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JP2007291330A - ポルフィリン化合物、ポルフィリン化合物の製造方法、三次元光記録材料および三次元光記録媒体 - Google Patents

ポルフィリン化合物、ポルフィリン化合物の製造方法、三次元光記録材料および三次元光記録媒体 Download PDF

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JP2007291330A
JP2007291330A JP2007001730A JP2007001730A JP2007291330A JP 2007291330 A JP2007291330 A JP 2007291330A JP 2007001730 A JP2007001730 A JP 2007001730A JP 2007001730 A JP2007001730 A JP 2007001730A JP 2007291330 A JP2007291330 A JP 2007291330A
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JP2007001730A
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English (en)
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Yoshiaki Obuie
芳明 小夫家
Kazuya Ogawa
和也 小川
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Nara Institute of Science and Technology NUC
Original Assignee
Nara Institute of Science and Technology NUC
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Abstract

【課題】三次元光記録材料等の用途に好適な化合物を提供する。
【解決手段】例えば下記構造の化合物が例示される。
Figure 2007291330

はZn等の金属であり、R,RはH,アルキル基等を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポルフィリン化合物、ポルフィリン化合物の製造方法、三次元光記録材料および三次元光記録媒体に関する。
情報記録媒体は、業務用、家庭用、個人用等のあらゆる用途に使用されている。このため、情報記録媒体は、現代の産業および社会において極めて重要である。情報記録媒体の中でも、光により情報の記録を行う光記録媒体は、現在、特に広く用いられている。光記録媒体は、情報記録の簡便性、記録容量の大きさ等を有するためである。光記録媒体の主流としては、例えば、CD、MO、DVD等などがある。これら光記録媒体は、適切な光記録材料を含むことにより、情報の記録が可能である。光記録媒体の記録容量をより大きくするために、さらに優れた光記録材料の研究開発が従来から進められている。
前記光記録材料の一例として、ヒートモードと呼ばれる記録方法により情報を記録する材料がある。このヒートモードは、光照射した際の熱効果により前記光記録材料に生じる屈折率変化を利用する方法である。しかし、前記ヒートモードは、光の回折限界により、記録容量に制限がある。そのため、フォトンモードと呼ばれる記録方法により情報を記録あるいは消去する研究が行われている。このフォトンモードによれば、前記ヒートモードよりも大容量の情報記録が可能である。前記フォトンモードは、フォトクロミック化合物(フォトクロミック分子)を含むフォトクロミック材料を光記録材料とする。そして、光子の吸収による前記フォトクロミック化合物の異性化を利用して記録を行う。
フォトクロミック化合物(フォトクロミック分子)とは、フォトクロミズムを示す化合物(分子)をいう。フォトクロミック材料とは、前記フォトクロミック化合物から形成され、フォトクロミズムにより情報の記録あるいは消去が可能な光記録材料をいう。フォトクロミズムとは、ある化学種が、光照射により、吸収スペクトルの異なる2つの状態間を可逆的に異性化する現象である。前記フォトクロミック材料の使用方法の一例として、照射波長を変えて繰り返し光照射する使用方法がある。この使用方法によれば、フォトクロミック化合物の異性化(フォトクロミズム)による退色および着色の繰り返しにより、情報の記録および消去を繰り返すことも可能である。このようなフォトクロミック材料として、種々の化合物が、実用化に向けて研究されている。フォトクロミック化合物の中でも、特に有機化合物が、近年活発に研究開発されている。
現在知られているフォトクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン類、ジアリールエテン類、スピロピラン類、フルギド類、インジゴ類などがある。しかしながら、これら従来のフォトクロミック化合物は、二次元記録は可能であるが、三次元記録は困難である。なぜならば、これら従来のフォトクロミック化合物は、光異性化反応が一光子吸収により起こるためである。このため、現在主流となっているCD、MO、DVD等などの光記録媒体は、二次元光記録媒体(二次元光メモリ媒体)である。この二次元光記録媒体は、平面的に情報が記録されるが、媒体の厚さ方向は利用されない。このように光記録媒体の厚さ方向を情報記録に利用できないことは、記録容量に対する制限となる。
これを解決する手段として、三次元光記録媒体(三次元光メモリ媒体)の構築が考えられる。この三次元光記録媒体は、その内部に情報を何層にも重ねて書き込むものである。このため、前記三次元光記録媒体によれば、記録容量の大幅な増大を見込むことができる。前記三次元光記録媒体を構築するためには、二光子吸収により異性化するフォトクロミック化合物を用いれば良いと考えられる。
前記二光子吸収とは、一光子吸収が生じない波長領域のフォトンを同時に二個吸収することである。二光子吸収によれば、二個分のエネルギーの和に対応する励起状態を生成することが可能である。したがって、二光子吸収は、光記録材料中において、焦点などの光密度の高い位置でのみ選択的に起こさせることができる。このため、二光子吸収によれば、光記録材料中において三次元位置選択的に光吸収を制御できる。したがって、光記録材料の厚み方向をも利用する三次元記録が可能である。このように、二光子吸収効率の高いフォトクロミック化合物(フォトクロミック分子)を開発し、それを光記録材料として用いれば、三次元光記録媒体を作製することができる。
二光子吸収を利用したフォトクロミック材料も過去に提案されてきた(例えば、非特許文献1および2参照)。しかし、これらのフォトクロミック材料は、二光子吸収効率が低い(二光子吸収断面積が小さい)ために実用化には程遠い。
また、本発明者等は、ポルフィリン化合物をエチニレン基で連結した化合物を発明している(特許文献1)。この化合物は、従来の化合物よりも二光子吸収効率が二桁以上向上している。しかし、この化合物は、二光子吸収効率は高いが、光吸収による異性化(フォトクロミズム)を起こしにくい。このため、前記特許文献1の化合物は、光記録材料として用いるには問題があった。
D. A. Parthenopoulos, P. M. Rentzepis, Science 245 (1989) 843, A. S. Dvornikov, Y. Liang, C. S. Cruse, P. M. Rentzepis, J. Phys. Chem. B 108 (2004) 8652 特開2004−168690号公報
したがって、本発明の目的は、三次元光記録材料等の用途に好適な化合物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。すなわち、本発明者らは、二光子吸収効率が高く、かつ、光吸収で効果的にフォトクロミズムを起こす化合物を発明するために研究した。本発明者らは、ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環を直鎖状原子団で連結した。その結果、本発明者らは、前記ポルフィリン環と前記ペリナフトチオインジゴ環との間でπ電子共役可能な化合物を発明した。ペリナフトチオインジゴは、例えば、波長約620nmの光照射によりトランス型からシス型に変化し、波長約508nmの光照射によりシス型からトランス型に戻る(下記スキーム1)。このように、ペリナフトチオインジゴは、比較的長波長の光で光異性化反応(フォトクロミズム)を起こす。しかし、このペリナフトチオインジゴ構造を二光子吸収効率改善に応用した研究はこれまでになかった。
Figure 2007291330
本発明の化合物は、ポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩である。前記ポルフィリン化合物は、下記式(1)で表され、1または複数のポルフィリン環と1または複数のペリナフトチオインジゴ環とを含む。
Figure 2007291330
前記式(1)中、
P1は、下記式(a1)、(b1)または(c1)で表される原子団であり、
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
[Y]は、下記式(a2)、(b2)または(c2)で表される原子団であり、
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
P2は、水素原子、ハロゲン、または、下記式(a3)、(b3)もしくは(c3)で表される原子団であり、
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)中、
R1は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、各R1は同一でも異なっていても良く、
R3は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、各R3は同一でも異なっていても良く、

前記式(a1)、(b1)、(c1)、(a3)、(b3)および(c3)中、
L0は、L0の両端に結合した環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、前記式(1)中にL0が複数存在する場合は、各L0は同一でも異なっていても良く、

前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
R2は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環、またはハロゲンを表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にR2が複数存在する場合は、各R2は同一でも異なっていても良く、
M1は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

前記式(b1)中、
xは、正の整数であり、

前記式(b3)中、
yは、正の整数であり、

前記式(b1)および(b3)中、
M2は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良く、
L1は、L1の両端に結合したポルフィリン環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、L0とL1は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にL1が複数存在する場合は、各L1は同一でも異なっていても良く、

前記式(a2)および(b2)中、
M3は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M3は前記M1およびM2とは同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM3が複数存在する場合は、各M3は同一でも異なっていても良く、

前記式(b2)中、
zは、正の整数であり、
L2は、L2の両端に結合したポルフィリン環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、L2は前記L0およびL1とは同一でも異なっていても良く、L2が複数存在する場合は、各L2は同一でも異なっていても良く、

前記式(c1)、(c2)および(c3)中、
R4は、水素原子、またはハロゲンであり、各R4は同一でも異なっていても良い。
また、本発明の三次元光記録材料は、本発明の化合物を含む三次元光記録材料である。
さらに、本発明の三次元光記録媒体は、情報記録可能な記録層を有する三次元光記録媒体である。前記記録層は、前記本発明の三次元光記録材料を含む。
本発明の化合物は、二光子吸収効率が高く、かつ、光吸収で効果的にフォトクロミズムを起こす。このため、本発明の化合物は、三次元光記録材料等の用途に好適である。本発明の三次元光記録材料は、本発明の化合物を含むことにより三次元記録が可能である。すなわち、本発明の化合物に光照射して二光子吸収により異性化させる工程を含む方法により、三次元光記録を行うことができる。また、本発明の三次元光記録媒体は、本発明の三次元光記録材料を使用するため、大容量の記録が可能である。
さらに、本発明の化合物の用途は、三次元光記録材料および三次元光記録媒体に限定されない。例えば、本発明の化合物に光照射して一光子吸収により異性化させる工程を含む方法により、光記録を行うことができる。これにより、本発明の化合物は、従来の二次元光記録材料または二次元光記録媒体にも使用可能である。具体的には、本発明の光記録材料は、本発明の化合物を含む光記録材料である。さらに、本発明の光記録媒体は、情報記録可能な記録層を有する光記録媒体である。前記記録層は、前記本発明の光記録材料を含む。さらに、本発明の化合物は、光記録材料および光記録媒体以外のどのような用途に使用しても良い。例えば、本発明の化合物は、色素として光記録材料以外の用途に用いることもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明において、「ハロゲン」とは、任意のハロゲン元素を指す。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。また、本発明において、「アルキル基」とは、特に限定されない。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基等が挙げられる。アルキル基を構造中に含む基またはアルキル基から誘導される基(アルコキシ基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケノキシアルキル基等)についても同様である。
置換基等が、鎖状構造を有する基(例えば、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケノキシアルキル基等)である場合、特に制限しない限り、直鎖状でも分枝状でも良い。置換基等の一部に鎖状構造を含む場合、例えば、置換アルキル基や置換アリール基等における置換基が鎖状構造を含む場合も同様とする。置換基等に異性体が存在する場合は、特に制限がない限り、どの異性体でも良い。例えば、単に「プロピル基」という場合はn-プロピル基およびイソプロピル基のどちらでも良い。単に「ブチル基」という場合は、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基のいずれでも良い。単に「ナフチル基」という場合は、1-ナフチル基および2-ナフチル基のどちらでも良い。
[本発明の化合物]
前述の通り、本発明の化合物において、前記式(1)中にL0が複数存在する場合は、各L0は同一でも異なっていても良い。前記式(1)中、L0が下記式(L100)で表されることが好ましい。
Figure 2007291330
前記式(L100)中、nは、1〜3のいずれかの整数を表す。また、本発明の化合物の製造のし易さ、収率等の観点から、前記式(L100)がエチニレン基 (-C≡C-) (n=1)であることがより好ましい。L0は、前記重合度nが3を超えるポリアセチレン基またはその他の基でも良い。L0は、三次元光記録材料として実用可能な程度のフォトクロミック性を本発明の化合物に与える基であることが好ましい。
前述の通り、前記式(1)中、前記式(b1)および(b3)におけるL1は、式(1)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良い。前記式(b1)および(b3)において、L1は、下記式(L200)で表されることが好ましい。
Figure 2007291330
前記式(L200)中、mは、1〜3のいずれかの整数を表す。前記式(L200)は、エチニレン基 (-C≡C-) (m=1)であることがより好ましい。L1は、前記重合度mが3を超えるポリアセチレン基またはその他の基でも良い。L1は、三次元光記録材料として実用可能な程度のフォトクロミック性を本発明の化合物に与える基であることが好ましい。
前述の通り、前記式(1)中、前記式(b2)におけるL2は、式(1)中に複数存在する場合は同一でも異なっていても良い。前記式(b2)において、L2は、下記式(L300)で表されることが好ましい。
Figure 2007291330
前記式(L300)中、lは、1〜3のいずれかの整数を表す。前記式(L300)は、エチニレン基 (-C≡C-) (l=1)であることがより好ましい。L2は、前記重合度lが3を超えるポリアセチレン基またはその他の基でも良い。L2は、三次元光記録材料として実用可能な程度のフォトクロミック性を本発明の化合物に与える基であることが好ましい。
本発明の化合物において、ペリナフトチオインジゴ環の数は、1でも複数でも良い。ペリナフトチオインジゴ環の数は、前記フォトクロミズムの単純化の観点から、好ましくは1である。ペリナフトチオインジゴ環の数が1である本発明の化合物のうち、例えば、下記(i)〜(v)がより好ましい。
(i) 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が水素原子である化合物。
Figure 2007291330
(ii) 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、P2が水素原子である化合物。
Figure 2007291330
(iii) 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が前記式(a3)で表される化合物。
Figure 2007291330
(iv) 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、P2が前記式(b3)で表され、前記式(b3)中の重合度yが1である化合物。
Figure 2007291330
(v) 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が前記式(b3)で表され、前記式(b3)中の重合度yが1である化合物。
Figure 2007291330
前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)の構造を有する本発明の化合物は、さらに好ましくは、例えば、
前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、R3が全て水素原子であり、L0は、エチニレン基であり、
前記式(b1)および(b3)中、L1は、前記式(L200)で表され、式(1)中にL1が複数存在する場合は、各L1は同一でも異なっていても良く、
前記式(c2)中、R4は、全て水素原子であり、
すなわち、下記式(xi)〜(xv)のいずれかで表され、
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
前記式(xi)〜(xv)中、
M1は、金属イオンまたは2個の水素原子であり、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

前記式(xii)、(xiv)および(xv)中、
M2は、金属イオンまたは2個の水素原子であり、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良い、
ポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩である。
前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)の構造を有する本発明の化合物は、一層好ましくは、例えば、
前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
L0は、エチニレン基であり、
R2は、全て水素原子であり、
R3は、全て水素原子であり、
前記式(b1)および(b3)中、
L1は、エチニレン基であり、
前記式(c2)中、
R4は、全て水素原子であり、
すなわち、下記式(xxi)〜(xxv)のいずれかで表され、
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
Figure 2007291330
前記式(xxi)〜(xxv)中、
R1が、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、3、5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、および3、5−ビス(エトキシカルボニル)フェニル基からなる群から選択される少なくとも一つであり、各R1は同一でも異なっていても良く、
M1は、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、Ru(III)または2個の水素原子であり、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

前記式(xxii)、(xxiv)および(xxv)中、
M2は、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、Ru(III)または2個の水素原子であり、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良い、
ポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩である。
前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)の構造を有する本発明の化合物において、特に好ましい化合物は、例えば、下記化合物番号表中の化合物番号1001〜1012で表されるポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩である。しかし、前記特に好ましい化合物は、これらに限定されない。下記化合物番号表中、「構造」の欄は、化合物番号1001〜1012で表されるそれぞれのポルフィリン化合物が、前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)、または(v)のいずれの構造を有するかを表す。「R1」「R2」「R3」「R4」「M1」「M2」「L0」および「L1」の欄は、それぞれの原子団の構造を表す。
Figure 2007291330
Figure 2007291330
本発明の化合物において、ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環との数の合計は、特に限定されない。前記ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環との数の合計は、例えば、製造のしやすさ、取り扱いやすさ、三次元光記録材料としての使いやすさ等の観点から、好ましくは2〜6である。前記ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環との数の合計が前記の数であると三次元光記録材料として使いやすい理由は、一光子吸収の波長が二光子吸収の波長と重なり難いためである。前記ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環との数の合計は、より好ましくは2〜5、さらに好ましくは2〜4、特に好ましくは3以下(2または3)である。なお、本発明の化合物における二光子吸収波長は、例えば、近赤外領域に存在すると考えられる。より詳しくは、前記二光子吸収波長は、ポルフィリンのソーレー帯波長の約2倍である860〜890nm付近に存在すると考えられる。しかし、本発明は、この推測になんら限定されない。ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環との数の合計が3以下である本発明の化合物としては、前記(i)〜(iii)以外に、下記(vi)および(vii)がある。
(vi) P1が前記式(c1)で表され、[Y]が前記式(c2)で表され、P2が前記式(a3)で表される化合物。
Figure 2007291330
(vii) P1が前記式(c1)で表され、[Y]が前記式(a2)で表され、P2が前記式(c3)で表される化合物。
Figure 2007291330
また、前記(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)または(vii)の構造を有する本発明の化合物において、特に好ましくは、例えば、R3およびR4は全て水素原子であり、M1は金属イオンまたは水素原子2個であり、M2が存在する場合はM2が金属イオンまたは水素原子2個であり、L0はエチニレン基 (-C≡C-) であり、L1は前記式(L200)で表される。
前述のとおり、前記式(1)中、前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)において、各M1は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表す。M1は、例えば、電気的に中性でもイオン状でも良い。各M1は、例えば金属イオンまたは2個の水素原子が好ましい。前記金属イオンは、特に限定されない。前記金属イオンは、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムまたはガリウムのイオンがより好ましく、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、またはRu(III)がさらに好ましい。前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良い。
前述のとおり、前記式(1)中、前記式(b1)および(b3)において、各M2は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表す。M2は、例えば、電気的に中性でもイオン状でも良い。各M2は、例えば金属イオンまたは2個の水素原子が好ましい。前記金属イオンは、特に限定されない。前記金属イオンは、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムまたはガリウムのイオンがより好ましく、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、またはRu(III)がさらに好ましい。前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良い。さらに、前述のとおり、前記式(1)中、前記式(a2)および(b2)において、各M3は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表す。M3は、例えば、電気的に中性でもイオン状でも良い。各M3は、例えば金属イオンまたは2個の水素原子が好ましい。前記金属イオンは、特に限定されない。前記金属イオンは、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムまたはガリウムのイオンがより好ましく、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、またはRu(III)がさらに好ましい。M3が複数存在する場合は、各M3は同一でも異なっていても良い。
各M1、各M2または各M3と、ポルフィリン環(ピロール核)の窒素原子との結合状態は特に限定されない。各M1、各M2または各M3が、水素原子2個である場合は、前記結合状態は、好ましくは、例えば、共有結合である。各M1、各M2または各M3が、水素原子2個以外の場合、例えば金属である場合は、前記結合状態は、好ましくは、例えば、配位結合である。
以下に、前記式(1)中、前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)におけるR1の好ましい例を示す。R3および前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)におけるR2の好ましい例も、併せて以下に示す。
R1において、前記置換アルキル基は、特に限定されない。前記置換アルキル基は、好ましくは、例えば、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケノキシアルキル基、アルケノキシカルボニルアルキル基、およびカルボキシアルキル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3における前記置換アルキル基も同様である。前述の通り、前記式(1)中のR1、R2およびR3において「置換もしくは無置換のアルキル基」という場合は、環状構造のもの、すなわち置換もしくは無置換のシクロアルキル基も含むものとする。
R1において、前記置換もしくは無置換のアルキル基におけるアルキル残基の炭素原子数は、特に制限はない。前記アルキル残基の炭素原子数は、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、好ましくは1〜24、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは3〜8である。R2においても同様である。同様の観点から、R1において、前記置換アルキル基における置換基の炭素原子数は、好ましくは1〜24、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜5である。R2においても同様である。さらに、同様の観点から、R1において、前記置換もしくは無置換のアルキル基の全炭素原子数は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜18、さらに好ましくは4〜13である。R2およびR3においても同様である。
R1における前記無置換アルキル基は、特に限定されない。前記無置換アルキル基は、特に好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、n-ヘプチル基、および2-エチル-n-ペンチル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3においても同様である。
R1における前記置換アルキル基は、特に限定されない。前記置換アルキル基は、特に好ましくは、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシn-プロピル基、カルボキシイソプロピル基、カルボキシn-ブチル基、カルボキシsec-ブチル基、カルボキシイソブチル基、カルボキシtert-ブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルエチル-n-プロピル基、エトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチルプロピル基、アリロキシカルボニルエチル基、アリロキシカルボニルエチル-n-プロピル基、アリロキシプロピル基、アリロキシエチル基、およびアリロキシブチル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換もしくは無置換のアリール基におけるアリール残基は、特に限定されない。前記アリール残基は、好ましくは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、アズレニル基、およびアントラセニル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換もしくは無置換のアリール基におけるアリール残基の炭素原子数は、特に制限はない。前記アリール残基の炭素原子数は、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、好ましくは5〜24、より好ましくは5〜10である。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換アリール基における置換基の炭素原子数は、特に制限はない。前記置換基の炭素原子数は、好ましくは、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、1〜40である。前記置換アリール基における置換基の炭素原子数がこの範囲をとる本発明の化合物は、製造が比較的容易である。前記置換アリール基における置換基の炭素原子数は、好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜10である。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換もしくは無置換のアリール基の全炭素原子数は、特に制限はない。前記全炭素原子数は、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、好ましくは5〜24、より好ましくは5〜10である。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換アリール基は、特に限定されない。前記置換アリール基は、好ましくは、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アルコキシカルボニルアリール基、アルケノキシアリール基、カルボキシアリール基およびアルケノキシカルボニルアリール基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3における前記置換アリール基も同様である。
R1において、前記置換アリール基における置換基は、特に限定されない。前記置換基は、特に好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシn-プロピル基、カルボキシイソプロピル基、カルボキシn-ブチル基、カルボキシsec-ブチル基、カルボキシイソブチル基、カルボキシtert-ブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、および、ヘキシルオキシカルボニル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3においても同様である。
R1において、前記置換アリール基は、特に好ましくは、例えば、4−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基、4−カルボキシ−2,6−ビス(カルボキシメトキシ)フェニル基、3,5−ビス(トリス(カルボキシエチル)メチルカルボキシアミド)フェニル基、4−(トリス(カルボキシエチル)メチルカルボキシアミド)−2,6−ビス(トリス(カルボキシエチル)メチルカルボキシアミドメトキシ)フェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、3,5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、および、3,5−ビス(エトキシカルボニル)フェニル基からなる群から選択される少なくとも一つである。R2およびR3においても同様である。
前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)または(b3)の各式中におけるR1は、同一でも異なっていても良い。前記式(a1)中におけるR1は、例えば、本発明の化合物の製造の容易性の観点から、全て同一であることが好ましい。前記式(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)についても同様である。R2は、式(1)中に複数存在する場合は、同一でも異なっていても良い。R2は、例えば、式(1)中において全て同一であることが好ましく、全て水素原子であることがより好ましい。
また、R2において、前記5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環における環の炭素原子数は、特に制限はない。前記炭素原子数は、好ましくは、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、3〜5である。R2において、前記5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環における環の窒素原子数は、特に制限はない。前記窒素原子数は、好ましくは、本発明の化合物の製造の容易性等の観点から、1〜2である。
R2において、前記5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環は、特に限定されない。前記5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環は、例えば、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、ピリジン、ピラゾール、およびピリミジンからなる群から選択される少なくとも一つである。
前記式(1)中、前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)において、R3は、特に制限はない。R3は、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、例えば、全て同一であることが好ましく、全て水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)中、前記式(c1)、(c2)および(c3)において、R4は、特に制限はない。R4は、本発明の化合物の製造の容易性、溶解性等の観点から、例えば、全て水素原子であることが好ましい。
前記式(1)で表されるポルフィリン化合物に互変異性体、立体異性体等の異性体が存在する場合は、それら異性体も本発明の化合物に含まれる。前記異性体の例としては、より具体的には、例えば、幾何異性体、配座異性体、光学異性体等がある。例えば、前記式(1)では、ペリナフトチオインジゴ環はトランス構造で示している。しかし、前記式(1)においてペリナフトチオインジゴ環がシス構造に異性化した化合物も本発明の化合物に含まれる。また、例えば、本発明の化合物に鏡像体が存在する場合は、R体およびS体のいずれも本発明の化合物に含まれる。さらに、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物またはその異性体が塩を形成しうる場合は、その塩も本発明の化合物に含まれる。前記塩において、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物のカウンターイオンは、特に限定されない。前記カウンターイオンは、例えば、陽イオンでも陰イオンでも良い。陰イオンとしては、例えば、六フッ化リン酸イオン(PF6 -)、テトラフルオロほう酸イオン(BF4 -)、水酸化物イオン(OH-)、酢酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン(例えばフッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)等)、次亜ハロゲン酸イオン(例えば次亜フッ素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等)、亜ハロゲン酸イオン(例えば亜フッ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、亜ヨウ素酸イオン等)、ハロゲン酸イオン(例えばフッ素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン等)、過ハロゲン酸イオン(例えば過フッ素酸イオン、過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(OSO2CF3 -)、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートイオン[B(C6F5)4 -]等が挙げられる。陽イオンとしては、特に限定されないが、リチウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、イットリウムイオン、スカンジウムイオン、ランタノイドイオン、等の各種金属イオン、水素イオン等が挙げられる。これらカウンターイオンは、一種類でも良く、二種類以上が併存していても良い。
本発明の化合物として、特に好ましい化合物は、例えば、下記式(2)もしくは(3)で表されるポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩である。前述の通り、例えば、前記化合物番号表中における化合物番号1001〜1012のいずれかで表されるポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩等も、本発明の化合物として特に好ましい。
Figure 2007291330
[本発明の化合物の製造方法]
次に、本発明の化合物の製造方法について説明する。
本発明の化合物の製造方法は、特に限定されない。すなわち、本発明の化合物は、どのような方法により製造しても良い。本発明の化合物は、例えば、以下に述べる本発明の製造方法により製造することが好ましい。
本発明の製造方法は、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩の製造方法である。より具体的には、本発明の製造方法は、
ポルフィリン誘導体とハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体とをカップリング反応させる工程を含み、
前記ポルフィリン誘導体は、ポルフィリン環の5位、10位、15位および20位炭素に結合する水素原子のうち少なくとも一つが置換基 -L0-H で置換された誘導体であり、前記L0は請求項1記載のL0と同じであり、
前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体は、ペリナフトチオインジゴ環中における2つのナフタレン環の少なくとも1つにおいて、S原子と結合した炭素のパラ位炭素がハロゲン化された誘導体である。
ここで、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体において、「S原子と結合した炭素のパラ位炭素」とは、下記式(100)において*印で示した炭素原子である。下記式(100)において、X1およびX2は、同一でも異なっていても良い。X1およびX2の少なくとも一方はハロゲンである。下記式(100)は、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体の構造の一例に過ぎない。前述のとおり、本発明において、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体は、ペリナフトチオインジゴ環中における2つのナフタレン環の少なくとも1つにおいて、S原子と結合した炭素のパラ位炭素がハロゲン化された誘導体である。それ以外は、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体の構造は特に限定されない。前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体の構造としては、例えば、下記式(200)で表される構造が挙げられる。下記式(200)において、X1およびX2は、同一でも異なっていても良い。X1およびX2の少なくとも一方はハロゲンである。R4は、前記式(c1)、(c2)および(c3)と同じである。
Figure 2007291330
前記ポルフィリン誘導体において、「ポルフィリン環の5位、10位、15位および20位炭素」とは、下記式(300)においてそれぞれ数字の5、10、15および20を付した炭素原子をいう。下記式(300)は、単にポルフィリン環の基本骨格を示す図である。本発明における前記ポルフィリン誘導体の構造は、下記式(300)により限定されない。前述のとおり、本発明において、前記ポルフィリン誘導体は、ポルフィリン環の5位、10位、15位および20位炭素に結合する水素原子のうち少なくとも一つが置換基 -L0-H で置換された誘導体である。前記L0は請求項1記載のL0と同じである。それ以外は、前記ポルフィリン誘導体の構造は特に限定されない。
Figure 2007291330
下記スキーム2に、本発明の製造方法の一例を示す。下記スキーム2は、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物のうち、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が水素原子であるポルフィリン化合物(下記スキーム2中の化合物(600)、前記式(i)の化合物と同一)の製造方法の一例を示すスキームである。このポルフィリン化合物は、下記スキーム2のとおり、ポルフィリン誘導体(400)とハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体(500)とのカップリング反応により製造することができる。下記スキーム2中、R1、R2、R3、M1およびL0は、前記式(a1)と同じであり、R4は前記式(c2)と同じであり、X1はハロゲンである。前記式(1)で表されるポルフィリン化合物のうち、他の構造を有するポルフィリン化合物も、これに準じて製造できる。すなわち、本発明の技術分野の当業者であれば、下記スキーム2の例示ならびに前述した本発明の化合物の構造から、過度の試行錯誤や複雑高度な実験等を行うことなく本発明の化合物を製造できる。具体的には、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物のうち、他の化合物も、下記化合物(600)と同様に、ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環がL0で連結されている。したがって、前記他の化合物も、下記スキーム2と同様のカップリング反応を用いて製造できる。また、例えば、下記化合物(400)に代えて、複数のポルフィリン環が前記L1またはL2で連結された化合物を原料として用いることができる。これにより、前記式(1)中に前記式(b1)、(b2)および(b3)の少なくとも一つを含む化合物を製造できる。複数のポルフィリン環が前記L1またはL2で連結された原料化合物は、当業者であれば、本明細書の記載に基づき(場合によっては本発明の属する技術分野の常識を参酌し)、過度の試行錯誤や複雑高度な実験等を行うことなく製造できる。そのような化合物は、例えば、前記特許文献1(特開2004−168690号公報)に開示されている。したがって、前記化合物は、例えば、前記特許文献1に開示の方法で製造することができる。
Figure 2007291330
本発明の製造方法は前記スキーム2の方法に限定されない。例えば、各置換基は、前記スキーム2ではカップリング反応前にあらかじめ導入している。しかし、各置換基は、カップリング反応後に適宜導入、変換、保護、脱保護等を行っても良い。また、例えば、前記スキーム2において、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体(500)を、前記式(200)で表されるハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体に代えて良い。これにより、例えば、前記式(ii)で表される本発明の化合物を得ることが可能である。また、このように前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体(200)を用いても、反応条件によっては、前記式(600)(前記式(i))で表される本発明のポルフィリン誘導体を得ることが可能である。
さらに、本発明の製造方法において、前記カップリング反応の条件も何ら制限されない。例えば、前記カップリング反応の反応溶媒、温度、反応時間等の条件は、公知の類似の反応を参考にして適宜設定しても良い。前記カップリング反応の反応溶媒としては、例えば、水でも有機溶媒でも良い。前記有機溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化溶媒、THF(テトラヒドロフラン)、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMA(ジメチルアセトアミド)等のアミド、DMSO(ジメチルスルホキシド)等のスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても二種類以上併用しても良い。また、前記カップリング反応の反応温度および反応時間は、例えば、原料となるポルフィリン誘導体およびハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体の構造等によって適宜設定できる。前記反応温度は、例えば−50〜200℃、好ましくは0〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。前記反応時間は、例えば1〜20,000分、好ましくは1〜1,500分、より好ましくは30〜1,000分である。また、本発明の化合物の原料となるポルフィリン誘導体およびハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体は、当業者であれば、本明細書の記載に基づき(場合によっては本発明の属する技術分野の常識を参酌し)、過度の試行錯誤や複雑高度な実験等をすることなく容易に製造可能であるか、または、市販品として入手可能である。例えば、公知の文献等を参照し、市販品から合成しても良い。
本発明の製造方法において、前記ポルフィリン化合物中のL0は、特に限定されない。L0は、前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体とのカップリング反応における反応効率の観点から、例えば、エチニレン基が特に好ましい。前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体におけるハロゲンは、特に限定されない。前記ハロゲンは、前記ポルフィリン化合物中とのカップリング反応における反応効率の観点から、臭素またはヨウ素が特に好ましい。
本発明の製造方法について、前記式(2)および(3)で表される化合物の合成(製造)を例に挙げてさらに具体的に説明する。前記式(2)および(3)の化合物は、例えば、下記スキーム3にしたがって合成できる。しかし、前記式(2)および(3)の化合物の製造方法は、下記スキーム3に限定されない。前記式(2)の化合物は、前記式(1)において、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が構造式(a1)で表され、P2が構造式(a3)で表され、R1は全て4−エトキシカルボニルフェニル基、R2、R3およびR4は全て水素原子、M1は亜鉛であり、L0はエチニレン基である。前記式(3)の化合物は、P2が水素原子である以外は前記式(2)の化合物と同じである。前記式(1)における他の構造を有する化合物も、例えばスキーム3に準じて製造できる。
Figure 2007291330
以下、前記スキーム3について詳しく説明する。温度、反応時間、原料使用量、溶媒使用量等の各種条件は、以下の説明に限定されない。
上記工程1は、TMS基(トリメチルシリル基)の脱保護反応である。この反応では、化合物(4)32.0mgに対して、例えば、1mLから1000mLのクロロホルムを反応溶媒として用いることが好ましい。前記クロロホルムの使用量は、反応の収率を考慮すると、5mLから20mLが特に好ましい。反応溶媒は、脱保護反応が進行すればよく、特に制限はない。前記反応溶媒は、クロロホルムの他に、テトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン等が使用できる。脱保護剤は、特に制限はない。前記脱保護剤は、反応の収率を考慮すると、フッ化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium fluoride)が特に好ましい。脱保護剤のTMS基に対する当量数も特に制限はない。前記当量数は、反応の収率を考慮すると、3当量から5当量が好ましい。反応温度は、特に制限はない。前記反応温度は、反応の収率を考慮すると、20℃から30℃が好ましい。
上記工程2は、ハロゲン化アリールとエチニル基とのカップリング反応であり、ソノガシラ反応として知られている。このソノガシラ反応において、反応溶媒としては、例えば、化合物(6)1.9mgに対して1mLから1000mLのテトラヒドロフラン(THF)を用いることが好ましい。前記THFの使用量は、反応の収率を考慮すると、5mLから20mLが特に好ましい。反応溶媒としては、反応が進行する限り特に制限はない。前記反応溶媒は、THFの他にクロロホルム、塩化メチレン等が使用できる。塩基としては、特に制限はない。前記塩基は、反応の収率を考慮するとトリエチルアミンが特に好ましい。トリエチルアミンの量は特に制限はない。前記トリエチルアミンの量は、化合物(6)1.9mgに対して、例えば、0.1mLから5mLが好ましく、0.5mLから2mLがより好ましい。反応触媒は、特に限定されず、単独で用いても複数種類併用しても良い。前記反応触媒は、例えば、Pd2(dba)3およびAsPh3(dba=ジベンジリデンアセトン)を併用することが特に好ましい。Pd2(dba)3の化合物(6)に対する当量数は特に制限はない。前記と雨量数は、反応の収率を考慮すると、0.1当量から5当量が好ましく、0.1当量から1当量がより好ましい。AsPh3の化合物(6)に対する当量数は特に制限はない。前記当量数は、反応の収率を考慮すると、0.8当量から25当量が好ましく、0.8当量から5当量がより好ましい。反応温度は特に制限はない。前記反応温度は、反応の収率を考慮すると、20℃から30℃が特に好ましい。
本発明の化合物のうち、上記説明の中で記した構造以外の構造を有する化合物についても、当業者であれば、本明細書の記載に基づいて(場合によっては本発明の属する技術分野の常識を参酌し)、過度の試行錯誤や複雑高度な実験をすることなく容易に製造可能である。例えば、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物全般については、前記説明に基づいて(場合によっては本発明の属する技術分野の常識を参酌し)、ポルフィリン誘導体とハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体とのカップリング反応により製造可能である。具体的には、例えば、前記スキーム3に準じて製造することもできる。また、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物の塩は、例えば、前記式(1)で表されるポルフィリン化合物を製造した後に適切な酸または塩基を適宜付加させて製造することができる。
[本発明の化合物の用途]
本発明の化合物は、前述の通り、ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環が直鎖状原子団で連結されている。本発明の化合物は、前記ポルフィリン環と前記ペリナフトチオインジゴ環との間でπ電子共役可能である。これにより、本発明の化合物は、二光子吸収効率が高く、かつ、光吸収で効果的にフォトクロミズムを起こすことができる。本発明の化合物は、例えば、ナノ秒パルスレーザーを用いた場合、10000GM以上という大きい二光子吸収断面積を有することも可能である。本発明の化合物は、このように大きい二光子吸収効率を有する。しかし、前記10000GM以上という数値は、本発明を何ら限定しない。前記二光子吸収断面積、二光子吸収効率等は、本発明の化合物の構造や測定条件によっても異なり、特に限定されない。
本発明の化合物は、二光子吸収により異性化すなわちフォトクロミズムを起こすことで、三次元光記録材料として使用可能である。具体的には、例えば、本発明の化合物が、固体状態において二光子吸収により異性化可能であることが好ましい。また、本発明の化合物が、例えば、溶液状態において二光子吸収により異性化可能であっても、三次元光記録材料として使用できる。二光子吸収は、一光子吸収が生じない近赤外の波長領域において、低いエネルギーの光子を二個同時に吸収することで高い励起状態を生じる。このため、前述のとおり、光記録材料中において、焦点などの光密度の高い位置でのみ選択的に二光子吸収を起こさせることができる。このため、二光子吸収によれば、光記録材料中において三次元位置選択的に光吸収を制御できる。したがって、光記録材料の厚み方向をも利用する三次元記録が可能である。本発明の化合物を三次元光記録材料として用いる場合、例えば、二光子吸収を起こすが一光子吸収を起こさない波長のレーザー光を照射して用いることができる。
本発明の化合物の用途としては、前述の通り、三次元光記録材料および三次元光記録媒体がある。具体的には、例えば、書き換えが可能な三次元光メモリの媒体を提供することができる。また、例えば、本発明の化合物が、前記のように10000GM以上という大きい二光子吸収断面積を有することで、1cm3当り1テラビット(フロッピー(登録商標)ディスク10万枚に相当)という高密度の情報を記録することも可能である。本発明の三次元光記録媒体は、このように大きい記録容量を有することにより、次世代の記憶媒体として期待出来る。
さらに、本発明の化合物の用途は、前述の通り、三次元光記録材料および三次元光記録媒体のみに限定されない。すなわち、本発明の化合物は、どのような用途に使用しても良い。例えば、本発明の化合物は、前述のとおり、二次元光記録材料または二次元光記録媒体に用いることもできる。また、本発明の化合物は、色素として光記録材料以外の用途に用いることもできる。
次に、本発明の実施例について説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の実施例において、核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、日本電子株式会社製の機器JNM EX270(商品名)(1H測定時270MHz)、日本電子株式会社製の機器JNM ECP500(商品名)(1H測定時500MHz)または日本電子株式会社製の機器JNM ECP600(商品名)(1H測定時600MHz)を用いて測定した。ケミカルシフトは百万分率(ppm)で表している。内部標準0ppmには、テトラメチルシラン(TMS)を用いた。結合定数(J)は、ヘルツで示しており、略号s、d、t、q、mおよびbrは、それぞれ、一重線(singlet)、二重線(doublet)、三重線(triplet)、四重線(quartet)、多重線(multiplet)および広幅線(broad)を表す。質量分析(MS、Mass)は、PerSeptive Biosystemsまたは株式会社島津製作所(島津/KRATOS)社製の機器Voyager DE-STRまたはAXIMA-LNR(商品名)を用い、MALDI-TOF法により測定した。可視・紫外吸収スペクトルは、株式会社島津製作所社製の機器UV-3100PC(商品名)またはUV-1650PC(商品名)を用いて測定した。レーザー照射には、Continuum社製の機器Surelight I-10(商品名)にContinuum Surelight OPO(商品名)を組み合わせてを用いた。蛍光スペクトルは、日立製作所社製の機器F-4500(商品名)を用いて測定した。全ての化学物質は、試薬級であり、和光純薬工業株式会社またはナカライテスク株式会社から購入した。
[実施例1:ポルフィリン化合物(2)および(3)の製造]
前記スキーム3に従い、前記式(2)および(3)で表されるポルフィリン化合物を合成(製造)した。具体的には以下の通りである。
1)原料の合成
前記スキーム3の出発原料である化合物(4)を、文献K. Ogawa, J. Dy, and Y. Kobuke, Journal of Porphyrins and Phthalocyanine 9, 735-744 (2005)の記載に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、500mLの3つ口フラスコに、ジピロメタン(167.4 mg, 1.14mmol)、4-エトキシカルボニルベンズアルデヒド(204mg, 1.14mmol)、クロロホルム(200mL)を入れた。その中に窒素ガスを3分間バブリングし、窒素ガス雰囲気にした。トリフルオロ酢酸(88.2μL, 1.14mmol)を加えた。室温、遮光下で20時間撹拌を行い、トリエチルアミン(0.5mL, 3.56mmol)、クロラニル(884mg, 3.4mmol)を加え、70℃で1.5時間還流を行った。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)にて精製を行い、化合物(4)を赤紫色の固体(141.1mg, 40.9%)として得た。以下に、化合物(4)の機器分析データを示す。
化合物(4):
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ10.332(s, 2H, meso), 9.405(d, 4H, J=4.7Hz, β), 9.033(d, 4H, J=4.7Hz, β), 8.490(d, 4H, J=8.1Hz, Ph), 8.351(d, 4H, J=8.1Hz, ph), 4.607(q, 4H, J=3.5Hz, -CH2-), 1.342(t, 6H, J=3.5Hz, -CH3), MALDI-TOF mass(matrix: dithranol), m/z 606.90, calcd for C38H30N4O4 606.23。
なお、化合物(4)の出発原料である4-エトキシカルボニルベンズアルデヒドは、文献K. Ogawa, J. Dy, and Y. Kobuke, Journal of Porphyrins and Phthalocyanine 9, 735-744 (2005)の記載に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、300mLナスフラスコにテレフタルアルデヒド酸(5.5g, 36.6mmol)、濃硫酸(0.91mL)、エタノール(166.6mL)を加え、18時間加熱還流を行った。室温に戻し、有機溶媒を留去し、酢酸エチル(100mL)に溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム(200mL×2)、飽和食塩水(200mL×2)、蒸留水(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、乾燥をおこなった(5.42g, 83.1%)。以下に、この生成物の機器分析データを示す。
4-エトキシカルボニルベンズアルデヒド:
1H-NMR(270MHz, CDCl3), δ 10.10(s, 1H,-CHO), 8.15(d, 2H, J=8.1Hz), 7.94(d, 2h, J=8.1Hz), 4.42(q, 2H, J=3.5Hz, -CH2-), 1.42(t, 2H, J=3.5Hz, -CH3)。
また、化合物(4)の出発原料であるジピロメタンは、文献J.K. Laha, S. Dhanalekshmi, M. Taniguchi,A. Ambroise and J. S. Lindsey, Org. Process Res.Dev. 2003; 7: 799-812.の記載に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、1000mLナスフラスコにピロール(120mL, 1.71mol)、乳鉢でよく粉砕したパラホルムアルデヒド(1.21g, 40mmol)、メタノール(60.7mL)、および酢酸(158.8mL)を、この順に加えた。前記ナスフラスコ中に窒素ガスを10分間バブリングし、窒素ガス雰囲気下で24時間、室温で撹拌を行った。クロロホルム(50mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。さらにクロロホルム(50mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層を留去した。蒸留を行いピロールを回収した後(30℃、7.3kpa)、ジピロメタン(120℃、0.1kpa)を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒: クロロホルム:ヘキサン:酢酸エチル=7:2:1)で精製を行い、白色結晶(1.36g, 25.6%)を得た。以下に、この生成物の機器分析データを示す。
ジピロメタン:
1H-NMR (270 MHz, CDCl3) d 7.78(brs, 2H, NH), 6.62 (m, 2H), 6.14 (dd, 2H, J = 2.7, 5.9 Hz), 6.03 (m, 2H), 3.95 (s, 2H, meso)。
また、出発原料である化合物(6)は、文献J. Leavitt, Chemical Abstract, 1971, 74, 113187nに従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、500mLの3つ口フラスコに、7−ヨード−ベンゾ−チオクロメン−3−オン(7-Iodo-benzo-thiochromen-3-one)(650mg, 275mmol, 1.0eq)とEtOH(103mL)を加えて1分間超音波をかけ、懸濁状態にした。10% NaOH溶液(168mL, 288mol)を加えた。8時間空気をバブリングしながら70℃で還流した。ろ取を行い、メタノール、クロロホルムで洗浄し、青色の固体(243.3mg, 75.3%)を得た。この固体は、さまざまな溶媒(クロロホルム、メタノール、エタノール、酢酸エチル、アセトン、ベンゼン、ピリジン、ヘキサン、トルエン)に不溶であった。THFにはわずかに溶解したが、NMRの測定は不可能であった。以下に、前記固体(化合物(6))の機器分析値を示す。
化合物(6):
MALDI-TOF mass (matrix:dithranol), m/z 648.777[as M+H],calcd for C38H30N4O4 647.8 [as M]。
なお、化合物(6)の出発原料である7−ヨード−ベンゾ−チオクロメン−3−オン(7-Iodo-benzo-thiochromen-3-one)は、文献J. Leavitt, Chemical Abstract, 1971, 74, 113187nに従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、200mLナスフラスコに、3−メトキシカルボニル−7−ヨード−ベンゾチオクロメン(3-methoxycarbonyl-7-iodo-benzothiochromen)(700mg, 1.9mmol)、酢酸(82mL)を加えて1分間超音波をかけ、懸濁状態にした。35%酢酸(11.1mL, 95mmol)を加えて窒素ガスを2分間バブリングした。窒素ガス雰囲気下、40℃で4時間半加熱・撹拌を行った。300mL三角フラスコに氷を入れ、その中に反応溶液を入れ冷却すると、茶黄色の沈殿物が析出した。これをろ取し、クロロホルム(100mL)で溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL×2)、水(200mL×2)で洗浄を行った。無水硫酸ナトリウムで乾燥を行い、有機層をとり、濃縮・乾燥を行い、茶色の固体(666mg, 98%)を得た。以下に、この固体の機器分析値を示す。
7−ヨード−ベンゾ−チオクロメン−3−オン:
1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ 8.397 (dd, 1H, J=1.1, 8.6 Hz), 8.251 (dd, 1H, J=1.1 7.3 Hz), 8.003 (d, 1H, J=8.6), 7.682 (dd, 1H, J=7.3 Hz), 7.298 (d, 1H, J=7.3 Hz)。
また、7−ヨード−ベンゾ−チオクロメン−3−オン(7-Iodo-benzo-thiochromen-3-one)の出発原料である3−メトキシカルボニル−7−ヨード−ベンゾチオクロメン(3-methoxycarbonyl-7-iodo-benzothiochromen)は、文献J. Leavitt, Chemical Abstract, 1971, 74, 113187nに従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、 100mLナスフラスコに8−カルボキシメチルスルフェニル−5−ヨード−ナフタレン−1−カルボン酸(8-carboxymethylsulfenyl-5-iodo-naphthalene-1-carboxylic acid)(370mg, 0.95mmol)、酢酸ナトリウム(100mg, 1.2mmol)、無水酢酸(20mL)をいれ2時間140℃で加熱、還流を行った。冷却し、クロロホルム(100mL)を加えた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を少しずつ加えて中和し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL×2)、水(200mL×2)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をとり、乾燥、濃縮し、茶色の固体(349mg, 99.9%)を得た。以下に、この固体の機器分析値を示す。
3−メトキシカルボニル−7−ヨード−ベンゾチオクロメン:
融点 114.2−115.7℃(文献値:112.5-113℃), 1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ7.744(d, 1H, J=8.1Hz), 7.727(d, 1H, J=7.6Hz), 7.303(t, 1H, J=7.6Hz), 6.942(d, 1H, J=7.6Hz), 6.795 (d, 1H, J=8.1Hz), 2.342(s, 3H)。
また、3−メトキシカルボニル−7−ヨード−ベンゾチオクロメン(3-methoxycarbonyl-7-iodo-benzothiochromen)の出発原料である8−カルボキシメチルスルフェニル−5−ヨード−ナフタレン−1−カルボン酸(8-carboxymethylsulfenyl-5-iodo-naphthalene-1-carboxylic acid)は、文献Chemical Abstract, 1969, 70, 3615kに従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、50mLナスフラスコに6−ヨードナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(6-Iodonaptho[1,8-bc]thiophen-2-one)(242mg, 0.68mmol, 1.0eq),5% NaOH(11mL)をいれ、80℃で1時間加熱、撹拌を行った。その後、クロロ酢酸(200mg, 2.1mmol, 3.9eq)を加え、さらに80℃で1時間加熱、撹拌を行った。TLCにより目的物の生成を確認した。室温まで冷やし、塩酸をpH1になるまで加えると黄色沈殿が生じた。ろ取し、固体をクロロホルムで洗浄し、乾燥を行い、黄色の固体(298 mg, 98.2 %)を得た。以下に、この固体の機器分析値を示す。
8−カルボキシメチルスルフェニル−5−ヨード−ナフタレン−1−カルボン酸:
1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ8.182(d, 1H, J=8.1Hz), 8.174(d, 1H, J=8.1Hz), 7.726(d, 1H, J=7.3Hz), 7.670(t, 1H, J=7.3, 8.1Hz), 7.583(d, 1H, J=8.1Hz), 3.661(s, 2H)。
8−カルボキシメチルスルフェニル−5−ヨード−ナフタレン−1−カルボン酸(8-carboxymethylsulfenyl-5-iodo-naphthalene-1-carboxylic acid)の出発原料である6−ヨードナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(6-Iodonaptho[1,8-bc]thiophen-2-one)は、文献Chemical Abstract, 1969, 70, 3615kに従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、ナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(Naphtho[1,8-bc]thiophen-2-one)(0.7g, 375mmol)と酢酸(10mL)、ICl(5.5g, 34mmol)を50mLナスフラスコにいれ、3時間還流した。水(60mL)を加え、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えると黄緑色の沈殿物が析出した。沈殿物をろ取し、クロロホルム(100mL)に溶解させた。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(200mL×2)、水(200mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮、乾燥を行い、エタノールで再結晶を行い、黄色の固体(226mg, 51.8%)を得た。以下に、この固体の機器分析データを示す。
6−ヨードナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン:
1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ 8.240(d, 1H, J=8.1Hz), 8.212(d, 1H, J=7.3Hz), 8.128(d, 1H, J=7.3Hz), 7.845(dd, 1H, J=8.1Hz), 7.344(d, 1H, J=7.3Hz)。
6−ヨードナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(6-Iodonaptho[1,8-bc]thiophen-2-one)の出発原料であるナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(Naphtho[1,8-bc]thiophen-2-one)は、文献Synthesis, 1989, 7, 523に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、
8−ヨード−1−ナフトエ酸(8-Iodo-1-naphthoic acid)(2.8g, 9.39mmol)を7N KOH(7.1mL)に加え、溶解するまで撹拌を行った。その溶液に3-メルカプトプロピオン酸(2.5mL, 23.3mmol)、粉末状のCu(94mg, 1.48mmol)を混合した。窒素ガスを約1分バブリングした後、アルゴン雰囲気下で5時間還流した。さらに7N KOH(2mL)を加え、2時間還流した。水(4.9mL)を加え、ろ過した。濾液に6N HCl(2.1mL)を入れ、反応系を酸性(pH 1)にすると、黄色の沈殿が析出した。沈殿物をろ取し、クロロホルム(100mL)で溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL×2)、水(200mL×2)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、乾燥を行い、黄色の固体(1.76g, 99%)を得た。以下に、この固体の機器分析データを示す。
ナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン:
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ 8.188(d, 1H, J=7.3Hz), 8.160(d, 1H, J=8.1Hz), 7.852(dd, 1H, J=3.8, 4.6Hz), 7.784(dd, 1H, J=4.6, 7.3Hz), 7.635(d, 1H, J=3.8Hz), 7.629(d, 1H, J=7.3Hz)。
ナフト[1,8−bc]チオフェン−2−オン(Naphtho[1,8-bc]thiophen-2-one)の出発原料である8−ヨード−1−ナフトエ酸(8-Iodo-1-naphthoic acid)は、文献Baily, R. J.; Card, P. J.; Shechter, H.; J. Am. Chem. Soc. 1983, 105, 6096-6103に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、I(12.0g, 47.6mmol)と無水−8−(ヒドロキシ水銀)−1−ナフトエ酸(anhydro-8-(hydroxymercuri)-1-naphthoic Acid)(17.0g, 45.9mmol)をKI水溶液(32.4g/162mL)に加えた。その混合物を15時間還流した。冷却し、ろ過した。ろ液に塩酸を加え、酸性(pH1)にし乳黄色の沈殿物を得た。ろ取し、クロロホルム(100mL)に溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(200mL×2)、水(200mL×2)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した。淡黄色になった有機層を集め、濃縮、乾燥を行い、黄色の固体(5.70g, 42.2%)を得た。以下に、この固体の機器分析データを示す。
8−ヨード−1−ナフトエ酸:
1H-NMR(270MHz, CDCl3) δ 8.271(dd, 1H, J=7.6, 8.1Hz), 7.915(m, 3H), 7.6(dd, 1H, J=7.6, 8.1Hz), 7.222(dd, 1H, J=7.6, 8.1Hz)。
8−ヨード−1−ナフトエ酸(8-Iodo-1-naphthoic acid)の出発原料である無水−8−(ヒドロキシ水銀)−1−ナフトエ酸(anhydro-8-(hydroxymercuri)-1-naphthoic Acid)は、文献Baily, R. J.; Card, P. J.; Shechter, H.; J. Am. Chem. Soc. 1983, 105, 6096-6103に従って合成した。具体的には以下の通りである。まず、200mLナスフラスコに、市販の1,8−ナフタル酸無水物(1,8-Naphthalic anhydride)(0.991g, 5mmol)と水酸化ナトリウム水溶液(0.7g/30mL, 17.5mmol)を加え、撹拌を行い、固体が溶解するまで還流を行った(1時間)。酢酸(0.5mL, 8.3mmol)で中和した。ここに、沸騰した酢酸(2.5mL, 41.5mmol)に酸化第二水銀(1.1g, 5.1mmol)を溶かし、18mLの水で希釈して酢酸水銀とした溶液を加えた。30分間還流し、酢酸(0.9mL, 14.9mmol)を加え、48時間還流した。生じた沈殿をろ取し、メタノール、水で洗浄した。真空中105℃で15時間乾燥し、黄褐色の粉末(1.363g, 74.0%)を得た。この粉末は、水および有機溶媒に不溶なため、分析せず、次の反応(8−ヨード−1−ナフトエ酸の合成)に用いた。前記文献にも、無水−8−(ヒドロキシ水銀)−1−ナフトエ酸の機器分析データは示されていない。
2)工程1
化合物(5)の合成
前記スキーム3中における工程1(化合物(5)の合成)は、以下の通り行った。まず、100mLナスフラスコに、化合物(4)(32.0mg, 41.8μmol, 1.0eq)とクロロホルム(10mL)を入れた。その溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium fluoride)(1M in THF) (144μL, 144μmol, 3.45eq)を加え、10分間室温で撹拌した。その後、TLCおよびMassスペクトルにより、前記溶液中から原料が消失したことを確認した。次に、前記溶液にクロロホルム(10mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL×2)および水(50mL×2)で洗浄を行い、有機層を分取した。これを硫酸ナトリウムで乾燥し、さらに濃縮乾燥(溶媒の留去)を行った。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:Hex/AcOH=4/1)で精製し、目的化合物(5)を紫色の固体として得た。収量は20.7mg、収率は73.0%であった。以下に、この化合物(5)の機器分析データを示す。化合物(5)の下記1H-NMRデータ中、「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」および「β」の符号は、それぞれのプロトン(H)が結合した炭素原子の位置を示す。それら各炭素原子の化合物(5)中における位置は、下記化学式中において対応する符号で表している。
化合物(5):
TLC(CHCl3) Rf=0.12; 1H-NMR(270MHz, CDCl3)、δ10.204(s, 1H, f)、9.800(d, 2H, J=2.16,β)、9.339(d, 2H, J=2.16,β)、8.993(d, 2H, J=2.16,β)、8.953(d, 2H, J=2.16,β)、8.442(d, 4H, J=3.78, e)、8.283(d, 4H, J=3.78, d)、4.565(q, 4H, J=3.24, c)、3.476(s, 1H, a)、1.560(t, 6H, J=3.24, b); MALDI-TOF mass(dithranol)、m/z 693.44(M+H)+,calcd for C38H30N4O4 692.1。
Figure 2007291330
3)工程2
化合物(2)および(3)の合成
前記スキーム3における工程2は、以下の通り行った。まず、100mLシュレンクフラスコ内をAr雰囲気下にした。その中に、化合物(6)(1.9mg, 2.9μmol, 4eq)および乾燥THF(9mL)を加え、超音波を5分かけて懸濁状態にした。その懸濁液中に、トリエチルアミン(1mL)および化合物(5)(0.5mg, 1.4μmol, 1eq)を加え、10分間Arでバブリングして脱酸素した。続いて、Pd2(dba)3(0.2mg, 0.27μmol, 0.12eq)とAsPh3(0.6mg, 1.8μmol, 0.8eq)を加え、遮光下、室温で撹拌を行った(dba=ジベンジリデンアセトン)。MALDI-TOFマススペクトルにより反応を追跡し、反応開始4時間後、原料(5)の消失と、化合物(2)および(3)の生成を確認し、反応を停止した。その後、水(20mL)を加えクエンチを行い、溶媒を留去した。得られた残渣にクロロホルム(10mL)を加え、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL×2)および水(50mL×2)で洗浄を行い、有機層を分取した。これを、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、さらに濃縮乾燥を行った。得られた残渣をリサイクル分取用GPC(溶媒:ピリジン)で精製し、目的のポルフィリン化合物(2)および(3)を得た。リサイクル分取用GPCは、日本分析工業株式会社製 LC-9101(商品名)を用いた。化合物(2)のRt(保持時間)は25分であり、化合物(3)のRtは26分であった。得られた化合物(2)は、深緑色の固体であり、収率20%、収量 0.2mgであった。得られた化合物(3)は、深緑色の固体であり、収率40%、収量0.3mgであった。以下に、この目的化合物(2)および(3)の機器分析データを示す。化合物(2)および(3)の下記1H-NMRデータ中、「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、および「β」の符号は、それぞれのプロトン(H)が結合した炭素原子の位置を示す。それら各炭素原子の化合物(2)および(3)中における位置は、下記化学式中において対応する符号で表している。また、下記1H-NMRデータ中、「PNI」は、ペリナフトチオインジゴ環のプロトンシグナルであることを示す。化合物(2)および(3)中におけるペリナフトチオインジゴ環は、下記化学式において「PNI」の符号で示している。
化合物(3); 1H-NMR (500MHz, tetrachloroethane-d2/Pyridine-d5)、δ10.07(s, 1H, a), 9.81(d, J=4.5Hz, 2H, β), 9.31(d, J=8Hz, 1H, PNI), 9.23(d, J=4.5Hz, 2H, β), 8.92(d, J=4.5Hz, 2H, β), 8.83(d, J=4.5Hz, 2H, β), 8.69(d, J=8Hz, 1H, PNI), 8.54(d, J=8Hz, 1H, PNI), 8.37(d, J=8Hz, 4H, e), 8.24(d, J=8Hz, 4H, d), 8.20(d, J=8Hz, 1H, PNI), 8.08(d, J=8Hz, 1H, PNI), 7.98(t, J=8Hz, 1H, PNI), 7.77(d, J=8Hz, 1H, PNI), 7.70(d, J=8Hz, 1H, PNI), 7.68(t, J=8Hz, 1H, PNI), 7.62(PNI, overlaps with pyridine peak), 7.46(t, J=8Hz, 1H, PNI), 4.49(q, J=7.5Hz, 4H, c), 1.48(t, J=7.5Hz, 6H, b); MALDI-TOF mass(dithranol)、m/z 1086.5(M+H)+, calcd for C64H38N4O6S2Zn 1086.2。
化合物(2); 1H-NMR (600MHz, tetrachloroethane-d2)、δ10.14(s, 2H, a), 9.80(br, 2H, β), 9.29(d, J=8Hz, 2H, PNI), 9.29(br, 2H, β), 8.90(br, 2H, β), 8.83(br, 2H, β), 8.70(d, J=8Hz, 2H, PNI), 8.37(d, J=8Hz, 8H, e), 8.24(d, J=8Hz, 8H, d), 8.20(d, J=8Hz, 2H, PNI), 7.98(br, 2H, PNI), 7.73(d, J=8Hz, 2H, PNI), 4.59(q, J=7.5Hz, 8H, c), 1.48(t, J=7.5Hz, 12H, b); MALDI-TOF mass (dithranol)、m/z 1781.8(M+H)+, calcd for C104H64N8O10S2Zn2 1780.2。
Figure 2007291330
[実施例2:シス体ポルフィリン化合物(3’)の製造]
図1に、実施例1で得られた新規フォトクロミック分子であるポルフィリン化合物(3)の可視・紫外吸収スペクトルを示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。なお、このスペクトルは、化合物(3)をテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、2.2μM濃度溶液として測定した。図示の通り、440nm付近にポルフィリンに特有のソーレー帯の吸収が見られる。また、650nmから750nmにかけて、ペリナフトチオインジゴ部位のトランス構造に由来する吸収が見られる。
下記スキーム4に示すように、化合物(3)について、光異性化(フォトクロミズム)特性を確認した。この異性化により、化合物(3’)を製造した。
Figure 2007291330
化合物(3)は、上記スキーム4のように、ペリナフトチオインジゴ部位がトランス構造であるポルフィリン化合物(以下、「トランス体ポルフィリン化合物」または単に「トランス体」ということがある。)である。この化合物(3)に光照射してフォトクロミズムを起こさせ、ペリナフトチオインジゴ部位がシス構造であるポルフィリン化合物(以下、「シス体ポルフィリン化合物」または単に「シス体」ということがある。)(3’)を製造した。さらに、シス体ポルフィリン化合物(3’)に光照射し、フォトクロミズムによりトランス体ポルフィリン化合物(3)に戻ったことを確認した。具体的には、以下の通りである。
すなわち、まず、実施例1で合成したトランス体ポルフィリン化合物(3)をテトラヒドロフラン(THF)に溶かして2.2μM溶液を調製した。この溶液に、室温(22℃)条件下でレーザー光照射を行い、化合物(3)のペリナフトチオインジゴ部位を励起した。そして、前記化合物(3)の可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を測定した。照射波長は680nmであり、使用したレーザー光はパルス幅5nsのNd:YAG-OPOレーザーであり、平均パワーは240μWであった。図2のグラフに、前記可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。スペクトルは、レーザー光照射前、および照射開始後1、2、4、7、10、16、31分経過時のものである。図中、白抜き矢印(⇒)は、照射レーザー光の波長である680nmの位置を示す。各吸収帯に付随した黒矢印(→)は、各吸収帯における、レーザー光照射に伴う吸収の増加または減少を示す。図示の通り、光照射とともに、トランス体(3)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が減少した。同時に、シス体(3’)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が増加した。31分照射でほぼスペクトルの変化は止まり、シス体(3’)へと完全に変化した。このシス体(3’)の溶液を、遮光下、室温(22℃)で12時間静置し、スペクトルを測定した。そのスペクトル測定の結果は、31分照射時のスペクトルと一致した。この結果は、前記31分照射後の溶液を12時間静置しても、前記シス体(3’)の状態が保たれていることを示す。このように、トランス体ポルフィリン化合物(3)にレーザー光照射して異性化させ、シス体ポルフィリン化合物(3’)を製造することができた。
さらに、このシス体(3’)溶液に、室温(22℃)条件下でレーザー光照射を行い、シス体(3’)のペリナフトチオインジゴ部位を励起した。そして、前記化合物(3’)の可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を測定した。照射波長は500nmであり、使用したレーザー光はパルス幅5nsのNd:YAG-OPOレーザーであり、平均パワーは200μWであった。図3のグラフに、前記可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。スペクトルは、照射前、および照射開始後1、2、3、4、5、6、7分経過時のものである。図中、白抜き矢印(⇒)は、照射レーザー光の波長である500nmの位置を示す。各吸収帯に付随した黒矢印(→)は、各吸収帯における、レーザー光照射に伴う吸収の増加または減少を示す。図示のとおり、光照射とともに、トランス体(3)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が増加した。同時に、シス体(3’)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が減少した。7分照射でほぼスペクトルの変化は止まり、光定常状態となった。
以上の通り、トランス体ポルフィリン化合物(3)の異性化によりシス体ポルフィリン化合物(3’)を製造した。同時に、トランス体(3)とシス体(3’)のフォトクロミズムも確認した。
[実施例3:シス体ポルフィリン化合物(2’)の製造]
図9に、実施例1で得られた新規フォトクロミック分子であるポルフィリン化合物(2)の可視・紫外吸収スペクトルを示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。図中、実線で示した曲線が、ポルフィリン化合物(2)のスペクトルである。なお、このスペクトルは、実施例2と同様、化合物(2)をテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、1.8μM濃度溶液として測定した。図示の通り、420nmから460nm付近にポルフィリンに特有のソーレー帯の吸収、650nmから750nmにかけてトランス体のペリナフトチオインジゴ部位に由来する吸収が見られる。
下記スキーム5に示すように、化合物(2)について、光異性化(フォトクロミズム)特性を確認した。この異性化により、化合物(2’)を製造した。
Figure 2007291330
前記トランス体ポルフィリン化合物(2)の溶液に室温(25℃)でレーザー光照射した。光源は、照射波長700nm、パルス幅5nsのNd:YAG-OPOレーザーを用いた。平均パワーは30mWであり、照射時間は1分であった。このレーザー光照射により、前記トランス体ポルフィリン化合物(2)のペリナフトチオインジゴ部位を励起した。前述の図9に、励起後の前記溶液の可視・紫外吸収スペクトルを破線で示す。図中の黒矢印は、光照射(励起)に伴う吸収の減少または増加を示す。図示の通り、励起後は、トランス体(2)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が減少した。また、シス体ポルフィリン化合物(2’)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が増加した。
前記励起後のシス体(2’)溶液に室温(25℃)で光照射し、ペリナフトチオインジゴ部位を励起した。光照射は、照射波長520nm、150W Xeランプにモノクロメーターを接続し、平均パワー0.1mWで行った。図10に、前記シス体(2’)溶液に光照射(励起)した際の可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。図中の黒矢印は、光照射(励起)に伴う吸収の減少または増加を示す。スペクトルは、照射前、および照射開始後0.5、2、3、5、7、10、15、25分後のものである。図示の通り、光照射とともにトランス体(2)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が増加した。また、シス体(2)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が減少した。25分照射でほぼスペクトルの変化は止まった。
以上の通り、トランス体ポルフィリン化合物(2)の異性化によりシス体ポルフィリン化合物(2’)を製造した。同時に、トランス体(2)とシス体(2’)のフォトクロミズムも確認した。
[実施例4:三次元光記録材料]
実施例1で製造したポルフィリン化合物(2)および(3)について、三次元光記録材料としての性能を評価した。
(蛍光スペクトル測定)
蛍光スペクトルは、前記の通り、日立製作所社製の蛍光分光計F-4500(商品名)を用いて測定した。励起光の光源としては、同機器内に標準装備されているXeランプを用いた。
まず、実施例2と同条件下で、トランス体ポルフィリン化合物(3)溶液に励起光を照射して、ペリナフトチオインジゴ部位を励起した。そして、励起後の前記溶液の蛍光スペクトルを測定した。前記トランス体(3)溶液の濃度、使用溶媒は実施例2と同じであった。また、照射波長は680nmであった。図4のグラフに、前記蛍光スペクトルを示す。図中、縦軸は蛍光強度であり、横軸は波長である。図中「励起光」との記載は、波長680nmにおいて、前記照射に用いた励起光を観測していることを示す。図示の通り、700nmから800nmにかけて蛍光が観測された。
さらに、蛍光の観測波長を800nmに固定し、照射波長を400nmから725nmまで変化させた際の800nmにおける蛍光強度の変化を測定した(励起スペクトル)。そして、励起後の前記溶液の蛍光スペクトルを測定した。図5のグラフに、その蛍光スペクトルを示す。図中、縦軸は800nmにおける蛍光強度であり、横軸は励起波長である。図示の通り、600nmから750nmにかけて、トランス体(3)のペリナフトチオインジゴ部位由来吸収スペクトルに対応する励起スペクトルが得られた。また、440nm付近にポルフィリンのソーレー帯に由来するスペクトルが得られた。このソーレー帯由来スペクトルは、ポルフィリン部位を光励起してもエネルギー移動によって励起エネルギーがペリナフトチオインジゴ部位へ集まることを示す。この結果は、ポルフィリンのソーレー帯部分を二光子励起することでトランス体をシス体へ異性化できることを示している。
なお、シス体(3’)は、400〜650nmにおけるいずれの波長を用いて励起しても、ポルフィリン部位から発光した。具体的には、実施例2と同様のシス体(3’)溶液を用い、蛍光スペクトルを測定した。図6に、照射波長570nmで励起した際の蛍光スペクトルを示す。図中、縦軸は蛍光強度であり、横軸は波長である。図示の通り、シス体(3’)の発光強度はトランス体(3)と比べて一桁以上強かった。
(二光子吸収による異性化(フォトクロミズム))
前述の通り、ポルフィリン化合物(3)において、ポルフィリンのソーレー帯の一光子吸収は、約440nm付近に吸収帯が存在する。したがって、二光子吸収の波長は、440nmの約二倍となる。そこで、以下の通り、二光子吸収によるポルフィリン化合物(3)の異性化(フォトクロミズム)を行い、三次元記録材料としての性能を評価した。
トランス体(3)からシス体(3’)への変換は、以下のように行った。すなわち、まず、実施例1で合成したトランス体ポルフィリン化合物(3)をTHFに溶かして2.4μM溶液を調製した。この溶液を、室温(25℃)条件下でレーザー光照射により二光子励起し、可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を測定した。照射波長は890nmであり、使用したレーザー光はパルス幅200fsのチタンサファイアレーザーであり、ピーク強度は0.53GW/cm2であった。図7のグラフに、前記可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。スペクトルは、照射前、および照射開始後10分、20分、40分、60分、120分、180分、300分経過時のスペクトルである。図中、各吸収帯に付随した黒矢印(→)は、各吸収帯における、レーザー光照射に伴う吸収の増加または減少を示す。図示の通り、光照射とともに、トランス体(3)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が減少した。同時に、シス体(3’)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が増加した。図7挿入図(図7右上)のグラフに、図7のスペクトルから計算したシス体(3’)の比率を示す。同図中、縦軸はシス体(3’)の比率(%)であり、横軸は照射時間(分)である。図示の通り、300分間(5時間)照射後では、照射前に存在したトランス体(3)のうち55%がシス体(3’)に変換された。
シス体(3’)からトランス体(3)への変換は、以下のように行った。すなわち、まず、実施例2と同じ条件で、トランス体ポルフィリン化合物(3)の溶液に波長680nmのレーザー光を照射し、前記溶液中のトランス体(3)を、完全にシス体(3’)に変換させた。そして、このシス体(3’)溶液に室温(25℃)条件下でレーザー光を照射してシス体(3’)を二光子励起し、可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を測定した。照射波長は890nmであり、使用したレーザー光はパルス幅200fsのチタンサファイアレーザーであり、ピーク強度は0.53GW/cm2であった。図8のグラフに、前記可視・紫外吸収スペクトルの経時変化を示す。図中、縦軸は吸光度であり、横軸は波長である。スペクトルは、照射前、および照射開始後10分、20分、40分、60分、120分、180分、300分経過時のスペクトルである。図中、各吸収帯に付随した黒矢印(→)は、各吸収帯における、レーザー光照射に伴う吸収の増加または減少を示す。図示のとおり、光照射とともに、トランス体(3)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する650nmから750nmの吸収が増加した。同時に、シス体(3’)のペリナフトチオインジゴ部位に由来する480nmから550nmの吸収が減少した。図8挿入図(図8右上)のグラフに、図8のスペクトルから計算したトランス体(3)の比率を示す。同図中、縦軸はトランス体(3)の比率(%)であり、横軸は照射時間(分)である。図示の通り、300分間(5時間)照射後では、照射前に存在したシス体(3’)のうち17%がトランス体(3)に変換された。
このように、波長890nmのレーザー光照射により、トランス体(3)からシス体(3’)への異性化およびシス体(3’)からトランス体(3)への異性化というフォトクロミズム現象が起こった。すなわち、二光子吸収によるフォトクロミズムにより、ポルフィリン化合物(3)の三次元光記録材料としての有用性を確認することができた。
また、ポルフィリン化合物(2)についても、上記と同様の方法で、トランス体(2)からシス体(2’)への異性化およびシス体(2’)からトランス体(2)への異性化というフォトクロミズム現象を確認した。すなわち、二光子吸収によるフォトクロミズムにより、ポルフィリン化合物(2)の三次元光記録材料としての有用性を確認することができた。
(二光子吸収断面積の測定)
以下のようにして化合物(2)および(3)の二光子吸収断面積を測定した。なお、以下において、オープンZ-スキャン法による測定および測定結果の解析は、参考文献 K. Ogawa, A. Ohashi, Y. Kobuke, K. Kamada, and K. Ohta, J. Phys. Chem. B, 109, 22003-22012 (2005).に記載の方法により行った。
化合物(2)および(3)を個別にTHF溶液(2.4 × 10-4 mol/L)とし、それぞれ室温(25℃)で二光子吸収断面積を測定した。測定は、5ナノ秒のパルス幅を持つYAG:Ndレーザーを用い、オープンZ-スキャン法によって行った。前記レーザー光の波長は、光学パラメトリックオシレーター(OPO)を用いて890nmに設定した。測定は2mmセルを用い、入射光焦点の前後を45mmスキャンして行った。レーザー光出力は、化合物(2)溶液に対しては25mWとし、化合物(3)溶液に対しては23mWとした。パルスの繰り返し周波数は、いずれの溶液に対しても10Hzとした。図11に、トランス体ポルフィリン化合物(3)の前記オープンZ-スキャン法(Z-scan)測定結果を示す。図12に、トランス体ポルフィリン化合物(2)の前記オープンZ-スキャン法(Z-scan)測定結果を示す。図11および12において、横軸は、試料位置を示す。また、縦軸は、規格化透過度である。透過度、T、はT = If/Iiで定義される。前記式中、Ifは試料を透過した後のレーザー光強度、Iiは試料を透過する前のレーザー光強度である。透過度の規格化(規格化透過度)は下記に記述の解析において行われた。図11および12の結果を、前記参考文献に記載の方法にしたがって解析した。具体的には下記の(1)式を用いてカーブフィッティングを行った。
Figure 2007291330
上記解析の結果、トランス体ポルフィリン化合物(2)の二光子吸収断面積は22000GMであった。また、トランス体ポルフィリン化合物化合物(3)の二光子吸収断面積は15000GMであった。このように、いずれの化合物も非常に大きな二光子吸収断面積値を示した。これにより、化合物(2)および(3)のいずれも、三次元記録材料として非常に大きな記録容量を示しうることが確認された。
なお、本実施例では、化合物(2)および(3)を製造した。しかし、前述の通り、これ以外の構造を有する本発明の化合物、すなわち、前記式(1)で表され、1または複数のポルフィリン環と1または複数のペリナフトチオインジゴ環とを含むポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩についても、当業者であれば、本明細書の記載に基づき(場合によっては技術常識を参酌し)、過度の試行錯誤や複雑高度な実験をすることなく製造できる。また、本実施例では、ポルフィリン化合物(2)および(3)について、二光子吸収によるフォトクロミズムにより、三次元光記録材料としての有用性を確認した。しかし、他の構造を有する本発明の化合物についても同様の効果が得られることは当業者には明らかである。具体的には以下のとおりである。前述のとおり、本発明の化合物は、ポルフィリン環とペリナフトチオインジゴ環が直鎖状原子団で連結されている。そして、前記ポルフィリン環と前記ペリナフトチオインジゴ環との間でπ電子共役可能である。本発明の化合物は、前記ポルフィリン環を有することにより、実施例と同様に二光子吸収を起こすことができる。その二光子吸収エネルギーを、π電子共役により前記ペリナフトチオインジゴ環が受け取ることができる。そして、前記ペリナフトチオインジゴ環が異性化することで、フォトクロミズムが起こる。すなわち、本発明の化合物が、前記式(1)の構造を有する限り、二光子吸収によりフォトクロミズムを起こすことができる。また、前述のとおり、二光子吸収によりフォトクロミズムが起これば、三次元記録に利用することができる。さらに、本発明の化合物の用途は、三次元光記録材料および三次元光記録媒体に限定されず、他の用途に用いることもできる。
以上説明したとおり、本発明の化合物は、二光子吸収効率が高く、かつ、光吸収で効果的にフォトクロミズムを起こすことにより、三次元光記録材料等の用途に好適である。本発明の三次元光記録材料は、本発明の化合物を含むことにより三次元記録が可能である。また、本発明の三次元光記録媒体は、前記の構成を有することにより、大容量の記録が可能である。例えば、本発明により、書き換えが可能な三次元光メモリの媒体を提供することができる。また、例えば、本発明の化合物が、前記のように10000GM以上という大きい二光子吸収断面積を有することで、1cm3当り1テラビット(フロッピー(登録商標)ディスク10万枚に相当)という高密度の情報を記録することも可能である。本発明の三次元光記録媒体は、このように大きい記録容量を有することにより、次世代の記憶媒体として期待出来る。さらに、本発明の化合物の用途は、三次元光記録材料および三次元光記録媒体に限定されず、どのような用途に用いても良い。
図1は、実施例の化合物(3)の可視・紫外吸収スペクトルを示すグラフである(テトラヒドロフラン(THF)溶液中)。 図2は、実施例の化合物(3)を室温においてトランス体からシス体へ光異性化反応させた際の、可視・紫外吸収スペクトルの変化を示すグラフである(THF溶液中)。 図3は、実施例の化合物(3’)を室温においてシス体からトランス体へ光異性化反応させた際の可視・紫外吸収スペクトルの変化である(THF溶液中)。 図4は、実施例におけるトランス体化合物(3)の蛍光スペクトルを示すグラフである(THF溶液中、励起波長680nm)。 図5は、実施例におけるトランス体化合物(3)の励起スペクトルを示すグラフである(THF溶液中、蛍光波長800nm)。 図6は、実施例におけるシス体化合物(3’)の蛍光スペクトルを示すグラフである(THF溶液中、励起波長570nm)。 図7は、実施例におけるトランス体化合物(3)の、二光子吸収によるトランス体からシス体への光異性化反応を示すグラフである(THF溶液中、励起波長890nm)。 図8は、実施例におけるシス体化合物(3’)の、二光子吸収によるシス体からトランス体への光異性化反応を示すグラフである(THF溶液中、励起波長890nm)。 図9は、実施例の化合物(2)において、トランス体からシス体への光異性化反応の際の可視・紫外吸収スペクトルの変化を示すグラフである(THF溶液中)。 図10は、実施例の化合物(2’)において、シス体からトランス体への光異性化反応の際の可視・紫外吸収スペクトルの変化を示すグラフである(THF溶液中)。 図11は、実施例におけるトランス体化合物(3)のZ-scan図である(THF溶液、5nsパルス、10Hz、23mW)。 図12は、実施例におけるトランス体化合物(2)のZ-scan図である(THF溶液、5nsパルス、10Hz、25mW)。

Claims (20)

  1. 下記式(1)で表され、1または複数のポルフィリン環と1または複数のペリナフトチオインジゴ環とを含むポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(1)中、
    P1は、下記式(a1)、(b1)または(c1)で表される原子団であり、
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    [Y]は、下記式(a2)、(b2)または(c2)で表される原子団であり、
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    P2は、水素原子、ハロゲン、または、下記式(a3)、(b3)もしくは(c3)で表される原子団であり、
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)中、
    R1は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、各R1は同一でも異なっていても良く、
    R3は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、各R3は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a1)、(b1)、(c1)、(a3)、(b3)および(c3)中、
    L0は、L0の両端に結合した環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、前記式(1)中にL0が複数存在する場合は、各L0は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
    R2は、それぞれ、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環、またはハロゲンを表し、前記置換もしくは無置換のアルキル基は、直鎖状でも分枝状でも環状(置換もしくは無置換のシクロアルキル基)でも良く、前記置換アルキル基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記置換もしくは無置換のアリール基は、単環でも縮合環でも良く、ヘテロ原子を含んでいなくても含んでいても良く、前記置換アリール基において、置換基は1でも複数でも良く、複数の場合は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にR2が複数存在する場合は、各R2は同一でも異なっていても良く、
    M1は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(b1)中、
    xは、正の整数であり、

    前記式(b3)中、
    yは、正の整数であり、

    前記式(b1)および(b3)中、
    M2は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良く、
    L1は、L1の両端に結合したポルフィリン環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、L0とL1は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にL1が複数存在する場合は、各L1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a2)および(b2)中、
    M3は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M3は前記M1およびM2とは同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM3が複数存在する場合は、各M3は同一でも異なっていても良く、

    前記式(b2)中、
    zは、正の整数であり、
    L2は、L2の両端に結合したポルフィリン環とそれぞれ共役可能な直鎖状原子団であり、L2は前記L0およびL1とは同一でも異なっていても良く、L2が複数存在する場合は、各L2は同一でも異なっていても良く、

    前記式(c1)、(c2)および(c3)中、
    R4は、水素原子、またはハロゲンであり、各R4は同一でも異なっていても良い。
  2. 前記式(1)中に含まれるペリナフトチオインジゴ環の数が1である請求項1記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  3. 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が水素原子である(下記式(i)で表される)請求項2記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(i)中、R1、R2、R3、R4、L0およびM1は、前記式(1)と同じである。
  4. 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、P2が水素原子である(下記式(ii)で表される)請求項2記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(ii)中、R1、R2、R3、R4、L0、L1、M1およびM2は、前記式(1)と同じである。
  5. 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が前記式(a3)で表される(下記式(iii)で表される)請求項2記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(iii)中、R1、R2、R3、R4、L0およびM1は、前記式(1)と同じである。
  6. 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、P2が前記式(b3)で表され、前記式(b3)中の重合度yが1である(下記式(iv)で表される)請求項2記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(iv)中、R1、R2、R3、R4、L0、L1、M1およびM2は、前記式(1)と同じである。
  7. 前記式(1)中、[Y]が前記式(c2)で表され、P1が前記式(a1)で表され、P2が前記式(b3)で表され、前記式(b3)中の重合度yが1である(下記式(v)で表される)請求項2記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    前記式(v)中、R1、R2、R3、R4、L0、L1、M1およびM2は、前記式(1)と同じである。
  8. 前記式(1)中、
    P1が前記式(c1)で表され、
    および、
    [Y]が前記式(c2)で表されP2が前記式(a3)で表される(下記式(vi))か、または、[Y]が前記式(a2)で表されP2が前記式(c3)で表される(下記式(vii))、
    請求項1記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    前記式(vi)および(vii)中、R1、R3、R4およびL0は、前記式(1)と同じであり、
    前記式(vi)中、R2およびM1は、前記式(1)と同じであり、
    前記式(vii)中、M3は、前記式(1)と同じである。
  9. 前記式(1)において、
    前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)中、
    R1において、前記置換アルキル基が、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケノキシアルキル基、アルケノキシカルボニルアルキル基、およびカルボキシアルキル基からなる群から選択される少なくとも一つであり、前記置換アリール基が、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アルコキシカルボニルアリール基、アルケノキシアリール基、カルボキシアリール基およびアルケノキシカルボニルアリール基からなる群から選択される少なくとも一つであり、各R1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a1)、(b1)、(c1)、(a3)、(b3)および(c3)中、
    L0は、下記式(L100)で表される原子団であり、
    Figure 2007291330
    前記式(L100)中、nは、1〜3のいずれかの整数を表し、式(1)中にL0が複数存在する場合は、各L0は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
    R2において、前記置換アルキル基が、アルコキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケノキシアルキル基、アルケノキシカルボニルアルキル基、およびカルボキシアルキル基からなる群から選択される少なくとも一つであり、前記置換アリール基が、アルキルアリール基、アルコキシアリール基、アルコキシカルボニルアリール基、アルケノキシアリール基、カルボキシアリール基およびアルケノキシカルボニルアリール基からなる群から選択される少なくとも一つであり、前記5〜6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環が、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、ピリジン、ピラゾール、およびピリミジンからなる群から選択される少なくとも一つであり、前記式(1)中にR2が複数存在する場合は、各R2は同一でも異なっていても良く、
    M1は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(b1)中、
    xは、正の整数であり、

    前記式(b3)中、
    yは、正の整数であり、

    前記式(b1)および(b3)中、
    M2は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良く、
    L1は、下記式(L200)で表され、
    Figure 2007291330
    前記式(L200)中、mは、1〜3のいずれかの整数を表し、式(1)中にL1が複数存在する場合は、各L1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a2)および(b2)中、
    M3は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水酸化物、Si、Ge、もしくはPであるか、または2個の水素原子を表し、M3は前記M1およびM2とは同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM3が複数存在する場合は、各M3は同一でも異なっていても良く、

    前記式(b2)中、
    zは、正の整数であり、
    L2は、下記式(L300)で表され、
    Figure 2007291330
    前記式(L300)中、lは、1〜3のいずれかの整数を表し、L2が複数存在する場合は、各L2は同一でも異なっていても良く、

    前記式(c1)、(c2)および(c3)中、
    R4は、水素原子、またはハロゲンであり、各R4は同一でも異なっていても良い、
    請求項1〜8のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  10. L0が、エチニレン基 (-C≡C-) である請求項1〜9のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  11. 前記式(1)中、
    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)において、
    M1が、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムもしくはガリウムのイオンであるか、または2個の水素原子であり、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は各M1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(b1)および(b3)において、
    M2が、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムもしくはガリウムのイオンであるか、または2個の水素原子であり、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は各M2は同一でも異なっていても良く、

    前記式(a2)および(b2)において、
    M3が、亜鉛、鉄、コバルト、ルテニウムもしくはガリウムのイオンであるか、または2個の水素原子であり、M3が複数存在する場合は各M3は同一でも異なっていても良い、
    請求項1〜10のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  12. 前記式(1)において、
    前記式(a1)、(b1)、(a2)、(b2)、(a3)および(b3)中、
    R1において、前記置換もしくは無置換のアルキル基の全炭素原子数が1〜24であり、前記置換もしくは無置換のアリール基の全炭素原子数が6〜24であり、
    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
    R2において、前記置換もしくは無置換のアルキル基の全炭素原子数が1〜24であり、前記置換もしくは無置換のアリール基の全炭素原子数が6〜24である、
    請求項1〜11のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  13. 前記式(1)で表されるポルフィリン化合物が、
    [Y]が前記式(c2)で表され、
    P1が前記式(a1)または(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、
    P2が、前記式(a3)もしくは(b3)で表されるか、または水素原子であり、P2が前記式(b3)で表され、前記式(b3)中の重合度yが1であり、
    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、R3が全て水素原子であり、L0は、エチニレン基であり、
    前記式(b1)および(b3)中、L1は、下記式(L200)で表され、
    Figure 2007291330
    前記式(L200)中、mは、1〜3のいずれかの整数を表し、式(1)中にL1が複数存在する場合は、各L1は同一でも異なっていても良く、
    前記式(c2)中、R4は、全て水素原子である、
    (下記式(xi)〜(xv)のいずれかで表される)ポルフィリン化合物であり、
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    前記式(xi)〜(xv)中、
    M1は、金属イオンまたは2個の水素原子であり、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(xii)、(xiv)および(xv)中、
    M2は、金属イオンまたは2個の水素原子であり、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良い、
    請求項1〜7および9〜12のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  14. 前記式(1)中、
    前記式(1)で表されるポルフィリン化合物が、
    [Y]が前記式(c2)で表され、
    P1が前記式(a1)または(b1)で表され、前記式(b1)中の重合度xが1であり、
    P2が、前記式(a3)もしくは(b3)で表されるか、または水素原子であり、前記式(b3)中の重合度yが1であり、
    前記式(a1)、(b1)、(a3)および(b3)中、
    L0は、エチニレン基であり、
    R2は、全て水素原子であり、
    R3は、全て水素原子であり、
    前記式(b1)および(b3)中、
    L1は、エチニレン基であり、
    前記式(c2)中、
    R4は、全て水素原子である、
    (下記式(xxi)〜(xxv)のいずれかで表される)ポルフィリン化合物であり、
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    Figure 2007291330
    前記式(xxi)〜(xxv)中、
    R1が、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、3、5−ビス(メトキシカルボニル)フェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、および3、5−ビス(エトキシカルボニル)フェニル基からなる群から選択される少なくとも一つであり、各R1は同一でも異なっていても良く、
    M1は、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、Ru(III)または2個の水素原子であり、前記式(1)中にM1が複数存在する場合は、各M1は同一でも異なっていても良く、

    前記式(xxii)、(xxiv)および(xxv)中、
    M2は、Zn(II)、Ga(III)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Ru(II)、Ru(III)または2個の水素原子であり、M1とM2は同一でも異なっていても良く、前記式(1)中にM2が複数存在する場合は、各M2は同一でも異なっていても良い、
    請求項1記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
  15. 前記式(1)で表されるポルフィリン化合物が、下記式(2)または(3)で表されるポルフィリン化合物である請求項1記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2007291330
  16. 請求項1記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩の製造方法であり、
    ポルフィリン誘導体とハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体とをカップリング反応させる工程を含み、
    前記ポルフィリン誘導体は、ポルフィリン環の5位、10位、15位および20位炭素に結合する水素原子のうち少なくとも一つが置換基 -L0-H で置換された誘導体であり、前記L0は請求項1記載のL0と同じであり、
    前記ハロゲン化ペリナフトチオインジゴ誘導体は、ペリナフトチオインジゴ環中における2つのナフタレン環の少なくとも1つにおいて、S原子と結合した炭素のパラ位炭素がハロゲン化された誘導体である、
    製造方法。
  17. 三次元光記録材料であって、請求項1〜15のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含む三次元光記録材料。
  18. 情報記録可能な記録層を有する三次元光記録媒体であって、前記記録層が請求項17記載の三次元光記録材料を含む三次元光記録媒体。
  19. 光記録材料であって、請求項1〜15のいずれかに記載のポルフィリン化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含む光記録材料。
  20. 情報記録可能な記録層を有する光記録媒体であって、前記記録層が請求項19記載の光記録材料を含む光記録媒体。
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