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JP2008150338A - 1−フェニル−2−プロピン−1−オン誘導体を有効成分とする糖化最終産物形成阻害剤 - Google Patents

1−フェニル−2−プロピン−1−オン誘導体を有効成分とする糖化最終産物形成阻害剤 Download PDF

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JP2008150338A JP2006341789A JP2006341789A JP2008150338A JP 2008150338 A JP2008150338 A JP 2008150338A JP 2006341789 A JP2006341789 A JP 2006341789A JP 2006341789 A JP2006341789 A JP 2006341789A JP 2008150338 A JP2008150338 A JP 2008150338A
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Kazuhiro Onoki
和弘 小野木
Sada Kataoka
貞 片岡
Toshio Miyata
敏男 宮田
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Kowa Co Ltd
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Kowa Co Ltd
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Abstract

【課題】新規なAGE形成阻害剤を提供すること。本発明のAGE形成阻害剤は、優れたAGE産生阻害作用を有し、糸球体疾患の予防及び/又は治療剤、特に糖尿病性腎症の予防及び/又は治療用の医薬として有用である。
【解決手段】次の一般式(1)
【化1】
Figure 2008150338

式中、(Rは低級アルキルチオ基又は低級アルキルセレノ基を示し、Rは水素原子、フェニル基またはトリ低級アルキルシリル基を示す)で表される化合物、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤。
【選択図】なし

Description

本発明は糸球体病変における不可逆的蛋白修飾による糖尿病性腎症の発症又は進展に対する予防及び/又は治療に有用な薬剤に関する。
現在、本邦では糖尿病患者、糖尿病が疑われる患者及び糖尿病予備群が約2千万人存在するといわれている。糖尿病を起因とした合併症のうち、糖尿病性腎症の発症率は年々増加の推移をたどり、すでに慢性糸球体腎炎の発症率を上回り第一位となっている。
糖尿病性腎症が発症した場合における最大の問題点は、末期腎不全即ち透析への移行率が、非常に高いことにある。また、糖尿病性腎症による透析への移行は医療費高騰等の社会的に大きな問題となっている。そこで、糖尿病性腎症に関わる治療剤、又は予防を期待できる薬剤が強く望まれている。
糖尿病性腎症の成因には、(1)遺伝的素因をはじめとして、(2)糸球体血行動態変化、(3)グリケーションの亢進やカルボニル・酸化ストレスにより生じた糖化最終産物(Advanced Glycation End Products(以下、「AGE」と称する))の蓄積、(4)Protein Kinase Cの活性化や、(5)ポリオール代謝の亢進など、様々な因子の関与が考えられている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。
現在、糖尿病性腎症の治療現場では、糸球体血行動態の改善を主目的としたアンジオテンシン変換酵素阻害剤(以下、「ACE阻害剤」と称する)やアンジオテンシンIIの1型受容体拮抗剤(以下、「ARB」と称する)が汎用されており、基礎のみならず臨床的なevidenceが報告されている(非特許文献6、非特許文献7)。しかしながら、これらの多くは血圧降下剤として認可されており、糖尿病性腎症の治療剤としての認可はほとんどなされていない。単に、糖尿病性腎症の患者の多くは高血圧であることから、これらが汎用されているに過ぎない。なお、ACE阻害剤のタナトリル錠(塩酸イミダプリル)はI型糖尿病性腎症の治療剤として初めて認可されたものの、糖尿病性腎症に対する治療又は予防的作用を有する薬剤はほとんどなく、新規な薬剤の登場が切望されている。
そこで次の糖尿病性腎症の治療剤として、AGE形成阻害剤が注目を浴びている。AGEで修飾されたタンパクは腎循環動態、腎糸球体基底膜の濾過機構等、多数の腎機能に悪影響を及ぼし、また、AGE自身がメサンギウム細胞等の腎構成細胞に多数存在するAGE関連受容体(例えば、Receptor for AGE:RAGE)に作用して、サイトカインや増殖因子等の障害因子を産生させることが報告されている(非特許文献8)。従って、AGEの形成を抑制することは、糖尿病性腎症の進展抑制に繋がると考えられる。
アミノグアニジンは、反応性カルボニル化合物(3−デオキシグルコソン、メチルグリオキサールなど)の捕捉作用、酸素ラジカル(特に、ヒドロキシラジカル)の捕捉作用及び金属キレート形成作用により、AGEの形成を阻害すると考えられており、AGE阻害に基づく糖尿病性腎症の治療剤として、最初に本格的な研究がなされた化合物である。しかし、これはすでに臨床治験も終了したが、いまだ実用化には至っていない。(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11)。
また、その他のAGE形成阻害剤としてはアミノグアニジンの誘導体であるOPB−9195、LR−90、ALT−946、天然化合物及びその類縁体であるチアミン(ビタミンB)、チアミンピロリン酸、ベンフォチアミンなど幾つかの化合物が知られている(非特許文献12)が、いずれも実用化には至っていない。
CooperME.et al.;Lancet,352,213−219,1998. 槙野博史;糖尿病性腎症 発症・進展機序と治療:80−121,1999年;診断と治療社 Bohlender, J.et al.;Am. J. Physiol. Renal Physiol.,289,F645−F659,2005 D, Jay.et al.;Free Radical Biology & Medicine,40,183−192,2006 Vinik, A.;Expert Opin. Investig. Drugs,14(12),1547−1559,2005 Masakuni,N.et al.;Jpn. J. Pharmacol.,85:416−422,2001 Rossing, K.et al.;Diabetes Care.,28(9):2106−2112,2005 Locatelli, F.et al.;Nephrol.Dial.Transplant.,18(9):1716−25,2003 Price,DL.et al.;J. Biol. Chem.,276,48967−48972,2001 Abdel−Rahman, E.et al.;Expert Opin. Investig. Drugs.,11(4):565−574,2002 Mark E.et al.;Current Diabetes Reports.,4:441−446,2004 今泉勉 ほか;AGEs研究の最前線:209−217,2004年;メディカルレビュー社
本発明は、新規なAGE形成阻害剤を提供することにある。AGE形成阻害剤は糸球体病変における不可逆的蛋白修飾による糖尿病性腎症の発症及び進展に対する予防又は治療に有用である。また、原疾患が糖尿病性腎症と診断されていない患者であっても、慢性糸球体腎炎や高血圧性腎症などの糸球体疾患により透析移行している患者の多くは血漿中のAGEが著しく増加しているという周知の事実から、AGE形成阻害剤は糖尿病性腎症のみならず、慢性糸球体腎炎や高血圧性腎症なども含めた糸球体疾患に対する予防又は治療に有用である。
上記実情に鑑み、本発明者らは、AGE形成阻害作用を持つ化合物を探索した結果、下記一般式(1)で表される化合物が、AGEの一種であるペントシジンを指標にしたin vitro系での阻害試験において、アミノグアニジンと比較して、強いAGE形成阻害作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2008150338
(式中、Rは低級アルキルチオ基又は低級アルキルセレノ基を示し、Rは水素原子、フェニル基またはトリ低級アルキルシリル基を示す)で表される化合物、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、一般式(1)で表されるAGE形成阻害剤を有効成分とする糸球体疾患の予防又は治療剤を提供するものである。
さらに、本発明は、一般式(1)で表されるAGE形成阻害剤を有効成分とする糖尿病性腎症の予防又は治療剤を提供するものである。
後記実施例に記載するとおり、血液透析患者の血漿を用い、アミノグアニジン又は各被検薬物を添加した評価において、各被検薬物は、アミノグアニジンに比べ、優れたAGE形成阻害活性を示した。即ち、血液透析患者の血漿を用い、37℃、7日間、アミノグアニジン又は各被検薬物を添加した系において認められた主要なAGEの一種であるペントシジンの抑制に対して、各被検薬物の添加は、いずれもアミノグアニジン添加に比べ、強いペントシジン生成抑制作用を示した。
このように、本発明の一般式(1)で表される化合物、又はそれらの溶媒和物は、優れたAGE形成阻害作用を有し、糸球体疾患の予防及び/又は治療剤、特に糖尿病性腎症の予防及び/又は治療剤として有用である。
下記一般式(1)中、
Figure 2008150338
は低級アルキルチオ基又は低級アルキルセレノ基を示し、低級アルキルチオ基が特に好ましい。Rは水素原子、フェニル基またはトリ低級アルキルシリル基を示す。
一般式(1)中、Rで示される低級アルキルチオ基としては直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキルチオ基が挙げられる。直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられ、メチルチオ基が特に好ましい。
一般式(1)中、Rで示される低級アルキルセレノ基としては直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキルセレノ基が挙げられる。直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキルセレノ基としては、メチルセレノ基、エチルセレノ基、n−プロピルセレノ基、イソプロピルセレノ基、n−ブチルセレノ基、i−ブチルセレノ基、sec−ブチルセレノ基、tert−ブチルセレノ基、ペンチルセレノ基、ヘキシルセレノ基等が挙げられ、メチルセレノ基が特に好ましい。
の置換位置は、2,3,4位のいずれでも良いが、特に2位が好ましい。
一般式(1)中、Rで示されるトリ低級アルキルシリル基としては直鎖又は分岐鎖のC〜Cトリアルキルシリル基が挙げられる。ここで「C〜Cトリアルキルシリル」とは、各アルキルがC〜Cであることを意味する。直鎖又は分岐鎖のC〜Cトリアルキルシリル基としては例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられ、トリメチルシリル基が特に好ましい。各低級アルキルは同一であっても、あるいは異なっていても良い。
本発明の化合物としては、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、又はそれらの溶媒和物を挙げることができる。本発明の好ましい例としては、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、又はそれらの溶媒和物を挙げることができる。
一般式(1)で表される化合物の溶媒和物としては、水和物等が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、文献(J.Organometallic Chem., (1985), 287(1), 81-85)に開示の方法あるいは類似の方法により製造することが出来る。また、新規化合物である1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オンは後記実施例1に示す方法によって製造することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、上記方法によって得られるが、さらに必要に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段を用いて精製することができる。また必要に応じて、常法によって前記した所望の溶媒和物にすることもできる。
本発明の医薬組成物は、一般式(1)で表される化合物、又はそれらの溶媒和物を含有するものであって、単独で用いてよいが、通常は薬学的に許容される担体、添加物等を配合して使用される。医薬組成物の投与形態は、特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できる。斯かる剤形としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等を挙げることができる。
これらの製剤は、その剤形に応じて製剤学上使用される賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の医薬品添加物と適宜混合、希釈又は溶解し、常法に従い製造することができる。
例えば、散剤の場合は、必須成分のほかに、必要に応じて適当な賦形剤、滑沢剤等を加えよく混和して調製すればよい。錠剤の場合は、必要に応じて適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を加え、常法に従い打錠して調製すればよい。また錠剤は必要に応じてコーティングを施し、フィルムコート錠、糖衣錠等にすることができる。
また、注射剤の場合は、液剤(無菌水又は非水溶液)、乳剤及び懸濁剤の形態とすることができる。これらに用いられる非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、オレイン酸エチル等の注射可能な有機酸エステルが挙げられる。また、該組成物には防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等の補助剤を適宜配合することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して1日1〜1000mgを、1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1
1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−2−プロピン−1−オン(試験化合物1)の製造
後記実施例1により得られた1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン(13g、44mmol)をメタノール(500mL)に溶かし、20度で攪拌した。0.01Mホウ酸ナトリウム塩5水和物水溶液(68mL、0.68mmol)を加え、同温度で5分間攪拌した。減圧条件下、メタノールを留去し、残渣を冷希塩酸に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン=3:1、v/v)で精製した。さらにヘキサン中で再結晶し、黄色針状結晶として1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−2−プロピン−1−オン(7.4g、76%)を得た。
融点55℃(dec.); H NMR (400 MHz、 CDCl): d = 2.26(s、 3H)、7.31(dt、 J=1.5、 7.5 Hz、 1H)、7.45(dd、 J= 1.5、 7.5 Hz、 1H)7.50(dt、 J=1.5、 7.5 Hz、 1H)、8.38(dd、 J=1.5、 7.5 Hz、 1H);IR(KBr):n =3254、2095、1624 cm−1;元素分析calcd.(%)forC10OSe(223.13):C 53.83、H 3.61;found:C 53.83、H 3.59
製造例2
1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン(試験化合物3)の製造
フェニルアセチレン(1.53g、15mmol)、ヨウ化銅(143mg、0.75mmol)をトリエチルアミン(45mL)中に溶解し、2−メチルチオベンゾイル クロライド(3.5g、18.8mmol)を加え室温で30時間攪拌した。減圧条件下、トリエチルアミンを留去し、残渣にメタノール(15mL)を加えた。メタノールを減圧留去し、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧条件下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1、v/v)で精製し、さらにジクロロメタン−ヘキサンより再結晶し、黄色箔状晶として1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン(2.0g、53%)を得た。なお、原料となる2−メチルチオベンゾイル クロライドは常法(Bull.Soc.Chim.Belges.、1996、75、157、昭59−128368、J.Chem.Soc.、1952、2831記載の方法等)に従って市販品であるo−アントラニル酸より製造した。
融点78℃; H NMR (400 MHz、CDCl): d = 2.47 (s、 3H)、7.27(t、 J=7.8 Hz、 1H)、7.34(d、 J=7.8 Hz、 1H)、 7.39−7.49(m、 3H)、7.54(dt、 J=1.5、 7.8 Hz、 1H)、7.66−7.68(dd、 J=1.5、 7.8 Hz、 2H)、8.43(dd、 J=1.5、 7.8 Hz、 1H);IR(KBr):n =2195、1618 cm−1;元素分析calcd.(%)forC10OS(252.34):C 53.83、H 3.61;found C 53.76、H 3.59
製造例3
1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン(試験化合物4)の製造 室温下、2−メチルチオベンゾイル クロライド(22.7g、97mmol)とビス(トリメチルシラニル)アセチレン(16.5g、97mmol)をジクロロメタン(290mL)に溶かした。氷冷下、塩化アルミニウム(14.3g、107mmol)を30分かけてゆっくりと加え、室温下3時間攪拌した。反応混合物を冷希塩酸に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オンを粗生成物として得、そのままメタノール(50mL)に溶かし、20度で攪拌した。0.01Mホウ酸ナトリウム5水和物水溶液(68mL、0.68mmol)を加え、同温度で5分間攪拌した。減圧条件下、メタノールを留去し、残渣を冷希塩酸に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン=3/1、v/v)で精製した。さらにヘキサン中で再結晶し、黄色針状結晶として1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン(7.4g、76%)を得た。なお、原料となる2−メチルチオベンゾイル クロライドは常法(Bull.Soc.Chim.Belges.、1996、75、157、昭59−128368、J.Chem.Soc.、1952、2831記載の方法等)に従って市販品であるo−アントラニル酸より製造した。
融点49℃(dec.);H NMR (400 MHz、CDCl): d = 2.45(s、 3H)、3.45(s、 1H)、7.24(dt、 J=1.5、 7.8 Hz、 1H)、7.31(dd、 J=1.5、 7.8 Hz、 1H)、7.54(dt、 J=1.5、 7.8 Hz、 1H)、8.36(dd、 J= 1.5、 7.8 Hz、 1H);IR(KBr):n =1632 cm−1;元素分析calcd.(%)forC10OS(176.24):C 68.15、H 4.58;found C 67.91、H 4.55
実施例1
1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン(試験化合物2)の製造
室温下、2−メチルセレノベンゾイル クロライド(22.7g、97mmol)とビス(トリメチルシラニル)アセチレン(16.5g、97mmol)をジクロロメタン(290mL)に溶かした。氷冷下、塩化アルミニウム(14.3g、107mmol)を30分かけてゆっくりと加え、室温下3時間攪拌した。反応混合物を冷希塩酸に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン(13g、45.4%)を得た。なお、原料の2−メチルセレノベンゾイル クロライドは常法(Bull.Soc.Chim.Belges.、1996、75、157、昭59−128368、J.Chem.Soc.、1952、2831記載の方法等)に従って市販品であるo−アントラニル酸より製造した。
融点73℃(dec.); 1H NMR (400 MHz、CDCl): d = 0.31 (s、 9 H)、2.24(s、 3H)、3.47(s、 1H)、7.30(dt、 J=1.5、 7.5Hz、 1H)、7.43 (dd、 J=1.5、 7.5 Hz、 1H)、7.48(dt、 J=1.5、 7.5 Hz、 1H)、8.36 (dd、 J=1.5、7.5 Hz、 1H);IR(KBr): n = 2155、1620 cm−1;MS(EI) m/z:296(M)、 281(100%)
実施例2
血液透析患者の血漿を用いてのAGE形成阻害作用
血液透析患者の血漿中AGE(指標:ペントシジン)の測定はMiyataらの報告に従って実施した(Miyata,T.et al:J Am Soc Nephrol,13,2478−2487,2002)。血液透析患者の血漿0.9mLをアミノグアニジン又は各被検薬物の存在下(添加量は0.1mL)で、37℃で7日間反応した。アミノグアニジン及び各被検薬物の最終濃度は5.0mMとした。なお、アミノグアニジン又は各被検薬物はジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解して使用した。DMSOの最終濃度は反応溶液1mL中、反応時における酸化反応に影響しない10%とした。7日間の反応後に、アミノグアニジン又は各被検薬物を添加した血漿中のペントシジンの濃度を以下に示す方法で測定した。
反応溶液0.05mLに等量の10%トリクロロ酢酸(以下、「TCA」と称する)を加え、5000×g、5分間遠心した。上清を除去し、沈殿物を5%TCA0.3mLで洗い、その後凍結乾燥し乾燥させた。次いで、窒素条件下で110℃、16時間6N塩酸0.1mL添加し、乾燥物を加水分解した。引き続き、5N水酸化ナトリウム0.1mLと0.5Mリン酸緩衝液(pH7.4)0.2mLを添加し中和した。中和溶液は、口径0.5μmのフイルターをとおし、リン酸緩衝液で希釈し、ペントシジン測定用サンプルを調整した。ペントシジン濃度の測定はMiyataらの方法に従って実施した。
表1に、各被検薬物によるペントシジン形成阻害強度を、アミノグアニジンによる形成阻害強度を1.0とした場合における相対値として表した(形成阻害強度はコントロール群を対照においた。コントロール群にはDMSOのみ添加した)。
相対値=(被検薬物の形成阻害率)÷(アミノグアニジンの形成阻害率)
アミノグアニジン及び各被検薬物の反応中における最終濃度は5.0mMに固定した。
各被検薬物の相対値は、それぞれ2.01、2.18、5.34及び4.86と算出され、いずれもアミノグアニジンによるペントシジン形成阻害強度と同等以上であった。以上から、一般式(1)で表される本発明の化合物は、アミノグアニジンよりも強力なAGE形成阻害作用を有し、さらに強力な治療剤としての可能性が本実験結果より明らかとなった。
Figure 2008150338

Claims (5)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 2008150338


    (式中、Rは低級アルキルチオ基又は低級アルキルセレノ基を示し、Rは水素原子、フェニル基またはトリ低級アルキルシリル基を示す)で表される化合物、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするAGE形成阻害剤。
  2. 1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−3−フェニル−2−プロピン−1−オン、1−[2−(メチルチオ)フェニル]−2−プロピン−1−オン、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする請求項1記載のAGE形成阻害剤。
  3. 請求項1または2記載のAGE形成阻害剤を有効成分とする糸球体疾患の予防及び/又は治療剤。
  4. 請求項3記載の糸球体疾患が、糖尿病性腎症である予防及び/又は治療剤。
  5. 1−[2−(メチルセレノ)フェニル]−3−トリメチルシリル−2−プロピン−1−オン、又はその溶媒和物。
JP2006341789A 2006-12-19 2006-12-19 1−フェニル−2−プロピン−1−オン誘導体を有効成分とする糖化最終産物形成阻害剤 Pending JP2008150338A (ja)

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