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JP2007291344A - アクリル系樹脂組成物及びそれを用いたシート状成形体 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物及びそれを用いたシート状成形体 Download PDF

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JP2007291344A JP2007047940A JP2007047940A JP2007291344A JP 2007291344 A JP2007291344 A JP 2007291344A JP 2007047940 A JP2007047940 A JP 2007047940A JP 2007047940 A JP2007047940 A JP 2007047940A JP 2007291344 A JP2007291344 A JP 2007291344A
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acrylic resin
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Tadahiro Takano
忠広 高野
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Achilles Corp
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Abstract

【課題】加工性がよく、また、高度な柔軟性を有して電気部品等に密着性のよいアクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いて得られるシート状成形体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000、のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物に加えて、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有することを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系樹脂組成物、及びそれを用いたシート状成形体に関する。
電子機器部品、特に電子デバイス、パーソナルコンピュータ等は、一般に稼動時に熱を発することから、熱による部品の破損防止や安定作動確保のために、電子機器装置内に金属製のヒートシンク等が取り付けられている。また、必要に応じて、ヒートシンクをファン等によって強制的に空冷することも行われている。さらに、大きな発熱を伴う部品に対しては、水循環による強制的な水冷や半導体素子の一種であるペルチェ素子を用いた強制的な冷却等が採用されている。
このような冷却装置を発熱体に取り付ける際には、冷却装置と発熱体との接触を密にして熱を有効に冷却装置へ伝達させるために、熱伝導材と称される材料が用いられている。すなわち、このような熱伝導材は、冷却装置と発熱体の間に介在させることで両者間の熱伝達を改善させるものである。そして、このような熱伝導材としては、一般的に熱分解安定性、難燃性等の観点から、シリコーン系グリス、熱伝導率を高めたシリコーンゴムシート、シリコーンゲルシート等が使用されている。
しかしながら、シリコーン系グリスにおいては、高粘度液状物のため扱い難く、発熱部品に塗布する場合の塗布量のコントロールが難しいという問題や、高温になるにつれ流動性が高まり流出(ポンプアウト)してしまうという問題があった。また、発熱部品の大きな凸凹面に対しては密着性があまり良くないので実質的に使用することが困難であるという問題もあった。更には、シリコーン系材料であることから僅かながらシロキサンガスの発生があり、このようなシロキサンガスが電極接点等へ付着して二酸化珪素が生成されるため、これが原因となって接点不良を生じる可能性があった。
また、熱伝導率を高めたシリコーンゴムシートや、それより低硬度のシリコーンゲルシートにおいては、シリコーン樹脂そのものが高価であるばかりか製造工程において加硫工程を必要とする場合もあるため容易に製造できないという問題があった。更に、前述のシリコーン系グリスと同様にシロキサンガスが発生するため、このようなシリコーンゴムシートやシリコーンゲルシートにおいても接点不良を生じる可能性があった。また、このようなシリコーンゴムシートに金属酸化物等の熱伝導充填材を高比率で含有させるとシート化が困難となり、更に得られるシートが脆いシートとなってしまっていた。
そして、このようなシリコーン系グリス、シリコーンゴムシート、シリコーンゲルシート等の問題点を解決するため、アルミナ、窒化硼素等の熱伝導性充填剤を含有したゴム系、ウレタン系、アクリル系等の熱伝導材(樹脂組成物)が提案されてきている。
例えば、特許文献1においては、アクリル系ポリウレタン樹脂と、そのアクリル系ポリウレタン樹脂中に分散せしめられた熱伝導性充填材とを含む熱伝導性シートが開示されている。しかしながら、このシートは、既重合のいわゆるアクリル系ポリウレタンを樹脂アクリル系樹脂組成物として使用していたため、製造の際に加工性が低くシート化が困難であり、また、得られるシートの柔軟性が低いという問題があった。
また、特許文献2においては、官能基としてカルボキシル基を含有するアクリル系共重合体と、1分子中に2個以上のグリシジル基を含有する化合物とをアクリル系樹脂組成物とし、窒化物、金属酸化物又は金属粉よりなる群から選択される熱伝導性充填材を含む組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の組成物であっても、その加工性は必ずしも十分ではなく、また、得られるシートの柔軟性は必ずしも十分ではなかった。
一方、アクリル系樹脂組成物中に、例えば蓄熱剤や電磁波吸収剤、或いは誘電体等の無機物或いは有機物からなる添加剤の含有率を高くさせ、蓄熱性や電磁波吸収性、或いは誘電体性に優れたシート等を得ることができる。しかしながら、これらシートはアクリル系樹脂組成物中に、例えば蓄熱材や電磁波吸収剤、或いは誘電体の含有率が高いものであるため、シートを製造する際の加工性が低くシート化が困難なものであり、また、得られるシートの柔軟性が低いという問題があった。
特開2002−30212号公報 特開2004−161856号公報
つまり、熱伝導性充填材や蓄熱材、或いは電磁波吸収剤や誘電体等の無機物或いは有機物からなる添加剤の含有率を高くすると各々の物性を向上させることは可能であるが、加工性が低くシート化が困難なものとなり、また、柔軟性が低下するものであった。その結果、例えば熱伝導シートとして使用した場合には、電子部品やヒートシンクに対する密着性が低くなり、接触面積が低下してしまうため、実質的な熱伝導性を確保することが出来なくなる問題があった。また、蓄熱シートや電磁波吸収シート、或いは誘電体シート等においても、柔軟性が低いと、貼着体との密着性が低くなり、場合によってはこれらシートが貼着体から剥がれる虞があり、各々の優れた物性を発揮させることが困難なものであった。本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、加工性がよく、また、高度な柔軟性を有し、例えば電気部品等の貼着体に対する密着性がよいアクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いて得られるシート状成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000、のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物に加えて、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有することにより、加工性がよく、また高度な柔軟性を有するアクリル系樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の請求項1に記載のアクリル系樹脂組成物は、(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000、のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物と、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有することを特徴とするものである。また、請求項2に記載のアクリル系樹脂組成物は、前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して、前記(C)のアクリル系重合体を5乃至150重量部含有することを特徴とするものである。また、請求項3に記載のアクリル系樹脂組成物は、前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤を150乃至500重量部含有することを特徴とするものである。また、請求項4に記載のシート状成形体は、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、加工性がよく、また、高度な柔軟性を有して電気部品等の貼着体に対する密着性がよいシート状成形体を得ることができるアクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いて得られるシート状成形体を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のアクリル系樹脂組成物について説明する。すなわち、本発明のアクリル系樹脂組成物は、(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物と、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有するものである。
本発明にかかるアクリル系共重合体(A)は、分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000のものである。このようなアクリル系共重合体を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体として、これに共重合可能なビニル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを同時に重合(共重合)させる方法、官能基を有するアクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーを共重合させる方法、アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させ、停止反応として官能基含有分子により末端停止反応を行う方法等を採用することができる。
また、アクリル系共重合体(A)は、分子鎖に反応性官能基を有し、この官能基が水酸基、カルボキシル基、グリシジル基のいずれかを有するものであればよい。これら官能基は、分子鎖末端にあっても、また、分子鎖中間に存在しても、また、側鎖上に存在しても構わない。さらに反応性官能基が平均して分子鎖に2個以上存在することが好ましく、これより少ないと、反応性官能基が化合物(B)と反応し充分鎖延長することができず、耐熱性が低下したり、成形体を得難くなる。これら官能基の導入は、共重合時に官能基を有したモノマーを共重合させることによりなされる。
また、アクリル系共重合体(A)は、ランダム共重合したもの、或いはブロック共重合したものであってもよい。
また、アクリル系共重合体(A)の構造は、単一なものに限られず、様々な繰り返し単位のアクリル系共重合体を混合したものを用いることが可能である。
さらに、アクリル系共重合体(A)は、前述のようにして得られる2種以上のモノマーを共重合させたアクリル系共重合体の他にも、異なるアクリル系単独重合体同士を混合したもの、アクリル系単独重合体とアクリル系共重合体とを混合したもの、又はアクリル系共重合体同士を混合したものを用いることができる。また、得られた重合体が2種類以上の異なった官能基を有していても構わないが、その場合、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物との硬化反応に際して反応が安定せず制御が困難になりやすい。
官能基を有さないアクリル系モノマーとしては、アクリル酸アルキルエステル、脂環式アルキルアクリレート、メタクリル酸アルキルエステル、脂環式アルキルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル酸アルキルエステルとしては、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、プロピルアクリレート(アクリル酸プロピル)、iso−プロピルアクリレート(アクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルアクリレート(アクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルアクリレート(アクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルヘキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルアクリレート(アクリル酸オクチル)、iso−オクチルアクリレート(アクリル酸−iso−オクチル)、デシルアクリレート(アクリル酸デシル)、iso−デシルアクリレート(アクリル酸イソデシル)、iso−ノニルアクリレート(アクリル酸−iso−ノニル)、ネオペンチルアクリレート(アクリル酸ネオペンチル)、トリデシルアクリレート(アクリル酸トリデシル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)等が挙げられる。
脂環式アルキルアクリレートとしては、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸アルキルエステルとしては、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、プロピルメタクリレート(メタクリル酸プロピル)、iso−プロピルメタクリレート(メタクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルヘキシルメタクリレート(メタクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルメタクリレート(メタクリル酸オクチル)、iso−オクチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−オクチル)、デシルメタクリレート(メタクリル酸デシル)、イソデシルメタクリレート(メタクリル酸イソデシル)、イソノニルメタクリレート(メタクリル酸イソノニル)、ネオペンチルメタクリレート(メタクリル酸ネオペンチル)、トリデシルメタクリレート(メタクリル酸トリデシル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)等が挙げられる。
脂環式アルキルメタクリレートとしては、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
これらの中で、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、特にn−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、2−エチルヘキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)が好ましい。
ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
官能基を有するモノマーとしては、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマーが挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒロドキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸とポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールとのモノエステル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ラクトン類と2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの付加物、等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。グリシジル基含有モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エチルグリシジルアクリレート、2−エチルグリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、本発明のアクリル系重合体(A)は、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いたゲルパーミュエションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の数平均分子量が800乃至20,000である。数平均分子量が800未満であると、得られる成形体の耐熱性、耐候性が劣る傾向にあり、また成形体がシート状物の場合、硬度が高くなり所望の柔軟性が得られず、優れた密着性を得ることできない。また、逆に数平均分子量が20,000を超えると、アクリル系重合体の流動性がなくなる傾向にあり、熱伝導性充填剤を高比率で充填させることが困難となるばかりか、加工性が低く、シート化が困難である。
本発明にかかるアクリル系共重合体(C)は、本発明のアクリル系樹脂組成物としての柔軟性を調整するものである。つまり、アクリル系共重合体(C)は、(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000のアクリル系共重合体と(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物に含有させることにより、アクリル系樹脂組成物における単位体積あたりの見かけ架橋密度を低減することができ、柔軟性に優れたアクリル系樹脂組成物を得ることを可能にするものである。アクリル系共重合体(C)としては、分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有するものである。このようなアクリル系共重合体を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体に、共重合可能なビニル系モノマーを共重合することにより得ることができる。
また、官能基を有さないアクリル系モノマー及びビニル系モノマーとしては、アクリル系重合体(A)を重合するために用いたものと同様なものが挙げられる。
また、アクリル系重合体(C)は、ゲルパーミュエションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の数平均分子量が800乃至6,000であることが好ましい。数平均分子量800未満であると、成形体がシート状物の場合、硬度が高くなり所望の柔軟性が得られず、優れた密着性を得ることできない。また、得られる成形体においてアクリル系重合体(C)がブリードアウトし、発熱部品を汚染して密着性が悪くなる。また、逆に数平均分子量6,000を超えると、アクリル系重合体の流動性がなくなる傾向にあり、熱伝導性充填剤を高比率で充填させることが困難となるばかりか、加工性が低く、シート化が困難である。
また、アクリル系重合体(C)は、前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して、5乃至150重量部含有することが好ましい。アクリル系重合体(C)の含有量が5重量部より少ないと、柔軟性を確保することが困難となり、発熱部品との密着性が悪くなる。特に、本発明のアクリル系樹脂組成物をシート状成形体にした場合には、発熱部品に該シートを強圧縮しなければ発熱部品に取付けすることができず、それにより発熱部品を破損する場合がある。また、アクリル系重合体(C)の含有量が150重量部より多いと、シートの硬化性が悪化するため、シート形状を得るのが困難になる。
また、本発明にかかるアクリル系重合体(C)のガラス転移温度(Tg)が、DSC法により測定される値で−10℃以下、圧力1,013hPa、温度25℃の条件下で5,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることがより好ましい。このようなポリマーのガラス転移温度が高すぎると、得られるアクリル系樹脂組成物が硬くなる傾向にあり、また粘度が5,000mPa・sを超えると重合体の流動性が低下して熱伝導性充填剤の添加、分散が困難となり加工性が低下する傾向がある。なお、上記粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計での測定値である。
本発明にかかる化合物(B)は、アクリル系重合体(A)の反応性官能基と反応し結合を作るものであるが、その反応の際に副生成物を伴うものは好ましくない。例えば、アクリル系重合体(A)の反応性官能基が水酸基、化合物(B)の官能基がカルボキシル基であると、両者の反応により副生成物として水が発生する。これら副生成物は硬化される成形体中に残留する場合が多く、とくに気泡の発生を伴うために好ましくない。したがって、アクリル系重合体(A)の反応性官能基が水酸基である場合、化合物(B)としてイソシアネート系化合物、酸無水物等が選択使用される。その中でも特に、イソシアネート系化合物が好適に使用される。前記イソシアネート系化合物としては、種々のものが使用できるが、常温で液状のものが好ましく、また、溶剤で希釈すると得られる成形体に気泡が発生する可能性があるので好ましくない。これらイソシアネート系化合物としては、耐候性に優れる点で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族系イソシアネートが特に好適に使用される。
アクリル系重合体(A)の反応性官能基がカルボキシル基である場合、化合物(B)としてグリシジル基を有する化合物が好適に使用され、アクリル系共重合体のカルボキシル基と反応して硬化物を得ることができる。このグリシジル基を有する化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PETPGE)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル(GREPGE)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RESDGE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPGDGE)、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(HDDGE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(PPGDGE)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(PBDGE)、フタル酸ジグリシジルエーテル(DGEP)、ハロゲン化ネオペンチルグリセロールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル(DGEBF)等が挙げられ、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)等を特に好適に使用することができる。
また、官能基としてグリシジル基を有する化合物のエポキシ当量(WPE)は、80乃至400の範囲にあることが好ましい。前記エポキシ当量が400を超えると前記アクリル系共重合体と反応させるために、前記化合物を多く添加することが必要となって得られるシート状成形体の要求性能が十分果たせない傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が80未満であると、反応速度が速くなりすぎてシート状成形体の製造が困難となる傾向にある。
また、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa、温度25℃の条件下において液状のものであることが好ましい。
さらに、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa下で150℃の温度条件で10分間加熱した後の加熱重量減少値が加熱前の重量に対して3%以下となるような実質的に溶媒を含まないものであることが好ましい。このような加熱重量減少値が3%を超えると、含有されている溶媒が反応の障害となりシート状成形体の製造が困難となる傾向にあり、更には、含有されている溶媒が得られるシート状成形体の内部に気泡を発生させる原因となるためである。なお、このような加熱重量減少値の算出方法としては、メトラートレド株式会社製のHG53型ハロゲン水分計を用い、常圧下(1013hPa)で、試料5gを150℃の温度条件で10分間加熱した時の重量変化を測定し、加熱前後の重量比較により減少率を算出する方法を採用する。エポキシ系化合物(グリシジル基含有化合物)等を選択使用することが可能である。例えば、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等が挙げられる。
アクリル系重合体(A)の反応性官能基がグリシジル基である場合、化合物(B)としてアミン系化合物、イソシアネート系化合物、メルカプト系化合物、クロルスルホニル系化合物、イミダゾール系化合物、酸無水物等が選択使用される。これらの中で、ジエチレントリアミン等のアミン系化合物、無水マレイン酸等の酸無水物及びテレフタル酸等のカルボン酸系化合物が特に好適に使用される。
さらに、後述のようにしてシート状成形体を製造する際にボイドの発生をより確実に防止するという観点から、前記アクリル系共重合体としては、溶剤分を含有しないものを使用することが好ましい。
また、前記アクリル系共重合体の重合方法としては、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、乳化重合法(エマルジョン重合法)、懸濁重合法(サスペンジョン重合法)、塊状重合法(バルク法)等の重合法を採用することができる。
なお、このようにして得られるアクリル系共重合体は、成形体、粘着剤、塗料、繊維、シーリング剤等の種々の用途に利用することができるものである。
本発明の(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000、のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物と、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有するものをアクリル系樹脂組成物とし、前記アクリル系樹脂組成物中に金属水酸化物または金属酸化物からなる熱伝導性充填剤を含有してもよい。このような金属水酸化物は、他の熱伝導性充填剤と比較して樹脂との相溶性が高く、難燃性が高い傾向にある。また、金属酸化物は特に熱伝導性と電気絶縁性が高い。このような金属水酸化物粉と金属酸化物粉としては、分解温度が250℃以上の金属水酸化物粉、金属酸化物粉であることが好ましく、具体的には金属水酸化物粉としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等の粉末、金属酸化物粉としてはアルミナ、マグネシア、酸化亜鉛等が挙げられる。前記分解温度が250℃未満では、得られるシート状成形体に十分な熱伝導性を付与することが困難となる傾向にある。なお、上記分解温度の測定方法は、金属水酸化物粉(熱伝導性充填剤)のみをTGA(Thermo Gravimetric Analyzer)により、大気雰囲気下、室温乃至600℃まで昇温速度10℃/minにより測定を行い、重量減少を生じる温度を測定して分解温度とするものである。
このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の大きさ、形状等は特に制限されるものではないが、形状としては球状又は擬球状であることが好ましい。
また、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉の粒径は0.5乃至30μm程度であることが好ましい。前記粒径が0.5μm未満では前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉を前記アクリル系樹脂組成物中に含有せしめた際に液体の粘度が高くなり過ぎてシート状成形体を製造することが困難となる傾向にあり、他方、前記粒径が30μmを超えると前記金属水酸化物粉が前記アクリル系樹脂組成物中に混入し難いため均一に分散し難くなる傾向にある。
さらに、このような金属水酸化物粉、金属酸化物粉としては、粒径の異なるものを組み合わせて用いることも可能である。このようにして粒径の異なるものを数種類組み合わせた金属水酸化物粉と金属酸化物とを前記アクリル系樹脂組成物に含有させることによって、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度を低下させることが可能となるし、同じ粒径のものを組み合わせるより高充填することが可能である。
本発明のアクリル系樹脂組成物中における前記金属水酸化物及び金属酸化物(熱伝導性充填剤)の含有量は、前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して150乃至500重量部(より好ましくは250乃至500重量部)であることが好ましい。このような添加量とすることで、本発明のアクリル系樹脂組成物の熱伝導性と難燃性とがより向上する傾向にある。また、前記金属水酸化物及び金属酸化物の含有量が150重量部未満では、十分な難燃性及び熱伝導性を確保できない傾向にあり、他方、前記金属水酸化物及び金属酸化物の含有量が500重量部を超えると、難燃性及び熱伝導性は向上するが、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度が高くなってシート状成形体を製造する際の加工性が低下する傾向にある。
さらに、このような金属水酸化物及び金属酸化物は、他の熱伝導性充填剤を組み合わせて用いることも可能である。このような他の熱伝導性充填剤としては、窒化硼素、窒化アルミ等の窒化物炭化珪素、銅、銀、アルミ等の金属粉末を添加することも可能であり、更には、熱伝導的には必ずしも優れない炭酸カルシウム等の炭酸金属や、クレー、カオリン等の充填剤等を添加することも可能である。
本発明において前記黒鉛は天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛の中から少なくとも1種類を使用することが出来る。天然黒鉛は燐状、土状、燐片状、塊状等があり特に制限するものではないが、その中でも、性能、価格の観点から燐片状黒鉛が好ましい。
また、このような燐片状黒鉛の平均粒径は5乃至300μm程度であることが好ましく、30乃至200μm程度であることがより好ましい。前記平均粒径が5μm未満では、前記燐片状黒鉛を前記アクリル系樹脂組成物中に含有せしめることが困難となり、シート状成形体を得ることが出来なくなる。他方、前記平均粒径が300μmを超えると前記燐片状黒鉛が前記アクリル系樹脂組成物中に混入し、シート状成形体を得た場合、シート表面へ凹凸ができ綺麗なシートが得られなくなる。
さらに、このような燐片状黒鉛としては、同じ組成の燐片状黒鉛の平均粒径の異なるものを組み合わせて用いることも可能である。このようにして平均粒径の異なるものを数種類組み合わせて前記燐片状黒鉛を前記アクリル系樹脂組成物中に含有させることによって、得られるアクリル系樹脂組成物の粘度を低下させることが可能となる。
本発明のアクリル系樹脂組成物中における前記燐片状黒鉛(熱伝導性充填剤)の含有量は、前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して5乃至180重量部(より好ましくは10乃至150重量部)であることが好ましい。このような添加量とすることで、本発明のアクリル系樹脂組成物の熱伝導性と加工性とがより向上する傾向にある。また、前記燐片状黒鉛の含有量が5重量部未満では、十分な熱伝導性を確保できない傾向にあり、他方、前記燐片状黒鉛の含有量が180重量部を超えると、熱伝導性は向上するが得られるシート状成形体の体積抵抗が1010Ω以下になるため、電子機器部品等の回路に短絡が生じてしまう傾向にあり、更には、シート表面の平滑性が低下する傾向にある。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物には、難燃性をより向上させるという観点から、赤燐難燃剤を前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して5乃至50重量部添加することが好ましい。前記赤燐の添加量が5重量部未満では、十分な難燃性を確保できない。他方、前記赤燐の添加量が50重量部を超えても、難燃性のレベルは変わらない。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、さらに湿潤分散剤を含有させても良い。湿潤分散剤は、前記アクリル系共重合体との相溶性を向上させることが可能な官能基と前記熱伝導性充填剤(フィラー)に吸着することが可能な官能基とを有している湿潤分散剤を好適に用いることができる。このような湿潤分散剤を含有させていない系においては、前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉の粒子同士が相互に衝突して凝集してしまう。そして、このような凝集を起こした系においては、見掛けの粒子径が大きくなるため、早期に沈降(あるいは浮上)分離を起こしてしまう。
本発明においては、前記アクリル系樹脂組成物中に前記金属水酸化物粉および金属酸化物粉とを高比率で含有させるために湿潤分散剤を加えているため、前記湿潤分散剤を前記金属水酸化物粉の粉体表面に吸着させてより大きな電荷を持たせることが可能となり、これにより粉体粒子同士の静電反発力を高めて前記金属水酸化物粉、金属酸化物粉の凝集を防止できる。また、本発明においては、前記粉体粒子表面に吸着されている前記湿潤分散剤同士の立体反発力によっても、前記金属水酸化物粉の凝集が防止できる。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、前記アクリル系樹脂組成物中に前記熱充填材として黒鉛を含有するものである。湿潤分散剤は、黒鉛を高充填することを可能とする。その結果、所望の熱伝導率を達成することができるものである。このような湿潤分散剤を含有させていない系においては、前記黒鉛を高充填することが出来ない。その結果、所望の熱伝導率を達成することができないものである。
このような湿潤分散剤としては、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマー、多価アルコール有機酸エステル、特殊アルコール有機酸エステル、ウレタン変性アクリルコポリマー、高分子量ポリエステル、ポリカルボン酸共重合体、アリルアルコールと無水マレイン酸とスチレン共重合物とポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとのグラフト化物、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル共重合物アンモニウム塩、シリコン系ポリマーエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。このような湿潤分散剤の中でも、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーを用いることが好ましい。その理由として、前記アクリル系樹脂組成物中に所定量の硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーが充填されることにより、硼酸基及び/又は燐酸基が解離して負の電荷を帯び、その負の電荷を帯びたものが金属水酸化物や金属酸化物、および黒鉛に吸着して静電反発力を高めることができ、その結果、凝集し難くできたものと推量される。
本発明のアクリル系樹脂組成物における前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対する湿潤分散剤の添加量は、0.05乃至3.0重量部である。前記湿潤分散剤の添加量が0.05重量部未満では、前記アクリル系樹脂組成物と前記金属水酸化物粉との相溶性が低くなって混練りが困難となり、他方、湿潤分散剤の添加量が3.0重量部を超えると得られるアクリル系樹脂組成物の増粘、ゲル化が起こり、前記組成物の硬化性が低下してシート状成形体の製造が困難になる。
また、本発明のアクリル系樹脂組成物には、難燃性をより向上させるという観点から、他の難燃剤を添加してもよい。このような難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸エステル系、燐酸アンモン、炭酸アンモン、錫酸亜鉛、トリアジン化合物、メラミン化合物、グアニジン化合物、硼酸、硼酸亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物においては、成形して得られる成形体の要求性能に応じて、触媒、難燃剤、湿潤分散剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
本発明のアクリル系樹脂組成物は、各成分を各々前述の含有量となるように計量して配合し、混合攪拌することで製造することができる。このような混合攪拌の方法は特に制限されるものではなく、重合体の組成、粘度、各成分の添加量により適宜選定することができ、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪拌機を用いる方法が挙げられる。
また、このようにして混合攪拌されたものを必要に応じて、例えば未分散の成分の固まりを除去する目的で濾過してもよい。このような濾過を行うことで、均質なアクリル系樹脂組成物が得られ、シート状成形体の製造を効率良く行うことが可能となる。また、このような混合攪拌を行う際に液中に生じる気泡は減圧下で脱泡することが好ましい。このような脱泡を行うことで、得られるアクリル系樹脂組成物を用いて製造されるシート状成形体に気泡が生じることを防止することが可能となる。
次に、本発明のシート状成形体について説明する。すなわち、本発明のシート状成形体は、前述の本発明のアクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものである。
このようなアクリル系樹脂組成物をシート状に成形し且つ硬化せしめる方法としては特に制限されず、適宜公知の方法を採用することが可能である。このような方法としては、例えば、基材となるフィルム(ポリエステルフィルム等)の上に前記アクリル系樹脂組成物をコーティングし、100乃至200℃の温度条件下で5乃至15分間加熱することによって硬化させる方法を挙げることができる。
このような本発明のシート状成形体の厚さとしては、0.5mm乃至3mmであることが好ましく、1.0mm乃至2.0mmであることがより好ましい。前記厚さが0.5mm未満では、十分な難燃性を達成できない傾向にあり、他方、前記厚さが3mmを超えると、難燃化は容易となるものの、電子機器部品等の使用目的にそぐわない製品となってしまう傾向にある。
このようなシート状成形体は、必要に応じて切断することが可能であり、任意の形状にすることにより放熱が必要な部位に容易に貼着させることが可能である。
また、このようなシート状成形体の硬度としては、ASKER−C硬度計で測定を行った場合において、5乃至40であることが好ましい。前記硬度が5未満では、シート状成形体の製造時において例えばシリコーン離型処理されたポリエステルフィルムに本発明のアクリル系樹脂組成物をコーティングした後に加熱硬化させて所定時間養生し、その後、前記ポリエステルフィルムから剥離させるが、このポリエステルフィルムから剥離させる工程において、前記ポリエステルフィルムに前記アクリル系樹脂組成物が貼着してしまい剥離することが困難となる傾向にある。他方、前記硬度が40を超えると、シート状成形体の柔軟性が低下して、例えば電子機器等に貼り付ける際に前記電子機器とシート状成形体との間に空気が混入し易くなり、前記電子機器との密着性が低下して接触面積が低下してしまうため、実質的な熱伝導性を確保することが出来なくなる傾向にある。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示すアクリル共重合体、表3に示すアクリル共重合体、表4に示す可塑剤、表5に示す熱伝導性充填剤、表6に示す黒鉛、表7に示す難燃剤を表8および表9に示す割合で配合し、混合攪拌後充分に脱泡し、表2に示す化合物を表8および表9に示す割合で混合攪拌し、アクリル系樹脂組成物を得た。
次に、このようにして得られたアクリル系樹脂組成物を、表面がシリコーン離型処理されているポリエステルフィルム上にコーティングした後、オーブン中で加熱することにより硬化させ、さらに、常温にて24時間放置することにより養生してシート状成形体を得た。
このようにして得られたシート状成形体について、以下のような評価を行った。
<加工性>
実施例1乃至8で得られた本発明のシート状成形体及び比較例1乃至7で得られた比較としてのシート状成形体の加工性について判断した。評価基準は、以下の通りである。結果を表8及び表9に示す。
〔評価基準〕
◎:シートとして、完全に硬化している。
○:シート体積の5%以下で硬化していない部分がある。
△:シート体積の6%以上50%以下で硬化していない。
×:51%以上硬化していない。
<硬度測定>
ASKER−C硬度計を用いて、実施例1乃至8で得られた本発明のシート状成形体及び比較例1乃至7で得られた比較としてのシート状成形体の硬度測定を行った。結果を表8及び表9に示す。
<密着性>
先ず、実施例1乃至8で得られた本発明のシート状成形体及び比較例1乃至7で得られた比較としてのシート状成形体を用いて、縦4cm、横4cm、厚み1.0mmの試料をそれぞれ製造した。その後、前述のようにして得られた各試料(4cm×4cm)を、それぞれ2枚のガラス板(縦6cm、横6cm)に挟み、1kgの荷重を掛けて100℃の温度条件で100時間加熱し、試料とガラス板との間の空気層の混入状態を観測した。評価基準は、以下の通りである。結果を表8及び表9に示す。
〔評価基準〕
◎:空気層の混入が無い
○:空気層が極一部に混入している
△:空気層が一部有る
×:ほぼ全面に空気層が混入している。
<ブリードアウト性>
先ず、実施例1乃至8で得られた本発明のシート状成形体及び比較例1乃至7で得られた比較としてのシート状成形体を用いて、縦4cm、横4cm、厚み1.0mmの試料をそれぞれ製造した。その後、前述のようにして得られた各試料(4cm×4cm)を、100℃の温度条件で100時間加熱し、試料表面のブリードアウトを観察した。評価基準は以下の通りである。結果を表8及び表9に示す。
〔評価基準〕
○:ブリードアウト無し
×:全面でブリードアウトしている
<熱伝導率>
迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業社製)を用いて、実施例1乃至8で得られた本発明のシート状成形体及び比較例1乃至8で得られた比較としてのシート状成形体の熱伝導率(単位:W/mK)の測定を行った。結果を表8及び表9に示す。
<難燃性の試験>
実施例1乃至8及び比較例1乃至7で得られた各シート状成形体について、以下のようにして難燃性の評価を行った。すなわち、各シート状成形体を13.0mm×127mmの大きさに切断したものを試料とし、UL(Underwriters Laboratories Inc.)のプラスチックの難燃性規格であるUL−94V(Vertical Barning Test)に準拠した測定を行った。このような試験の評価基準は下記の通りである。また、その評価方法は、下記V−0に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−0となる。また、V−0に規定された5項目のうち1項目でも満たさないものがある場合においては、次に、V−1に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−1となる。さらに、V−1に規定された5項目のうち1項目でも満たさないものがある場合においては、V−2に規定された5項目を満たすか否かを評価し、5項目全てを満たす場合には評価はV−2となり、5項目のうち1項目でも満たさない場合には評価は不合格となる。得られた結果を表8及び表9に示す。
〔評価基準〕
[V−0]
1)各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が10秒以下
2)10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が50秒以下
3)2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が30秒以下
4)125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5)落下物による脱脂綿の着火がないこと。
[V−1]
1)各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が30秒以下
2)10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が250秒以下
3)2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が60秒以下
4)125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5)落下物による脱脂綿の着火がないこと。
[V−2]
1)各サンプルの1回目又は2回目の接炎後の燃焼時間が30秒以下
2)10回(2回目の接炎を含む)の接炎後の燃焼時間の合計が250秒以下
3)2回目の接炎後の燃焼時間と火種時間の合計が60秒以下
4)125mmマークに達する燃焼又は火種がないこと
5)落下物による脱脂綿の着火があった。
Figure 2007291344
なお、表1のアクリル共重合体1乃至5は、(A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000のアクリル系共重合体である。
Figure 2007291344
なお、表2の化合物1乃至4は、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物である。
Figure 2007291344
なお、表3のアクリル共重合体6乃至7は、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体である。アクリル共重合体8は、分子鎖に反応性官能基を有さないが、ポリスチレン換算による数平均分子量が325のものである。
Figure 2007291344
Figure 2007291344
Figure 2007291344
Figure 2007291344
Figure 2007291344
*表中の数値は重量部であり、空欄は0を示す。
Figure 2007291344
* 表中の数値は重量部であり、空欄は0を示す。
* *表中のNAはシート成形体を得ることができず、測定不能であることを示す。
表8及び表9に示した結果から明らかなように実施例1乃至8は、加工性がよく、また得られたシート状成形体は高度な柔軟性を有するものであり、その結果、密着性に優れるものであった。さらに、高い熱伝導率と難燃性とを有するものであった。一方、比較例1、4、5、7は、アクリル系共重合体(C)を用いていないものであり、その結果、得られたシート状成形体の硬度が高く高度な柔軟性を有するものではなかったため、密着性に優れるものではなかった。また、比較例2、6は、アクリル系樹脂組成物としての柔軟性を付与するために、アクリル系共重合体(C)の代わりに可塑剤を用いたが、加工性が低くシート化が困難であり(比較例2)、また、加工性が低く、その上、該可塑剤がブリードアウトし(比較例6)、密着性に優れるものではなかった。比較例3は、ポリスチレン換算による数平均分子量が325のアクリル系重合体8を含有させたものであり、その結果、シート状成形体にした後、アクリル系共重合体8がブリードアウトし、密着性に優れるものではなかった。
以上説明したように、本発明によれば、加工性がよく、また、高度な柔軟性を有して電気部品等に密着性よく貼付できるシート状成形体を得ることが可能なアクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いて得られるシート状成形体を提供することが可能となる。
したがって、本発明のシート状成形体は、電子機器等の部品、例えば、局部発熱するICチップ、CPUチップ、GPUチップ等からの発熱をヒートシンク等の放熱部位に熱伝達させるために使用するシート等として有用である。

Claims (4)

  1. (A)分子鎖に反応性官能基を有し、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至20,000のアクリル系共重合体と、(B)前記アクリル共重合体と反応する官能基を有する化合物と、(C)分子鎖に反応性官能基を有さない、ポリスチレン換算による数平均分子量が800乃至6,000のアクリル系重合体を含有することを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
  2. 前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して、前記(C)のアクリル系重合体を5乃至150重量部含有することを特徴とする請求項1に記載のアクリル系樹脂組成物。
  3. 前記(A)のアクリル系共重合体100重量部に対して、熱伝導性充填剤を150乃至500重量部含有することを特徴とする請求項1乃至2のうちのいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のアクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とするシート状成形体。
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