図1は、本発明の第1実施形態である呼吸器20を簡略化して示す斜視図であり、図2は、呼吸器20を示す写真である。図1に示す呼吸器20は、図2に示す呼吸器20とは、細部の構成が異なる個所が存在するが、その差異が軽微であるので、理解を容易にするために、図1と図2とを同様の呼吸器20とする。
本発明の第1実施形態である呼吸器20は、有害ガスの存在する可能性のある場所で作業する場合に装着される。本実施形態では、有害ガスは、一酸化炭素である。呼吸器20は、一酸化炭素が発生する可能性がある環境下で、作業者が呼吸に有害な一酸化炭素を吸引することを防ぐ目的で用いられる。たとえば呼吸器20は、製鉄所および化学工場などにおいて、一酸化炭素を取り扱う設備について有害ガスの洩れを点検する点検作業を行う場合に用いられる。このような点検作業現場では、有害ガス取扱い設備から一酸化炭素が洩れることで、点検作業現場に一酸化炭素が存在する可能性がある。
呼吸器20は、外気を装着者に導く外気導入状態と、ボンベに充填される容器気体を装着者に導く内気導入状態との2通りの気体導入状態を取り得ることができる。また外気導入状態から内気導入状態に導入状態を切換えることができる。本実施形態では、外気と容器気体とを区別せずに説明する場合、呼吸用気体と称する場合がある。
呼吸器20は、主な構成として、面体21と、ボンベ22と、流路形成管23〜25と、調整手段35と、流路切換手段26と、背負具28と、防塵フィルタ29と、CO(一酸化炭素)センサ30と、起動装置31とを含んで構成される。
面体21は、装着者の鼻および口を覆うマスクである。面体21は、装着者の顔面を部分的に覆った状態で、顔面との間に面体内空間を形成するとともに、周縁部が顔面に可及的に密着する形状に形成される。このようにして面体21は、装着者の顔面を覆った状態で、顔面と面体21の周縁部との間から外気が面体内空間に侵入することを防ぐように形成される。たとえば面体21は、人の顔型に合わせて設計されて、弾発性および可撓性を有する材料から成る。また本実施の形態では、面体21は、顔面のうち鼻および口の周囲を覆い鼻から下の面を覆い、鼻から上面については覆わずに形成される。これによって面体21を装着した装着者の視野が狭められることが防がれる。
また面体21は、締め紐32と、逆止弁である呼気弁と、伝声器とが設けられる。締め紐32は、装着者の顔面を部分的に覆った状態の面体21を、頭部に固定する拘束具となる。呼気弁は、面体内の気体の圧力が予め定める第1設定圧力P1を超えると、面体内の気体を排出口から面体外へ排出し、面体内の気体の圧力が第1設定圧力P1以下であると排出口を閉じる。第1設定圧力P1は、装着者が吸気動作を行うことが可能な圧力に設定される。本実施形態では、呼気弁は2つ設けられる。また伝声器は、装着者が面体21を装着した状態で装着者の発した声を明瞭に伝えるためのものであり、面体21が装着者に装着された状態で、装着者の口元に配置されるように、面体21に設けられる。
ボンベ22は、酸素を含む容器気体が大気圧よりも高い圧力で充填される圧力容器である。ボンベ22は、大略的に円筒状に形成される。ボンベ22は、その軸線方向一端部が閉塞し、他端が開口する。本実施形態では、容器気体は、圧縮された空気である。ボンベ22の開口が形成される開口部は、残余の部分に比べて直径が小さく形成される。また開口部には、そく止弁33が接続される。そく止弁33は、ボンベ22の開口を開閉する開閉弁である。本実施形態では、そく止弁33は、ボンベ22内の気体の圧力を報知するための圧力指示計が内蔵される。ボンベ22およびそく止弁33は、背負具28に着脱可能に支持される。本実施形態では、装着者が呼吸器20を装着した状態で、そく止弁33がボンベ22に対して下方に配置されるように、背負具28に支持される。ボンベ22は、1つの呼吸器20に対して1つ設けられる。
また本実施形態では、ボンベ22は、点検作業時に有害ガスの存在が確認された場合に、作業現場から避難を開始して有害ガスの存在しない安全な場所に移動するまで避難時間に呼吸に用いられるであろう容量以上の容器気体が充填される。言い換えると、一酸化炭素を吸引することを回避するのに必要な回避時間に費やすであろう容量の容器気体が充填される。
たとえば避難時間は、3分以上に選択される。またボンベ22に充填される容器気体の基準状態(0℃、1atm)における体積は、48ノルマルリットル以上165ノルマルリットル以下に選択される。容器気体の体積が、48ノルマルリットル未満となると、避難するのに充分な時間の呼吸を行うことができない場合がある。また容器気体の体積が、165ノルマルリットルを超えると、ボンベ22を含む呼吸器20の重量が大きくなり、呼吸器20を装着した状態で長時間の作業性が困難となる場合がある。
本実施形態では、ボンベ22は、内容積が1.1リットルの小形軽量タイプが適用される。またボンベ21の最高充填圧力は、35℃において約14.7MPaであり、最大で基準状態(0℃、1atm)での体積が165ノルマルリットルの空気を圧縮して貯留可能である。この場合、装着者が、外気を吸引せずに、ボンベ22に貯留される容器気体を呼吸に用いた場合には、約3分間の呼吸動作が可能となる。またボンベ22は、薄肉金属にFRPを積層した積層構造に形成される。具体的には、カーボン繊維とエポキシ樹脂とを薄肉アルミニウム合金製ライナーに巻き付けた積層構造に形成される。
本実施の形態では、ボンベ22には、避難時間に費やすであろう容量の容器気体を充填可能であればよく、容器気体を必要以上に充填する必要がないので、ボンベ22の容積および耐圧性を低減することができる。これによって呼吸器20の小形化および軽量化することができる。またボンベ22は、容器気体を貯留可能であればよく、上述した構成に限定されない。たとえば他の実施形態として、ボンベ22は、前記容量よりも多量の容器気体を充填可能であってもよい。
流路形成管23〜25は、面体21を装着した装着者が呼吸に用いるための呼吸用気体を導くための流路を規定する管である。流路形成管23〜25は、共通管23と、外気導入管24と、内気導入管25とを含んで構成される。
共通管23は、面体内空間に気体を導くための管である。共通管23は、一端部23aが面体21に形成される接続口に接続され、他端部23bが流路切換手段26に接続される。本明細書では、管内を流れる気体の方向を気体通過方向とする。この場合、共通管23のうちで、一端部23aは気体通過方向下流端部となり、他端部23bは気体通過方向上流端部となる。共通管23は、面体21に接続される接続部分よりも気体通過方向上流側に、逆止弁が介在する。この逆止弁は、面体21から流路切換手段26に向かって気体が逆流することを防ぐ。
本実施形態では、共通管23は、2つの第1枝管と第2枝管とを有する。第1枝管および第2枝管は、流路切換手段26から面体側に少し離れた位置で分岐し、面体21から切換手段23に少し離れた位置で合流する。第1枝管と第2枝管とは、それらの間を装着者の頭部が挿通可能に形成される。共通管23は、蛇管に形成され、可撓性および弾発性を有する材料から成る。蛇管は、リング状の波山が長手方向に実質上全長にわたって形成される管である。本実施形態では共通管23は、合成樹脂から成る。
外気導入管24は、外気導入口から外気を導くための管である。外気導入管24は、外方に開放される外気導入口が一端部24aに形成され、他端部24bが流路切換手段26に接続される。外気導入管24のうちで、一端部24aは気体通過方向上流端部となり、他端部24bは気体通過方向下流端部となる。外気導入管24の両端部24a,24bは、背負具28に直接または間接的に支持される。本実施形態では、外気導入口が形成される導入口部34には、塵や埃などの粒子状物質が管内に侵入することを防ぐ防塵フィルタ29が着脱自在に取り付けられる。本実施形態では、防塵フィルタ29は、導入口部34に形成されるフィルタボックス59に装着される。導入口部34また外気導入管24は、流路切換手段26に接続される接続部分よりも気体通過方向上流側に、逆止弁が介在する。この逆止弁は、流路切換手段26からフィルタ29に向かって気体が逆流することを防ぐ。
また外気導入管24は、一端部24aから他端部24bまでの間の管路内の空間は、遅延通路となる。遅延通路は、一端部24aに導かれた外気が他端部24bに達するまでの時間を遅らせるために形成される。具体的には、外気導入管内の容積が、装着者の1回の吸気動作で吸気される気体の体積よりも大きくなるように形成される。具体的には、外気導入管24の基準状態における容積は、0.9ノルマルリットル以上に選択される。本実施形態では、外気導入管24の管内の容積は、装着者の2回の吸気動作で吸気される気体の体積とほぼ等しく設定され、約1.8ノルマルリットルに形成される。また外気導入管24は、その内径に比べて長さが充分大きく形成される。本実施形態では、外気導入管24の内径は、平均34mmに形成され、外気導入管24の長さは、2000mmに形成される。
外気導入管24は、管路容積が比較的大きくなるように形成される。具体的には、共通管23と同様に蛇管に形成され、可撓性および弾発性を有する材料から成る。また外気導入管24は、一端部24aから他端部24bに進むにつれて、1回以上折り返して延びて配置されて背負具28に支持される。たとえば外気導入管24は、図1に示すようにU字状に曲げられて配置されてもよい。外気導入管24は、ボンベ22の近傍を複数回折り返して延びるように、ベルトまたは紐などの固定部材によって、背負具28に固定される。これによって外気導入管24が長い場合でも、外気導入管24が装着者の作業を阻害することを防ぐことができる。
また図2に示すように、外気導入管24は、上端部分から下方に延びる第1部分と、第1部分の下端部分に連なって第1部分の下端部分からU字状に折れ曲がり上方に延びる第2部分と、第2部分の上端部分に連なって第2部分の上端部分からU字状に折れ曲がり下方に延びる第3部分と、第3部分の下端部分に連なって第3部分の下端部分からU字状に折れ曲がり上方に延びる第4部分とを含んでもよい。この場合、第1部分の上端部分が、外気導入管24の一端部24aとなり、第4部分の上端部分が、外気導入管24の他端部24bとなる。このように上下方向に複数回折り返して延びるよう配置されてもよい。外気導入管24は、蛇管に形成されるとともに、1または複数回折り返されることによって、管路容積を大きくすることができ、外気が一端部24aから他端部24bに達するまでの時間を遅らせることができる。
内気導入管25は、ボンベ22に充填される容器気体を導くための管である。内気導入管25は、一端部25aがボンベ22に設けられるそく止弁33に接続され、他端部25bが流路切換手段26に接続される。内気導入管25のうちで、一端部25aは気体通過方向上流端部となり、他端部25bは気体通過方向下流端部となる。内気導入管25の両端部25a,25bは、背負具28に直接または間接的に支持される。内気導入管25は、高圧の容器気体を導くことが可能に形成される。本実施形態では、内気導入管25は、後述する減圧弁36によって減圧された容器気体を導くことができるように構成される。たとえば内気導入管25は、NBR(ブタジエンアクリロニトリル共重合体)系合成ゴムから成る。流路形成管23〜25は、弁を含んで流路が形成される流路形成管としてもよい。
調整手段35は、内気導入管25に介在し、内気導入管25を流下する容器気体の圧力を調整する。調整手段35は、内気導入管25の他端部25aから流路切換手段26に流れ出た容器気体の圧力が、呼吸に適した圧力となるように減圧調整する。具体的には、調整手段35は、そく止弁35を介してボンベ22から流れ出た容器気体を、大気圧近くに減圧する。したがって調整手段35を介して流路切換手段26に流れ出た容器気体の圧力は、ほぼ大気圧近くに減圧される。本実施形態では、調整手段35は、容器気体の圧力を大気圧よりも少し高い圧力である陽圧に調整する。
調整手段35は、減圧弁36と、デマンド弁37とを含んで構成される。減圧弁36は、内気導入管25のうちで、そく止弁33寄りに介在する。本実施形態では減圧弁36は、そく止弁33と直結される。
減圧弁36は、圧力制御弁であって、そく止弁33を介してボンベ22から流出した容器気体の圧力を予め定める第2設定圧力P2に減圧する。第2設定圧力P2は、第1設定圧力P1よりも大きい(P2>P1)。本実施形態では、第2設定圧力は、0.6MPaに設定される。減圧弁36は、内気導入管25に形成される内気通路のうちで、減圧弁36が介在される領域に形成される減圧弁介在領域の開度を調整可能に構成されている。減圧弁36は、内気導入管25のうちで、減圧弁36よりも気体通過方向下流側の容器気体の圧力である減圧弁2次圧力に基づいて、内気通路の減圧弁介在領域の開度を調整する。具体的には、減圧弁2次圧力が、前記第2設定圧力P2未満になると、内気通路の減圧弁介在領域を開き、前記第2設定圧力P2以上になると内気通路の減圧弁介在領域を閉じる。減圧弁36は、そく止弁33を介してボンベ22から流出した容器気体の圧力が、予め定める第3設定圧力P3に達すると、警報音を発生する。本実施形態では、第3設定圧力は、3MPaに設定される。
デマンド弁37は、装着者の吸気動作に応じて装着者に容器気体を導くための肺力弁となる。デマンド弁37は、内気導入管25のうちで、減圧弁36よりも気体通過方向下流側に介在する。デマンド弁37は、内気導入管25に形成される内気通路のうちで、デマンド弁37が介在される領域に形成されるデマンド弁介在領域の開度を調整可能に構成されている。デマンド弁37は、内気導入管25のうちで、デマンド弁37よりも気体通過方向下流側の容器気体の圧力であるデマンド弁2次圧力に基づいて、内気通路のデマンド弁介在領域の開度を調整する。具体的には、デマンド弁2次圧力が、前記第1設定圧力P1未満になると、内気通路のデマンド弁介在領域を開く。またデマンド弁2次圧力が、前記第1設定圧力P1以上になると内気通路のデマンド弁介在領域を閉じる。たとえば第1設定圧力P1は、大気圧よりも高い圧力に設定される。
流路切換手段26は、共通管23に気体を導く流路を切換える。具体的には、外気導入管24を通過する気体を共通管23に導く外気導入状態から、内気導入管25を通過する気体を共通管23に導く内気導入状態に流路を切換える手段である。本実施形態では、流路切換手段26は、外気導入状態と内気導入状態とのうち、いずれか一方からいずれか他方に、相互に流路を切換可能に構成される。流路切換手段26は、切換部材の位置を切換えることによって、外気導入状態から内気導入状態に切換える。
本実施形態では、流路切換手段26は、切換弁38と電磁開閉弁39とを含んで構成される。切換弁38は、切換部材の位置を外気導入位置と内気導入位置とのいずれかに相互に切換える。電磁開閉弁39は、切換部材の位置を切換えるのに必要な力を、切換弁38に与えるための手段であって電磁弁によって実現される。
またCOセンサ30は、有害ガスの1つである一酸化炭素を検知するセンサである。COセンサ30は、ガス検知器によって実現することができる。COセンサ30は、一酸化炭素の濃度が予め定めるしきい値を超えると、一酸化炭素が存在することを判断して、一酸化炭素が存在することを示す有害ガス存在信号を電気信号として、起動装置31に与える。本実施形態では、一酸化炭素が50ppmを超えると、一酸化炭素が存在することを検知する。またCOセンサ30は、一酸化炭素が存在することを判断すると、一酸化炭素の存在を報知、たとえば警告音を発する。
起動装置31は、有害ガス存在信号に応答して、電磁開閉弁39に駆動力を与える駆動手段となる。起動装置31は、COセンサ30から与えられる有害ガス存在信号に応答して、駆動電流を電磁開閉弁39に与える増幅器である。電磁開閉弁39は、起動装置31から駆動電流が与えられると可動鉄心を移動させて、切換部材の位置を外気導入位置から内気導入位置に切換える力を切換弁38に与える。
呼吸器20は、面体21が装着された初期状態では、切換部材位置が外気導入位置に切換えられて外気を面体内に導く。次に、COセンサ30によって一酸化炭素の存在を検知すると、切換部材位置が内気導入位置となり、外気が面体内に侵入することを阻止して、ボンベ22内の圧縮された容器気体を呼吸に適した圧力に調整して面体内に導く。
背負具28は、ボンベ22、外気導入管24、内気導入管25および流路切換手段26を支持する支持体である。背負具28は、呼吸器装着者が背中に背負うことが可能となるように構成される。背負具28が装着者に背負われた状態では、ボンベ22が装着者の背骨の近傍に位置するように、背負具28とボンベ22とが位置合わせされる。
図3は、呼吸器20の主要な構成を簡略化して示す図である。切換弁38は、共通管23の他端部23bと、外気導入管24の他端部24aと、内気導入管25の他端部25aとが接続される。
切換弁38は、3ポート2位置切換弁である。切換弁38は、2つの入力ポート45,46と1つの出力ポート47とが形成される。具体的には、外気導入管23から外気が導かれる第1入力ポート45と、内気導入管24から容器気体が導かれる第2入力ポート46と、外気および容器気体のいずれかを呼吸用容器として共通管23に排出する出力ポート47とが形成される。
切換弁38は、少なくとも外気導入位置から内気導入位置に、切換部材の位置を切換可能に構成される。本実施形態では切換弁38は、切換部材44を外気導入位置と内気導入位置との2位置のうちいずれかに相互に切換可能である。本実施形態では電磁開閉弁39によって、切換部材44の位置を切換えるのに必要な力を、切換弁38に与えることができる。また装着者などによっても、切換部材4の位置を切換えるのに必要な力を、切換弁38に与えることができる。
切換部材44が外気導入位置に位置合わせされると、切換部材44は、第1入力ポート45と出力ポート47とを連通させ、第2入力ポート46と出力ポート47との連通を阻止する。言い換えると、外気導入管24の他端部24bと共通管23の他端部23bとを連通させるとともに、内気導入管25の他端部25bと共通管23の他端部23bとの連通を阻止する。
また切換部材44が内気導入位置に位置合わせされると、切換部材44は、第2入力ポート46と出力ポート47とを連通させ、第1入力ポート45と出力ポート47との連通を阻止する。言い換えると、切換部材44は、内気導入管25の他端部25bと共通管23の他端部23bとを連通させるとともに、外気導入管24の他端部24bと共通管23の他端部23bとの連通を阻止する。
呼吸器20は、装着者によって背負われる背負構成部分と、装着者の頭部に装着される装着構成部分と、背負構成部分と装着構成部分とを連結する連結構成部分とを有する。背負構成部分は、背負具28に直接的または間接的に固定される部分である。具体的には背負構成部分は、図3の2点鎖線で囲まれる構成であって、ボンベ22、そく止弁33、減圧弁36、デマンド弁37、内気導入管25、外気導入管24、防塵フィルタ29、COセンサ30、起動装置31、電磁開閉弁39および切換弁38を含む。また装着構成部分は、面体21および呼気弁40を含む。また連結構成部分は、共通管23であって、一端部23aが装着部分に固定され、他端部23bが背負構成部分に固定される。連結構成部分となる共通管23が可撓性を有することで、呼吸器20の装着を容易にすることができる。
図4は、呼吸器20の主要な構成を示すブロック図である。図4には、気体流路を実線で示し、電気信号および電力の伝達経路を一点鎖線で示す。上述したように本実施形態では、面体内に空気が導かれるまでの流路は、外気を導く第1流路と、容器気体を導く2流路との2系統の流路を有する。これら2つの流路は、流路切換手段26によっていずれか一方に選択的に切換えられる。
切換部材44が外気導入位置に位置合わせされることで、外気を導く第1流路に切換えられる。この状態で、装着者が吸気動作を行うと、外気はフィルタ29を通過して外気導入口41から外気導入管24に導かれる。フィルタ29を通過することで、外気導入管24内に進入した外気は、塵や埃などの粒子状物質がろ過される。外気導入管24に進入した外気は、外気導入管24に形成される遅延通路42を通過して、切換弁38の第1入力ポート45に達する。切換部材44が外気導入位置に位置合わせされることで、外気は、切換弁38の第1入力ポート45から出力ポート47を通過して、共通管23を介して面体内に導かれ、装着者に吸引される。
本実施形態では、外気は、外気導入管24の遅延経路を通過することで、外気導入管24が短い場合に比べて、外気導入口41から進入した外気が切換弁38に達するまでの時間が遅れる。また第2入力ポート46と出力ポート47との連通が阻止されることによって、装着者の吸気動作にかかわらず、内気導入管25を介して容器気体が共通管23に侵入することが防がれる。
切換部材44が内気導入位置に位置合わせされることで、容器気体を導く第2流路に切換えられる。第2流路に切換えられた状態で、装着者が吸気動作を行うと、デマンド弁2次圧力が低下する。デマンド弁2次圧力が前記第1設定圧力P1未満となると、デマンド弁37は、内気通路のデマンド弁介在領域を開き、デマンド弁37よりも気体通過方向上流側の容器気体を、デマンド弁37よりも気体通過方向下流側に導く。このようにデマンド弁37は、デマンド弁2次圧力が第1設定圧力P1未満となると、容器気体を気体通過方向下流に流すことで、デマンド弁2次圧力を第1設定圧力P1に維持する。したがってデマンド弁37は、装着者の吸気動作のたびに、内気通路のデマンド弁介在領域を開く。
また装着者の吸気動作によって、デマンド弁37よりも気体通過方向上流側の容器気体の圧力であるデマンド弁1次圧力が低下すると、減圧弁2次圧力もまた低下する。減圧弁2次圧力が前記第2設定圧力P2未満となると、減圧弁36は、内気通路の減圧弁介在領域を開き、減圧弁36よりも気体通過方向上流側の容器気体を、減圧弁36よりも気体通過方向下流側に導く。このように減圧弁36は、減圧弁2次圧力が第2設定圧力P2未満となると、容器気体を気体通過方向下流に流すことで、減圧弁2次圧力を第2設定圧力P2に維持する。
またデマンド弁37を通過した容器気体は、内気導入管25を通過して、切換弁38の第2入力ポート46に達する。切換部材44が内気導入位置に位置合わせされることで、容器気体は、切換弁38の第2入力ポート46から出力ポート47を通過して、共通管23を介して面体内に導かれ、装着者に吸引される。この場合、第1入力ポート45と出力ポート47との連通が阻止されることによって、装着者の吸気動作にかかわらず、外気導入管24を介して外気が共通管23に侵入することが防がれる。
また本実施の形態では、デマンド弁37が用いられる圧縮空気放出肺力式が採用されることで、装着者の吸気動作に応じた容器気体を面体に供給することができ、給気動作にかかわらずに容器気体を供給する圧縮空気定量放出式が採用される場合に比べて、内気導入状態における呼吸可能な期間を長持ちさせることができる。
また装着者が呼気動作を行うと、面体内の圧力が高くなる。面体内の圧力が前記第1設定圧力P1を超えると、呼気弁によって面体内の気体が排出口を介して面体外へ排出され、面体内の気体の圧力が第1設定圧力P1以下に戻ると排出口を閉じる。このような呼気動作における呼気弁40の動作は、切換部材44が外気導入位置および内気導入位置のいずれに位置合わせされていても同様の動作を行う。
また外気導入管24の外気導入口41が形成される外気導入口形成部には、逆止弁48が設けられる。逆止弁48は、外気導入管24内の気体が外気導入口41から流出することを防ぐ。これによって切換弁38にリークが生じていたとしても、容器気体が外気導入管24を介して外方に放出することを防ぐことができる。また共通管23に介在する逆止弁49によって、面体21から切換弁38に向かって外気が逆流することを防止することができる。
図5は、一部を省略して呼吸器20を示す正面図であり、図6は、一部を省略して呼吸器20を示す側面図である。図5では、電気信号および電力の伝達経路を一点鎖線で示し、流路を省略した部分を破線で示す。またまた図6では、外気導入管24のうち省略した部分の軸線を破線で示す。
COセンサ30と、防塵フィルタ29とは、近接した位置に配置される。本実施形態では、COセンサ30と防塵フィルタ29は、背負具28が背負われたときに、上下方向位置が大略的に等しくなり、水平方向に隣接するように配置される。また外気導入管24の両端部24a,24bが隣接して配置され、背負具28が背負われたときに、切換弁38と同じ上下方向位置に配置される。また切換弁38とデマンド弁37とが直結され、そく止弁33と減圧弁36とが直結される。背負具28が背負われたときに、切換弁38が呼吸器20のうちで上方側に位置するように配置される。また呼吸器20は、呼吸器20が装着されたときに、ボンベ22の軸線が鉛直に延びるように配置されるとともに、ボンベ22の軸線に対してほぼ線対称となるように形成される。
図7は、背負具28を示す正面図であり、図8は、背負具28を示す側面図である。背負具28は、板状に形成される背負板18と、背負板18に設けられる一対の脇ベルト19と、そく止弁33を固定するための固定紐17と、ボンベ22を支持するため落下防止棒16と、ボンベ22を固定するボンベ固定ベルトと、枠体27とを含んで構成される。
背負板18は、厚み方向に垂直な形状が略台形状に形成され、ボンベ22および切換弁38などの、背負構成部分を支持可能な剛性を有する。背負具28は、ボンベ22が装着可能に形成され、装着したボンベ22の軸線に対して、大略的に線対称に形成される。一対の脇ベルト19は、ボンベ22の軸線に対して、背負板18の両側にそれぞれ設けられる。各脇ベルト19は、一端部19aが背負板18の上底部分に連結され、他端部19bが下底部分に連結される。脇ベルト19は、可撓性を有し、脇ベルト19と背負板18との間に腕を通すことが可能な長さに形成される。装着者は、両腕をそれぞれの脇ベルト19に挿入することで、背負板18を背負うことができる。
落下防止棒16は、2つの棒状部材であって、背負板18に対してボンベ22が配置される方向である厚み方向一方に背負板18から突出する。2つの棒状部材のボンベ軸線に垂直な方向の間隔は、ボンベ22の開口部分の直径よりも大きく形成され、開口部分以外の胴部の直径よりも小さく形成される。ボンベ22の開口部分を2つの棒状部材の間に挟み込むことで、装着時にボンベ22を落下防止棒16で支持することができる。またボンベ固定ベルトは、ボンベ22の胴部を固定するベルトであって、たとえばマジックテープ(登録商標)などのメカニカルファスナーによって実現される。ボンベ固定ベルトは、ボンベ22の胴部と背負板18とを着脱可能に固定する。
また固定紐17は、そく止弁33を背負板18に固定する。枠体27は、枠状部材であって、装着状態において、そく止弁33および減圧弁36の近傍で、そく止弁33および減圧弁36よりも下方の領域および背中と反対側を延びる保護部分27aを有する。これによってそく止弁33および減圧弁36が障害物に接触する前に、障害物は保護部分27aに接触することになり、そく止弁33および減圧弁36を保護することができる。また本実施形態では、背負板18は、流路切換手段26を固定する固定部16が形成される。本実施形態では、切換弁38、電磁開閉弁39、デマンド弁37、COセンサ30および防塵フィルタ29は、一体に形成され、このような複合構造体が背負板18に固定される。切換弁38は、背負具28が背負われた状態で、背負具28のうちで上方側に位置するように配置され、共通管23の長さを短くすることができる。また切換弁38に固定されるCOセンサ30を背負具28のうちで上方に配置することができるので、COセンサ30の発した警告音を装着者が把握しやすくすることができる。
図9は、電磁開閉弁39と切換弁38とを説明するために呼吸器20の一部を示すブロック図である。呼吸器20は、内気導入管25の接続部分51から分岐して容器気体を導く切換用導管50をさらに含む。切換用導管50は、パイロット圧流体となる容器気体を切換弁38に与えるためのパイロット圧伝達管となる。内気導入管25の接続部分51は、減圧弁36よりも気体通過方向下流側であって、デマンド弁37よりも気体通過方向上流側に形成される。切換用導管50の一端部50aは、内気導入管25の接続部分51に接続され、切換用導管50の他端部50bは、切換弁38に接続される。切換用導管50のうちで、一端部50aは気体通過方向上流端部となり、他端部50bは気体通過方向下流端部となる。
電磁開閉弁39は、切換用導管50に介在する。電磁開閉弁39は、切換用導管50に形成される切換用通路のうちで、電磁開閉弁39が介在される領域に形成される電磁弁介在領域の開度を調整可能に構成されている。電磁開閉弁39は、起動装置21から駆動電流が与えられると、電磁力によって移動片となる可動鉄心をばね力に抗して移動させて、切換用通路の電磁弁介在領域を開く。また電磁開閉弁39は、起動装置21からの駆動電流供給が停止されると、ばね力による復元力によって可動鉄心を移動させて、切換用通路の電磁弁介在領域を閉じる。
本実施形態では、切換弁38は、パイロット圧によって駆動するスプリング式3ポート2位置切換切換弁である。2つの入力ポート45,46と1つの出力ポート47とのほかに、パイロットポート52が形成される。パイロットポート52には、上述した切換用導管50の他端部50bから容器気体が導かれる。電磁開閉弁39が切換用通路の電磁弁介在領域を開くと、容器気体が電磁開閉弁39を通過して切換弁38のパイロットポート52に導かれる。これによってパイロットポート52の容器気体の圧力は、減圧弁36によって一定に維持された第2設定圧P2となる。この場合、パイロットポート52の容器気体の圧力によって切換部材44がばね力に抗して移動し、切換部材44の位置が外気導入位置から内気導入位置に切換わる。
また電磁開閉弁39が切換用通路の電磁弁介在領域を閉じると、容器気体が電磁開閉弁39を通過することが阻止される。パイロットポート52内の容器気体は、切換弁38に形成される小径の抜け穴から洩出ることで、パイロットポート52の容器気体の圧力が低下する。そしてばね力よりも、パイロットポート52内の容器気体の圧力が小さくなると、ばね力による復元力によって切換部材44が移動して、切換部材44の位置が内気導入位置から外気導入位置に切換わる。
図10は、切換部材44が外気導入位置に位置する状態の切換弁38を示す断面図であり、図11は、切換部材44が内気導入位置に位置する状態の切換弁38を示す断面図である。図10および図11は、理解を容易にするために、実際とは異なる位置に第2入力ポート46を図示している。
切換弁38は、内部空間が形成されるケーシング53と、ケーシング53内に配置される切換部材44と、ばね部材54とを含んで構成される。ケーシング53は、各流路形成管23〜25,50が接続される第1〜第4接続部55,56,57,58が形成される。
第1接続部55は、外気導入管24の他端部24bが接続される。第1接続部55は、外気導入管24内の気体をケーシング53内に導くための第1入力ポート45が形成される。第2接続部56は、内気導入管25の他端部25bが接続される。第2接続部56は、内気導入管25内の気体をケーシング53内に導くため第2入力ポート46が形成される。第3接続部57は、共通管23の他端部23bが接続される。第3接続部57は、ケーシング53内の気体を共通管23内に導くための出力ポート47が形成される。第4接続部58は、切換用管50の他端部50bが接続される。第4接続部58は、切換用管50内の気体をケーシング53内に導くためパイロットポート52が形成される。
ケーシング53は、1つの部材によって形成されてもよいが、本実施形態では、複数の構成部材が組合わされて構成される。この場合、ケーシング53内から各構成部材の隙間を通過して気体が外方に洩れることを防ぐために、構成部材の隙間を塞ぐためのシール部材73,74が設けられる。
ケーシング53は、予め定められる基準軸線Lが設定される。切換部材44は、ケーシング5内に配置され、ケーシング内で基準軸線Lに移動可能に形成される。切換部材44は、ロッド部分60と、弁体部分61と、ピストン部分62とを含んで構成される。ロッド部分60は、円柱棒状に形成されてケーシング53に支持される。ロッド部分60は、基準軸線Lと同軸に延びる。以下、基準軸線Lに平行な方向のうち、一方を軸線方向一方X1と称し、軸線方向一方A1とは向きが反対の方向を軸線方向他方X2と称する。
弁体部分61は、ロッド部分60の軸線方向一方X1側端部60aに連なり、ロッド部分60よりも基準軸線Lに垂直な断面形状が大きく形成される。本実施形態では、弁体部分61は、ロッド部分60よりも厚み方向寸法が短くかつ半径寸法の大きい短円柱状に形成され、ロッド部分60と同軸に形成される。
ピストン部分62は、ロッド部分60の軸線方向他方X2側端部60bに連なり、ロッド部分60よりも基準軸線Lに垂直な断面形状が大きく形成される。本実施形態では、ピストン部分62は、ロッド部分60よりも厚み方向寸法が短くかつ半径寸法の大きい短円柱状に形成され、ロッド部分60と同軸に形成される。
ケーシング53は、第1入力ポート45に連なる外気室63と、第2入力ポート46に連なる内気室64と、出力ポート57に連なる排出室65とが形成される。またケーシング53は、外気室63と、内気室64と、排出室65とに連なる切換室66が形成される。外気室63と排出室65とは、切換室66を介して連なる。同様に内気室64と排出室65とは、切換室66を介して連なる。外気室63と排出室65とは直接連なることが阻止される。同様に、内気室63と排出室65とは直接連なることが阻止される。
具体的には、内気室64は、基準軸線Lに同軸な円柱状の空間に形成される。切換室66は、内気室64よりも軸線方向一方X1に隣接して、基準軸線Lに同軸な円柱状の空間に形成される。また外気室64は、切換室66よりも軸線方向一方X1に隣接して、基準軸線Lに同軸な円柱状の空間に形成される。このように内気室64から軸線方向一方X1に、切換室66および外気室63の順で並ぶ。また排出室65は、切換室66に対して基準軸線Lに垂直な方向に隣接する。内気室64および外気室63は、切換室66に比べて小径に形成される。
さらに具体的には、ケーシング53のうちで、外気室63と切換室66とが連なる領域を形成する第1境界部67は、切換室66から外気室63に軸線方向一方X1に進むと、基準軸線Lの周方向一周にわたって半径方向に縮径する第1段差部分69が形成される。またケーシング53のうちで、内気室64と切換室66とが連なる領域を形成する第2境界部68は、切換室66から内気室64に軸線方向他方X2に進むと、基準軸線Lの周方向一周にわたって半径方向に縮径する第2段差部分70が形成される。各段差部分69,70は、弁体部分61に対する弁座を構成する。
切換部材44の弁体部分61は、切換室66に配置される。弁体部分61は、切換室66の直径とほぼ同様の直径を有し、外気室63および内気室64の直径よりも大きく形成される。またロッド部材60は、切換室66の直径よりも小さく形成される。切換部材44は、切換室66の軸線方向X寸法分の距離を移動可能に形成される。言い換えると、切換部材44は、弁体部分61が第1段差部分69に当接する位置と、第2段差部分70に当接する位置とに移動可能に構成される。
図10に示すように、切換部材44が軸線方向他方X2に移動して、弁体部分61の軸線方向他方X2側の周縁部が第2段差部分70に当接すると、第2境界部68に形成される開口を塞ぎ、内気室64と切換室66との連通が阻止される。このとき、弁体部分61の軸線方向一方X1側の周縁部が第1段差部分69から離間して、第1境界部67に形成される開口を開放し、外気室63と切換室66とが連通して、切換室66を介して外気室63と排出室65とが連なる。したがって切換部材44が外気導入位置に位置することになる。
また図11に示すように、切換部材44が軸線方向一方X1に移動して、弁体部分61の軸線方向一方X1側の周縁部が第1段差部分69に当接すると、第1境界部67に形成される開口を塞ぎ、外気室63と切換室66との連通が阻止される。このとき、弁体部分61の軸線方向他方X2側の周縁部が第2段差部分70から離間して、第2境界部68に形成される開口を開放し、内気室64と切換室66とが連通して、切換室66を介して内気室64と排出室65とが連なる。したがって切換部材44が内気導入位置に位置することになる。
弁体部分61には、弁体部分61の周縁部と第1段差部分69とが当接した状態で、弁体部分61と第1段差部分69との隙間を塞ぐシール部材72が設けられる。これによって切換部材44が外気導入位置に位置合わせされた状態で、容器気体が共通管23および外気導入管24に洩れることを防ぐことができる。同様に、弁体部分61の周縁部と第2段差部分70とが当接した状態で、弁体部分61と第2段差部分70との隙間を塞ぐシール部材71が設けられる。これによって切換部材44が内気導入位置に位置合わせされた状態で、外気が共通管23に洩れることを防ぐことができる。また本実施の形態では、外気導入位置に位置する場合に、弁体部分61は、切換室66の外気の圧力を受ける受圧面積が、内気室64の容器気体の圧力を受ける受圧面積よりも大きく形成される。
ケーシング53は、パイロットポート52に連なる圧力室75が形成される。圧力室75には、基準軸線Lに同軸な円柱状の空間に形成される。圧力室75は、内気室64よりも軸線方向他方X2に形成され、圧力室75と内気室64とは仕切壁76によって仕切られている。切換部材44のピストン部分62は、圧力室75を形成する圧力室形成部78の内周面79に対して摺動可能に形成される。またピストン部分62にはシール部材77が設けられる。このシール部材77は、ピストン部分62と圧力室形成部78の内周面79との間の隙間を塞ぐ。またパイロットポート52を規定するパイロットポート形成部80は、ピストン部分62よりも軸線方向他方X2に形成される。したがってピストン部分62は、パイロットポート52よりも軸線方向一方X1に配置される。本実施形態では、切換部材44が外気導入位置に位置する場合には、ピストン部分62によって圧力室75が仕切られた2つの空間のうち、軸線方向他方X2の空間であってパイロットポート52から容器気体が流入する空間の容積が小さく形成される。言い換えると、外気導入位置では、圧力室75を形成する圧力室形成部78のピストン部分62に対向する内面と、ピストン部分62の軸線方向他方X2の端面との間の隙間が僅かとなるように形成される。
また圧力室75には、ばね部材54が配置される。ばね部材54は、仕切壁76とピストン部分62との間に配置される。本実施形態では、ばね部材54は、圧縮コイルばねによって実現され、ロッド部分60の外周をと同軸に配置されてロッド部分60に遊嵌する。ばね部材54は、一端部が仕切壁76に当接し、他端部がピストン部分62に当接する。ばね部材54は、ピストン部分62を軸線方向他方X2に向けて付勢するばね力をピストン部分62に与える。また仕切壁76には、圧力室75と内気室64とを連通する連通孔81が形成される。またピストン部分62には、軸線方向Xに貫通する小径の貫通孔82が形成される。圧力室75と内気室64とで圧力差が生ずる場合、圧力室75の気体は、前記貫通孔82および連通孔81を介して、少しずつ徐々に内気室64に洩れる。
切換部材44が外気導入位置に配置される状態で、圧力室75および内気室64の気体の圧力が第1設定圧力P1であり、切換室66の気体の圧力が大気圧である場合、切換室75と内気室64とで圧力差によって切換部材44に与えられる軸線方向一方X1の力が、ばね力Fによって切換部材44に与えられる軸線方向他方X2の力よりも小さくなるように、ばね部材54のばね力が設定される。これによって内気室64の圧力が陽圧となったとしても、パイロット圧を与えない限り、切換部材44が内気導入位置となることを防ぐことができる。
具体的には、ばね部材54がピストン部分62に与えるばね力をFとする。また内気室64および圧力室75の気体が第1設定圧力P1である場合に、その圧力を受けて切換部材44が軸線方向一方X1に向かう力をFaP1とする。また切換室66の気体が大気圧P0である場合に、その圧力を受けて切換部材44が軸線方向他方X2に向かう力をFaP0とする。この場合、ばね部材54のばね力Fは、(FaP1−FaP0)<Fに設定される。ここで圧力を受けて切換部材44が軸線方向に移動する力は、圧力Pと、その圧力を受ける切換部材44の受圧面積Aの積(P・A)によって表わされる。また本実施の形態では、外気導入位置に位置する場合に、弁体部分61は、切換室66の外気の圧力を受ける受圧面積が、内気室64の容器気体の圧力を受ける受圧面積よりも大きく形成される。これによって容器気体の圧力が陽圧であっても、ばね部材54のばね力を小さくすることができる。
切換部材44が外気導入位置に配置される状態で、圧力室75の気体の圧力が第2設定圧力P2であり、内気室64の気体の圧力が第1設定圧力P1であり、切換室66の気体の圧力が大気圧である場合、圧力室75と切換室75と内気室64とで圧力差によって切換部材44に与えられる軸線方向一方X1の力が、ばね力Fによって切換部材44に与えられる軸線方向他方X2の力よりも大きくなるように、ばね部材54のばね力が設定される。これによってパイロット圧を与えることで、切換部材44の位置を外気導入位置から内気導入位置とすることができる。
具体的には、ばね部材54がピストン部分62に与えるばね力をFとする。また内気室64の気体が第1設定圧力P1である場合に、その圧力を受けて切換部材44が軸線方向一方X1に向かう力をFbP1とする。また圧力室75の気体が第2設定圧力P2である場合に、その圧力を受けて切換部材44が軸線方向一方X1に向かう力をFbP2とする。また切換室66の気体が大気圧P0である場合に、その圧力を受けて切換部材44が軸線方向他方X2に向かう力をFbP0とする。この場合、ばね部材54のばね力Fは、(FbP1+FbP2−FP2)>Fに設定される。ここで圧力を受けて切換部材44が軸線方向に移動する力は、圧力Pと対応する方向の受圧面積Aの積(P・A)によって表わされる。上式における符号は、便宜上設定したものであり、切換部材44の形状、具体的には受圧面積によっては、FbP2は負の値となることもある。また本実施の形態では、外気導入位置では、圧力室75を形成する圧力室形成部78のピストン部分62に対向する内面と、ピストン部分62の軸線方向他方X2の端面との間の隙間が僅かとなるように形成される。これによって圧力室75に流入する容器気体の体積が少なくとも切換部材44を軸線方向一方に移動させることができ、切換に費やす時間を短縮させることができる。
図12は、切換弁38を示す他の断面図である。図12に示すように本実施形態では、デマンド弁37と切換弁38とが直結されており、デマンド弁37から容器気体が、内気空間64に導かれる。図10および図11では、理解を容易にするために実際とは異なる位置に第2接続部56および第2入力ポート46を記載したが、実際には図12に示すように、第2接続部56は、基準軸線Lに垂直に延びるとともに、第1接続部55および第3接続部57が延びる方向に対して、垂直に延びる。また呼吸器20が、装着された状態で、第1接続部55および第3接続部57は略鉛直方向に延び、第2接続部56および第4接続部57は略水平方向に延びる。また第2接続部56および第4接続部57は、互いに垂直に延びる。
図13は、電磁開閉弁39を示す分解斜視図である。電磁開閉弁39は、空気用直動形2ポート2位置の開閉弁である。電磁開閉弁39は、ソレノイドコイル83と、ばね部材84と、可動鉄心85と、Oリング86と、基部87とを含んで構成される。可動鉄心85は、円柱状に形成される。ソレノイドコイル83は、可動鉄心85の軸線を周方向に複数回、巻回したコイルを有する。ばね部材84は、基部87に向けて押付けるばね力を可動鉄心85に与える。可動鉄心85は、ばね部材84によって軸線方向に押圧されることで、基部87に形成される挿通孔93を塞ぐ。また可動鉄心85にOリング86が形成されることで、可動鉄心85と挿通孔93を形成する挿通孔形成部との間のシールを実現することができる。
電磁開閉弁39として組立てられた状態で、ソレノイドコイル83に駆動電流が流されることによって、ばね力が与えられる方向とは反対方向に電磁力が発生する。これによって、可動鉄心85をばね部材84のばね力に抗して初期位置に対して変位させることができる。またソレノイドコイル83に流す駆動電流を停止することによって、電磁力が消滅し、可動鉄心85は、ばね部材84のばね力によって初期位置に復元する。
基部87には、入力ポート91と出力ポート92とが形成され、入力ポート91と出力ポート92とを連通する挿通孔93が形成される。この挿通孔93は、切換用導管50に形成される電磁弁介在領域となる。可動鉄心85が初期位置に位置することによって、電磁弁介在領域を塞ぐ。これによって入力ポート91と出力ポート92とが可動鉄心85によって仕切られて、電磁開閉弁39に対して気体通過方向下流側に気体が流れることを防ぐ。またソレノイドコイル85から与えられる電磁力によって可動鉄心85が初期位置から変位することで、可動鉄心85が電磁弁介在領域を開く。これによって入力ポート91から出力ポート92までの通路が形成されて、電磁開閉弁39に対して気体通過方向下流側に気体が流れることを許容する。また本実施形態では、電磁開閉弁39は、電磁弁介在領域を開いたことを示す電気信号を起動装置31に与える。
図14は、駆動電流を流してから切換部材44の位置が変化するまでの時間変化を示すタイミングチャートである。図14(1)は、起動装置31が電磁開閉弁39に与える駆動電流の時間変化を示す。図14(2)は、電磁開閉弁39の開閉動作の時間変化を示す。図14(3)は、圧力室75と内気室64との圧力差の時間変化を示す。図14(4)は、切換部材44の位置の時間変化を示す。
初期状態となる初期時刻T0では、起動装置31によって電磁開閉弁39を駆動させるための駆動電流が供給されていない状態である。このとき、可動鉄心85は、ばね部材84によって力を受けて、切換用通路のうちで電磁弁介在領域を閉じる。このとき、圧力室75に容器気体が流れることが阻止されて、圧力室75の気体の圧力は、内気室64の気体の圧力と等しくなる。また切換部材44は、ばね部材54によって力を受けて、外気導入位置に位置する。初期状態では、図10に示すように装着者が吸引動作をすると外気が面体内の空間に導かれる。
初期状態から第1時刻T1に、起動装置31に指令を与えて電磁開閉弁39を駆動させるための駆動電流を電磁開閉弁39に与える。起動装置31から駆動電流が与えられた電磁開閉弁39は、ソレノイドコイル83に電流を流して電磁力を発生させ、可動鉄心85を初期位置から変位させる。可動鉄心85が初期位置から変位することで、可動鉄心85は、切換用通路のうちで電磁弁介在領域を開く。
切換用通路のうちで電磁弁介在領域を開くと、電磁開閉弁39よりも気体通過方向下流側に、第2設定圧力P2の容器気体が流れる。この第2設定圧力P2の容器気体は、切換用通路を通過して切換弁38の圧力室75に順次流入する。圧力室75では、容器気体の流入にともなって圧力室75の容器気体の圧力が増加する。これによって圧力室75の気体と内気室64の気体との圧力差もまた徐々に増加する。
第2時刻T2で、圧力室75の気体と内気室64の気体との圧力差が、予め定める切換圧力Psetを超えると、圧力室75の気体の圧力によって切換部材44を軸線方向一方X1に移動させる力が、ばね部材45のばね力によって切換部材44を軸線方向他方X2に移動させる力を上まわる。そして切換部材44は、外気導入位置から軸線方向一方X1に移動して、内気導入位置に移動する。切換部材44が内気導入位置に移動すると、図11に示すように、装着者が吸引動作をすると容器気体が面体内の空間に導かれる。次に第3時刻T3に達すると、圧力室75と内気室64との圧力差が、前記第2設定圧力から前記第1圧力P1を減算した値(P2−P1)となり、平衡状態となる。
また第3時刻T3以後の、第4時刻T4に、起動装置31に指令を与えて電磁開閉弁39へ与える駆動電流を停止する。起起動装置31からの駆動電流の供給が停止した電磁開閉弁39は、発生させていた電磁力が消滅し、可動鉄心85に与えられていたばね力に抗する力が失われる。これによって可動鉄心85は、初期位置に復元する。可動鉄心85が初期位置に変位することで、可動鉄心85は、切換用通路のうちで電磁弁介在領域を閉じる。
切換用通路のうちで電磁弁介在領域を閉じると、電磁開閉弁39よりも気体通過方向下流側に容器気体が流れることが阻止され、圧力室75への気体の供給が阻止される。これによって圧力室75の気体は、貫通孔82および連通孔81を通過して内気室64に洩れ出る。圧力室75では、容器気体の流出にともなって圧力室75の気体と内気室64の気体との圧力差が徐々に低下する。
第5時刻T5で、圧力室75の気体と内気室64の気体との圧力差が、予め定める切換圧力Pset未満になると、圧力室75の気体の圧力によって切換部材44を軸線方向一方X1に移動させる力が、ばね部材45のばね力によって切換部材44を軸線方向他方X2に移動させる力を下まわる。そして切換部材44は、内気導入位置から軸線方向他方X2に移動して、外気導入位置に移動する。切換部材44が外気導入位置に移動すると、図10に示すように、装着者が吸引動作をすると容器気体が面体の空間に導かれる。
以上のように本実施形態によれば、切換部材44が外気導入位置に位置合わせされると、面体21を装着する装着者が吸気動作を行うと、外気導入管24および共通管23を順に通過した外気を吸引することができる。また切換部材44が内気導入位置に位置合わせされると、面体21を装着する装着者が吸気動作を行うと、内気導入管25および共通管23を順に通過した容器気体を吸引することができる。
作業者は、まず一酸化炭素が存在しない安全な場所で、面体21を顔面に装着するとともに背負部分を背中に背負う。このとき切換部材44は、外気導入位置に位置合わせされる。このようにして呼吸器20を装着した状態で、一酸化炭素の存在する可能性のある場所に向かい作業を行う。
一酸化炭素が存在する可能性のある作業場所で作業を行っている間に、COセンサ30によって一酸化炭素の存在が検知されると、切換部材位置の切換えが行われるだけで、外気を吸引していた状態から、外気の吸引を防いで内気を吸引可能な導入状態に移行することができ、作業者が一酸化炭素を吸引することを防ぐことができる。
この場合、呼吸器20を既に装着した状態で、外気導入状態から内気導入状態に移行するので、作業中に一酸化炭素の存在を確認してから呼吸器20を装着して呼吸器20を動作させる場合に比べて、容器気体を吸引する状態に速やかに移行することができ、安全性を向上することができる。また一酸化炭素が存在しない安全な場所で呼吸器20を装着することで、装着時に一酸化炭素を吸引することがない。
たとえば一酸化炭素の存在を確認してから呼吸器20を装着して呼吸器20を動作させる場合には、20〜30秒を費やしてしまい、この間に一酸化炭素を吸引してしまう可能性が高くなる。これに対して本実施形態の呼吸器20では、切換部材位置の切換えに費やす時間は非常に短く、その分、一酸化炭素の吸引を吸引する可能性を減らすことができる。たとえば切換部材44の位置切換に費やす時間は、せいぜい1秒である。このように本実施形態の呼吸器20は、作業現場で装着者が一酸化炭素を吸引することを防ぐことができ、安全性を向上することができる。
また一酸化炭素が存在する可能性のある作業場所であっても一酸化炭素が存在しない場合には、面体21を装着した状態で外気を吸引することができる。これによって作業開始から作業終了まで容器気体を吸引し続ける場合に比べて、面体21を装着した状態で行うことが可能な作業時間を長時間化することができ、利便性を向上することができる。
おおよその作業時間が決まっている場合、ボンベ22には、一酸化炭素を吸引することを回避するのに必要な回避時間に費やすであろう容量の容器気体が充填される程度でよく、作業開始から作業終了までの作業時間に費やすであろう容量の容器気体を充填する必要がない。これによって高容量の気体を充填可能なボンベを必要とせず、小形化かつ軽量化したボンベ22を用いることができ、呼吸器20が作業者の負担になることを低減することができ、行うべき作業の効率化を図ることができる。
たとえば従来技術のような大形の作業用呼吸器を装着して、一酸化炭素の洩れ点検作業を行う場合、一酸化炭素の洩れ点検作業が全体で3時間を費やす場合、1時間の作業を行うことができるボンベを用いた点検作業を、3度に分けて行う必要がある。さらに1時間の作業を行うことが可能なボンベは、容器気体が充填された状態で約8.5kgである。このような大形かつ重量の大きいボンベを携帯しながら、長距離を移動する点検作業を行うと作業性が非常に悪く、重労働となる。また点検場所のほとんどで一酸化炭素が洩れておらず、非効率である。
これに対して本実施形態の呼吸器20は、一酸化炭素が存在しない場所では、外気を面体21に導くことで長時間にわたる点検作業を可能とする。またCOセンサ30によって一酸化炭素が検知された場合に、容器気体を面体21に導く。装着者は、作業を中断し、容器気体が面体に導かれている間に、一酸化炭素が存在する場所から一酸化炭素が存在しない安全な場所に避難する。したがってボンベ22には、避難時間に費やすであろう容量の容器気体が充填される程度でよく、作業開始から作業終了までの作業時間に費やすであろう容量の容器気体を充填する必要がない。これによって軽量小形のボンベ22を用いることができる。
たとえば避難時間に費やすであろう時間を3分程度とすると、ボンベ22は、容器気体が充填された状態で約1.4kgである。このように本実施形態の呼吸器20では、小形のボンベ22を携帯可能で長時間の作業ができるので、長距離を移動する点検作業を行う場合、呼吸器20の装着に起因する点検者の負担を減らし、作業性を向上することができ、作業効率を向上することができる。また作業時間が長時間にわたっても、作業中にボンベ22を交換する手間をなくすことができる。
本実施形態では、点検作業者は、本実施形態の呼吸器20を用いて安全な場所に避難したあとで、本実施形態の呼吸器20とは別の、大量の容器気体を充填可能な作業用呼吸器を装着して、一酸化炭素が発生する箇所を詳しく調査して、一酸化炭素の洩れを防ぐための適切な処理を施す。これによって点検作業と、点検後のガス漏れ個所の補修作業とを安全に行うことができる。
上述したように本実施形態の呼吸器20は、点検作業などの通常作業に用いられるとしたが、火災などの災害時の避難用呼吸器としても用いることができる。たとえば災害時に呼吸器20を装着した状態で避難する。避難作業中に有害ガスの存在を自動または手動で判断すると、外気導入状態から内気導入状態に切換える。これによって有害ガスの存在を判断してから、呼吸器20を装着する場合に比べて、有害ガスを吸引する可能性を少なくすることができる。また有害ガスが存在しない場所では、外気を吸引することで、ボンベ22に充填される容器気体を吸引することを控えることができ、呼吸器20を長持ちさせて、避難作業を行うことができる。
また本実施形態では、COセンサ30によって有害ガス存在信号が与えられると、起動装置31は、電磁開閉弁39に駆動電流を与えて、切換部材44を内気導入位置に移動させる。これによって装着者は、酸化炭素の存在を把握してから切換部材44を手動で駆動させなくても、外気に含まれる一酸化炭素を吸引することが防がれて、外気とは異なる容器気体を吸引可能な状態となる。したがって切換部材44を手動で駆動させる場合に比べて、内気導入状態に素早く移行することができ、一酸化炭素を吸引することをさらに確実に防ぐことができ、安全性を向上することができる。
また有害ガスが一酸化炭素のように無色無臭である場合には、装着者自身が有害ガスの存在を把握することが困難である。このような存在することが判断し難い、有害ガスにおいて本実施形態では特に有効であり、場合によっては、有害ガスの存在を装着者が把握する前に、外気吸引状態から容器気体吸引状態に移行することができ、安全性を向上することができる。
また本実施形態では、呼吸器20がCOセンサ30を有するので、呼吸器とは別の場所にCOセンサ30が配置される場合に比べで、装着者の周囲の外気に含まれる一酸化炭素を精度よく検知することができる。これによって装着者の周囲の空間に充満する一酸化炭素に濃度差があっても、装着者が一酸化炭素を含む外気を吸引する可能性をさらに低減することができる。
さらにCOセンサ30が、外気導入口41の近傍に配置されることで、外気導入口41遠方に配置される場合に比べて、外気導入口41から外気導入管24内に導かれる外気に一酸化炭素が含まれているか否かを精度よく検知することができる。これによって装着者の周囲の空間に充満する一酸化炭素に濃度差があっても、装着者が一酸化炭素を含む外気を吸引する可能性をさらに低減することができる。
また本実施形態では、切換用導管50内の圧力を、切換部材44を内気導入位置に移動させるパイロット圧として用いることで、切換用導管50を閉じた状態から、電磁開閉弁39によって切換用導管50の開度を少し開くだけで、切換部材44を移動させることができる。これによって切換部材44を直接移動させる場合に比べて、切換部材44の位置切換に必要な駆動力を小さくすることができる。
このように切換部材44を駆動するための駆動力を小さくすることで、起動装置31を小形化および軽量化することができる。また切換部材44を直接移動させる電磁切換弁に比べて、本実施形態の電磁開閉弁29のほうがソレノイドコイルのコイル量を減らすことができ、流路切換手段26全体として小形化を図ることができる。
また本実施形態では、デマンド弁37によって減圧される前の容器気体の圧力をパイロット圧として、切換部材44を変位移動させる。これによってデマンド弁37によって減圧した容器気体の圧力を用いる場合に比べて、パイロット圧を高くすることができ、切換部材44を内気導入位置に短時間で変位駆動させることができる。またパイロット圧を高くすることで、内気導入位置に切換部材44を位置させた状態を確実に維持することができ、信頼性を向上することができる。
また本実施形態によれば、防塵フィルタ29によって埃や塵などの粒子状物体が除去された外気を外気導入管24内に導くことができる。これによって粒子状物質が存在する雰囲気で呼吸器20が用いられる場合に、呼吸器20を装着した装着者が粒子状物質を吸引することを防ぐことができる。また粒子状物質の侵入を防ぐことによって、管内に侵入した粒子状物質に起因する呼吸器20の動作不良を防ぐことができる。また防塵フィルタ29は、着脱自在に形成されるので、防塵フィルタ29が目詰まりを生じた場合には、新しい防塵フィルタ29に着け換えることができ、利便性を向上することができる。また粒子状物質の飛散のおそれがない作業では、防塵フィルタ29を装着しなくてもよい。
また本実施形態では、外気導入管24の容積が、装着者の1回の吸気動作で吸気される気体の体積よりも大きく形成される。これによって仮に外気導入状態で、外気に一酸化炭素が含まれない場所から外気に一酸化炭素が含まれる場所に装着者が移動した場合、装着者は、外気に一酸化炭素が含まれない場所で外気導入管24に導いた外気を、1回の吸気動作で吸気される体積以上吸引したあとでないと、外気に一酸化炭素が含まれる外気が共通管23に達しない。また外気導入管34は、細長く形成されて、蛇管に形成されることで、管路容積が大きくなり、より確実に一酸化炭素が含まれる外気の吸引を遅らせることができる。
したがって外気導入状態で、一酸化炭素が含まれる場所に進入したとしても、1回の吸気動作以上の体積を吸引するまでは、装着者は、一酸化炭素が含まれない外気を吸引することができる。これによって外気に一酸化炭素が含まれる場所に進入してから、切換部材44が内気導入位置に位置合わせされるまでにタイムラグがあっても、一酸化炭素が含まれる外気を吸引することを装着者が防ぐことができる。たとえばCOセンサ30の検知遅れ、COセンサ30によって検知してから切換部材44の位置合わせが完了するまでの駆動遅れなどが存在しても、一酸化炭素が含まれる外気を装着者が吸引することを防ぐことができる。
またCOセンサ30の検知遅れを防ぐために、COセンサ30の感度を敏感にしてしまうと、一酸化炭素の濃度が低い場合や、一酸化炭素の濃度が一瞬だけ高くなる場合など、有害ガスの存在が人体に悪影響を及ぼさない状況についても、内気導入状態に切換わってしまい利便性が低い。本実施形態では、上述したようにCOセンサ30に検知遅れが生じていても、一酸化炭素の吸引を防ぐことができるので、COセンサ30の感度を過剰に敏感にする必要がない。これによって有害ガスの存在が人体に悪影響を及ぼさない状況では、内気導入状態に不所望に切換わることを防ぐことができる。したがって行うべき作業を継続することができ、作業効率を向上することができる。
また本実施形態では、呼吸器20は、装着者が背負うことが可能に形成される。これによって両腕を自由とすることができ、呼吸器を両腕のうちのいずれか一方で抱える場合に比べて、作業性を向上することができる。また呼吸器22を装着した状態で、ボンベ22の軸線が装着者の背骨に沿うように配置されることで、安定して呼吸器を背負うことができ、装着状態から呼吸器20がずれることを防ぐことができる。また切換弁38に、デマンド弁37および電磁開閉弁39を直結することで、デマンド弁37および電磁開閉弁39を別途背負具28に固定する必要がなく、構造を簡単化することができる。同様に切換弁38に、COセンサ30および防塵フィルタ29を固定することで、COセンサ30および防塵フィルタ29を別途背負具28に固定する必要がなく、構造を簡単化することができる。
またマスク形状の面体21に形成されることで、目を含む顔面全体を覆う面体を装着する場合に比べて、視野が狭められることを防ぐことができるとともに視界を確保するための透明部分が曇ることもなく、また面体を装着することによる違和感を少なくすることができ、面体21を装着しながら点検作業などの作業を好適に行うことができる。したがって作業性を向上することができる。特に、作業時間が長時間にわたる場合において、面体21を装着することによる作業効率の向上効果を得ることができる。また本実施形態では、面体に伝声器が設けられることによって、面体21を装着した状態で、装着者が発する音声を明瞭化することができ、作業性をさらに向上することができる。また面体21は、このような構成に限定されず、装着者の前方顔面部分全体を覆ってもよい。
また本実施形態では、外気導入口形成部には、逆止弁48が設けられる。これによって装着者が吐いた呼気は、共通管23に逆流せず、呼気弁40を介して外方へ排出される。これによって装着者の呼気に含まれる二酸化炭素を確実に外方に排出することができ、装着者が再呼吸するにあたって、以前に装着者が吐いた呼気を吸引することが防がれる。
また本実施形態では、電磁開閉弁39による切換用導管50の閉鎖が確実でない場合であっても、電磁開閉弁39から洩れ出て圧力室75に進入した容器気体は、ピストン部分62に小径の貫通孔82を通過して、内気室64に移動する。これによって電磁開閉弁39から洩れ出た容器気体によって圧力室75の圧力が徐々に高くなることを防ぐことができ、切換弁39の誤動作を防ぐことができる。また内気導入状態では、面体内が陽圧に保たれることで、面体と顔面との隙間から一酸化炭素が面体内に侵入することを防ぐことができ、一酸化炭素の吸引をさらに確実に防ぐことができる。
図15は、操作片90が組み込まれた電磁開閉弁39を示す図である。図16は、操作片を示す斜視図である。図17は、電磁開閉弁39を簡略化して示す断面図である。図15(1)および図17(1)は、基部87に形成される挿通孔93を塞いだ状態を示す。また図15(2)および図17(2)は、基部87に形成される挿通孔93を開いた状態を示す。
呼吸器20は、操作されることによって、切換部材44が内気導入位置に位置するように流路切換手段26を駆動する操作片90をさらに含む。本実施形態では、電磁開閉弁39に、可動鉄心85を手動変位駆動可能な操作片90が組み込まれることで操作手段を実現する。操作手段は、装着者などの人間によって操作されることで、起動装置31によって駆動電流を電磁開閉弁39に与えていなくても、初期位置から変位させるために必要な駆動力を可動鉄心85に与えることができる。
操作片90は、電磁開閉弁39の基部87に設けられる。操作片90は、基部87に埋め込まれて可動鉄心85に当接可能な当接部分94と、基部87から露出する露出部分95とを含んで構成される。露出部分95は、短円柱状に形成され、挿通孔93が延びる方向に垂直な回転軸線を有する。露出部分95には、回転軸線に垂直に延びて回転軸線を通過する長孔95が刻設される。当接部分94は、露出部分95に連なり回転軸線に対して偏心した位置から回転軸線と平行に延びる。
図17(1)に示すように、当接部分94は、可動鉄心85が挿通孔93を塞いだ状態で、可動鉄心93のばね部材84とは反対側の端面である当接端面97に対向して配置される。また可動鉄心85の軸線に垂直で回転軸線98を含む平面に対して、可動鉄心93とは反対側の領域に配置される。
可動鉄心85が挿通孔93を塞いだ状態から、露出部分95を回転軸線98まわりに角変位させると、露出部分95の角変位にともなって当接部分94も回転軸線98まわりに角変位する。これによって当接部分94が、可動鉄心85の軸線方向に変位することになって、可動鉄心85の当接端面97に当接して可動鉄心85をばね力に抗して押し上げて変位させる。
これによって図17(2)に示すように、可動鉄心85が挿通孔93を開いた状態となる。このように操作片90を用いて、可動鉄心85を機械的にばね力に抗して変位させることで、起動装置31から駆動電流が供給されなくとも、操作片90が操作されることで、電磁開閉弁39を動作させることができる。本実施形態では、露出部分95を回転軸線98まわりに角変位させて挿通孔93を開いた状態とすると、露出部分95を回転軸線98まわりに逆方向に角変位操作させるまでは、挿通孔93を開いた状態を維持する。
図18は、操作手段89を示す正面図である。図19は、操作手段89を示す断面図である。図20は、操作手段89を示す側面図である。呼吸器20は、操作されることによって、切換部材44が内気導入位置に位置するように流路切換手段26を駆動する操作手段89を含む。本実施形態では、操作手段89は、電磁開閉弁39から離れた位置に配置されるつまみ部材102が操作されることによって、切換部材44を手動で遠隔操作可能に構成される。操作手段89は、上述した操作片90と、てこ部材98と、支持部材99と、解除部材100と、連結紐101と、つまみ部材102とを含んで構成される。
てこ部材98は、操作片90の露出部分95に一端部98aが連結され、露出部分95から回転軸線に垂直な方向に延びる。また解除部材100は、露出部分95に直接または間接的に連結され、露出部分95と同軸な短円柱状に形成される。支持部材99は、電磁弁開閉弁39に固定され、てこ部材98および解除部材100を回転軸線まわりに回転可能に支持する。また解除部材100は、少なくとも部分的に支持部材99から回転軸線方向に露出して形成される。
連結紐101は、可撓性を有するひも状部材である。連結紐101の一端部101aは、てこ部材98のうちの露出部分95に連結される一端部とは反対側の他端部98bに連結される。連結紐101の他端部101bは、つまみ部材102に連結される。また連結紐101は、一端部101aと他端部101bとの間の部分で、支持部材99に形成される遊嵌孔103を緩やかに挿通する。つまみ部材102は、装着者が把持可能に形成され、本実施形態では、装着者の指が通る程度のリング状部材によって実現される。
操作片90によって可動鉄心85を駆動させて挿通孔93を開いた状態では、てこ部材98の他端部98bの角変位可能な移動領域のうちで、てこ部材98の他端部98bと遊嵌孔103とが最も近接した位置に配置される。言い換えると、図19に示すように、可動鉄心85が挿通孔93を塞いだ状態では、てこ部材98の他端部98bは、遊嵌孔103とが最も近接した位置から回転軸線まわりに角変位した位置に配置される。
たとえば挿通孔93を閉鎖した状態から、操作片90を回転軸線まわりに周方向一方に90度角変位すると、挿通孔93を開いた状態にすることができる場合には、可動鉄心85が挿通孔93を塞いだ状態では、てこ部材98の他端部98bは、遊嵌孔103とが最も近接した位置から回転軸線まわりに周方向他方に90度角変位した位置に配置される。つまみ部材102が引っ張られることで、てこ部材98とともに操作片90を、周方向一方に90度角変位させることができ、挿通孔93を開いた状態にすることができる。
このようにつまみ部材102を引っ張ることで挿通孔93を開くことができるので、連結紐101を伸延して、つまみ部材102を電磁開閉弁39から遠方に配置することで、電磁開閉弁39から離れた位置で挿通孔92を開く操作を遠隔操作させることができる。これによって呼吸器20を背負っていて操作片90が装着者の手の届かない位置に存在している場合であっても、つまみ部材102を引くことで操作片90を遠隔操作することができ、外気導入状態から内気導入状態に速やかに移行させることができる。また挿通孔93を開いた状態から解除部材100を回転軸線まわりに周方向他方に90度角変位させることで、挿通孔93を閉鎖した状態に短時間に戻すことができる。また切換部材44を手動操作または遠隔手動操作する手段は、上述した構成以外も適用可能である。
図21は、起動装置31を示す上面図である。本実施形態では、起動装置31は箱状に形成され、脇ベルト19に固定される。呼吸器20が装着された状態では起動装置31は、装着者の胸位置近傍に配置されることが好ましい。この場合、起動装置31の上面には、起動装置31の各種スイッチおよび表示部が配置される。
起動装置31は、電源スイッチ104と、電源ランプ105と、テストスイッチ106と、テストランプ107とを含む。起動装置31は、着脱可能に装着される電池によって動作する。電源スイッチ104は、起動装置31の電源を投入するためのスイッチであり、操作されることによって起動装置31の起動および停止を行う。
電源ランプ105は、起動装置31に装着される電池に蓄えられる電力が充分にある場合には、電源スイッチ104が操作されると予め定める第1色、たとえば緑色に発光する。また電池に蓄えられる電力が充分でない場合には、第1色とは異なる第2色、たとえば赤色に発光する。また電池に蓄えられる電力がない場合には、発光しない。
テストスイッチ106は、電磁開閉弁39が正常に動作するか否かをテストするためのスイッチである。テストスイッチ106が操作されることによって、COセンサ30から有害ガス存在信号が与えられていなくても、駆動電流を電磁開閉弁39に与える。またテストランプ107は、電磁開閉弁39から挿通孔93を開いたことを示す信号が与えられると発光する。
また起動装置31は、COセンサ30から有害ガス存在信号が与えられた場合には、駆動電流を電磁開閉弁39に与え続けるように構成されることが好ましい。この場合、COセンサ30から有害ガス存在信号の送信が停止したとしても、駆動電流を電磁開閉弁39に与え続ける。そして、電源スイッチがオフに操作されるなどして解除指令が与えられることによって、駆動電流を電磁開閉弁39に与えることを停止する。
以上のように本実施形態では、装着者は、操作手段89を操作することによって、切換部材44が内気導入位置に位置するように切換弁38を駆動させることができる。たとえばCOセンサ30が一酸化炭素の存在を示す警告音を発するなどして、装着者が一酸化炭素の存在を把握すると、つまみ部材102を把持して連結紐101を引っ張ることで、切換部材44を内気導入位置に切換えることができる。
このように自動的に流路切換手段26を駆動する起動装置31と、操作手段89とを併用して用いることで、起動装置31および電磁開閉弁39が故障している場合でも、外気導入状態から内気導入状態に移行することができ、安全性をさらに向上することができる。またCOセンサ30では一酸化炭素の存在を検知しづらい場合、装着者などの経験的に従って一酸化炭素の存在を把握した場合などには、起動装置31によって流路切換手段26を駆動させるよりも先に操作手段98によって流路切換手段26を駆動させることができる。
また本実施形態では、操作手段89は、切換部材44を直接変位駆動するのではなく、可動鉄心85を駆動させて、間接的に切換部材44を駆動する。これによって切換部材44を直接駆動する場合に比べて、可動鉄心85をわずかに変位させるだけで、切換部材44を内気導入位置に移動させることができ、切換部材44を動作させるために必要な駆動力を小さくすることができる。また切換部材44を変位させる場合に比べて、可動鉄心85を変位させることで、装着手段89を小形化および軽量化することができ、呼吸器20を装着して動作するにあたって、装着者の負担を減らすことができ、利便性をさらに向上することができる。
また本実施形態では、流路切換手段26の動作確認を行うことができる。面体21を顔面に装着し、起動装置31に設けられるテストスイッチ106を操作して、駆動電流を電磁開閉弁39に与える。これによってCOセンサ30が一酸化炭素を検出しなくても、擬似的に駆動電流を電磁駆動弁39に与えることができ、COセンサ30が一酸化炭素を検知したであろうときの動作確認を行うことができる。
テストスイッチ106を操作して、駆動電流を電磁駆動弁39に与える。この場合に、面体21から容器気体が供給されているとともに、起動装置31のテストランプ107が発光していることを判断することで、電磁駆動弁39および切換弁38が正常に動作することを判断することができる。このようにしてCOセンサ30が一酸化炭素を検出していなくても、流路切換手段26の動作確認を行うことができ、流路切換手段26の故障を早期に判断することができ、安全性をさらに高めることができる。
またそく止弁33に内蔵される圧力指示計を確認することで、最低限必要な容器気体がボンベ22に内蔵されているかどうかを判断することができる。本実施形態では、そく止弁33に内蔵される圧力指示計が10MPa未満であると、予備のボンベ22に交換する必要がある。また呼吸器20の使用後であって保管前に、そく止弁33を閉じた状態で、テストスイッチ106を操作して、駆動電流を電磁駆動弁39に与える。これによって内気導入管25および切換用導管50に残っている圧力の高い容器気体を、共通管23に導いて面体21から呼吸器外方に排出させることができ、内気導入管25および切換用導管50などの破損を防ぐことができる。
図22は、呼吸器20の着装手順を示すフローチャートである。ステップa0で、ボンベ22に設けられるそく止弁33と減圧弁36とを連結するとともに、ボンベ22を枠体37に固定するなどして、呼吸器20が動作可能な状態となると、ステップa1に進む。
ステップa1では、ボンベ22に設けられるそく止弁33を開き、そく止弁33を全開すると、ステップa2に進む。ステップa2では、COセンサ30および起動装置31の電源を投入する。COセンサ30および起動装置31が始動するとステップa3に進む。
ステップa3では、背負具28を装着し、背負具28の装着が完了すると、ステップa4に進む。ステップa4では、面体21を装着し、面体21の装着が完了するとステップa5に進む。ステップa5では、呼吸器20全般の気密チェックを行い、接続部および面体21などから不所望に気体が漏れることがないことを確認すると、ステップa6に進み、呼吸器20の着装を完了する。
このようにして呼吸器20の着装が完了すると、一酸化炭素の存在する可能性がある場所で作業を行うことができる。作業中に、一酸化炭素の存在を示す異常状態を感じると、装着者は、作業を中断して、一酸化炭素の存在しない安全な場所に避難する。たとえば一酸化炭素の存在を示す異常状態としては、COセンサ30が警告音を発した場合、作業現場での一酸化炭素の存在を確認した場合、体調に異常を感じた場合および吸気する気体が容器気体に切換わった場合などがある。また一酸化炭素の存在を示す異常状態を感じると、作業者は、つまみ部材102によって連結紐101を引くことで、より確実に内気吸引状態とすることができ、一酸化炭素の吸引を防いで避難することができる。また呼吸器20の異常状態を感じた場合についても同様に、作業を中断して避難する。たとえば呼吸器20の異常状態を感じた場合としては、ボンベ残厚の警報器が作動した場合、呼吸が苦しいと感じた場合および呼吸に異臭や異変を感じた場合などがある。
本実施形態では、起動装置31は、COセンサ31によって有害ガス存在信号が与えられると、COセンサ31から有害ガス存在信号が与えられなくなっても、装着者等によって、駆動電流の供給解除指令が与えられるまでは、駆動電流を電磁開閉弁39に与え続ける。この場合、内気導入状態から外気導入状態に不所望に移行することを防ぐことができ、有害ガスの含まれる可能性のある外気を吸引することを防いで避難作業を行うことができる。
また本実施形態の変形例として、起動装置31は、COセンサ31によって有害ガス存在信号が与えられなくなると、駆動電流を電磁開閉弁39に与えることを停止するようにしてもよい。この場合、有害ガスが存在しなくなった場合に、再び外気を吸引することができ、ボンベ22に充填される容器気体を吸引することをなるべく控えることができ、呼吸器20を長持ちさせて、通常作業または避難作業を行うことができる。
図23は、本発明の第2実施形態である呼吸器320の主要な構成を示すブロック図である。第2実施形態の呼吸器320は、第1実施形態の呼吸器20と類似した構成を有し、同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略する。第2実施形態の呼吸器320は、第1実施形態の呼吸器20に比べて、COセンサ30の代わりに、一酸化炭素が存在することを示す有害ガス存在信号を受信する受信器301を有する。他の構成については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
受信器301は、呼吸器320とは別の装置が有する送信器401から送信される有害ガス存在信号を受信する。たとえば送信器401は、作業状況を管理するための管理センタに設けられるコンピュータによって制御される。本実施形態では、送信器401は、無線電波によって有害ガス存在信号を送信する。受信器301は、無線電波信号が有害ガス存在信号であることを判断すると、起動装置31に有害ガス存在信号を与える。これによって起動装置31は、駆動電流を電磁開閉弁39に与えて、呼吸器20の状態を外気導入状態から内気導入状態に切換える。
このようにしてCOセンサ30以外の手段、たとえば受信器301によって一酸化炭素が存在することを判断してもよく、第1実施形態の呼吸器20と同様の効果を得ることができる。また管理センタなどから有害ガス存在信号が与えられることで、装着者および呼吸器320に遠隔指令を与えることができ、COセンサ30で検知する前に、早期に内気呼吸状態として、装着者に避難指示を与えることができる場合がある。これによって装着者が一酸化炭素を吸引する可能性をさらに少なくすることができる。またCOセンサ30では、検知できない複数種類の有害ガスが存在している場合であっても対応可能とすることができる。
また第2実施形態の変形例として、呼吸器320は、COセンサ30と受信器301とを併用してもよい。この場合、COセンサ30および受信器301の少なくともいずれか一方で一酸化炭素の存在を検知すると、呼吸器320の状態を外気導入状態から内気導入状態に切換えることで、より安全性を向上することができる。また受信器301は、無線によって有害ガス存在信号を受信することで、有線で有害ガス存在信号を受信する場合に比べて、呼吸器を装着して移動可能な領域の制限を受けることが少なくすることができ、利便性を向上することができる。
また本実施例では、受信器301は、無線電波に基づいて、有線ガス存在信号を受信したがこれに限定されない。たとえば予め定める周波数の音波信号または赤外線などの光信号によって、有害ガス存在信号を受信してもよい。また有線によって有害ガス存在信号を受信してもよい。
図24は、本発明の第3実施形態である呼吸器420の主要な構成を示すブロック図である。第3実施形態の呼吸器420は、第1実施形態の呼吸器20と類似した構成を有し、同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略する。第3実施形態の呼吸器420は、第1実施形態の呼吸器20に比べて、さらに受信器301と送信器302とを有する。他の構成については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
受信器301は、第2実施形態と同様に、呼吸器とは別の装置が有する送信器401から送信される有害ガス存在信号を受信する。たとえば送信器401は、管理センタまたは他の呼吸器420が有する送信器である。本実施形態では、送信器401は、無線によって有害ガス存在信号を送信する。受信器301は、無線電波信号が有害ガス存在信号であることを判断すると、起動装置31に有害ガス存在信号を与える。これによって起動装置31は、駆動電流を電磁開閉弁39に与えて、呼吸器420の状態を外気導入状態から内気導入状態に切換える。
またCOセンサ30は、一酸化炭素の存在を検知すると、起動装置31に有害ガス存在信号を与えるとともに、送信器302に有害ガス存在信号を与える。送信器302は、有害ガス存在信号を無線によって他の装置に送信する。したがって呼吸器とは別の装置が有する受信器402は、有害ガス存在信号を受信することができる。
第3実施形態の呼吸器420は、第2実施形態の呼吸器320と同様の効果を得ることができる。さらに呼吸器420が有害ガス存在信号を送信することによって、管理センタなどで有害ガス存在を検知することができ、早期の対応を実現することができる。またたとえばそれぞれ呼吸器420を装着した二人以上の作業者によって、作業を行う場合、一方の作業者が装着する呼吸器420のCOセンサ30が一酸化炭素の存在を検知すると、一方の呼吸器420が残余の呼吸器420に向けて有害ガス存在信号を送信する。これによって残余の作業者の装着する呼吸器420は、それぞれのCOセンサ30が反応する前に、内気導入状態とすることができる。これによって早期に内気導入状態に切換えることができ、安全性を向上することができる。また仮に呼吸器420のCOセンサ30が故障していた場合でも、その呼吸器420が有害ガス存在信号を受信することで、内気導入状態とすることができ、信頼性を向上することができる。
また第3実施形態では、第2実施形態と同様に、有害ガス存在信号の送受信方法については限定されない。また送信器31は、COセンサ30によって有害ガス存在信号が与えられた起動装置31から、有害ガス存在信号が与えられてもよい。また起動装置31と受信器301とが一体に構成されていてもよい。
図25は、本発明の第4実施形態である呼吸器520の主要な構成を示すブロック図である。第4実施形態の呼吸器520は、第1実施形態の呼吸器20と類似した構成を有し、同様の構成については同様の参照符号を付して説明を省略する。第4実施形態の呼吸器520は、第1実施形態の呼吸器20に比べて、起動装置31が除かれた構成である。また電磁開閉弁39に代えて、切換用導管の開度を調整する手動の開閉弁を有する。その他の構成については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
第4実施形態の呼吸器520を装着した装着者は、COセンサ30が警告音を発すると、一酸化炭素の存在を把握し、手動で開閉弁39を操作して外気導入状態から内気導入状態に移行させる。このように手動で呼吸器の状態を切換える場合であっても、一酸化炭素の存在を把握してから、呼吸器を装着する場合に比べて一酸化炭素を吸引する可能性を低減することができ、安全性を向上することができる。また一酸化炭素が存在しない場合には、外気を吸引することができ、作業時間を延長することができる。またCOセンサ30などの有害ガス検知センサを用いることなく、装着者が有害ガスの存在を把握できる場合には、有害ガス検知センサを有しなくてもよい。
図26は、他の実施形態の切換弁138を示す断面図である。図26(1)は、外気導入位置に切換部材144が位置する状態を示す。図26(2)は、内気導入位置に切り替え部材144が位置する状態を示す。上述する実施形態では、流路切換手段26のうちの切換弁38は、図10および図11に示すように、弁体部分61を弁座となる段差部分69,70に当接させることによって、流路を切換えたがこのような切換弁に限定されず、流路を切換可能な3ポート2位置切換弁であれば他の構成であればよく、図26に示す他の実施形態の切換弁138を呼吸器20が有してもよい。
他の実施形態の切換弁138は、切換部材である円筒状部材144と、円筒状部材に接するポート形成部145とを含んで構成される。ポート形成部145は、外気が導かれる第1入力ポート45と、容器気体が導かれる第2入力ポート46と、外気および容器気体のいずれかを排出する出力ポート47とが形成される。切換部材145は、連通流路146が形成されて、外気導入位置では、連通流路146が第1ポート45と出力ポート47とを連通する。また内気導入位置では、連通流路146が第2ポート46と出力ポート47とを連通する。本実施形態では、切換部材が軸線方向に角変位させることによって、連通流路146の位置を変更して、外気導入状態と内気導入状態とを切換えることができる。
また図26に示す切換弁138以外の3ポート2位置切換弁を呼吸器に用いることも可能である。たとえば切換部材144に形成される連通流路146と、ポート形成部145に形成される各ポート位置とを適宜設計することによって、切換部材144を軸線方向に移動させることで、外気導入位置と内気導入位置とを切換えるようにしてもよい。また2つ以上の切換部材を用いて、流路を切換えてもよい。たとえば第1入力ポートを開閉する第1弁と、第2入力ポートを開閉する第2弁を有する。外気導入状態では、第1弁によって第1入力ポートを開き、第2弁によって第2入力ポートを閉じる。また内気導入状態では、第1弁によって第1入力ポートを閉じ、第2弁によって第2入力ポートを開く。このようにしても、同様の作用を実現することができる。
また上述した実施形態では、パイロット圧を与えて切換部材44,144を切換えた場合について示したが、本発明はこれに限定されない。したがって起動装置31または操作手段の少なくとも一方によって、切換弁38,138の切換部材44,144を直接駆動させてもよい。たとえば切換弁38,138を電磁弁として、起動装置31から駆動電流が与えられることによって、電磁力を発生させて切換部材44,144を変位駆動してもよい。また開閉弁39は、電流供給によって変位駆動する電磁弁でなくてもよく、機械的な力が与えられることで開度を調整可能な機械的な開閉弁であってもよい。
上述した各実施形態の呼吸器20の減圧弁36およびデマンドは、従来の呼吸器で用いられる部品を用いて実現することができる。以下に本実施形態で用いられる減圧弁36およびデマンド弁37について説明する。
図27は、減圧弁36を示す断面図である。減圧弁36は、圧縮気体導通路形成部110と圧力制御弁部111とを有し、これらが一体的に形成されている。圧縮気体導通路形成部110は、圧縮気体導通路148が形成されている。圧縮気体導通路形成部110には、そく止弁33と接続され、ボンベ22から流出した容器気体が圧縮気体として導かれる。また圧力制御弁部111の出力ポート136は、内気導入管25に接続され、出力ポート136から流出した容器気体が、デマンド弁37または電磁開閉弁39に向かって流れる。
圧縮気体導通路110には、圧縮気体動通路110を流下する圧縮気体を濾過するためのフィルタ113が介在している。圧力制御弁部111は、筐体部分114と、一次側ポート形成部115と、受圧体116と、弁体117と、閉塞部材118と、弁体調整部材119と、第1ばね部材120と、第2ばね部材121と、蓋部122とが含まれている。
筐体部分114は、軸線L4を有し、軸線L4周りに第1空間123と、第2空間124が形成されている。第1空間123は、第2空間124より小径に形成されている。第1空間123と第2空間124とは、連なっている。筐体部分114は、その軸線方向一端側に第1空間123が形成され、他端側に第2空間124が形成されている。筐体部分114は、第1空間123が圧縮気体導通路148に連なり、その軸線方向他端部が前記軸線方向に開口している。筐体部分114には、第1空間123が第2空間124に臨む開口を外囲する円環状の突起部132が形成されている。
一次側ポート形成部115は、円筒状に形成され、その軸線方向一端部に外周部全周にわたって、半径方向外方に突出する外向きフランジ部125が形成されている。一次側ポート形成部115の軸線は、軸線L4に一致している。一次側ポート形成部115の円筒状部分の内周部によって、一次側ポート126が形成される。外向きフランジ部125には、軸線L4周りに、複数の連通路127が形成されている。一次側ポート形成部115は、外向きフランジ部125を除く残余部が第1空間123に収納されて、筐体部分114にシールを達成した状態で設けられている。
受圧体116は、外向きフランジ部収容部116aと弁体収容部116bとを有する。外向きフランジ部収容部116aは、円筒状に形成され、その内周部に外向きフランジ部125が螺着されている。外向きフランジ部収容部116aは、筐体部分114にシールを達成している状態で、第2空間124に収納されている。外向きフランジ部125は、軸線L4に平行な方向に摺動変位可能であって、シールを達成した状態で、筐体部分114に設けられている。
弁体収容部116bは、外向きフランジ部収容部116aより外径および内径が、小径に形成される円筒状である。外向きフランジ部収容部116aおよび弁体収容部116bは、その軸線が軸線L4に一致し、一体的に形成されている。弁体収容部116bの外向きフランジ部収容部116aに連なる端部の外周部には、その周方向全周にわたって、フランジ状の第1ばね部材支持部116cが形成される。第1ばね部材支持部116cは、その外径が外向きフランジ部収容部116aの外径より小径に形成される。
弁体117は、シート保持部117aとシート部117bとを有する。シート保持部117aは、円筒状に形成され、その軸線方向一端部にシート部117bが嵌合されている。シート部117bは、大略的に円筒状に形成されている。弁体117は、弁体収容部116bにシールを達成する状態で、その内方に収容されている。シート保持部117aおよびシート部117bの軸線は、軸線L4に一致している。一次側ポート形成部115には、一次側ポート126のシート部117bに臨む開口を外囲するように円環状の弁座128が形成されている。シート部117bと、弁座128とによって、オリフィス129を形成する。
筐体部分114は、その開口する部分に閉塞部材118が螺着され、閉塞されている。閉塞部材118は、円筒状に形成され、その内周部に弁体調整部材119が螺着されている。弁体調整部材119は、大略的に円柱状に形成され、シート保持部117aの軸線方向他端部に当接可能に閉塞部材118に螺着されている。弁体調整部材119の軸線は、軸線L4に一致している。シート保持部117aの軸線方向他端部は、弁体調整部材119の片当たりを抑制するために、部分球面上に形成されている。弁体調整部材119は、ドライバなどの工具によって回動させることによって、軸線L4に平行な方向に変位させ、弁体117の可動範囲を調節することができる。
第1ばね部材120は、圧縮コイルばねである。第1ばね部材120は、弁体収容部116bに外装され、弁体収容部116bと筐体部分114との間に形成される円環状のばね収容空間130に配設される。第1ばね部材120の一端部は、第1ばね部材支持部116cに支持され、他端部は、閉塞部材118に支持されている。第2ばね部材121は、圧縮コイルばねである。第2ばね部材121は、第1ばね部材120に外装され、ばね収容空間130に収容されている。第2ばね部材121の一端部は、外向きフランジ部収容部116aに支持され、他端部は、閉塞部材118に支持されている。閉塞部材118には、ばね収容空間130を大気開放する大気開放孔131が形成されている。また閉塞部材118には、弁体調整部材119を覆うための蓋部122が嵌合されている。
このようにして構成されると、オリフィス129より半径方向内方に1次圧力室133が形成され、オリフィス129より半径方向外方に第1二次圧力室134が形成される。筐体の突起部132より半径方向外方に円環状の第2二次圧力室135が形成される。第1および第2二次圧力室134,135は、連通路127によって連通され、これらによって2次圧力室が構成されている。ている。筐体部分114には、第2二次圧力室135に連なる2次側ポート136が形成されている。
一次側ポート126から1次圧力室133に流下した圧縮流体がオリフィス129を通過し、第1二次圧力室134に流入する。第1二次圧力室134の圧縮流体は、連通路127を介して第2二次圧力室135に流下する。受圧体116は、第1および第2二次圧力室134,135の圧縮気体の圧力を受圧する。第1および第2ばね部材120,121は、この受圧する圧力に対向する弾発力を受圧体116に付勢するように配設されている。受圧体116は、それが受圧する圧力、すなわち二次側の圧縮気体の圧力に応じて、筐体部分114を摺動変位し、オリフィス129の開度を調整する。これによって、圧縮気体を減圧し、一定の圧力に保持して、2次側ポート136に排出する。
具体的には、二次側の圧縮気体の圧力が、第2設定圧力P2未満となるとオリフィス129の開度を開くことで、二次側の圧縮気体の圧力を第2設定圧力P2に維持する。このように減圧弁36は、内気導入管25に介在し、圧縮気体導通路148から導かれた圧縮気体の圧力を減圧して、2次側ポート136に向かって流下させるように配設されている。また減圧弁は、一次の圧縮気体の圧力が、第3設定圧力P3に達すると、警報音を発生させる警報音発生部15が形成される。以上のような減圧弁39の構成は、本実施形態の一例であって他の構成であってもよい。
図28は、デマンド弁37を示す断面図である。デマンド弁37は、本体203と、本体に螺着されるリング202によって着脱自在に装着される蓋体204とを有する。前記本体203とそれに装着された蓋体204とは、ダイアフラム206が収納されるダイアフラム室207を形成し、ダイアフラム206の周縁部208は本体203と蓋体204とによって挟持され、このダイアフラム206によって前記ダイアフラム室207は大気に連通する大気圧室209と、吸引力が導入される吸気圧室210とに仕切られる。前記吸気圧室210は、減圧弁36によって減圧された容器気体を導く内気導入管25が接続される入側の接続部211内の通気孔213と、切換弁38が接続される出側の接続部214の通気孔215とに連通している。前記吸気圧室210は、装着者の吸引動作によって前記ダイアフラム206が吸気圧室210側に変位すると、弁棒216が下方に変位して弁体217が弁座218から離反して、前記入側の通気孔213と吸気圧室210とが連通して容器気体が流れ込み、この容器気体は吸引によって、前記出側の通気孔215から切換弁38および共通管23を介して、面体21へ供給される。以上のようなデマンド弁37の構成は、本実施形態の一例であって他の構成であってもよい。たとえばデマンド弁37は、面体内を陽圧に保つプレッシャデマンド弁であってもよいが、面体内を大気圧に保つデマンド弁であってもよい。同様に、呼気弁に設定される第1設定圧力は、陽圧に設定されていてもよいが、大気圧とほぼ同程度に設定されていてもよい。
以上のような各実施形態は、本実施形態の一例に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば上述した本発明の複数の実施形態について、特に組合せに支障がなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
また上述した各実施形態では、有害ガスが一酸化炭素であるとしたが有害ガスは、一酸化炭素に限定されない。たとえば有害ガス検知センサによって検知可能なガスであってもよく、硫化水素(H2S)、可燃性ガスである炭化水素(HC)であってもよい。また外気に含まれる酸素(O2)が予め定める設定値、たとえば18%以下の濃度となった場合に、内気導入状態に移行するようにしてもよい。すなわち本発明で有害ガスとは、外気を吸引した場合に、装着者が異常をきたすガスである。このような装着者に異常をきたすガスが作業現場に存在することを判断すると、内気導入状態に移行すればよい。このような有害ガスの検知センサは、市販されているものを用いることができる。また複数の有害ガスを判断することができるマルチガス検知器を有害ガス検知センサとして用いてもよい。これによって安全性をさらに高めることができる。また外気に異臭が生じる可能性がある場合にも本実施形態の呼吸器20を適用することができる。
また上述した各実施形態では、内気導入状態では、デマンド弁37を用いて装着者の吸気動作に応じて圧縮空気を減圧して供給する方式(圧縮空気放出肺力式)を採用したが、流路切換手段26によって外気導入状態と内気導入状態とを切換可能であれば、この他の内気導入方式を採用してもよい。たとえば内気導入状態として、デマンド弁37を用いずに面体21に圧縮空気を減圧して、装着者の給気に拘わらず一定の流量で供給する方式(圧縮空気定量放出式)を用いてもよい。
また本発明の呼吸器は、内気導入状態で循環式定量形酸素呼吸器となる呼吸器であってもよい。この場合、呼吸器は、比較的小形軽量の高圧酸素容器と、高圧酸素容器から導かれる酸素を溜め込む呼吸バックと、装着者の口および鼻を覆う面体と、装着者の呼気および吸気を呼吸バックに導く循環回路とを含む。装着者が吐いた呼気が、吸収罐によって炭酸ガスが除去されたあとに呼吸バックに導かれ、呼吸バック内の酸素と混合される。また装着者の吸気は、呼吸バック内の充分な酸素を含んだ混合気となる。このような呼吸器についても外気導入状態では、装着者は外気を吸引可能となる。
また上述した本実施の各形態の呼吸器20,320,420,520は、有害ガスのガス洩れ点検のほか、トンネル、井戸、タンク、マンホールの内部、製鉄所、化学工場、半導体工場、研究所、相当期間密閉された密閉空間および酸素を吸引する物質を入れてある空間などの、呼吸に異常をきたすガスを吸引するおそれのある空間での作業についても用いることができる。