JP2007298162A - 摩擦伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐熱屈曲性が高く、しかも優れた耐摩耗性、耐発音性を備えたVリブドベルトを提供する。
【解決手段】 Vリブドベルト1は、短繊維をランダム配向させたゴム層からなる伸張部5と、撚糸コードよりなる心線3を埋設した接着部2、その下側に圧縮部6を配置した構成からなる。前記心線3は、その一部が伸張部5に接し、残部が接着部2に接した状態となっている。そして圧縮部6は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有しており、該リブ側面9に綿短繊維を5〜50重量%含有する短繊維を固着した植毛層7を配設した構成となっている。
【選択図】図1
【解決手段】 Vリブドベルト1は、短繊維をランダム配向させたゴム層からなる伸張部5と、撚糸コードよりなる心線3を埋設した接着部2、その下側に圧縮部6を配置した構成からなる。前記心線3は、その一部が伸張部5に接し、残部が接着部2に接した状態となっている。そして圧縮部6は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有しており、該リブ側面9に綿短繊維を5〜50重量%含有する短繊維を固着した植毛層7を配設した構成となっている。
【選択図】図1
Description
本発明は駆動装置などの動力伝動に用いられる摩擦伝動ベルトに関する。
ゴム工業分野、なかでも自動車用部品の高機能、高性能化が望まれている。自動車用部品に用いられるゴム製品のなかに動力伝動ベルトがあり、例えば自動車のエアーコンプレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動力伝動に広く利用されている。
近年、静粛化について厳しい要求があり、特に駆動装置においてはエンジン音以外の音は異音とされるため、ベルト発音対策について要請がある。摩擦伝動ベルトにおける異音としては、回転変動の大きな条件や高負荷条件において発生するスリップ音や、圧縮ゴムが粘着摩耗を起こし、その結果リブ間の溝底に付着した粘着ゴムにより発生する騒音などが指摘されている。またプーリレイアウトのミスアライメントによりベルトが偏倚走行し、この偏荷重に基づく異音の発生によって乗客に不快感を与える等の問題もあった。
また通常走行時に限らず、注水時においても高い伝達性能を有する摩擦伝動ベルトが求められている。例えば、雨天走行時などにおいてエンジンルーム内に水が入り、ベルトとプーリの間に水が付着した際には、前記ベルトは水膜除去効果が低いためにスリップ率が高く、伝達性能が低下したり、騒音が発生するなどの問題があった。このような注水時におけるスリップ対策として、Vリブドベルトの少なくとも各リブ部に、綿短繊維と、各リブ部を構成する主体ゴムの弾性率及び綿短繊維の弾性率の中間の弾性率を有するナイロン短繊維と、亜鉛粉末とを含有させることが提案されている。(例えば特許文献1参照)
特開2003−202055号公報
しかしながら、前記ベルトにおいてスリップ抑制効果を発揮させるためには、短繊維をリブ表面に露出させる必要があり、これにはベルト幅方向に配向させる工程並びにリブ表面を研磨する工程が必要になるため、ベルトがコスト高になるといった問題があった。また、配合した短繊維の大部分が圧縮ゴム内に埋設されているため、短繊維の配合量の割にはリブ表面への露出量が少なく、スリップ抑制効果を充分に得ることはできなかった。一方、露出量を多くしようとすると圧縮ゴムに短繊維を多量に配合させる必要があり、屈曲性が低下するといった問題がある。この問題に対して、研磨により短繊維の突出部分を変形させて露出量を大きくすることが考えられるが、綿短繊維は研磨においても変形が僅かまたは殆どないため、配合量を増加させる以外には露出量を大きくすることができないのが現状である。しかしながら、綿短繊維はゴムへの分散が悪いことから、配合量増加によるベルト寿命の低下が顕著であり、配合量を増加させる以外の手段を講じることが強く求められている。
上記問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、本発明を提案するものであり、その目的とするところは、耐摩耗性、静音性が高く、優れた耐熱屈曲性を兼ね備えた動力伝動ベルトを提供することにある。
即ち、本願請求項1記載の発明は、摩擦伝動面に、少なくとも綿短繊維を含有する複数の素材の短繊維を固着した植毛層が設けられてなり、植毛層の表面は、綿以外の素材の短繊維が、綿短繊維に比べて等しいか多く露出していることを特徴とした摩擦伝動ベルトである。
本願請求項2記載の発明は、請求項1記載の摩擦伝動ベルトにあって、摩擦伝動面を構成するゴム層が、ゴム成分100重量部に対して超高分子量ポリエチレン粉体を5〜80重量部含有するゴム組成物で構成されることを特徴とする。
本願請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の摩擦伝動ベルトにあって、ポリオレフィン粉体が、超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする。
本願請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルトにあって、植毛層が、綿短繊維と綿以外の素材の短繊維が分散して混存する層からなり、綿短繊維が5〜50重量%含有されることを特徴とする。
本願請求項5記載の発明は、請求項4記載の摩擦伝動ベルトにあって、綿以外の素材の短繊維が、ポリアミド短繊維を含有することを特徴とする。
本願請求項6記載の発明は、請求項5記載の摩擦伝動ベルトにあって、植毛層が、綿短繊維とポリアミド短繊維を10:90〜50:50の重量割合で含有することを特徴とする。
本願請求項7記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルトにあって、植毛層が、綿短繊維から構成される第1植毛層と綿以外の素材の短繊維から構成される第2植毛層との少なくとも2層構成からなり、第1植毛層が第2植毛層より内層に設けられていることを特徴とする。
本願請求項8記載の発明は、請求項7記載の摩擦伝動ベルトにあって、綿以外の素材の短繊維が、ポリアミド短繊維を含有することを特徴とする。
本願請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルトにあって、摩擦伝動ベルトが、ベルト長手方向に延びるリブ部を配設したVリブドベルトであり、リブ部表面に植毛層が設けられていることを特徴とする。
本願請求項1記載の発明によれば、摩擦伝動面に、綿短繊維を含有する植毛層を形成することで、ベルト加工性に悪影響を与えることなく、被水時(WET時)の耐発音性、伝達性を向上させることができると共に、植毛層の表面に綿以外の短繊維を綿短繊維に比べて等しいか多く露出させることで、摩擦係数の高い綿短繊維の露出を抑え、通常走行時(DRY時)の摩擦係数を低くし、耐発音性を高めることが可能となる。これによって、WET時、DRY時の摩擦係数の変動が小さい摩擦伝動ベルトとすることができる。
本願請求項2記載の発明によれば、摩擦伝動面を構成するゴム層が特定量のポリオレフィン粉体を含有したゴム組成物で構成させることで、経時走行劣化後においても摩擦係数の上昇を抑制し、耐発音性の持続性を高めることができ、しかも耐久性に優れた構成とすることができる。
本願請求項3記載の発明によれば、ポリオレフィン粉体として超高分子量ポリエチレンを選択することで、経時走行劣化後の摩擦係数低減効果、耐発音効果そして耐久性が更に高まる。
本願請求項4記載の発明によれば、植毛層が、綿短繊維と綿以外の素材の短繊維が分散して混存する層からなり、綿短繊維が5〜50重量%含有されることで、植毛層の組成が幅方向、厚み方向で均一となるため、前記効果を安定的にかつ長期に渡って持続させることができる。また植毛層が単一層からなることから、簡便に植毛層を形成することが可能であり、低コストな摩擦伝動ベルトを提供することができる。
本願請求項5記載の発明によれば、植毛層が、ポリアミド短繊維を含有することで、DRY時の摩擦係数を低減する効果が高く、耐摩耗性や静音性を更に向上せしめた摩擦伝動ベルトとできる。
本願請求項6記載の発明によれば、綿短繊維とポリアミド短繊維の重量割合を特定することで、WET時の発音抑制効果、摩擦係数の安定性、並びに耐摩耗性にバランスのとれた構成とすることができる。
本願請求項7記載の発明によれば、綿短繊維から構成される第1植毛層が、綿以外の素材の短繊維から構成される第2植毛層で被覆された構成となるため、植毛層表面への綿短繊維の露出を抑えつつ、より多くの綿短繊維を植毛層に含有させることが可能となる。これにより、WET時の耐発音性、伝達性を優れたものとしつつ、DRY時の摩擦係数を低くし、耐発音性を高めることが可能となる。これによって、WET時、DRY時の摩擦係数の変動が小さい摩擦伝動ベルトとすることができる。
本願請求項8記載の発明は、植毛層が、ポリアミド短繊維を含有することで、DRY時の摩擦係数を低減する効果が高く、耐摩耗性や静音性を更に向上せしめた摩擦伝動ベルトとなる。
本願請求項9記載の発明は、摩擦伝動ベルトが、ベルト長手方向に延びるリブ部を配設したVリブドベルトであり、リブ部表面に植毛層が設けられていることで、リブ面での摩擦伝動において、前記効果を奏することが可能になる。
図1に本発明に係る摩擦伝動ベルトの一実施例としてVリブドベルトの断面図を示す。
Vリブドベルト1は、短繊維をランダム配向させたゴム層からなる伸張部5と、撚糸コードよりなる心線3を埋設した接着部2、その下側に圧縮部6を配置した構成からなる。前記心線3は、その一部が伸張部5に接し、残部が接着部2に接した状態となっている。そして圧縮部6は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有しており、該リブが摩擦伝動部、そしてリブ側面9が摩擦伝動面となり、該摩擦伝動面に植毛層7を配設した構成となっている。
Vリブドベルト1は、短繊維をランダム配向させたゴム層からなる伸張部5と、撚糸コードよりなる心線3を埋設した接着部2、その下側に圧縮部6を配置した構成からなる。前記心線3は、その一部が伸張部5に接し、残部が接着部2に接した状態となっている。そして圧縮部6は、ベルト長手方向に延びる断面略三角形である台形の複数のリブを有しており、該リブが摩擦伝動部、そしてリブ側面9が摩擦伝動面となり、該摩擦伝動面に植毛層7を配設した構成となっている。
本発明は、摩擦伝動ベルトの摩擦伝動面に、少なくとも綿短繊維を含有する複数の素材の短繊維を固着した植毛層が設けられてなり、植毛層の表面は、綿以外の素材の短繊維が、綿短繊維に比べて等しいか多く露出していることを特徴とする。綿短繊維を含有する植毛層を形成することで、ベルト加工性に悪影響を与えることなく、WET時の耐発音性、伝達性を向上させることができると共に、植毛層の表面に綿以外の短繊維を綿短繊維に比べて等しいか多く露出させることで、摩擦係数の高い綿短繊維の露出を抑え、DRY時の摩擦係数を低くすることが可能となる。植毛層の表面に、綿以外の素材の短繊維を、綿短繊維に比べて等しいか多く露出させる具体的な構成としては、以下の2構成を例示することができる。
(1)植毛層が、綿短繊維と綿以外の素材の短繊維が分散して混存する層からなり、綿短繊維が5〜50重量%含有される。即ち、植毛層において綿短繊維が短繊維総量の5〜50重量%含有されるため、植毛層の表面には、綿以外の素材の短繊維が、綿短繊維に比べて等しいか多く露出させることができる。この構成によれば、植毛層の組成が、幅方向、厚み方向で均一な単一層からなるため、効果を安定的にかつ長期に渡って持続させることができる。綿短繊維の含有量が5重量%未満では、WET時のスリップ音を抑制する効果、並びにWET時、DRY時の摩擦係数の変動を緩和する効果に乏しい。一方、50重量%を超えると、綿短繊維の露出量が多くなるため、DRY時の摩擦係数が高くなり、耐摩耗性に乏しいと共に、ミスアライメントなどによる発音を抑制する効果が充分でない。更に、綿短繊維の吸水性によってWET時に摩擦伝動面とプーリとの間に水膜ができ、スリップ音が発生するといった弊害がある。
(2)植毛層が、綿短繊維から構成される第1植毛層と綿以外の素材の短繊維から構成される第2植毛層との少なくとも2層構成からなり、第1の植毛層が第2の植毛層より内層に設けられる。植毛層が2層構成である場合、第1植毛層は、短繊維の大部分又は全部がゴム層(摩擦伝動部)に埋設されて固着されてなる層であり、また第2植毛層は、第1植毛層の表面に短繊維が固着されてなる層であるが、第2植毛層の短繊維の一部がゴム層(摩擦伝動部)に埋設されて固着されていてもよい。尚、第1植毛層と第2植毛層の界面は完全に明確ではなく、各植毛層を構成する短繊維が他方植毛層に一部存在することがあるが、その大部分が各層に存在すればよいものである。また第1植毛層は第2植毛層に完全に被覆されている必要はなく、植毛層表面に、綿以外の素材の短繊維が、綿短繊維に比べて等しいか多く露出されるように構成すればよい。尚、WET時には、水が植毛層の内層まで達すると考えられるため、表面に露出している綿短繊維はもちろんであるが、内層に存在する綿短繊維も吸水効果を奏することができると考えられる。
綿短繊維は、好ましくは繊維長が0.1〜2.0mm、繊維径が5〜70μm、更に好ましくは0.2〜1.0mm、繊維径が10〜30μmのものが用いられる。またアスペクト比(長さLmm/太さ直径Dmm)は30〜300であることが望ましい。
綿以外の素材の短繊維としては、46ナイロン、6ナイロン,66ナイロンなどのポリアミド短繊維、レーヨン短繊維、p−アラミド,m−アラミドなどのアラミド短繊維、そしてポリエチレン短繊維などを含有させることができるが、なかでも摩擦係数を低くする効果の高いポリアミド短繊維を含有させることが望ましい。繊維長は好ましくは、0.05〜2.5mm、繊維径が3〜80μm、より好ましくは0.1〜2.0mm、繊維径が5〜70μm、更に好ましくは0.2〜1.0mm、繊維径が10〜30μmのものが用いられる。またアスペクト比(長さLmm/太さ直径Dmm)は30〜300であることが望ましい。ポリアミド短繊維を含有させることで、摩擦伝動面の摩擦係数を低減し、耐摩耗性が向上すると共に、DRY時のミスアライメントなどによる発音を抑制する効果がある。前記構成(1)の場合、ミスアライメントなどによる発音抑制効果、DRY時、WET時の摩擦係数の安定性、及び耐摩耗性などを考慮すると、綿短繊維とポリアミド短繊維を重量割合で1:9〜5:5となるよう構成することが望ましい。
植毛層における短繊維の密度は摩擦係数や走行時の音に寄与するものであり、例えば10,000〜500,000本/cm2が望ましいが、限定されるものではない。また植毛層は、0.05〜0.5mmの厚みとすることが好ましい。尚、植毛層とは圧縮部(摩擦伝動部)表面に短繊維が存在する層を指し、短繊維が存在するとは、ゴム層(圧縮部)に短繊維の一部が埋没し且つ残部が表面から突出している状態、ゴム層に短繊維全体が埋没している状態、ゴム層に埋没していないが「ゴム層表面」に固着されている状態、ゴム層に埋没していないが「ゴム層に固着されている短繊維」に固着されている状態、を指す。0.05mm未満では摩耗により植毛層の効果が薄れてしまうといった不具合がある。一方、0.5mmを超えると圧縮部表面の伸縮性が損なわれる為、耐屈曲疲労性に乏しくなる。
尚、植毛層には短繊維以外に固体潤滑剤などを固着させこともできる。固体潤滑材としては、グラファイト、二硫化モリブデン、雲母、タルク、三酸化アンチモン、2セレン化モリブデン、二硫化タングステン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを単独もしくは併用して用いることができる。これら短繊維や固体潤滑剤は接着剤を介して摩擦伝動面に固着されている。
動力伝動面を構成する圧縮部6はゴム組成物で構成され、原料ゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン−・α−オレフィンゴム、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材を単独で、またはこれらを混合して用いることが使用できる。なかでもエチレン・α−オレフィンゴムが、優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価で、脱ハロゲンという要求を満たすことから好ましく用いられる。また、エチレン・α−オレフィンゴムは他のゴムに比べて水濡れ性に乏しいことから、本発明の適用によって注水時の動力伝動性及び静音性の向上が顕著である。
エチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンなど)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などのゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。EPDMは耐熱性や耐寒性に優れるという特性を有しており、耐熱・耐寒性能の高い動力伝動ベルトを得ることができる。このEPDMはヨウ素価が3〜40のものが好ましく用いられる。ヨウ素価が3未満であると、ゴム組成物の加硫が十分でなく摩耗や粘着の問題が発生し、またヨウ素価が40を超えると、ゴム組成物のスコーチが短くなって扱い難くなり、耐熱性が悪くなるものである。
上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1.1−t−ブチルペロキシ−3.3.5−トリメチルシクロヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(t−ブチルペロキシ)ヘキサン−3、ビス(t−ブチルペロキシジ−イソプロピル)ベンゼン、2.5−ジ−メチル−2.5−ジ(ベンゾイルペロキシ)ヘキサン、t−ブチルペロキシベンゾアート、t−ブチルペロキシ−2−エチル−ヘキシルカーボネートが挙げられる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、ゴム100重量部に対して1〜8重量部の範囲で好ましく使用される。
また加硫促進剤を配合しても良い。加硫促進剤としてはチアゾール系、チウラム系、スルフェンアミド系の加硫促進剤が例示でき、チアゾール系加硫促進剤としては、具体的に2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンドチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等があり、チウラム系加硫促進剤としては、具体的にテトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド等があり、またスルフェンアミド系加硫促進剤としては、具体的にN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N’−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等がある。また、他の加硫促進剤としては、ビスマレイミド、エチレンチオウレアなども使用できる。これら加硫促進剤は単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。
また、共架橋剤(co−agent)を配合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題を防止することができる。共架橋剤として挙げられるものとしては、TAIC、TAC、1,2ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンポリ(P−ジニトロベンゾキノン)、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常、有機過酸化物架橋に用いるものであるが、なかでもN,N’−m−フェニレンジマレイミド及び/又はキノンジオキシム類が好ましい。その配合量はゴム100重量部に対して、0.5〜10重量部が望ましく、0.5重量部未満では添加による効果が顕著でなく、10重量部を超えると引裂き力や接着力が低下するといった不具合がある。このとき、共架橋剤としてN,N’−m−フェニレンジマレイミドを選択した場合、架橋密度が高くなり、耐摩耗性が高く、また注水時と乾燥時の伝達性能の差が少ないといった特徴がある。またキノンジオキシム類を選択した場合は、繊維基材との接着性に優れるといった特徴がある。
更に、上記ゴム組成物に固体潤滑剤を配合することによって、耐発音性を向上せしめることができる。固体潤滑材としては、上述のものを単独もしくは併用して用いることができる。好ましくはグラファイト、二硫化モリブデン、そしてPTFEから少なくとも1種選ばれたものである。固体潤滑剤の添加量はゴム100重量部に対して10〜100重量部、更に好ましくは10〜60重量部であり、10重量部未満の場合にはベルト表面の摩擦係数がさほど変化しないため発音抑制効果が顕著でなく、他方100重量部を越えると、ゴム物性の伸びが小さくなり、ベルト寿命が短くなる。
そして、上記植物性軟質粒以外に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤、短繊維のような通常のゴム配合物に使用されるものを用いることができる。
また圧縮部にはポリオレフィン粉体を配合することができる。具体的には、ゴム成分100重量部に対してポリオレフィン粉体を5〜80重量部含有するゴム組成物で圧縮部を構成することができる。摩擦伝動面に植毛層を有する摩擦伝動ベルトは、走行において植毛層が摩耗するにつれ、摩擦伝動面を構成するゴム層がリブ表面に露出して摩擦係数が上昇し、耐発音性が低下する傾向があるが、この摩擦伝動面を構成するゴム層を前記ゴム組成物で形成とすることで、経時劣化後も摩擦特性及び耐発音性に優れるといった特徴がある。尚、ポリオレフィン粉体が5重量未満では、効果が殆どなく、一方で80重量部を超えると、耐久性が急激に低下するといった恐れがある。またポリオレフィン粉体は、平均一次粒子径が10〜200μmのものが好ましく用いられる。
前記ポリオレフィンとして、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができるが、なかでも摩擦係数低減効果が高い超高分子量ポリエチレンを選択することが望ましい。超高分子量ポリエチレンは、平均分子量が粘度法で100万g/mol以上、光散乱法で300万g/mol以上のものを総称するが、本発明で用いられるものとしてはその中でも粘度法による平均分子量が300万〜800万g/molのものが好ましい。また超高分子量ポリエチレンの融点又は軟化点は、100〜150°Cのものが好ましく用いられる。
尚、ここでは、圧縮部全体をポリオレフィン粉体を配合したゴム組成物で構成した実施例を示したが、摩擦伝動面を構成するゴム組成物がポリオレフィン粉体を配合されていればよいので、圧縮部の表面層のみポリオレフィン粉体を含有するゴム組成物で構成してもよい。具体的には、圧縮部を表面層と内部層の2層構成とし、表面層のみポリオレフィン粉体を含有するゴム組成物で構成すると、コスト面、耐久面で有利であることから望ましい。また限定されるものではないが、表面層の厚みは0.1〜1.5mmであることが好ましい。
接着部2は、圧縮部6と同様のゴム組成物を用いることもできるが、別のゴム組成物で構成してもよい。上述の如き原料ゴム、配合剤を用いることができるが、接着性を考慮すると短繊維は混入しないほうが好ましい。
心線3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、またはアラミド繊維などから構成される撚糸コードが使用できる。
前記心線3は接着処理を施されることが望ましく、例えば(1)未処理コードをエポキシ化合物やイソシアネート化合物から選ばれた処理液を入れたタンクに含浸してプレディップした後、(2)160〜200°Cに温度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、(3)続いてRFL液からなる接着液を入れたタンクに浸漬し、(4)210〜260°Cに温度設定した延伸熱固定処理器に30〜600秒間通し−1〜3%延伸して延伸処理コードとする、ことができる。
この前処理液で使用するイソシアネート化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。このイソシアネート化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
RFL処理液はレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物をゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は1:2〜2:1にすることが接着力を高める上で好適である。モル比が1/2未満では、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂の三次元化反応が進み過ぎてゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシンとホルムアルデヒドの反応があまり進まないため、接着力が低下する。
ゴムラテックスとしては、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどがあげられる。
また、レゾルシン・ホルムアルデヒドの初期縮合物と上記ゴムラテックスの固形分重量比は1:2〜1:8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾルシン−ホルムアルデヒドの樹脂分が多くなり、RFL皮膜が固くなり動的な接着が悪くなり、他方1/8を超えると、レゾルシン・ホルムアルデヒドの樹脂分が少なくなるため、RFL皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
更に、上記RFL液には加硫促進剤や加硫剤を添加してもよく、添加する加硫促進剤は、含硫黄加硫促進剤であり、具体的には2−メルカプトベンゾチアゾール(M)やその塩類(例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、シクロヘキシルアミン塩等)ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)ジエチルジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)等のジチオカルバミン酸塩類等がある。
また、加硫剤としては、硫黄、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛)、有機過酸化物等があり、上記加硫促進剤と併用する。
上記心線3を用いたVリブドベルト1は、Vリブドベルトを2%伸張させるのに必要な引張力が100〜250N/リブ、更に好ましくは130〜210N/リブとすると、たとえリブゴム摩耗等によりベルト伸びが発生した場合でも、急激な張力低下を引き起こすことなく、安定した張力が維持できる。250N/リブを超えるとベルト伸び時に急激な張力低下が見られ、100N/リブ未満であると心線伸びによるベルト張力低下が大きくなる。
またベルトに147N/5本コードの初荷重をかけ、100°C雰囲気下30分放置した後に発生したベルト乾熱時収縮力が50〜150N/5本コードである特性を付与すると、ベルト伸びが発生しても張力を自己調整可能であり、オートテンショナーを設置しなくともベルトスリップ率が小さくてベルト寿命が長いものを得ることができる。ベルト乾熱時収縮力が50N未満の場合には、ベルト張力を調整する性能に乏しく、スリップ率が高くなる傾向がある。また、ベルト乾熱時収縮力が150Nを越える場合には、ベルト長さの経時収縮が大きくなる傾向がある上に、スリップ率が小さくなる効果は小さい。
伸張部5は、圧縮部6と同様のゴム組成物を用いることもできるが別のゴム組成物で構成してもよい。ここで伸張部5は、短繊維を含有するゴム組成物で形成されているが、背面駆動時の異音を抑制すべく、背表面に凹凸パターンを設けることもできる。凹凸パターンとしては、編布パターン、織布パターン、スダレ織布パターンなどを挙げることができるが、最も好ましくは織物パターンである。また短繊維としては、ポリエステル、アラミド、ポリアミド、綿、PBOなどの短繊維を所望に応じて配合することができる。図1において短繊維はランダム方向に配向しているが、ベルト幅方向に配向させるなど一方向に配向していてもかまわない。尚、ランダム方向に配向させた場合、多方向からの裂きや亀裂の発生を抑制できるといった特徴があるが、このとき短繊維として屈曲部を有する短繊維(例えばミルドファイバー)を選択すると、より多方向から作用する力に対して耐性ができるといった特徴がある。ミルドファイバーは、例えばポリアミド製のものを用いることができ、繊維長が0.1〜3.0mmの範囲であることが望ましい。また、伸張部における短繊維の配合量は、ゴム100重量部に対して短繊維が35〜100の範囲の割合となるように、短繊維が含有されていることが望ましい。
尚、Vリブドベルトは、図1のような構成に限定されず、例えば接着部を配置しないVリブドベルトや、背面に帆布を貼着させたVリブドベルトなども本発明の技術範囲に属する。以下、これらの実施形態を図面をもとに説明する。
図2に示すVリブドベルト21は、背面に植毛層28を設けたゴム組成物で形成された伸張部25と、該伸張部25の下層に圧縮部26を配置した構成を有する。心線23は、ベルト長手方向に沿って本体内に埋設されてなり、その一部が伸張部25に接し、残部が圧縮部26に接した状態となっている。そして前記圧縮部26はベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブが設けられている。ここで、圧縮部26に含有される短繊維はリブ形状に沿った流動状態を呈し、表面近傍の短繊維はリブ形状に沿って配向している。そしてリブ表面に植毛層27を配設した構成となっている。
図3に示すVリブドベルト31は、帆布34を貼着して構成された伸張部35と、該伸張部35の下層に接着部32が配設され、更にその下層に圧縮部36を配置した構成を有する。心線33は、ベルト長手方向に沿って接着部32に埋設されてなる。そして、前記圧縮部36にはベルト長手方向に伸びる断面略三角形の複数のリブが設けられている。そしてリブ表面に植毛層37を配設した構成となっている。
図2のように接着部を配置しない構成の場合、心線23は伸張部25と圧縮部26の境界領域でベルト本体に埋設されることになる。この時、心線23とベルト本体との接着性を考慮すると、伸張部25及び圧縮部26のどちらか一方のゴム層は、短繊維を含有しないゴム組成物で構成することが望ましい。
また図2では、伸張部25を短繊維を含有しないゴム組成物表面に植毛層28を設けた構成としているが、短繊維を含有するゴム組成物表面に植毛層を設けた構成とすることも可能である。
更に図2では、圧縮部26に含有される短繊維はリブ形状に沿った流動状態を呈しているが、短繊維が幅方向に配向した構成としてもかまわない。
図3の伸張部を構成する帆布34は、織物、編物、不織布などから選択される繊維基材である。構成する繊維素材としては、公知公用のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の有機繊維が挙げられる。織物の場合は、これらの糸を平織、綾織、朱子織等することにより製織される。
上記帆布34は、公知技術に従ってRFL液に浸漬することが好ましい。またRFL液に浸漬後、未加硫ゴムを帆布34に擦り込むフリクションを行ったり、ゴムを溶剤に溶かしたソーキング液に浸漬処理することができる。尚、RFL液には適宜カーボンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の界面活性剤を0.1〜5.0重量%加えてもよい。
尚、Vリブドベルトが背面伝動を行う場合は、伸張部の表面も摩擦伝動面となりうる。よって、伸張部もまた本発明を適用することができる。
次に、これらVリブドベルトの製造方法を説明する。製造方法としては限定されるものではないが例えば以下のような方法がある。
第1の方法としては、まず、円筒状の成形ドラムの周面に伸張部を構成する部材と接着部を構成する接着ゴムシートとを巻き付けた後、この上にコードからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に圧縮部を構成する圧縮ゴムシートを順次巻き付けて未加硫スリーブを形成した後、加硫して加硫スリーブを得る。次に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させた研削ホイールを走行中の該加硫スリーブに当接するように移動してスリーブの圧縮部表面に3〜100個の複数の溝状部を一度に研磨して摩擦伝動面を形成する。このようにして得られたスリーブを駆動ロールと従動ロールから取り外し、該スリーブを他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定に幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
第2の方法としては、周面にリブ刻印を設けた円筒状の成形ドラムに、圧縮部を構成する圧縮ゴムシート、接着部を構成する接着ゴムシートを巻き付けた後、心線をスピニングし、伸張部を構成する部材を巻き付けて未加硫スリーブを配置する。その後、該未加硫スリーブを成形ドラムに押圧しながら加硫することで、圧縮部にリブを型付けする。得られた加硫スリーブにはリブが形成されてなるが、必要に応じてリブ表面を研磨し、所定幅に切断して個々のVリブドベルトとする。
第3の方法としては、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に伸張部を構成する部材、接着部を構成する接着ゴムシートを巻き、その上に心線をスピニングした後、さらに圧縮部を構成する圧縮ゴムシートを順次無端状に捲き付けて未加硫スリーブを形成する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して加硫成形する。得られた加硫スリーブにはリブが形成されてなるが、必要に応じてリブ表面を研磨し、所定幅に切断して個々のVリブドベルトとする。
第4の方法としては、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に圧縮部を構成する圧縮ゴムシートを配置した第1未加硫スリーブを形成した後、可撓性ジャケットを膨張させて、該第1未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して、リブ部を有する予備成型体を作製する。そして、前記予備成型体を密着させた外型から、内型を離間させ、次いで、内型に伸張部を構成する部材、接着部を構成する接着ゴムシートを配置し、心線をスピニングして第2未加硫スリーブを形成する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、前記予備成型体を密着させた外型に、該第2未加硫スリーブを内周側から押圧して予備成型体と一体的に加硫する。得られた加硫ベルトスリーブにはリブが形成されてなるが、必要に応じてリブ表面を研磨し、所定幅に切断して個々のVリブドベルトとする。
また図2のような接着部を配置しないVリブドベルトは、上記方法において接着ゴムシートを配置せずに製造することで得ることができる。更に図2のように圧縮部26に含有される短繊維はリブ形状に沿った流動状態を呈しているVリブドベルトは、例えば第2の方法、第3の方法、もしくは第4の方法で製造することで得られる。そして、圧縮部に含有される短繊維が幅方向に配向したVリブドベルトは、例えば第1の方法で製造することで得られる。
ここで、植毛層を有する圧縮部を形成する手法として、植毛層を有する圧縮ゴムシートを使用することが挙げられる。植毛層を有する圧縮ゴムシートは、未加硫ゴムシート表面に接着剤層を形成し、短繊維を接着剤層上に付着させることにより作製できる。
接着剤層を形成する方法としては、例えば接着剤をスプレー法、ディップ法等により塗布する方法が挙げられる。尚、接着剤層を形成する前に、表面をアルコール拭きなどのクリーニング処理、プライマー処理等の前処理を行ってもよい。
接着剤としては、RFL液、ウレタン系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、スチレン系エマルジョン、ゴム系接着剤、有機溶剤系接着剤等がある。RFL液はレゾルシンとホルムアルデドとの初期縮合体をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NBR、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴムラテックスなどである。また、RFL液にイソシアネート化合物を添加することができる。
接着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.05〜0.5mm、好ましくは0.05mm〜0.3mmである。
短繊維を付着させる方法としては、機械的、静電気的など方法は限定されるものではない。例えば接着剤層を形成したゴムシート上に、短繊維を落下または吹き付けなどにより、ゴム表面に短繊維を付着させ、その後、自然または加熱乾燥を行う。また例えば、接着剤層を形成したゴムシートを配置した金型をアースとし、静電植毛機の電極に電圧を印加することにより電界を形成し、この電界内に表面を電着処理した短繊維を供給し、飛翔させてゴム表面に向けて突き刺すことにより短繊維を付着させ、その後、自然または加熱乾燥を行う。尚、密度や均一性を考慮すると、静電植毛が望ましい。
尚、ゴムシート表面に接着剤層を形成し、短繊維を付着させる代わりに、短繊維を含有する接着剤をゴムシート表面に付着させて植毛層を形成してもかまわない。植毛層を形成する工程は、複数回実施してもよい。更に、異なる種類の短繊維を付着させる方法としては、予め併用する短繊維を混合して用いてもよいし、短繊維を一種ずつ付着処理して異なる種類の短繊維を積層させてもよい。
また植毛層を有する圧縮部を形成する別の手法として、圧縮ゴムシートと接触する金型に短繊維を付着させたものを用いる方法がある。即ち、第2の方法においては、外周面に短繊維を付着させた内型を準備し、植毛層を有しない未加硫圧縮ゴムシートを該内型に捲き付けることにより達成することができる。また第1,3,4の方法においては、内周面に短繊維を付着させた外型を準備し、最外層に圧縮ゴム層を配置した未加硫スリーブを、該外型に接触せしめることにより達成することができる。これら金型を準備する具体的な手法は、金型の周面にシリコンオイル等の離型剤を塗布した後、上述の如き方法で接着剤層を形成し、次いで短繊維を落下又は吹き付けることにより付着させたり、金型を電荷させて短繊維を電気力線によって飛ばして付着させたりすることなどによって、周面に短繊維を付着させた金型を準備することができる。
また加硫後に植毛層を形成してもよい。例えば、第1の方法においては、加硫後に圧縮部表面を研磨してリブを形成するため、予め植毛層を有する圧縮ゴムシートを使用した場合、植毛層が研磨によって損なわれてしまう恐れがある。よって、植毛層を有さない圧縮ゴムシートを用いて加硫ベルトスリーブを作製し、リブを形成した後、植毛を施すことによって、摩擦伝動面に植毛層を設けてもよい。無論、第2,3,4の方法においても同様に、加硫ベルトスリーブに対して植毛を施すことができる。
以下、本発明を具体的な実施例を伴って説明する。
<Vリブドベルトの作製>
実施例1〜3,比較例1〜3
本実施例で作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。そしてリブ表面には植毛層が設けられてなる。
実施例1〜3,比較例1〜3
本実施例で作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。そしてリブ表面には植毛層が設けられてなる。
ベルトの製造方法としては、以下のような公知の方法を用いた。まず、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に伸張ゴムシートを巻きつけ、心線をスピニングし、さらに、圧縮ゴムシートを植毛層が外周面となるよう巻きつけて未加硫ベルトスリーブを形成する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して加硫成形し、得られた加硫ベルトスリーブをカッターにより個々のベルトに切断して、Vリブドベルトを得た。
ここで圧縮ゴムシートは、表1の配合に従いゴム組成物を調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延することにより作製した。圧縮ゴムシートは静電植毛により植毛層が形成されてなるものであって、植毛層を構成する短繊維の種類及び含有割合を表1に示す。また表1の配合に、ナイロンミルドファイバー(繊維長2mm)をゴム100重量部に対して10重量部配合したゴム組成物を調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延し、伸張ゴムシートを作製した。
そして、このVリブドベルトを用いて、耐発音性、摩擦性、耐摩耗性、耐熱耐久性の評価を行った。以下、評価試験方法を示す。
◎ミスアライメント発音試験
評価に用いた試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径120mm)、そしてテンションプーリ(直径70mm)を配置して構成したものである。ここで、駆動プーリと従動プーリ間で1.86°のミスアライメントを設定した。試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、室温条件下で、駆動プーリの回転数が1000rpm、ベルト張力が6kgf/リブになるように駆動プーリに荷重を付与し又、従動プーリに負荷2.1Nm/リブを加えて走行させた時の発音レベルを評価した。発音レベルとしては5段階で評価し、“5”が最も発音レベルが低い状態を示す。尚、“3”以上を発音が気にならないレベルとして定義した。結果を表2に示す。
5:全く聞こえない。
4:聴診器で聞こえる。
3:微かに聞こえる。
2:聞こえる。
1:はっきりと聞こえる。
評価に用いた試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径120mm)、そしてテンションプーリ(直径70mm)を配置して構成したものである。ここで、駆動プーリと従動プーリ間で1.86°のミスアライメントを設定した。試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、室温条件下で、駆動プーリの回転数が1000rpm、ベルト張力が6kgf/リブになるように駆動プーリに荷重を付与し又、従動プーリに負荷2.1Nm/リブを加えて走行させた時の発音レベルを評価した。発音レベルとしては5段階で評価し、“5”が最も発音レベルが低い状態を示す。尚、“3”以上を発音が気にならないレベルとして定義した。結果を表2に示す。
5:全く聞こえない。
4:聴診器で聞こえる。
3:微かに聞こえる。
2:聞こえる。
1:はっきりと聞こえる。
◎耐熱耐久試験
耐熱耐久試験の評価に用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、アイドラープーリ(直径85mm)、従動プーリ(直径120mm)、テンションプーリ(直径45mm)とを順に配置して構成したものである。そして、試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、Vリブドベルトのテンションプーリへの巻き付け角度を90°に、アイドラープーリへの巻きつけ角度を120度にして雰囲気温度120°C、駆動プーリの回転数4900rpm、ベルト張力40kgf/3リブの試験条件で駆動プーリに荷重を付与し、従動プーリに負荷12PSを与えてVリブドベルトを走行させる。走行400時間を打ち切りとし、心線に達する亀裂が6個発生するまでの時間を調べた。結果を表2に併記する。
耐熱耐久試験の評価に用いた走行試験機は、駆動プーリ(直径120mm)、アイドラープーリ(直径85mm)、従動プーリ(直径120mm)、テンションプーリ(直径45mm)とを順に配置して構成したものである。そして、試験機の各プーリにVリブドベルトを掛架し、Vリブドベルトのテンションプーリへの巻き付け角度を90°に、アイドラープーリへの巻きつけ角度を120度にして雰囲気温度120°C、駆動プーリの回転数4900rpm、ベルト張力40kgf/3リブの試験条件で駆動プーリに荷重を付与し、従動プーリに負荷12PSを与えてVリブドベルトを走行させる。走行400時間を打ち切りとし、心線に達する亀裂が6個発生するまでの時間を調べた。結果を表2に併記する。
◎摩耗試験
摩耗試験では、各Vリブドベルトを室温下で駆動プーリ(直径80mm)、従動プーリ(直径80mm)これにテンションプーリ(直径120mm)への巻き付け角度を90°になるように設置し、従動プーリに負荷6.9N・m、回転数3000で24時間走行させた後、ベルト摩耗率を測定した。摩耗率は、走行試験前後のベルト重量を測定し、ベルト重量減量(走行前ベルト重量−走行後ベルト重量)を走行前ベルト重量で除したものを、摩耗率として算出した。結果を表2に併記する。
摩耗試験では、各Vリブドベルトを室温下で駆動プーリ(直径80mm)、従動プーリ(直径80mm)これにテンションプーリ(直径120mm)への巻き付け角度を90°になるように設置し、従動プーリに負荷6.9N・m、回転数3000で24時間走行させた後、ベルト摩耗率を測定した。摩耗率は、走行試験前後のベルト重量を測定し、ベルト重量減量(走行前ベルト重量−走行後ベルト重量)を走行前ベルト重量で除したものを、摩耗率として算出した。結果を表2に併記する。
◎摩擦試験
摩擦試験は、Vリブドベルトを、案内ローラ(直径60mm)にVリブドベルトの巻き付きけ角度が90°となるように掛け、Vリブドベルトの片一端を固定し、他方一端に1.75kgf/3リブのウェイトを垂下させ、案内ローラを43rpmで回転させたときの、ロードセルの値を検出することによって張り側の張力T1と緩み側の張力T2を検出し、張力比(T1/T2)から、摩擦係数μ=(1/2π)ln(T1/T2)を求めた。尚、摩擦試験は、乾燥時(DRY時)と60cc/minで注水時(WET時)の評価を行った。結果を表2に併記する。
摩擦試験は、Vリブドベルトを、案内ローラ(直径60mm)にVリブドベルトの巻き付きけ角度が90°となるように掛け、Vリブドベルトの片一端を固定し、他方一端に1.75kgf/3リブのウェイトを垂下させ、案内ローラを43rpmで回転させたときの、ロードセルの値を検出することによって張り側の張力T1と緩み側の張力T2を検出し、張力比(T1/T2)から、摩擦係数μ=(1/2π)ln(T1/T2)を求めた。尚、摩擦試験は、乾燥時(DRY時)と60cc/minで注水時(WET時)の評価を行った。結果を表2に併記する。
表2の結果より、実施例においては、何れも耐熱耐久性及び耐摩耗性が損なわれておらず、さらに、WET条件での摩擦係数もDRY条件に対してほとんど低下していなかった(DRY時とWET時の摩擦係数の差が少ない)。また耐発音性においても優れた結果が得られた。一方、比較例1〜3は耐熱耐久性に関しては問題がなかったが、植毛層に綿短繊維を全く含有しない比較例1では、WET時に摩擦係数の低下がみられるとともに、WET時に異音の発生が確認された。また植毛層に含有される短繊維をすべて綿短繊維で構成した比較例2では、DRY時、WET時ともに異音があり、かつ耐摩耗性が充分とは言えなかった。そして植毛層に含有される短繊維が50重量%超とした比較例3ではWET時に異音の発生が確認され、また耐摩耗性が充分ではなかった。
<Vリブドベルトの作製>
実施例4〜7,比較例4〜6
本実施例で作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。そしてリブ表面には第1植毛層(内層)と第2植毛層(外層)からなる植毛層が設けられている。
実施例4〜7,比較例4〜6
本実施例で作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。そしてリブ表面には第1植毛層(内層)と第2植毛層(外層)からなる植毛層が設けられている。
ベルトの製造方法としては、以下のような公知の方法を用いた。まず、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に伸張ゴムシートを巻きつけ、心線をスピニングし、さらに、圧縮ゴムシートを植毛層が外周面となるよう巻きつけて未加硫ベルトスリーブを形成する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して加硫成形し、得られた加硫ベルトスリーブをカッターにより個々のベルトに切断して、Vリブドベルトを得た。
ここで圧縮ゴムシートは、表1の配合に従いゴム組成物を調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延することにより作製した。圧縮ゴムシートは静電植毛により植毛層が形成されてなるものであって、植毛層は2層の構成を有し、各植毛層を構成する短繊維の種類を表3に示す。また表3の配合に、ナイロンミルドファイバー(繊維長2mm)をゴム100重量部に対して10重量部配合したゴム組成物を調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延し、伸張ゴムシートを作製した。
そして、このVリブドベルトを用いて、耐発音性、摩擦性、耐摩耗性、耐熱耐久性の評価を行った。評価試験方法は上述と同様である。結果を表4に示す。また表面拡大写真にてリブ表面を確認したところ、実施例4〜7では表面の大部分にナイロン短繊維が露出しており、綿短繊維は僅かに露出しているのが確認できた。一方、比較例5,6では表面の大部分に綿短繊維が露出しており、ナイロン短繊維は僅かに露出しているのが確認された。
表4の結果より、実施例においては、何れも耐熱耐久性及び耐摩耗性が損なわれておらず、さらに、WET条件での摩擦係数もDRY条件に対してほとんど低下していなかった(DRY時とWET時の摩擦係数の差が少ない)。また耐発音性においても優れた結果が得られた。一方、比較例4〜6は耐熱耐久性に関しては問題がなかったが、植毛層に綿短繊維を全く含有しない比較例4では、WET時に摩擦係数の急激な低下がみられ、DRY時とWET時の摩擦係数の差が大きいことが知見された。また外層に綿短繊維からなる層を配置した比較例5、植毛層に含有される短繊維をすべて綿短繊維で構成した比較例6では、DRY時の摩擦係数が高く、WET時との摩擦係数の差が大きいことが確認された。
<Vリブドベルトの作製>
実施例8〜10,参考例1〜3
次に、伝動面のポリオレフィン配合による効果を確認した。本実施例及び参考例では作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。又、圧縮部は表面層と内部層からなる2層構成であって、各層は異なる配合から形成されてなる。そしてリブ表面には植毛層(内層)と第2植毛層(外層)からなる植毛層が設けられている。
実施例8〜10,参考例1〜3
次に、伝動面のポリオレフィン配合による効果を確認した。本実施例及び参考例では作製したVリブドベルトは、ベルト本体にポリエステル繊維のコードからなる心線を埋設し、背面(伸張部)をゴム層で形成し、他方の面側に設けられた圧縮部に3個のリブ部をベルトの長手方向に配したものである。前記伸張部には短繊維が含有されてなり、該短繊維はランダム方向に配向している。又、圧縮部は表面層と内部層からなる2層構成であって、各層は異なる配合から形成されてなる。そしてリブ表面には植毛層(内層)と第2植毛層(外層)からなる植毛層が設けられている。
ベルトの製造方法としては、以下のような公知の方法を用いた。まず、円筒状の成形ドラムに装着された可撓性ジャケットの上に伸張ゴムシートを巻きつけ、心線をスピニングし、さらに、圧縮ゴムシートを植毛層が外周面となるよう巻きつけて未加硫ベルトスリーブを形成する。そして、可撓性ジャケットを膨張させて、未加硫スリーブをリブ部に対応した刻印を有する外型に押圧して加硫成形し、得られた加硫ベルトスリーブをカッターにより個々のベルトに切断して、Vリブドベルトを得た。
ここで圧縮ゴムシートは、表5の配合に従いゴム組成物を調製し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延することにより、2層構成を有する圧縮ゴムシートを作製した。ここで表面層の厚みは0.3mmであった。尚、圧縮ゴムシートは静電植毛により植毛層が形成されてなるものであって、植毛層は2層の構成を有し、第1植毛層(内層)に綿(繊維長0.4mm、繊維径20μm)と第2植毛層(外層)にナイロン66(繊維長0.4mm、繊維径20.2μm)からなる植毛層が設けられている。また表5の内部層の配合に、ナイロンミルドファイバー(繊維長2mm)をゴム100重量部に対して10重量部配合したゴム組成物を調整し、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールにて圧延し、伸張ゴムシートを作製した。
そして、このVリブドベルトを用いて、耐発音性、摩擦性、耐摩耗性、耐熱耐久性の評価を行った。評価試験方法は上述と同様である。結果を表6に示す。また表面拡大写真にてリブ表面を確認したところ、実施例及び参考例共に表面の大部分にナイロン短繊維が露出しており、綿短繊維は僅かに露出しているのが確認できた。尚、摩擦性、耐発音性の評価は、上記耐熱耐久試験における試験装置にて150時間走行後(劣化後)のベルトについても実施した。
表6の結果より、実施例においては、何れも耐熱耐久性及び耐摩耗性が損なわれておらず、さらに、WET条件での摩擦係数もDRY条件に対してほとんど低下していなかった(DRY時とWET時の摩擦係数の差が少ない)。また耐発音性においても優れた結果が得られた。更に、劣化後のベルトについても摩擦係数の上昇は見られず、DRY条件では低い摩擦係数を維持できており、且つWET時との摩擦係数の差が少なく、耐発音性においても良好であった。
一方、ポリオレフィン(超高分子量ポリエチレン)を含まない参考例1では劣化後の摩擦係数が上昇しており、耐発音性が低下することが確認された。またポリオレフィン(超高分子量ポリエチレン)を少量配合した参考例2でも同様に劣化後の摩擦係数の上昇が確認され、耐発音性が低下していることが判った。そしてポリオレフィン(超高分子量ポリエチレン)を多量に配合した参考例3では、経時劣化後も摩擦係数が低く、しかもDRY時とWET時の摩擦係数の差が少なかったが、耐熱耐久性で他と比べ劣る結果となった。
本発明にかかる摩擦伝動ベルトは自動車用あるいは一般産業用の駆動装置などに装着できる。
1 Vリブドベルト(摩擦伝動ベルト)
3 心線
2 接着部
5 伸張部
6 圧縮部(摩擦伝動部)
7 植毛層
9 リブ側面(摩擦伝動面)
3 心線
2 接着部
5 伸張部
6 圧縮部(摩擦伝動部)
7 植毛層
9 リブ側面(摩擦伝動面)
Claims (9)
- 摩擦伝動面に、少なくとも綿短繊維を含有する複数の素材の短繊維を固着した植毛層が設けられてなり、植毛層の表面は、綿以外の素材の短繊維が、綿短繊維に比べて等しいか多く露出していることを特徴とした摩擦伝動ベルト。
- 摩擦伝動面を構成するゴム層が、ゴム成分100重量部に対してポリオレフィン粉体を5〜80重量部含有するゴム組成物で構成される請求項1記載の摩擦伝動ベルト。
- ポリオレフィン粉体が、超高分子量ポリエチレンである請求項1又は2記載の摩擦伝動ベルト。
- 植毛層が、綿短繊維と綿以外の素材の短繊維が分散して混存する層からなり、綿短繊維が5〜50重量%含有される請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルト。
- 綿以外の素材の短繊維が、ポリアミド短繊維を含有する請求項4記載の摩擦伝動ベルト。
- 植毛層が、綿短繊維とポリアミド短繊維を10:90〜50:50の重量割合で含有する請求項5記載の摩擦伝動ベルト。
- 植毛層が、綿短繊維から構成される第1植毛層と綿以外の素材の短繊維から構成される第2植毛層との少なくとも2層構成からなり、第1植毛層が第2植毛層より内層に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルト。
- 綿以外の素材の短繊維が、ポリアミド短繊維を含有する請求項7記載の摩擦伝動ベルト。
- 摩擦伝動ベルトが、ベルト長手方向に延びるリブ部を配設したVリブドベルトであり、リブ部表面に植毛層が設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩擦伝動ベルト。
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-
2006
- 2006-08-30 JP JP2006234353A patent/JP2007298162A/ja active Pending
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