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JP2008192433A - 有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子の製造方法 Download PDF

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JP2008192433A
JP2008192433A JP2007024682A JP2007024682A JP2008192433A JP 2008192433 A JP2008192433 A JP 2008192433A JP 2007024682 A JP2007024682 A JP 2007024682A JP 2007024682 A JP2007024682 A JP 2007024682A JP 2008192433 A JP2008192433 A JP 2008192433A
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Katsuya Funayama
勝矢 船山
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】 湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法において、長寿命の素子を得られる製造方法を提供すること。
【解決手段】 陽極と陰極との間に湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法が、有機層を湿式成膜法により形成する工程が、成膜工程、乾燥工程および冷却工程を有し、成膜工程の終了後、15分以内に乾燥工程を行なう。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法に関するもので、詳しくは長寿命の有機電界発光素子を得ることができる有機電界発光素子の製造方法に関するものである。
コダック社による蒸着法を用いた積層型の有機電界発光(electroluminescence:以下「EL」と略称する場合がある。)素子の発表以来、有機ELディスプレイの開発が盛んに行なわれ、現在実用化されつつある。
このような積層型有機EL素子では、陽極と陰極との間に複数の有機層(発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層等)が積層して設けられる。これらの有機層の形成は、多くの場合、低分子量色素等の有機層の材料を真空蒸着することにより行なわれていた。しかし、蒸着法では均質で欠陥がない薄膜を得ることは困難であり、且つ、数層もの有機層を形成するには長時間を要するため、素子の製造効率の面でも課題があった。
これに対して、積層型有機EL素子の複数の有機層を湿式成膜法によって形成する技術が報告されている。例えば、特許文献1では、ポリマー型の正孔注入輸送材料を単体で塗布して、あるいは、正孔注入輸送材料と高分子バインダーとを塗布して、正孔注入輸送層を形成してから、この上に発光材料と高分子バインダーとを塗布することにより発光層を形成したもの等が挙げられている。
また、特許文献2には、低分子有機材料を溶剤に溶かした有機薄膜形成用溶液を用いて形成された有機薄膜を用いた有機EL素子が記載されている。
特開平4−2096号公報 特開2005−78896号公報
しかしながら、いずれの文献においても、複数の有機層を湿式成膜法で形成した素子は、その寿命が長くできないという課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法において、長寿命の素子が得られる製造方法を提供することにある。
本発明者らが、鋭意検討した結果、有機層の成膜工程の終了後、直ちに乾燥工程に進ませることにより、完成した素子の寿命が長くなることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、陽極と陰極との間に湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、有機層を湿式成膜法により形成する工程が、成膜工程、及び乾燥工程を有し、成膜工程の終了後、15分以内に乾燥工程を行なうことを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法に存する(請求項1)。
このとき、該成膜工程が、相対湿度0.01〜100ppm、酸素の体積濃度0.01ppm〜100ppmの雰囲気下で行なわれることが好ましい(請求項2)。
また、本発明の有機電界発光素子の製造方法が、湿式成膜法により該有機層を形成した後、さらに該有機層上に蒸着法で有機層を形成する工程を有すと共に、前記湿式成膜法により有機層を形成する工程の後、前記蒸着法で有機層を形成する工程の前に、該湿式成膜法により形成された有機層を相対湿度0.01ppm〜10%、酸素の体積濃度0.01ppm〜25%の雰囲気下におくことが好ましい(請求項3)。
また、前記蒸着法により形成される有機層が、正孔阻止層または電子輸送層であることが好ましい(請求項4)。
また、前記湿式成膜法により形成される有機層が、発光層であることが好ましい(請求項5)。
本発明の有機電界発光素子の製造方法によれば、湿式成膜法により長寿命の素子を製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更して実施することができる。
有機電界発光素子(以下、適宜「有機EL素子」ということがある)は、一般に、基板上に設けられた陽極と負極との間に、発光層(本発明では、主に有機発光層を指す)を備えている。また、その他の層、例えば、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、及び、電子輸送層、等を備えていても良い。これらの層は、湿式成膜法、蒸着法等、公知のいずれの方法によっても形成することができる。
本発明の有機EL素子の製造方法では、上記各層のうち少なくとも1つの層を形成するに際して、本発明に係る湿式成膜法を行なえばよい。
以下、本発明に係る湿式成膜法について説明し、その後で本発明に係る有機EL素子の説明をする。
[1.湿式成膜法]
本発明は、陽極と陰極との間に湿式成膜法により形成される有機層を有する有機EL素子の製造方法に関する。本発明の対象とする有機層は、陽極、陰極または他の有機層上に形成される。
本発明に係る湿式成膜法により有機層を形成する工程は、成膜工程、および乾燥工程を有しており、成膜工程の終了後15分以内に乾燥工程を行なうことを特徴とする。本発明に係る湿式成膜法は、該特徴を有していれば、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知の何れの方法を用いてもよい。また、本発明に係る湿式成膜法は、成膜工程及び乾燥工程以外の工程を有していてもよく、例えば、上記成膜工程の前に前処理工程を有していても良いし、上記乾燥工程の後に冷却工程を有していてもよい。
本発明に係る湿式成膜法は、上述の有機EL素子が有する有機層のうち、どの層を形成する際にも用いることができる。すなわち、有機EL素子の陰極と陽極との間に形成される有機層のうち、任意の1層を形成する際に用いてもよく、又は、複数の層を形成する際に用いてもよい。ただし、特に発光層に適用されることが好ましい。
以下、本発明に係る湿式成膜法により有機層を形成する工程を説明する。湿式成膜法により有機層を形成する工程は、下記説明する工程の他にも、他の工程を有していてもよい。
<1−1.成膜工程>
成膜工程は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意に変更して実施することができる。ただし、通常、成膜工程においては、湿式成膜法にて形成する有機層の材料、及び溶剤を含有する組成物(以下、適宜「塗布用組成物」ということがある)を、膜状に塗布形成することによって成膜する。
(溶剤)
塗布用組成物に用いられる溶剤としては、本発明の効果を著しく損なわない限り制限はないが、例えば、エーテル系溶剤およびエステル系溶剤が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル、等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル、等が挙げられる。
また、上述のエーテル系溶剤及びエステル系溶剤以外に使用可能な溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。なお、これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。また、これらの溶剤のうち1種又は2種以上を、上述のエーテル系溶剤及びエステル系溶剤のうち1種又は2種以上と組み合わせて用いてもよい。
ただし、上述した溶剤の中でも、湿式成膜法にて形成する有機層の材料を溶解する能力(溶剤能)が高い溶剤の方が好ましい。塗布用組成物の濃度を任意に設定して、成膜工程の効率に優れる濃度の塗布用組成物を調製できるためである。
また、塗布用組成物中の有機層の材料の濃度としては、本発明の効果を著しく損なわない限り制限はないが、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。濃度が大きすぎると膜厚ムラが生じる可能性があり、また、小さすぎると膜に欠陥が生じる可能性がある。
なお、有機EL素子は、通常、多数の有機化合物からなる層(有機層)を積層して形成するため、各層が何れも均一な層であることが好ましい。ここで、湿式成膜法で層を形成する場合、各有機層の形成用の組成物中にある程度以上の水分が存在すると、塗膜に水分が混入して膜の均一性が損なわれるため、溶液中の水分含有量はできるだけ少ない方が好ましい。また、一般に有機EL素子は、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、素子の劣化の観点からも水分の存在はできるだけ少ない方が好ましい。以上の理由から、塗布用組成物中に含まれる水分量は、通常1重量%以下、中でも0.1重量%以下に抑えることが好ましい。
塗布用組成物中の水分量を低減する方法としては、例えば、窒素ガスシールの使用、乾燥剤の使用、溶剤を予め脱水すること、水の溶解度が低い溶剤を使用すること、等の手法が挙げられる。中でも、塗布用組成物を塗布する際に塗膜が大気中の水分を吸収して白化する現象を防ぐという観点からは、水の溶解度が低い溶剤を使用することが好ましい。具体的には、塗布用組成物は、水の溶解度が低い溶剤、例えば25℃における水の溶解度が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である溶剤を、塗布用組成物全体に対して通常10重量%以上、中でも30重量%以上、特に50重量%以上の濃度で含有することが好ましい。
(成膜方法)
成膜工程における成膜方法は、パターニングが可能な方法であれば、本発明の効果を著しく損なわない限り制限はない。例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、等が挙げられる。
これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。有機EL素子に用いられる塗布用組成物に特有の液性に合うためである。
(成膜温度)
成膜工程における成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、10℃以上が好ましく、13℃以上がより好ましく、16℃以上がさらに好ましく、また、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましい。塗布用組成物中に結晶が生じることを抑制するためである。
(成膜湿度)
成膜工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.01ppm以上、好ましくは0.05ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、また、通常80%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは1%以下、特に好ましくは100ppm以下である。相対湿度が小さすぎると、湿式成膜工程における成膜条件の制御が困難となる可能性がある。また、大きすぎると有機層への水分吸着が影響しやすくなる可能性がある。
(酸素濃度)
成膜工程における酸素の体積濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.05ppm以上、また、好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは100ppm以下である。酸素濃度が低すぎる環境は制御が難しく、また酸素濃度が高すぎると、有機層内部に酸素が拡散することで、素子特性に悪影響を与える可能性がある。
(パーティクル数)
成膜環境下における微粒子の数(すなわち、パーティクル数)は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、ダークスポット低減の観点から、粒径0.5μm以上のパーティクルが、1m3あたり通常10000個以下、好ましくは5000個以下である。特に好ましくは、粒径0.3μm以上のパーティクルが、1m3あたり5000個以下である。下限値に制限はないが、工業的実用性の観点から、通常粒径0.3μm以上のパーティクルが1m3あたり100個は存在することが考え得る。パーティクル数が大きすぎるとダークスポットを生じる可能性があり、また、上記範囲を下回るほど環境制御が困難になる傾向がある。
なお、微粒子のパーティクル数は、光散乱方式により検出され、例えば、ハンドヘルドパーティクルカウンターKR(リオン株式会社製)で検出できる。
(膜厚)
成膜工程において形成される有機層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上、また、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。この範囲だと、高い膜厚精度が得られるためである。
なお、膜厚精度とは発光部(陽極と陰極とに挟まれた有機層部分)の膜厚の、最大値と最小値の比と定義される。また、膜厚精度は、接触式膜厚計または干渉式膜厚計で測定される。
<1−2.乾燥工程>
成膜工程の後、成膜された塗布用組成物の膜を乾燥させて有機層を得る。しかし、従来、成膜工程の終了後、乾燥工程を行なうまでの時間は、膜の平滑性を得る(レベリング効果)ために必要な時間として設定されていた。具体的には、成膜工程の終了後、数時間程度経過した後に、乾燥工程を行なっていた。そのため、同じ条件で作製した有機EL素子でも、素子特性が大きく変化し、寿命も短くなる傾向があった。
それに対して、本発明に係る湿式成膜法においては、成膜工程の終了後、15分以内、好ましくは10分以内に乾燥工程を行なうことを特徴とする。乾燥工程を行なうまでの時間が長すぎると、膜中に含まれる溶剤が水分を吸収し、寿命の低下につながる傾向があるからである。一方、下限に制限はないが、好ましくは30秒以上、さらに好ましくは1分以上である。乾燥工程を行なうまでの時間が短すぎると、膜のレベリング効果が得にくく、膜厚ムラが発生する可能性がある。
なお、成膜工程の終了時点とは塗布用組成物の液膜形成が完了した時点をいう。また、乾燥工程の開始時点とは熱処理、減圧処理、不活性ガス処理、又は、スパッタ処理等の開始の時点のことをいう。即ち、加熱、減圧、又は、スパッタの操作を始めたり、不活性ガスを導入し始めたりする時点をいう。ここで、例えば「成膜工程の終了後、15分以内に乾燥工程を行なう」とは、成膜工程の終了時点と、乾燥工程の開始時点との間が15分以内であることをいう。
(乾燥工程の方式)
以下、具体的に、乾燥工程の一例について説明する。
成膜された塗布用組成物を乾燥させる方法は、本発明の効果を著しく損なわなければ制限はない。具体例としては、熱処理、減圧処理、不活性ガス処理、スパッタ処理、等が挙げられる。
その中でも、熱処理が好ましい。膜中の残存溶剤を低減させやすいためである。
上記の処理を単独で、または複数組み合わせて行なってもよい。複数の処理を組み合わせる場合には任意の順で処理を行なっても良いし、全部又は処理の一部を並行して行なってもよい。
ただし、乾燥ムラのない様な条件で乾燥を行なうことが好ましい
また、乾燥工程の間に異物が混入するのを防ぐために、乾燥工程はクリーンルームで行なうことが好ましい。
乾燥工程における熱処理の方式は、本発明の効果を損なわない限り制限されず、任意に変更して実施することができる。
熱処理の具体的な方式としては、例えば、加熱炉(ベーク炉)内に基材を配置して塗布膜を加熱させる炉内ベーク方式、プレート(ホットプレート)上に基材を搭載しそのプレートを介して塗布膜を加熱させるホットプレート方式、前記基材の上面側及び/又は下面側にヒーターを配置し、ヒーターから電磁波(例えば赤外線)を照射して、薄膜を加熱する方式、等が挙げられる。中でも、プレート(ホットプレート)方式が好ましい。膜中の溶剤を均一に揮発させることができるためである。
乾燥工程における減圧処理の方式は、本発明の効果を損なわない限り制限されず、任意に変更して実施することができる。
減圧処理の具体的な方式としては、例えば、密閉可能なチャンバー内に基材を配置してチャンバー内を減圧して溶剤を揮発させる方式が挙げられる。
(乾燥温度)
乾燥工程における乾燥温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、熱処理を行なう場合、通常50℃以上、好ましくは80℃以上、また、通常300℃以下、好ましくは250℃以下である。温度が高すぎると他の層に悪影響を及ぼす可能性があり、また、低すぎると膜中に溶剤が残る可能性がある。
なお、乾燥温度とは、炉内ベーク方式の場合には雰囲気温度、ホットプレート方式の場合にはプレート温度、ヒーターを用いる方式の場合には雰囲気温度をいう。
(乾燥時間)
乾燥工程における乾燥時間は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、さらに好ましくは2分以上、また、好ましくは5時間以下、より好ましくは2時間以下、さらに好ましくは1時間以下である。乾燥時間が長すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、また、短かすぎると膜が不均質になる傾向がある。
(相対湿度)
熱処理における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、また、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは20%以下である。相対湿度が高すぎると膜中に水分が残存する傾向がある。
(真空度)
乾燥工程における真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、減圧処理を行なう場合には、好ましくは1×10-2Pa以下、より好ましくは1×10-3Pa以下、さらに好ましくは5×10-4Pa以下、また、下限値に制限はないが、通常1×10-5Pa以上である。真空度が高すぎると、真空度を高くするために時間を要し、その間の環境制御が困難になる傾向があり、また、低すぎると膜中に溶剤が残存しやすくなる傾向がある。
(乾燥工程後の膜厚)
乾燥工程の後の有機層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上、また、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm、さらに好ましくは150nm以下である。膜厚が小さすぎると薄膜に欠陥が発生する可能性がある。また、膜厚が大きすぎると膜厚ムラにより素子特性の影響が大きくなる可能性がある。
(乾燥工程後の膜厚精度)
乾燥工程の後の塗布用組成物の膜の膜厚精度は、好ましくは500%以下、より好ましくは300%以下、さらに好ましくは200%以下、また、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%以上である。膜厚精度が大きすぎると、発光ムラ等、素子特性が不安定になる傾向があり、小さすぎると膜欠陥が発生しやすくなる傾向があり、膜質が均質でなくなる傾向がある。なお、膜厚精度の測定方法は、上述の方法と同様である。
<1−3.冷却工程>
有機層が、乾燥工程において熱処理を施されたり、その他の工程で加熱されたりした場合、該有機層を冷却させる工程(冷却工程)を行なっても良い。冷却工程は、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意に変更して実施することができる。具体的には、以下に説明する各項目のうち、1つ以上を満たしていることが好ましい。
冷却工程の具体的な方式としては、例えば、乾燥した塗布用組成物の膜の置かれる雰囲気温度を冷却したい温度範囲にする方法、プレート(ホットプレート)上に基材を搭載しそのプレートを介して塗布膜を冷却させる方法等が挙げられる。
(冷却温度)
冷却温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、乾燥した塗布用組成物の膜を、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下、また、下限に制限はないが、通常5℃以上に冷却する。冷却温度が高すぎると、他の層の成分が拡散する可能性があり、また、低すぎると塗布用組成物中に結晶が生じる可能性がある。
なお、冷却温度とは雰囲気温度のことである。ホットプレート方式の場合にはプレート温度のことをいう。
(冷却速度)
冷却速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.1℃/分以上、より好ましくは0.5℃/分以上、さらに好ましくは0.8℃/分以上、特に好ましくは1℃/分以上、また、好ましくは50℃/分以下、より好ましくは30℃/分以下、さらに好ましくは20℃/分以下、特に好ましくは10℃/分以下が好ましい。冷却速度が小さすぎると製造コストが高くなる可能性があり、大きすぎると隣接する膜間の線膨張が異なることによって、膜質が悪化する可能性がある。
(湿度)
冷却工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.05ppm以上、さらに好ましくは0.08ppm以上、また、好ましくは50%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは1%以下である。相対湿度が低すぎると、環境を一定に制御することが困難になる傾向があり、また、素子の安定的な製造ができない可能性がある。また、相対湿度が大きすぎると膜表面に水分が物理吸着する可能性がある。
(冷却時間)
冷却工程における冷却時間は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下、さらに好ましくは1時間以下、特に好ましくは30分以下、また、好ましくは30秒以上である。冷却時間が短すぎると膜歪みを生じる傾向がある。
(雰囲気ガス)
冷却工程における冷却時の雰囲気は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、真空環境、不活性ガス環境であってもよい。
真空環境の場合、真空度は、1×10-2Pa以下が好ましく、より好ましくは1×10-3Pa以下、また、下限値はないが、1×10-5Pa以上が好ましい。真空度が高すぎると、真空度を高くするために時間を要し、その間の環境制御が困難となる傾向がある。
また、不活性ガスとしては、窒素ガス、希ガス類、不燃性ガス類、等が挙げられる。なお、不活性ガスは1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(冷却工程前後の膜厚差)
冷却工程の前後で有機層の膜厚差は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、冷却工程前の膜厚を100%としたときに、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。膜厚差が大きすぎると、膜歪みによる膜の剥離等の可能性がある。なお、下限は0%であるが、工業的入手性の観点から、通常1%以上である。
<1−4.その他>
湿式成膜法で形成された有機層上に、さらに他の有機層を形成することができる。他の有機層は、さらに湿式成膜法で形成されてもよいし、蒸着法などの他の方法で形成されてもよい。
[2.蒸着法]
蒸着法は、上述の有機EL素子が有する有機層のうち、どの層を形成する際にも用いることができる。蒸着法で形成される有機層は、1層からなるものであってもよく、複数の層が積層されてなるものであってもよい。
以下、蒸着法により有機層を形成する工程を説明する。蒸着法により有機層を形成する工程は、下記説明する工程の他にも、他の工程を有していてもよい。
<2−1.蒸着前処理工程>
上記の湿式成膜法によって形成された有機層の上に蒸着法によって有機層を形成する場合には、該湿式成膜法により有機層を形成する工程の後、蒸着法で有機層を形成する前に、以下の環境下におくことが好ましい(以下、適宜「蒸着前処理工程」ということがある)。
(湿度)
蒸着前処理工程における相対湿度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.05ppm、さらに好ましくは0.08ppm、また、好ましくは10%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。湿度が低すぎると、環境を一定に制御することが難しく、素子の安定的な製造ができない可能性がある。また、湿度が高すぎると、有機層に水分が吸着することで、電荷移動度を変化させ、目的とする発光色を得にくい傾向がある。
(酸素濃度)
蒸着前処理工程における酸素の体積濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.05ppm以上、さらに好ましくは0.1ppm以上、また、通常25%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。酸素濃度をコントロールすることで、水分の影響が低減するためである。
(雰囲気ガス)
蒸着前処理工程における雰囲気は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、真空環境、不活性ガス環境であってもよい。
真空環境の場合、真空度は、通常、1×10-2Pa以下が好ましく、より好ましくは、1×10-3Pa以下、また、下限値はないが、1×10-5Pa以上が好ましい。
また、不活性ガスとしては、窒素ガス、希ガス等が挙げられる。
(温度)
蒸着前処理工程における温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、より好ましくは13℃以上、さらに好ましくは16℃以上、また、好ましくは110℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。温度が高すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、また、低すぎると膜中の水分を十分に取り除きにくくなる傾向がある。
(時間)
蒸着前処理工程の時間は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常20秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは35秒以上、さらに好ましくは40秒以上、また、通常2時間以下、好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは15分以下である。時間が長すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、また、短すぎると膜中の水分を十分に取り除きにくくなる傾向がある。
<2−2.蒸着工程>
蒸着法による有機層の形成は、以下のように行なうことが好ましい。
(圧力)
蒸着法において圧力は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは1×10-7Pa以上、より好ましくは5×10-7Pa以上、さらに好ましくは1×10-6Pa以上、特に好ましくは5×10-6Pa以上、また、好ましくは1×10-2Pa以下、より好ましくは1×10-3Pa以下、さらに好ましくは0.5×10-3Pa以下、特に好ましくは1×10-4Pa以下である。圧力がこの範囲を外れると、膜が不均質になる傾向がある。
(温度)
蒸着法において温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは30℃以上、また、好ましくは300℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。温度が高すぎると他の層の成分が拡散する傾向があり、また、低すぎると膜が不均質になる傾向がある。
なお、ここでいう温度とは、基板(または、製作途中の有機EL素子)の温度をいう。
(蒸着速度)
蒸着法において蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは0.001nm/s以上、より好ましくは0.005nm/s以上、さらに好ましくは0.01nm/s以上、また、好ましくは8nm/s以下、より好ましくは7nm/s以下、さらに好ましくは1nm/s以下である。蒸着速度が速すぎると膜厚コントロールが困難になる傾向があり、また、遅すぎると膜の平滑性を損なう傾向がある。さらに蒸着速度を連続的に変化させてもよい。
(蒸着方法)
蒸着法で有機層を形成する場合は、例えば、真空容器内に設置されたるつぼ又は金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適切な圧力となるまで排気した後、るつぼ又は金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼ又は金属ボートと向き合って置かれた、製作途中の有機EL素子上に有機層を形成することができる。
なお、蒸着法によってアルカリ金属を蒸着する場合、通常、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行なうことが好ましい。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。
また、有機電子輸送化合物とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送化合物を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層を形成することが好ましい。このとき、電子注入層の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。
<2−3.その他>
蒸着法で形成された有機層上に、さらに他の有機層を形成することができる。他の有機層は、さらに蒸着法で形成されてもよいし、湿式成膜法等の他の方法で形成されてもよい。
[3.有機電界発光素子]
以下、本発明の製造方法により製造される有機EL素子(以下、適宜「本発明の有機EL素子」ということがある)の構成を説明する。上記の本発明に係る湿式成膜法を用いることができる有機層としては、下記詳述する正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、電子阻止層などの層が挙げられる。これらの層は上述の[1.湿式成膜法]で説明した湿式成膜法や、[2.蒸着法]で説明した蒸着法でも得ることができるが、少なくとも1つの層が本発明に係る湿式成膜法で製造されていればよい。なお、発光層に本発明に係る湿式成膜法が用いられると、特に長寿命の有機EL素子が得られ好ましい。
また、本発明の有機EL素子は通常は基板を備え、当該基板上に上述の各層が積層された積層型の構成を有するものである。以下、この順に説明する。
図1は、本発明の有機EL素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。図1に示す有機EL素子10aは、基板1の上に、陽極2、正孔注入層3、発光層4、電子注入層5及び陰極6を、この順に積層して構成される。
<3−1.基板>
基板1は、有機EL素子10aの支持体となるものである。本発明の有機EL素子を形成する基材は、汎用材料からなる透明基板を用いることができる。
例えば、BK7、SF11、LaSFN9、BaK1、F2などの各種ショットガラス、合成フェーズドシリカガラス、光学クラウンガラス、低膨張ボロシリケートガラス、サファイヤガラス、ソーダガラス、無アルカリガラスなどのガラス、TFTが形成されたガラス、高分子材料としては、ポリメチルメタクリレートや架橋アクリレートなどのアクリル樹脂、ピスフェノールAポリカーボネートなどの芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリシクロオレフィンなどの非晶性ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレンなどのスチレン樹脂、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などの合成樹脂、等が挙げられる。また、これらのうち二種以上の積層体であってもよい。目的と用途に応じて、これらの基板の上に反射防止フィルム、円偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムを形成、若しくは張り合わせてもよい。
ただし、合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意することが好ましい。基板1のガスバリア性が小さすぎると、基板1を通過した外気により有機EL素子10aが劣化する可能性があるからである。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
<3−2.陽極>
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は、発光層4側の層(正孔注入層3または発光層4等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属;インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物;ヨウ化銅等のハロゲン化金属;カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。なお、陽極2の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陽極2の形成方法に制限は無いが、通常、スパッタリング法、蒸着法等により行われる。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダ樹脂溶液にそれらを分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
また、陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、中でも80%以上とすることが好ましく、この場合、陽極2の厚みは、通常5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常1000nm以下、中でも500nm以下が好ましい。一方、陽極2が不透明でよい場合、陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。さらに、上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
また、陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的として、陽極2の表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることが好ましい。
さらに、正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔注入層3と陽極2との間に公知の陽極バッファ層を挿入してもよい。
<3−3.正孔注入層>
正孔注入層3は、陽極2から発光層4へ正孔を輸送する層である。以下、まず正孔注入層3に含有される成分を説明し、次に正孔注入層3の形成方法について説明する。
<3−3−1.正孔注入層の材料>
正孔注入層の材料は、正孔注入層3に含有されるものである。また、正孔注入層3を湿式成膜法で形成する場合は、正孔注入層用の塗布用組成物(以下、適宜「正孔注入層用組成物」ということがある)にも、正孔注入層の材料が含有される。この正孔注入層の材料は、正孔注入層3を形成しうるものであれば特に制限は無い。ただし、通常は、正孔注入層の材料として、ポリマー及び電子受容性化合物を用いる。さらに、正孔注入層の材料として、それ以外の成分を用いてもよい。以下、これらの正孔注入層の材料について説明する。
(3−3−1−1.ポリマー)
正孔注入層の材料として用いられるポリマーの種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、その中でも、正孔輸送性を有するポリマー(高分子量の正孔輸送性化合物。以下適宜、「正孔輸送性ポリマー」という)が好ましく、この観点から、4.5eV〜5.5eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物であることが好ましい。なお、イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、光電子分光法で直接測定されるか、電気化学的に測定した参加電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、下記式で表される("Molecular Semiconductors", Springer-Verlag, 1985年, pp.98)。
イオン化ポテンシャル = 酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
前記正孔輸送性ポリマーの例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、非晶質性、溶剤への溶解度、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
芳香族アミン化合物の中でも、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。なお、ここでいう芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、100万以下の高分子化合物が更に好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記式(I)で表わされる繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2008192433
(式(I)中、Ar1及びAr2は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表わす。Ar3〜Ar5は各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表わす。Xは、下記の連結基群X1の中から選ばれる連結基を表わす。)
・連結基群X1:
Figure 2008192433
(式中、Ar11〜Ar28は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わす。R1及びR2は各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表わす。)
前記式(I)において、Ar1〜Ar5及びAr11〜Ar28としては、任意の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環由来の、1価又は2価の基が適用可能である。即ち、Ar1、Ar2、Ar16、Ar21及びAr26は、それぞれ1価の基が適用可能であり、Ar3〜Ar5、Ar11〜Ar15、Ar17〜Ar20、Ar22〜Ar25、Ar27及びAr28は、それぞれ2価の基が適用可能である。これらは各々同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。
前記の芳香族炭化水素環としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環が挙げられる。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
前記の芳香族複素環としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環が挙げられる。その具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。
また、Ar3〜Ar5、Ar11〜Ar15、Ar17〜Ar20、Ar22〜Ar25、Ar27、Ar28としては、上に例示した1種類又は2種類以上の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の2価の基を2つ以上連結して用いることもできる。
さらに、Ar1〜Ar5及びAr11〜Ar28の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基の種類は特に制限されないが、例としては、下記の置換基群Wから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なお、置換基は、1個が単独で置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
[置換基群W]
メチル基、エチル基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは8以下のアルキル基;ビニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは5以下のアルケニル基;エチニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは5以下のアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上、通常25以下、好ましくは14以下のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の、炭素数が通常2以上、通常20以下、好ましくは12以下のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の、炭素数が通常10以上、好ましくは12以上、通常30以下、好ましくは22以下のジアリールアミノ基;フェニルメチルアミノ基等の、炭素数が通常6以上、好ましくは7以上、通常25以下、好ましくは17以下のアリールアルキルアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等の、炭素数が通常2以上、通常10以下、好ましくは7以下のアシル基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等の、炭素数が通常1以上、通常8以下、好ましくは4以下のハロアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下のアルキルチオ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上、通常25以下、好ましくは14以下のアリールチオ基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上、通常33以下、好ましくは26以下のシリル基;トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上、通常33以下、好ましくは26以下のシロキシ基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素数が通常6以上、通常30以下、好ましくは18以下の芳香族炭化水素環基;チエニル基、ピリジル基等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常28以下、好ましくは17以下の芳香族複素環基。
上述したものの中でも、Ar1及びAr2としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の1価の基が好ましく、フェニル基、ナフチル基が更に好ましい。
また、上述したものの中でも、Ar3〜Ar5としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基が更に好ましい。
前記式(I)において、R1及びR2としては、水素原子又は任意の置換基が適用可能である。これらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。置換基の種類は、本発明の趣旨に反しない限り特に制限されないが、適用可能な置換基を例示するならば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が挙げられる。これらの具体例としては、先に置換基群Wにおいて例示した各基が挙げられる。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性ポリマーの重量平均分子量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、また、通常50万以下、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下である。
正孔注入層3中のポリマーの割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、正孔注入層3全体に対する重量比の値で、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、また、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。なお、2種以上のポリマーを併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにすることが好ましい。
<3−3−1−2.電子受容性化合物>
正孔注入層の材料として用いられる電子受容性化合物の種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。その例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンダフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩;塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンダフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体;ヨウ素等が挙げられる。上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で、有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶である点で、有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。さらに、強い酸化力と高い溶解性とを両立する点から、有機基の置換したオニウム塩が最も好ましく、下記式(II−1)〜(II−3)で表わされる化合物であることが特に好ましい。
Figure 2008192433
(上記式(II−1)〜(II−3)中、R11、R21及びR31は、各々独立に、A1〜A3と炭素原子で結合する有機基を表わす。R12、R22、R23及びR32〜R34は、各々独立に、任意の基を表わす。R11〜R34のうち隣接する2以上の基が、互いに結合して環を形成していてもよい。A1〜A3は何れも長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第3周期以降の元素であって、A1は周期表の第17族に属する元素を表わし、A2は周期表の第16族に属する元素を表わし、A3は周期表の第15族に属する元素を表わす。Z1 n1-〜Z3 n3-は、各々独立に、対アニオンを表わす。n1〜n3は、各々独立に、対アニオンのイオン価を表わす。)
上記式(II−1)〜(II−3)中、R11、R21及びR31は、各々独立に、A1〜A3と炭素原子で結合する有機基を表わす。したがって、R11、R21及びR31としては、A1〜A3との結合部分に炭素原子を有する有機基であれば、本発明の趣旨に反しない限り、その種類は特に制限されない。
11、R21及びR31の分子量は、それぞれ、その置換基を含めた値で、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。
11、R21及びR31の好ましい例としては、正電荷を非局在化させる点から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が挙げられる。中でも、正電荷を非局在化させるとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、炭素数が通常2以上、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、炭素数が通常2以上、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基であり、正電荷を当該基上により非局在化させられる基が挙げられる。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオレン環等の由来の一価の基が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基であり、正電荷を当該基上により非局在化させられる基が挙げられる。その具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の由来の一価の基が挙げられる。
上記式(II−1)〜(II−3)中、R12、R22、R23及びR32〜R34は、各々独立に、任意の置換基を表わす。したがって、R12、R22、R23及びR32〜R34の種類は、本発明の趣旨に反しない限り特に制限されない。
12、R22、R23及びR32〜R34の分子量は、それぞれ、その置換基を含めた値で、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。
12、R22、R23及びR32〜R34の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、シアノ基、水酸基、チオール基、シリル基等が挙げられる。中でも、R11、R21及びR31と同様、電子受容性が大きい点から、A1〜A3との結合部分に炭素原子を有する有機基が好ましく、例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。特に、電子受容性が大きいとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基としては、R11、R21及びR31について先に説明したものと同様のものが挙げられる。
以上、R11、R21、R31、R12、R22、R23、及びR32〜R34として例示した基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に他の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されないが、例としては、上記R11、R21、R31、R12、R22、R23、及びR32〜R34としてそれぞれ例示した基の他、ハロゲン原子、シアノ基、チオシアノ基、ニトロ基等が挙げられる。中でも、耐熱性及び電子受容性の妨げにならない観点から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。なお、前記の更に置換する置換基は、1個のみで置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
また、上記式(II−1)〜(II−3)中、R11〜R34のうち隣接する2以上の基は、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(II−1)〜(II−3)中、A1〜A3は、何れも周期表第3周期以降(第3〜第6周期)の元素であって、A1は、長周期型周期表の第17族に属する元素を表わし、A2は、第16族に属する元素を表わし、A3は、第15族に属する元素を表わす。
中でも、電子受容性及び入手容易性の観点から、周期表の第5周期以前(第3〜第5周期)の元素が好ましい。即ち、A1としてはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子のうち何れかが好ましく、A2としてはテルル原子、セレン原子、硫黄原子のうち何れかが好ましく、A3としてはアンチモン原子、ヒ素原子、リン原子のうち何れかが好ましい。
特に、電子受容性、化合物の安定性の面から、式(II−1)におけるA1が臭素原子又はヨウ素原子である化合物、又は、式(II−2)におけるA2がセレン原子又は硫黄原子である化合物が好ましく、中でも、式(II−1)におけるA1がヨウ素原子である化合物が特に好ましい。
式(II−1)〜(II−3)中、Z1 n1-〜Z3 n3-は、各々独立に、対アニオンを表わす。対アニオンの種類は特に制限されず、単原子イオンであっても錯イオンであってもよい。但し、対アニオンのサイズが大きいほど負電荷が非局在化し、それに伴い正電荷も非局在化して電子受容能が大きくなるため、単原子イオンよりも錯イオンの方が好ましい。
式(II−1)〜(II−3)中、n1〜n3は、各々独立に、対アニオンZ1 n1-〜Z3 n3-のイオン価に相当する任意の正の整数である。n1〜n3の値は特に制限されないが、何れも1又は2であることが好ましく、1であることが特に好ましい。
1 n1-〜Z3 n3-の具体例としては、水酸化物イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、シアン化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ホウ酸イオン、イソシアン酸イオン、水硫化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサクロロアンチモン酸イオン;酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸イオン;メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;メトキシイオン、t−ブトキシイオン等のアルコキシイオンなどが挙げられる。
特に、対アニオンZ1 n1-〜Z3 n3-としては、化合物の安定性、溶剤への溶解性の点で、下記式(II−4)〜(II−6)で表わされる錯イオンが好ましく、サイズが大きいという点で、負電荷が非局在化し、それに伴い正電荷も非局在化して電子受容能が大きくなるため、下記式(II−6)で表わされる錯イオンが更に好ましい。
Figure 2008192433
式(II−4)及び(II−6)中、E1及びE3は、各々独立に、長周期型周期表の第13族に属する元素を表わす。中でもホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましく、化合物の安定性、合成及び精製のし易さの点から、ホウ素原子が好ましい。
式(II−5)中、E2は、長周期型周期表の第15族に属する元素を表わす。中でもリン原子、ヒ素原子、アンチモン原子が好ましく、化合物の安定性、合成及び精製のし易さ、毒性の点から、リン原子が好ましい。
式(II−4)及び(II−5)中、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表わし、化合物の安定性、合成及び精製のし易さの点からフッ素原子、塩素原子であることが好ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
式(II−6)中、Ar61〜Ar64は、各々独立に、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わす。芳香族炭化水素基、芳香族複素環基の例示としては、R11、R21及びR31について先に例示したものと同様の、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。中でも、化合物の安定性、耐熱性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環由来の1価の基が好ましい。
Ar61〜Ar64として例示した芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に別の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されず、任意の置換基が適用可能であるが、電子吸引性の基であることが好ましい。
Ar61〜Ar64が有してもよい置換基として好ましい電子吸引性の基を例示するならば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;チオシアノ基;ニトロ基;メシル基等のアルキルスルホニル基;トシル基等のアリールスルホニル基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等の、炭素数が通常1以上、通常12以下、好ましくは6以下のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、炭素数が通常2以上、通常10以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するアリールオキシカルボニル基;アミノカルボニル基;アミノスルホニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基にフッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子が置換したハロアルキル基、などが挙げられる。
中でも、Ar61〜Ar64のうち少なくとも1つの基が、フッ素原子又は塩素原子を置換基として1つ又は2つ以上有することがより好ましい。特に、負電荷を効率よく非局在化する点、及び、適度な昇華性を有する点から、Ar61〜Ar64の水素原子がすべてフッ素原子で置換されたパーフルオロアリール基であることが特に好ましい。パーフルオロアリール基の具体例としては、ペンタフルオロフェニル基、ヘプタフルオロ−2−ナフチル基、テトラフルオロ−4−ピリジル基等が挙げられる。
なお、前記の置換基は、1個のみが置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
式(II−4)〜(II−6)で表わされる錯イオンの式量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常100以上、好ましくは300以上、更に好ましくは400以上、また、通常5000以下、好ましくは3000以下、更に好ましくは2000以下の範囲である。該錯イオンの式量が小さ過ぎると、正電荷及び負電荷の非局在化が不十分なため、電子受容能が低下する場合があり、また、該錯イオンの式量が大き過ぎると、該化合物自体が電荷輸送の妨げとなる場合がある。
正孔注入層の材料としては、上に説明した各種の電子受容性化合物のうち、何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。2種以上の電子受容性化合物を用いる場合には、上記式(II−1)〜(II−3)のうち何れか1つの式に該当する電子受容性化合物を2種以上組み合わせてもよく、それぞれ異なる式に該当する2種以上の電子受容性化合物を組み合わせてもよい。
正孔注入層3及び正孔注入層用組成物中における電子受容性化合物の含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、ポリマー及び後述の正孔輸送性化合物に対する値で、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常100重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。電子受容性化合物の量は多い方が不溶化しやすいため好ましく、加熱時間が短時間で不溶化することができる。なお、2種以上の電子受容性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
なお、正孔注入層3の形成時或いは形成後に、上記の正孔輸送性を有するポリマー或いは下記の正孔輸送性化合物が、この電子受容性化合物と反応することにより、形成後の正孔注入層3中では、正孔輸送性ポリマー或いは正孔輸送性化合物のカチオンラジカル及びイオン化合物が生成している場合がある。
<3−3−1−3.低分子量の正孔輸送性化合物>
正孔注入層の材料としては、必要に応じて低分子量の正孔輸送性化合物を用いることが好ましい。
低分子量の正孔輸送性化合物は、従来、有機EL素子における正孔注入・輸送性の薄膜精製材料として利用されてきた各種の化合物の中から、適宜選択することが可能である。中でも、溶剤溶解性の高いものが好ましい。
低分子量の正孔輸送性化合物の好ましい例としては、芳香族アミン化合物が挙げられる。中でも、芳香族三級アミン化合物が特に好ましい。
なお、低分子量の正孔輸送性化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常200以上、好ましくは400以上、より好ましくは600以上、また、通常5000以下、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下、更に好ましくは1700以下、特に好ましくは1400以下の範囲である。分子量が小さ過ぎると耐熱性が低くなる傾向がある一方で、低分子量の正孔輸送性化合物の分子量が大き過ぎると合成及び精製が困難となる傾向がある。
なお、低分子量の正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<3−3−1−4.その他の成分>
正孔注入層の材料としては、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述したポリマー、電子受容性化合物及び正孔輸送性化合物に加えて、さらに、その他の成分を含有させても良い。その他の成分の例としては、各種の発光材料、電子輸送性化合物、バインダ樹脂、塗布性改良剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<3−3−2.正孔注入層の形成>
本発明に係る湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合は、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布用組成物を調製し、それを用いて成膜工程、乾燥工程を経ることにより形成する。このとき、乾燥工程は成膜工程の終了後、15分以内に行なう。これらの詳細は、先の[1.湿式成膜法]の欄で説明した内容と同様である。なお、他の有機層を本発明に係る湿式成膜法で形成する場合は、正孔注入層3の形成に、先の[2.蒸着法]の欄で説明した蒸着法、又はその他の方法を用いてもよい。以下、特に本発明に係る湿式成膜法について説明する。
正孔注入層用組成物に含有させる正孔注入層用溶剤としては、正孔注入層3の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。ただし、前述のポリマー、電子受容性化合物及び低分子量の正孔輸送性化合物のうち、少なくとも1種、中でも2種以上、特には3種全てを、溶解することが可能なものが好ましい。具体的な溶解性としては、常温・常圧下で、ポリマーを通常0.005重量%以上、中でも0.5重量%以上、特には1重量%以上溶解することが好ましく、電子受容性化合物を通常0.001重量%以上、中でも0.1重量%以上、特には0.2重量%以上溶解することが好ましい。
また、正孔注入層用溶剤としては、ポリマー、電子受容性化合物、低分子量の正孔輸送性化合物及びそれらの混合から生じるフリーキャリア(カチオンラジカル)を失活させる可能性のある失活物質又は失活物質を発生させるものを含まない溶剤が好ましい。
正孔注入層用溶剤の好適な例は、[1.湿式成膜法]で説明したものと同一である。ただし、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤は、酸化剤とポリマーを溶解する能力が低いため、エーテル系溶剤及びエステル系溶剤と混合して用いることが好ましい。
正孔注入層用組成物に対する正孔注入層用溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50%重量以上、また、通常99.999重量%以下、好ましくは99.99重量%以下、更に好ましくは99.9重量%以下の範囲である。なお、正孔注入層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
正孔注入層用組成物の塗布・成膜後、得られた塗膜を乾燥し、正孔注入層用溶剤を除去することにより、正孔注入層が形成される。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、[1.湿式成膜法]の欄で説明した、いかなる方式も用いることができる。
なお、乾燥の手法は特に限定されず、[1.湿式成膜法]で説明した手法と同様である。
なお、正孔注入層3の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
<3−4.発光層>
正孔注入層3の上には本発明に係る有機層として発光層4が設けられる。発光層4は、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極6から電子注入層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
<3−4−1.発光層の材料>
発光層4は、その構成材料として、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、あるいは、電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)を含有する。発光物質については特に限定はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。また、電荷輸送性化合物を2成分以上含有していることが好ましい。更に、発光層4は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。なお、湿式成膜法で発光層4を形成する場合は、何れも低分子量の材料を使用することが好ましい。
<3−4−1−1.発光材料>
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率の観点から、好ましくは燐光発光材料である。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることが好ましい。
以下、発光材料のうち蛍光色素の例を挙げるが、蛍光色素は以下の例示物に限定されるものではない。
青色発光を与える蛍光色素(青色蛍光色素)としては、例えば、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
緑色発光を与える蛍光色素(緑色蛍光色素)としては、例えば、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。
黄色発光を与える蛍光色素(黄色蛍光色素)としては、例えば、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。
赤色発光を与える蛍光色素(赤色蛍光色素)としては、例えば、DCM(4−(dicyanomethylene)−2−methyl−6−(p−dimethylaminostyryl)−4H−pyran)系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
次に、発光材料のうち、燐光発光材料について説明する。燐光発光材料としては、例えば、周期表第7〜11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
燐光性有機金属錯体に含まれる、周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましいもの例を挙げると、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記式(V)又は式(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2008192433
{式(V)中、Mは金属を表わし、qは上記金属の価数を表わす。また、L及びL’は二座配位子を表わす。jは0、1又は2の数を表わす。}
Figure 2008192433
{式(VI)中、M7は金属を表わし、Tは炭素原子又は窒素原子を表わす。R92〜R95は、それぞれ独立に置換基を表わす。但し、Tが窒素原子の場合は、R94及びR95は無い。}
以下、まず、式(V)で表わされる化合物について説明する。
式(V)中、Mは任意の金属を表わし、好ましいものの具体例としては、周期表第7〜11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、式(V)中、二座配位子Lは、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 2008192433
上記Lの部分構造において、環A1”は、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わす。
環A1”を構成する芳香族炭化水素基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環が挙げられる。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環由来の1価の基などが挙げられる。
環A1”を構成する芳香族複素環基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環が挙げられる。その具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環由来の1価の基などが挙げられる。
また、上記Lの部分構造において、環A2は、置換基を有していてもよい、含窒素芳香族複素環基を表わす。
環A2を構成する含窒素芳香族複素環基としては、例えば、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環が挙げられる。その具体例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、フロピロール環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環由来の1価の基などが挙げられる。
環A1”又は環A2がそれぞれ有していてもよい置換基の例としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なお、前記置換基は、1個のみが置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
また、式(V)中、二座配位子L’は、以下の部分構造のうちの少なくともいずれかを有する配位子を示す。但し、以下の式において、「Ph」はフェニル基を表わす。
Figure 2008192433
中でも、L’としては、錯体の安定性の観点から、以下に挙げる配位子が好ましい。
Figure 2008192433
式(V)で表わされる化合物として、更に好ましくは、下記式(Va)、(Vb)及び(Vc)の少なくともいずれかで表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2008192433
{式(Va)中、M4は、Mと同様の金属を表わし、wは、上記金属の価数を表わし、環A1”は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表わし、環A2は、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。}
Figure 2008192433
{式(Vb)中、M5は、Mと同様の金属を表わし、wは、上記金属の価数を表わし、環A1”は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わし、環A2は、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。}
Figure 2008192433
{式(Vc)中、M6は、Mと同様の金属を表わし、wは、上記金属の価数を表わし、jは、0、1又は2を表わし、環A1”及び環A1’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わし、環A2及び環A2’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表わす。}
上記式(Va)、(Vb)及び(Vc)において、環A1”及び環A1’の好ましい例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
上記式(Va)、(Vb)及び(Vc)において、環A2及び環A2’の好ましい例としては、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フェナントリジル基等が挙げられる。
上記式(Va)、(Vb)及び(Vc)のいずれかで表わされる化合物が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
また、前記置換基の炭素数は本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、置換基がアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。また、置換基がアルケニル基である場合は、その炭素数は通常2以上6以下である。また、置換基がアルコキシカルボニル基である場合、その炭素数は通常2以上6以下である。また、置換基がアルコキシ基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。また、置換基がアリールオキシ基である場合は、その炭素数は通常6以上14以下である。また、置換基がジアルキルアミノ基である場合は、その炭素数は通常2以上24以下である。また、置換基がジアリールアミノ基である場合、その炭素数は通常12以上28以下である。また、置換基がアシル基である場合は、その炭素数は通常1以上14以下である。また、置換基がハロアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上12以下である。
なお、前記の置換基は互いに連結して環を形成してもよい。具体例としては、環A1”が有する置換基と環A2が有する置換基とが結合するか、又は、環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基とが結合するかして、一つの縮合環を形成してもよい。このような縮合環としては、例えば、7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
上述した置換基の中でも、環A1”、環A1’、環A2及び環A2’の置換基として、より好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基が挙げられる。なお、環A1”、環A1’、環A2及び環A2’の置換基は、1個のみが置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
また、式(Va)、(Vb)及び(Vc)におけるM4〜M6の好ましい例としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられる。
上記式(V)、(Va)、(Vb)及び(Vc)のいずれかで示される有機金属錯体の具体例を以下に示す。但し、下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2008192433
Figure 2008192433
さらに、上記式(V)で表わされる有機金属錯体の中でも、特に、配位子L及び/又はL’として2−アリールピリジン系配位子(即ち、2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、及び、これに任意の基が縮合してなるもの)を有する化合物が好ましい。
また、国際特許公開第2005/019373号明細書に記載の化合物も、発光材料として使用することが可能である。
次に、式(VI)で表わされる化合物について説明する。
式(VI)中、M7は金属を表わす。具体例としては、周期表第7〜11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、式(VI)において、R92及びR93は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表わす。なお、各R92及びR93はそれぞれ同じでもよく異なっていても良い。
更に、式(VI)においてTが炭素原子である場合、R94及びR95は、それぞれ独立に、R92及びR93と同様の例示物で表わされる置換基を表わす。また、式(VI)においてTが窒素原子である場合は、R94及びR95は無い。なお、各Tは同じでもよく異なっていても良い。
また、式(VI)においてR92〜R95は、更に置換基を有していてもよい。置換基を有する場合、その種類に特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。また、その置換基は、1個のみが置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していてもよい。
さらに、式(VI)においてR92〜R95のうち任意の2つ以上の基が互いに連結して環を形成してもよい。
式(VI)で表わされる有機金属錯体の具体例(T−1〜T−8)を以下に示す。但し、下記の例示物に限定されるものではない。また、以下の化学式において、Meはメチル基を表わし、Etはエチル基を表わす。
Figure 2008192433
発光材料として用いる化合物の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、また、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上の範囲である。分子量が小さ過ぎると、耐熱性が著しく低下したり、ガス発生の原因となったり、膜を形成した際の膜質の低下を招いたり、或いはマイグレーションなどによる有機EL素子のモルフォロジー変化を来したりする場合がある。一方、分子量が大き過ぎると、有機化合物の精製が困難となってしまったり、溶剤に溶解させる際に時間を要したりする傾向がある。
なお、上述した発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層4における発光材料の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常35重量%以下、好ましくは25重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。発光材料が少なすぎると発光ムラを生じる可能性があり、多すぎると発光効率が低下する可能性がある。なお、2種以上の発光材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(3−4−1−2.正孔輸送性化合物)
また、発光層4には、構成材料として、正孔輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、正孔輸送性化合物のうち、低分子量の正孔輸送性化合物の例としては、前述の<3−3−1−3.低分子量の正孔輸送性化合物>の欄で例示した各種の化合物のほか、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence, 1997年, Vol.72−74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications, 1996年, pp.2175)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals, 1997年, Vol.91, pp.209)等が挙げられる。なお、発光層4において、正孔輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層4における正孔輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常65重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。正孔輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の正孔輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
(3−4−1−3.電子輸送性化合物)
発光層4には、構成材料として、電子輸送性化合物を含有させてもよい。ここで、電子輸送性化合物のうち、低分子量の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等が挙げられる。なお、発光層4において、電子輸送性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
発光層4における電子輸送性化合物の割合は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また、通常65重量%以下、好ましくは50重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。電子輸送性化合物が少なすぎると短絡の影響を受けやすくなる可能性があり、多すぎると膜厚ムラを生じる可能性がある。なお、2種以上の電子輸送性化合物を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
<3−4−2.発光層の形成>
本発明に係る湿式成膜法により発光層4を形成する場合は、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布用組成物を調製し、それを用いて成膜工程、乾燥工程を経ることにより形成する。このとき、乾燥工程は成膜工程の終了後、15分以内に行なう。これらの詳細は、先の[1.湿式成膜法]の欄で説明した内容と同様である。なお、他の有機層を本発明に係る湿式成膜法で形成する場合は、発光層4の形成に、先の[2.蒸着法]の欄で説明した蒸着法、又はその他の方法を用いてもよいが、中でも本発明に係る湿式成膜法で形成することが好ましい。以下、特に本発明に係る湿式成膜法について説明する。
発光層を製造するための塗布用組成物に含有させる発光層用溶剤としては、発光層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。ただし、前述の発光材料、正孔輸送性化合物、及び、電子輸送性化合物を溶解することが可能なものが好ましい。具体的な溶解性としては、常温・常圧下で、発光材料、正孔輸送性化合物あるいは電子輸送性化合物を、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特には0.1重量%以上溶解することが好ましい。
発光層用溶剤の好適な例は、[1.湿式成膜法]で説明した溶剤と同一である。
発光層を製造するための塗布用組成物に対する発光層用溶剤の比率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下の範囲である。なお、発光層用溶剤として2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
発光層を製造するための塗布用組成物の塗布・成膜後、得られた塗膜を乾燥し、発光層用溶剤を除去することにより、発光層が形成される。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、[1.湿式成膜法]の欄で説明した、いかなる方式も用いることができる。
なお、乾燥の手法は特に限定されず、[1.湿式成膜法]で説明した手法と同様である。
発光層4の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。発光層4の膜厚が、薄すぎると膜に欠陥が生じる可能性があり、厚すぎると駆動電圧が上昇する可能性がある。
<3−5.電子注入層>
電子注入層5は、陰極6から注入された電子を効率良く発光層4へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層5を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送化合物に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は、通常、5nm以上、中でも10nm以上が好ましく、また、通常200nm以下、中でも100nm以下が好ましい。
なお、電子注入層5の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子注入層5の形成方法に制限はない。従って、上述の材料を上述の[1.湿式成膜法]で説明した湿式成膜法や、[2.蒸着法]で説明した蒸着法や、その他の方法で発光層4上に積層することにより形成することができる。
<3−6.陰極>
陰極6は、発光層4側の層(電子注入層5又は発光層4など)に電子を注入する役割を果たすものである。
陰極6の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。なお、陰極6の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
陰極6の膜厚は、通常、陽極2と同様である。
さらに、低仕事関数金属から成る陰極6を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、これらの材料は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<3−7.その他の層>
以上、図1に示す層構成の有機EL素子を中心に説明してきたが、本発明の有機EL素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極6との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
<3−7−1.正孔輸送層>
図2は、本発明の有機EL素子の構造の別の例を模式的に示す断面図である。なお、図2において、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して表わし、その説明は省略する。
図2に示す有機EL素子10bは、図1の有機EL素子10aと同様の構成に加えて、正孔注入層3と発光層4との間に正孔輸送層7を有している。この構成の場合、この正孔輸送層7は、正孔注入層3上に形成される有機層に該当することになる。
正孔輸送層7を形成する材料としては、上記正孔注入層3に混合して用いてもよい正孔輸送化合物として例示した化合物と同様なものが挙げられる。また、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン等の高分子材料も用いることができる。なお、正孔輸送層7の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る湿式成膜法により正孔輸送層7を形成する場合は、上述の材料を適切な有機層用溶剤に溶解させて塗布用組成物を調製し、それを用いて成膜工程、乾燥工程を経ることにより形成する。このとき、乾燥工程は成膜工程の終了後、15分以内に行なう。これらの詳細は、先の[1.湿式成膜法]の欄で説明した内容と同様である。なお、他の有機層を本発明に係る湿式成膜法で形成する場合は、正孔輸送層7の形成に、先の[2.蒸着法]の欄で説明した蒸着法、又はその他の方法を用いてもよい。以下、特に本発明に係る湿式成膜法について説明する。
正孔輸送層を製造するための塗布用組成物に含有させる正孔輸送層用溶剤としては、正孔注入層の形成が可能である限り任意のものを用いることができる。ただし、前述の正孔輸送性化合物や高分子材料を溶解することが可能なものが好ましい。
また、正孔輸送層用溶剤としては、ポリマー、電子受容性化合物、正孔輸送性化合物及びそれらの混合から生じるフリーキャリア(カチオンラジカル)を失活させる可能性のある失活物質又は失活物質を発生させるものを含まない溶剤が好ましい。
正孔輸送層を製造するための塗布用組成物の塗布・成膜後、得られた塗膜を乾燥し、正孔輸送層用溶剤を除去することにより、正孔輸送層が形成される。湿式成膜法の方式は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されず、[1.湿式成膜法]の欄で説明した、いかなる方式も用いることができる。
なお、乾燥の手法は特に限定されず、[1.湿式成膜法]で説明した手法と同様である。
なお、正孔輸送層7の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10nm以上、好ましくは30nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
<3−7−2.電子阻止層>
図3は、本発明の有機EL素子の構造の別の例を模式的に示す断面図である。なお、図3においても、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して表わし、その説明は省略する。図3に示す有機EL素子10cは、図1の有機EL素子10aと同様の構成に加えて、正孔注入層3と発光層4との間に電子阻止層8を有している。この構成の場合、この電子阻止層8は、正孔注入層3上に形成される有機層に該当することになる。
電子阻止層8は、発光層4から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層4内で正孔と電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層4の方向に輸送する役割とがある。特に、発光材料として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は効果的である。
電子阻止層8に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、発光層4を本発明に係る有機層として湿式成膜法で作製する場合には、電子阻止層8にも湿式成膜の適合性が求められる。このような電子阻止層8に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号公報記載)等が挙げられる。なお、電子阻止層8の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子阻止層8の形成方法に制限はない。従って、上述の材料を上述の[1.湿式成膜法]で説明した湿式成膜法や、[2.蒸着法]で説明した蒸着法や、その他の方法で正孔注入層3上に積層することにより形成することができる。
<3−7−3.電子輸送層>
以上、図1〜3を用いて説明した各構成の他にも、本発明の有機EL素子の構成としては、様々な変形例が考えられる。
例えば、発光層4と電子注入層5の間に、電子輸送層を設けてもよい。電子輸送層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極6から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極6又は電子注入層5からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物を用いる。このような条件を満たす化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。なお、電子輸送層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
電子輸送層の形成方法に制限はない。従って、上述の材料を上述の[1.湿式成膜法]で説明した湿式成膜法や、[2.蒸着法]で説明した蒸着法や、その他の方法で形成することができる。
電子輸送層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
<3−7−4.正孔阻止層>
また、例えば、発光層4と電子注入層5との間に、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層は、発光層4の上に、発光層4の陰極6側の界面に接するように積層される層である。この正孔阻止層は、陽極2から移動してくる正孔を陰極6に到達するのを阻止する役割と、陰極6から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送する役割とを有する。
正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。このような条件を満たす正孔阻止層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト),(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト),(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)などが挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層の材料として好ましい。なお、正孔阻止層の材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
正孔阻止層の形成方法に制限はない。従って、上述の材料を上述の[1.湿式成膜法]で説明した湿式成膜法や、[2.蒸着法]で説明した蒸着法や、その他の方法で形成できる。
正孔阻止層の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
<3−8.その他>
陰極6と発光層4又は電子輸送層との界面に、例えばフッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(II)(CsCO3)等で形成された極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1997年, Vol.70, pp.152;特開平10−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1997年, Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極6、電子注入層5、発光層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けることになる。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明の有機EL素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V25)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明の有機EL素子は、単一の有機EL素子として構成してもよく、複数の有機EL素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
また、上述した各層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、材料として説明した以外の成分が含まれていても良い。
さらに、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した有機層の成膜工程、乾燥工程、前処理工程、冷却工程において、各工程の前、後、最中に、その他の工程を行なってもよい。
[4.本発明の利点と本発明の効果が得られるメカニズム]
本発明により、湿式成膜法により形成される有機層を有する有機EL素子の製造方法において、長寿命の素子を得られる製造方法を提供することができる。本発明の製造方法によって、長寿命の有機EL素子を得ることができ、また、その長寿命な有機EL素子の安定製造ができる。さらに、本発明の製造方法によって、均質な有機層を得ることができ、素子特性(寿命、効率、色度座標)のロットブレの少ない素子を得ることができる。
しかし、なぜその様な効果が得られるかは、明らかになっていない。このことについて発明者は以下のように推測する。
湿式成膜法による成膜工程直後の薄膜は、溶剤を含んだ液膜状態となっており、成膜工程後に一定時間静置させ、膜の平滑性を得るのが一般的である。しかしながら、上記液膜状態では極めて水分を吸収/拡散し易く、かつ液膜中を有機層成分(分子)が動くことで膜質が周りの環境に影響され易いことから、従来、膜の安定製造、素子特性を制御することが困難であった。
そこで、本発明では、有機層の成膜工程終了後、より最適な間隔で乾燥工程に進ませることにより、有機層への水分の影響を軽減し、安定した膜質の有機層を得て、寿命を長くすることに成功したと推測される。
以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
<実施例1>
図4に示す構造を有する有機EL素子を以下の方法で作製した。なお、図4において、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して表わしている。
(ITO基板)
ガラスの基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッタ成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させた。最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
(正孔注入層の成膜)
次いで、正孔注入層3を以下のように湿式成膜法によって形成した。正孔注入層の材料は、下記式(1)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量29400、数平均分子量12600、ガラス転移温度160℃)2重量%と、酸化剤として4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨード二ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート0.8重量%とを、安息香酸エチルに溶解させた組成物を調製し、この組成物を前記ITO基板上にスピンコートで成膜した。
スピンコート条件として、スピナ回転数500rpm、2秒、そして1500rpm、30秒の2段階で行い、乾燥条件として230℃を3時間で行うことで、均質な膜厚30nmの薄膜を形成した。
Figure 2008192433
(発光層の成膜)
続いて、発光層4を以下のように湿式成膜法によって形成した。発光層の材料として、下記式(2)、下記式(3)、下記式(4)で表される化合物を、それぞれ1.5重量%、1.5重量%、0.15重量%になるように、脱水キシレンに溶解させて、有機EL素子用組成物を調製した。
Figure 2008192433
Figure 2008192433
Figure 2008192433
(成膜工程)
この有機EL素子用組成物を用いて、前記薄膜上に相対湿度56%、酸素の体積濃度25%の環境下でスピンコートし、発光層前駆体を形成した。スピンコートは、スピナ回転数500rpmで2秒、その後1300rpmで30秒の2段階の条件で行なった。
(乾燥工程)
前記発光層前駆体を130℃、減圧下(1×10-1Pa)で1時間行うことで、加熱乾燥した。乾燥工程は、成膜工程の終了後、1分以内に行なった。
(冷却工程)
さらに加熱乾燥した薄膜は、減圧下(1×10-1Pa)で室温まで冷却し、均質な膜厚80nmの薄膜を形成した。
(正孔阻止層〜封止)
湿式成膜法により形成した正孔注入層、発光層を有するITO基板に、蒸着工程を行なう前に、相対湿度56%、酸素の体積濃度25%の環境下に60分間おいた。
次に、正孔阻止層9aとして、下記式(5)で表される化合物を、るつぼ温度265〜270℃、蒸着速度0.08〜0.12nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は約2.2×10-4Paであった。
Figure 2008192433
次に、正孔阻止層9aの上に、電子輸送層9bとして下記式(6)で表される化合物を、同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は360〜400℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は約1.4×10-4Pa、蒸着速度は0.08〜0.12nm/秒で膜厚は30nmとした。
上記の正孔阻止層9a及び電子輸送層9bを真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
Figure 2008192433
ここで、電子輸送層9bまでの蒸着を行なった素子を、一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出した。そこに、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極のITOストライプと直交するように素子に密着させた。それを、別の真空蒸着装置内に設置し、装置内の真空度が約2.5×10-4Pa以下になるまで排気した。
次に、電子輸送層9bの上に、電子注入層5として、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度は約2.6×10-4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜した。
次に、電子注入層5の上に、陰極6として、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.1〜0.4nm/秒、真空度は約3.0×10-4Paで成膜して、膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極6を完成させた。
以上の電子注入層5、陰極6の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
最後にガラス封止することで、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機EL素子が得られた。
<実施例2>
成膜工程の終了後、15分後に乾燥工程を行なった以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
<実施例3>
成膜工程を、相対湿度1ppm、酸素の体積濃度7ppmの環境下で行なった以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
<実施例4>
実施例1において、湿式成膜法により形成した正孔注入層3、発光層4を有するITO基板に対して、蒸着工程を行なう前に、相対湿度1%、酸素の体積濃度25%の環境下に120分間おいた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
<実施例5>
実施例1において湿式成膜法により形成した正孔注入層3、発光層4を有するITO基板に対して、蒸着工程を行なう前に、相対湿度1ppm、酸素の体積濃度1ppmの環境下に120分間おいた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を製造した。
[比較例]
<比較例1>
実施例1の乾燥工程において、成膜工程終了後、60分後に乾燥工程を行なった。
<比較例2>
比較例1の湿式成膜法により形成した正孔注入層3、発光層4を有するITO基板に対して、蒸着工程を行なう前に、相対湿度60%、酸素の体積濃度25%の環境下に120分間おいた以外は、比較例1と同様にして有機EL素子を製造した。
[測定方法]
<輝度半減期>
輝度半減期の測定方法は、作製した有機EL素子に、試験開始時の輝度が2500nitとなる直流一定電流を通電したときの輝度変化をフォトダイオードにより観察した。輝度値が試験開始時の半分、すなわち1250nitとなるまでの時間(輝度半減期)を求めた。通電試験は、室温を空調により23±1.5℃に制御した室内で行なった。
得られた輝度半減期の結果を以下表1に示す。
Figure 2008192433
<Vth>
Vthの測定方法は、輝度が1nitになった際の電圧を測定した。輝度は、色彩輝度計を用いて測定した。
Vthの結果を以下の表2に示す。
Figure 2008192433
これらの結果から、本発明の製造方法を用いると、寿命が長く、駆動電圧の低い有機EL素子が得られることが明らかとなり、湿式成膜法を用いて形成される有機層を有する素子の寿命低下を低減させることができた。
本発明は、有機EL光素子が使用される各種の分野、例えば、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯等の分野において、好適に使用することが出来る。
本発明の有機EL素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の有機EL素子の構造の別の例を模式的に示す断面図である。 本発明の有機EL素子の構造の更に別の例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例に係る有機EL素子の構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 正孔輸送層
8 電子阻止層
9a 電子輸送層
9b 正孔阻止層
10a〜10d 有機EL素子

Claims (5)

  1. 陽極と陰極との間に湿式成膜法により形成される有機層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、
    有機層を湿式成膜法により形成する工程が、成膜工程、及び乾燥工程を有し、
    成膜工程の終了後、15分以内に乾燥工程を行なう
    ことを特徴とする、有機電界発光素子の製造方法。
  2. 該成膜工程が、相対湿度0.01〜100ppm、酸素の体積濃度0.01ppm〜100ppmの雰囲気下で行なわれる
    ことを特徴とする、請求項1記載の有機電界発光素子の製造方法。
  3. 湿式成膜法により該有機層を形成した後、さらに該有機層上に蒸着法で有機層を形成する工程を有し、
    前記湿式成膜法により有機層を形成する工程の後、前記蒸着法で有機層を形成する工程の前に、該湿式成膜法により形成された有機層を相対湿度0.01ppm〜10%、酸素の体積濃度0.01ppm〜25%の雰囲気下におく
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  4. 前記蒸着法により形成される有機層が、正孔阻止層または電子輸送層である
    ことを特徴とする、請求項3に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  5. 前記湿式成膜法により形成される有機層が、発光層である
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の有機電界発光素子の製造方法。
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