸漬した場合、28日間で数平均分子量(Mn)が20〜90%減少する上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の生体内留置物。
(14)前記生分解性共重合体が、架橋剤で処理して得られた生分解性共重合体架橋物である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の生体内留置物。
(15)前記架橋剤がポリシアネート類である上記(14)に記載の生体内留置物。
(16)前記架橋剤が、脂肪族ポリシアネート類および脂環族ポリシアネート類からなる群から選択される少なくとも1つである上記(14)に記載の生分解性共重合体架橋物。
(17)前記生体内留置物本体の形状が、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状であることを特徴とする上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の生体内留置物。
(18)前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生体内留置物本体の表面に形成された前記生物学的生理活性物質を含む層と、該生物学的生理活性物質を含む層上に形成された前記生分解性共重合体を含む層と、からなることを特徴とする上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の生体内留置物。
(19)前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生物学的生理活性物質と前記生分解性共重合体とを含む層からなることを特徴とする上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の生体内留置物。
(20)前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン及びNO産生促進物質からなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の生体内留置物。
(21)ステントである上記(1)〜(20)のいずれかに記載の生体内留置物。
本発明の生体内留置物は、生体内留置物本体の表面に反応性官能基を有する環状デプシペプチドとε−カプロラクトンを特定の組成比で共重合させることにより得られる生分解性共重合体を含む層を形成することにより、従来薬剤を担持するポリマーとして使用されていたポリ乳酸やポリカプロラクトンに比べて、生体内で早く分解することが可能になるばかりか、優れた生体適合性を有するデプシペプチドの効果により生体に無毒な留置物として用いることができる。結果として、留置部位の内皮化を促進させ、血栓症のリスクを低減することが可能となる。
以下、本発明の生体内留置物について、添付図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の生体内留置物は、血管、胆管、気管、尿道などの生体内に挿入・留置して使用される部材または器具を広く含む。
中でも、生体内に生じた狭窄部や閉塞部等を拡張するために当該部位に挿入し、拡張した上で、その状態を保持するために当該部位に留置する部材または器具が好ましい。このような生体内の具体例としては、例えば、ステント、カバードステント、ステントグラフト、血管瘤治療デバイス、保持体にステントを使用した体内埋め込み医療器などがある。
また、例えば、中空器官及び/又は管系(尿管、胆管、尿道、子宮、食道、気管支)内の内腔支持機能を有する部材または器具がある。
また、例えば、中空空間接続、管系のための閉鎖システムとしての閉鎖部材がある。
これらの中でも本発明の生体内留置物は、ステントであることが好ましい。理由は、病変部へのデリバリーや留置が容易に行えるためである。
本発明の生体内留置物がステントである場合、バルーン拡張タイプ、自己拡張タイプのいずれであっても良い。このステント本体の材料が弾性体であれば、この弾性力を利用した自己拡張手段を用いることができる。
本発明の生体内留置物の大きさ、形状等は適用箇所に応じて適宣選択すれば良い。
例えば、生体内留置物がステントである場合、ステントの大きさは適用箇所に応じて適宣選択すれば良い。例えば、心臓の冠状動脈に用いる場合は、拡張前における外径は1.0〜3.0mm、長さは5〜50mmが好ましい。また、ステントの肉厚は、病変部に留置するために必要なラジアルフォースを有し、例えば血管内に用いる場合あれば血流を阻害しない程度であれば特に限定されないが、ステントの肉厚として5〜1000μmの範囲が好ましく、10〜500μmの範囲がより好ましく、40〜200μmの範囲が最も好ましい。
本発明の生体内留置物は、生体内留置物本体と、該生体内留置物本体上に形成された生物学的生理活性物質放出層からなる。
生体内留置物本体は、生体内留置物における主要部であり、本発明の生体内留置物がステントである場合、ステント本体を指す。
生体内留置物本体の形状は、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状であることが好ましい。理由は、生体内の管腔に容易に留置することができるためである。
生体内留置物本体を形成する材料は、本発明の生体内留置物を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔に生じた病変部に留置することができる強度等を有するものであれば特に限定されず、例えば、金属材料、高分子材料、セラミックス等を用いることができる。これらの中でも、金属材料又は高分子材料で形成されていることが好ましい。金属材料で形成されている場合は、強度に優れ、本発明の生体内留置物を病変部に確実に留置することが可能である。また、高分子材料で形成されている場合、柔軟性に優れ、拡張した際に生体(血管壁等)に過度の力が加わらない。
ここで、金属材料としては、例えばステンレス鋼、Ni−Ti合金、タンタル、ニッケル、クロム、イリジウム、タングステン、コバルト系合金等が挙げられる。そして、これらの中でも、ステンレス鋼であることが好ましく、更にSUS316Lであることが最も好ましい。耐食性が高いからである。
また、高分子材料は、生分解性を有するものであっても、生分解性を有しないものであってもよい。なお、生体内留置物本体を生分解性を有する高分子材料で形成する場合、所望の一定期間(例えば数週間〜数ヶ月)以上、生体内で分解せず、形状を保ち、病変部等に留置できるものであればよい。
このような高分子材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類又はそれを構成単位とするポリエステル系エラストマー、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド類又はそれを構成単位とするポリアミド系エラストマー、ポリウレタン類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、又はそれらを構成単位とするポリオレフィン系エラストマー、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリカーボネート、セルロースアセテート、セルロースナイトレート等が挙げられる。
生体内留置物本体の形状、大きさ等は特に限定されない。本発明の生体内留置物を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置することができるものであればよい。
以下、本発明の生体内留置物について、その好適実施形態であるステントを例に説明する。
図1は、本発明の生体内留置物をなすステントの一態様を示した側面図であり、図2および図4は、図1の線A―Aに沿って横断した拡大断面図、図3および図5は、図1の線B−Bに沿って縦断した拡大断面図である。
図1に示すステント(生体内留置物)1は、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体である。円筒体の側面は、その外側面と内側面とを連通する多数の切欠部を有し、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっており、目的部位に留置され、その形状を維持する。
図1に示すステント(生体内留置物)1において、ステント本体(生体内留置物本体)2は、線状部材からなり、内部に切り欠き部を有する略菱形の要素21を基本単位とする。複数の略菱形の要素21が、略菱形の形状がその短軸方向に連続して配置され結合することで環状ユニット22をなしている。環状ユニット22は、隣接する環状ユニットと線状の連結部材23を介して接続されている。これにより複数の環状ユニット22が一部結合した状態でその軸方向に連続して配置される。ステント本体2は、このような構成により、両末端部が開口し、前記両末端部の間を長手方向に延在する円筒体をなしている。ステント本体2は、略菱形の切り欠き部を有しており、この切欠部が変形することによって、円筒体の径方向に拡縮可能な構造になっている。
ステント本体2が線状部材で構成される場合、ステント本体2を多数の切欠き部を有するように構成する線状部材の幅方向の長さは、好ましくは0.01〜0.5mmであり、より好ましくは0.05〜0.2mmである。
なお、ステント本体の形状は、生体内の管腔に安定して留置するに足る強度を有するものであればよく、図1に示す形状に限定されない。例えば、高分子材料の繊維を編み上げて円筒状に形成したものや、金属材料または高分子材料からなる管状体に細孔を設けたものであってもよい。
生物学的生理活性物質放出層は、ステント本体(生体内留置物本体)の表面に形成された生物学的生理活性物質と、生分解性高分子と、を含む層である。
ここで、生物学的生理活性物質放出層は、図2および3に示すステント1のように、ステント本体2(線状部材21)の表面に形成された生物学的生理活性物質層(生物学的生理活性物質を含む層)3と、該生物学的生理活性物質層3上に形成された生分解性高分子層(生分解性高分子を含む層)4と、からなる二層構造のものであってもよく、もしくは、図4および5に示すステント1のように、生物学的生理活性物質と生分解性高分子とを含む単層構造のものであってもよい。なお、図4および5では、生分解性高分子層5中に生物学的生理活性物質6が分散されている。
図2および3のステント1の場合、ステント1を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置した後、生分解性高分子層4を構成する生分解性高分子が分解することにより、生物学的生理活性物質層3の生物学的生理活性物質が生体内に放出される。この結果、病変部の再狭窄が適切に抑制される。そして、生分解性高分子層4を構成する生分解性高分子は生体内で完全に分解される。
一方、図4および5のステント1の場合、ステント1を血管、胆管、気管、食道、尿道などの生体内の管腔等に生じた病変部に留置した後、生分解性高分子層5を構成する生分解性高分子が分解することにより、生物学的生理活性物質6が生体内に放出される。これにより、病変部の再狭窄が適切に抑制される。そして、生分解性高分子層5を構成する生分解性高分子は生体内で完全に分解される。
本発明では、生分解性高分子層4,5を構成する生分解性高分子として、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の反応性官能基を有する環状デプシペプチドとε−カプロラクトンとを共重合して得られる生分解性共重合体(以下、単に「生分解性共重合体」ともいう。)を用いる。
デブシペプチドとは、総称的に、α−アミノ酸とα−ヒドロキシ酸の共重合体を意味する。α−アミノ酸としては側鎖に反応性官能基を有するものであり、該反応性官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基などが挙げられ、特にアミノ基が好ましい。ポリデブシペプチドとしては、該α−アミノ酸とα−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸等)とのランダムおよびブロック共重合体や、該α−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、グリコール酸等)との交互共重合体等が挙げられる。
具体的には、下記一般式(A)で表される生分解性共重合体が挙げられる。
Figure 2008237677
一般式(A)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。好ましくは水素原子である。
なお、R1がメチル基の場合、メチル基が結合する炭素原子は不斉元素になりうる。メチル基が結合する炭素原子が該不斉元素である場合、該不斉元素の立体配置は(R)体、(S)体あるいはそれらの混合物のいずれであってもよい。
一般式(A)中、nは1〜10の整数を示す。好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは4である。
一般式(A)中、xおよびyは生分解性共重合体中の各ユニットの平均個数を表し、1HNMRおよびゲル透過クロマトグラフィ(GPC)から求められる。例えば、一般式(A)においてn=4の共重合体では、環状デプシペプチド単位の側鎖部分に起因するNMRピークδ(ppm):2.95−3.17(2H,−CH2CH2CH2 CH 2 NH2)と、カプロラクトン単位に起因するNMRピークδ(ppm):2.25−2.34(2H,−COCH 2 CH2CH2CH2CH2OH)の面積比より主鎖中の各重合度割合と算出し、この値とGPCから得られた主鎖の分子量から各x,yが求められる。
一般式(A)において、x及びyの各ユニットの配列は、式中の配列の順に限定されず、ランダムでもブロックでもよい。
一般式(A)中、xは2〜100であり、好ましくは5〜50であり、より好ましくは10〜30である。
一般式(A)中、yは10〜1000であり、好ましくは50〜800であり、より好ましくは100〜500である。
一般式(A)において、x/(x+y)が0.01〜0.90であり、好ましくは0.02〜0.30であり、より好ましくは0.04〜0.20である。xがこの範囲にあることにより、一般式(A)で表される生分解性共重合体に生分解性および組織適合性が付与されるとともに、柔軟性が付与される。
生分解性共重合体は、数平均分子量(Mn)が1,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000であり、さらに好ましくは10,000〜50,000である。また、分子量分布の指標である数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜4.0であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.8である。数平均分子量および質量平均分子量は、例えばGPC(溶媒:ジメチルホルムアルデヒド)等の公知の方法を用いて測定できる。
生分解性共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が−60〜−10℃であることが好ましく、−50〜−30℃であることがより好ましい。また、融点が30〜80℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。また、融解熱量が−70〜0J/gであることが好ましく、−55〜0J/gであることがより好ましい。
生分解性共重合体の生分解挙動として、該生分解性共重合体を37℃のリン酸緩衝溶液(PBS)で浸漬した場合、28日後における数平均分子量の減少割合が20〜90%であることが好ましく、より好ましくは60〜90%である。
生分解性共重合体は、JIS K7113に基づく引張試験において高い力学的特性を有する。具体的には、生分解性共重合体を試験部位の厚さが0.2〜0.5mm、幅が2.2mm、長さが18mm、試験片の全長が40mmのダンベル状に切り抜き、JIS K7113に基づく引張試験した場合、以下の力学的特性を示す。
破断強度は好ましくは5〜20MPaであり、より好ましくは5〜10MPaである。
ヤング率は好ましくは50〜350MPaであり、より好ましくは50〜100MPaである。
破断時ひずみは好ましくは100〜600%であり、より好ましくは300〜600%である。
生分解性共重合体は、例えば、次のようにして製造することができる。
Figure 2008237677

上記式中、Zはベンジルオキシカルポニル基を示す。R1,n,x及びyは一般式(A)について記載した通りである。
上記(1)で表される化合物は、例えば、T.Ouchi,et.al.,Macromol.Chem.Phys.197,1823−1833(1996)等に準じて製造することができ、また上記(2)で表されるカプロラクトンは市販されている。
上記(1)及び(2)で表される化合物を触媒(スズ2−エチルヘキサノエート等)を用いて開環重合させて上記(3)で表される化合物とし、これを脱ベンジルオキシカルボニル剤(例えば、HBr/酢酸等)により、フリーのアミノ基に変換して上記(A)で表される生分解性共重合体を得ることができる。
本反応の各ステップは慣用の方法を用いて実施することができる。
更に、上記した生分解性共重合体を架橋剤で処理することにより、弾性を有する生分解性共重合体架橋物を製造することができる。このような生分解性共重合体架橋物で生分解性高分子層4,5を構成してもよい。
生分解性共重合体の反応性官能基がアミノ基の場合は、架橋剤としてポリイソシアネート類、ポリカルボン酸活性エステル類等が例示される。
ポリイソシアネート類としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ジイソシアナトヘキサン(ヘキサメチレンジイソシアネート,HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−プチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプトロエートなど]、ポリイソシアネート[リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタンなど]が例示できる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルーシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート,IPDI)、4,4′−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなど]、ポリイソシアネート[1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)一ビシクロ(2.2.1)へプタン、2−(3−イソシアネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、3−(3−イソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチルー2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−へブタン、6−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)へプタンなど]が例示できる。これらのポリイソシアネートは単独で又は二種以上組合せて使用できる。
ポリカルボン酸活性エステル類としては、分子内に下記式で表される活性エステルを少なくとも2以上有する化合物が例示される。
Figure 2008237677

具体的には、下記式で表されるN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)で両末端が活性化されたジカルボキシPEG等が例示される。
Figure 2008237677

式中、pは1〜5の整数を示し、qは1〜1000の整数を示す。
架橋反応は、生分解性共重合体と架橋剤を溶媒中で反応させることにより進行する。架橋剤と生分解性共重合体との割合は、生分解性共重合体中のアミノ基1当量に対して、架橋剤の活性部位(例えば、ポリイソシアネートのイソシアネート基)が1.0〜1.5当量、好ましくは1.0〜1.2当量の範囲となるようにすればよい。
反応溶媒としては、例えば、DMF、DMSO、クロロホルム等が用いられる。反応温度は通常室温であり、反応時間は通常12〜48h程度である。
反応終了後、サンプルを溶媒(例えばメタノール、クロロホルム等)で洗浄した後、乾燥して架橋物を得る。
生分解性共重合体架橋物は、ガラス転移温度(Tg)が−50〜−20℃であることが好ましく、−45〜−30℃であることがより好ましい。また、融点が30〜50℃であればよいが、融点を示さないものが好ましい。また、融解熱量が−50〜0J/gであることが好ましく、−10〜0J/gであることがより好ましい。
生分解性共重合体架橋物の生分解挙動として、該生分解性共重合体架橋物を37℃のリン酸緩衝溶液(PBS)で浸漬した場合、28日後における重量減少率が10〜60%であることが好ましく、より好ましくは30〜50%である。
生分解性共重合体架橋物は、JIS K7113に基づく引張試験において高い力学的特性を有する。具体的には、生分解性共重合体架橋物を試験部位の厚さが0.2〜0.5mm、幅が2.2mm、長さが18mm、試験片の全長が40mmのダンベル状に切り抜き、JIS K7113に基づく引張試験をした場合、以下の力学的特性を示す。
破断強度が好ましくは1〜30MPaであり、より好ましくは1〜12MPaである。
ヤング率が好ましくは0.5〜150MPaであり、より好ましくは0.5〜10MPaである。
破断時ひずみが好ましくは100〜1000%であり、より好ましくは250〜800%である。
生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散される生物学的生理活性物質6は、ステント1を管腔の病変部に留置した際に再狭窄を抑制する効果があるものであれば特に限定されないが、例えば抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム括抗剤、抗高脂血症薬、抗炎症剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa括抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン、NO産生促進物質等が挙げられる。
抗癌剤としては、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、イリノテカン、ピラルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート等が好ましい。
免疫抑制剤としては、例えば、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、バイオリムス、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミコフェノール酸モフェチル、グスぺリムス、ミゾリビン等が好ましい。
抗生物質としては、例えば、マイトマイシン、アドリアマイシン、ドキソルビシン、アクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アクラルビシン、エビルビシン、ぺプロマイシン、ジノスタチンスチマラマ一等が好ましい。
抗リウマチ剤としては、例えば、メトトレキサート、チオリンゴ酸ナトリウム、ぺニシラミン、ロベンザリット等が好ましい。
抗血栓薬としては、例えば、ヘパリン、アスピリン、抗トロンビン製剤、チクロピジン、ヒルジン等が好ましい。
HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、セリバスタチン、セリバスタチンナトリウム、アトルバスタチン、ニスバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン等が好ましい。
ACE阻害剤としては、例えば、キナプリル、ぺリンドプリルエルブミン、トランドラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル等が好ましい。
カルシウム括抗剤としては、例えば、ヒフェジピン、ニルバジピン、ジルチアゼム、ベニジピン、ニソルジピン等が好ましい。
抗高脂血症剤としては、例えば、プロブコールが好ましい。
抗炎症剤としては、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン等のステロイドが好ましい。
抗アレルギー剤としては、例えば、トラニラストが好ましい。
抗酸化剤としては、例えば、カテキン類、アントシアニン、プロアントシアニジン、リコピン、β−カロチン等が好ましい。カテキン類の中では、エビガロカテキンガレートが特に好ましい。
レチノイドとしては、例えば、オールトランスレチノイン酸が好ましい。
チロシンキナーゼ阻害剤としては、例えば、ゲニステイン、チルフオスチン、アーブスタチン等が好ましい。
生体由来材料としては、例えば、EGF(epidermal growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、HGF(hepatocyte growth factor)、PDGF(platelet derived growth factor)、BFGF(basic fibrolast growth factor)等が好ましい。
生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散される生物学的生理活性物質6は、再狭窄を確実に抑制するという点を考慮すると、上記物質のうちの少なくとも一種類を含んでいることが好ましい。また、生物学的生理活性物質層3を構成する生物学的生理活性物質、および生分解性高分子層5に分散させる生物学的生理活性物質6を、一種類の生物学的生理活性物質にするのか、もしくは二種類以上の異なる生物学的生理活性物質を組み合わせるのかについては、症例に合せて適宜選択されるべきである。
図2および図3に示すステント1において、ステント本体2の表面に生物学的生理活性物質層3を形成する方法は特に限定されないが、例えば、生物学的生理活性物質を融解させてステント本体2の表面を被覆する方法、また生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて前記溶液をステント本体2の表面に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生物学的生理活性物質を容易に溶解させる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生物学的生理活性物質のみを溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは前記溶液をスプレーによりステント本体2の表面に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
生物学的生理活性物質層3の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生物学的生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
生物学的生理活性物質層3上に生分解性高分子層4を形成する方法は特に限定されないが、例えば、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)を融解させて生物学的生理活性物質層3を被覆する方法、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液に生物学的生理活性物質層3が形成されたステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて上記の溶液を生物学的生理活性物質層3に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)を容易に溶解させる溶媒が、生物学的生理活性物質層3の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)のみを溶媒に溶解させた溶液に、生物学的生理活性物質層3が形成されたステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは上記の溶液をスプレーを用いて生物学的生理活性物質層3に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
生分解性高分子層4の厚さは、生物学的生理活性物質層3と同様、病変部へのデリバリー性や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度に設定されるべきであることから、好ましくは1〜75μm、更に好ましくは1〜25μm、最も好ましくは1〜10μmの範囲である。
図4および図5に示すステント1において、ステント本体の表面に生物学的生理活性物質6が分散された生分解性高分子層5を形成する方法は特に限定されないが、例えば、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)と生物学的生理活性物質を融解させてステント本体2の表面を被覆する方法、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)と生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させて溶液を作製し、この溶液にステント本体2を浸漬し、その後引き上げて、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法、あるいはスプレーを用いて上記溶液をステント本体2の表面に噴霧して、溶媒を蒸散もしくは他の方法で除去する方法等が挙げられる。
また、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)と生物学的生理活性物質を容易に溶解させる溶媒が、ステント本体2の表面を容易に濡らすことが可能である場合には、生分解性共重合体(もしくは生分解性共重合体架橋物)と生物学的生理活性物質を溶媒に溶解させた溶液に、ステント本体2を浸漬して乾燥する方法、あるいは上記の溶液をスプレーを用いてステント本体2に噴霧して乾燥する方法が最も簡易的であり、最も好ましく適用される。
生物学的生理活性物質6が分散された生分解性高分子層5の厚さは、病変部への到達性(デリバリー性)や血管壁への刺激性などステント本体2の性能を著しく損なわない程度であり、なおかつ生物学的生理活性物質の効果が確認される厚さで設定されるべきであることから、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは1〜20μmの範囲である。
生物学的生理活性物質放出層を構成する生物学的生理活性物質層3および生分解性高分子層4,5は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他に添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、例えば、生体に害を及ぼさない顔料、染料、X線造影剤(硫酸バリウム、タングステン、酸化ビスマス等)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、粘度好物、チタン酸カリウム繊維等)、充填材(カーボンブラック、シリカ、アルミナ、酸化チタン、金属粉、木粉、籾殻等)、耐熱安定剤、酸化劣化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、下記式に示す手順でε−カプロラクトン−デブシペプチド共重合体を剛合成した。
Figure 2008237677
100mlのナスフラスコに1000mgのcyclo[GIc−Lys(Z)]を入れ、液体窒素を用いて凍結乾燥を行った。115℃のオイルバスにてcyclo[GIc−Lys(Z)]をいったん融解し、続いて6778mgのε−カプロラクトンと、25.3mgの2エチルヘキサンスズを加え、脱気・アルゴン置換を20セット程繰り返した後に、6時間重合反応を行った。所定時間後、反応混合物を少量のクロロホルムに溶解し、多量のジエチルエーテル/メタノール混合溶媒(9/1)中に沈殿させた。沈殿物を回収し、24時間減圧乾燥させて7250mgの白色固体[PGK(Z)−r−CL]を得た。このうち、2000mgを5mlのトリフルオロ酢酸に溶解させ、氷冷下で2.20ml(保護基に対して3当量)の25%−HBr/CH3COOHを加えて1時間攪拌した。反応混合液を冷ジエチルエーテルで沈殿させ、回収した沈殿物を24時間減圧乾燥し、褐色固体を得た。得られたポリマーを5mlのクロロホルムに溶解させた後、1.22ml(保護基に対して3当量)のトリエチレンアミンで脱塩し、冷ジエチルエーテル/メタノール混合溶媒(9/1)中に沈殿させた。沈殿物を回収し、24時間減圧乾燥させて1530mgの白色固体[PGK(Z)−r−CL](D−C)を得た。なお、得られた(D−C)の各パラメータは以下の通りであった。
x=19、y=408、数量平均分子量Mn=40,900,質量平均分子量Mw=151,300、Tg=−51.5℃、融点55.4℃、融解熱量−64.9J/g、破断強度16.6MPa、ヤング率312MPa、破断時ひずみ588%
このデブシペプチド−カプロラクトン共重合体(以下D−C)とラパマイシン(以下RM)を質量比が1:1になるようにテトラヒドロフラン(以下THF)に溶解させた混合物の濃度が1wt%である溶液をスプレー(マイクロスプレーガンーII NORDSON製)によりステント表面に噴霧し、溶媒であるTHFを乾燥した後、約600μgのRMとD−Cの混合物がステント表面に塗布されていることを確認した。
(実施例2)
実施例1のステントを経皮的にブタ冠動脈内に3ケ月間留置し、3ケ月後のステント上に残存するD−CのGPC測定を行なった。
質量平均分子量Mwは、52,300であった。
(実施例3)
実施例1のステントを経皮的にブタ冠動脈内に6ケ月間留置し、6ケ月後のステント上に残存するD−CのGPC測定を行なった。
ステント上にD−Cは確認できなかった。
(比較例1)
ポリカプロラクトン(質量平均分子量Mw=67,000)(以下PCL)とラパマイシン(以下RM)を質量比が1:1になるようにテトラヒドロフラン(以下THF)に溶解させた混合物の濃度が1wt%である溶液をスプレー(マイクロスプレーガンーII NORDSON製)によりステント表面に噴霧し、溶媒であるTHFを乾燥した後、約600μgのRMとD−Cの混合物がステント表面に塗布されていることを確認した。
(比較例2)
比較例1のステントを経皮的にブタ冠動脈内に3ケ月間留置し、3ケ月後のステント上に残存するPCLのGPC測定を行なった。
質量平均分子量Mwは、63,200であった。
(比較例3)
比較例1のステントを経皮的にブタ冠動脈内に6ケ月間留置し、6ケ月後のステント上に残存するPCLのGPC測定を行なった。
質量平均分子量Mwは、59,600であった。
図1は、本発明のステントの一態様を示す側面図である。 図2は、図1のA−A線に沿って切断した拡大横断面図である。 図3は、図1のB−B線に沿って切断した拡大縦断面図である。 図4は、図1のA−A線に沿って切断した他の拡大横断面図である。 図5は、図1のB−B線に沿って切断した他の拡大縦断面図である。
符号の説明
1 ステント
2 ステント本体(線状部材)
21 要素
22 環状ユニット
23 連結部材
3 生物学的生理活性物質層
4 生分解性高分子層
5 生分解性高分子層
6 生物学的生理活性物質

Claims (21)

  1. 生体内に留置するための生体内留置物であって、該生体内留置物は、生体内留置物本体と、前記生体内留置物本体の表面に形成された生物学的生理活性物質放出層からなり、
    前記生物学的生理活性物質放出層は、反応性官能基を有する環状デプシペプチドとε−カプロラクトンとを共重合して得られる生分解性共重合体と、生物学的生理活性物質と、を含む生体内留置物。
  2. 前記生体内留置物本体が、金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体内留置物。
  3. 前記生体内留置物本体が、高分子材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体内留置物。
  4. 前記環状デプシペプチドが有する反応性官能基がアミノ基である請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内留置物。
  5. 前記生分解性共重合体が一般式(A)で表されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内留置物。
    Figure 2008237677

    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、nは1〜10の整数を示し、xは2〜100を示し、yは10〜1000を示し、x/(x+y)が0.01〜0.90であり、x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
  6. 前記一般式(A)におけるR1が水素原子を示し、nが4を示し、xが5〜50を示し、yが50〜800を示し、x/(x+y)が0.02〜0.30である請求項5に記載の生体内留置物。
  7. 前記生分解性共重合体の数平均分子量(Mn)が、1,000〜100,000である請求項1ないし6のいずれかに記載の生体内留置物。
  8. 前記生分解性共重合体の数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比(Mn/Mw)が1.0〜5.0である請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内留置物。
  9. 前記生分解性共重合体のガラス転移温度(Tg)が−60〜−10℃である請求項1ないし8のいずれかに記載の生体内留置物。
  10. 前記生分解性共重合体の融点が30〜80℃である請求項1ないし9のいずれかに記載の生体内留置物。
  11. 前記生分解性共重合体の融解熱量が−70〜0J/gである請求項1ないし10のいずれかに記載の生体内留置物。
  12. 前記生分解性共重合体を試験部位の厚さが0.2〜0.5mm、幅が2.2mm、長さが18mm、試験片の全長が40mmのダンベル状に切り抜き、これを引っ張り試験したときの破断強度が5〜20MPa、ヤング率が50〜350MPa、破断時ひずみが100〜600%である請求項1ないし11のいずれかに記載の生体内留置物。
  13. 前記生分解性共重合体は、37℃のリン酸緩衝溶液(PBS)で浸漬した場合、28日間で数平均分子量(Mn)が20〜90%減少する請求項1ないし12のいずれかに記載の生体内留置物。
  14. 前記生分解性共重合体が、架橋剤で処理して得られた生分解性共重合体架橋物である請求項1ないし11のいずれかに記載の生体内留置物。
  15. 前記架橋剤がポリシアネート類である請求項14に記載の生体内留置物。
  16. 前記架橋剤が、脂肪族ポリシアネート類および脂環族ポリシアネート類からなる群から選択される少なくとも1つである請求項14に記載の生分解性共重合体架橋物。
  17. 前記生体内留置物本体の形状が、チューブ状、管状、網状、繊維状、不織布状、織布状又はフィラメント状であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の生体内留置物。
  18. 前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生体内留置物本体の表面に形成された前記生物学的生理活性物質を含む層と、該生物学的生理活性物質を含む層上に形成された前記生分解性共重合体を含む層と、からなることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の生体内留置物。
  19. 前記生物学的生理活性物質放出層が、前記生物学的生理活性物質と前記生分解性共重合体とを含む層からなることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の生体内留置物。
  20. 前記生物学的生理活性物質が、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、抗高脂血症薬、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、抗炎症薬、生体由来材料、インターフェロン及びNO産生促進物質からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1ないし19のいずれかに記載の生体内留置物。
  21. ステントである請求項1〜20のいずれかに記載の生体内留置物。
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