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JP2008218864A - 積層型圧電体素子 - Google Patents

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JP2008218864A
JP2008218864A JP2007056887A JP2007056887A JP2008218864A JP 2008218864 A JP2008218864 A JP 2008218864A JP 2007056887 A JP2007056887 A JP 2007056887A JP 2007056887 A JP2007056887 A JP 2007056887A JP 2008218864 A JP2008218864 A JP 2008218864A
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piezoelectric element
adhesive
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multilayer piezoelectric
bonding material
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JP2007056887A
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Shinichi Okamoto
真一 岡本
Hiroaki Asano
浩章 浅野
Yoichi Kobane
庸一 小羽根
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Denso Corp
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Abstract

【課題】高温雰囲気における性能低下を抑制可能な積層型圧電体素子を提供すること。
【解決手段】セラミック層151と内部電極層153、154とを交互に積層してなるユニット積層体15を複数積み重ねると共にユニット積層体15間を接合材層13により接着してなる積層型圧電体素子1である。接合材層13は、厚さが1μm以下であり、かつ接着強度が1.3MPa以上である。また、接合材層13は、有機過酸化物を含有するシリコーン樹脂系接着剤を硬化させてなることが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電アクチュエータ等に用いられる積層型圧電体素子に関する。
近年、圧電アクチュエータには、低電圧で高い変位を得るために、厚みの小さな圧電セラミックと内部電極層とを交互に多数積層して一体焼成させたセラミック積層体が用いられている。具体的には、圧電セラミックよりなるセラミック層としては、厚みが20〜200μmの薄板を用い、内部電極層と交互に積層するセラミック層の枚数は100〜700枚程度に達している。
かかる構造の圧電アクチュエータにおいては、一体焼成構造であるので、積層数の増加に伴い、作動時に作動方向の動作を妨げる方向の内部応力が増大する。この作動時の内部応力が増大すると、セラミック積層体内部にクラックが発生し、その結果として変位量等の製品特性の低下やショートの発生等による製品信頼性の低下などが生じる場合がある。
この対策として、最終積層数よりも積層数の少ないセラミック積層体(ピエゾスタック)を接着剤によって接着する構造、即ち分割接着構造の積層型圧電体素子が開発されている。このような積層型圧電体素子において、ピエゾスタック間を接合する接着剤としては、一般に白金触媒を含有する加熱硬化タイプのシリコーン接着剤が用いられていた。
しかしながら、上記従来の分割接着構造の積層型圧電体素子においては次の問題があった。
即ち、分割接着構造の積層型圧電体素子からなる圧電アクチュエータを用いて作動実験を実施すると、従来の一体焼成型のアクチュエータに比べて変位ロスが大きくなるという問題があった。この変位ロスは、例えば、上記分割接着構造の積層型圧電体素子をインジェクタの圧電アクチュエータとして用いた場合に、弁体の変位が十分に得られず燃料噴射ができないという不具合につながるおそれがある。
変位ロスを抑制するためには、セラミック積層体同士を接合する接合材層の厚みを1μm以下にする必要があった。しかし、厚みを小さくすると、シリコーン接着剤中の白金触媒量が少なくなり、その結果、硫黄、アミン、リン等の触媒毒が付着したときに、シリコーン接着剤が触媒毒と反応し易くなって、接着剤の硬化が阻害され、接着不良が起こるおそれがあった。即ち、触媒毒が金属触媒に配位して触媒機能を低下させ、その結果接着剤の硬化が不十分になるおそれがあった。
その結果、例えば120℃以上という高温雰囲気で使用されたときに、接着剤層が原因となって圧積層型電素子の性能が低下するおそれがあった。
特開平11−214759号公報 特開平11−274590号公報 特開平8−242024号公報 特開平4−274378号公報 特開平3−270085号公報 特開2005−45086号公報 特開2005−340585号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、高温雰囲気における性能低下を抑制可能な積層型圧電体素子を提供しようとするものである。
本発明は、セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に該ユニット積層体間を接合材層により接着してなる積層型圧電体素子において、
上記接合材層は、厚さが1μm以下であり、かつ接着強度が1.3MPa以上であることを特徴とする積層型圧電体素子にある(請求項1)。
上記積層型圧電体素子において、上記接合材層の厚さは1μm以下である。
そのため、上記積層型圧電体素子の変位量が上記接合剤層によって損なわれることを防止し、上記積層型圧電体素子は高い変位量を発揮することができる。
また、上記接合材層の接着強度は1.3MPa以上である。
そのため、上記ユニット積層体間に形成された上記接合材層が上記ユニット積層体の変位を吸収してしまうことを抑制することができる。そのため、上記積層型圧電体素子は高い変位量を示すことができる。また、上記接着材層は、例えば120℃以上という高温環境下においても、高い接着強度を維持することができる。それ故、上記積層型圧電体素子においては、例えば高温環境下における製品寿命を向上させることができる。
以上のように、本発明によれば、高温雰囲気における性能低下を抑制可能な積層型圧電体素子を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
上記積層型圧電体素子において、上記接合材層は厚さ1μm以下である。その厚さが1μmを越える場合には、上記積層型圧電体素子の変位量が小さくなるおそれがある。
また、上記積層型圧電体素子において、上記接合材層の接着強度は1.3MPaである。接着強度が1.3MPa未満の場合には、上記ユニット積層体間に形成された上記接合材層が上記ユニット積層体の変位を吸収してしまい、十分な変位量が得られなくなるおそれがある。
上記接合材層の厚みは、例えば上記積層型圧電体素子を積層方向に切断し、その断面における接合材層を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察することにより測定できる。
また、上記接合材層の接着強度は、接合材層に対して、せん断方向、即ち上記積層型圧電体素子の積層方向と垂直な方向に応力を加え、せん断時の応力をオートグラフ((株)島津製作所製)やインストロン(INSTRON Co.,Ltd)製等の引張試験機、又はプシュプルゲージ等の試験機を用いて測定することにより調べることができる。
上記接合材層は、有機過酸化物を含有するシリコーン樹脂系接着剤を硬化させてなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上述の1.3MPa以上という高い接合材層を容易に形成することができる。即ち、この場合には、白金触媒を用いることなく、接着剤を硬化させることが可能になるため、上記接合材層を形成する際に、周囲に硫黄、アミン、及びリン等の汚染物があっても接着剤の硬化反応を十分に進行させることができる。そのため、1.3MPa以上という十分に優れた接着強度の接合材層を形成することができる。
上記接合材層は、上記ユニット積層体間に接着剤を塗布し、硬化させることにより形成することができる。
上記シリコーン系接着剤としては、本願出願時に公知となっているシリコーン系の接着剤を使用することができる。
具体的には、シリコーン系接着剤は、シリコーンゴム組成物として、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基を少なくとも2つ含有するジオルガノポリシロキサンと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含有する接着剤を用いることができる。ジオルガノポリシロキサンは主剤(ベースポリマー)であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤である。
また、上記有機過酸化物は、樹脂成分をラジカル反応により架橋させる触媒として機能する。具体的には、例えばケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、アルキルパーエステル、パーカーボネート等がある。より具体的には、例えばジ−第3ブチルペルオキシド、ジクミルペルイキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1、3−ビスベンゼン、1、1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等を用いることができる。
接着剤中の上記有機過酸化物の配合量は、樹脂成分(主剤)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。0.01重量部未満の場合には、硬化が不十分になるおそれがある。一方、10重量部を越える場合には、硬化後の上記接合材層中に未反応の有機過酸化物が残留し、その残留物が経時的に分解し、硬化物である上記接合材層の硬さ等の特性が変化するおそれがある。そのため、上記積層型圧電体素子を安定して作動させることができなくなるおそれがある。
また、上記シリコーン系接着剤は、上記有機過酸化物の他にさらに白金族金属触媒を含有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、接着剤の硬化がより一層進行し易くなる。
有機過酸化物は、酸素によって硬化阻害を受けるおそれがあるが、上記のように、有機過酸化物と白金族金属触媒とを併用することにより、空気との界面においては、白金族金属触媒のはたらきにより硬化を進行させ、内部においては、有機過酸化物のはたらきによって硬化を進行させることができる。そのため、上記接合材層の接着強度をより向上させることができる。
上記白金族金属系触媒としては、例えば白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体を用いることができるが、その他、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・H2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、米国特許第3,159,662号明細書、及び米国特許第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム−オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
上記白金族金属触媒の配合量は、接着剤の樹脂成分(主剤及び架橋剤)に対して、0.1〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜500ppm、さらに好ましくは0.5〜200ppmであることがよい。
また、上記シリコーン系接着剤は、その他に金属又は金属化合物を含有することができる。この場合には、硬化時に上記有機過酸化物の分解反応を促進し、接着剤の硬化を促進させることができる。このような金属としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属以外の金属、特にIB族、IIB族、VIIA族、及びVIII族の金属等を用いることができ、また、これらの金属の化合物を用いることもできる。
また、上記接合材層は、有機過酸化物を含有するアクリル系接着剤を用いて形成することもできる。アクリル系接着剤としては、有機過酸化物を含有する本願出願時に公知となっているアクリル系の接着剤を用いることができる。
上記積層型圧電体素子は、インジェクタの駆動源であるインジェクタ用圧電アクチュエータに用いられることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記積層型圧電体素子の優れた特性を十分に発揮することができる。
即ち、インジェクタは高温雰囲気下という過酷な状態で使用される。かかるインジェクタにおいても、上記のごとく優れた積層型圧電体素子を圧電アクチュエータとして用いることによって、優れた性能を維持することができる。そして、インジェクタ全体の性能向上及び信頼性向上を図ることができる。
また、上記積層型圧電体素子において、上記セラミック層としては、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)等の圧電セラミックスを採用することができる。また、内部電極層としては、導電性の金属電極を採用することができる。
(実施例1)
次に、本発明の積層型圧電体素子の実施例につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の積層型圧電体素子1は、図1〜図3に示すごとく、セラミック層151と内部電極層153、154とを交互に積層してなるユニット積層体15を複数積み重ねると共に該ユニット積層体15間を接合材層13により接着してなる。接合材層13は、厚さが1μm以下であり、かつ接着強度が1.3MPa以上である。
本例において、接合材層13は、有機過酸化物及び白金族金属触媒を含有するシリコーン樹脂系接着剤を硬化させてなる。
以下、これを詳説する。
ユニット積層体15は、セラミック層151の層間に内部電極層153、154を形成してなる。本例において、1つのユニット積層体15は、セラミック層151を23枚積層してなる。また、内部電極層は153、154は、それぞれユニット積層体15の側面に露出する電極露出部158、159を有し、この電極露出部158、159を介して一対の側面電極5、6のいずれか一方に接続されていると共に、一層おきにその接続先の側面電強5、6を変更している。また、内部電極層153、154の周囲には、該内部電極層153、154がユニット積層体15の側面から後退した領域である控え部155が部分的に形成されている。
そして、本例の積層型圧電体素子1は、ユニット積層体15を25個積み重ねると共に接合材層13により接着してなる分割接着構造の素子である。
次に、本例の積層型圧電体素子1の製造方法につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の積層型圧電体素子は、広く用いられているグリーンシート法を用いて製造することができる。このグリーンシートは、以下のようにして準備する。
即ち、まず、公知の方法により圧電材料の主原料となる酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム等の粉末を所望の組成となるように秤量する。本例では、最終的な組成がいわゆるPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)となるようにした。また、鉛の蒸発を考慮して、上記の混合比組成の化学量論比よりも1〜2%リッチになるように調合する。そしてこれらの原料を混合機にて乾式混合し、その後800〜950℃で仮焼する。
次いで、仮焼粉に、純水、分散剤を加えてスラリーとし、媒体攪拌ミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥、粉脱脂した後、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤等を加えてボールミルにより混合する。その後、このスラリーを真空装置内で攪拌機により攪拌しながら真空脱泡、粘度調整をする。
次いで、スラリーをドクターブレード装置により一定の厚みのグリーンシートに成形する。この焼成後にセラミック層となる広幅のグリーンシート上に、銀とパラジウムのペースト(内部電極層材料)を一定の形成パターンで印刷した。そして、プレス機で打ち抜いて、所定の大きさ及び形状に成形した。
打ち抜き後のグリーンシート7の表面には、グリーンシート7の略全面にこれよりもやや小さなパターンで内部電極層153、154が形成されている(図4参照)。そして、グリーンシート7の表面の対向辺の一方の側には、内部電極層153(154)の非形成部75が設けてある。つまり、グリーンシート7の対向辺の一方の端部には、内部電極層153(154)が到達せず、対向する他方の端部には内部電極層153(154)が到達するようにこれを配置した。
このような内部電極層153(154)を形成したグリーンシート7は、積層型圧電体素子1の変位量の要求仕様に基づいて所定の積層枚数分用意する。また、内部電極層153(154)を印刷していないグリーンシート7も必要枚数準備する。
次いで、図4に示すごとく、内部電極層153(154)を印刷したグリーンシート7を積層した。このとき、非形成部75が図中左側と右側に交互に位置するように重ねる。
このようにして、内部電極層153、154を形成したグリーンシート7を重ね合わせて、さらに最外層の上面又は下面に内部電極層が露出しないように、必要に応じて内部電極層を形成していないグリーンシートを積み重ねて、合計23層のグリーンシートよりなる積層体を作製した。
次に、積層体を熱圧着後、脱脂し、温度900〜1200℃のもとで焼成し、所望の形状に研磨した。このようにしてセラミック層151と内部電極層153、154とを交互に積層してなるユニット積層体15を得た(図5参照)。そして、ユニット積層体15の側面には、それぞれ内部電極層153、154に導通するようにAgペーストを焼き付けて側面電極5、6を形成した。このようにして、ユニット積層体15を25個作製した。
次に、図1〜図3に示すごとく、25個のユニット積層体15を、接合材層13により接合する。
本例においては、接合材層13用の接着剤として、有機過酸化物と白金族金属触媒とを含有するシリコーン樹脂系接着剤を用いた。
本例のシリコーン系樹脂系接着剤は、ビニル基を含有する直鎖状のオルガノポリシロキサンをシリコーンゴム組成物の主剤として含有し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを架橋剤として含有する。また、有機過酸化物としては、1、1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを用い、白金族金属触媒としては、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液を用いた。なお、この接着剤としては、硬化後の接着強度が1.3MPa以上となるものを用いた(後述の実験例参照)。
そして接着剤層13形成用の接着剤を、ユニット積層体15間に配置して、接着剤を硬化させた。
具体的には、まず、各ユニット積層体15間の接合面にディスペンサーにて接着剤を厚さ1μm以下で塗布した。そして、ユニット積層体15同士をその接合面で積み重ねたものを、全体的に側面を拘束する型に入れる。その後積層方向から圧力をかけて圧着させて、温度180℃に1時間保持して接着剤層13を硬化させた。
その後、側面電極5、6上に、図1及び図2に示すごとく、SUSよりなる外部電極55、66を導電性接着剤(エポキシ樹脂+Ag70wt%)を用いて接合した。これにより、本例の積層型圧電体素子1が完成した。
次に、本例の積層型圧電体素子1の作用効果につき説明する。
図3に示すごとく、本例の積層型圧電体素子1において、接合材層13の厚さは1μm以下である。そのため、積層型圧電体素子1の積層方向の変位量が接合剤層13によって損なわれることを防止し、積層型圧電体素子1は高い変位量を発揮することができる。
また、接合材層13の接着強度は1.3MPa以上である。
そのため、ユニット積層体15間に形成された接合材層13がユニット積層体15の変位を吸収してしまうことを抑制することができる。そのため、積層型圧電体素子1は高い変位量を示すことができる。また、接着材層13は、例えば120℃以上という高温環境下においても、高い接着強度を維持することができる。それ故、積層型圧電体素子1においては、例えば高温環境下における製品寿命を向上させることができる。
(実施例2)
本例は、実施例1の積層型圧電体素子1をインジェクタ2の圧電アクチュエータとして用いた例である(図6参照)。
本例のインジェクタ2は、図6に示すごとく、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適用したものである。
このインジェクタ2は、同図に示すごとく、駆動部としての積層型圧電体素子1が収容される上部ハウジング22と、その下端に固定され、内部に噴射ノズル部24が形成される下部ハウジング23を有している。
上部ハウジング22は略円柱状で、中心軸に対し偏心する縦穴221内に、積層型圧電体素子1が挿通固定されている。
縦穴221の側方には、高圧燃料通路522が平行に設けられ、その上端部は、上部ハウジング22上側部に突出する燃料導入管223内を経て外部のコモンレール(図略)に連通している。
上部ハウジング22上側部には、また、ドレーン通路224に連通する燃料導出管525が突設し、燃料導出管225から流出する燃料は、燃料タンク(図略)へ戻される。
ドレーン通路224は、縦穴221と駆動部(圧電体素子)1との間の隙間20を経由し、さらに、この隙間20から上下ハウジング22、23内を下方に延びる図示しない通路によって後述する3方弁251に連通してしる。
噴射ノズル部24は、ピストンボデー231内を上下方向に摺動するノズルニードル241と、ノズルニードル241によって開閉されて燃料溜まり242から供給される高圧燃料をエンジンの各気筒に噴射する噴孔243を備えている。燃料溜まり242は、ノズルニードル241の中間部周りに設けられ、上記高圧燃料通路222の下端部がここに開口している。ノズルニードル241は、燃料溜まり242から開弁方向の燃料圧を受けるとともに、上端面に面して設けた背圧室244から閉弁方向の燃料圧を受けており、背圧室244の圧力が降下すると、ノズルニードル241がリフトして、噴孔243が開放され、燃料噴射がなされる。
背圧室244の圧力は3方弁251によって増減される。3方弁251は、背圧室244と高圧燃料通路222、またはドレーン通路224と選択的に連通させる構成である。ここでは、高圧燃料通路222またはドレーン通路224へ連通するポートを開閉するボール状の弁体を有している。この弁体は、上記駆動部1により、その下方に配設される大径ピストン252、油圧室253、小径ピストン254を介して、駆動される。
そして、本例においては、上記構成のインジェクタ2における駆動源として、上記積層型圧電体素子1を用いている。この積層型圧電体素子1は、上記のごとく分割接着構造であって、その接着剤層13の厚さが1μm以下であり、かつ接着強度が1.3MPa以上であり、高温においても高い接着強度を維持することができる。そのため、本例のインジェクタ2は、高温状態においても、ノズルニードル241の動作を積層型圧電体素子1によって精度よく安定に制御することができる。そして、インジェクタ2は、積層型圧電体素子1の分割接着構造による効果も相俟って、優れた特性と耐久性(信頼性)を併せ持ったものとなる。
(実験例)
本例は、積層型圧電体素子の接合材層の形成に用いる接着剤を検討した例である。
まず、実施例1と同様にして、セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるユニット積層体を2つ作製した。これらのユニット積層体には、実施例1と同様にAgペーストを焼き付けてなる側面電極が形成されている。
次いで、ユニット積層体間を接着する接着剤として、有機過酸化物を含有していないシリコーン樹脂系接着剤(試料X)を準備した。この接着剤は、有機過酸化物を含有していない点を除いては実施例1と同様のシリコーン樹脂系接着剤であり、シリコーン組成物の主剤としてビニル基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンを含有し、架橋剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有し、白金族金属触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液を含有する。
次に、2つのユニット積層体を積み重ね、接合面にシリコーン樹脂系接着剤(試料X)を塗布した。なお、接着剤の塗布前に、ユニット積層体同士の接合面には、予め硫黄加硫製品(指サック)を接触させて接合面に触媒毒(硫黄)を付着させておく。そして、実施例1と同様に温度180℃で1時間保持して接着剤を硬化させ、2つのユニット積層体同士を接合してなる積層型圧電体素子(素子A1)を得た。
次に、積層型圧電体素子の接着強度を測定した。
具体的には、図7に示すごとく、積層型圧電体素子1を治具8等に固定し、素子の積層方向と垂直な方向に、接合材層13で破断するまで応力を加え、破断時の応力(接着強度)を測定した。その結果を表1に示す。
また、温度120℃の条件下で、素子A1に電界を繰り返し印加し、動作不良の有無を調べた。具体的には、接合材層の接着強度不足によって生じる側面電極のクラックの発生の有無を観察した。その結果を表1に示す。
また、本実験例においては、素子A1とは、接合材層の接着強度が異なる3種類の積層型圧電体素子(素子A2〜A4)を作製した。
素子A2は、硫黄加硫製品(指サック)によって接合面に硫黄を付着させる操作を行わなかった点を除いては、素子A1と同様にして作製した積層型圧電体素子である。
また、素子A3は、白金族金属触媒と有機過酸化物とを含有する実施例1と同様のシリコーン樹脂系接着剤(試料Y)を用いた点を除いては、素子A1と同様にして作製したものである。試料Yは、シリコーン組成物の主剤としてビニル基を有する直鎖状のオルガノポリシロキサンを含有し、架橋剤としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含有し、有機過酸化物として1、1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを含有し、白金族金属触媒として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体/トルエン溶液を含有する。
素子A4は、硫黄加硫製品(指サック)によって接合面に硫黄を付着させる操作を行わず、かつ実施例1と同様のシリコーン系樹脂接着剤(試料Y)を用いた点を除いては、上記素子A1と同様にして作製したものである。
これらの素子A2〜素子A4についても、接合材層の接着強度を調べ、さらに作動時におけるクラックの発生の有無を検証した。その結果を表1に示す。
Figure 2008218864
表1より知られるごとく、接着剤として、有機過酸化物と白金族金属触媒とを含有する試料Yを用いて作製した積層型圧電体素子(素子A3及び素子A4)は、1.5MPa及び5MPaという高い接着強度を示し、電界を繰り返し印加しても不具合を生じることなく安定して駆動させることができた。これに対し、触媒として白金族金属触媒のみを含有する試料Xの接着剤を用いて作製した積層型圧電体素子(素子A1及び素子A2)は、接着強度が低く、電界を繰り返して印加すると側面電極にクラックが発生していた。また、試料Xを用いた場合には、触媒毒(硫黄)による影響を受けやすく、触媒毒が存在するとほとんど硬化せず、接着強度0MPaとなっていた。
表1においては明確に示されていないが、本例と同様の実験により、例えば120℃以上という高温環境下において積層型圧電体素子を繰り返し安定に動作させるためには、1.3MPa以上の接着強度が好ましいことを確認している。
また、本例においては、触媒として、白金族金属触媒だけを含有するシリコーン樹脂系接着剤(試料X)と、有機過酸化物と白金族金属触媒とを含有するシリコーン樹脂系接着剤(試料Y)、有機過酸化物だけを含有するシリコーン樹脂系接着剤(試料Z)をそれぞれ用いて、上記素子A1と同様の2つのユニット積層体を接合してなる積層型圧電体素子を作製した。
即ち、まず、セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるユニット積層体を2つ作製した。これらのユニット積層体には側面を挟む一対の側面電極が形成されている。次いで、2つのユニット積層体をセラミック層の積層方向に積み重ね、接合面にシリコーン樹脂系接着剤(試料X、試料Y、又は試料Z)を塗布した。そして、実施例1と同様に温度180℃で1時間保持して接着剤を硬化させ、3種類の積層型圧電体素子を得た。各積層型圧電体素子は、それぞれ試料X、試料Y、試料Zという異なる3種類の接着剤を用いて作製したものである。
次に、このようにして作製した積層型圧電体素子の接着強度を測定した。接着強度の測定方法は、上述の通りである。なお、接着強度の測定にあたっては、各接着剤(試料X、試料Y、又は試料Z)を用いて同種の積層型圧電体素子を3つずつ作製し、これらの接着強度を測定し、その平均をもって各接着剤を用いたときの接着強度とした。その結果を表2に示す。
Figure 2008218864
表2より知られるごとく、少なくとも有機過酸化物を含有するシリコーン樹脂系接着剤(試料Y及び試料Z)を用いて接合材層を形成すると、1.3以上の十分に高い接着強度を容易に実現できることがわかる。また、有機過酸化物と白金族金属触媒とを含有するシリコーン樹脂系接着剤(試料Y)を用いると、さらに接着強度を向上させることができる。これに対し、白金族金属触媒のみを用いた接着剤(試料X)においては、1MPa未満という非常に低い接着強度しか実現できなかった。
実施例1にかかる、積層型圧電体素子の分解説明図。 図1のA−A線断面矢視図。 図2に示す積層型圧電体素子の接合材層付近を示す拡大説明図。 実施例1にかかる、内部電極層を形成したグリーンシートを積層する様子を示す説明図。 実施例1にかかる、ユニット積層体を示す斜視説明図。 実施例2にかかる、インジェクタの構造を示す説明図。 実験例にかかる、接着強度の測定方法を示す説明図。
符号の説明
1 積層型圧電体素子
13 接合材層
15 ユニット積層体
151 セラミック層
153 内部電極層
154 内部電極層

Claims (4)

  1. セラミック層と内部電極層とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に該ユニット積層体間を接合材層により接着してなる積層型圧電体素子において、
    上記接合材層は、厚さが1μm以下であり、かつ接着強度が1.3MPa以上であることを特徴とする積層型圧電体素子。
  2. 請求項1において、上記接合材層は、有機過酸化物を含有するシリコーン樹脂系接着剤を硬化させてなることを特徴とする積層型圧電体素子。
  3. 請求項2において、上記シリコーン樹脂系接着剤は、上記有機過酸化物の他にさらに白金族金属触媒を含有することを特徴とする積層型圧電体素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記積層型圧電体素子は、インジェクタの駆動源であるインジェクタ用圧電アクチュエータに用いられることを特徴とする積層型圧電体素子。
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