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JP2008000045A - 核酸の検出方法 - Google Patents

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JP2008000045A
JP2008000045A JP2006171312A JP2006171312A JP2008000045A JP 2008000045 A JP2008000045 A JP 2008000045A JP 2006171312 A JP2006171312 A JP 2006171312A JP 2006171312 A JP2006171312 A JP 2006171312A JP 2008000045 A JP2008000045 A JP 2008000045A
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Tomoko Ito
朋子 伊藤
Michiko Sakamoto
宙子 坂本
Hiromi Sanuki
博美 佐貫
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Abstract

【課題】極微量・希薄濃度の核酸試料を、特殊な装置を必要とせず、簡便に且つ低コストで検出することを可能にする核酸検出方法を提供すること。
【解決手段】基板上に設けられた試料保持区画に核酸含有試料溶液を供給し、その区画内で当該核酸の反応及び検出を行う。それぞれの試料保持区画へは、複数回の試料供給及び溶媒の蒸発の組からなる濃縮を行い、適宜核酸試料の増幅を行ってからその産物の検出を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は核酸の検出方法に関するものである。より具体的には、核酸、特に、法医学サンプル等のように試料中核酸量が極微量かつ低濃度である試料を用いて、当該サンプル中の核酸を高感度で検出する方法を提供する。
一般に、法医学サンプルや血漿中に含まれる核酸量は極微量である。そのため、これらの試料に対して通常の核酸検出反応を行ったとしても、有効な検出、解析、診断等を行うことは困難である。
ところで、血液から血球成分を除いた血漿や、凝固成分を除いた血清中には、ガン細胞由来のDNAが多く存在することが近年示されていることから、血漿分析によってガンを検出・診断する可能性が示唆されている(非特許文献1)。しかしながら、血漿中のガン細胞由来DNA量(総DNA量)は、卵巣ガンの場合、血漿1ml当たり2.8μg(非特許文献2)、乳ガンの場合、血漿1ml当たり211ng(非特許文献3)、小細胞肺ガンの場合、血漿1ml当たり39ng(非特許文献4)程度である。そのため検出対象としたい特定配列(ガン関連遺伝子等)の存在量は更に少なく、通常の検出方法における検出限界未満の濃度でしか存在していない。従って血漿を有効な解析・診断に用いることが現状ではできていない。
健常人の血漿DNA濃度は、文献によっても異なるが、概してガン患者の場合よりも更に低く、血漿1μl当たり約数pg程度(10mlの採血量当たり十数〜数十ng)である(非特許文献1)。従ってガン患者における血漿DNA濃度に対して、健常人の血漿DNA濃度は平均で数十倍から数百倍程度低いことになる。
一般に臨床の現場における患者からの採血量は数ml〜10ml程度である。検出対象である核酸の絶対量を確保するために、これ以上の採血を行うことは患者の負担となるため無理がある。従って、健常人を含む集団に対してガンのスクリーニング検査を行う場合、通常の採血量、及び健常人の血漿中に存在する通常のDNA濃度であっても、核酸を高感度に検出でき、最終的に有効な解析・診断に寄与する核酸検出方法の開発が必要である。
微量DNAを検出する場合、PCR法等により遺伝子を増幅する工程をまず行い、その後増幅物を検出する方法が一般にはとられる。すなわち、
(1)試料から検出しようとする対象核酸を抽出する工程;
(2)抽出された検出対象核酸を別の試験系に移し、これを増幅する工程;及び
(3)増幅された核酸を、増幅系とは異なる検出系に移し、これを検出する工程;から構成される核酸検出方法を実施することで、非常に希薄な濃度の核酸についての検出を行うことができると考えられる。
しかしながら核酸を増幅する場合には通常、酵素反応が用いられており、酵素反応においては、解析対象である核酸が溶液中に一定濃度以上含まれない場合に反応効率が著しく低くなってしまうという問題がある。すなわち極微量の核酸試料について酵素反応により増幅を行う場合には、安定した再現性の良い結果が得られにくいという問題が本質的に存在している。具体的には、試料からの核酸抽出操作後の標的核酸の量が、数pg〜数十pg程度の微量なものとなってしまう場合、通常の反応条件、例えば反応体積が10μl〜100μlの範囲内である場合には、PCR等の酵素を利用した反応系を使って、検出系における検出限界量以上にまで核酸を増幅するのは困難である。そのため上記(1)〜(3)の構成を有する核酸検出システムであっても、核酸検出そのものが行えないという事態が生じてしまう。
このような問題に対しては、希薄な核酸試料溶液をエタノール沈澱、あるいは核酸試料溶液を加温しながら遠心して溶媒を蒸発させるといった手段により核酸試料溶液を濃縮することで理論的には対応することができる。しかしながら、エタノール沈殿を利用する場合、沈殿操作そのものが臨床の現場では煩雑であり、更には、沈澱時や、濃縮された核酸試料を増幅工程に移す際のピペット操作において、核酸が損失する可能性がかなり高い。また、加温しながら遠心する場合、遠心・加温機能を備えた特別な装置(スピードバック等)が臨床の現場に必要となるため、これは現実的ではない。いずれの方法を利用する場合であっても、その濃縮工程には、通常30分から数時間程度の時間が必要である。さらに上述の煩雑な操作中に核酸試料が他の核酸によって汚染される可能性があり、特に、多数種類の核酸試料を並行して処理することの多い臨床検査の現場では、この問題は無視できない。
これまでに極微量乃至微量の核酸を検出する方法がいくつか開示されている。例えば特許文献1には、対象核酸と、その核酸に相補的な配列をもつ1本鎖DNAとをハイブリダイゼーション反応にかけ、当該対象核酸を濃縮してからこれを検出することで、溶液中に極微量、希薄な状態でしか含まれない核酸をも高感度に検出する方法が開示されている。しかしながらこの方法では、検出対象核酸配列が既知であることが必須であるため、未知の配列や、配列に多型性が存在する場合には利用することができない。更に濃縮工程で1本鎖DNA試薬を必要とするため、多種類の配列を同時に解析したい場合には、比較的高価な1本鎖DNA試薬を多種・多量に用意する必要があり、コスト面においてこの方法は臨床現場の好適な方法とはいえない。
特許文献2には、核酸の増幅から検出までを同一の容器内で実施することが可能な遺伝子検査用容器が開示されている。しかしこの容器内においては、増幅が実施される部分と検出が実施される部分とが必ずしも同一部ではない。そのため、解析対象物が極微量の核酸等の場合には、増幅後、検出を行う構成部分に増幅核酸試料を移す操作が必要である。従って試料(核酸)の損失が生じるという課題は依然として残されている。
非特許文献5では、遊離DNAの高感度検出・定量技術の研究内容が開示されている。この評価報告書においては、血清中のDNA濃度が10pg/ml程度の試料の解析が達成されている。しかし、これよりも更にDNA濃度が低いと考えられる血漿についての検討はなされていない。
特許第3023368号公報 特開2003-38161号公報 L.J.ヘレラら(Herrera L.J., et al.)、クリニカル・ケミストリー(Clin. Chem)、2005年、第51巻、第1号、pp.113-118. G.ギフォードら(Gifford G. et al.)、クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clin. Cancer Res.)、2004年、第10巻、第13号、pp.4420-4426. J.M.シルヴァら(Silva J.M. et al.)、アンニュアル・サージカル・オンコロジー(Ann. Surg. Oncol.)、 2002年、第9巻、第1号、pp.71-76. X.Q.チェンら(Chen X.Q. et al.)、ネイチャー・メディスン(Nat. Med.)、1996年、第2巻、第9号、pp.1033-1035. 新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術評価委員会、「血中遊離DNAによる癌の高感度遺伝子検査システムに関する基盤研究事後評価報告」、平成15年2月
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、極微量・希薄濃度の核酸試料であっても、安定に且つ再現性よく検出可能な核酸検出方法を提供することを目的とする。特に、同時に多数個、多数種類の試料を取り扱うことのある臨床現場においても、迅速、簡便、且つ低コストで核酸を検出することが可能な方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は下記の構成をとる。
(1)(a)標的核酸を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の試料保持区画に供給する工程;
(b)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程;及び
(c)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記工程(b)の核酸含有反応生成物を検出する工程;
を含む、核酸検出方法。
(2)前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
(a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
を順次含む、(1)に記載の核酸検出方法。
(3)前記工程(a-1)の溶媒を蒸発させる工程が、
前記工程(a)を行う温度と同一温度において基板を予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;又は
前記工程(a)を行う温度よりも少なくとも5℃以上高い温度にまで基板を加熱し、適宜、予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
を含む、(2)に記載の核酸検出方法。
(4)前記工程(a)を行うよりも高い温度が、25〜95℃の範囲内の温度である、(3)に記載の核酸検出方法。
(5)前記工程(a)が、
(a-3)予め25〜95℃の範囲内の一定温度に保温されている基板に、核酸含有試料溶液を供給する工程;及び、
(a-4)適宜、基板を予め設定した時間、静置し、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
を含む、(1)に記載の核酸検出方法。
(6)前記工程(b)における前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程が、
(b’)増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、逆転写反応、ライゲーション反応、及び制限酵素による切断反応からなる群より選択される何れか一つの反応を行う工程であって、
(b-1)前記試料保持区画に供給されたときに、当該選択された反応に適した濃度で反応に必須の成分を含む反応溶液を、前記試料保持区画と同一の区画内に供給する工程;及び、次いで
(b-2)前記基板を、当該選択された反応に適した一の温度に予め設定した時間保持するか、又は当該選択された反応に適した複数の温度帯に、それぞれ予め設定した時間保持することを順次行うことからなるサイクルを一回又は複数回行う工程;
を含む工程である、(1)に記載の核酸検出方法。
(7)前記選択される反応がPCRによる増幅反応である、(6)に記載の核酸検出方法。
(8)前記工程(c)における核酸含有反応生成物を検出する工程が、
(c’)核酸検出試薬を含む溶液を前記試料保持区画と同一の区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する工程であり、尚且つ
当該核酸検出試薬を含む溶液は、これを試料保持区画内に供給したときに、検出反応に適した濃度で当該検出試薬を含む、(1)に記載の核酸検出方法。
(9)前記工程(b)の後、前記工程(c’)の前に、
(b-3)前記試料保持区画中にある溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;
を含む、(8)に記載の核酸検出方法。
(10)前記工程(c’)における核酸検出反応生成物を検出する工程が、
(c’’)当該核酸検出反応生成物の分光学的特性を測定する工程
である、(8)に記載の核酸検出方法。
(11)前記分光学的特性が、蛍光強度、発光強度、発色、又は吸光度に関するものである、(10)に記載の核酸検出方法。
(12)前記工程(c’)における核酸検出反応生成物を検出する工程が、
(c’’’)当該反応産物における核酸量を測定する工程
である、(8)に記載の核酸検出方法。
(13)前記工程(c)が、前記工程(b)の反応において標的核酸の反応産物に導入された標識を検出することである、(1)に記載の核酸検出方法。
(14)前記工程(a)における核酸含有試料溶液を供給する工程が、
当該溶液の滴下、シリンジピストンポンプ方式、又はインクジェット方式による供給操作を行うことである、(1)に記載の核酸検出方法。
(15)前記工程(a)において供給される核酸含有試料溶液の量が、0.1〜5μlの範囲内の一定量である、(1)に記載の核酸検出方法。
(16)前記工程(a)における核酸含有試料溶液を供給する工程が、前記工程(b)を行う前に、前記一定量の溶液を複数回基板に供給する工程である、(15)に記載の核酸検出方法。
(17)前記核酸含有試料溶液が、細胞を含む溶液であり、
前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(a-5)前記試料保持区画に細胞破裂溶液を添加する工程;及び
(a-6)基板を一の温度又は複数の温度帯に、予め設定した時間保持する工程;
を含む、(1)に記載の核酸検出方法。
(18)前記基板が複数の試料保持区画を有する、(1)に記載の核酸検出方法。
(19)前記工程(a)において、2以上の試料保持区画に同一の核酸含有試料溶液を供給する、(18)に記載の核酸検出方法。
(20)前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
(a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
を含む、(18)に記載の核酸検出方法。
(21)前記複数の試料保持区画の少なくとも一つに対して、前記工程(a-2)を、他の試料保持区画において行う工程(a-2)の回数とは異なる回数で行う、(20)に記載の核酸検出方法。
(22)前記工程(a-1)の全てにおいて、蒸発させる操作を必ず行い、前記複数の試料保持区画のそれぞれ対して行う工程(a-1)の回数が、一定間隔の自然数の組である、(21)に記載の核酸検出方法。
(23)(A)標的核酸の有無を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の少なくとも2つの試料保持区画に供給するとともに、標準核酸を既知の量で含む標準核酸含有溶液を、当該核酸含有試料溶液を供給する試料保持区画のある同一基板上の別個の、少なくとも2つの区画に供給する工程;
(B)下記のサブ工程:
(B-1)前記区画中にある、前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部、及び標準核酸含有溶液の溶媒の少なくとも一部をそれぞれ蒸発させる工程;並びに
(B-2)前記工程(A)及び(B-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程;
を含む、当該溶液中の核酸を濃縮する工程であって、
核酸含有試料溶液又は標準核酸含有溶液が供給された一連の区画の少なくとも一方について行う工程(B-1)の回数は一定間隔の自然数の組である;
(C)核酸検出試薬を含む溶液を、前記濃縮工程(B)後のそれぞれの区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する工程;並びに
適宜、
(D)下記のサブ工程:
(D-1)標準核酸含有溶液について行った前記工程(C)における定量結果を基に、同一区画内に供給した全標準核酸量と、核酸検出反応生成物の定量結果との間の検量線を作成する工程;及び
(D-2)上記サブ工程(D-1)において作成した検量線に基づき、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸の量を算出する工程;
を含む、標的核酸定量を行う工程;
を含む、核酸検出方法。
(24)前記工程(B)の後、前記工程(C)の前に、
(B-3)前記区画のそれぞれにおいて、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸、及び前記標準核酸含有溶液中の標準核酸のそれぞれを鋳型とした増幅反応を行う工程;
を含む、(23)に記載の核酸検出方法。
(25)前記基板表面が、疎水性領域と親水性領域からなり、当該親水性領域を試料保持区画とした、(1)乃至(24)の何れか一つに記載の核酸検出方法。
(26)前記試料保持区画が、略円形の開口部を有する窪みであり、当該窪みの底部の直径が0.5mm〜6mmである、(25)に記載の核酸検出方法。
(27)前記核酸含有試料溶液が血漿である、(1)乃至(24)の何れか一つに記載の核酸検出方法。
(28)前記核酸含有試料溶液中の核酸の濃度が5pg/μl乃至1μg/μlの範囲内にあり、当該試料溶液中の核酸の総量が、0.05ng乃至1μgの範囲内にある、(1)乃至(24)の何れか一つに記載の核酸検出方法。
本発明の核酸検出方法を用いることにより、通常の方法では検出することのできなかった極微量・希薄濃度の核酸試料を、特殊な装置を必要とせず、簡便に且つ低コストで検出することができ、疾患の判定に有効活用することが可能になる。
また本発明においては、核酸試料の濃縮を効率的且つ正確に行うことが可能となる。従って核酸試料の核酸濃度についての系列を本発明の方法により作成することで、濃度が未知の試料であっても効果的に反応・検出を行うことが可能になる。そのため試料核酸の検出のための予備的な実験を省くことが可能となる。これらのことにより、本発明は臨床の場において、煩雑な操作を要求することなく実施できる、非常に使いやすい方法となっている。
本発明の核酸検出方法は、
(a)標的核酸を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の試料保持区画に供給する工程;
(b)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程;及び
(c)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記工程(b)の核酸含有反応生成物を検出する工程;
を含んでいる。
すなわち本発明の方法においては、基板上に形成された試料保持区画内に、標的核酸を含んだ試料溶液を供給し、その場で標的核酸に対する反応を行い、更に当該反応が行われた場において、反応産物の検出が行われる。
本発明において利用できる「核酸含有試料」とは、組織、細胞、細菌、ウイルスや、血液、血漿、血清、体液、尿等を含む、生体試料のことである。生体試料が組織、細胞、細菌、ウイルス感染細胞、血液等の場合であって、標的核酸が遊離した状態で存在していないものの場合には、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野において公知の方法により組織や細胞内から核酸を抽出することが必要である。そのための操作は、本発明の実施前に行うか、又は実施の際に、核酸反応直前に公知の適切な方法で行うことが可能である。一方、標的核酸が遊離した状態で存在しているもの、例えば血漿・血清・体液等の中の遊離核酸の場合には、本質的には試料そのものを本発明の核酸検出方法にかけることが可能である。しかしながら、本発明の方法において行う、核酸に対する反応を阻害する可能性のある物質などが試料中に含まれていることが事前にわかっている場合には、核酸含有試料からそのような阻害性物質を除去するなどの予備的処理を行うことが好ましい。
本発明における「標的核酸」とは、研究、診断等における要請から、その存在や変異を検出・定量等することが望まれる遺伝子配列を含んだ核酸であり、DNA及びRNAを含むものである。
本発明の核酸検出方法において利用することが可能な「基板」とは、その上に生体試料を保持し、生体試料の反応を行い、更にその反応物を検出することに適した材質、形状、寸法のものであれば特に限定されない。具体的にはガラス等の基板上に、標的核酸を含む核酸含有試料溶液の保持、反応、検出に適した試料保持区画を形成したものとすることができる。
本発明の核酸検出方法においては、上記のような核酸含有試料溶液を試料保持区画に供給した後、その区画と同一の区画において核酸の反応を行わせる。そして次の工程(c)においては、当該反応により生成することが予測される核酸含有反応産物を検出することが行われる。
本発明における「核酸含有反応生成物」の例としては、PCR、T7や、NSABA等の増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、逆転写反応、ライゲーション反応、制限酵素反応による切断反応における反応生成物を挙げることができる。
本発明の核酸検出方法の上記工程(c)における検出工程の例としては、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野において公知方法を挙げることができる。
上述のように本発明においては、試料供給工程、核酸反応工程、核酸含有反応生成物検出工程の全てを、基板上の同一試料保持区画内で行うことを特徴としている。
通常の微量核酸の検出方法においては、まず検出限界未満の核酸を増幅させる反応を、チューブ等の容器内で行っておき、次にその増幅産物を電気泳動等のシステムに移動させてから検出を行うことがなされている。これに対して本発明の方法においては、上述のごとく同一の区画内で反応も検出も行うことが可能な構成となっている。このことに起因して、核酸の検出を簡便且つ効果的に行うことが可能となっている。また、従来の方法においては、極微量・希薄濃度の核酸試料を移動させる操作(容器の移しかえ等)を行うと、その操作において試料そのものを喪失させてしまったり、操作ミスによる試料を汚染してしまったりする可能性があるが、本発明の場合には、そのような事態を防ぐことができる。
また、本発明においては同一区画において反応と検出を行うことが可能であることから、使用する反応・検出用の器具や消耗品の使用量を減らすことが本質的に可能であり、コスト低減の利点がある。
本発明の核酸検出方法においては試料の反応・検出を同一区画内で行うことから、より簡潔なシステムとなっており、本発明の核酸検出方法を実施するための装置を構成する場合には、自動化を行いやすいものとなっている。
本発明の核酸検出方法においては、試料の供給を行う工程(a)の後、核酸反応を行う工程(b)の前に、
(a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
(a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
からなる濃縮工程を行うことができる。
工程(a-1)では、直前の工程(a)で供給された核酸含有試料溶液について、適宜、その溶媒の少なくとも一部を蒸発させる。但し、使用している基板の各試料保持区画内に保持できる試料溶液の容量に対し、当該工程(a)で供給される試料溶液の容量が十分に少ないと考えられる場合、例えば区画に1回につき供給される試料溶液の容量が、当該区画の全容量に対し80%以下であるような場合には、当該蒸発操作は、試料の供給のたびに行う必要はない。同様に、工程(a-1)の蒸発操作の回数を減らして本発明の方法の実施にかかる時間や操作数を減らしたい場合にも、当該蒸発操作は、試料の供給のたびに行う必要はない。しかしながら当該蒸発操作は、本発明の方法の全工程1セットの実施中においては少なくとも1回行い、試料保持区画内に供給された核酸含有試料の濃縮が行われるようにすることが必要である。従って、工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行うことが必要である。この場合、次の工程(b)における反応の効率を維持する観点からは、工程(b)の直前に行う工程(a-1)、すなわち全工程中の最後に行われる工程(a-1)において当該蒸発操作を行うことが好ましい。このように全工程中の最後に行われる工程(a-1)において当該蒸発操作を行った場合、次の反応工程(b)において供給する溶液量に対し、試料保持区画内に存在する溶液量を十分に少なくできるため、工程(b)において効率的な反応進行を保証することが可能となる。
上記した試料溶液の濃縮を行う本発明の態様においては、
前記工程(a-1)の溶媒を蒸発させる工程が、
前記工程(a)を行う温度と同一温度において基板を予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;又は
前記工程(a)を行う温度よりも少なくとも5℃以上高い温度にまで基板を加熱し、適宜、予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
を含むものとすることができる。すなわち濃縮を行うための一つの具体的手段としては、核酸含有試料溶液を供給した際のシステム内の温度を実質的に変化させることなく、試料溶液が供給された基板を同一環境下に静置し、適宜、乾燥した空気を当該基板に供給することが挙げられる。この手段は、検出を行う環境における湿度が十分に低く、溶媒の自発的な蒸発が起こりやすい場合に採用することができる。乾燥空気に曝す付加的操作は、この操作によって各試料保持区画中の溶液が他の区画に移動したり、溶液が飛沫となって飛散しない方法であれば特に限定されることはなく、例えば公知の除湿手段により、周囲よりも湿度が低減された空気を送風により供給するものなどを挙げることができる。
濃縮のための別の具体的手段としては、試料溶液を基板上の試料保持区画に供給した温度よりも少なくとも5℃以上高い温度にまで、好ましくは25〜95℃の範囲内の温度にまで基板を、試料供給後に加熱し、適宜、予め設定した時間、基板を静置し、更には適宜、基板を乾燥空気に曝すことが挙げられる。一定時間基板を静置する操作と、基板を乾燥空気に曝す操作は、何れか一方を行うことができ、両者を併せて行うこともできる。
基板を加熱するための手段としては、基板を直接的に加熱するか、または基板が配置されている環境内の空気を加熱することにより間接的に行う手段によることができる。また、基板を加熱して最終的に到達させる基板の温度と、工程(a)における試料供給時の温度との差が、溶媒蒸発速度の観点から十分に大きくないと考えられる場合、具体的には基板の最終到達温度が50℃未満の場合には、加熱操作後に予め設定した時間だけ、基板をその状態で静置することが好ましい。一方、基板を加熱して最終的に到達させる基板の温度と、工程(a)における試料供給時の温度との差が、溶媒蒸発速度の観点から十分に大きいと考えられる場合、具体的には基板の最終到達温度が50℃以上の場合には、そのような静置操作を行う必要はなく、むしろ、溶液が完全に乾燥してしまわないうちに、次の操作(溶液の供給を伴う操作)を行うことが好ましい。これは、基板を加熱により到達させる最終温度が高すぎると、核酸含有試料溶液が試料保持区画内で完全に乾燥してしまい、試料を追加的に供給したり、工程(b)及び工程(c)における反応のために溶液を供給しても、標的核酸が基板の試料保持区画の底部に固着したまま、反応に関与できなくなってしまうおそれがあるためである。このような乾燥を防ぐためには、基板の温度上昇と最終温度における温度保持時間とを調節でき、好ましくは基板の冷却を制御できる、温度制御機能を備えさせていることが望ましい。しかしこのような温度制御機能は方法・システムの複雑化を引き起こすため、上昇させる最終温度は、37〜70℃の範囲内にあることが好ましい。
基板を加熱する手段としては、基板を直接的に加熱するか、又は周囲の空気を加熱することで基板を間接的に加熱するかの二通りあるが、解放系において行いやすい手段という観点からは、基板を直接的に加熱する手段が好ましい。より好ましくは、装置を閉鎖系にすることが好ましい。
本発明の核酸検出方法においては、基板への試料溶液の供給後に試料溶液の濃縮を行う代わりに、試料溶液の供給と濃縮をほぼ同時に行うことも可能である。すなわち、上記(a)〜(c)を含む本発明の核酸検出方法において、
前記工程(a)が、
(a-3)予め25〜95℃の範囲内の一定温度に保温されている基板に、核酸含有試料溶液を供給する工程;及び、
(a-4)適宜、基板を予め設定した時間、静置し、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
を含むものとすることが可能である。
基板を一定温度に保温するための手段としては、上記の基板を加熱するための手段を挙げることができる。また、基板を一定時間静置する操作、及び乾燥空気に曝す操作は、何れか一方を行っても、両方を併せて行ってもよい。
上記のような、試料溶液の濃縮のために基板を加熱する手段を利用する態様においては、濃縮が十分に達成されたときに、試料溶液から溶媒を完全に蒸発させることなく、次の反応工程(b)において液相での反応をすぐに行えるようにするため、基板の加熱を工程(b)の温度付近で行うか、又は工程(b)の直前に基板の温度を反応工程(b)に適した温度にまで冷却する手段を備えるものとすることができる。このような冷却手段は、基板の加熱温度が試料溶液の供給温度と比較して顕著に高い場合であって、自然な冷却では濃縮後の区画内の溶液が全て蒸発してしまうおそれがある場合には特に有効である。
本発明の核酸検出方法において、前記工程(b)における前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程は、(b’)増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、逆転写反応、ライゲーション反応、及び制限酵素による切断反応からなる群より選択される何れか一つの反応、より好ましくはPCRによる増幅反応を行う工程、とすることができる。そしてこの工程(b’)は、
(b-1)前記試料保持区画に供給されたときに、当該選択された反応に適した濃度で反応に必須の成分を含む反応溶液を、前記試料保持区画と同一の区画内に供給する工程;及び、次いで
(b-2)前記基板を、当該選択された反応に適した一の温度に予め設定した時間保持するか、又は当該選択された反応に適した複数の温度帯に、それぞれ予め設定した時間保持することを順次行うことからなるサイクルを一回又は複数回行う工程;
を含む工程である。
上記工程(b-1)においては、増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、逆転写反応、ライゲーション反応、及び制限酵素による切断反応からなる群より選択される何れか一つの反応に適した反応溶液(基質や酵素等を含むもの)を、各区画に供給する。ここで、反応溶液の供給前に各区画内に存在する試料溶液の量が、当該反応溶液の供給量に対して無視できない場合、区画内への反応溶液の供給により、反応溶液内の成分濃度が大きく変わる。従ってそのような濃度の変動が反応の進行に大きく影響することが考えられる反応を選択している場合には、反応溶液の供給前に、区画内の溶液量を考慮し、供給する反応溶液の成分濃度を調節することが好ましい。
しかしながら、上記した濃縮を行う本発明の態様においては、濃縮の最終段階において、各区画内の溶液量を一定量以下に調整することが本質的に可能であるため、適宜濃縮工程と組み合わせることにより、上記のような反応溶液の成分濃度の調節は、本質的に不要になる。
次の工程(b-2)においては、選択した反応に適した温度に基板を設定するが、そのための手段は、上記の濃縮工程において使用した加熱手段によることができる。選択した反応がPCRによる増幅反応である場合には、鋳型の熱変性、1本鎖の鋳型とプライマーとのアニーリング、DNAの伸長反応のそれぞれに適した温度セットに、基板の温度を順次変更してそれぞれの温度にて一定時間保持することで、反応を進行させることができる。
本工程(b’)の増幅反応がPCRの場合、エンドポイントPCR又はリアルタイムPCRとすることができる。増幅反応にリアルタイムPCRを使用する場合には、PCRのサイクルを行う途中で、予め設定しておいたレベルでシグナルが検出された時点でPCRをストップさせることができるため、検出時間を短縮することが可能になる。本発明の方法においては、反応と検出とを同一区画で行うことを特徴の一つとしているため、リアルタイムPCRを行った場合には、検出のための時間短縮が顕著に表れる。
上記工程(a)〜(c)を含む本発明の核酸検出方法においては、当該工程(c)における核酸含有反応生成物を検出する工程が、
(c’)核酸検出試薬を含む溶液を前記試料保持区画と同一の区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する工程であり、尚且つ
当該核酸検出試薬を含む溶液は、これを試料保持区画内に供給したときに、検出反応に適した濃度で当該検出試薬を含むものとすることができる。
本発明の方法における「核酸検出試薬」とは、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野で知られる核酸の高感度検出に用いられるものであれば特に限定されるものではない。
当該核酸検出試薬を含む溶液中の核酸検出試薬の濃度は、当該試薬が効果的に核酸を検出することができるものであればよい。また、これを供給する試料保持区画中の試料溶液の容量は、核酸検出試薬を含む溶液の容量に対して十分に少ないことが好ましく、より具体的には核酸検出試薬を含む溶液の容量に対して50%以下であることが好ましい。
このような条件を満たすためには、上記した本発明の方法においては、前記工程(b)の後、前記工程(c’)の前に、
(b-3)前記試料保持区画中にある溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程を含むことが好ましい。この蒸発工程を設けることにより、工程(c’)において核酸検出反応を十分且つ効果的に進行させることが可能になる。
本発明の核酸検出方法の工程(c’)における核酸検出反応生成物を検出する工程は、
(c’’)当該核酸検出反応生成物の分光学的特性を測定する工程とすることができる。より具体的には、前記分光学的特性が、蛍光強度、発光強度、発色、又は吸光度に関するものとすることができる。従って本発明の核酸検出方法においては、これらの分光学的特性を定量できる手段を備えていることが必要であるが、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野で知られるものであれば特に限定されることはない。更に具体的には、核酸量を測定することにより行うことができ、例えばPicoGreen(Molecular Probes社製;登録商標)のように、核酸の2重鎖を認識して定量的結合するインターカレータを使用することができる。あるいは、このような試薬を使用する代わりに、前記工程(b)において標識(例えば蛍光分子による標識)を行い、次いで工程(c)においてFCS(蛍光相関分析法)や、FIDA(蛍光強度分布解析法)を行い、工程(b)で産生された反応産物を測定することによって行うことも可能である。このような標識としては、種々の蛍光標識など、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野で知られるものを利用することが可能である。
本発明の核酸検出方法の工程(a)にける核酸含有試料溶液を供給する工程は、例えば当該溶液の滴下、又はインクジェット方式による供給操作を行うことにより実施することができる。これらの方式以外であっても、供給量が正確であり、基板上の試料保持区画間における試料の汚染を生じさせず、且つ試料保持区画内に核酸含有試料溶液を接触させることができるもの(例えば通常のシリンジピストンポンプ)であれば、それらを採用することができる。
試料保持区画内への核酸含有試料溶液の供給においては、当該溶液の量が、0.1〜5μlの範囲内の一定量であることが望ましい。この範囲内の一定量であれば、一度に多数の試料を同時に検出にかけるシステムを構成することが可能であり、特にスライドガラス程度の大きさの基板を使うシステムを構築することが容易である。そのため、臨床の場において導入しやすいものとなる。
また、上記の範囲内の一定量の溶液を供給するシステムにおいては、前記工程(a)における核酸含有試料溶液を供給する工程が、前記工程(b)を行う前に、前記一定量の溶液を複数回基板に供給する工程とすることができる。従って基板の大きさがスライドガラス程度であっても、同一の試料保持区画内に溶液を複数回供給することが可能であり、尚且つ当該区画内から溶液をあふれさせることなく、当該区画内に標的核酸の絶対量を増加させることが容易である。
本発明の核酸検出方法においては、前記核酸含有試料溶液を細胞含有溶液とすることが可能である。この場合、前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(a-5)前記試料保持区画に細胞破裂溶液を添加する工程;及び
(a-6)基板を一の温度又は複数の温度帯に、予め設定した時間保持する工程;
を含むことにより実施できる。
この態様において使用する細胞含有溶液中の「細胞」は、好ましくは細胞同士が互いに独立して液中に存在している状態である。更に好ましくは単位容量当たりの細胞個数を求めたものである。
工程(a-5)においては、添加された細胞破裂溶液により、試料保持区画内の細胞が破裂し、細胞内の核酸が露出する。これを次の工程(a-6)にかけることで、核酸の反応が行われる。
工程(a-6)における反応がPCRによる増幅反応である場合、工程(a-5)の後、核酸を変性させ、その後PCR試薬を適切な濃度で試料保持区画に添加して増幅反応を行うことができる。PCR試薬を適切な濃度で添加するためには、細胞破裂溶液の一部又は全部を蒸発させることが望ましい。
工程(a-5)で使用する「細胞破裂溶液」とは、細胞を破裂させて細胞内より核酸を液中に放出させる液体であって、好ましくは後の工程(b)の反応を阻害しないものとすることができる。具体的にはKCl等の塩を含む低張液や水(脱イオン水や蒸留水)を挙げることができる。細胞破裂溶液として例えば水を試料保持区画内に添加した場合、細胞内外の浸透圧の差に起因して、細胞の破裂が生じる。
本発明の核酸検出方法において使用する基板には、複数の試料保持区画を設けることができる。同一基板上に試料保持区画を複数設けることにより、複数種類の試料についての同時検出を行うことが可能になる。また、このような構成により、同一種類の試料についての濃度勾配を同一基板上に設けた上で反応・検出を行うことが可能になる。このように濃度勾配を設けると、解析対象である試料溶液中の標的核酸濃度が予め全くわからない場合や、予め正確にはわかっていない場合であっても、当該濃度勾配を広めに設定することで、その勾配中に、核酸の反応・検出に適した濃度で標的核酸が含まれるようにすることが可能になる。これにより、本発明の方法の実施前に標的核酸の量や濃度を予め正確に見積もるための予備実験や計算による推定を行う負担をなくすことが可能になる。
試料溶液中の標的核酸の濃度勾配の作成は、具体的には上記した本発明の一般的方法における濃縮工程に準じることで実施することができる。すなわち、前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
(a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
(a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
を含む方法により本質的には実施することができる。具体的には、前記複数の試料保持区画の少なくとも一つに対して、前記工程(a-2)を、他の試料保持区画において行う工程(a-2)の回数とは異なる回数で行うことで、濃度の勾配を作成することができる。濃度勾配の作成についてより好ましくは、前記工程(a-1)の全てにおいて、蒸発させる操作を必ず行い、前記複数の試料保持区画のそれぞれ対して行う工程(a-1)の回数が、一定間隔の自然数の組とすることである。ここで「一定間隔の自然数の組」とは、例えば{1、2、3、・・・・}、{2、4、6、・・・}、及び{10、100、1000・・・}等である。どのような組を使用するかは、標的核酸量の予測値を基にすれば当業者らにより決定することができる。
尚、上記態様では、工程(a-2)を行う回数を異ならせることで、それぞれの試料保持区画に供給される標的核酸の量についての勾配を作成したが、このような方法の代わりに、核酸含有試料溶液を調製するために使用した、ブランク溶液(緩衝液または純水)を利用して、全ての区画において供給する回数を変更せずに、ブランク溶液を供給する回数を調節して、区画に供給される標準核酸の量についての勾配を作成することも可能である。
本発明の核酸検出方法は、単に標的核酸の検出にとどまるのではなく、標的核酸を定量することにも応用することが可能である。すなわち、
(A)標的核酸の有無を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の少なくとも2つの試料保持区画に供給するとともに、既知配列からなる標準核酸を既知の量で含む標準核酸含有溶液を、当該核酸含有試料溶液を供給する試料保持区画のある同一基板上の別個の、少なくとも2つの区画に供給する工程;
(B)下記のサブ工程:
(B-1)前記区画中にある、前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部、及び標準核酸含有溶液の溶媒の少なくとも一部をそれぞれ蒸発させる工程;並びに
(B-2)前記工程(A)及び(B-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程;
を含む、当該溶液中の核酸を濃縮する工程であって、
核酸含有試料溶液又は標準核酸含有溶液が供給された一連の区画の少なくとも一方について行う工程(B-1)の回数は一定間隔の自然数の組である;
(C)核酸検出試薬を含む溶液を、前記濃縮工程(B)後のそれぞれの区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出、又は当該核酸検出反応生成物を定量する工程;並びに
適宜、
(D)下記のサブ工程:
(D-1)標準核酸含有溶液について行った前記工程(C)における定量結果を基に、同一区画内に供給した全標準核酸量と、核酸検出反応生成物の定量結果との間の検量線を作成する工程;及び
(D-2)上記サブ工程(D-1)において作成した検量線に基づき、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸の量を算出する工程;
を含む、標的核酸定量を行う工程;
を含む構成とすることにより、標的核酸の定量を行うことが可能になる。
上記工程(A)においては、核酸含有試料溶液のみならず、標準配列を既知の量で含む標準核酸含有溶液を用意して、核酸含有試料溶液及び標準核酸含有溶液を共に、少なくとも2つの区画に供給する。少なくとも2つの区画に供給する、核酸含有試料溶液及び標準核酸含有溶液は、それぞれの区画において異なる濃度とすることが好ましく、より好ましくは一定倍率の濃度の組とする。
このような濃度の勾配を作成するには、具体的には上記のサブ工程(B-1)及び(B-2)を含む工程(B)による溶液の濃縮を行う。すなわち、当該サブ工程(B-2)を行う回数を、それぞれの区画において変更することにより濃度勾配を作成することができる。当該回数を一定間隔の自然数とすることで、例えば{1、2、3、・・・}や、{2、4、6、・・・}のような濃度勾配を作成することができる。
また、上記したように、サブ工程(B-2)を行う回数を異ならせることで、それぞれの試料保持区画に供給される標的核酸の量についての勾配を作成することができる。また、核酸含有試料溶液を調製するために使用したブランク溶液を利用し、全ての区画において、標準核酸溶液または核酸含有試料溶液と、ブランク溶液の供給回数の合計が同じになるようにして、区画に供給される標準核酸又は核酸含有試料溶液の勾配を作成することも可能である。
次に、このようにして作成された濃度勾配の核酸含有試料溶液中の標的核酸を検出するために、上記工程(C)を行う。この工程においては、上記した本発明の他の態様において使用することが可能な核酸検出試薬を含む溶液を試料保持区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する。この検出工程により、各区画に標的核酸が存在しているか否かを判定することが可能になる。
核酸検出反応生成物の検出にとどまらず、その定量を行うためには、上記工程(D)を実施する。すなわち、濃度勾配を有する標準核酸含有溶液についての検出結果に基づき、各区画に供給した標的核酸量と、前記工程(C)の検出における測定値(例えば蛍光強度)との間の関係に基づいて検量線をまず作成する。次いで、この検量線と上記工程(C)における試料核酸含有溶液中の標的核酸の測定値とに基づいて、各試料保持区画内の核酸含有試料溶液中の標的核酸の量を算出する。好ましくは、検量線の作成において利用する標準核酸は、その存在量と検出における測定値との間に線形性が存在する濃度において利用し、線形性が保たれる濃度領域において標的核酸の量の算出を行う。
上記した本発明の態様においては、標的核酸の検出前に、標的核酸を増幅することが可能である。すなわち、前記工程(B)の後、前記工程(C)の前に、
(B-3)前記区画のそれぞれにおいて、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸、及び前記標準核酸含有溶液中の標準核酸のそれぞれを鋳型とした増幅反応を行う工程;
を含めることが可能である。この態様においては、核酸含有試料溶液の濃度勾配作成、すなわち濃縮によっても検出できないような極微量の核酸含有試料溶液から、標的核酸を検出することが可能になる。具体的には標準核酸を鋳型として増幅反応、好ましくはPCRによる増幅反応を行うことで、上記態様の濃縮によって達成される標的核酸濃度をはるかに超える濃度にまで標的核酸を増幅し、更にこれを検出することを行うことが可能になる。
本発明において使用する基板は、好ましくはその表面が疎水性領域と親水性領域からなり、その親水性領域を試料保持区画とする。本発明において検出対象となる核酸含有試料は、通常、水性媒体中に存在させて調製・保存されるため、基板上に形成させる試料保持区画は、試料溶液を効果的に保持し、更に当該区画内で種々の反応・検出(反応)が行えるよう、親水性領域に供給する。また、各親水性領域の周囲を疎水性領域により囲い込む構成とすることにより、当該親水性領域に供給された試料溶液を当該領域内に保持しやすくなり、試料溶液についての意図しない区画間移動を抑制することが可能になる。
親水性領域の形成は、本発明が属する技術分野及びその周辺・関連分野で公知の種々の方法により基板表面を親水処理を施すか、又はもともと親水性である基板表面に疎水性領域を、公知の方法により形成することによって行う。親水処理により基板表面に導入される基の例としては、−OH、−NH3、−COOH等の極性が高い基があり、一方、疎水性処理により基板表面に導入される基の例としては、−R、−OR(Rは、アルキル、アルケニル等の疎水性基)、−Fやハロゲンで置換されたアルキル、アルコキシ基等の極性が低い基がある。
基板上に形成させる試料保持区画の形状・寸法としては、水性試料の保持・反応・検出に適するものであれば特に限定されることはないが、本発明の核酸検出方法は、極微量の核酸試料の検出に好適に用いられることから、例えば略円形の開口部を有する窪みであり、当該窪みの底部の直径が0.5mm〜6mmであるものとすることができる。このような形態の試料保持区画を有する基板の例としては、Advalytix AG社製のAmpliGrid(登録商標)シリーズを挙げることができる。
本発明の核酸検出方法は、極微量の標的核酸の検出に好適に用いられることから、例えば血漿を核酸含有試料溶液として使用することが可能である。本発明の核酸検出方法において検出可能な核酸濃度としては、5pg/μl乃至1μg/μlの範囲内にあるものであり、試料溶液中の総核酸量としては、0.05ng乃至1μgの範囲内にあれば、検出することが可能である。
12行×4列の配列で合計48個の試料保持区画を有する基板(Advalytics社製AmpliGrid(登録商標))、及びHamilton社製Hamilton Micro Lab Star分注装置を使い、当該基板上に12種類の試料(核酸1〜核酸12)について4つの濃度からなる濃度勾配を作成した。この基板は、その表面に均等な間隔で直径が約1.6 mmの微小親水性領域が形成されており、各領域の周囲には、ドーナツ状に非親水性領域が形成されている。
分注は1回につき1.0μlに設定した。まず、12種類の試料について、行1〜行12の列A〜列Dのそれぞれに1.0μlづつ分注した。その後、基板を 50 ℃まで加温した。この温度で、約2分間経過すると、各試料保持区画内に供給された試料溶液は、略完全に水分蒸発した。蒸発を確認した後、基板の温度を室温まで下げ、次いで12種類の試料について、行1〜行12の列B〜列Dのそれぞれに1.0μlづつ分注した。1回目の分注操作と同様にして、各試料保持区画内での水分蒸発を確認した。次いで同様に12種類の試料について、行1〜行12の列C及び列Dのそれぞれに1.0μlづつ分注し、同様の操作で水分蒸発を行い、最後に行1〜行12の列Dのそれぞれに1.0μlづつ分注した。このような操作を行うことで、行1〜行12の列A〜列Dにおいては、それぞれ合計で1.0μl、2.0μl、3.0μl、4.0μlの試料溶液が供給された。
上記実施例1で作成した濃度勾配を利用して、各試料保持区画内で核酸の増幅をPCRにより行った。増幅には各核酸の増幅に適したプライマーとQIAGEN 社製のQIAGEN Multiplex PCR kit、を使用し、35サイクルの増幅反応を行った。
増幅は、基板上の各試料保持区画に試料及びPCR反応用試薬溶液を添加した後、SIGMA社製 ミネラルオイルを5μl添加してから行った。
PCR産物の分析は、各試料保持区画中のオイル下部の反応溶液より1μlを回収し、これをキャピラリーシーケンサーにかけて行った。
(結果)
全ての試料で、キャピラリーシーケンサーによるフラグメント・解析が可能であった。
健常者1名より採取した5mlの血液より、血漿2mlを調製した。これをQIAamp Midi Kit(QIAGEN社製)を使用して、血漿DNAを調製した。この血漿DNAを使って、実施例1と同様にして、1枚の基板上に1×、5×、10×、20×の4種類の濃度勾配を作成した。また、既知濃度の標準核酸及びDNase・RNase フリーの純水をそれぞれポジティブ・コントロール及びネガティブ・コントロールとして、濃度勾配無しで使用した。
PCRは、実施例2と同様にして行った。
(結果)
1×、5×、10×、20×の4種類の濃度勾配のうち、10×、20×でシークエンシンサーによるフラグメント解析が可能であった。1×、5×ではPCR鋳型量が不足であった為と考えられる。
1名の健常者より血液を得て、実施例3と同様にして血漿調製、PCRによる増幅を1枚の基板上で行った。
尚、この実験と平行して(上記増幅反応の後)、Molecular Probes社製PicoGreen(登録商標)に添付されている標準DNAについての濃度勾配を(同一)基板上に作成した。
増幅産物及び標準DNAにそれぞれ同量のPicoGreen溶液を添加、5分間室温に静置した後、プレートリーダーで蛍光量を測定した。標準DNAのDNA量と蛍光量との関係より検量線を作成した。この検量線を用いて、増幅産物の蛍光量からDNA量を換算した。
(結果)
1×、5×、10×、20×の4種類の濃度勾配のうち、5×、10×、20×は検量線からの定量換算が可能であった。1×は検出線の直線範囲内に位置せず(検出限界以下)、定量できなかった。鋳型量が不足であった為と考えられる。
健常人男性および女性より全血5mlを抗凝固剤入りの採血管に採取し、3000Xg 4℃にて15分間遠心して上層の血漿成分と下層の血球成分の中間層に位置するリンパ球を豊富に含むバフィーコート分画を新しい遠心管に回収した。回収したバフィーコート分画にPBS溶液を5ml添加してリンパ球を溶液中に懸濁した後、再び3000Xg 4℃にて15分間遠心し、上清を除き、再びPBS溶液をリンパ球が1X104個/mlとなるよう添加し、細胞懸濁溶液を調製した。
上記細胞懸濁液を1μlとり、疎水部に囲まれた親水部の区画を備えたスライドグラス(あらかじめ50℃に保温)上の親水部の1区画に分注し、1分放置して溶媒を蒸発させ、リンパ球細胞のみが付着した状態とした。
溶液を蒸発させリンパ球細胞のみが付着した区画に、dH2Oを3μl添加した後、基板を95℃で5分間→50℃1分間インキュベートを2回繰り返し、リンパ球の細胞膜・核膜を破壊しリンパ球DNAを露出させると同時に溶媒を蒸発させた。
リンパ球DNAにPCR反応液を1μl分注した後、シーリングオイルを5μl分注し、PCR反応を行い、Y染色体遺伝子増幅を実施した。
Quant-iT PicoGreen dsDNA Reagent and Kits(Invitrogen,P7589)でDNAの増幅の有無を検出した。
(結果)
健常人男性で増幅が認められて、女性では認められなかった。
本発明の核酸検出方法は、試料中核酸濃度が極めて低いと考えられる試料についての核酸検出を行うことを、簡便・効率的・正確に行うことを可能にする。従って、臨床の現場における種々の疾患の判定において有効に活用することができる。

Claims (28)

  1. (a)標的核酸を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の試料保持区画に供給する工程;
    (b)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程;及び
    (c)前記試料保持区画と同一の区画内において、前記工程(b)の核酸含有反応生成物を検出する工程;
    を含む、核酸検出方法。
  2. 前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
    (a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
    (a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
    を順次含む、請求項1に記載の核酸検出方法。
  3. 前記工程(a-1)の溶媒を蒸発させる工程が、
    前記工程(a)を行う温度と同一温度において基板を予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;又は
    前記工程(a)を行う温度よりも少なくとも5℃以上高い温度にまで基板を加熱し、適宜、予め設定した時間、静置する操作を含み、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
    を含む、請求項2に記載の核酸検出方法。
  4. 前記工程(a)を行うよりも高い温度が、25〜95℃の範囲内の温度である、請求項3に記載の核酸検出方法。
  5. 前記工程(a)が、
    (a-3)予め25〜95℃の範囲内の一定温度に保温されている基板に、核酸含有試料溶液を供給する工程;及び、
    (a-4)適宜、基板を予め設定した時間、静置し、適宜、基板を乾燥空気に曝す工程;
    を含む、請求項1に記載の核酸検出方法。
  6. 前記工程(b)における前記核酸含有試料溶液中の標的核酸に対する反応を行う工程が、
    (b’)増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、逆転写反応、ライゲーション反応、及び制限酵素による切断反応からなる群より選択される何れか一つの反応を行う工程であって、
    (b-1)前記試料保持区画に供給されたときに、当該選択された反応に適した濃度で反応に必須の成分を含む反応溶液を、前記試料保持区画と同一の区画内に供給する工程;及び、次いで
    (b-2)前記基板を、当該選択された反応に適した一の温度に予め設定した時間保持するか、又は当該選択された反応に適した複数の温度帯に、それぞれ予め設定した時間保持することを順次行うことからなるサイクルを一回又は複数回行う工程;
    を含む工程である、請求項1に記載の核酸検出方法。
  7. 前記選択される反応がPCRによる増幅反応である、請求項6に記載の核酸検出方法。
  8. 前記工程(c)における核酸含有反応生成物を検出する工程が、
    (c’)核酸検出試薬を含む溶液を前記試料保持区画と同一の区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する工程であり、尚且つ
    当該核酸検出試薬を含む溶液は、これを試料保持区画内に供給したときに、検出反応に適した濃度で当該検出試薬を含む、請求項1に記載の核酸検出方法。
  9. 前記工程(b)の後、前記工程(c’)の前に、
    (b-3)前記試料保持区画中にある溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;
    を含む、請求項8に記載の核酸検出方法。
  10. 前記工程(c’)における核酸検出反応生成物を検出する工程が、
    (c’’)当該核酸検出反応生成物の分光学的特性を測定する工程
    である、請求項8に記載の核酸検出方法。
  11. 前記分光学的特性が、蛍光強度、発光強度、発色、又は吸光度に関するものである、請求項10に記載の核酸検出方法。
  12. 前記工程(c’)における核酸検出反応生成物を検出する工程が、
    (c’’’)当該反応産物における核酸量を測定する工程
    である、請求項8に記載の核酸検出方法。
  13. 前記工程(c)が、前記工程(b)の反応において標的核酸の反応産物に導入された標識を検出することである、請求項1に記載の核酸検出方法。
  14. 前記工程(a)における核酸含有試料溶液を供給する工程が、
    当該溶液の滴下、シリンジピストンポンプ方式、又はインクジェット方式による供給操作を行うことである、請求項1に記載の核酸検出方法。
  15. 前記工程(a)において供給される核酸含有試料溶液の量が、0.1〜5μlの範囲内の一定量である、請求項1に記載の核酸検出方法。
  16. 前記工程(a)における核酸含有試料溶液を供給する工程が、前記工程(b)を行う前に、前記一定量の溶液を複数回基板に供給する工程である、請求項15に記載の核酸検出方法。
  17. 前記核酸含有試料溶液が、細胞を含む溶液であり、
    前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
    (a-5)前記試料保持区画に細胞破裂溶液を添加する工程;及び
    (a-6)基板を一の温度又は複数の温度帯に、予め設定した時間保持する工程;
    を含む、請求項1に記載の核酸検出方法。
  18. 前記基板が複数の試料保持区画を有する、請求項1に記載の核酸検出方法。
  19. 前記工程(a)において、2以上の試料保持区画に同一の核酸含有試料溶液を供給する、請求項18に記載の核酸検出方法。
  20. 前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、
    (a-1)適宜、前記試料保持区画中にある前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部を蒸発させる工程;並びに
    (a-2)前記工程(a)及び(a-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程(但し、前記工程(a-1)における蒸発は、第1回目の工程(a)の直後におこなう(a-1)工程、又は工程(a-2)中において行う(a-1)工程の何れかにおいて少なくとも1回行う);
    を含む、請求項18に記載の核酸検出方法。
  21. 前記複数の試料保持区画の少なくとも一つに対して、前記工程(a-2)を、他の試料保持区画において行う工程(a-2)の回数とは異なる回数で行う、請求項20に記載の核酸検出方法。
  22. 前記工程(a-1)の全てにおいて、蒸発させる操作を必ず行い、前記複数の試料保持区画のそれぞれ対して行う工程(a-1)の回数が、一定間隔の自然数の組である、請求項21に記載の核酸検出方法。
  23. (A)標的核酸の有無を解析するための核酸含有試料溶液を、基板上の少なくとも2つの試料保持区画に供給するとともに、標準核酸を既知の量で含む標準核酸含有溶液を、当該核酸含有試料溶液を供給する試料保持区画のある同一基板上の別個の、少なくとも2つの区画に供給する工程;
    (B)下記のサブ工程:
    (B-1)前記区画中にある、前記核酸含有試料溶液の溶媒の少なくとも一部、及び標準核酸含有溶液の溶媒の少なくとも一部をそれぞれ蒸発させる工程;並びに
    (B-2)前記工程(A)及び(B-1)からなる工程を、更に1回又は複数回行う工程;
    を含む、当該溶液中の核酸を濃縮する工程であって、
    核酸含有試料溶液又は標準核酸含有溶液が供給された一連の区画の少なくとも一方について行う工程(B-1)の回数は一定間隔の自然数の組である;
    (C)核酸検出試薬を含む溶液を、前記濃縮工程(B)後のそれぞれの区画内に供給し、それにより生成する核酸検出反応生成物を検出する工程;並びに
    適宜、
    (D)下記のサブ工程:
    (D-1)標準核酸含有溶液について行った前記工程(C)における定量結果を基に、同一区画内に供給した全標準核酸量と、核酸検出反応生成物の定量結果との間の検量線を作成する工程;及び
    (D-2)上記サブ工程(D-1)において作成した検量線に基づき、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸の量を算出する工程;
    を含む、標的核酸定量を行う工程;
    を含む、核酸検出方法。
  24. 前記工程(B)の後、前記工程(C)の前に、
    (B-3)前記区画のそれぞれにおいて、前記核酸含有試料溶液中の標的核酸、及び前記標準核酸含有溶液中の標準核酸のそれぞれを鋳型とした増幅反応を行う工程;
    を含む、請求項23に記載の核酸検出方法。
  25. 前記基板表面が、疎水性領域と親水性領域からなり、当該親水性領域を試料保持区画とした、請求項1乃至24の何れか一項に記載の核酸検出方法。
  26. 前記試料保持区画が、略円形の開口部を有する窪みであり、当該窪みの底部の直径が0.5mm〜6mmである、請求項25に記載の核酸検出方法。
  27. 前記核酸含有試料溶液が血漿である、請求項1乃至24の何れか一項に記載の核酸検出方法。
  28. 前記核酸含有試料溶液中の核酸の濃度が5pg/μl乃至1μg/μlの範囲内にあり、当該試料溶液中の核酸の総量が、0.05ng乃至1μgの範囲内にある、請求項1乃至24の何れか一項に記載の核酸検出方法。
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WO2015111443A1 (ja) * 2014-01-27 2015-07-30 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 核酸分析装置
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WO2018185871A1 (ja) * 2017-04-05 2018-10-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 核酸増幅方法および核酸解析用装置

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