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JP2008153128A - 二次電池用負極活物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の蓄電池と同程度のコストの原材料を特に二次電池の負極版に用いることにより、活物質の利用率を向上させ高エネルギー密度が得られる蓄電池すなわち二次電池を提供する。
【解決手段】二次電池用負極活物質が、金属及び該金属の酸化物を含む活物質原料と、該活物質原料1モルに対し全吸油量が4.7ミリリットル以上となる量のカーボンとを含有し、かつ、硫酸根を含有しないかまたは硫酸根を含有する場合は該硫酸根の量を該活物質原料1モルに対して7×10−2モル以下とした混練物である。未化成状態であるときの嵩密度が2.2×10−1ミリリットル/グラム以上、5×10−1ミリリットル/グラム以下である。カーボンとしてアセチレンブラックまたはファーネスカーボンを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高エネルギー密度でありかつ安価なコストで製造できる二次電池用負極活物質に関する。
従来、種々の二次電池が知られており、例えば、安価なものとしては鉛蓄電池があり、高エネルギー密度のものとしてはリチウムイオン電池がある。いうまでもなく、安価であることと高エネルギー密度であることを兼ね備えた二次電池が理想的である。特に、蓄電池による発進駆動を行うハイブリッド自動車や電気自動車のような用途では、安価で高エネルギー密度の蓄電池に対する要望が大きい。蓄電池の価格は、その材料コストに最も大きく依存する。例えば、ハイブリッド自動車では、高価なニッケル水素蓄電池が使用されているが、ニッケル水素蓄電池の正極に使われるニッケルや負極に使用される貴金属は非常に高価な材料である。また、リチウムイオン電池も高価な材料を用いることを余儀なくされている。
一方、従来の鉛蓄電池は、鉛を酸化した鉛粉と言われる活物質原料に希硫酸を添加してペースト状態とし、このペーストを格子状の集電体に充填する製造方法が一般的である。その後、これを化成することで、正極は二酸化鉛、負極は海綿状鉛と言われる活物質を含むものとなる。これらの活物質は電池が放電されると硫酸鉛(放電活物質)へと変化する。放電活物質への変化に伴い体積が増加するために活物質における多孔質構造の孔が小さくなり、電解液の活物質への拡散が困難となる。
また、電気絶縁物である硫酸鉛へ変化することで電気抵抗が増大する。一般的には、硫酸鉛が70%を越えると電気抵抗は急激に増加する。従って、活物質を70%以上放電させること、つまり活物質の利用率を70%以上とすることは、理論的に不可能とされてきた。実際には、放電電流の大きさにも影響されるので、低率放電の利用率は一般的には40%程度、高率放電の利用率は20%程度が現状である。
活物質の利用率を上げるためには、活物質の嵩密度、すなわち、多孔度を上げることが必要条件であるが、背反事項として充放電サイクル寿命が激減することが従来から知られており、多孔度を上げ活物質の利用率を向上させるということは、至難の技とされ、未解決のままである。
鉛蓄電池は、原料が安価である点では好ましいが、活物質の利用率が低いために鉛の使用量を増やさざるを得ず、その結果、ただでさえ密度の大きい鉛の重量がさらに増えてエネルギー密度の低下を招いている。現状の鉛蓄電池のエネルギー密度では、ハイブリッド車や電気自動車には不十分であり使用できない。
鉛蓄電池の従来技術としては、例えば特許文献1及び2がある。特許文献1では、化成効率が高く、高容量で寿命の長い鉛蓄電池陽極板の製造方法を開示する。具体的には、三塩基性硫酸鉛と鉛丹と水(または硫酸)とを混練し充填した内側活物質ペースト層の上に、鉛丹と水とを混練し充填した外側活物質ペースト層を形成して未乾燥極板を作製し、これを乾燥し化成する製造方法である。特許文献2では、鉛蓄電池の長寿命化を目的とし、鉛粉と、鉛粉に対して13重量%の希硫酸と、鉛粉に対して12重量%の水に、負極添加剤として、鉛粉に対して0.1〜0.3重量%のDBP吸油量100〜300ml/100gの非晶質炭素及び/又は鉛粉に対して0.4〜0.6重量%のリグニンスルホン酸ナトリウムを添加、混練して作製した負極ペーストを開示する。
特開平6−76815号公報 特開2002−63905号公報
安価であることと高エネルギー密度であることを兼ね備えた二次電池が要望されているが、従来これらは背反的関係にある概念とされており、未だ実現されていない。特許文献1及び2は、鉛蓄電池の長寿命化を主目的としており、長寿命化を実現しつつ活物質の利用率をできるだけ低下させないことを図っている。従って、特許文献1及び2の技術では、活物質の利用率は高々現状の程度に留まり、高エネルギー密度を得られる70%を超える活物質の利用率は実現されない。
上記の通り、鉛蓄電池のエネルギー密度が低い主要な原因は、その電気抵抗が増大するために利用率を70%以上とすることができないことである。加えて、大電流で放電する使用形態では利用率はさらに低下する。また、活物質の利用率と寿命は背反的関係にあるとされている。つまり、利用率を上げると、充放電サイクル寿命が低下するという致命的な問題も存在する。
一方、リチウムイオン電池のコストが高いのはその必須材料に起因するため、コスト低減は困難である。
以上により、本発明は、鉛蓄電池と同程度のコストの原材料を用いて、高エネルギー密度が得られる蓄電池すなわち二次電池を提供することを目的とする。より具体的には、二次電池の負極板について低コストの原材料により活物質の利用率を向上させた二次電池用負極活物質を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る二次電池用負極活物質は、金属及び該金属の酸化物を含む活物質原料と、該活物質原料1モルに対し全吸油量が4.7ミリリットル以上となる量のカーボンとを含有し、かつ、硫酸根を含有しないかまたは硫酸根を含有する場合は該硫酸根の量を該活物質原料1モルに対して7×10−2モル以下とした混練物であることを特徴とする。
請求項2に係る二次電池用負極活物質は、請求項1において、前記二次電池用負極活物質が格子状集電体に充填され乾燥された後の未化成状態であるときの嵩密度が2.2×10−1ミリリットル/グラム以上、5×10−1ミリリットル/グラム以下であることを特徴とする。
請求項3に係る二次電池用負極活物質は、請求項1または2において、前記カーボンがアセチレンブラックであることを特徴とする。
請求項4に係る二次電池用負極活物質は、請求項3において、前記アセチレンブラックに対する重量比において5×10−2以上で、水に対する溶解度が20°Cにおいて4×10-1以下のポリビニルアルコールがさらに含有されている混練物であることを特徴とする。
請求項5に係る二次電池用負極活物質は、請求項1または2において、前記カーボンがファーネスカーボンであって該カーボンが前記活物質原料1モルに対して1.27モル以下の割合で含有されている混練物であることを特徴とする。
請求項6に係る二次電池用負極活物質は、請求項1〜5のいずれかにおいて、シリカがさらに含有されている混練物であることを特徴とする。
請求項7に係る二次電池用負極活物質は、請求項1または2において、前記カーボンをポリビニルアルコールと水または希硫酸とともに混練する第1の混練工程において生成された第1の混練物に対し前記活物質原料を加えてさらに混練する第2の混練工程において生成された第2の混練物であることを特徴とする。
請求項8に係る二次電池用負極活物質は、請求項7において、前記第1の混練工程においてシリカをさらに含有させて混練したことを特徴とする。
本発明では、二次電池用負極活物質の利用率を向上させるために、電解液(希硫酸)と活物質とが十分に接触でき、電気抵抗の増大を招来しない構成を実現した。具体的には、負極板において導電性ネットワークを形成し、そのネットワークが電解液を担持するための無数の孔を有することで、負極板の嵩密度を高める。つまり、多孔度を向上させることで、負極板内に存在する電解液の量を増加させるとともに、負極板外からの電解液の浸透拡散を容易にすることで、活物質に対して電解液が十分に供給できるように構成した。具体的には、負極活物質の混練物において、活物質原料(金属とその金属酸化物からなる)1モルに対するカーボンの全吸油量が4.7ml(ミリリットル)以上となるようにする。
負極板では、粒子連鎖構造物質であるカーボンを含有することにより導電性ネットワークを形成することができる。粒子連鎖構造物質とは、複数の粒子状物質が互いに融着し全体として鎖状に延びた状態の物質をいう。このようなカーボンを水または希硫酸に分散させ、これに活物質原料である鉛粉を添加して混練することによりペースト状の混練物である負極活物質を作製する。この混練物を、負極板の集電体である格子に充填し乾燥した後の未化成状態においては、嵩密度が2.2×10−1ml/g以上、5×10−1ml/g以下であることが好適である。
この混練物においては、カーボンにより形成された導電性ネットワークに活物質原料である鉛粉がほぼ均一に分散しネットワーク内に配置される。粒子連鎖構造物質であるカーボンは互いに縦横に絡み合うことでネットワーク状になると同時に、無数の孔を形成して多孔質構造となる。これらの孔は、十分な量の電解液を保有することができる。加えて、カーボンにより良好な導電性を維持できる。放電持には、これらの孔に保有された希硫酸が、分散した活物質原料へ持続的に供給されることになる。この結果、導電性ネットワークは、放電終了時直前の電気抵抗の急激な増大を防止できる。
なお、導電性はないがシリカもまたカーボンと同程度の吸油量をもつ多孔質構造を形成できるため、カーボンの一部をシリカに置き換えても電解液の吸収及び拡散という点では同じ効果が得られる。後述する実施例では、シリカとカーボンの吸油量を同一としてシリカの含有量を増加させ、カーボンを同量減少させて利用率への寄与を測定したが、必ずしも吸油量を同一にする必要はなく、両者の総合で所望の吸油量を得て多孔質を確保できれば足りる。
さらに、本発明によれば、混練物中の硫酸根(SO)を少なくすることにより、または硫酸根を全く含まないことにより、活物質原料である鉛粉の粒子径の増大を防止し粒子径の小さいままの活物質原料を維持できる。粒子径の小さい活物質原料からなる活物質は放電が円滑となり、放電時の活物質利用率を向上させる。硫酸根を含む場合は、硫酸根の量を活物質原料1モルに対し7×10−2モル以下とする。硫酸根は、負極活物質の混練物を作製する際に一般的に混練媒体として用いられていた希硫酸に由来する。本発明によれば、作製された負極活物質に含まれる活物質原料の酸化鉛含有粒子の粒子径を、従来と比べて小さくすることができるため、電解液の活物質への拡散が安定に持続し、放電が円滑に進行する。これにより、放電時の活物質利用率の大幅な向上を実現することができた。
補足すると、原料である鉛粉(1粒子をミクロ的に見ると、1粒子の75%〜80%が酸化し、中心付近部分が未酸化状態で残っている粒子)の粒子は、約1μm程度の粒子サイズで、非常に細かいものであるが、これに希硫酸が添加されると、酸化鉛部分が3塩基性硫酸鉛(3PbO・PbSO・HO)へと変化することでその粒子径が大きくなる。これに、熟成工程が加味されることで粒子径はさらに大きくなる。混練物中の硫酸根を制限することで、3塩基性硫酸鉛の形成量が減少または皆無となるので、活物質原料の酸化鉛含有粒子は全体的に小さいままで維持される。
このように、粒子連鎖構造物質を含ませることにより負極活物質の多孔度を向上させて電解液の供給を促進することと、ペースト混練物中の硫酸根を制限して作製工程における活物質原料の粒子径の増大を回避することの相乗効果で、負極活物質の利用率は、これまで理論的な限界とされていた70%を超えることが可能となった。従来の一般的な低率放電の利用率40%からすれば、約2倍近い利用率が実現された。同様に、高率放電においても2倍程度の向上が見られた。
カーボンとしては、アセチレンブラックがファーネスカーボンよりも高い利用率が得られる傾向があり好適である。
またポリビニルアルコールは、カーボンの導電性を確保しながら混練物の分散剤として効果を発揮するとともに、負極ペーストの極板への付着性も向上させることができる。カーボンとしてアセチレンブラックを用いた場合は、アセチレンブラックに対する重量比において5×10−2以上で水に対する溶解度が20℃で4×10-1以下のポリビニルアルコールを含有させて混練りすることが好適である。このようなポリビニルアルコールは比較的安価であるので材料コストを上げることなく、従来に比べて高い活物質利用率が得られる。
カーボンとしてファーネスカーボンを用いた場合は、活物質原料1モルに対して1.27モル以下の割合で含有させることにより従来に比べて高い活物質利用率が得られる。
本発明においては、負極活物質にカーボン(一部をシリカとする場合もある)を添加し、好適にはポリビニルアルコールを分散剤として分散させ、硫酸根を制限した状態でペースト状の混練物とすることで、活物質の利用率を大幅に向上させることができた。本発明では、従来のほぼ2倍程度の活物質利用率が得られることから、所望する電池容量を発揮するために必要とされる活物質原料である鉛粉を、従来の約1/2とすることが可能である。
鉛粉を低減できることにより蓄電池のコストをさらに低減でき、エネルギー密度を大幅に向上できる。この結果、同じ電池容量において従来の蓄電池の軽量化が可能となる。これらにより、ハイブリッド自動車用蓄電池及び電気自動車用として極めて好適なものとなる。活物質利用率の大幅な向上は、過去百年近くに亘り不可能とされてきたが、本発明によりそれが始めて可能となった。その工業的価値は極めて高いと云える。
また、本発明の負極活物質を使用することにより、従来は不可能とされていた充放電サイクル寿命を格段に向上させた鉛蓄電池を製造することができた。
先ず、本発明の実施形態の概要を説明する。詳細については、以下の各実施例にて説明する。
本発明による二次電池用負極活物質(「負極活物質」または「活物質」と略称する)は、実質的には鉛蓄電池を対象とする。負極活物質は、活物質原料を主要成分としその他の必要な成分を添加してペースト状の混練物としたものである。この混練物を格子状集電体である負極板に充填及び乾燥し(未化成状態)、その後この負極板を蓄電池に組み込み、化成工程を行うことにより鉛蓄電池として完成する。
負極活物質である混練物は、金属及びその金属の酸化物を含む活物質原料と、カーボンとを含有する。活物質原料は鉛粉とする。そして、カーボンは、活物質原料1モルに対し全吸油量が4.7ml以上となる量とする。「全吸油量」とは、活物質中に含まれるカーボンと活物質原料の相対的含有量の関係において、活物質原料1モル当たりに対するカーボン含有量におけるカーボンのもつ吸油量全体であり(後述する計算式で詳細を示す)、カーボン特性の指標であるDBP吸油量とは異なる値である。混練り用の媒体としては、水のみ(すなわち希硫酸を用いない)か、あるいは希硫酸を用いる。希硫酸を用いる場合は、それに含まれる硫酸根(SO)を、活物質原料1モルに対し7×10−2モル以下の割合とする。
本発明の負極活物質の多孔度の目安としては、格子状集電体に充填され乾燥された後の未化成状態にて、その嵩密度が2.2×10−1ml/g以上、5×10−1ml/g以下である。
なお、上記の混練物におけるカーボンの一部をシリカに替えても、同等の本発明の効果を得ることができる。但し、カーボンとシリカが混在する場合、カーボンのみの場合と同程度の効果を得るには全吸油量が、カーボンのみの場合と同程度となるように置換することが好適である。
カーボンとしては、例えば、アセチレンブラックまたはファーネスカーボンを用いることができ、これらを混合して用いてもよい。アセチレンブラックの方がファーネスカーボンよりも高い活物質利用率が得られた。ファーネスカーボンを用いる場合は、活物質原料1モルに対して1.27モル以下の割合で含有させることにより従来よりも高い活物質利用率が得られた。
さらに、上記の混練物に対しポリビニルアルコール(PVA)を含有させることが好適である。ポリビニルアルコールは、カーボン等の分散性向上を目的として添加するが、混練物を格子状集電体に充填したときにその付着強度を高めることにも寄与する。特にアセチレンブラックを用いた場合、水100gに対する溶解量が20℃で4×10g(溶解度で表すと、溶解度=4×10-1)以下のポリビニルアルコールを、アセチレンブラックに対する重量比において5×10−2以上含有させることにより従来よりも高い活物質利用率が得られた。
また、水100gに対する溶解量が20℃で38g(溶解度で表すと、溶解度=3.8×10-1)以下のポリビニルアルコールは、安価である点で好適である。一方、水100gに対する溶解量が20℃で12g(溶解度で表すと、溶解度=1.2×10-1)以下のポリビニルアルコールは、添加量を比較的多くしても活物質利用率に影響を及ぼさないことが判明した。
本発明による負極活物質は、次の製造工程(具体的には、混練物の作製工程)によって生成されたものである。第1の混練工程では、カーボンをポリビニルアルコールと水または希硫酸とともに混練りし、第1の混練物を生成する。次に、第2の混練工程では、第1の混練物に対し活物質原料を加えてさらに混練りし、第2の混練物を生成する。得られた第2の混練物が、上記の負極活物質である。従来の負極活物質では、このような2工程での混練りは行っていなかった。本発明では、2工程の混練工程を経ることによって好適な嵩密度をもつ負極活物質を得ることができた。なお、第1の混練工程は攪拌混合等の手段で置き換えることも可能である。
本発明による負極活物質の利用率は、格子状集電体を用いた場合、40時間率放電(低率放電)では約70%、10分間率放電(高率放電)では約40%であった。低率放電及び高率放電におけるどの放電率においても、従来の鉛蓄電池に比べて利用率が格段に向上した。集電体としては、従来通りの格子を用いることが可能であり、あるいは、鉛シートのようなシート状物に活物質を塗布することも可能である。格子状集電体に充填する場合は、ある程度の粘性が必要なので、混練媒体である水の量をその他の成分に対して少なく設定してペースト状の混練物とする。一方、シートに塗布する場合は、水の量を多くして粘性を低くしスラリー状の混練物とする。極板に適用する前の混練物がペーストであってもスラリーであっても、本発明の効果は同様に得られる。
格子状集電体にペーストを充填した極板は、基本的には、従来の鉛蓄電池の全用途に用いることができ、しかも同じ電池容量においてより軽量とすることができる。シート状にした極板を用いた鉛蓄電池は、円筒形状の電池を形成できる。その場合、極板をスパイラルに巻くことにより高率放電に優れ、耐振動性の強い電池となる。これは、特にハイブリッド自動車用、電気自動車用として適している。ハイブリッド自動車では、現在、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池が使用されあるいは検討されているが、いずれもコストが高いという問題があった。本発明による鉛蓄電池は、それらより格段に低コストであるため実用化に適している。
以上のように、本発明による負極活物質を用いた鉛蓄電池は、大電流による放電が可能なこと、長寿命であること、活物質利用率が高いこと、低コストであることに加えて、リチウムイオン電池やニッケル・水素電池に比べて充放電の管理が簡易である。その最適な用途は、自動車用途におけるエンジンと蓄電池のハイブリッド的な使い方である。この用途では、自動車の制動時の回生電力を蓄電池へ充電し、発進時には蓄電池から電力を取り出すことで、ガソリンの消費を節減する。自動車企業では、省エネルギーや排ガス減少により環境的に好ましいことから、現在及び将来的にハイブリッド自動車に注力しており、本発明の産業上の利用性は極めて高いといえる。
また、一般的な蓄電池はフロート充電使用されることも多い。これは、停電発生の非常時に蓄電池から負荷へ給電するシステムであり、一般的には10分間率程度で放電されるケースが多い。このような蓄電池として従来の鉛蓄電池と用いると、短時間放電すなわち大電流放電となるので、元々高くない活物質利用率がさらに低下する。従って、大きな定格容量の鉛蓄電池を用意しなければならず、大きくかつ重いものとなる。本発明の負極活物質を用いた鉛蓄電池は、活物質利用率が従来の鉛蓄電池の約2倍以上と高く、かつ大電流による放電が可能で、軽量とすることができる。
以下、格子状集電体を用いた負極板に適用した場合における本発明の各実施例を説明する。
実施例1では、嵩密度を変えた負極活物質の混練物(以下、「負極ペースト」と称する)を調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。
<試料の調製>
表1は、試験に供した負極ペーストの成分組成を示す一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分であり、鉛の酸化度は約75〜80%である。カーボンは、DBP吸油量175ml/100gのアセチレンブラックを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)は、重合度2400のものを用いた。
DBP吸油量は、その物質100g当たりに吸液されるジブチルフタレートの量を示し、物質の吸液性を示す1つの指標である。ここでは、負極活物質を用いた極板の一性状である嵩密度のパラメータとして用いている。本発明の実施例では、DBP吸油量またはこれに基づいて換算した上述の全吸油量と、活物質利用率や電池容量とを明確に関係付けることにより、本発明による負極活物質の特徴と、その利用率や電池容量との関係を明らかとした。嵩密度の制御は、カーボン、黒鉛及び水量により行った。
カーボン及び黒鉛を用いた場合(負極ペースト4〜9)は、先ず、これらを水及びポリビニルアルコールとともに30分間混練し、その後、この混練物に対し鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加し、さらに混練を30分間行った。
比較例として作製した負極ペースト1〜3及び10は、鉛粉、リグニン、硫酸バリウムを表1の量にて単純に混練したものであるが、負極ペースト10では、水ではなく一般的に用いられている希硫酸を用いた。なお、負極ペースト10は従来の負極活物質である。
<試験方法>
このようにして作製した負極ペースト4〜9を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。比較例である負極ペースト1〜3及び10についても同様に格子状集電体に充填した。
こうして得た未化成状態の負極板について、負極活物質の特性の一つを示す嵩密度を測定した。表2は、嵩密度の測定方法を示す。
Figure 2008153128
未化成活物質の嵩密度は次式で算出される。
未化成活物質の嵩密度=未化成活物質の体積/未化成活物質の重量
=(D−B)/(C−A)
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06A(アンペア)と6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7V(ボルト)と1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
未化成活物質の嵩密度と、利用率の関係について、図1は、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフであり、図2は、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。図1の低率放電利用率及び図2の高率放電利用率の双方において、嵩密度が3×10−1ml/g以下では嵩密度が大きくなるほど利用率の値が高くなる傾向を示している。さらに、図1及び図2とも、嵩密度が3×10−1ml/gを越えると、嵩密度の増加による利用率の増加割合が少なくなる傾向を示した。
本発明の負極ペースト4〜9は、いずれも嵩密度が2.5×10−1ml/g以上であり、利用率は低率放電で60%〜78%、高率放電で32%〜47%が得られた。従来の負極ペースト10では、嵩密度は2×10−1ml/g程度であり利用率は低率放電で50%、高率放電で20%程度である。これは従来知られている利用率の上限値と同程度である。また、希硫酸を用いずカーボンと黒鉛を含まない負極ペースト1〜3では、負極ペースト10と比べて嵩密度が上回っているものについては利用率も高いが、カーボンと黒鉛を用いた本発明の負極ペースト4〜9よりは利用率が劣っている。
嵩密度が小さい場合には、活物質が放電をするのに必要な電解液(希硫酸)を極板外からより多く供給する必要があるが、嵩密度が大きい場合は電解液を活物質の近傍から供給できるため、より放電しやすくなる。従って、図1及び図2に示す結果となったものである。利用率は、電池のエネルギー密度を向上させる上で、絶対に必要な項目である。また、利用率が高ければ、電池の活物質を少なくすることができるので、コスト低減の意義も大きい。
図1及び図2に示した結果から、嵩密度は3×10−1ml/gよりもやや高いところに維持するのがもっとも効率的であると言える。それ以上嵩密度を大きくしても利用率はさほど伸びないためである。
前述したように、利用率は極めて重要な要素であるが、場合によっては、電池の絶対容量を要求される用途もある。ここで、図3は、未化成活物質の嵩密度と、容量の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。図4は、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。図3の低率放電容量は、嵩密度が大きくなるにつれて、単調に減少する結果となった。これは嵩密度が大きければ、それだけ、活物質が少ないので、取り出せる容量が減少したものである。一方、図4に示した高率放電では嵩密度が大きくなると、容量は減少する傾向を示したが、カーボン及び黒鉛が存在する場合には、これらの炭素がない場合に比べて、より高い容量となった。これは、カーボン及び黒鉛の導電性あるいは高い液保持特性が高率放電の容量の増大に寄与したと考えられる。
従来の未化成活物質の嵩密度は2×10−1ml/g程度である。図1及び図2の結果から、未化成活物質の嵩密度は、2.2×10−1ml/g以上とするのが利用率を上げる点から好ましいが、図3及び図4の結果から絶対容量をある程度保持するには5×10−1ml/g以下とすることが現実的である。これは、図1及び図2において、嵩密度が5×10−1ml/g付近で最も高い利用率を示しているからで、利用率と嵩密度のAND条件において十分実用的な領域であるからである。
前述したように、活物質原料である鉛粉は主体が酸化鉛であるが、酸化されていない金属状の鉛も含む。酸化鉛が電解液の硫酸と反応して、化成により活物質である鉛に変化する。通常はこのようにしてできた鉛が活物質とみなされている。すると、元来含まれていた金属鉛を活物質とみなすかどうかは議論の分かれるところである。おそらく、金属鉛は活物質として寄与する程度は酸化鉛より相当程度低いと考えるが、ここでは、活物質原料に元来含まれていた金属鉛も酸化鉛と同様に活物質として機能するとみなして、放電における活物質の利用率を計算した。金属鉛の利用率への寄与が低い場合、本発明の活物質の利用率はこの実施例で示すものより更に高い値となる。なお、他の実施例でも同様である。
実施例2では、カーボンのDBP吸油量を変えた負極ペーストを調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。
<試料の調製>
表3は、試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分であり、酸化度は約75から80%である。カーボンは、表3に示すよう吸油量80、140、175及び220ml/100gの4種類のアセチレンブラックを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)は、重合度2400のものを用いた。表3における成分4の欄には、それぞれのカーボンのDBP給油量を示しており、カーボンの量はいずれも8.6gとした。
上述の実施例1では嵩密度の制御はカーボン、黒鉛及び水量によって行ったが、実施例2ではカーボンのDBP吸油量を変えることで、混練物の嵩密度を制御した。
カーボン及び黒鉛を用いた場合(負極ペースト7、11〜13)は、先ず、これらを水及びポリビニルアルコールとともに30分間混練し、その後、この混練物に対し鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加し、さらに混練を30分間行った。
比較例として作製した負極ペースト10は、鉛粉、リグニン、硫酸バリウムを表1の量にて単純に混練したものであるが、水ではなく一般的に用いられている希硫酸を用いた。
<試験方法>
このようにして作製した負極ペースト7、11〜13を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。比較例である負極ペースト10についても同様に格子状集電体に充填した。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06Aと6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7Vと1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
図5は、カーボンのDBP吸油量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。図6は、同じく、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。(図中、「実施ペースト」は本発明の負極ペースト11〜13を、「比較ペースト」は比較例の負極ペースト10を意味する。以下の図において同じ)吸油量が50ml/100g付近では、従来の一般的な利用率40%を約10%上回り、ここで試験用として用いた従来ペーストの利用率50%と同等強であり、吸油量が80ml/100g以上では、低率放電及び高率放電の各利用率とも、さらに従来ペーストよりも大きくなった。上述の実施例1では、カーボンは負極ペーストの嵩密度を大きくしていることが判明したが、実施例2の結果から、カーボンのDBP吸油量もまた、負極ペーストの嵩密度を大きくしており、その結果、負極の利用率を向上させる同様の作用効果を奏することが判明した。
図6を参照すると、高率放電でのDBP吸油量の下限値は50ml/100g付近では、従来ペーストの利用率を5%程度上回りっている。DBP吸油量の50ml/100gでは、含有しているカーボン8.6gの全吸油量は、50(ml/100g)×8.6(g)により、4.3mlとなる。この値を、使用した活物質原料である鉛粉のモル量に対する吸油量に換算すると次の通りとなる。上記のとおり鉛粉は酸化度は約75から80%である。従って、酸化鉛成分を75%とし、鉛成分を25%とした場合の例を説明をする。
使用した鉛粉200gは、酸化鉛150gと金属鉛50gからなるので、それぞれの分子量223と203より、酸化鉛は150/223=0.673(モル)、金属鉛は、50/203=0.246(モル)となる。つまり、鉛粉の全モル量は、0.673+0.246=0.919(モル)となる。
鉛粉0.919モルに対するカーボンの全吸油量が4.3mlであるから、1モル当たりに換算した吸油量は、4.3(ml)/0.919(モル)=4.679(ml/モル)となる。上記の説明を計算式で表すと、以下のとおりである。
50(ml/100g)×8.6(g)/(150(g)/223+50(g)/203)=4.679(ml/モル)
酸化鉛成分を80%とし、鉛成分を20%とした場合は、以下の式で示される。
50(ml/100g)×8.6(g)/(160(g)/223+40(g)/203)=4.702(ml/モル)
従って、低率放電の利用率を示す図5、高率放電の利用率を示す図6において、カーボンの全吸油量が活物質原料のモル量に対して4.7ml/モル以上(すなわち、活物質原料1モルに対し全吸油量が4.7ミリリットル以上となる量のカーボン)であれば、従来ペーストよりも高い利用率を示すことになる。
実施例3では、硫酸根の量を変えた負極ペーストを調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。
<試料の調製>
表4は試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分であり、鉛の酸化度は約75〜80%である。カーボンは、DBP吸油量220ml/100gのアセチレンブラックを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)は、重合度2400のものを用いた。
負極ペースト14は、硫酸根を含まない。負極ペースト15及び16では、表4に示した成分8の硫酸根を含む。
比較例の負極ペースト10は従来から用いられている負極ペーストの一例で、成分7として比重1.15で32ml(約37g)の希硫酸を用いた。これは硫酸根の量としては7.8g(表4の成分8に示す)に相当し、上記37gの希硫酸に含まれている。
カーボン及び黒鉛を用いた場合(負極ペースト14〜16)は、先ず、これらを水(ペースト15及び16については希硫酸)及びポリビニルアルコールとともに30分間混練し、その後、この混練物に対し鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加し、さらに混練を30分間行った。
比較例として作製した負極ペースト10は、鉛粉、リグニン、硫酸バリウムを表4の量にて単純に混練したものであるが、水ではなく上記の通り希硫酸を用いた。
<試験方法>
このようにして作製した負極ペースト14〜16を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。比較例である負極ペースト10についても同様に格子状集電体に充填した。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06Aと6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7Vと1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
図7は、硫酸根の量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。図8は、同じく、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。低率及び高率放電とも、硫酸根の無い場合が利用率が最も高く、硫酸根の添加される量が多くなるにしたがって低くなった。硫酸根の量の上限値は、従来ペーストより利用率が大きくなる点とすると、低率放電ではほぼ6g、高率放電ではほぼ4gとなる。従って、希硫酸に由来する硫酸根の上限値は、低率放電の場合の6gとすることができる。硫酸根の活物質原料に対する上限値を算出すると次の通りとなる。硫酸根6gは、その分子量が96であるから0.063モル(6(g)/96=0.063(モル))である。よって、鉛粉200g(0.91モル)に対するモル割合は、0.063/0.919=6.9×10−2となる。つまり硫酸根が、活物質原料1モルに対して7×10−2モル以下であれば、従来よりも高い利用率となることが判明した。
従来の負極ペーストには必ず希硫酸が含有されていたが、この希硫酸に由来する硫酸根により、根練工程において鉛粉の主成分である酸化鉛が3塩基性硫酸鉛へと変化する。その際に、結晶の大きさも変化し大きくなる。これを化成した負極活物質の粒子は大きなものとなり、電解液と活物質との接触表面積が実質的に小さくなり、利用率が低下したものと考えられる。
なお、実施例3では希硫酸を用いたが、例えば、硫酸ナトリウム水溶液や硫酸カリウム水溶液を用いて、同様な混練物を作製しても、硫酸根が増加すれば、負極活物質の利用率は同じように低下することを確認した。
シリカの量を変えた負極ペーストを調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。
<試料の調製>
表5は試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分であり、鉛の酸化度は約75〜80%である。カーボンは、DBP吸油量170ml/100gのアセチレンブラックを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)は重合度2400のものを用いた。カーボンとシリカについて、吸油量を同じとして、カーボンの一部をシリカに置き換えるようにして、表5に示すペーストを調製した。比較例として、表1に示した従来の負極ペースト10についても、試験を行った。
負極ペースト17〜19については、カーボン、黒鉛及びシリカ(含む場合)を水とポリビニルアルコールで、30分間混練し、その後、この混練物に鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加して、さらに混練を30分間行った。比較例の負極ペースト10についても、前述の実施例ものと同様に混練を行った。
<試験方法>
このようにして作製した負極ペースト17〜19を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。比較例である負極ペースト10についても同様に格子状集電体に充填した。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06Aと6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7Vと1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
図9は、シリカの量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。図10は、同じく、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。負極ペースト17〜19は、低率放電である0.06Aでは、利用率が72%〜74%と、比較例の負極ペースト10の48%に比べて高い利用率を示した。また、カーボンの一部をシリカに変えてもほぼ同じレベルの利用率を得ることができた。
負極ペースト17〜19は、高率放電である6Aでも、利用率が42〜44%と、比較例の負極ペースト10の19%に比べて高い利用率を示した。またカーボンの一部をシリカに変えてもほぼ同じレベルの利用率を得ることができた。
シリカはカーボンと同じように高いDBP吸油量を有するので、同じDBP吸油量をもつカーボンの一部をシリカに置き換えても、活物質の利用率は高い値を示すことができる。カーボンの一部をDBP吸油量の異なるシリカに置き換える場合は、活物質原料1モルに対する全吸油量がカーボンのみの場合と同じになるようにシリカの量及び/又はシリカの吸油量を調整するとほぼ同一の吸油量を得られる。
ポリビニルアルコールの量を変えた負極ペーストを調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。ポリビニルアルコールは、カーボンや黒鉛の分散剤として添加される。
<試料の調製>
表6は試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分である。鉛の酸化度は約75〜80%である。カーボンは、DBP吸油量220ml/100gのアセチレンブラックを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。
ポリビニルアルコールは、水に対する溶解度の比較的低いポリビニルアルコール(株式会社クラレ製エクセバールRS-4105)と、水に対する溶解度の比較的高い通常のポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)を用いた。前者を「ポリビニルアルコール-1」、後者を「ポリビニルアルコール-2」とする。
負極ペースト20〜26について、カーボン及び黒鉛を水とポリビニルアルコールで、30分間混練し、その後、この混練物に鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加して、さらに混練を30分間行った。
このようにして作製した負極ペースト20〜26を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。ポリビニルアルコール-1の20℃における溶解度は12パーセントであり、ポリビニルアルコール-2の20℃における溶解度は38パーセントであった。溶解度とは、ある溶質が一定の量の溶媒に解ける限界値を言う。この実施例では、理解の容易性の観点から、溶解度=(溶質の質量(g)/溶媒の質量(g))×100(%)として、パーセントで表した。但し、特許請求の範囲では、単に、溶解度=(溶質の質量(g)/溶媒の質量(g))で表している。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06Aと6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7Vと1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
図11は、ポリビニルアルコールの添加量と利用率の関係について、高率放電(6A)の場合と低率放電(0.06A)の場合をそれぞれ示したグラフである。溶解度の大きいポリビニルアルコール-2では、ポリビニルアルコールの添加量が多いほど活物質の利用率は低率放電及び高率放電のいずれにおいても低下した。一方、溶解度の低いポリビニルアルコール-1を添加した場合は、その添加量を増しても活物質の利用率は低下しなかった。
ポリビニルアルコール-2の添加量の上限値は、図11から、低率放電でほぼ55%以上、高率放電でほぼ35%以上の活物質利用率が得られる点(負極ペースト26の2.57g)とすることが妥当であり、その点におけるアセチレンブラック(8.6g)に対する重量比は、2.57(g)/8.6(g)=0.299、と算出され、ほぼ3×10−1である。すなわち、ポリビニルアルコール-2の添加量をアセチレンブラックに対して重量比で3×10−1以下に留めることが好適である。
また、ポリビニルアルコール-2の溶解度は、20℃において38パーセントであるから、ポリビニルアルコール全般(ポリビニルアルコール-1及びポリビニルアルコール-2を含む)としては、溶解度40%以下(すなわち、水に対する溶解度が20°Cにおいて4×10-1以下)が妥当である。
ポリビニルアルコールは、元来の目的はカーボンの導電性を確保しながらカーボンや黒鉛の分散性の向上であるが、粘着性を有するため、負極ペーストが格子状集電体に充填された際にその格子状集電体への付着強度を高める作用もある。その場合、付着強度をより高めようとすると、ポリビニルアルコールの添加量を増やす必要があるが、溶解度の低いポリビニルアルコール-1であれば添加量が増しても利用率が低下しないため好適である。
カーボンの種類を変えた負極ペーストを調製し、この負極ペーストを格子状集電体に充填した負極板に対し試験を行った。また、カーボンに対するポリビニルアルコールの添加量の異なる負極ペーストについても併せて試験を行った。
<試料の調製>
表7は試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
鉛粉は、活物質の主要成分であり、鉛の酸化度は約75〜80%である。カーボンは、その種類の比較のためにDBP吸油量170ml/100gのアセチレンブラックと、DBP吸油量185ml/100gのファーネスカーボンを用いた。黒鉛は、平均粒子径約13μmのものを用いた。ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製)は重合度2400のものを用いた。本実施例では、ポリビニルアルコールが、カーボンに対する重量比で5×10−2の場合と、1×10−1の場合についても比較試験を行った。
負極ペースト27〜34について、カーボン及び黒鉛を水とポリビニルアルコールで、30分間混練し、その後、この混練物に鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加して、さらに混練を30分間行った。
このようにして作製した負極ペースト27〜34を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。本実施例で用いたポリビニルアルコールは、実施例5におけるポリビニルアルコール-2であり、その溶解度は、実施例5に記載した通りである。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。このような構成とすることで、活物質の理論容量は、正極が大過剰となるため、目的とする負極(すなわちその活物質)の利用率を評価できる。これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成をおこなった。化成後の電解液の比重は1.320とした。
その後、上記の電槽に挿入した極板群について容量試験を行った。容量試験は、0.06Aと6Aの2種類とした。0.06Aは約40時間率の低率放電であり、6Aは約10分間率の高率放電である。それぞれの放電終止電圧はセル当たり、1.7Vと1.2Vとした。温度は25℃である。
<試験結果>
図12は、カーボンの量と利用率の関係について、0.06A低率放電による利用率を示すグラフである。図13は、6A高率放電による利用率を示すグラフである。
カーボンの種類及びポリビニルアルコールの量と利用率との関係については次の通りである。
カーボンに対する重量比で1×10−1のポリビニルアルコールが共存する場合、低率放電及び高率放電とも、アセチレンブラックはカーボン量の多少に関わらず同じ利用率を維持できるが、ファーネスカーボンではカーボン量が少なければアセチレンブラックと同程度の利用率であるがカーボン量が多くなる利用率が低下した。
カーボンに対する重量比で5×10−2のポリビニルアルコールが共存する場合、アセチレンブラック及びファーネスカーボンともカーボン量が多くなると利用率が低下したが、アセチレンブラックの利用率の低下は小さい。
本実施例で用いたポリビニルアルコールは、実施例5におけるポリビニルアルコール-2であるが、図12及び図13から、アセチレンブラックを用いた場合のポリビニルアルコール-2の添加量の下限値が示される。アセチレンブラックを用いた場合は、アセチレンブラックの含有量に対するポリビニルアルコール-2の添加量が重量比で5×10−2または1×10−1のいずれにおいても、低率放電でほぼ50%以上、高率放電でほぼ20%以上の活物質利用率が得られる。従って、アセチレンブラックを使用した場合、ポリビニルアルコール-2の添加量がアセチレンブラックに対する重量比で5×10−2を以って下限値とすることができる。ポリビニルアルコール-1においては、実施例5の図11に示すように、元々、ポリビニルアルコール-1を用いた場合の方がポリビニルアルコール-2を用いた場合より利用率が高いため、ポリビニルアルコール-1についてもアセチレンブラックに対する重量比で5×10−2を以って下限値とすることができる。
ファーネスカーボンはアセチレンブラックよりも低価格であるので、コスト的に有利である。ファーネスカーボンを用いた場合に、図1及び図2に示した従来ペースト(表1の負極ペースト10)より大きい利用率が得られるのは、図12及び図13を参照するとファーネスカーボンを14g以下とした場合である。このときの利用率は、図12の低率放電で50%程度、図13の高率放電で30%程度である。これは、図1及び図2に示すように従来ペーストの利用率が低率放電で48%程度、高率放電で20%程度を上回り、ポリビニルアルコールの含有量をアセチレンブラックに対する重量比で5×10−2を以って下限値とすることで、本発明の優位性が確認できる。従って、鉛粉200g(0.919モル)に対してファーネスカーボンが14g以下が好適である。ファーネスカーボンの分子量は12であるから、鉛粉1モルに対するファーネスカーボンのモル量は、(14(g)/12)/0.919=1.2695(モル)、と算出される。つまり、鉛粉1モルに対してファーネスカーボンが1.27モル以下であれば、実用的に使用することが可能である。
なお、アセチレンブラックを用いた場合は、鉛粉に対するモル割合を制限することなく(但し、試験範囲において)使用できることが判明した。
本発明による負極ペーストと、従来の負極ペーストについて、充放電サイクルに対する寿命試験を行った。
<試料の調製>
表8は試験に供した負極ペーストの成分組成の一覧である。
Figure 2008153128
本発明による負極ペースト14は、上述の実施例4で用いたものである。カーボンを含まない従来の負極ペースト35は、負極ペースト14と嵩密度がほぼ同程度となるように成分7の水の量を調整した。ここで、前述の実施例の結果から、本発明による負極ペーストにおける利用率の向上は、主として嵩密度すなわち多孔度が従来ペーストに比べて大きいことによると考えられるが、従来の認識では嵩密度を大きくすると寿命が低下するとされてきた。そこで、本実施例では、本発明の負極ペーストと同じ嵩密度において、両者の寿命を比較することとした。従って、負極ペースト35は、従来一般的に用いられている負極ペーストよりも嵩密度の大きいものである。
表8において、成分7の水の量と、成分8の濃硫酸の量の関係は次の通りである。成分8は比重が1.8の濃硫酸であり、質量7.8gであるから、その体積は7.8(g)/1.8(g/ml)=4.33(ml)である。これと成分7の水76g(=76ml)とを混合すると、76(ml)+4.33(ml)=80.33(ml)となる。すなわち、比較例である負極ペースト35の希硫酸の量は80.33mlであり、負極ペースト14の水の量80g(=80ml)とほぼ同じである。
負極ペースト14について、カーボン及び黒鉛を水とポリビニルアルコールで、30分間混練し、その後、この混練物に鉛粉とリグニンと硫酸バリウムを添加して、さらに混練を30分間行った。比較例の負極ペースト35については、鉛粉、リグニン及び硫酸バリウムを、希硫酸(成分7及び成分8)とともに単純に混練した。
<試験方法>
このようにして作製した負極ペースト14及び35を厚さ2mmの格子状集電体に充填し、その後、湿度98%、温度45℃で24時間熟成し、その後、60℃で24時間乾燥して、厚さ2.2mmの負極板を形成した。
次に、この負極板1枚の両側に微細ガラス繊維セパレータを当接し、さらにその外側に1枚づつ正極板を当接した。試験には、正極板3枚と負極板4枚を用い、これらの極板群を電槽に挿入し、電槽と極板群の隙間にはABS樹脂製スペーサを装填した。電槽に比重1.223の希硫酸を注入して、正極理論容量の300%の電気量を流して、化成を行った。化成後の電解液の比重は1.320とした。このようにして、7A・h(アンペアアワー)の容量をもつ蓄電池を作製した。
充放電サイクルを繰り返すことによる寿命試験は、次の条件で行った。
(a)放電:7A
(b)放電終止電圧:1.5V/セル
(c)充電:2.45V、5時間
充電量は放電量に対して、概略105%であった。温度は25℃である。
<試験結果>
図14は、寿命試験の結果示すグラフである。図14の縦軸は、電池の初期容量に対する割合である。比較例の負極ペースト35の寿命は、約100サイクルであった。これに対し、本発明による負極ペースト14の寿命は500サイクル以上である。従って、同じ嵩密度で比較した場合、従来ペーストと同じ成分をもつ負極ペースト35に比べて本発明の負極ペースト14は、格段に優れた寿命性能をもつことが認められた。なお、一般的な従来ペーストの場合は、負極ペースト35より嵩密度が小さい分だけ負極ペースト35より寿命は長いが、それでも高々300サイクル程度である。従って、本発明の負極ペーストは、嵩密度が大きくなっても寿命は低下せず、かえって大きく向上することが立証された。比較例の負極ペースト35は、一般的な従来ペーストよりも嵩密度を高めたために活物質に空隙が多くなっており、この結果、充放電による活物質の崩壊が進み、さらに短寿命となったと考えられる。
本発明による負極ペーストは、その活物質の嵩密度は大きいが、カーボンのネットワークが多孔性の活物質粒子を支持しているので、充放電を繰り返しても、活物質の崩壊が抑制され、寿命性能の向上が実現できたものである。
このように、本発明により、蓄電池のサイクル寿命性能を、従来の蓄電池よりも大幅に向上できた。従来は、利用率の向上とサイクル寿命性能は背反的な関係にあり、利用率を高めれば、サイクル寿命性能は低下することが避けられない事象として考えられてきたが、本発明により、両者をともに延伸させることが可能となった。
本発明の負極活物質の嵩密度と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質の嵩密度と利用率の関係について、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質の嵩密度と容量の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質の嵩密度と容量の関係について、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質のカーボンの吸油量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質のカーボンの吸油量と利用率の関係について、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質の硫酸根の量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質の硫酸根の量と利用率の関係について、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質のシリカの量と利用率の関係について、低率である0.06A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質のシリカの量と利用率の関係について、高率である6A放電の場合の結果を示すグラフである。 本発明の負極活物質のポリビニルアルコールの添加量と利用率の関係について、低率放電(0.06A)の場合と高率放電(6A)の場合をそれぞれ示したグラフである。 本発明の負極活物質のカーボンの量と利用率の関係について、0.06A低率放電による利用率を示すグラフである。 本発明の負極活物質のカーボンの量と利用率の関係について、6A高率放電による利用率を示すグラフである。 本発明の負極活物質と従来の負極活物質の寿命試験の結果示すグラフである。

Claims (8)

  1. 金属及び該金属の酸化物を含む活物質原料と、該活物質原料1モルに対し全吸油量が4.7ミリリットル以上となる量のカーボンとを含有し、かつ、硫酸根を含有しないかまたは硫酸根を含有する場合は該硫酸根の量を該活物質原料1モルに対して7×10−2モル以下とした混練物であることを特徴とする二次電池用負極活物質。
  2. 前記二次電池用負極活物質が格子状集電体に充填され乾燥された後の未化成状態であるときの嵩密度が2.2×10−1ミリリットル/グラム以上、5×10−1ミリリットル/グラム以下であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用負極活物質。
  3. 前記カーボンがアセチレンブラックであることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池用負極活物質。
  4. 前記アセチレンブラックに対する重量比において5×10−2以上で、水に対する溶解度が20°Cにおいて4×10-1以下のポリビニルアルコールがさらに含有されている混練物であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池用負極活物質。
  5. 前記カーボンがファーネスカーボンであって該カーボンが前記活物質原料1モルに対して1.27モル以下の割合で含有されている混練物であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池用負極活物質。
  6. シリカがさらに含有されている混練物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池用負極活物質。
  7. 前記カーボンをポリビニルアルコールと水または希硫酸とともに混練する第1の混練工程において生成された第1の混練物に対し前記活物質原料を加えてさらに混練する第2の混練工程において生成された第2の混練物であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池用負極活物質。
  8. 前記第1の混練工程においてシリカをさらに含有させて混練したことを特徴とする請求項7に記載の二次電池用負極活物質。
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