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JP2008005186A - 薄膜圧電共振器と薄膜圧電フィルタ - Google Patents

薄膜圧電共振器と薄膜圧電フィルタ Download PDF

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Kosuke Nishimura
浩介 西村
Kensuke Tanaka
謙介 田中
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Abstract

【課題】 高いQ値を有する薄膜圧電共振器を提供するとともに、優れたフィルタ特性を有する薄膜圧電共振器フィルタを容易に提供する。
【解決手段】 圧電層と該圧電層を挟んで対向するように形成された上部電極と下部電極とを有する圧電共振器スタックと、該圧電共振器スタックの下に形成された空隙部と、該空隙部を形成するように圧電共振器スタックを支持する基板とからなる薄膜圧電共振器であり、前記上部電極と前記下部電極が厚み方向に重なる振動部の、前記圧電層の厚みをt、前記圧電層の比誘電率をE、前記空隙部の深さをtとした時、t>5t/Eであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通信機器の技術分野に属するものであり、薄膜圧電共振器とそれを用いた薄膜圧電フィルタに関するもので、特に損失を抑制した共振器の構造に関するものである。
セルラ電話機のRF回路部には常に小型化が求められる。最近では、セルラ電話機に多様な機能を付与することが要望されており、その実現のためにはできるだけ多くのコンポーネントを組み込むことが好ましく、一方でセルラ電話機の大きさには制約があるので、結局、機器における専有面積(実装面積)及び高さの低減の要求が厳しく、従ってRF回路部を構成するコンポーネントについても専有面積が小さく、高さの低いものが求められている。
このような事情から、RF回路に使用される帯域通過フィルタとして、小型でかつ軽量化が可能である薄膜圧電共振器を用いた薄膜圧電フィルタが利用されるようになっている。前記のような薄膜圧電フィルタは、文献に示されているように半導体基板上に上下の電極で挟まれるように窒化アルミニウム(AlN)や酸化亜鉛(ZnO)等の圧電薄膜を形成し、且つ弾性波エネルギーが半導体基板中に漏洩しないように、その直下に空洞部を設けた薄膜圧電共振器(Thin Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)からなるRFフィルタである(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
図7は、従来の薄膜圧電共振器の一形態を示し、図7(a)は、その模式的平面図であり、図7(b)は図7(a)のX−X断面図である。図7は、模式的図面であるため圧電層、空洞部等の相対的大きさを正確に反映しているものではない。図1の薄膜圧電共振器は、圧電薄膜と、該圧電薄膜を挟むように形成された下部電極8および上部電極10とを有する。薄膜圧電共振器は、空洞部4を有する基板6と、該基板6の上面上の端縁に周縁部が支持されて吊られた形態の圧電共振器スタック12とを有する。該圧電共振器スタック12は、圧電薄膜(圧電体層)2と該圧電薄膜を挟むように形成された下部電極(下部電極層)8および上部電極(上部電極層)10とからなる。
圧電層2と電極層8、10との積層体から構成される圧電共振器スタック12は、その周縁部で吊られており、その主表面が両方とも空気その他の周囲ガス叉は真空と接している。この場合、圧電共振器スタック12はQの高い音波共振器を形成する。電極層8,10に加えられる交流信号は、圧電共振器スタック12における音速を該スタック12の重み付き厚さの2倍で割った値に等しい周波数を持つものである。即ち、fr=v/2t(ここで、frは共振周波数であり、vはスタック12内の音速であり、tはスタック12の重み付き厚さである)の場合、その交流信号によって、圧電共振器スタック12が共振する。圧電共振器スタック12を構成する層内における音速が各層を構成する材料ごとに異なるため、圧電共振器スタック12の共振周波数は、物理的厚さではなく、圧電層2や電極層8,10内の音速とそれらの物理的厚みを考慮した重み付き厚さにより決まる。図7の形態では、上部電極10と下部電極8とが厚み方向で互いに重なる部分の外形が四角形となっている。
特開平06−204776号公報 特開2000−69594号公報
圧電共振器において、前述したように、厚み方向の縦振動を確保するために、空洞部を形成することは知られている。しかしながら、この形態の圧電共振器においてもさらに高いQ値を有するフィルタ特性の優れたものが望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高いQ値を有する薄膜圧電共振器を提供するとともに、優れたフィルタ特性を有する薄膜圧電共振器フィルタを容易に提供することを目的としたものである。
本発明者らは、基板に半導体であるSiを使う場合形成する空洞部の深さが不十分だと下部電極とSi基板間で空洞部内の容量が存在し特性の劣化を生じさせることを見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明は、圧電層と該圧電層を挟んで対向するように形成された上部電極と下部電極とを有する圧電共振器スタックと、該圧電共振器スタックの下に形成された空隙部と、該空隙部を形成するように圧電共振器スタックを支持する基板とからなる薄膜圧電共振器であり、前記上部電極と前記下部電極が厚み方向に重なる振動部の、前記圧電層の厚みをt、前記圧電層の比誘電率をE、前記空隙部の深さをtとした時、t>5t/Eであることを特徴とする薄膜圧電共振器に関する。
さらに、好ましくは、前記空隙部の深さをtは、5t/E<t<25t/E
である。
また、本発明は、前記薄膜圧電共振器を用いた薄膜圧電フィルタに関する。
本発明の薄膜圧電共振器によれば、上部電極と下部電極が厚み方向に重なる振動部の、圧電層の厚みをt、圧電層の比誘電率をE、前記空隙部の深さをtとした時、t>5t/Eであることにより、特性劣化を招くことなく高いQ値を有する薄膜圧電共振器を実現することができる。また、これらの薄膜圧電共振器を用いた、優れたフィルタ特性を有する薄膜圧電フィルタを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態を示し、図1(a)はその模式的平面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X断面図である。本発明の薄膜圧電共振器は、圧電薄膜(圧電層)2と、該圧電薄膜を挟むように形成された下部電極8および上部電極10とからなる圧電共振器スタック12と、該圧電共振器スタックの下に形成された空隙部4と、該空隙部4を形成するように圧電共振器スタックを支持する基板6とからなる。上部電極10と下部電極8とが厚み方向に重なる振動部の、圧電層2の厚みをt、圧電層2の比誘電率をE、前記空隙部4の深さをtとした時、t>5t/Eである。空隙部4の深さとは、下部電極と空隙部の底との距離をいう。
前記空隙部4の深さtがt>5t/Eであることにより、振動部の上部電極と下部電極との間に形成される容量Cが、振動部下方の空洞部に形成される容量Cよりはるかに大きくなるため、振動部の特性が、空洞部の容量に影響されなくなり、これにより、共振特性の劣化の少ない、高いQを有する共振器を提供することができる。t2はフィルタ特性上大きい程好ましいので、上限はないが、製造上、前記空隙部4の深さを大きくすると、空洞部の深さを深くすると製造に時間を要しコスト増大を招き実用的でない。また、共振器が大きくなるため、t<25t/Eが実用的である。tが無限に大きくなった形態は、基板の下方が開放された構造の薄膜圧電共振器であるが、開放された孔が下方に大きくなるため、フィルタを構成する場合に複数の共振器を緻密に配置することができず、フィルタが大きくなる。本発明の薄膜圧電共振器では、フィルタ特性に優れるとともに配置が容易である。
図1の実施形態では、前記圧電薄膜2の前記下部電極8と前記上部電極10に挟まれた部分の外形が円形であるが、これに限定されるものではない。上部電極および下部電極の一部周辺には、外部回路に接続するために導電性の薄膜(接続導体という)が接続されているが、これらは、上部電極、下部電極には含まれないものとする。また、接続導体と上部電極または下部電極との境界は、上部電極または下部電極の他の部分の外形の線を延長することにより求められる。図1の実施形態では、前記上部電極と下部電極とが厚み方向で互いに重なる部分の外形が円形であり、さらに、該円形の中心を通る直径の1/50の長さの直線を含む領域には、前記上部電極を形成していない。これにより、横音響モードによる特性劣化を防ぐことができる。
本発明の薄膜圧電共振器の構成および材料は、従来の薄膜圧電共振器と同様な構成および材料を適用することができる。例えば、基板6はシリコン基板、ガリウム砒素基板、ガラス基板などからなるものでよく、圧電薄膜(圧電層)2は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)や窒化アルミニウム(AlN)のような薄膜として製造できる圧電材料からなるものでよい。
上記のような薄膜圧電共振器は次のようにして作製することができる。シリコンウェハなどの基板6上に湿式エッチング等の技術によりピット部を形成した後、CVD法等の成膜技術により犠牲層を形成する。その後、CMP法などの平坦化技術により基板表面を平坦化し、ピット内部にのみ犠牲層が堆積された基板とする。スパッタリング法、蒸着法などの成膜方法で下部電極8、圧電層2、上部電極10を成膜するとともに、湿式エッチング、RIE、リフトオフ法などのパターニング技術を用いて各層をパターニングする。この際、上部電極の中心部に上部電極を形成しない領域40を形成する。更に、前記パターニング技術を用いて、基板上面から犠牲層まで達する貫通孔30を形成した後、エッチング液にて犠牲層を除去する。これにより、ピット部は空洞部4となる。
図1の実施形態では、前記圧電薄膜2の前記下部電極8と前記上部電極10に挟まれた部分の外形が円形であったが、他の実施形態として、図2に示した薄膜圧電共振器が挙げられる。図2の実施形態においても、上部電極10と下部電極8とが厚み方向に重なる振動部の、圧電層2の厚みをt、圧電層2の比誘電率をE、前記空隙部4の深さをtとした時、t>5t/Eである。これにより、共振特性の劣化の少ない、高いQを有する共振器を提供することができる。さらに、図2の実施形態では、前記上部電極と下部電極とが厚み方向で互いに重なる部分の外形が四角形であり、該四角形の2つの対角線の交点を含み、かつ、少なくとも一方の対角線の1/10を含む領域には、前記上部電極を形成していない。これにより、横音響モードによる特性劣化を防ぐことができる。
図3に本発明の他の薄膜圧電共振器の実施形態を示す。図3の実施形態においても、上部電極10と下部電極8とが厚み方向に重なる振動部の、圧電層2の厚みをt、圧電層2の比誘電率をE、前記空隙部4の深さをtとした時、t>5t/Eである。これにより、共振特性の劣化の少ない、高いQを有する共振器を提供することができる。さらに、図3の実施形態では、前記圧電薄膜2の前記下部電極8と前記上部電極10に挟まれた部分が平行四辺形である。このように、下部電極と上部電極とが厚み方向で互いに重なる部分が、平行四辺形である場合にも、平行四辺形の2つの対角線の交点を含み、かつ、少なくとも一方の対角線上の1/10を含む領域で、前記上部電極を形成しない領域を設けることにより、高いQ値を損なうことなく横音響モードによるノイズの発生を抑制した、優れた薄膜圧電共振器が得られる。
図4に本発明の他の薄膜圧電共振器の実施形態を示す。図4の実施形態においても、上部電極10と下部電極8とが厚み方向に重なる振動部の、圧電層2の厚みをt、圧電層2の比誘電率をE、前記空隙部4の深さをtとした時、t>5t/Eである。これにより、共振特性の劣化の少ない、高いQを有する共振器を提供することができる。さらに、図4の実施形態では、前記圧電薄膜2の前記下部電極8と前記上部電極10に挟まれた部分が楕円形である。このように、下部電極と上部電極とが厚み方向で互いに重なる部分が、楕円形である場合にも、該楕円形に内接する円形の中心を通りかつ長さが該円の直径の1/50の直線を含む領域には、前記上部電極を形成していないようにすることにより、高いQ値を損なうことなく横音響モードによるノイズの発生を抑制した、優れた薄膜圧電共振器が得られる。
上記したように、犠牲層が除去された空洞部の深さt部分は下部電極と基板のSiの間で容量を形成するためにtが小さすぎると振動部中央付近での付加容量が大きな値となり共振器の特性劣化を招く。また充分にとることは製造面でコスト高の要因になり必要最小限を規定することが望ましい。振動部の圧電体の厚みがtのときにtは、
5t/E<t<25t/E
で表される範囲に設定することが好ましい。
さらに、本発明の薄膜圧電フィルタは、本発明の薄膜圧電共振器を用いたフィルタであって、例えば、本発明の薄膜圧電共振器を図5に示すような複数梯子型に配置することにより構成することができるが、これに限定されるものではない。本発明の薄膜圧電フィルタはQが高く、フィルタ特性に優れたフィルタである。
(実施例1)
上部電極の半径が100μmの円形で、中央部に一辺10μmの上部電極を除去した正方形部分が存在する図1に記載の2GHz帯を共振周波数とした薄膜圧電共振器を作製した。本実施例での各構成層の厚みは次のように設定した。下部電極をMoで厚み300nm、圧電層をAlNで厚みtが1500nm、上部電極をMoで厚み200nmとした。振動部下部の空洞部の深さtは圧電層の膜厚と同じ1.5μmに設定した。用いたAlNの比誘電率は10である。即ち、本実施例の薄膜圧電共振器では、tは5t/Eより大きい関係にある。このように形成した共振器を用い、図5に示した梯子型回路にて形成したフィルタの通過特性を図6の実線に示す。作製した薄膜圧電共振器で形成したフィルタの通過特性は損失が少なく、良好なフィルタ特性を示すことがわかる。
(比較例1)
薄膜圧電共振器は、振動部下部の空洞部の深さtが圧電層の膜厚の約1/4である0.4μmに設定した以外は実施例1と同じ構成である。この共振器を用いて図5に示した梯子型回路にて形成したフィルタの通過特性を図6の点線に示す。tが圧電層の厚みtの半分より小さく、tは5t/Eより小さい関係にある。従って、本比較例は本発明の範囲外となりフィルタの通過特性はリップルが大きく損失が大きいフィルタ特性を示した。
(実施例2)
薄膜圧電共振器は、振動部下部の空洞部の深さtが圧電層の膜厚tの2倍である3μmに設定した以外は実施例1と同じ構成である。この場合、圧電層の比誘電率は10であり、tは5t/Eより大きい関係にある。この共振器を用いて図5に示した梯子型回路にて形成したフィルタの通過特性を図6の破線に示す。フィルタの通過特性はリップルがなく損失の小さい、良好なフィルタ特性を示すことがわかる。
本発明の薄膜圧電共振器の一実施形態を示す、(a)模式的平面図および(b)断面図である。 本発明の薄膜圧電共振器の他の一実施形態を示す、(a)模式的平面図および(b)断面図である。 本発明の薄膜圧電共振器の他の一実施形態を示す、(a)模式的平面図および(b)断面図である。 本発明の薄膜圧電共振器の他の一実施形態を示す、(a)模式的平面図および(b)断面図である。 本発明の薄膜圧電共振器を用いたフィルタの一実施形態である梯子型回路を示す図である。 実施例1、2、および比較例1で得られた(a)薄膜圧電共振器のインピーダンス特性および(b)薄膜圧電共振器を用いたフィルタのフィルタ特性を示す図である。 従来の薄膜圧電共振器の(a)模式的平面図、及び(b)断面図である。
符号の説明
2 圧電層
4 空洞部
6 基板
8 下部電極
10 上部電極
12 圧電共振器スタック
14 接続導体
30 犠牲層エッティング用貫通孔
40 上部電極を形成しない領域(上部電極層除去部)
44 上部電極を形成しない領域(上部電極、下部電極および圧電層除去部)
100 薄膜圧電フィルタ
101、102 入出力ポート
111、113、115 薄膜圧電フィルタの直列共振素子
112、114、116 薄膜圧電フィルタの分路共振素子

Claims (3)

  1. 圧電層と該圧電層を挟んで対向するように形成された上部電極と下部電極とを有する圧電共振器スタックと、該圧電共振器スタックの下に形成された空隙部と、該空隙部を形成するように圧電共振器スタックを支持する基板とからなる薄膜圧電共振器であり、前記上部電極と前記下部電極とが厚み方向に重なる振動部の、前記圧電層の厚みをt、前記圧電層の比誘電率をE、前記空隙部の深さをtとした時、t>5t/Eであることを特徴とする薄膜圧電共振器。
  2. 前記キャビティの深さtは、
    <25t/E
    であることを特徴とする請求項1記載の薄膜圧電共振器。
  3. 請求項1または2に記載された薄膜圧電共振器を用いた薄膜圧電フィルタ。
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