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JP2008036574A - 膜モジュール、及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地下水、河川水、湖沼水、海水、下水2次処理水などの被処理水を膜ろ過して透過水を得る膜ろ過方法において、長期に渡りろ過抵抗の上昇を抑え、安定な膜ろ過運転を可能にする。
【解決手段】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる分離膜をろ過膜として用いてなる水処理用膜モジュールにおいて、分離膜として、ろ過抵抗上昇度Aが2×1012/m以上、逆洗回復性が50%以上、ろ過抵抗上昇度Bが2×1012/m以下、かつ、初期ろ過抵抗が1×1012/m以下の特性を有する膜を用いる。この膜モジュールを具備する膜ろ過装置を用い、物理洗浄を定期的に行いながら水ろ過処理を行ない透過水を製造する。
【選択図】 なし

Description

浄水処理、工業用水製造、排水処理、逆浸透膜前処理などの水処理に用いられる水処理用分離膜モジュール、及び該膜モジュールを用いた水処理方法に関する。
精密ろ過膜や限外ろ過膜などの分離膜は、食品工業や医療分野、用水製造、排水処理分野等の様々な方面でろ過処理膜として利用されている。特に近年では、飲料水製造分野すなわち浄水処理過程において分離膜が使われることが多くなってきている。
緩速ろ過もしくは急速ろ過による水処理と比べて、膜ろ過による水処理は、原水中の不純物を確実に、安定的に除去できる他、設備の設置面積が小さく用地が少なくてすむ、設備設置費が少ないという点で非常に優位である。水不足が深刻化している近年、今後ますます安全な水を安定的に製造する方法として、膜ろ過による水処理の必要性が高まると考えられる。
特に飲料水製造分野で使われる分離膜では、透過水の殺菌や膜のファウリング低減の目的のために、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を被処理水や逆流洗浄水に添加したり、膜の薬液洗浄として、塩酸、クエン酸、シュウ酸などの酸や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ、塩素、界面活性剤などで膜を洗浄することが必須であり、これらの薬品に対する高い化学的耐久性が分離膜に要求されている。また、20世紀終盤からクリプトスポリジウムなどの耐塩素性病原性微生物が飲料水に混入する問題が顕在化してきており、膜が破損して被処理水が透過水に混入することがないよう、高い物理的強度と物理的耐久性も分離膜に要求されている。このような背景から近年では高い化学的耐久性と高い物理的強度および物理的耐久性を有する素材としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いた分離膜が注目され、適用が拡大する傾向にある。
膜ろ過処理では、被処理水中に含まれる様々な成分を膜で阻止することによって清澄な透過水を得ることができるが、同時に膜で阻止した成分による膜の目詰まりが起こる。そのため、ろ過運転の継続と共にろ過膜の透水性能が低下し、膜ろ過抵抗が上昇する。この現象を防ぎ、ろ過抵抗の上昇を抑えることができれば、膜を用いた水処理におけるろ過膜の交換頻度を減らし、ろ過圧力の低減により消費電力も節約できるため造水コストと環境負荷の低減に繋がる。
精密ろ過膜や限外ろ過膜を用いた水処理方法では、膜ろ過工程と物理洗浄工程を交互に実施するのが一般的である。被処理水を膜でろ過する膜ろ過工程では、被処理水中から阻止した成分によって細孔の閉塞が進み、ろ過抵抗が上昇する。継いで、物理洗浄工程では膜表面へガスを接触させたり、透過水側から被処理水側へと、ろ過工程とは逆向きに水を流す逆流洗浄を行ったりし、膜表面の細孔内から阻止した成分を洗い流す。この物理洗浄工程において、阻止した成分の一部が膜から剥離され、ろ過抵抗は回復する。しかしながら阻止した成分の全てを除去することは難しく、膜に残る成分によってろ過抵抗は運転の継続と共に上昇を続け、最終的には化学薬品を用いた薬液洗浄や、膜モジュール自身の交換に至る。
このような長期的なろ過抵抗の上昇を抑えるためには、1回の膜ろ過工程におけるろ過抵抗の上昇幅が小さい膜を使用することが有効であると、従来は考えられてきた。ろ過工程におけるろ過抵抗上昇幅が小さい、すなわちろ過による目詰まりが起こりにくい膜は長期的にも、ろ過抵抗の上昇を抑えることが可能であると考えられるためである。しかし、1回の膜ろ過工程におけるろ過抵抗の上昇幅が小さい膜を膜モジュールに使用しても、長期的なろ過抵抗の上昇は十分に抑制することが困難であった。
また、これまでにも、長期間安定に膜ろ過運転を行うための研究が行われており、一般に膜を親水化すれば耐汚れ性が向上すると定性的に言われているため、様々な親水化手段が開示されている。例えば特許文献1において、アルカリ水溶液による親水化処理によってポリフッ化ビニリデン系樹脂製の膜表面を改質する方法などが開示されているが、物理洗浄を含む膜ろ過における優位性や、膜ろ過に運転における安定性について言及されておらず、この手段による親水化膜では、長期的なろ過抵抗の上昇の十分な抑制は困難である。
特許文献2では、エチレン−ビニルアルコール共重合体の被覆したポリフッ化ビニリデン製中空糸膜が耐汚染性に優れる膜として開示されているが、ろ過工程における透水性能の保持力向上に関する議論がなされるのみであり、物理洗浄を含む膜ろ過における優位性に関しては全く言及されていない。
また、特許文献3では、ろ過安定性に優れる膜として表面開孔率の高い膜が開示されており、表面開孔率が高い膜が目詰まりによる透水性能劣化を抑制すると記載されている。しかしながら、物理洗浄、特に逆流洗浄を定期的に行いつつ膜ろ過運転を行う水処理方法において、長期的に安定して膜ろ過するために重要なのは、1回のろ過工程において起こる目詰まりの抑制ではなく、連続運転におけるろ過抵抗の安定性であり、開孔率の大きい膜を使用することでは、長期的なろ過抵抗の上昇を十分に抑制することは困難である。開孔率の大きい膜の場合、膜内部に入り込む成分のために洗浄回復性が悪く、連続運転におけるファウリング抑制が困難なため、と考えられる。
このように、従来技術では、分離膜を用いた水ろ過処理用膜モジュールにより水処理する場合において、長期に渡りろ過抵抗の上昇を抑え、安定な膜ろ過運転を可能にすることができるポリフッ化ビニリデン系樹脂系分離膜も膜モジュールも見出されていなかった。
特開昭58−93734号公報 特開2002−233739号公報 特許第3781679号公報
本発明の目的は、地下水、河川水、湖沼水、海水、下水2次処理水などの被処理水を膜ろ過して透過水を得る膜ろ過方法において、長期に渡りろ過抵抗の上昇を抑え、安定な膜ろ過運転を可能にする水処理用膜モジュール、ならびにそれを用いた水処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の水ろ過処理用膜モジュールは、膜ろ過実験時による特性が特定範囲内の分離膜を、ろ過膜として使用する。ここでの膜ろ過実験は、ろ過圧力50kPaで0.06m/mまでろ過するろ過工程の後、逆洗圧力100kPaで0.025m/m逆流洗浄する逆流洗浄工程を行う操作を、5回繰り返して行う膜ろ過の実験であり、これにより選られたろ過抵抗を縦軸に、横軸を総ろ過水量としてプロットしたグラフを描く。このグラフから求めた特性値で分離膜を特定する。即ち、分離膜のろ過抵抗上昇度Aは、2回目から5回目までのろ過工程におけるろ過抵抗上昇の傾きの平均値である。逆洗回復性は、逆流洗浄することにより回復(低減)したろ過抵抗の割合の平均値である。ろ過抵抗上昇度Bは、逆流洗浄後のろ過工程開始時におけるろ過抵抗値の上昇の傾きの平均値である。
膜ろ過処理を長期運転する際の安定性を高めるためには、膜モジュールに用いる分離膜は、1回の膜ろ過工程におけるろ過抵抗上昇幅が大きく、洗浄回復性の高い膜、かつ初期ろ過抵抗が高すぎないことが有効であり、これら特性が適正水準にある分離膜を使用することにより、長期にわたってろ過抵抗の上昇を抑制することができ、安定運転を可能にすることができる。
すなわち本発明は、
(1)ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる分離膜をろ過膜として用いてなる水処理用膜モジュールにおいて、分離膜が、ろ過抵抗上昇度Aが2×1012/m以上、逆洗回復性が50%以上、ろ過抵抗上昇度Bが2×1012/m以下、かつ、初期ろ過抵抗が1×1012/m以下の特性を有する膜である膜モジュール。
(2)上記(1)記載の膜モジュールにおいて、使用される分離膜の孔径が0.1μm以下である膜モジュール。
(3)上記(1)又は(2)記載の膜モジュールにおいて、使用される分離膜の開孔率が20%未満である膜モジュール。
(4)上記(3)に記載の膜モジュールを具備する膜ろ過装置を用い、物理洗浄を定期的に行いながら水処理を行ない透過水を製造する水処理方法。
(5)上記(4)に記載の水処理方法において、物理洗浄に逆流洗浄である水処理方法。
(6)上記(4)に記載の水処理方法において、物理洗浄を行う間隔が10分毎以上60分毎以下である水処理方法。
(7)上記(5)に記載の水処理方法において、使用される分離膜が中空糸膜である水処理方法。
からなるものである。
本発明の膜モジュールや水処理方法を用いると、地下水、河川水、湖沼水、海水、下水2次処理水などの被処理水を膜ろ過して透過水を得る膜ろ過において、膜の汚れを少なくして、安定に長期間運転することができる。これにより、薬品洗浄や膜交換の頻度を下げ、造水コストの低減が実現可能になる。また、本発明では、化学的耐久性、物理的強度および物理的耐久性に優れたポリフッ化ビニリデン系樹脂製分離膜を用いているので、薬品洗浄を繰り返しても長期に渡り膜劣化を防止することができ、この点からも、安定した長期間運転が実現できる。
本発明の水処理用膜モジュールは、地下水、河川水、湖沼水、海水および下水2次処理水から選ばれる少なくとも1種からなる被処理水を膜ろ過するために好適に用いられる。この被処理水とは、ろ過工程において前記膜モジュール内に配置された分離膜に供給される原水のことであり、地下水、河川水、湖沼水、海水に代表される自然水が被処理水として用いられ、また、下水の2次処理水も被処理水として用いられる。
また、本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂とは、フッ化ビニリデンホモポリマーおよび/またはフッ化ビニリデン共重合体を含有する樹脂のことである。複数の種類のフッ化ビニリデン共重合体を含有しても構わない。フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデン残基構造を有するポリマーであり、典型的にはフッ化ビニリデンモノマーとそれ以外のフッ素系モノマー等との共重合体である。共重合体としては、例えば、フッ化ビニル、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレンから選ばれた1種類以上とフッ化ビニリデンとの共重合体が挙げられる。本発明の効果を損なわない範囲で、前記フッ素系モノマー以外の例えばエチレン等のモノマーが共重合されていても良い。また、耐汚れ性を高める目的で、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の化学的耐久性および物理的強度を損ねない範囲において、セルロースエステル、脂肪酸ビニルエステル、ビニルピロリドン、エチレンオキサイド、アクリロニトリル、ビニルアルコールなどから選ばれる少なくとも1種を有する親水性高分子を含有しても構わない。またポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量は、要求される中空糸膜の強度と透水性能によって適宜選択すれば良いが10万〜80万の範囲が好ましい。中空糸膜への加工性を考慮した場合は20万〜60万の範囲がより好ましく、25万〜50万の範囲がさらに好ましい。
膜モジュール内に配置された分離膜において、被処理水が供給される側の表面を被処理水側表面とし、透過水が得られる側の表面を透過水側表面とする。本発明におけるろ過工程は、分離膜の被処理水側表面に原水を任意の圧力で供給し、透過水側表面から透過水を得る操作を指す。
また、物理洗浄とは膜に対して物理的な力を与えて膜を洗浄する操作であり、空気洗浄、エアスクラビング洗浄、逆流洗浄等のいずれか、またはいくつかを組み合わせた操作を指す。逆流洗浄とはろ過工程後、分離膜の透過水側表面に蒸留水を任意の圧力で供給して被処理水側表面へ透過させ、分離膜を洗浄する操作を指す。従ってろ過圧力とはろ過工程において分離膜の被処理水側表面に原水を供給する圧力であり、逆洗圧力とは逆流洗浄工程において透過水側表面に蒸留水を供給する圧力のことを指す。
分離膜の細孔が目詰まりして透水量が減少するとろ過抵抗が上昇する。そのためこれまでの研究では、1回のろ過工程において、ろ過抵抗が上昇しにくい膜を用いることが安定運転に繋がると考えられていた。しかしながら、実際の運転ではろ過工程と物理洗浄工程を交互に実施する膜ろ過方法が主流であるため、安定運転を可能にするには1回のろ過工程におけるろ過抵抗の上昇を抑制するより、物理洗浄工程を含む連続運転におけるろ過抵抗の上昇を抑制することが求められる。つまり、ろ過工程で起こる目詰まりの程度ではなく、洗浄回復性を含んだろ過抵抗値の挙動が重要となる。1回のろ過工程においてろ過抵抗が上昇しても、物理洗浄工程において目詰まりを引き起こした成分が除去できれば、次のろ過工程開始時には透水量が増加してろ過抵抗が減少する。従って、ろ過抵抗の上昇しやすさに関わらず、洗浄性の高い膜であれば連続運転におけるろ過抵抗は低い値を保つことができ、ろ過、逆流洗浄を繰り返す膜ろ過運転において長期的には安定運転が可能となる。
なお、本発明における分離膜の形状は問わないが、物理洗浄として逆流洗浄を実施することが本発明の効果を発現するのに最も効果的であるため、逆流洗浄を容易に実施できる中空糸膜であることが好ましい。
ところで、1回のろ過工程においてろ過抵抗が上昇しにくい分離膜は、物理洗浄を行うことなく膜ろ過運転を実施する場合には目詰まりし難い膜と言える。しかし、物理洗浄を定期的に行いつつ膜ろ過運転を実施する水処理方法の場合には、1回のろ過工程におけるろ過抵抗の上昇幅よりも、物理洗浄によるろ過抵抗の回復幅の方が、長期的な膜ろ過運転における目詰まり防止のために重要であることが判明した。即ち、1回のろ過工程においてろ過抵抗が上昇しにくい分離膜は洗浄回復性が低いため、結果的に連続運転においてろ過抵抗が上昇しやすいことが分かった。このような傾向が発現するのは、膜表面で阻止される成分が少ないため原水中に含まれる成分の多くが表面を通過し、表面細孔は閉塞しにくいが、一方で膜表面で阻止されない成分が膜内部に入り込み、吸着もしくは細孔構造上の凹部などで阻止されて捕捉されるため、物理洗浄を行っても、内部に入り込んだ成分を除去することが難しく、洗浄回復性が低くなり、阻止された成分が物理洗浄工程で除去されずに蓄積されていき、長期的なろ過抵抗の上昇が大きくなるものと考えられる。
これに対し、1回のろ過工程でろ過抵抗が上昇しやすい膜は洗浄回復性が高く、連続運転におけるろ過抵抗は低い値を保つことができる。このような膜は膜表面で阻止する成分の量が多く、ろ過抵抗の上昇幅も大きいが、膜内部に成分が殆ど入り込んでいないため、物理洗浄によって膜表面や内部に付着した成分を容易に除去することができ、透水量が回復できるものと考えられる。
以上のことから、長期にわたる安定運転を可能にするための水処理用膜モジュールとするためには、1回のろ過工程におけるろ過抵抗の上昇を抑制することは必ずしも必要でなく、連続運転における全体的なろ過抵抗の上昇を抑えることが重要であると言える。
このよう観点から、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる分離膜をろ過膜として用いてなる水処理用膜モジュールにおいて、1回のろ過工程におけるろ過抵抗の上昇幅がある程度高く、1回の逆洗工程におけるろ過抵抗の回復性がある程度高く、ろ過工程と逆流洗浄工程とを交互に実施する膜ろ過連続運転におけるろ過抵抗上昇の程度がある一定水準以下である分離膜を使用することが、長期に渡りろ過抵抗の上昇を抑え安定な膜ろ過運転を可能であることを見出した。
そこで、ろ過抵抗の上昇度や逆流洗浄時の回復性(逆洗回復性)を定量的に表すため、実験的に試薬水溶液を用いたろ過実験を行った。また、連続運転におけるろ過抵抗上昇を抑えるには、1回のろ過工程においてろ過抵抗が上昇しにくい分離膜を含むモジュールではなく、むしろ1回のろ過工程においてはろ過抵抗が上昇しやすく、かつ逆洗回復性の高い膜を使用することが有効であることを見出した。これは、前述のように膜表面で原水中に含まれる成分の多くを阻止可能な分離膜を用いることが逆洗回復性の向上に繋がり、結果として、連続運転における安定性を得るためである。
つまり、本発明の膜モジュールにおいては、ろ過抵抗上昇度A、逆洗回復性、ろ過抵抗上昇度B及び初期ろ過抵抗が特定水準値にある分離膜を用いることにより、本発明の目的を達成するものである。
本発明で用いる分離膜のろ過抵抗上昇度Aは1×1012/m以上であり、好ましくは2×1012/m以上、さらに好ましくは3×1012/m以上である。逆洗回復性は50%以上であり、好ましくは70%以上である。ろ過抵抗上昇度Bは2×1012/m以下であり、好ましくは1×1012/m以下、さらに好ましくは8×1011/m11以下である。さらに、初期ろ過抵抗が1×1012/m以下であり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる分離膜である。
本発明におけるろ過抵抗上昇度Aは、逆洗回復性、ろ過抵抗上昇度B及び初期ろ過抵抗の値は、以下のような条件で、ろ過工程と逆流洗浄工程とを交互に実施する膜ろ過連続運転をモデル的に行うことにより求める。
ろ過圧力50kPaでのろ過工程をろ過水量0.06m/mまで実施し、次いで逆洗圧力100kPaで0.025m/mの水で逆流洗浄する逆流洗浄工程を行ない、再度、上記同様にろ過工程、次いで逆流洗浄工程を順次繰り返す膜ろ過実験を行う。ここで、フミン酸3mg/Lと塩化カルシウム25mg/Lを含む水溶液を膜供給水とし、ろ過工程と逆洗工程を5回繰り返す。総ろ過水量を横軸に、算出したろ過抵抗を縦軸にプロットする。ろ過工程において一定時間あたりに得られる透過水量を記録し、ろ過圧力50kPaを、その透過水量で除することにより、その時におけるろ過抵抗値を求める。
総ろ過水量を横軸に、算出したろ過抵抗を縦軸にプロットしたところ、図1に示すグラフが得られた場合を例にとって、各値の算出方法を説明する。このグラフにおいて、1回目のろ過工程を開始する際のろ過抵抗が初期ろ過抵抗である。
そのグラフにおいて、総ろ過水量とろ過抵抗の関係から、2回目、3回目、4回目、5回目のろ過工程におけるろ過抵抗上昇の傾きをそれぞれ求め、その傾きから算出した平均値をろ過抵抗上昇度Aとする。
そのグラフにおいて、n回目のろ過終了時のろ過抵抗とn+1回目のろ過開始時のろ過抵抗の差(D)が、n回目のろ過終了時のろ過抵抗とn回目のろ過開始時のろ過抵抗の差(U)に対し何%であるかを示す値[(D/U)×100]を求め、n=2,3,4において求めた値の平均値を算出し、逆洗回復性とする。
また、ろ過抵抗上昇度Bとは、このグラフにおいて、2回目、3回目、4回目、5回目のろ過工程開始時のろ過抵抗4点を結んだ直線の傾きを指す。ただし、4点が直線上に乗らない場合には、線形近似で直線の傾きを求めてろ過抵抗上昇度Bとする。
また、本発明の効果を発揮するためには、膜モジュールに配置する分離膜は、孔径が大きすぎないことが望ましい。なぜならば、膜表面で原水含有成分の多くを阻止することができ、膜内部へ原水含有成分が進入しにくい分離膜の方が、ろ過抵抗上昇度Aが高く、逆洗回復性が高く、ろ過抵抗上昇度Bが低い分離膜となり易いからである。従って、本発明の膜モジュールに使用される分離膜は、被処理水側表面の平均孔径が0.1μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.08μm以下、特に好ましくは0.06μm以下である。
また、開孔率の大きい膜は必然的に孔径が大きく、従って膜内部へと原水中成分が進入し、逆洗回復性が低下することになる。孔径が上記範囲の値である分離膜の場合、孔数を現実的な範囲で増加させても、開孔率を20%以上に上げることが難しい。従って本発明の膜モジュールに使用される分離膜は被処理水側表面の開孔率が20%未満であることが好ましい。
被処理水側表面の平均孔径、開孔率とは、かかる表面を走査型電子顕微鏡等で観測して把握される細孔について測定すれば良い。被処理水側表面の平均孔径とは、被処理水側表面を走査型電子顕微鏡を用いて1万倍以上の倍率で写真撮影し、10個以上、好ましくは20個以上の任意の細孔の直径を測定して、数平均して求めた値を言う。なお、被処理水側の表面細孔が円状でない場合、画像処理装置等によって、細孔が有する面積と等しい面積を有する円(等価円)を求め、等価円直径を細孔の直径とする方法により求めることができる。被処理水側表面の開孔率とは、平均孔径と細孔密度から次式により計算で求める。
開孔率(%)=π×(平均孔径/2)×(細孔密度)×100
細孔密度とは、中空糸膜の被処理水側の表面を細孔が明瞭に確認できる倍率で走査型電子顕微鏡等を用いて写真を撮り、その写真の中の細孔を数えて、1m当たりの細孔数に換算したものを細孔密度と定義する。複数の領域など、出来るだけ広域について数えて平均することが好ましい。例えば、本発明の実施例においては走査型電子顕微鏡写真3μm四方あたりの細孔数を数えて算出した。写真を画像処理装置で解析することも採用できる。
本発明においてろ過膜として用いる分離膜は、次のような方法でもって製造することができる。
例えば、球状構造からなるフッ素樹脂系層の上に、所定の親水性高分子を含有させたフッ素樹脂系高分子溶液からなる三次元網目構造層を形成させる方法、又は、2種類以上のフッ素樹脂系高分子溶液(そのうちの1種類は所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液)を口金から同時に吐出し、三次元網目構造層と球状構造層とを同時に形成させる方法が挙げられる。
球状構造からなるフッ素樹脂系層の上に、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液からなる三次元網目構造層を形成させる方法について、以下に説明する。
この製造方法の場合、まず球状構造からなるフッ素樹脂系膜(層)を製造する。フッ素樹脂系高分子を20重量%以上60重量%以下程度の比較的高濃度で、該高分子の貧溶媒または良溶媒に比較的高温で溶解することにより高分子溶液を調製し、該高分子溶液を中空糸膜状または平膜状となるように口金から吐出し、冷却浴中で冷却固化させることにより相分離せしめて、球状構造を形成させる。ここで、貧溶媒とは、上記高分子を、60℃以下の低温では5重量%以上溶解させることができないが、60℃以上かつ高分子の融点以下(例えば、高分子がフッ化ビニリデンホモポリマー単独で構成される場合の融点は178℃程度)の高温領域で5重量%以上溶解させることができる溶媒のことである。これに対し、60℃以下の低温領域でも高分子を5重量%以上溶解させることが可能な溶媒は良溶媒であり、また、高分子の融点または溶媒の沸点の高温にしても、高分子を溶解も膨潤もさせない溶媒は非溶媒である、と定義する。
フッ素樹脂系高分子の場合の貧溶媒としては、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロラクトン、メチルイソアミルケトン、フタル酸ジメチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジアセトンアルコール、グリセロールトリアセテート等の中鎖長のアルキルケトン、エステル、グリコールエステルおよび有機カーボネート等およびそれらの混合溶媒が挙げられる。非溶媒と貧溶媒の混合溶媒であっても、上記貧溶媒の定義を満足するものは、貧溶媒として扱う。また、良溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアキド、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、テトラメチル尿素、リン酸トリメチル等の低級アルキルケトン、エステル、アミド等およびそれらの混合溶媒が挙げられる。さらに、非溶媒としては、水、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、o−ジクロルベンゼン、トリクロルエチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、低分子量のポリエチレングリコール等の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコール、塩素化炭化水素、またはその他の塩素化有機液体およびそれらの混合溶媒が挙げられる。
上記の方法では、まずフッ素樹脂系高分子を20重量%以上60重量%以下程度の比較的高濃度で、該高分子の貧溶媒または良溶媒に、80〜170℃程度の比較的高温で溶解して高分子溶液を調製することが好ましい。この高分子溶液における濃度が高いほど高い強度、伸度を有する高分子分離膜が得られるが、高過ぎると高分子分離膜の空孔率が小さくなり透過性能が低下する。また、高分子溶液の取り扱い易さや製膜性の観点から、溶液粘度が適正な範囲内にあることが好ましい。従って、高分子溶液の濃度は30重量%以上50重量%以下の範囲とすることがより好ましい。
この高分子溶液を中空糸や平膜のような所定の形状にして冷却固化するためには、高分子溶液を口金から冷却浴中に吐出する方法が好ましい。この際、冷却浴に用いる冷却液体としては、温度が5〜50℃であって、濃度が60〜100重量%で貧溶媒もしくは良溶媒を含有する液体を用いることが好ましい。冷却液体中には、貧溶媒、良溶媒以外に非溶媒を、球状構造生成を阻害しない範囲内で含有させてもよい。なお、冷却液体に非溶媒を主成分とする液体を用いると、冷却固化による相分離よりも非溶媒滲入による相分離が優先して生じるので、球状構造が得られ難くなる。また、フッ素樹脂系高分子を比較的高濃度で、該高分子の貧溶媒もしくは良溶媒に比較的高温度で溶解した溶液を、急冷して固化する方法で高分子分離膜を製造する場合、条件によっては、分離膜の構造が球状構造でなく、緻密な網目構造となる場合もあるので、球状構造を形成させるためには、高分子溶液の濃度および温度、用いる溶媒の組成、冷却液体の組成および温度の組み合わせを適正に制御する。
ここでの高分子分離膜の形状を中空糸膜とする場合には、調製した高分子溶液を、二重管式口金の外側の管から吐出するとともに、中空部形成用流体を二重管式口金の内側の管から吐出し、冷却浴中で冷却固化して、中空糸膜とすればよい。この際、中空部形成用流体には、通常気体もしくは液体を用いることができるが、本発明においては、冷却液体と同様の濃度が60〜100重量%の貧溶媒もしくは良溶媒を含有する液体を用いることが好ましい。なお、中空部形成用流体は冷却して供給してもよいが、冷却浴の冷却力のみで中空糸膜を固化することが十分可能な場合は、中空部形成流体は冷却せずに供給してもよい。
また、高分子分離膜の形状を平膜とする場合には、調製した高分子溶液を、スリット口金から吐出し、冷却浴中で固化し平膜とする。
以上のようにして得られた球状構造からなるフッ素樹脂系膜(層)の上に、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液からなる三次元網目構造を形成(積層)させる。その積層方法は、特に限定されないが、以下の方法が好ましい。すなわち、球状構造からなるフッ素樹脂系膜(層)の上に、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液を塗布した後、凝固浴に浸漬することにより三次元網目構造を有する層を積層させる方法である。
ここで、三次元網目構造を形成させるための、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液は、前記した特定の親水性高分子、フッ素樹脂系高分子および溶媒で構成されるものであり、その溶媒としてはフッ素樹脂系高分子の良溶媒を用いることが好ましい。フッ素樹脂系高分子の良溶媒としては、前記した良溶媒を用いることができる。親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液における高分子濃度は、通常5〜30重量%が好ましく、より好ましくは10〜25重量%の範囲である。5重量%未満では、三次元網目構造層の物理的強度が低下し易く、30重量%を超えると透過性能が低下する傾向にある。
また、この親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液は、フッ素樹脂系高分子や親水性高分子の種類・濃度、溶媒の種類、後述する添加剤の種類・濃度によって、最適の溶解温度が異なってくる。このフッ素樹脂系高分子溶液において再現性良く安定な溶液調製するためには、溶媒の沸点以下の温度で攪拌しながら数時間加熱して、透明な溶液となるようにすることが好ましい。さらに、このフッ素樹脂系高分子溶液を塗布する際の温度も、優れた特性の高分子分離膜を製造するために重要である。例えば、高分子分離膜を安定して製造するためには、フッ素樹脂系高分子溶液の安定性を損なわないように温度を制御し、かつ系外からの非溶媒の侵入を防止することが好ましい。また、塗布時のフッ素樹脂系高分子溶液の温度が高すぎると、球状構造層の表面部分のフッ素樹脂系高分子を溶解して、三次元網目構造層と球状構造層の界面に緻密な層が形成され易くなり、得られる分離膜の透水性能が低下する。逆に、塗布時の溶液温度が低すぎると、塗布中に溶液の一部分がゲル化し、欠点を多く含む分離膜が形成され、分離性能が低下する。このため、塗布時の溶液温度は、溶液の組成や、目的とする分離膜性能等によって最適温度とする必要がある。
中空糸状の高分子分離膜を製造する場合において、球状構造からなるフッ素樹脂系中空糸膜(層)の外表面上に、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液を塗布する方法としては、中空糸膜を高分子溶液中に浸漬する方法や、中空糸膜の表面に高分子溶液を滴下する方法が好ましい。また、中空糸膜の内表面側に、所定の親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液を塗布する方法としては、高分子溶液を中空糸膜内部に注入する方法などが好ましい。この際に高分子溶液の塗布量を制御する方法としては、塗布への高分子溶液の供給量自体を制御する方法や、高分子分離膜を高分子溶液に浸漬し、若しくは高分子分離膜に高分子溶液を塗布した後に、付着した高分子溶液の一部を掻き取ったり、エアナイフを用いて吹き飛ばすことにより塗布量調整する方法を用いることができる。
また、塗布後に浸漬する凝固浴には、フッ素樹脂系高分子の非溶媒を含むことが好ましい。この非溶媒としては、前記したような非溶媒が好ましく用いられる。塗布された樹脂溶液を非溶媒に接触させることにより、非溶媒誘起相分離が生じ、三次元網目構造層が形成される。所定の親水性高分子を含有させたフッ素樹脂系高分子溶液を塗布した後に凝固浴に浸漬させる本発明の場合、凝固浴として、極性の高い非溶媒、例えば水を用いることが好ましい。
三次元網目構造層の表面における細孔の平均孔径を所望範囲内(例えば1nm以上1μm以下)に制御するための方法は、フッ素樹脂系高分子溶液中に含有させる親水性高分子の種類や濃度によって異なるが、例えば、以下の方法を採用することができる。
親水性高分子を含有するフッ素樹脂系高分子溶液に、孔径を制御するための添加剤を配合すると、三次元網目構造を形成する際に、または、三次元網目構造を形成した後に、その添加剤が溶出され、表面における細孔の平均孔径を制御することができる。
この孔径制御用の添加剤としては、以下の有機化合物や無機化合物が挙げられる。有機化合物としては、フッ素樹脂系高分子溶液に用いる溶媒および非溶媒誘起相分離を起こす非溶媒の両方に溶解するものが好ましく用いられ、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、デキストランなどの水溶性ポリマー、界面活性剤、グリセリン、糖類などを挙げることができる。無機化合物としては、フッ素樹脂系高分子溶液に用いる溶媒および非溶媒誘起相分離を起こす非溶媒の両方に溶解するものが好ましく、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。また、この添加剤を用いずに、凝固浴における非溶媒の種類、濃度および温度の調整によって相分離速度を制御し、表面の平均孔径を制御することも可能である。一般的には、相分離速度が速いと表面の平均孔径が小さくなり、相分離速度が遅いと表面の平均孔径が大きくなる。また、その高分子溶液に非溶媒を添加することにより、相分離速度を制御することもできる。
上記した三次元網目構造を形成させる方法において、三次元網目構造層形成用の高分子溶液がフッ素樹脂系高分子とセルロースエステルとを含み、フッ素樹脂系高分子に対するセルロースエステルの割合が20重量%以上50重量%未満である場合には、フッ素樹脂系高分子の良溶媒を含有する凝固浴を用いることが好ましい。この場合、凝固浴中に、フッ素樹脂系高分子の良溶媒成分を10重量%以上60重量%以下、好ましくは20重量%以上50重量%以下含有することが好ましい。凝固浴中に含まれる良溶媒成分を上記範囲に調整することにより、塗布されたセルロースエステル・フッ素樹脂系高分子溶液へ非溶媒が侵入する速度が低下し、三次元網目構造層中のマクロボイド(長径5μm以上)の形成を抑止することができる。
また、フッ素樹脂系高分子に対するセルロースエステルの割合が50重量%以上75重量%以下である場合には、フッ素樹脂系高分子の良溶媒成分を含有しない凝固浴、例えば、非溶媒のみからなる凝固浴中を用いることができ、このような凝固浴を用いても、マクロボイドの存在しない三次元網目構造層を形成することができる。
以下に具体的実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(1)ミニチュア膜モジュールによるろ過実験
外筒内に中空糸膜7本を収納して端部固定した長さ15mmのミニチュア膜モジュールを作製した(図2)。この膜モジュールにおいて、B端では中空糸膜が封止されていて、D端では中空糸膜が開口している。
圧力計を設置した10Lのステンレス製加圧タンクADVANTEC PRESSURE VRSSEL DV−10に原水を入れ、同様に圧力計を設置した40Lのステンレス製加圧タンクADVANTEC PRESSURE VRSSEL DV−40に和光純薬製蒸留水を入れた。それぞれのタンクには水の流出口に2方コックを接続した。原水には、フミン酸(和光純薬製)30mgと塩化カルシウム(ナカライテスク製 一級)250mgを和光純薬蒸留水10Lに溶解させたものを用いた。
原水入り加圧タンク(以下、原水タンク)の2方コックとミニチュア膜モジュールのA点をテフロン(登録商標)チューブで3方コックを介して接続し、蒸留水入り加圧タンク(以下、蒸留水タンク)の2方コックとミニチュア膜モジュールのB点をテフロン(登録商標)チューブで接続した。ミニチュア膜モジュールのC点は樹脂キャップにより封止し、D点から透過水が出るようにした。なお、C点のような接続端の設けてないミニチュア膜モジュールを用いてもよい。
まず、0.4MPaの圧縮空気をSMCレギュレーター(AF2000−02,AR2000−02G)で50KPaに調整して原水タンクに圧力をかけ、2方コックを開にしてミニチュア膜モジュール内に原水を送液した。このとき、ミニチュア膜モジュールとの間にある三方コックはタンクと膜モジュール間のみを開とし、また、蒸留水タンクとB点との間の2方コックは閉とした。
透過水重量をパソコンに接続した電子天秤 AND HF−6000で5秒毎に測定し、連続記録プログラムAND RsCom ver.2.40を用いて記録した。本実験で得られるデータは5秒あたりの透過水重量であるから、ろ過抵抗を以下に示す式を用いて算出した。
ろ過抵抗 =(ろ過圧力)×10×5×(膜面積)×10/((粘度×(5秒あたりの透過水重量)×(密度))
総ろ過水量0.06m/mまでろ過工程を続けた後、原水タンクの2方コックを閉としてろ過工程を終了した。次いで、ミニチュア膜モジュールとの間にある3方コックを3方向とも開の状態にし、ミニチュア膜モジュールの透過水出口(D点)を樹脂キャップで封止した。
0.4MPaの圧縮空気をSMCレギュレーター(AF2000−02,AR2000−02G)で100KPaに調整して蒸留水タンクに圧力をかけ、2方コックを開にしてミニチュアモジュール内に蒸留水を送液した。この操作によって逆洗工程が開始された。3方コックから流出する逆洗排水が100mlとなるまで逆洗工程を続けた後、蒸留水タンクの2方コックを閉として逆洗工程を終了した。
以上の操作を1つの膜モジュールに対して5回連続して実施し、総ろ過水量を横軸に、算出したろ過抵抗を縦軸にプロットした。
ここでプロットの開始は、各回のろ過開始30秒後からとした。また、ろ過抵抗の上昇に伴い透水量が減少するため、5秒ごとの増加量の絶対値が減少する。ろ過抵抗は増加量から前記式に従って算出するため、増加量が減少するとそのばらつきが算出されるろ過抵抗に与える影響が大きくなる。従って、透水量の減少が著しい場合には、適宜作成したグラフの移動平均近似をとってグラフを修正した。
(2)ろ過抵抗上昇度A
ろ過実験の結果から作成した総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフ、場合によっては前記グラフを移動平均近似をとったグラフにおいて、総ろ過水量とろ過抵抗の関係から、2回目、3回目、4回目、5回目のろ過工程それぞれの傾きを求めて算出した平均値をろ過抵抗上昇度Aとした。
(3)ろ過抵抗上昇度B
また、同グラフにおいて、2回目、3回目、4回目、5回目のろ過工程開始時のろ過抵抗4点を結んだ直線の傾きをろ過抵抗上昇度Bとした。ただし、4点が直線上に乗らない場合には、線形近似で直線の傾きを求めてろ過抵抗上昇度Aとした。
(4)逆洗回復性
n回目のろ過終了時のろ過抵抗とn+1回目のろ過開始時のろ過抵抗の差が、n回目のろ過終了時のろ過抵抗とn回目のろ過開始時のろ過抵抗の差の何%であるかを示す値で、n=2,3,4の平均値を逆洗回復性とした。
(5)孔径と開孔率
中空糸膜の平均孔径は、被処理水側表面である中空糸外表面を走査型電子顕微鏡(S−800)(日立製作所製)を用いて3万倍で写真撮影し、30個の任意の細孔の孔径を測定し、数平均して求めた。また、開孔率は、平均孔径を求めた写真の中の3μm四方あたりの細孔数を数えて算出して1m当たりの細孔数に換算して求めた細孔密度と平均孔径とから、次式により計算して求めた。
開孔率(%)=π×(平均孔径/2)×(細孔密度)×100
(6)小型膜モジュール連続ろ過実験
直径3cm、長さ50cm、有効膜面積が0.3mとなるように小型膜モジュールを作製し、琵琶湖水を膜ろ過流速3m/dで定流量外圧全ろ過運転を行った。60分毎に5ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液による逆流洗浄を30秒、空気によるエアースクラビングを1分行った。1週間のろ過運転を実施した。1週間のろ過差圧推移を計測し、次式により、1日平均のろ過差圧上昇速度(kPa/日)を算出した。
ろ過差圧上昇速度(kPa/日)=(P−P)/T
ここで運転評価開始時点の物理洗浄直後のろ過差圧をP(kPa)、運転評価終了時点の該ろ過差圧をP(kPa)、運転期間をT(日)とする。ここで、運転初期のろ過差圧が30kPa程度であり、薬液洗浄の目安がろ過差圧100kPaから150kPa程度であることから、運転開始時からろ過差圧が100kPaを超えるまでの月数をろ過差圧上昇速度から求め、安定運転可能月数とした。
<実施例1>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中で固化して球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを13重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)を4重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を3重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに30重量%N-メチル-2-ピロリドン水溶液中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.01μm、開孔率0.05%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は8.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは4.8×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは5.3×1011/m、逆洗回復性は92%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.12kPa/日であり、100kPa到達まで19ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例2>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中で固化して球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社、CAP482−0.5)を1重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.05μm、開孔率12%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は5.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは2.1×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは7.0×1011/m、逆洗回復性は76%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.14kPa/日であり、100kPa到達まで17ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例3>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)を3重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を3重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに30重量%N-メチル-2-ピロリドン水溶液中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.014μm、開孔率0.8%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は9.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは4.0×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは4.0×1011/m、逆洗回復性は95%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.1kPa/日であり、100kPa到達まで23ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例4>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを12重量%、セルロースアセテート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)を3重量%、N-メチル-2-ピロリドンを79重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を3重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに30重量%N-メチル-2-ピロリドン水溶液中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.02μm、開孔率10%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は6.6×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは3.8×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは5.3×1011/m、逆洗回復性は90%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.15kPa/日であり、100kPa到達まで16ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例5>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社、CA435−75S:三酢酸セルロース)を1重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに30重量%N-メチル-2-ピロリドン水溶液中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.04μm、開孔率10%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は5.2×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは3.1×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは9.0×1012/m、逆洗回復性は70%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.16kPa/日であり、100kPa到達まで15ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例6>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社、CAB551−0.2)を1重量%、N-メチル-2-ピロリドンを77重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.06μm、開孔率17であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は4.6×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは2.2×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは7.2×1011/m、逆洗回復性は84%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.15kPa/日であり、100kPa到達まで16ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<実施例7>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを14重量%、ポリ酢酸ビニル(ナカライテスク社、75%エタノール溶液、重合度500)を1.25重量%、N-メチル-2-ピロリドンを76.75重量%、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(三洋化成株式会社、商品名イオネットT−20C)を5重量%、水を3重量%の割合で95℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.04μm、開孔率8%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は5.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは3.4×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは1.5×1012/m、逆洗回復性は63%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.18kPa/日であり、100kPa到達まで13ヶ月かかる計算となり、長期間安定運転が可能であると言える。
<比較例1>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを13重量%、重量平均分子量2万のポリエチレングリコールを5重量%、ジメチルホルムアミドを79重量%、水を3重量%の割合で85℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.05μm、開孔率6%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は3.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは2.6×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは5.8×1012/m、逆洗回復性は76%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.22kPa/日であり、10ヶ月で100kPaに到達した。
<比較例2>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、重量平均分子量28.4万のフッ化ビニリデンホモポリマーを13重量%、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを5重量%、ジメチルスルホキシドを82重量%の割合で100℃の温度で混合溶解して高分子溶液を調整した。この製膜原液を球状構造からなる中空糸膜表面に均一に塗布し、すぐに水浴中で凝固させて球状構造層の上に三次元網目構造層を形成させた中空糸膜を製作した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.04μm、開孔率9%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。このろ過実験により選られた総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフを図4に示す。
その結果、初期ろ過抵抗は4.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは2.7×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは9.2×1012/m、逆洗回復性は81%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.32kPa/日であり、わずか7ヶ月で100kPaに到達した。
<比較例3>
重量平均分子量41.7万のフッ化ビニリデンホモポリマーとγ-ブチロラクトンとを、それぞれ38重量%と62重量%の割合で170℃の温度で溶解した。この高分子溶液をγ-ブチロラクトンを中空部形成液体として随拌させながら口金から吐出し、温度20℃のγ-ブチロラクトン80重量%水溶液からなる冷却浴中でこかして球状構造からなる中空糸膜を作製した。
次いで、得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成した。和光純薬フミン酸が3mg/L、塩化カルシウムが25mg/Lとなるよう和光純薬製蒸留水に溶解させたものを原水とし、ろ過圧力50kPaでろ過工程をろ過水量0.06m/mまで実施し、次いで逆洗圧力100kPaで0.025m/m逆洗する逆洗工程を実施する実験を5回連続して実施した。
得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜は被処理水側表面の平均孔径が0.3μm、開孔率22%であった。得られたポリフッ化ビニリデン製中空糸膜を用いて、前述した有効膜面積が0.004mのミニチュア膜モジュールを作成し、ミニチュア膜モジュールろ過実験を実施した。
その結果、初期ろ過抵抗は2.0×1011/m、ろ過抵抗上昇度Aは3.2×1012/m、ろ過抵抗上昇度Bは1.5×1013/m、逆洗回復性は32%であった。
この膜を用いて小型モジュールを作製し、琵琶湖水を原水とした連続ろ過実験を実施したところ、ろ過差圧上昇速度は0.82kPa/日であり、わずか3ヶ月で100kPaに到達した。
Figure 2008036574
Figure 2008036574
本発明の膜モジュールは、地下水、河川水、湖沼水、海水、下水2次処理水などを膜ろ過する際に利用することができる。
ろ過実験による総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフの一例を示す。 ろ過実験に用いたミニチュア膜モジュールの概略を示す斜視図である。 実施例1で用いた分離膜についてろ過実験した総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフである。 比較例3で用いた分離膜についてろ過実験した総ろ過水量−ろ過抵抗のグラフである。

Claims (7)

  1. ポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる分離膜をろ過膜として用いてなる水処理用膜モジュールにおいて、分離膜が、ろ過抵抗上昇度Aが2×1012/m以上、逆洗回復性が50%以上、ろ過抵抗上昇度Bが2×1012/m以下、かつ、初期ろ過抵抗が1×1012/m以下の特性を有する膜であることを特徴とする膜モジュール。
  2. 請求項1記載の膜モジュールにおいて、使用される分離膜の孔径が0.1μm以下である膜モジュール。
  3. 請求項1又は2記載の膜モジュールにおいて、使用される分離膜の開孔率が20%未満である膜モジュール。
  4. 請求項3に記載の膜モジュールを具備する膜ろ過装置を用い、物理洗浄を定期的に行いながら水処理を行ない透過水を製造する水処理方法。
  5. 請求項4に記載の水処理方法において、物理洗浄が逆流洗浄である水処理方法。
  6. 請求項4に記載の水処理方法において、物理洗浄を行う間隔が10分毎以上60分毎以下である水処理方法。
  7. 請求項5に記載の水処理方法において、使用される分離膜が中空糸膜である水処理方法。
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WO2003106545A1 (ja) * 2002-06-14 2003-12-24 東レ株式会社 多孔質膜およびその製造方法

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