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JP2008249003A - 真空断熱パネル及びそれを備えた機器 - Google Patents

真空断熱パネル及びそれを備えた機器 Download PDF

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JP2008249003A
JP2008249003A JP2007090134A JP2007090134A JP2008249003A JP 2008249003 A JP2008249003 A JP 2008249003A JP 2007090134 A JP2007090134 A JP 2007090134A JP 2007090134 A JP2007090134 A JP 2007090134A JP 2008249003 A JP2008249003 A JP 2008249003A
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heat insulation
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glass
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Daigoro Kamoto
大五郎 嘉本
Takayuki Nakakawaji
孝行 中川路
Hisashi Echigoya
恒 越後屋
Katsumi Fukuda
克美 福田
Hisao Yokokura
久男 横倉
Toshimitsu Tsuruga
俊光 鶴賀
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Hitachi Appliances Inc
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Abstract

【課題】
断熱性能が高く、高温で使用可能な真空断熱パネルと、該断熱パネルを備えた機器を提供する。
【解決手段】
ステンレス箔などの金属箔よりなる外被材と、グラスウール無機繊維よりなりバインダを含まない芯材と、ガスを吸着するゲッター剤とよりなり、外被材が真空封止された真空断熱パネルであって、真空封止は外被材の周縁部に枠縁状に設けられたガラスよりなることを特徴とする。また、本発明は、高温発熱体と、当該真空断熱パネルとを用いた冷蔵庫,クッキングピーター等の断熱箱体を有する機器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱影響を遮断する真空断熱パネルに関する。また、高温部発熱体と真空断熱パネルとよりなる断熱箱体及びそれを用いた機器に関する。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品を含め種々の製品に対し消費電力等のエネルギー削減が望まれている。例えば、冷蔵庫の消費電力は庫内の負荷量が一定であれば、冷却用圧縮機の効率や熱漏洩量に関与する断熱材の断熱性能を向上させることにより、消費するエネルギーが削減できる。
真空断熱パネルは発泡ポリウレタン等の断熱材に比べ熱伝導率が低減できるため、冷蔵庫や冷凍庫等に多く使用されている。真空断熱パネルの構造は、芯材となるコア材,アウトガスを吸着するゲッター剤を外被材中に入れ、内部を減圧するものである。外被材としては、安価な有機フィルムをラミネート法でガスバリヤ層の全面に接着剤で接着して用いる。例えば、ガスバリヤ層として、アルミ薄箔,アルミ蒸着膜,エバールフィルム,ポリエステルフィルム等を張り合わせ、保護層にナイロンフィルムを貼り付けたものが知られている。外被材を封止するための溶着層にはポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムを用いる。
電子レンジ,加熱調理機,恒温槽,複写機,レーザープリンタ,車など、冷蔵庫よりも高温の発熱体の周辺へも真空断熱パネルの適用が望まれている。高温部への適用のための真空断熱材の耐熱性の向上には、外被材の耐熱化,接着部の耐熱化が必要となる。例えば、オーブンレンジやクッキングヒータ等に使用する断熱パネルは少なくとも250℃以上の耐熱性が必要である。
高温用の外被材として、レトルト食品用のラミネートフィルムがある。溶着層にプロピレンホモポリマー(CPP)を用いたラミネートフィルムの耐熱温度は約120℃である。更なる耐熱性向上のため、アルミラミネート薄箔を金属で溶接する方法がある。特開
2005−300005号公報(特許文献1)には、厚さが30〜100μmのステンレスシートよりなる金属容器と、金属容器の上面開口部を閉塞する金属板とを、溶接、あるいはろう付けにより密閉して結合したガスバリヤ容器を有する真空断熱パネルが記載されている。断熱パネル内には、ポリウレタンフォームを発泡充填したもの、グラスウールマットをコア材にして容器内に収納し、内部を真空排気したものを用いる。また、冷蔵庫の断熱空間に、断熱パネルを取り付けることが記載されている。
他に、特開2004−363221号公報(特許文献2)は、中空部を真空にして用いる容器またはパネルの周縁部の真空封止の方法について記載されている。周縁部の封止の際は、相対する気密面材間に封止材を狭持し、封止材の外気側に気密面材を延設して接着材溜りを形成し、該接着材溜り部の気密面材と封止材の接触部に接着材を塗布して接合一体化し、外気が真空部へ漏入するのを防止する。真空体の気密面材周縁部の接合においては、気密面材間に封止材を配し大気側または気密面材と封止材間に接着材溜りを設けて、接着材を塗布する構成を有する。
また、特開平6−169850号公報(特許文献3)は、携帯用魔法瓶,ポット,ジャー等の金属製真空二重容器について開示している。金属製の内外容器を接合して二重容器を形成し、内容器と外容器のいずれか一方に排気口を有し、排気口の近傍に軟化温度が
200〜600℃である低温溶融ガラスからなる封止材を配置し、封止材を軟化して二重容器の排気口を封止する金属製真空二重容器の製造方法が記載されている。低温溶融ガラスとしては、B23−PbO系,B23−ZnO系,PbO−B23−ZnO−SiO2 系,PbO−B23−Al23−SiO2系,PbO−B23−SiO2系,PbO−
23−BaO−SiO2系が使用される。
特開2005−300005号公報 特開2004−363221号公報 特開平6−169850号公報
外被材の金属箔は厚くなると熱伝導率が非常に高くなってしまうため、約300μmの薄箔を用いることが好ましい。しかし、薄箔で大きい断熱パネルであるほど、溶接によりクラックやピンホール等の欠陥が発生しやすくなる問題がある。現使用の大きさ(例えば200×1500mm)では、溶接接合を用いて真空断熱パネルを製造することは非常に難しい。
特許文献1に記載された断熱パネルは、金属膜を溶接で、またはろう付けで接合して容器を形成する。しかしながら、溶接による接合は、魔法瓶等の金属製二重容器のように金属厚が厚く形状が小さいものを作成することに適する。溶接では、溶接時に平行度を保つ必要があり、形状が大きいパネルを溶接で作成することが困難である。また、溶接時の有機物の除去及び溶接接合での曲げや衝撃による応力集中で金属厚が500μm以下と薄い場合にはクラックやピンホール等が発生し易くなる。たとえば、現在の冷蔵庫に適する大きさ(例えば200×1500mm)の真空パネルを金属薄箔で作成する場合には、板状の真空断熱パネルに使用する金属が薄く、且つ形状が大きい。従って、真空断熱パネルの外周を溶接接合することは難しい。また、ろう付けによる接合では、ろう付けが点状のシール状態になり易いため、250〜300℃の高温となった場合に時間の経過と共に真空度が劣化する場合があり、耐熱性の保証が困難である。従って、形状が大きく、薄い金属薄膜を用いた真空断熱パネルでは、溶接で、またはろう付けで真空容器を作成することが困難である。
特許文献2では、封止にプラスチックのシーリング材等の接着材を使用する。従って、250〜300℃の高温にするとアウトガスの発生により時間の経過と共に真空度が劣化し、断熱性能が低下するため、高温条件下での使用を目的とする真空断熱パネルを得るには問題がある。
特許文献3では、PbOを含有する鉛系のガラスが用いられている。鉛の使用は環境問題及び作業従事者の健康面から問題がある。また、筒状の断熱容器を貼り合わせで使用することは難しく、板状の真空断熱パネルが求められている。
そこで本発明の目的は、高温使用(250〜300℃)でもアウトガスの発生が少なく、作製法も容易な、高い断熱効果を有する板状の真空断熱パネルを提供することにある。
上記本願の課題を解決する本発明の特徴は、接合層としてガラスの接着材を用いた真空断熱パネルにある。本願発明の真空断熱パネルは、板状に成形された無機繊維の芯材と、ガスを吸着し、内部の真空度を保つゲッター剤と、金属箔よりなる外被材とを備え、外被材の周縁部を、上記芯材,ゲッター剤を内包した後、密閉封止する接合層を有する。密閉された外被材は、内部を減圧封止し、板状の断熱パネルとされる。
前記接合層は、溶着を行う金属箔の周縁部に額縁状に形成することが好ましい。全面に接合層を付す場合に比して、使用部材が少なくなりコストの低減を図ることができる。
また、前記接合層は、ガス透過度の低いガラス材料を用いる。特に、接合層として、熱膨張率が10ppm 以上、鉛を含まないビスマス含有の低融点ガラスを用いることが好ましい。接合層の形成は、封止用のガラスフリットを用いることが好ましい。ガラスフリットとは、ガラス材料が粉砕されたガラスフレーク,ガラス粉末等を指す。
ガラスフリットを液体と混合してペースト状とし、スクリーン印刷やロールコータ等で熱圧着等する作製法を適用し、接合層を形成できる。
金属箔はステンレス箔が好ましい。最も多く使用されるアルミ箔に比して、熱伝導率を低くすることが可能である。ステンレス箔は、熱膨張率が12ppm 以下で、フェライト系がより好ましい。厚さは、ステンレス箔は50〜500μmの箔厚がよい。本発明によれば、従来よりもやや厚い金属箔の使用が可能となる。
ラミネートフィルムはアルミ箔との組み合わせでよく使用されており、ステンレス箔についても同様にラミネート加工を付してもよい。なお、ラミネートフィルムのないステンレス箔を使用することにより、製造工程を減らし、コストの低減を図ることができる。
前記芯材は、平均繊維径が3〜5μmのグラスウールが好ましい。繊維径が大きくなると、熱伝導率が大きくなり、繊維径が小さいと取り扱いが不便になるからである。また、芯材はバインダー等の結合材を含まないものとする。バインダーよりアウトガスが発生し、熱伝導率が上がるのを避けるためである。
また、他の本発明は、上記本発明の真空断熱パネルを使用した断熱箱体にある。恒温槽,オーブンレンジ,IHクッキングヒータなどでは、特に、機器又は機器内部に250〜300℃の発熱部を有する。前記発熱部の周囲に本発明の真空断熱パネルを使用し、熱影響を遮断することにより、消費電力量を低減できる。
上記構成によれば、高温で使用可能な真空断熱パネルを実現できる。さらに、高温条件での使用後も、該真空断熱パネルの断熱特性の低下が少ない真空断熱パネルの提供が可能である。
さらに、本発明の真空断熱パネルを高温部を有する各種の製品に採用することで、消費エネルギーを低減できる。
本発明の真空断熱パネルについて、図1を参照し説明する。
図1(a)は、本発明の板状の真空断熱パネルの断面模式図を示す図である。真空断熱パネル5は、結合剤を含有しない無機繊維材の芯材3と、ゲッター剤4とを、金属製の薄箔で構成した外被材1で覆い、ガラス接合層2で周縁部を額縁状に結着し、内部を減圧して封止構造となっている。図1(b)には、金属箔よりなる外被材1に額縁状の接合層2を形成した、接合層形成部の斜視図を示す。
本発明のガラス接合層は額縁状に構成されるもので、太さは約10〜30mm程、厚み約10〜100μm程であることが好ましい。接合層のみに酸素透過度が優れるガラス接合層を形成することで、各種のガスの透過を防ぐと共に、アウトガスを抑制することができる。また、高温でも使用可能である。更に、真空断熱パネルの低コスト化が図れる。ガラス接合層と外被材との間には、接合性を高める層や外被材の強度を高める層など、予め他の目的の層を設けてもよい。
ガラス接合層としては、酸素透過度の小さいガラスを用いる。酸素透過度とはH2O ,CO2,O2ガス等の透過指標である。ガラス接合層は接合強度が優れ、アウトガスの発生が抑えられるため、高温で使用しても断熱性の劣化が少なく、耐熱性も向上する。なお、酸素透過度が低いガラスを接合層のみに使用することで、ガスの透過を防ぐことができる。また、ガラス接合層は熱伝導率の経時劣化も少ない。また、ガラス接合層として、融点が400〜500℃で、ビスマスを含有するガラス、またはリンを含有するガラスよりなるものが好ましい。
これらのガラスは、鉛を実質的に含まないため、環境への影響が少ない。融点の比較的低いガラスを用いることにより、約450℃程度の低温でも接合が可能となる。なお、ガラス接合層は、ガラスフリットを用いて形成することができる。また、本発明の接合層は、高温環境下でも接合強度が優れ、熱伝導率が経時劣化しにくい。従って、真空断熱パネルの耐久性が向上する。
ガラス接合層として、熱膨張率が10ppm 以上のガラスを用いることが好ましい。また、前記金属製の外包材として、熱膨張率が12ppm 以下の金属を使用した外包材とすることが好ましい。金属箔の熱膨張率と、ガラスの溶着層の熱膨張率とを合わせることにより、接着強度が向上する。また、高温での真空度の劣化が少ない。特に、金属製の外被材はフェライト系ステンレス箔が好ましい。フェライト系ステンレスの熱膨張率は10.8ppmで、ガラスと相性がよいので、接着性を向上させることができる。
接合層の製法は特に限定はなく、適宜塗布膜等により行うことができる。特にガラスのフリットを樹脂等でペースト状にして用いることが好ましい。ガラスペーストは、スクリーン印刷,ロールコータ等により塗布膜とすることができる。
芯材は、無機繊維材よりなり、平均繊維径が3〜5μmのグラスウールが好ましい。グラスウールの平均繊維径により熱伝導率やコストが大きく異なる。上記の繊維径のものは熱流路がジグザクとなり、接触抵抗以外でも熱抵抗を増大させ熱伝導率を低くさせることができる。平均繊維径が大きいグラスウールはコストが安価で好ましい。また、芯材の厚みを出しやすく扱いが容易である。また、平均繊維径が小さいグラスウールは、繊維が同一方向に配列しにくく、接触熱抵抗が大きいため熱伝導率が低く好ましい。繊維径がこの範囲に含まれる芯材を用いることにより、コストを抑えながら熱伝導率を低くでき、高温で使用しても熱伝導率の経時劣化が少ない。無機繊維材は、結合材を含まないものが好ましい。結合材よりアウトガスが生じるものは、熱伝導率維持のためにゲッター剤を多くする必要があるためである。
ゲッター剤は内部のガスを吸着し熱伝導率を低く保つはたらきを有し、芯材と共に外被材中に封止する必要がある。ゲッター剤を備えることにより、断熱効果を高めるとともに真空断熱パネルの信頼性を高める。ゲッター剤としては、必要に応じてドーソナイト,ハイドロタルサイト,金属水酸化物のガス吸着剤等、又はモレキュラーシーブス,シリカゲル,酸化カルシウム,ゼオライト,活性炭,水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウム等の水分吸着剤等のいずれか、またはこれらの混合物を使用する。
金属製の外被材が厚いと、突き刺し切り裂きに対する高強度化や、コストの低減を図ることができる。外被材は、特にステンレスが好ましい。熱伝導率,強度,取扱い性を鑑み、ステンレスの厚みは50〜500μmがよい。
金属製の外被材としては、単層、または複数層の金属箔を用いる。ステンレスの他には、鉄,ニッケル,スズ,チタン,炭素鋼等を使用できる。これらの金属は、金属を伝わって流れ込む熱量が少ないという特徴があり、上記ステンレスと併用してもよい。また、アルミニウム,コバルト,ニッケル,亜鉛等の金属蒸着膜を併用してもよい。本発明の真空断熱パネルでは、従来よりもやや厚い金属箔でも使用することができる。
図2(a)は、従来例の真空断熱パネルの構造を示し、図2(b)はその溶着部を拡大した真空断熱パネルの断面模式図である。図2(a)は、無機繊維の芯材3とゲッター剤4を外被材7で覆い、溶着部9で外被材を接着して内部を減圧封止する構成の真空断熱パネルである。外被材は、ポリエチレンテレフタレートフィルム8−1,ナイロンフィルム8−2,アルミ箔8−3のラミネート層よりなる。
本発明の構成によれば、従来の外被材のように高価格の耐熱フィルムを全面にラミネートすることがないため、価格の低減が可能である。
また、本発明の接合では、金属溶接のように薄膜化が問題となることや、真空断熱パネルの大きさが問題となることがない。つまり、溶接時の平行度を保つ必要性が少なくなる。さらに、溶接時の曲げや衝撃で応力が集中し、金属箔のクラックやピンホールの発生が少なくなるので、真空断熱パネルの作製が容易になる。
本発明の真空断熱パネルは、家電品等、断熱が必要な部位に適宜使用できる。特に、オーブン,レンジ,クッキングヒータ,給湯器等の高温部を保温する必要があるもの、また、高温部と低温部を分離する必要のあるものに好適に採用可能である。例として、家電品としては、冷蔵庫,エアコン室外機等、その他鉄道等の車両や医療用検査機器,恒温容器等が挙げられる。なお、本発明は高温の250〜300℃のものに限らず、250℃以下の通常の加熱条件で使用しても耐久性に優れ、断熱を維持できるので好ましい。
次に、本発明の真空断熱パネルを挿入した機器について、図面を参照して説明する。本発明の前記被保温部の温度状態を保つ断熱箱体は、250〜300℃で加熱される被保温部と、被保温部の周囲に設けられ、被保温部を被い温度状態を保つための断熱部材とを有する断熱箱体であって、前記断熱部材が上述の真空断熱パネルであることを特徴とする。被保温部が高温となり、高温条件下で使用される真空断熱パネルであっても断熱特性の低下が少なく、被保温部の消費エネルギーが小さくなる効果を奏する。上記の断熱箱体の適用例としては、恒温槽,オーブンレンジ,IHクッキングヒータがある。上記本発明の構成とすることにより、消費電力量の少ない省エネ機器を提供できる。
図3は、真空断熱パネル5を用いた恒温槽の断面模式図である。恒温槽の扉10と庫内スペース12の周辺に真空断熱パネルを使用した例である。恒温槽は、本体部と扉部分とより構成される庫内を発熱体により所定の温度に保つ装置である。図3に記載された例では、庫内を適宜仕切る仕切り板を有しており、扉と本体部分とに真空断熱パネルが内蔵されている。真空断熱パネルで外気と庫内スペースとを断熱することにより、発熱体の負荷を低減することができる。
図4は、オーブンレンジの断面模式図である。オーブンレンジの扉14と庫内スペース13を形成する本体部に、本発明の真空断熱パネル5を使用した例である。オーブンレンジは、本体部と扉部分とより構成される庫内に食品等を入れ、加熱調理する装置である。図4に記載された例では、本体部を構成する箱体中及び扉の一部に、本発明の真空断熱パネル5を使用した例である。真空断熱パネルで外気と庫内スペースとを断熱することにより、発熱体の負荷低減と、調理時間の短縮が可能であり、消費電力を低減することができる。加熱調理中、扉から内部を視認する必要の無い場合については、扉全体に本発明の真空断熱パネルを配置することが可能であり、さらに断熱性を向上させることができる。
図5はIHクッキングヒータの断面模式図を示す。IHクッキングヒータのグリル周辺部に、本発明の真空断熱パネル5を使用した例である。IHクッキングヒータは電磁誘導を利用して加熱するものであり、インダクションヒータ16に電流を流すことで磁力線中が発生し、この磁力線中に鍋などの調理器具を置くことで発生するうず電流が、鍋に流れる際の電気抵抗による発熱を用いて調理を行う装置である。また、グリル内に設置したヒータに電流を流すことで過熱し、食品等を調理する装置である。図5に記載された例では、グリル周辺部に本発明の真空断熱パネル5を使用した例である。グリル周辺部を断熱することにより、ヒータの負荷を低減することができる。また、グリル脇に配置された制御回路は熱により破損する恐れがあることから、従来はグリルから十分に空間を設け、配置しなければならずグリル内の容量には制限があった。本発明では、真空断熱パネルを配置することにより、従来と比較して小さな空間で断熱することが可能となり、グリル内の容量を大きくすることができる。
以下、実施例により本発明の真空断熱パネルをさらに詳細に説明する。
板状の真空断熱パネルの作製は、以下の工程により行った。
まず、金属箔の外被材に2枚のフェライト系のステンレス箔(鋼種:SUS430)
(大きさ:500mm×500mm,板厚:0.05mm ,熱膨張率:10.4ppm)を用い、一方をそのままの金属箔板として、他方を絞り加工して皿状に形成したケースとして用いた。
その後、ステンレス箔板側の周縁部にビスマス系のガラス(熱膨張率:10.1ppm)のフリットに有機物等を混合してペーストとし、スクリーン印刷法により幅10mm,厚さ
50μmを塗布した。その後、恒温槽で120℃で乾燥させ、電気炉を用いて350℃でペースト内の有機物を除去した。ビスマス系のガラスは、Bi23,B23,ZnO,
SiO2 等を主成分とするガラスで、前記成分の比率により熱膨張率,融点を調整したガラスを用いた。
皿状に形成したステンレス箔のケース内に平均繊維径3μmのグラスウールよりなる芯材(サイズ:400mm×400mm×20mm)を入れ、上記のステンレス箔板を上から乗せ、併せて真空チャンバーに入れてチャンバーの内部圧力が1.3Pa になるまで排気した。排気後、チャンバー内に設けられた加圧機構で上部のステンレス箔板を押し、下部のステンレス箔皿ケースと密着させ、同時にガラスフリットが塗布された部分を500℃で1時間加熱した。加熱はヒータを用いて昇温速度10℃/分で行った。その後、1℃/分で300℃まで冷却し、その後は自然冷却した。
このようにして得られた真空断熱パネル(厚み:約8mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて20℃で測定した。その結果、熱伝導率は、6.0mW/m・Kを示した。さらに、作製した板状の真空断熱パネルを300℃の恒温槽中に30日間放置した後、再度熱伝導率を測定したところ、6.3mW/m・Kを示した。また、ステンレス箔とガラスの接合部については、両者の熱膨張率を合せたことで、非常に強固に接合されており実用上問題ない状態であった。
このことから、本発明の真空断熱パネルは、300℃と非常に高い温度においても、その熱伝導率は劣化することなく保たれ、高温の部分を有する各種機器へ適用することで熱漏洩を低減することができ、結果として省エネ化が期待できる。
実施例1のステンレス箔の厚さを板厚0.1mm とし、グラスウールの平均繊維径を5
μmに変えて、同様に真空断熱パネルを作成した。得られた真空断熱パネルの厚みは約8mmであった。熱伝導率を測定した結果、6.5mW/m・K を示した。さらに、250℃の恒温槽中に30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は6.9mW/m・K を示した。ステンレス箔とガラスの接合部にも実用上問題ない状態であった。
実施例1のステンレス箔を鋼種SUS405のフェライト系のステンレス箔に変えて同様に真空断熱パネルを作成した。使用したフェライト系ステンレス箔は、板厚0.2mm,熱膨張率10.8ppmである。また、グラスウールの平均繊維径を4μmとし、芯材のサイズを400mm×400mm×25mmとした。得られた真空断熱パネルの厚みは約10mmであった。熱伝導率を測定した結果、6.4mW/m・K を示した。さらに、250℃の恒温槽中に30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は6.8mW/m・K を示した。ステンレス箔とガラスの接合部にも実用上問題ない状態であった。
実施例1のステンレス箔を鋼種SUS405のフェライト系のステンレス箔に変えて同様に真空断熱パネルを作成した。使用したステンレス箔は、板厚:0.5mm,熱膨張率:10.8ppmである。また、グラスウールの平均繊維径を3μmとし、芯材のサイズを400
mm×400mm×15mmとした。得られた真空断熱パネルの厚みは約6mmであった。熱伝導率を測定した結果、6.2mW/m・K であった。さらに、300℃の恒温槽中に30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は6.5mW/m・K を示した。ステンレス箔とガラスフリットの接合部にも実用上問題ない状態であった。
実施例1のフェライト系のステンレス箔を板厚:0.3mm のフェライト系のステンレス箔に変えて同様に真空断熱パネルを作成した。ガラス接着層としては、P25,SnO,ZnOを主成分とするリン系ガラス(熱膨張率:10.9ppm)を用いた。また、グラスウールの平均繊維径を3μmとし、芯材のサイズをサイズ:400mm×400mm×18mmとした。得られた真空断熱パネルの厚みは約6mmであった。熱伝導率を測定した結果、6.4mW/m・Kであった。さらに、300℃の恒温槽中に30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は6.9mW/m・K を示した。ステンレス箔とガラスフリットの接合部にも実用上問題ない状態であった。
実施例1のフェライト系のステンレス箔をオーステナイト系のステンレス箔(鋼種:
SUS304)に変えて同様に真空断熱パネルを作成した。使用したステンレス箔は、板厚:0.05mm,熱膨張率:17.3ppmである。接着層としては、熱膨張率:8.5ppm のガラスのフリットのペーストを使用した。また、グラスウールの平均繊維径を3μmとし、芯材のサイズを400mm×400mm×25mmとした。得られた真空断熱パネルの厚みは約10mmであった。熱伝導率を測定した結果、7.2mW/m・Kを示した。
さらに、300℃の恒温槽中で30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は9.8mW/m・Kを示した。
本実施例の真空断熱パネルは、実施例1〜5と同様に接着層からのアウトガスの発生が少なく、作製法も容易で好ましいが、耐熱試験後は、断熱性は得られたものの熱伝導率が劣化していた。
本実施例の真空断熱パネルは従来例と比較して高い耐熱性を示すものの、ステンレス箔とガラスフリットの接合部の強度が弱く、取扱いには注意を要する状態であった。両者の熱膨張係数が合っていないことからこのような結果となったと思われる。
実施例1のフェライト系のステンレス箔をオーステナイト系のステンレス箔(鋼種:
SUS304)に変えて同様に真空断熱パネルを作成した。使用したステンレス箔は、板厚:0.3mm,熱膨張率:17.3ppmである。接着層としては、熱膨張率:10.5ppm のガラスのフリットのペーストを使用した。また、グラスウールの平均繊維径を6μmとし、芯材のサイズを400mm×400mm×25mmとした。得られた真空断熱パネルの厚みは約10mmであった。熱伝導率を測定した結果、9.1mW/m・K を示した。さらに、
300℃の恒温槽中で30日間放置した結果、試験後の熱伝導率は11.5mW/m・K を示した。本実施例の真空断熱パネルは、実施例1〜5と同様に接着層からのアウトガスの発生が少なく、作製法も容易で好ましいが、耐熱試験後は、断熱性は得られたもの熱伝導率が劣化していた。
このことから、本実施例の真空断熱パネルは従来例と比較して高い耐熱性を示すが、ステンレス箔とガラスフリットの接合部の強度が弱く、取扱いには注意を要する状態であった。両者の熱膨張係数が合っていないことからこのような結果となったと思われる。
〔比較例1〕
比較例は、有機フィルム積層体を外被材とし、ポリプロピレンホモポリマーを溶着層として、真空断熱パネルを作成した例である。
芯材として平均繊維径が3μmのグラスウールを用い、180℃で1時間加熱し、水分を除去した。
外被材に芯材のグラスウールとガス吸着用のゲッター剤を詰めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分排気させて、真空断熱パネルの内部圧力を1.3Paとし、端部をヒートシールで封止した。得られた真空断熱パネル(厚み:約8mm)の熱伝導率について、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて20℃で測定した結果、初期熱伝導率が4.9mW/m・K であった。300℃で30日間放置したところ、溶着部が破壊され、熱伝導率の測定は困難であった。従って、ポリプロピレンホモポリマーを溶着層とした場合は、初期熱伝導率は小さいものの、耐熱性が150℃程度と非常に低く、真空断熱パネルを高温条件下で使用することは困難である。
表1に、上記実施例及び比較例より得られた結果を表1に示す。
Figure 2008249003
本発明によれば、金属箔を外被材として用い、接合部にガラス接合層を用いた構成とすることにより、優れた熱伝導率特性を有する板状の高温条件に対応可能な真空断熱パネルを提供できる。また、熱伝導率特性の経時劣化を抑え、突き刺し・切り裂き性の高強度化,コストの低減を図ることができる。
さらに、この真空断熱パネルを備えることにより、恒温槽,オーブンレンジやIHクッキングヒータを消費電力量の少ない機器とすることができる。
本発明の真空断熱パネルの断面模式図。 従来の真空断熱パネルの断面模式図。 本発明の真空断熱パネルを備えた恒温槽。 本発明の真空断熱パネルを備えたオーブンレンジ。 本発明真空断熱パネルを備えたIHクッキングヒータ。
符号の説明
1 金属製外包材
2 接合層
3 無機繊維
4 ゲッター剤
5 本発明の真空断熱パネル
6 従来の真空断熱パネル
7 外被材
8−1 ポリエチレンテレフタレートフィルム
8−2 ナイロンフィルム
8−3 アルミ箔
9 溶着部
10 恒温槽扉
11 仕切り板
12 恒温槽庫内スペース
13 レンジ内スペース
14 レンジ扉
15 トッププレート
16 インダクションヒータ
17 グリル扉
18 グリルガラス
19 グリルハンドル
20 制御回路
21,22,23 発熱体

Claims (11)

  1. 無機繊維の芯材と、ゲッター剤と、前記芯材およびゲッター剤を覆う金属箔よりなる外被材と、前記外被材の周縁部を密閉封止する接合層を有し、前記外被材の内部を減圧した真空断熱パネルであって、前記接合層は前記外被材に額縁状に形成されたガラスであることを特徴とする真空断熱パネル。
  2. 請求項1に記載された真空断熱パネルであって、前記接合層はガラスの熱膨張率が10ppm 以上であることを特徴とする真空断熱パネル。
  3. 請求項1に記載された真空断熱パネルであって、前記接合層は融点が400〜500℃で、鉛を実質的に含まないビスマスを含有するガラスであることを特徴とする真空断熱パネル。
  4. 請求項1に記載された真空断熱パネルであって、前記外被材は、熱膨張率が12ppm 以下の金属よりなることを特徴とする真空断熱パネル。
  5. 請求項1に記載された真空断熱パネルであって、前記金属製外包材はフェライト系ステンレス箔であることを特徴とする真空断熱パネル。
  6. 請求項1に記載された真空断熱パネルであって、前記芯材は平均繊維径が3〜5μmのグラスウールであることを特徴とする真空断熱パネル。
  7. 250〜300℃を発生する被保温部と、前記被保温部の周囲に設けられた断熱部材とを有する断熱箱体であって、
    前記断熱部材は、無機繊維の芯材と、ゲッター剤と、前記芯材およびゲッター剤を覆う金属箔よりなる外被材と、前記外被材の周縁部を密閉封止する接合層を有し、前記外被材の内部を減圧した真空断熱パネルよりなり、前記接合層は前記外被材に額縁状に形成されたガラスであることを特徴とする断熱箱体。
  8. 請求項7に記載された断熱箱体であって、前記接合層は熱膨張率が10ppm 以上のガラスであり、前記外被材は熱膨張率が12ppm 以下のステンレス箔であることを特徴とする断熱箱体。
  9. 発熱体と、前記発熱体により所定の温度に保たれる空間を構成する本体部と、前記本体部に取り付けられる扉部と、前記空間内を適宜仕切る仕切り板とを有する恒温槽であって、少なくとも前記扉部と、前記本体部とに真空断熱パネルが内蔵されており、前記真空断熱パネルは、無機繊維の芯材と、ゲッター剤と、前記芯材およびゲッター剤を覆う金属箔よりなる外被材と、前記外被材の周縁部を密閉封止する接合層を有し、前記外被材の内部が減圧されており、前記接合層は前記外被材に額縁状に形成されたガラスであることを特徴とする恒温槽。
  10. 発熱体と、前記発熱体により所定の温度に加温される空間を構成する本体部と、前記本体部に取り付けられる扉部とを有し、前記空間内に収納される食品を加熱調理するオーブンレンジであって、前記扉部の少なくとも一部と、前記本体部の少なくとも一部とに真空断熱パネルが内蔵されており、前記真空断熱パネルは、無機繊維の芯材と、ゲッター剤と、前記芯材およびゲッター剤を覆う金属箔よりなる外被材と、前記外被材の周縁部を密閉封止する接合層を有し、前記外被材の内部が減圧されており、前記接合層は前記外被材に額縁状に形成されたガラスであることを特徴とするオーブンレンジ。
  11. 電磁誘導を利用して調理器具を加熱するインダクションヒータ部と、前記インダクションヒータを制御する制御回路部と、発熱体を有するグリル部とを有するIHクッキングヒータであって、
    前記グリル部と前記制御部との間に真空断熱パネルが配置されており、前記真空断熱パネルは、無機繊維の芯材と、ゲッター剤と、前記芯材およびゲッター剤を覆う金属箔よりなる外被材と、前記外被材の周縁部を密閉封止する接合層を有し、前記外被材の内部が減圧されており、前記接合層は前記外被材に額縁状に形成されたガラスであることを特徴とするIHクッキングヒータ。
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