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JP2008110509A - ラミネート用積層フィルム - Google Patents

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JP2008110509A JP2006293817A JP2006293817A JP2008110509A JP 2008110509 A JP2008110509 A JP 2008110509A JP 2006293817 A JP2006293817 A JP 2006293817A JP 2006293817 A JP2006293817 A JP 2006293817A JP 2008110509 A JP2008110509 A JP 2008110509A
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Abstract

【課題】成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるラミネート用積層フィルムの提供。
【解決手段】保護層(A)と中間層(B)と接合層(C)とから構成されるTダイ多層共押出法にて製造したラミネート用積層フィルムであって、保護層(A)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体からなり、中間層(B)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂からなり、さらに、接合層(C)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなることを特徴とするラミネート用積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材を被覆して保護するラミネート用積層フィルムに関し、更に詳しくは、成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるラミネート用積層フィルムに関する。
近年、雑誌、ラベル、広告等の印刷面には、積層フィルムによって被覆し、光沢を与えると共に、印刷面を保護する方法が広く採用されている(特許文献1、特許文献2)。
このような印刷面等を保護する熱可塑性樹脂は、透明性に優れ、擦過傷が付き難く長期に亘って優れた光沢性を保持することが必要であり、また、同時に、紙等の基材との接合性が重要であり、基材との間に接合不良個所が発生すると、ボケと称される局部的な透視不良個所が発生し、鮮明さが損なわれ、印刷面の美麗さが損なわれる問題がある。
このため、かかるラミネート用積層フィルムとしては、保護性に優れた基層と、基層を接着するための接合層を積層した複合フィルムが使用されているが、基層としては、擦過傷が付き難く保護性に優れた積層を選択する必要があり、また、接合層としては、融点が低く融着性に優れた熱可塑性樹脂が選択される必要がある。また、基層と接合層は親和性のよいことも必要であり、さらに、生産性を上げるために、これらの積層フィルムは成形性に優れていることが重要となる。
一般に、保護層として、延伸ポリプロピレン(OPP)が広く使用されている。ポリプロピレンは、二軸方向に延伸させることで光沢性、透明性あるいは機械的強度が向上することから、延伸したフィルムを基層とし、その基層の上に接合層となる熱可塑性樹脂を押出して押出ラミネートする方法が採用されている。
しかしながら、かかる方法は、工程数が多いので生産効率が低下するという問題点がある。また押出ラミネートを行う際には、両側縁に不揃い部分が生じやすく、また縁部の肉厚が大きくなるので、これを切除する操作も必要となり、材料の歩留まりが低下する等の問題もある。
また、延伸操作あるいは接合層の積層操作を行うためには、操作上、基層は一定以上の腰を有することが必要となる。そのため、肉厚を大きくすることが必要となり、その結果、でき上がった積層フィルムは厚いものとなり、コストアップになると共に、ロール巻きする際、巻き長さを長くすることができないという問題が生じる。
生産性を高くしてコストを低減するためには、保護層を構成する熱可塑性樹脂と接合層を構成する熱可塑性樹脂とを、共押出しによって、一段で積層することが望ましい。
しかしながら、従来の樹脂構成では、印刷物へのラミネートをすると曇りが発生して透明性が悪化したり、ラミネート時のロールとの離型性が悪く剥がれを生じたりする等の問題が生じ、光沢性、透明性あるいは機械的強度を全て満足させるラミネート用の積層フィルムが得られなかった。
こうした状況下に、Tダイ多層共押出法による成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるラミネート用積層フィルムの出現が熱望されていた。
特開2002−192659 特開2004−237488
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるラミネート用積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、基材とのラミネート時の圧着加工と光沢性や接着性との関係、及びTダイ共押出の一工程で多層フィルムを製造するに際しての積層性について鋭意検討を重ねた結果、保護層(A)と中間層(B)と接合層(C)とから構成されるTダイ多層共押出法にて製造したラミネート用積層フィルムにおいて、保護層(A)、中間層(B)および接合層(C)に、それぞれ特定の樹脂を用いると、成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるラミネート用積層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、保護層(A)と中間層(B)と接合層(C)とから構成されるTダイ多層共押出法にて製造したラミネート用積層フィルムであって、保護層(A)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体からなり、中間層(B)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂からなり、さらに、接合層(C)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなることを特徴とするラミネート用積層フィルムが提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、保護層(A)のプロピレン系重合体は、融点が140〜155℃であることを特徴とするラミネート用積層フィルムが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、保護層(A)は、プロピレン系重合体100重量部に対して、核剤を0.01〜5重量部含有する組成物から形成されることを特徴とするラミネート用積層フィルムが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、中間層(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体は、融点が120〜135℃であることを特徴とするラミネート用積層フィルムが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、接合層(C)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.882〜0.922、MFR(190℃、21.18N荷重)が3〜18g/10分であることを特徴とするラミネート用樹脂フィルムが提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記シングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒であることを特徴とするラミネート用樹脂フィルムが提供される。
本発明のラミネート用積層フィルムは、透明性に優れ、紙等の基材との接合性がよく、美的感覚を阻害することなく基材を保護することができる。また、ラミネート用積層フィルムは、成形性に優れた熱可塑性樹脂構成とされているから、Tダイ多層共押出法にて、一段で能率よく成形することができる。こうした利点から、本発明のラミネート用積層フィルムは、幅広い分野で工業的に有益である。
本発明のラミネート用積層フィルムは、保護層(A)と、中間層(B)と、接合層(C)とから構成される、Tダイ多層共押出法にて製造したラミネート用積層フィルムであって、保護層(A)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体からなり、中間層(B)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂からなり、さらに、接合層(C)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなることを特徴とする。以下詳細に、各層を構成する樹脂、積層フィルム、成形法等について項目ごと説明する。
[1]基材
本発明のラミネート用積層フィルムが添着されて保護される基材としては、特に制約はなく、例えば、紙、布帛、プラスチック、金属等に使用することができ、商品としては、雑誌、単行本等の表紙、ラベル、ポスター、包装箱、その他機器類に貼付して、その表面を保護することができる。中でも、印刷が施された紙、プラスチック等のシート類における印刷面の保護として好適である。
[2]保護層(A)(シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体)
本発明のラミネート用積層フィルムの保護層(A)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体で構成される。
ラミネート時の圧着加工の温度は、高くすると、光沢性が良くなり、また基材との接着性も向上するが、保護層(A)にチーグラー触媒によるポリプロピレンを使用する場合、組成分布が広く融解ピーク温度Tmもブロードであるため、高温で加工しようとしても低融点成分が早く低温で融解して圧着加工温度を上げることができず、そのため、プリントラミネート表面に圧着痕ができて光沢性が低下してしまう。一方、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体は、チーグラー触媒によるポリプロピレンとは違って、組成分布がシャープで低融点成分が少なくTm近傍の温度まで圧着加工温度を上げることができるので、光沢性並びに接着強度も向上することが出来る。後記するように、特にその融点Tmが140℃〜155℃であるものが光沢性を上げることができる。
(1)モノマー構成
本発明に使用されるプロピレン系重合体としては、ホモプロピレンであっても、または、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとα−オレフィンのランダム共重合体、あるいはブロック共重合体であってもよい。
共重合体の場合のコモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体の場合、α−オレフィンの単位の量は、通常は0.5〜12重量%、好ましくは1〜10重量%である。α−オレフィン単位が多い場合、フィルムの剛性が低下し、傷が付きやすくなり、少なすぎる場合は、しなやかさ、透明性が損なわれやすい。プロピレン単位及びα−オレフィン単位は、13C−NMR法によって計測することができる。
(2)重合触媒及び重合法
(イ)重合触媒
本発明に使用されるプロピレン系重合体は、シングルサイト触媒によって得られる。シングルサイト触媒とは、実質的に、均質な重合活性点によって構成された触媒を指称し、具体的には、メタロセン系遷移金属化合物(いわゆるカミンスキー触媒)、あるいは、非メタロセン系遷移金属化合物(ブルックハルト系触媒、フェノキシイミン系錯体等)と、助触媒(メチルアルミノキサンや硼素化合物等)から構成される重合触媒を用いることができる。
最も好ましいシングルサイト触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒を挙げることができる。
メタロセン触媒は、(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆる「メタロセン化合物」)と、(ロ)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化し得る助触媒と、必要により添加される(ハ)有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。
具体的には、アルキレンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいはその置換体、例えばメチレンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−アルキルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−(4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニル−4Hアズレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(フルオレニル)t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。また、ジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用でき、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、イソブチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることができる。
(ロ)助触媒
メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物(たとえば、アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素含有化合物、イオン性化合物、フッ素含有有機化合物等が挙げられる。
(ハ)任意成分
必要により添加される有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
(ニ)重合法
重合法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
(3)樹脂特性
本発明で保護層(A)に用いるシングルサイト触媒を用いたプロピレン系重合体は、その融点が140℃〜155℃であるものが好ましい。ここでいう融点とは、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)をいい、さらには142℃〜155℃が好ましい。Tmが上記範囲未満の場合には剛性が低下しやすく、好適な耐熱性が得られにくく、また、上記範囲を超える場合には光沢性が損なわれる傾向がある。
また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、2.2〜3.2が好ましく、さらには2.5〜3.0である。Mw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行う。
さらにまた、プロピレン系重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜25g/10分が好ましく、さらに好ましくは2〜20g/10分である。MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で保護層(A)に用いるシングルサイト触媒を用いたプロピレン系重合体としては、特に、シングルサイト触媒によるプロピレン・α−オレフィン共重合体が、Tダイでの共押し成形性や、ラミネート時のロールとの離型性の面で優れ、かつ結晶化スピードが早いのでロールによる急冷に追従でき、そのため曇りが発生しにくく、また表面の平滑性が優れる等の優れた点から、特に好ましい。
シングルサイト触媒を用いたプロピレン系重合体は、市販されているものの中から適宜選択して使用することもできる。市販品としては、日本ポリプロ株式会社の商品名「ウィンテック」(プロピレン−エチレンランダム共重合体)等が挙げられる。
また、プロピレン系重合体には、核剤を添加するのが好ましい。核剤としては、ジベンジリデンソルビトール誘導体、有機リン酸金属塩、有機カルボン酸金属塩、高密度ポリエチレン等が例として挙げられ、核剤を配合することによって透明性を一段と向上することができる。その際、添加量は、プロピレン系重合体100重量部に対して、核剤を0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度とするのが望ましい。
本発明のプロピレン系重合体には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、チーグラー触媒によるポリプロピレン系樹脂を、50重量%未満を上限に配合してもよく、また他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
添加剤の配合は、樹脂組成物を調製する任意の段階で必要に応じて配合される。溶融混練は、例えば粉末状、ペレット状等の形状の各成分を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用して行なわれる。混練温度は、一般に180〜270℃である。
[3]中間層(B)(シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂)
本発明の中間層(B)は、積層フィルムに良好な成形性を付与する機能を賦与するとともに、保護層(A)と接合層(C)との接着性向上を果たすものであり、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂を使用する。
中間層(B)としては、共押出の一工程での積層フィルム製造を考える場合、耐熱性の点から通常はチーグラー触媒によるポリプロピレンホモポリマーを用いることが考えられるが、接合層(C)を基材との接着性に優れたシングルサイト触媒のエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる層構成とする場合には、このシングルサイト触媒のエチレン・α−オレフィン共重合体はチーグラー触媒のポリプロピレンホモポリマーとは接着性が極めて悪く積層フィルムとして成り立たない。このことから、中間層(B)としては、保護層(A)と接合層(C)との接着性を付与するために、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂が用いられる。
シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体としては、融点Tmが高すぎると、接合層(C)のシングルサイト触媒のエチレン・α−オレフィン共重合体との接着性が悪くなりやすく、中間層(B)に使用するプロピレン・α−オレフィン共重合体は、保護層(A)で使用されるプロピレン系重合体より融点Tmが低いものが好ましい。
シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−、オクテン−1等の炭素数3〜12程度のものであり、共重合量は、通常0.5〜12重量%、好ましくは1〜10重量%である。
かかる共重合体は、前記保護層(A)のシングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体で詳述したうちの共重合体が該当するものであるが、前述したように、そのなかでも融点が120℃〜135℃であるものが好ましい。
シングルサイト触媒を用いたプロピレン系系共重合体は、市販されているものの中から適宜選択して使用することもできる。市販品としては、日本ポリプロ株式会社の商品名「ウィンテック」(プロピレン−エチレンランダム共重合体)等が挙げられる。
さらに、本発明の中間層(B)は、過半量とならない範囲において他の熱可塑性樹脂を添加することができ、例えば、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンを50%以下、好ましくは30%以下の範囲において接合層(C)の項で述べるエチレン・α−オレフィン共重合体を添加することができるが、本発明の積層フィルムの再生材を配合するのが好ましい態様として挙げられる。
[4]接合層(C)(シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体)
本発明のラミネート用積層フィルムの接合層(C)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体は、低温でかつ高い接着強度を得るために、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
シングルサイト触媒は、前述の通りであるが、メタロセン触媒として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいは、その置換体等の非架橋型メタロセン触媒を使用することもできる。
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を挙げることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%である。α−オレフィンの含有量が少ない場合、フィルムの衝撃強度、及び、低温ヒートシール性が得られにくく、多すぎる場合は、耐ブロッキング性が損なわれ易い。α−オレフィン含有量は、13C−NMR法によって計測される。
エチレン・α−オレフィン共重合体を得るためのシングルサイト触媒、及び、該触媒を用いた重合は、前記保護層(A)のプロピレン・α−オレフィン共重合体の項で述べたと同様の方法によって行うことができる。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、好ましくは、0.882〜0.922g/cmであり、さらに好ましくは0.890〜0.905g/cmである。密度が0.870g/cm未満ではフィルムにベタツキが発生しやすく、0.910g/cmを超えると紙基材等への接着強度等の接着適性が悪くなる傾向があるため好ましくない。なお、密度は、JIS−K6922−2:1997付属書の低密度ポリエチレンの場合に準拠して測定する(23℃)。
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、好ましくは0.1〜20g/10分であり、さらに好ましくは0.5〜10g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では樹脂圧力が高く成形性が不良になりやすく、20g/10分を超えるとフィルムの偏肉精度が不良になりやすい。なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)は、8.0以下が好ましく、より好ましくは5.0以下である。Mz/Mnが8.0を超えると透明性が悪化しやすい。
シングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体は、市販されているものの中から適宜選択して使用することもできる。市販品としては、日本ポリエチレン株式会社の商品名「カーネル」や「ハーモレックス」、デュポンダウ社製の商品名「アフィニティー」等が挙げられる。
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を構成する樹脂成分には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、高圧法低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを、20重量%を上限として配合してもよく、また付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
[5]ラミネート用積層フィルムの成形
本発明のラミネート用積層フィルムは、複数の押出機及びTダイ多層共押出を用いてTダイ成形される。
本発明におけるTダイ成形による積層フィルムは、保護層(A)を構成するプロピレン系重合体と、接合層(C)を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体を、中間層(B)を構成するプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂を介し、Tダイ多層共押出付きの複数押出機により溶融させて押出し、ブロアーなどから供給される空気でキャスティングロールに吹き付ける等にて冷却固化させた後、引取機にて引き取る方法によって得ることができる。
本発明の積層フィルムにおいて、保護層(A)、中間層(B)、および接合層(C)の肉厚比は、保護層(A):中間層(B):接合層(C)=5〜15:5〜15:5〜15が好ましく、さらに好ましくは10〜15:5〜10:5〜10の範囲とするのがよい。
この成形方法で使用できる押出機、キャスティング装置、及びフィルムの引取機などは、一般に使用されているものを使用することができる。
本発明における積層フィルムを成形する条件としては、本発明で特定する特性が得られる限り特に限定しないが、成形温度は170〜250℃、好ましくは170〜200℃、成形速度は50〜200m/分、好ましくは60〜150m/分が好適である。
以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における圧着加工性、プリントラミネート製品の特性評価方法および実施例で使用した樹脂は、以下の通りである。
(1)圧着加工性
得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙とをロール温度が130℃、線圧が55.6kg、速度が30m/分の圧着機で熱圧着した時の積層フィルムの圧着ロールへのとられを下記基準で評価した。
評価 ◎ : なし
○ : ごくわずかあり
△ : 少しあり
× : かなりあり
(2)プリントラミネート製品の特性
1)光沢度およびツブレ性
得られたプリントラミネート製品の印刷部の光沢度(20度)を、スガ試験機社製のUGV−5DP(商品名)で測定した値を示し、また、ツブレ性(印刷紙と積層樹脂との密着性)は、外観のツブレ状態を目視で観察し、下記の評価基準で評価した。
外観のツブレ状態
評価 ○: 残存空気が全く無く、印刷色が鮮明
△: 印刷色上に空気がスジ状や斑点として残存
×: 印刷色上に空気が帯状に残存し、印刷色が不鮮明
2)プリントラミネート強度
プリントラミネート製品を、幅25mm、長さ100mmの試験片に切断し、長さ方向50mmを手で剥離した後、島津製作所引張試験機で180度方向に300mm/分の引張速度で剥離した引張強度の値を以下の基準で評価した。
評価 ◎ : 8.1N/25mm以上
○ : 6.1〜8N/25mm
△ : 4.1〜6N/25mm
× : 4N/25mm以下
(3)使用樹脂・成形機
1)樹脂
・WXK1275:日本ポリプロ社製商品名ウィンテック(シングルサイト触媒によるプロピレン・α−オレフィン共重合体)
MFR=1.5g/10分,密度=0.90,融点=153℃
・WFW4:同日本ポリプロ社製商品名ウィンテック
MFR=7g/10分,密度=0.90,融点=135℃
・WMB3:同日本ポリプロ社製商品名ウィンテック
MFR=8g/10分,密度=0.90,融点=142℃
・WFX4:同日本ポリプロ社製商品名ウィンテック
MFR=7g/10分,密度=0.90,融点=125℃
・MA3U:日本ポリプロ社製商品名ノバッテクPP(チーグラー触媒によるポリプロピレン)
MFR=15g/10分,密度=0.90,融点=163℃
・FX4E:同日本ポリプロ社製商品名ノバッテクPP
MFR=5.3,密度=0.90,融点=132℃
・KF360T:日本ポリエチレン社製商品名カーネル(シングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体)
MFR=3.5g/10分,密度=0.898
・KS340T:同日本ポリエチレン社製商品名カーネル
MFR=3.5g/10分,密度=0.880
・KC650T:同日本ポリエチレン社製商品名カーネル
MFR=20g/10分,密度=0.888
・LV570:日本ポリエチレン社製商品名ノバテック(エチレン・酢酸ビニル共重合体)
MFR=15g/10分、酢酸ビニル(VA)含有量:20重量%
・NA11 :ADEKA社製造核材商品名アデカスタブNA(ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)
2)Tダイ3層共押出成形機
プラコー社製 3種3層Tダイ共押出成形機
押出機径 φ40mm
ダイス 3種3層マルチマニホールド
ダイス幅 500mm
押出機設定温度 200〜230℃
ダイス設定温度 230℃
(実施例1)
表1に示すとおり、保護層(A)にWXK1275、100重量部とNA11、0.2重量部を配合したもの、中間層(B)にWFX4、100重量部、接合層(C)にKF360T、100重量部を用いた上で、(A層)、(B層)および(C層)がそれぞれ9μm、8μm、8μmの膜厚となるように、A層をキャスティングロール側としてTダイ共押出成形機で製膜した。その際、押出速度60kg/H、フィルム巾400mmで、上記の層比で、総厚25μmとなるべく調整し、インラインでC層面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品350mm巾のフィルム製品を得た。
次に、得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙をロール圧着機で熱圧着して、プリントラミネート製品を得た。
得られたプリントラミネート製品は、表1に示す通り、外観光沢性に優れ、印刷したアート紙とのプリントラミネート強度も充分に高く、実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
(実施例2)
(A層)にWFW4、100重量部とNA11、0.2重量部とを配合したものとした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。
得られたプリントラミネート製品は、実施例1に比べ、離ロール性および光沢性に差が見られたが、プリントラミネート強度も充分に高く、実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
(実施例3)
(A層)に核剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。核剤を配合しなかった結果、実施例1に比べ離ロール性および光沢性に差が見られたが、プリントラミネート強度は充分に高く実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
(実施例4)
実施例1において、(B層)をWMB3、100重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。評価結果を表1に示す。プリントラミ製品の外観の光沢感、ツブレ性のよいものを得ることができた。
(実施例5)
実施例1において、(C層)をKS340T、100重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。良好な品質を得ることが出来た。
(実施例6)
実施例1において、(C層)をKC650T、100重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。良好な品質を得ることが出来た。
(比較例1)
実施例1において、(A層)をMA3U、100重量部したこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。圧着加工時の離ロール性が悪く、プリントラミ製品の光沢度も低くなった。
(比較例2)
実施例1において、(B層)をFX4E、100重量部したこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。プリントラミ製品のツブレ性およびプリントラミネート強度が劣る結果となった。フィルムのB/C層間で剥離が見られた。
(比較例3)
実施例1において、(C層)をLV570、100重量部したこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム、プリントラミネート製品を得た。評価結果を表1に示す。プリントラミ製品のツブレ性が悪く、プリントラミネート強度も低い結果であった。
Figure 2008110509
表1より明らかなように、本発明の要件を満たす保護層(A)/中間層(B)/接合層(C)からなる積層フィルム(実施例1〜6)は、プリントラミネート製品に加工したとき、いずれも圧着加工性、光沢度およびツブレ性およびプリントラミネート強度の面で優れた評価結果を示している。
一方、保護層(A)のみが本発明の要件を満たさない積層フィルム(比較例1)は、プリントラミ製品の光沢度が低く、またプリントラミネート強度が低くなり、フィルムのA/B層間で剥離が見られ、また、中間層(B)のみが本発明の要件を満たさない積層フィルム(比較例2)は、プリントラミ製品のツブレ性やプリントラミネート強度が劣るだけでなく、フィルムのB/C層間で剥離が見られ、さらに、接合層(C)のみが本発明の要件を満たさない積層フィルム(比較例3)は、プリントラミ製品のツブレ性が悪く、プリントラミネート強度も低いという評価結果を示している。
以上から、本発明の積層フィルムは、成形性や生産性に優れると共に、紙材等の基材との接合性に優れ、しかも、透明性に優れているばかりでなく、印刷面等の鮮明さを損なうことなく、美麗に保護することができるので、ラミネート用として好適であることが確認できた。
本発明のラミネート用積層フィルムは、透明性に優れ、紙等の基材との接合性がよく、美的感覚を阻害することなく基材を保護することができる。また、ラミネート用積層フィルムは、成形性に優れた熱可塑性樹脂構成とされているから、Tダイ多層共押出法にて、一段で能率よく成形することができる。こうした利点から、本発明のラミネート用積層フィルムは、幅広い分野で工業的に有益である。

Claims (6)

  1. 保護層(A)と中間層(B)と接合層(C)とから構成されるTダイ多層共押出法にて製造したラミネート用積層フィルムであって、
    保護層(A)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン系重合体からなり、中間層(B)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたプロピレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする熱可塑性樹脂からなり、さらに、接合層(C)は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなることを特徴とするラミネート用積層フィルム。
  2. 保護層(A)のプロピレン系重合体は、融点が140〜155℃であることを特徴とする請求項1に記載のラミネート用積層フィルム。
  3. 保護層(A)は、プロピレン系重合体100重量部に対して、核剤を0.01〜5重量部含有する組成物から形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネート用積層フィルム。
  4. 中間層(B)のプロピレン・α−オレフィン共重合体は、融点が120〜135℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート用積層フィルム。
  5. 接合層(C)のエチレン・α−オレフィン共重合体は、密度が0.882〜0.922、MFR(190℃、21.18N荷重)が3〜18g/10分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート用樹脂フィルム。
  6. 前記シングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラミネート用樹脂フィルム。
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