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JP2007258111A - 燃料電池用触媒材料、触媒膜、電極膜接合体および燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒材料、触媒膜、電極膜接合体および燃料電池 Download PDF

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JP2007258111A
JP2007258111A JP2006084041A JP2006084041A JP2007258111A JP 2007258111 A JP2007258111 A JP 2007258111A JP 2006084041 A JP2006084041 A JP 2006084041A JP 2006084041 A JP2006084041 A JP 2006084041A JP 2007258111 A JP2007258111 A JP 2007258111A
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毅 稲崎
Kimiatsu Nomura
公篤 野村
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】触媒粒子の利用効率を向上させることを目的としたものであって、高い耐久性と触媒活性を有する燃料電池用触媒材料等を提供する。
【解決手段】カーボン材料と、
該カーボン材料の表面に、同一または別々に、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する連結基を介してまたは直接に連結して設けられた、1以上の親水性セグメントおよび1以上の疎水性セグメントを有し、
前記親水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有し、
前記疎水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有さない、燃料電池用触媒材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料として純水素、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、メタノールまたは化石燃料からの改質水素などを直接用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に関するものであり、特に固体高分子型燃料電池において用いられる触媒材料、電極膜接合体および燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、イオン伝導体すなわち電解質が固体で、かつ高分子である点に特徴を有する燃料電池であるが、その固体高分子電解質としては、具体的にイオン交換樹脂が使用され、この電解質を挟んで負極および正極の両電極を配置し、例えば、負極側に燃料として水素を、正極側に酸素または空気を供給することによって電気化学反応を起こさせ、電気を発生させるものである。
すなわち、水素を燃料とした場合、負極では次式の反応が起こり、
2→2H++2e-
また、酸素を酸化剤とした場合、正極では次式の反応が起こり、水が生成される。
1/2O2+2H++2e-→H2
上記の反応を円滑に進行させ、燃料電池の性能を最大限に発揮させるためには、電極触媒層中で、プロトン伝導体であるイオン交換樹脂、電子伝導体であるカーボン担体および反応ガスが同時に接触する三相界面に、触媒(白金等)が存在する必要がある。そのため、これまでにも触媒層構造を高機能化して、三相界面に存在する触媒量を増やそうとする試みが行われてきた。
その様な試みとして、固体高分子電解質が進入するのが困難な、孔の小さい(例えば、直径0.04μm以下)細孔中に存在する触媒粒子を有効に利用する方法が種々検討されている。例えば、触媒担体であるカーボンブラックの表面にスルホン酸部位あるいはスルホン酸基含有ポリマーをグラフトすることで、一次細孔中にもプロトン伝導部位を導入し、一次細孔中の触媒粒子に三相界面を形成させる方法が開示されている(特許文献1および非特許文献1)。しかし、特許文献1の実施例に記載のものを発明者が検討したところ、カーボン材料の調整1、2および5の方法で導入したスルホン酸基は、熱に対して不安定であり、経時で脱離するといった問題が存在し、調整3および5の方法で導入したスルホン酸基は、カーボンブラックとの連結部位にエステル結合を含むため、エステル基の加溶媒分解により経時でスルホン酸部位が脱離するといった問題が存在することが分かった。また、非特許文献1においては、スルホン酸基含有ポリマーを多量に導入すると、反応ガスの透過性が低下して、高電流密度領域にて性能が低下するといった問題が存在する。
特開2004−22346号公報 Journal of Power Sources 138巻、25頁 (2004年)
本発明は、触媒粒子の利用効率の向上と、触媒粒子近傍における反応ガスの透過性の向上、また触媒膜のフラッディング防止を目的としたものであって、高い耐久性と反応活性を有する燃料電池用触媒材料(特に、燃料電池電極用触媒材料)を提供することおよび、この電極を使用した電極膜接合体、燃料電池を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、下記手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
(1)カーボン材料と、
該カーボン材料の表面に、同一または別々に、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する連結基を介してまたは直接に連結して設けられた、1以上の親水性セグメントおよび1以上の疎水性セグメントを有し、
前記親水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有し、
前記疎水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有さない、燃料電池用触媒材料。
(2)前記親水性セグメントが、式(1)、式(6)および式(10)のいずれか1以上を含み、前記疎水性セグメントが式(2)、式(7)および式(11)のいずれか1以上を含む、(1)に記載の燃料電池用触媒材料。
Figure 2007258111
(式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を含む基を表し、X1およびX2はそれぞれ、単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n1およびn4はそれぞれ8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
Figure 2007258111
(式(6)および(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、n14、n15およびn17はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
式(10)
Figure 2007258111
(式(10)中、R8およびR9は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、Ar1は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。A6はイオン性官能基を表す。n22、n23およびn24は、それぞれ、0以上の整数であり、n22とn23とn24の和は1以上の整数である。n25は1〜10の整数、n26は1〜3の整数である。)
式(11)
Figure 2007258111
(式(11)中、R10は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、R11は芳香環を含まない1価の基を表し、Ar2は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。n27およびn28はそれぞれ、0以上の整数であり、n29は1以上の整数である。n30は1〜3の整数である。)
(3)カーボン材料が、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブである、(1)または(2)に記載の燃料電池用触媒材料。
(4)前記親水性セグメントおよび前記疎水性セグメントは、同一の連結基を介して設けられている、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
(5)前記親水性セグメントと前記疎水性セグメントとが交互に繰り返しているブロック共重合体ポリマーとして前記カーボン材料表面に連結している、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
(6)前記親水性セグメントが式(1)からなり、前記疎水性セグメントが式(2)からなる、(4)または(5)に記載の燃料電池用触媒材料。
Figure 2007258111
(式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を含む基を表し、X1およびX2はそれぞれ、単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n1およびn4はそれぞれ8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
(7)(6)に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、−(R1−X1n1−で表される主鎖構造を形成した後、−B1−(A1)n2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程と、−(R2−X2n4−で表される主鎖構造を形成後に−E1および/または−E2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程とを含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
(8)式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物を重合させる工程と、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物を重合させる工程とを含む、(6)に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法。
式(3)
Figure 2007258111
(式(3)中、X3は単結合または2価の連結基を表し、R3およびR4はそれぞれ芳香環を含む基を表す。B2およびB3はそれぞれ単結合または2〜6価の連結基を表す。A2およびA3はそれぞれイオン性官能基である。n7およびn8はそれぞれ1〜5の整数を表し、n9およびn10はそれぞれ0〜4の整数を表し、n9とn10の和は2以上である。Z1およびZ2は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
式(4)
Figure 2007258111
(式(4)中、Z3およびZ4は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表し、R5は芳香環を含む基を表す。)
式(5)
Figure 2007258111
(式(5)中、X4は単結合または2価の連結基を表し、R6およびR7はそれぞれ芳香環を含む基を表す。E3、E4およびE5はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n11、n12およびn13はそれぞれ0〜4の整数を表し、n11とn12とn13の和は1以上である。Z5およびZ6は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
(9)前記親水性セグメントが式(6)からなり、前記疎水性セグメントが式(7)からなる、(4)または(5)に記載の燃料電池用触媒材料。
Figure 2007258111
(式(6)および(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、n14、n15およびn17はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
(10)(9)に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(8)で表される化合物を重合させる工程と、式(9)で表される化合物を重合させる工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
Figure 2007258111
(式(8)および(9)中、W21、W22、W23、W24、W25およびW26は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D3およびD4はそれぞれ単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B5は単結合または2〜6価の連結基を表す。A5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。E7は酸素透過性の高い置換基を表す。n19、n20およびn21は、それぞれ、1〜5の整数を表す。)
(11)少なくとも、疎水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、親水性セグメントからなる側鎖がグラフトされている、(4)または(5)に記載の燃料電池用触媒材料。
(12)前記疎水性セグメントは式(2)からなり、前記親水性セグメントは式(6)からなる、(11)に記載の燃料電池用触媒材料。
Figure 2007258111
(式(2)中、R2は芳香環を含む基を表し、X2は、単結合または2価の連結基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n4は8以上の整数を表し、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
Figure 2007258111
(式(6)中、W11、W12およびW13はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。n16は2以上の整数を表し、n14およびn15はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
(13)(12)に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(2)中の−(R2−X2n4−で表される主鎖構造が有する芳香環をクロロメチル化し、該クロロメチル化した部位を重合開始点として、少なくとも、式(8)で表される化合物をグラフト重合する工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
Figure 2007258111
(式(8)中、W21、W22およびW23は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D3は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B5は単結合または2〜6価の連結基を表す。A5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。n19およびn20は、1〜5の整数を表す。)
(14)少なくとも、親水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、疎水性セグメントからなる側鎖がグラフトされている、(4)または(5)に記載の燃料電池用触媒材料。
(15)前記親水性セグメントは式(1)からなり、前記疎水性セグメントは式(7)からなる、(14)に記載の燃料電池用触媒材料。
Figure 2007258111
(式(1)中、R1は芳香環を含む基を表し、X1は単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表す。n1は8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表す。)
Figure 2007258111
(式(7)中、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D2は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。18は2以上の整数を表し、n17は1〜5の整数を表す。)
(16)(15)に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(1)中の−(R1−X1n1−で表される主鎖構造が有する芳香環をクロロメチル化し、該クロロメチル化した部位を重合開始点として、少なくとも、式(9)で表される化合物をグラフト重合する工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
Figure 2007258111
(式(9)中、W24、W25およびW26は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D4は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。E7は酸素透過性の高い置換基を表す。n21は、1〜5の整数を表す。)
(17)前記親水性セグメントおよび前記疎水性セグメントは、それぞれ別々の連結基を介して前記カーボン材料の表面に設けられている、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
(18)(1)〜(6)、(9)、(11)、(12)、(14)、(15)および(17)のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料と、固体電解質を含む触媒膜。
(19)さらに、カーボン表面に親水性セグメントおよび疎水性セグメントのいずれも有さない燃料電池用触媒材料を含む、(18)に記載の触媒膜。
(20)多孔質導電シートと、該多孔質導電シートに接して授けられた触媒層とを有し、かつ、前記触媒層が、(18)または(19)に記載の触媒膜である、電極膜接合体。
(21)(20)に記載の電極膜接合体を有する、燃料電池。
本発明の燃料電池用触媒材料は、高い触媒活性と高い耐久性を両立する。これにより電極膜接合体が容易に作製でき、高い性能を有する燃料電池の作製が可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明における各種物性値は、特に述べない限り室温(例えば、25℃)における状態のものを示している。また、本発明における重合には、いわゆる共重合も含む趣旨である。従って、本発明でいう重合体には、共重合体も含む趣旨である。さらに、本願明細書において、アセチル基をAc、エチル基をEt、メチル基をMe、フェニル基またはフェニレン基をPhと示すことがある。
加えて、本発明における「膜」には、板状や平板状のもの等を含む趣旨である。
本発明の燃料電池用電極触媒材料は、カーボン材料と、カーボン材料の表面に、同一または別々に、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する連結基を介してまたは直接に連結して設けられた、親水性セグメントおよび疎水性セグメントを有し、親水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有し、疎水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有さないものである。ここで、親水性セグメントおよび疎水性セグメントは、それぞれ、同一の連結基を介してまたは同一に直接に設けられていてもよいし、別々の連結基を介してまたは別々に直接に設けられていてもよい。
同一の連結基を介して設けられる場合には、例えば、下記1−1タイプのような親水性セグメントと疎水性セグメントが交互に繰り返すブロック共重合体ポリマーが連結基を間に挟んでカーボン材料と連結している場合、
Figure 2007258111
下記1−2タイプのような疎水性セグメントからなる主鎖に、親水性セグメントが側鎖としてグラフトされたものが連結基を間に挟んでカーボン材料と連結している場合、
Figure 2007258111
下記1−3タイプのような親水性セグメントからなる主鎖に、疎水性セグメントが側鎖としてグラフトされたものが連結基を間に挟んでカーボン材料と連結している場合
Figure 2007258111
等が含まれる。
ここで、CBはカーボン材料、太実線部は疎水性セグメント、波線部は親水性セグメントを表し、連結基は省略している。
また、同一に直接に設けられている場合には、上記1−1タイプ〜1−3タイプにおいて、連結基を介さずに直接にカーボン材料の表面に設けられる場合を含む。連結基を介さない場合、カーボン材料、親水性セグメントまたは疎水性セグメントが、連結部分に、連結基に相当する部分を含む。すなわち、連結基は、カーボン材料、親水性セグメントまたは疎水性セグメントの一部分を兼ねる構成であってもよい(以下、これらの部分を含めて連結基と称することがある。)
さらに、上記1−1タイプ〜1−3タイプの親水性セグメントおよび疎水性セグメントからなる部分が複数設けられているものも同一に連結基を介してまたは直接に設けられた例に含まれる。
一方、別々の連結基を介して設けられる場合には、下記2に表されるように、疎水性セグメントおよび親水性セグメントが連結基を間に挟んでカーボン材料と連結している場合を含む趣旨である。
Figure 2007258111
また、別々に直接に設けられている場合には、上記2において、連結基を介さずに直接にカーボン材料の表面に設けられる場合を含む。
ここで、耐加溶媒分解性は、燃料電池の実働環境下における高温・強酸性条件下において加溶媒分解され易い(例えば、100℃、pH2以下の条件で、10%以上が加溶媒分解される)結合を含まない基、より具体的には、エステル結合、アミド結合およびシロキサン結合を含まない基をいう。このような耐加溶媒分解性を有する連結基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、
Figure 2007258111
からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上の組み合わせからなる基が挙げられる。
ここで、脂肪族炭化水素基は飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよく、また、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。さらに、水素原子が本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましい。脂肪族炭化水素基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、イソブチレン基、−(CH2)nCH=CH−(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である。)、−CH2CH2CH=CH−、C((CH2) n−)4(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である。)、CH((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、CH3C((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、EtC((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。Etはエチル基を表す(以下、同じ。))、−C((CH2n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、−CH((CH2n−)2−(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)が好ましい。
芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜25が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。芳香族炭化水素基の環状の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。芳香族炭化水素基としては、トリフェニレン環、ピレン環、アントラセン環、ナフタレン環、ビフェニレン環、ベンゼン環を有する基が好ましく、ナフタレン環、ビフェニレン環、ベンゼン環を有する基がより好ましく、ベンゼン環を有する基がさらに好ましい。
ヘテロ環基は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを含むものが好ましく、硫黄原子または窒素原子を含むものがより好ましい。また、ヘテロ環基が有する炭素数は、3〜16が好ましく、3〜12がより好ましい。ヘテロ環基の環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。ヘテロ環基としては、具体的には、ピリジン環、フラン環、チエテン環、トリアジン環を有する基が好ましく、トリアジン環を有する基がより好ましい。
耐加溶媒分解性を有する基の好ましい例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、フェニレン(−Ph−)基、−CH2−O−(CH2n−(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、−CH2−Ph−、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)2CH2CH2−、−CH2CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、C((CH2) n−)4(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、CH((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、CH3C((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、EtC((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、−C((CH2n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、−CH((CH2n−)2(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、ならびに、これら(前記基を2以上組み合わせた基を含む)と−CO−、−SO−、−CS−、−SO2−、
Figure 2007258111
の1つ以上との組み合わせからなる基が挙げられる。
耐熱性を有する連結基とは、燃料電池の実働環境下における高温条件下(例えば、100℃以上)でも安定に存在する基を意味する。例えば、イオン性官能基がスルホ基の場合において、スルホ基が芳香族環に直接結合していると、このスルホ基は解離平衡状態にあるため、高温下において経時で脱離することが知られており(Coll.Czech.Chem.Commun.、第9巻、465頁(1937))、芳香族環への単結合は耐熱性を有しているとは言えない。よって、ここで耐熱性を有する基としては、芳香族環への単結合を除く全ての有機基のことを表す。ただし、芳香族環へ単結合を介しスルホ基が連結している場合でも、該芳香族環に電子吸引性基が存在する場合には、スルホ基の耐熱性が向上することが知られている(NEDO成果報告書100004243 「平成15年度成果報告書 固体高分子形燃料電池システム技術開発事業 固体高分子形燃料電池要素技術開発等事業 固体高分子形燃料電池用高耐久性炭化水素系電解質膜の研究開発」)。よって、芳香環へ単結合を介しスルホ基が連結している場合でも、該芳香環上の該スルホ基を除く置換基の置換基定数σの和がある値以上であれば、そのスルホ基は耐熱性を有するとみなすことができる。耐熱性を有するための該置換基定数σの和は0.3以上であることが好ましく、0.35以上であることが更に好ましく、0.4以上であることが最も好ましい。なお、スルホ基に対しオルト位に位置する置換基の置換基定数は、パラ位の値を代用するものとする。
耐熱性を有する連結基の好ましい例としては、前記耐加溶媒分解性を有する連結基の好ましい例中から、芳香族基に単結合を介してイオン性官能基が連結する場合(上記置換基定数σに関する条件を満たすものは含まない)を除いたものが挙げられる。
(2)本発明の燃料電池用触媒材料に用いられるカーボン材料(触媒担持カーボン材料)は、特に定めるものではなく、公知のカーボン材料を用いることができる。例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノホーン(CNH)、フラーレンが好ましく用いられる。カーボンブラックおよびカーボンナノチューブは、表面上に存在する官能基を起点としてイオン性官能基を導入できるため、特に好ましく用いることができる。
カーボンブラック
本発明で用いられるカーボンブラックは、天然ガス、炭化水素ガスの気相熱分解や不完全燃焼によって生成する微粉であって、球状または鎖状の炭素であり、製法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどがある。これらは、それぞれ粒子サイズ、酸素含有量、揮発成分、比表面積、微細構造などが異なり、最新カーボンブラック技術大全集、第四章(2005年 技術情報協会刊)に記載がある。本発明においては上記のカーボンブラックの1種または2種以上を使用可能であり、また、ケッチェンブラック、Vulcan XC−72などの市販品も使用することができる。
カーボンブラック表面には、フェノール性水酸基、カルボキシル基、キノン型カルボニル基、ラクトン基などの含酸素官能基が存在し、これらの官能基を利用してカーボンブラック表面上に親水性セグメントおよび疎水性セグメントを導入することができる。これらの官能基は、元々カーボンブラック表面に存在するものに加え、酸化処理を施すことによって、その数を増やすことができる。酸化処理の方法としては、コロナ放電、プラズマ処理、気相酸化、液相酸化などが挙げられ、これらの方法から1つ以上の方法を用いて酸化処理を行い、カーボンブラック表面の官能基数を増やすことが好ましい。気相酸化における酸化剤としては、分子状酸素、原子状酸素、オゾン、乾燥空気、湿潤空気が挙げられ、可能な限りこれらを2種類以上組み合わせて使用してもよい。液相酸化における酸化剤としては、硝酸、過マンガン酸カリウム、亜塩素酸、塩素酸および過塩素酸の各ナトリウム塩、酸素飽和水、オゾン水溶液、臭素水溶液、次亜塩素酸ナトリウム、クロム酸カリウムとリン酸の混合水溶液、重クロム酸銀と硫酸の混合物などが挙げられる。
カーボンブラック表面のカルボキシル基、ラクトン基に関しては、そのままの形では、耐熱性・耐加溶媒分解性の小さいエステル結合やアミド結合を介した、親水性セグメント・疎水性セグメントの導入しか行えないため、還元してヒドロキシメチル基とし、該ヒドロキシメチル基を利用して上記セグメントを導入することが好ましい。
また、カーボンブラックは強力なラジカル捕捉剤として作用することが知られており(例えば、N.Tsubokawaらの研究報告、J. Polym. Sci., Part A:Polym. Chem., 36巻、3165頁(1998年)など)、例えばアゾ基の熱分解などで生じた炭素ラジカルを捕捉し、耐加溶媒分解性および耐熱性に優れる炭素−炭素結合あるいは炭素−酸素結合を形成する。よってこのようなラジカル捕捉性を利用して親水性セグメントおよび疎水性セグメントを導入することもできる。
カーボンナノチューブ
本発明で用いられるカーボンナノチューブは、その表面にカルボキシル基を有し、このカルボキシル基を起点としてカーボンナノチューブ表面にイオン性官能基を導入することができる。また、酸化処理により表面上のカルボキシル基の数を増やすことができるため、本発明に用いる場合には酸化処理を行うことが好ましい。酸化処理の方法としては、硝酸による酸化反応を用いるのが好ましい。
カーボンナノチューブ表面のカルボキシル基は、そのままの形では、耐熱性・耐加溶媒分解性の小さいエステル結合やアミド結合を介したイオン性官能基の導入しか行えないため、還元してヒドロキシメチル基とし、該ヒドロキシメチル基を利用してイオン性官能基を導入することが好ましい。
また、カーボンナノチューブもまたラジカル捕捉剤として作用することが知られており(例えば、A.Adronovらの研究報告、Macromolecules、38巻、1172頁(2005年)など)、例えばアゾ基の熱分解などで生じた炭素ラジカルを捕捉し、耐加溶媒分解性および耐熱性に優れる炭素−炭素結合あるいは炭素−酸素結合を形成する。よってこのようなラジカル捕捉性を利用して親水性セグメントおよび疎水性セグメントを導入することもできる。
(3)カーボン材料と連結基との連結部
カーボン材料と親水性セグメントまたは疎水性セグメントを連結する連結基は、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する。該連結基は、炭素原子または酸素原子を介して連結していることが好ましく、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する化学結合により構成されていることが好ましい。耐加溶媒分解性および耐熱性を有する化学結合としては、炭素−炭素単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、炭素−SO2結合、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合が好ましく、炭素−炭素単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、炭素−SO2結合がより好ましい。
より具体的には、カーボン材料がカーボンブラックの場合には、カーボンブラック表面上に存在するフェノール性水酸基由来の酸素原子と連結基由来の炭素原子で形成されるエーテル結合、フェノール性水酸基のオルト位の炭素原子と連結基の炭素原子とで形成される単結合、カーボンブラック上のカルボキシル基を還元することで得られるヒドロキシメチル基由来の酸素原子と連結基の炭素原子とで形成されるエーテル結合が特に好ましい。カーボン材料がカーボンナノチューブの場合には、カーボンナノチューブ上のカルボキシル基を還元することで得られるヒドロキシメチル基由来の酸素原子と連結基の炭素原子とで形成されるエーテル結合が特に好ましい。
また、カーボン材料には主成分である炭素原子の他に、表面に存在する官能基に由来する酸素原子が存在する。よって、カーボン材料と連結基を連結する際には、カーボン材料に存在する炭素原子を介して連結基を連結する方法と、カーボン材料に存在する酸素原子を介して連結基を連結する方法の2通りの方法が存在するが、本発明においては、いずれの方法も好ましく用いることができる。
以下に、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する連結基を例示するが、本発明はこれらに限定されない。尚、Lcは、該連結基とカーボン材料との連結箇所を表す記号であり、具体的な基が存在するわけではない。同様に、Lpは該連結基と親水性セグメントおよび/または疎水性セグメントとの連結箇所を表す記号であり、具体的な基が存在するわけではない。また、本発明の燃料電池用触媒材料中には、該連結基が1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
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親水性セグメントおよび疎水性セグメント
本発明の親水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン性官能基を有する。また、本発明の疎水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン性官能基を有さない。
耐加溶媒分解性および耐熱性は、上記連結基における定義と同義であり、具体例その他も同様である。また、親水性セグメントおよび疎水性セグメントは、低分子化合物でおよびポリマーのいずれも、好ましく用いられる。
本発明において、親水性セグメントのイオン性官能基部位を除いた骨格、および疎水性セグメント骨格は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、
Figure 2007258111
からなる基から選ばれる1つまたは2つ以上の組み合わせからなる基であることが好ましい。
ここで、脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよく、また、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。さらに、水素原子が、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜24が好ましく、1〜6がより好ましい。
芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜25が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。芳香族炭化水素基の環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよく、ピレニル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナントロニル基が好ましく、ナフチル基、ビフェニル基がさらに好ましく、フェニル基が特に好ましい。
ヘテロ環基は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを含むものが好ましく、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましい。また、ヘテロ環基が有する炭素数は、2〜12が好ましく、3〜8がより好ましい。ヘテロ環基の環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
ヘテロ環基は、ピリジル基、フリル基、チエニル基が好ましく、トリアジニル基がより好ましい。
本発明の親水性セグメントにおける、イオン性官能基は、カチオン性またはアニオン性のいずれでもよいが、アニオン性のイオン官能基であることが好ましい。
カチオン性のイオン官能基としては、スルホニウム基、ヨードニウム基、チオロニウム基、ホスホニウム基、ピリジル基、アンモニウム基が好ましく、ピリジル基、アンモニウム基がより好ましい。ピリジル基、アンモニウム基の具体的な例としては、−(ジメチルセチル)アンモニウム基、−(ベンジルジブチル)アンモニウム基、−(ベンジルジエチル)アンモニウム基、−(ジメチルドデシル)アンモニウム基、−(ジデシルメチル)アンモニウム基、−(ステアリルジメチル)アンモニウム基、−(ラウリルジメチル)アンモニウム基、−(トリメチル)アンモニウム基、−(トリエチル)アンモニウム基、−(トリ−n−ブチル)アンモニウム基、−(トリヘプチル)アンモニウム基、−(ブチルジエチル)アンモニウム基、−(フェニルジエチル)アンモニウム基、−(2−メチル)ピリジル基、−(3−メチル)ピリジル基、−(4−メチル)ピリジル基が好ましく、−(ステアリルジメチル)アンモニウム基、−(ラウリルジメチル)アンモニウム基、−(トリメチル)アンモニウム基、−(トリエチル)アンモニウム基、−(トリ−n−ブチル)アンモニウム基、−(トリヘプチル)アンモニウム基、−(ブチルジエチル)アンモニウム基、−(フェニルジエチル)アンモニウム基、−(2−メチル)ピリジル基、−(3−メチル)ピリジル基、−(4−メチル)ピリジル基がより好ましく、−(トリメチル)アンモニウム基、−(トリエチル)アンモニウム基、−(トリ−n−ブチル)アンモニウム基が特に好ましい。
また、対アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、水酸化物イオンが好ましく、水酸化物イオンがより好ましい。
アニオン性のイオン官能基としては、パーフルオロスルホ基、スルホ基、ホスホン酸基、カルボン酸基が好ましく、パーフルオロスルホ基、スルホ基、ホスホン酸基がより好ましい。
また、対カチオンとしては、カルシウムイオン、バリウムイオン、四級アンモニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、プロトンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、プロトンがさらに好ましく、プロトンが特に好ましい。
イオン性官能基は、該親水性セグメントの繰り返し単位1つにつき、少なくとも1つ以上存在することが好ましく、繰り返し単位1つにつき、2つ以上存在することがさらに好ましい。
親水性セグメント中のイオン官能基濃度はイオン交換容量として測定することができ、0.1〜7meq/gが好ましく、0.5〜5meq/gがより好ましく、1〜3meq/gがさらに好ましい。親水性セグメント中のイオン官能基濃度を0.1meq/g以上とすることにより、プロトン伝導性をより高めることができ、7meq/g以下とすることにより、耐久性および機械的強度をより高めることができる。
疎水性セグメントは、そのパーマコール値が0〜20であるものが好ましく、0〜15がさらに好ましく、0〜10が特に好ましい。パーマコール値はガス透過性の指標として用いられ、例えば、M.Salame著 ACS Polymer Preprints 8,137(1967)に記載の表から計算できる。
親水性セグメントおよび疎水性セグメントのカーボン材料への連結法
本発明の親水性セグメントおよび疎水性セグメントのカーボン材料への連結法としては、(1)カーボン材料表面上の同一の連結基を介して(すなわち、同一の連結点によって)、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方を連結する方法(以後この方法を方法Aとする)、(2)親水性セグメントと疎水性セグメントを、カーボン表面上のそれぞれ異なる連結基を介して(すなわち、異なる連結点によって)連結する方法(以後この方法を方法Bとする)の2通りの方法が存在する。本発明においては、いずれの方法も好ましく用いることができる。また、カーボン材料表面に導入される親水性セグメントおよび疎水性セグメントの好ましい構造は、上記方法Aを用いる場合と方法Bを用いる場合とでは異なる。以下、方法A、方法Bおよびそれぞれの方法を用いた場合の親水性セグメントおよび疎水性セグメントの構造について詳しく説明する。
方法A
方法Aは、カーボン材料表面上の同一の連結点によって、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方を連結する方法である。すなわち、上記1−1タイプ〜1−3タイプのようなカーボン材料表面上の1つの連結点を介し、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方がカーボン表面に導入されていることを意味する。このような連結法としては具体的には、(1)カーボン材料表面の連結基を介し、親水性セグメントと疎水性セグメントとが交互に繰り返すブロック共重合ポリマーを連結する方法(以後、この方法を方法Cとする。)、(2)カーボン材料表面の連結基を介し、疎水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、親水性セグメントからなる側鎖がグラフトされた、グラフト重合ポリマーを連結する方法(以後この方法を方法Dとする。)および(3)カーボン材料表面の連結基を介し、親水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、疎水性セグメントからなる側鎖がグラフトされた、グラフト重合ポリマーを連結する方法(以後この方法を方法Eとする。)が存在し、これらの方法はいずれも好ましく用いることができる。以下ではこれらの方法を用いた際の、好ましい親水性セグメントおよび疎水性セグメントの構造について説明する。
方法C
方法Cは、カーボン材料表面上の連結点を介し、親水性セグメントと疎水性セグメントとが交互に繰り返すブロック共重合ポリマーを連結する方法である。例えば、上記1−1タイプのものが得られる。該ブロック共重合ポリマーは、式(1)中の−R1−X1−で表される主鎖構造に−B1−(A1)n2で表されるイオン性官能基を導入した繰り返し単位からなる親水性セグメント、および式(2)中の−R2−X2−で表される主鎖構造に−E1および/または−E2で表される酸素透過性の高い置換基を導入した繰り返し単位からなる疎水性セグメントを含むことが好ましい。以下、このようなポリマーをポリマー系列Fとする。
ポリマー系列Fは、例えば、−R1−X1−または−R2−X2−で表される主鎖構造を形成後、−B1−(A1)n2で表されるイオン性官能基または−E1および/若しくは−E2で表される酸素透過性の高い置換基を主鎖に導入する方法(以後この方法を‘後付け法’と呼ぶ)、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物を重合することで得られる親水性セグメントと、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物を重合することで得られる疎水性セグメントとを連結する方法(以後この方法を‘モノマー導入法’と呼ぶ)、または、親水性セグメントと疎水性セグメントのいずれか一方を後付け法で形成し、いずれか一方をモノマー導入法で形成する方法(以後この方法を‘混合法’と呼ぶ)により得られる。
また、前記ブロック共重合ポリマーとして、親水性セグメントが式(6)からなり、疎水性セグメントが式(7)からなるポリマーも好ましい。以下、このようなポリマーをポリマー系列Gとする。
ポリマー系列Gは、例えば、式(8)で表される化合物を重合することで得られた親水性セグメントと、式(9)で表される化合物を重合させることで得られた疎水性セグメントとを連結することにより得られる。
以下、両ポリマー系列の繰り返し構造およびこれらを形成するための化合物について詳細に説明する。
ポリマー系列Fの構造
Figure 2007258111
(式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を含む基を表し、X1およびX2はそれぞれ、単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n1およびn4はそれぞれ8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
ここで、式(1)からなる親水性セグメントは、1つの構造の繰り返し単位であってもよいし、2つ以上の構造から構成されていてもよい。特に、イオン性官能基の含量等によっては、n3=0の繰り返し単位も含んでいる場合がある。すなわち、式(1)からなるセグメント全体として、イオン官能性基を含んでいれば良い。以下、式(2)、式(6)、式(7)等についても同様に考える。
式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を構成する炭素原子の総数は6〜50が好ましく、6〜30がより好ましく、6〜15がさらに好ましい。また、芳香環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。また、R1およびR2の芳香環は、それぞれ、ベンゼン環およびベンゼン環が縮環したものからなることが好ましい。
以下にR1およびR2の好ましい構造を例示する。これらの中で、(C−1)、(C−2)、(C−4)、(C−5)、(C−8)、(C−12)が好ましく、(C−1)、(C−4)がより好ましい。
Figure 2007258111
1およびX2は、好ましくは、−C(R91101)−、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO2−からなる群より選ばれる基の1つまたは2つ以上からなる2価の連結基を表す。ここで、R91およびR101はそれぞれ、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、メトキシエチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、例えば、ビニル基、アリル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26、例えば、フェニル基、2−ナフチル基)を表し、これらに含まれる水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
91およびR101は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ネオペンチル基、トリフルオロメチル基、tert−ブチル基、プロピル基、n−ブチル基(Bu)、n−ペンチル基、フェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ネオペンチル基、トリフルオロメチル基、tert−ブチル基、フェニル基がさらに好ましく、メチル基、トリフルオロメチル基、tert−ブチル基がさらに好ましい。
1およびX2の好ましい例としては、−C(t−Bu)2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−O−、−S−、−CO−、−SO2−が挙げられる。
式(1)または式(2)は、ポリエーテルスルホン系化合物、ポリエーテルエーテルスルホン系化合物、ポリエーテルエーテルケトン系化合物、ポリフェニレンスルフィド系化合物、ポリフェニレンエーテル系化合物、ポリスルホン系化合物またはポリエーテルケトン系化合物より構成されていることが好ましい。これらの中でも、酸化耐性に優れるポリエーテルスルホン系化合物、ポリエーテルエーテルスルホン系化合物、ポリスルホン系化合物より構成されていることがより好ましい。
式(1)および式(2)中、n1およびn4は、それぞれ8以上の整数を表し、8〜800の整数が好ましく、8〜400の整数がさらに好ましく、16〜120の整数が特に好ましい。
ポリマー系列Fは式(1)からなる親水性セグメントの主鎖と式(2)からなる疎水性セグメントの主鎖が交互に連結されていることが好ましい。ここで、親水性セグメントと疎水性セグメントの合計総数は、2〜100が好ましく、2〜50がさらに好ましく、4〜30が特に好ましい。
以下に、式(1)または式(2)からなるセグメントの主鎖部分(−R1−X1−、−R2−X2−)の好ましい例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、ポリマー系列F中、式(1)からなるセグメントの主鎖部分および式(2)からなるセグメントの主鎖部分は、それぞれ、1種類のみから構成されていてもよいし、2種類以上から構成されていてもよい。
Figure 2007258111
式(1)中、B1は、好ましくは、単結合または、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、
Figure 2007258111
からなる群から選ばれる1つまたは2つ以上の組み合わせからなる基が挙げられる。
ここで、脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよく、水素原子は本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましい。芳香族炭化水素基は、環上の水素原子が本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよく、ピレニル基、アントラニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェニル基が好ましく、ナフチル基、ビフェニル基、フェニル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。ヘテロ環基は、環上の水素原子が本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよく、ピリジル基、フリル基、チエニル基、トリアジニル基が好ましく、トリアジニル基がより好ましい。
1の好ましい例としては、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、フェニレン(−Ph−)基、−CH2−O−(CH2n−(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である。)、−CH2−Ph−、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)2CH2CH2−、−CH2CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、C((CH2) n−)4(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、CH((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、CH3C((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、EtC((CH2) n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、−C((CH2n−)3(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、−CH((CH2n−)2(nは、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である。)、ならびに、これら(前記基を2以上組み合わせた基を含む)と−CO−、−SO−、−CS−、−SO2−、
Figure 2007258111
の1つ以上との組み合わせからなる基が挙げられる。
式(1)中、イオン性官能基の親水性セグメント主鎖への導入量は、親水性セグメント中に導入されたイオン性官能基の含量が、0.1meq/g〜7meq/gとなる量であることが好ましく、0.5meq/g〜4meq/gとなる量であることがより好ましく、1meq/g〜3meq/gとなる量であることがさらに好ましい。よって、イオン性官能基の含量が前記範囲となるようn2およびn3の値を調節することが必要となる。
以下に、式(1)における側鎖部位−(B1−(A1n2n3の好ましい例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007258111
式(2)中、E1およびE2は、それぞれ、酸素透過性の高い置換基を表す。ここで、酸素透過性の高い置換基とは、置換基のパーマコール値が負である置換基のことをいう。置換基のパーマコール値については、M.Salame著 ACS Polymer Preprints 8,137(1967)などに記載されている。E1およびE2のパーマコール値は−10/N以下であることが好ましく、−20/N以下であることがさらに好ましく、−50/N以下であることが特に好ましい。ここで、Nはポリマー主鎖を構成する構成単位の総数を表し、上記文献に記載のNと同義である。より具体的には、E1およびE2は、それぞれ、3つ以上の炭素原子により構成されているものが好ましい。また、E1およびE2は、それぞれ、低極性の置換基であることが好ましく、ケイ素原子、フッ素原子を含むものが特に好ましい。E1およびE2は、それぞれ、3〜60が好ましく、5〜40がさらに好ましく、6〜30が特に好ましい。
1およびE2は、例えば、アルキル基(n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ベンジル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、カルボキシメチル基、カルボキシペンチル基)、アルコキシ基(エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基)、アルケニル基(アリル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、アリール基(フェニル基、2−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ニトロフェニル基)、ヘテロ環基(ピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基)、アルキニル基(2−プロピニル基、1,3−ブタジイニル基、2−フェニルエチニル基)、ならびにこれらとメチロール基の1つ以上の組み合わせからなる基であり、好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、メチルオキシアルキル基、メチルオキシアルケニル基、メチルオキシシクロアルキル基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、メチルオキシアルキル基、メチルオキシシクロアルキル基であり、さらに好ましくは、これらの置換基のメチレン鎖中にエーテル構造またはケイ素原子が含まれるもの(エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、3−トリメチルシリルプロピル基、2−トリメチルシリルエチル基、6−トリエチルシリルヘキシル基、トリエチルシリルプロピル基)である。
これらの置換基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくは、炭素数1〜20、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メトキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル基、パラトルエンンスルホニル基)が挙げられる。
5およびn6は、それぞれ、0〜4の整数を表し、0〜2の整数がより好ましく、0または1がさらに好ましい。
疎水性セグメントのパーマコール値は、0〜20の範囲にあることが好ましく、0〜15がさらに好ましく、0〜10が特に好ましい。よって、n5およびn6は、該疎水性セグメントのパーマコール値が上記の範囲となるよう、適宜設定されることが好ましい。
ポリマー系列Fのポリマーの重量平均分子量は、500〜20万であることが好ましく、1000〜10万であることがさらに好ましく、1500〜5万であることが特に好ましい。
ポリマー系列Fの製造方法およびカーボン材料への導入法
後付け法
後付け法は、−(R1−X1n1−で表される主鎖構造を形成した後、−B1−(A1)n2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程と、−(R2−X2n4−で表される主鎖構造を形成後に−E1および/または−E2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程とを含む方法である。すなわち、主鎖構造を形成後、イオン性官能基または酸素透過性の高い置換基を主鎖に導入する方法である。ここで、主鎖部分の形成方法としては、“第四版 実験化学講座、29巻、4.1 耐熱性材料"にあるような公知の方法を用いることが好ましい。また、市販のポリマーを主鎖として利用することもできる。
−B1−(A1)n2で表されるイオン性官能基の主鎖への導入法としては、例えば、イオン官能基がスルホ基の場合には、後述するクロロメチルメチルエーテル等のハロゲノメチル化剤を用いてハロゲノメチル化ポリマーとし、次いでハロゲン部位をアセチルチオ化した後、酸化してスルホ基にする方法、ハロゲノメチル化ポリマーと亜硫酸ナトリウムを反応してスルホ基にする方法、または、ハロゲノメチル化ポリマーとスルホアルキルチオールを反応してスルホ基を導入する方法などが挙げられる。また、より炭素数の多いスルホアルキル基の場合には例えばCl−(CH2n−COCl(nは例えば2〜6)で表されるクロロ置換酸クロライドで常法、例えば、塩化アルミニウムや塩化鉄などのルイス酸を用いたフリーデルクラフツ反応によりクロロ置換アシル基を導入し、次いでジメチルチオエーテルとチオ硫酸ナトリウムで、クロロ原子をスルホ基とした後、カルボニル基をヒドラジンで還元する方法またはJ.Org.Chem.45.2717(1980)に記載されている方法に準じて、芳香環の水素をリチウム化し、次いでジハロゲノアルカンでハロゲノアルキル化し、その後は上記の方法でクロロ原子をスルホ基に変換する方法などが挙げられる。
本発明において好ましいハロゲノメチル基を芳香環に導入(芳香環のハロゲノメチル化反応)するには、公知反応が広範囲に使用できる。例えば、クロロメチル化剤として、クロロメチルメチルエーテル、1,4−ビス(クロロメトキシ)ブタン、1−クロロメトキシ−4−クロロブタンなどを用い、触媒として塩化スズ、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化チタンなどのルイス酸やフッ化水素酸などを用いてクロロメチル化反応を行うことにより、芳香環にクロロメチル基を導入することができる。溶媒には、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼンなどを用い、均一系で反応を行うことが好ましい。また、パラホルムアルデヒドと塩化水素または臭化水素などを用いてハロゲノメチル化反応を行うこともできる。
さらにスルホ基の導入方法としては、一般的な方法としては例えば下記に示されるようなスルトン類とルイス酸(例えば、AlCl3)を用いたフリーデルクラフツ反応(Journal of Applied Polymer Science, Vol. 36, 1753−1767, 1988)もまた用いることができる。
Figure 2007258111
フリーデルクラフツ反応を行う場合は、溶媒としては炭化水素(ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン、アセトフェノン等)、ハロゲン化アルキル(塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン等)等を用いることができる。反応温度は、室温(例えば、18℃)から250℃の範囲で選べばよい。これらの反応において溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明のスルホン基含有高分子化合物の構造は、主鎖がポリスルホンの場合、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm-1、1,160〜1,190cm-1のS=O吸収、1,130〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
−B1−(A1)n2で表されるイオン性官能基の主鎖への導入方法に関し、イオン官能基がスルホ基以外の場合には、クロロメチルメチルエーテル等のハロゲノメチル化剤を用いてハロゲノメチル化ポリマーとし、ウィリアムソンエーテル合成を用いて、各イオン性官能基含有成分を、エーテル結合を介して導入する公知の方法が好ましく用いられる。
1および/またはE2で表される部分構造の主鎖への導入法としては、主鎖芳香族環のハロメチル化後、ウィリアムソンエーテル合成を用いる公知の方法を利用することができる。
後付け法を用いてポリマー系列Fを合成する場合、カーボン材料へのポリマー導入法としては、例えば、(方法F1−1)〜(方法F1−5)で表される5通りの方法が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。以下、(方法F1−1)〜(方法F1−5)について詳細に説明する。
(方法F1−1)
方法F1−1は、後付け法にて各セグメント主鎖の形成および−B1−(A1)n2で表されるイオン性官能基または−E1および/若しくは−E2で表される酸素透過性の高い置換基の導入を行い、各セグメントを連結してポリマー系列Fを形成後、該ポリマーをカーボン材料に連結する方法である。
(方法F1−2)
方法F1−2は、後付け法にて各セグメント主鎖の形成および−B1−(A1) n2で表されるイオン性官能基または−E1および/若しくは−E2で表される酸素透過性の高い置換基を主鎖に導入後、各セグメントの連結によるポリマー系列Fの形成とカーボン材料への連結を同時に行う方法である。
(方法F1−3)
方法F1−3は、各セグメントの主鎖形成を行い、各セグメントを連結したのち、カーボン材料への連結を行い、その後、−B1−(A1) n2で表されるイオン性官能基またはおよび/若しくはで表される酸素透過性の高い置換基の導入を行う方法である。
(方法F1−4)
方法F1−4は、各セグメントの主鎖形成を行い、各セグメント主鎖の連結とカーボン材料への連結を同時に行い、その後、−B1−(A1) n2で表されるイオン性官能基またはおよび/若しくはで表される酸素透過性の高い置換基の導入を行う方法である。
(方法F1−5)
方法F1−5は、各セグメントの主鎖形成を行い、各セグメントを連結した後、−B1−(A1) n2で表されるイオン性官能基またはおよび/若しくはで表される酸素透過性の高い置換基を各セグメントに導入し、その後カーボン材料への連結を行う方法である。
モノマー導入法
モノマー導入法は、式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物を重合することで得られた親水性セグメントと、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物を重合することで得られた疎水性セグメントとを連結する方法である。ここで、式(3)で表される化合物、式(4)で表される化合物および式(5)で表される化合物は、それぞれ、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。これらの化合物について説明する。
式(3)
Figure 2007258111
(式(3)中、X3は単結合または2価の連結基を表し、R3およびR4はそれぞれ芳香環を含む基を表す。B2およびB3はそれぞれ単結合または2〜6価の連結基を表す。A2およびA3はそれぞれイオン性官能基である。n7およびn8はそれぞれ1〜5の整数を表し、n9およびn10はそれぞれ0〜4の整数を表し、n9とn10の和は2以上である。Z1およびZ2は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
式(3)中、X3は、好ましくは、単結合、または、−C(Q101202)−、−O−、−CO−、−S−、−SO−および−SO2−からなる群から選択される1つ若しくは2つ以上の組み合わせからなる2価の基である。Q101およびQ202は、それぞれ、水素原子または置換基を表し、置換基としては、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、フェニル基が好ましい例として挙げられる。Q101とQ202は同一である方が好ましい。
3およびR4は、好ましくは、芳香環を含む基であり、芳香環を構成する炭素原子の総数は1〜50が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜15がさらに好ましい。また、該芳香環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
以下、R3およびR4の好ましい構造を例示する。ここで、−B2−(A2)n7および−B3−(A3)n8との連結部位については特に構造式中に記載していないが、芳香環上のいずれかの位置で所望の個数が連結されていてもよいものとし、下記構造式においては2価の連結基の構造として示す。ここで、−B2−(A2)n7または−B3−(A3)n8はそれぞれこれらの中で、(A−2)、(A−5)、(A−8)、(A−12)がさらに好ましく、(A−1)、(A−4)が特に好ましい。
Figure 2007258111
1およびZ2はそれぞれ水酸基、フッ素原子、塩素原子、メタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基が好ましく、水酸基、フッ素原子、塩素原子がより好ましい。
2およびB3は、それぞれ、式(1)中のB1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
2およびA3は、式(1)中のA1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
7およびn8は、好ましくは、それぞれ1〜5の整数を表し、n9およびn10はそれぞれ1〜3の整数を表す。n9とn10の和は、好ましくは、2〜4である。
7〜n10が2以上であって、B2、B3、A2および/またはA3が2以上存在する場合、これらのB2、B3、A2および/またはA3は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下に、式(3)の好ましい例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
式(4)
Figure 2007258111
(式(4)中、Z3およびZ4は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表し、R5は芳香環を含む基を表す。)
式(4)中、R5は、好ましくは、芳香環を含む基であり、式(1)中のR1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
3およびZ4はそれぞれ水酸基、フッ素原子、塩素原子、メタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基が好ましく、水酸基、フッ素原子、塩素原子がより好ましい。
式(4)で表される化合物の具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、2−メチルハイドロキノン、2−エチルハイドロキノン、2−プロピルハイドロキノン、2−ブチルハイドロキノン、2−ヘキシルハイドロキノン、2−オクチルハイドロキノン、2−デカニルハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジエチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、2,3,5−トリメチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2,2’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,2’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−フルオロジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、パーフルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジフルオロベンゾフェノン、3,3’−ジクロロベンゾフェノン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン等が挙げられる。
式(5)
Figure 2007258111
(式(5)中、X4は単結合または2価の連結基を表し、R6およびR7はそれぞれ芳香環を含む基を表す。E3、E4およびE5はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n11、n12およびn13はそれぞれ0〜4の整数を表し、n11とn12とn13の和は1以上である。Z5およびZ6は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
式(5)中、X4は式(3)のX3と同義であり、好ましい範囲も同義である。
6およびR7は、好ましくは、芳香環を含む基であり、式(3)中のR3およびR4と同義であり、−B2−(A2)n7および−B3−(A3)n8との連結部位をE3およびE5との連結部位に置き換えた他は、好ましい範囲もR3およびR4と同義である。
5およびZ6はそれぞれ水酸基、フッ素原子、塩素原子、メタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基が好ましく、フッ素原子、塩素原子、水酸基がより好ましい。
11、n12およびn13はそれぞれ0〜4の整数を表し、n11とn12とn13の和は1以上である。
3、E4およびE5はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表し、式(2)のE1およびE2に同義であり、好ましい範囲も同義である。
11、n12またはn13が2以上の場合、それぞれのE3、E4またはE5は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以下に、式(5)の好ましい例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
モノマー導入法を用いてポリマー系列Fを合成する場合、カーボン材料へのポリマー導入法としては、例えば、(方法F2−1)および(方法F2−2)で表される2通りの方法が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。以下、(方法F2−1)および(方法F2−2)について詳細に説明する。
(方法F2−1)
方法F2−1は、前記方法にて得られた各セグメントを連結してポリマー系列Fの形成を行った後、ポリマー主鎖をカーボン材料に連結する方法である。
(方法F2−2)
方法F2−2は、カーボン材料存在下で、各セグメントの連結を行うことで、ポリマー主鎖の形成とカーボン材料への連結を同時に行う方法である。
混合法
混合法は、親水性セグメントと疎水性セグメントのいずれか一方を後付け法で形成し、いずれか一方をモノマー導入法で形成する方法であり、ポリマー形成およびカーボン材料へのポリマー導入は、前記後付け法およびモノマー導入法と同様にして、適宜行うことができる。
ポリマー系列Gの構造
Figure 2007258111
(式(6)および(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、n14、n15およびn17はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
式(6)および式(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基が好ましい。
11、W12、W13、W14、W15およびW16がハロゲン原子の場合、それぞれ、塩素原子またはフッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
11、W12、W13、W14、W15およびW16がアルキル基の場合、それぞれ、直鎖、分岐鎖または環状アルキル基のいずれでもよく、その炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜6である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
11、W12、W13、W14、W15およびW16がアリール基の場合、それぞれ、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。
11、W12、W13、W14、W15およびW16がヘテロ環基の場合、それぞれ、置換もしくは無置換のへテロ6員環(例えばピリジル基、モルホリノ基等)、置換もしくは無置換のヘテロ5員環(フリル基、チオフェン基等)等が好ましい例として挙げられる。
1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。D1およびD2が置換若しくは無置換の芳香環からなる基の場合、該芳香環は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
4は単結合または2〜6価の連結基を表し、式(1)におけるB1と同義であり、好ましい例も同義である。A5はイオン性官能基を表し、式(1)におけるA1と同義であり、好ましい例も同義である。E6は酸素透過性の高い置換基であり、式(2)におけるE1と同義であり、好ましい例も同義である。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、好ましくは2〜150であり、より好ましくは2〜100であり、さらに好ましくは5〜50である。n14、n15およびn17は1〜5の整数を表す。
親水性セグメント中、イオン官能性基のポリマー主鎖への導入量は、導入されたイオン性官能基の含量が、0.1meq/g〜7meq/gとなる量であることが好ましく、0.5meq/g〜4meq/gとなる量であることがより好ましく、1meq/g〜3meq/gとなる量であることがさらに好ましい。よって、n14およびn15はイオン官能基の含量が上記の範囲内となるよう適宜設定される。
疎水性セグメントのパーマコール値は、0〜20の範囲にあることが好ましく、0〜15がさらに好ましく、0〜10が特に好ましい。よって、n17は、該疎水性セグメントのパーマコール値が上記の範囲となるよう、適宜設定されることが好ましい。
式(6)からなる親水性セグメントおよび式(7)からなる疎水性セグメントは、1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。
式(6)からなる親水性セグメントおよび式(7)からなる疎水性セグメントは、2〜250個の繰り返し単位から構成されていることが好ましく、2〜150個の繰り返し単位から構成されていることがより好ましく、4〜100個の繰り返し単位から構成されていることがさらに好ましい。
ポリマー系列Gのポリマーの重量平均分子量は、500〜20万であることが好ましく、1000〜10万であることがさらに好ましく、1500〜5万であることが特に好ましい。
ポリマー系列Gの製造方法およびカーボン材料への導入法
ポリマー系列Gの製造方法、およびポリマー系列Gのカーボン材料への導入方法としては、1.
カーボン材料にラジカル重合の開始点を有する連結基を導入し、該開始点を利用して、原子移動ラジカル重合あるいは安定フリーラジカル重合により、式(8)で表される化合物の重合体からなる親水性セグメント、および式(9)で表される化合物の重合物からなる疎水性セグメントからなるポリマー系列Gの形成と、ポリマー系列Gのカーボン材料への連結を同時に行う方法(以下この方法を方法G−1と呼ぶことにする)、および、2.安定フリーラジカル重合により、式(8)で表される化合物の重合体からなる親水性セグメント、および式(9)で表される化合物の重合体からなる疎水性セグメントからなるポリマー系列Gを形成し、これとカーボン材料とを連結する方法(以下この方法を方法G−2と呼ぶことにする)が挙げられる。以下、式(8)で表される化合物および(9)で表される化合物および、方法G−1、方法G−2について詳しく説明する。
Figure 2007258111
(式(8)および(9)中、W21、W22、W23、W24、W25およびW26は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D3およびD4はそれぞれ単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B5は単結合または2〜6価の連結基を表す。A5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。E7は酸素透過性の高い置換基を表す。n19、n20およびn21は、それぞれ、1〜5の整数を表す。)
式(8)および式(9)中、W21、W22、W23、W24、W25およびW26は、それぞれ、式(6)中のW11、W12、W13、W14、W15およびW16と同義であり、好ましい範囲も同義である。
5は式(6)中のB4と同義であり、好ましい範囲も同義である。
5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。A5がイオン性官能基の場合、式(6)におけるA4と同義であり、好ましい範囲も同義である。A5がイオン性官能基前駆体の場合、A5自体はイオン性官能基ではないが、重合したのち、改質工程等を経ることによりイオン性官能基へと変換される基である。具体的には、イオン性官能基前駆体としてはエステル基、アミド基が好ましく、エステル基が特に好ましい。またこの場合の改質工程は、エステル基またはアミド基の加水分解反応が好ましい。
3およびD4はそれぞれ置換または無置換の芳香環からなる基または単結合を表し、式(6)におけるD1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
7は酸素透過性の高い置換基を表し、式(6)におけるE6と同義であり、好ましい範囲も同義である。
19、n20およびn21は、好ましくは1〜5の整数である。
19、n20およびn21が2以上であって、A5、B5および/またはE7が2以上存在する場合、それぞれのA5、B5および/またはE7は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(8)および式(9)の好ましい例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
式(8)で表される化合物の例示化合物
Figure 2007258111
式(9)で表される化合物の例示化合物
Figure 2007258111
方法G−1
方法G−1は、カーボン材料に、重合開始点を有する連結基を導入し、該開始点を利用して、原子移動ラジカル重合あるいは安定フリーラジカル重合等により、式(8)で表される化合物の重合体からなる親水性セグメント、および式(9)で表される化合物の重合物からなる疎水性セグメントからなるポリマー系列Gの形成と、ポリマー系列Gのカーボン材料への連結を同時に行う方法である。ここで、式(8)で表される化合物および式(9)で表される化合物は、それぞれ、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
連結基および重合開始点は、前記記載の芳香族環のハロゲノアルキル化など、公知の方法を用いて形成することができる。
原子移動ラジカル重合の開始点としては、ハロゲノアルキル、ハロゲノベンジル、α−ハロケトン、α−ハロニトリル、スルホニルハライドなどが挙げられ、スルホニルハライド、ハロゲノベンジルが特に好ましい。安定フリーラジカル重合の開始点としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキル、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジニルオキシアルキル、N,N−ジ−tert−ブチルアミノオキシアルキル、1,1,3,3−テトラメチルイソインドリン−オキシアルキル、N−tert−ブチル−N−(2−メチル−1−フェニルプロピル)アミノオキシアルキルなどが挙げられ、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシアルキルが特に好ましい。
以下に、カーボン材料に形成されるラジカル重合の開始点、およびカーボン材料との連結基の好ましい例を例示するが、本発明はこれらに限定されない。なお、化合物中LCはカーボン材料との連結箇所を表す。
Figure 2007258111
原子移動ラジカル重合あるいは安定フリーラジカル重合による各セグメントの形成反応において、式(8)で表される化合物と式(9)で表される化合物の両方が反応系中に存在すると、それぞれの化合物がランダムに共重合するため、セグメントは形成されない。よって、親水性セグメントの形成反応および疎水性セグメントの形成反応を交互に行い、セグメント数を1ずつ増やしていくことでポリマー系列Bを形成することが好ましい。方法B−1を用いた際のポリマー系列Bの好ましいセグメント数は、2〜20であり、さらに好ましくは2〜10であり、2〜5が特に好ましい。
方法G−2
方法G−2は、安定フリーラジカル重合により、式(8)で表される化合物の重合体からなる親水性セグメント、および式(9)で表される化合物の重合体からなる疎水性セグメントからなるポリマー系列Gを形成し、これとカーボン材料とを連結する方法である。ここで、安定フリーラジカル重合において、開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルジオキシ)シクロヘキサン等の過酸化物系開始剤等が挙げられ、過酸化物系開始剤がより好ましく用いられる。また、反応系中に添加する安定フリーラジカルとしては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−オキソ−TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−アミノTEMPO、4−カルボキシTEMPO、4−シアノTEMPO、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、ジ−tert−ブチルニトロキシドなどが挙げられる。
ポリマー系列Gを形成する際、式(8)で表される化合物と式(9)で表される化合物の両方が反応系中に存在すると、それぞれの化合物がランダムに共重合するため、セグメントは形成されない。よって、親水性セグメントの形成反応および疎水性セグメントの形成反応を交互に行い、セグメント数を1ずつ増やしていくことでポリマー系列Gを形成することが好ましい。方法G−2を用いた際のポリマー系列Gのセグメント数は、2〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、2〜20が特に好ましい。
ポリマー系列Gのカーボン材料への連結方法としては、ポリマー末端に導入された安定ラジカル前駆体を、加熱によりラジカルに変換し、カーボンブラックのラジカル捕捉能を利用して連結することが好ましい。
方法D
方法Dは、カーボン材料表面の連結基を介し、少なくとも、疎水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、親水性セグメントからなる側鎖がグラフトされた、グラフト重合ポリマーを連結する方法である。ここで、少なくとも、疎水性セグメントからなる主鎖としては、式(2)で表されるセグメントであることが好ましい。式(2)中のn4は、方法Dにおいては8〜1600が好ましく、12〜1000がさらに好ましく、16〜800が特に好ましい。式(2)に関するその他の構造については方法Cにおける式(2)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(2)からなる主鎖にグラフトされる、親水性セグメントとしては、式(6)からなる親水性セグメントが好ましい。ここで、親水性セグメントのみをグラフトしても良いが、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方をグラフトしてもよい。この場合の疎水性セグメントとしては、式(6)からなる親水性セグメントが好ましい。親水性セグメントと疎水性セグメントの両方をグラフトする場合には、それぞれ異なるグラフト開始点よりグラフトしても良いし、同一のグラフト開始点よりブロック共重合ポリマーの形で両セグメントをグラフトしても良い。
好ましいグラフト鎖の数としては、式(2)からなる主鎖1つにつき、0.1〜1であることが好ましく、0.1〜0.5であることがさらに好ましく、0.25〜0.5であることが特に好ましい。また、グラフトされる親水性セグメントと疎水性セグメントの割合Xは、0〜1であることが好ましく、0〜0.5であることがさらに好ましく、0〜0.4が特に好ましい。
Figure 2007258111
式(6)中のn16および式(17)中のn18は、本方法においては、それぞれ2〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、2〜20がさらに好ましい。式(6)および式(7)に関するその他の構造については方法Cにおける構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
グラフトポリマーの形成および該グラフトポリマーのカーボン材料への連結法については方法D−1〜D−3の3種類の方法があり、いずれも好ましく用いられる。
方法D−1
方法D−1は、式(2)からなる疎水性セグメント主鎖を形成後、主鎖の芳香環をハロゲノメチル化し、該ハロゲノメチル部位を重合開始点とした原子移動ラジカル重合により、少なくとも、式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトした後、該ポリマーをカーボン材料に連結する方法である。
方法D−2
方法D−2は、式(2)からなる疎水性セグメント主鎖を形成後、カーボン材料と連結し、カーボン材料上に連結されたポリマー主鎖の芳香環をハロゲノメチル化して、原子移動ラジカル重合により、少なくとも、式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトする方法である。
方法D−3
方法D−3は、式(2)からなる疎水性セグメントの形成反応をカーボン材料存在下で行うことで、疎水性セグメント主鎖の形成と該主鎖のカーボン材料への連結を同時に行い、該主鎖の芳香環をハロゲノメチル化して、原子移動ラジカル重合により、少なくとも、式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトする方法である。
方法E
方法Eは、カーボン材料表面の連結基を介し、少なくとも、親水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、疎水性セグメントからなる側鎖がグラフトされた、グラフト重合ポリマーを連結する方法である。ここで、少なくとも、親水性セグメントからなる主鎖としては、式(1)からなることが好ましい。式(1)中のn3は、方法Eにおいては8〜1600が好ましく、12〜1000がより好ましく、16〜800がさらに好ましい。式(1)に関するその他の構造については方法Cにおける式(1)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(1)からなる主鎖にグラフトされる、疎水性セグメントとしては、式(7)からなる疎水性セグメントが好ましい。ここで、疎水性セグメントのみをグラフトしても良いし、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方をグラフトしてもよい。親水性セグメントもグラフトする場合、式(6)からなる親水セグメントが好ましい。親水性セグメントと疎水性セグメントの両方をグラフトする場合には、それぞれ異なるグラフト開始点よりグラフトしても良いし、同一のグラフト開始点よりブロック共重合ポリマーの形で両セグメントをグラフトしても良い。
好ましいグラフト鎖の数としては、式(1)中の繰り返し単位1つにつき、0.1〜1であることが好ましく、0.1〜0.5であることがさらに好ましく、0.25〜0.5であることが特に好ましい。また、グラフトされる疎水性セグメントと親水性セグメントの割合Yは、0〜1であることが好ましく、0〜0.5であることがさらに好ましく、0〜0.4が特に好ましい。
Figure 2007258111
式(6)中のn16および式(7)中のn18は、本方法においては、それぞれ2〜100が好ましく、2〜50がさらに好ましく、2〜20が特に好ましい。式(6)および式(7)に関するその他の構造については方法A−1における構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
グラフトポリマーの形成および該グラフトポリマーのカーボン材料への連結法については方法E−1〜E−3の3種類の方法があり、いずれも好ましく用いられる。
方法E−1
方法E−1は、式(1)からなる親水性セグメント主鎖を形成後、主鎖の芳香環をハロゲノメチル化し、該ハロゲノメチル部位を重合開始点とした原子移動ラジカル重合により、少なくとも、式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトした後、該ポリマーをカーボン材料に連結する方法である。
方法E−2
方法E−2は、式(1)からなる親水性セグメント主鎖を形成後、カーボン材料と連結し、カーボン材料上に連結されたポリマー主鎖の芳香環をハロゲノメチル化して、原子移動ラジカル重合により、少なくとも式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトする方法である。
方法E−3
方法E−3は、式(1)からなる親水性セグメントの形成反応をカーボン材料存在下で行うことで、親水性セグメント主鎖の形成と該主鎖のカーボン材料への連結を同時に行い、該主鎖の芳香環をハロゲノメチル化して、原子移動ラジカル重合により、少なくとも、式(7)からなる疎水性セグメントを主鎖にグラフトする方法である。
方法B
方法Bは、親水性セグメントと疎水性セグメントを、カーボン材料表面上に異なる連結基を介して(それぞれ異なる連結点によって)連結する方法である。すなわち、カーボン表面上のある一つの連結点において、親水性セグメントおよび疎水性セグメントのいずれか一方のみが連結されていることを意味する。例えば、上記2のような構造である。以下、方法Bによりカーボン材料に導入される親水性セグメントおよび疎水性セグメントの構造、および該セグメントのカーボン材料への導入方法について詳細に記す。
親水性セグメントの構造
親水性セグメントとしては、例えば、式(1)からなるセグメント、式(6)からなるセグメント、および式(10)からなるセグメントが挙げられ、これらはいずれも好ましく用いることができる。ここで、式(1)からなるセグメント、式(6)からなるセグメントおよび式(10)からなるセグメントは、それぞれ、1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。これらの化合物について説明する。
式(1)
式(1)中、n1は方法Bにおいては8〜3200が好ましく、16〜1600がさらに好ましく、32〜800が特に好ましい。式(1)に関するその他の構造については方法Cにおける式(1)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(6)
式(6)中、n16は方法Bにおいては8〜3200が好ましく、16〜1600がさらに好ましく、32〜800が特に好ましい。式(6)に関するその他の構造については方法Cにおける式(6)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(10)
Figure 2007258111
(式(10)中、R8およびR9は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、Ar1は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。A6はイオン性官能基を表す。n22、n23およびn24は、それぞれ、0以上の整数であり、n22とn23とn24の和は1以上の整数である。n25は1〜10の整数、n26は1〜3の整数である。)
さらに、式(10)は、耐加溶媒分解性および耐熱性を有するように、上記基が決定される。
式(10)中、R8およびR9は2〜4価の連結基を表し、その構造は脂肪族炭化水素基、または、脂肪族炭化水素基と、
Figure 2007258111
で表される基から官能基なる群から選ばれる1または2以上の組み合わせからなる基であることが好ましい。
8およびR9の好ましい例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、イソブチレン基、−CH2−O−(CH2n−(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)2CH2CH2−、−CH2CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、C((CH2) n−)4(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、CH((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、CH3C((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、EtC((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、−C((CH2n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、−CH((CH2n−)2(nは、1以上の整数であり、好ましくは、それぞれ、1〜6の整数である)、ならびに、これら(前記基を2以上組み合わせた基を含む)と−CO−、−SO−、−CS−、−SO2−、
Figure 2007258111
の1つ以上との組み合わせが挙げられる。水素原子は本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
式(10)中、Ar1は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基であり、好ましくは、前記芳香族炭化水素基または複素環基と、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CS−、−SO2−の1つ以上の組み合わせから構成される基である。
ここで、芳香族炭化水素基は、炭素数6〜25が好ましく、6〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。芳香族炭化水素基の環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
複素環基は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを含むものが好ましく、硫黄原子または窒素原子を含むものが好ましい。また、複素環基が有する炭素数は、2〜12が好ましく、3〜8がより好ましい。複素環基の環上の水素原子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、置換基(例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子など)で置換されていてもよい。
Ar1としては、具体的には、トリフェニレン環、ピレン環、アントラセン環、ナフタレン環、ビフェニレン環またはベンゼン環を有する基、ならびにこれらと、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CS−、−SO2−の1つ以上からなる組み合わせが好ましく、ピリジン環、フラン環、チオフェン環、トリアジン環を有する基を有する基、ならびにこれらと、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CS−、−SO2−の1つ以上からなる組み合わせがより好ましく、ベンゼン環または、ベンゼン環と−O−、−CO−、−S−、−CS−、−SO2−の1つ以上からなる組み合わせからなる基または、トリアジン環を有する基が最も好ましい。
6はイオン性官能基を表し、式(1)におけるA1と同義であり、好ましい範囲も同義である。
22、n23およびn24は、それぞれ、0以上の整数であり、n22とn23とn24の和は1以上の整数である。n22、n23およびn24は、それぞれ、0〜5の整数であることが好ましく、それぞれ、0〜2であることがより好ましく、0または1であることがさらに好ましい。n22とn23とn24の和は1〜10の整数であることが好ましく、1〜5の整数であることがより好ましく、1〜3の整数であることがさらに好ましい。n25は1〜10の整数であり、1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましい。n26は1〜3の整数であり、1または3が好ましい。
22が2以上のとき、それぞれのR8は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n23が2以上のとき、それぞれのAr1は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n24が2以上のとき、それぞれのR9は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n25が2以上のとき、それぞれのR9、n24およびA6は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。n26が2以上のとき、それぞれのAr1、n23、R9、n24、A6、n25は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(10)からなる構造中の総炭素数は、2〜50が好ましく、2〜40がより好ましく、2〜30がさらに好ましい。
式(10)は親水性セグメントであると共に、カーボン材料との連結部位としての機能(すなわち、連結基の役割)も果たしていてもよい。そのため、式(10)とカーボン材料との間には、化合物群Bで示された連結基を介していなくてもよい。
以下に、式(10)からなる構造を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
Figure 2007258111
疎水性セグメントの構造
疎水性セグメントとしては、式(2)からなる疎水性セグメント、式(7)からなる疎水性セグメント、および式(11)からなる疎水性セグメントが挙げられ、これらはいずれも好ましく用いることができる。ここで、式(2)からなる疎水性セグメント、式(7)からなる疎水性セグメントおよび式(11)からなる疎水性セグメントは、それぞれ、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を用いても良い。これらの化合物について説明する。
式(2)
式(2)中のn4は方法Bにおいては8〜3200が好ましく、16〜1600がさらに好ましく、32〜800が特に好ましい。式(2)に関するその他の構造については方法Cにおける式(2)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(7)
式(7)中のn18は方法Bにおいては8〜3200が好ましく、16〜1600がさらに好ましく、32〜800が特に好ましい。式(7)に関するその他の構造については方法Cにおける式(7)の構造と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(11)
Figure 2007258111
(式(11)中、R10は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、R11は芳香環を含まない1価の基を表し、Ar2は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。n27は1以上の整数であり、n28およびn29は、それぞれ、0以上の整数である。n30は1〜3の整数である。)
さらに、式(11)は、耐加溶媒分解性および耐熱性を有するように、上記基が決定される。
式(11)中、R10は式(10)のR8およびR9に同義であり、好ましい範囲も同義である。Ar2は式(10)のAr1に同義であり、好ましい範囲も同義である。R11は芳香環を含まない1価の基を表し、その構造は脂肪族炭化水素基、または、脂肪族炭化水素基と、
Figure 2007258111
で表される基からなる群から選ばれる1または2以上の組み合わせからなる基であることが好ましい。ここで、脂肪族炭化水素基は、水素原子がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子などで、フッ素原子が好ましい)で置換されていても良い。
11の好ましい例としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、−CH2−O−(CH2n−(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、−CH2CH2OCH2CH2−、−(CH2CH2O)2CH2CH2−、−CH2CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、C((CH2) n−)4(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、CH((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、CH3C((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、EtC((CH2) n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、−C((CH2n−)3(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、−CH((CH2n−)2(nは、1以上の整数であり、好ましくは、1〜6の整数である)、ならびに、これら(前記基を2以上組み合わせた基を含む)と−CO−、−SO−、−CS−、−SO2−、
Figure 2007258111
の1つ以上との組み合わせが挙げられる。これらは水素原子がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子などで、フッ素原子が好ましい)で置換されていても良い。
より具体的には、R11はメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基および酸素透過性の高い置換基であることが好ましい。ここで、酸素透過性の高い置換基とは、置換基のパーマコール値が負でかつ、炭素数3以上の置換基のことを表す。
27およびn28はそれぞれ、0以上の整数であり、n29は1以上の整数である。n27およびn28は、それぞれ、0〜5の整数であることが好ましく、それぞれ、0〜3であることがより好ましく、0〜2であることがさらに好ましい。n29は1〜5であることが好ましく、1〜3であることが好ましく、1〜2であることがさらに好ましい。n27とn28とn29の和は1〜10の整数であることが好ましく、1〜8の整数であることがより好ましく、1〜5の整数であることがさらに好ましい。n30は1〜3の整数であり、1または3が好ましい。
27が2以上のとき、それぞれのR10は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n28が2以上のとき、それぞれのAr2は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n29が2以上のとき、それぞれのR11は同一であってもよいし、異なっていてもよい。n30が2以上のとき、それぞれのAr2、n28、R11およびn29は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(11)からなる構造中の総炭素数は、2〜50が好ましく、2〜40がより好ましく、2〜30がさらに好ましい。
以下に、式(11)からなる構造を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007258111
親水性セグメントおよび疎水性セグメントのカーボン材料への導入方法
親水性セグメントおよび疎水性セグメントをカーボン材料に導入する際、導入反応に関与するカーボン材料の官能基によって、以下の3つの導入法に分類することができる。
(導入法1)
カーボン材料表面のフェノール性水酸基を介して各セグメントを導入する方法。
(導入法2)
カーボン材料表面の芳香環上の水素原子を、求電子置換反応により置換することで各セグメントを導入する方法。
(導入法3)
カーボン材料のラジカル補足性を利用し、各セグメントに発生させた炭素ラジカルを補足することで炭素−炭素結合または炭素−酸素結合により各セグメントを連結、導入する方法。
前記3種の導入法は、親水性セグメントおよび疎水性セグメントのいずれにも好ましく用いることができる。また、各セグメントをカーボン材料に導入する際に、前記3種の導入法を複数用いても構わない。さらに、親水性セグメントおよび疎水性セグメントとで、同一の導入法により両セグメントを導入(以下この導入法を導入法4と記載する)しても良いし、それぞれ別の導入法により導入(以下この導入法を導入法5と記載する)してもいずれでも良い。以下、導入法4および5について詳しく説明する。
導入法4
導入法4は親水性セグメントと疎水性セグメントを、同一の導入法によりカーボン材料に導入する方法である。この場合、親水性セグメントの導入時と疎水性セグメントの導入時とで、同一種類のカーボン材料表面官能基を用いることになり、それぞれのセグメントの導入反応は、同一タイプの反応となる。よって、導入法4を用いると、一度の反応により、親水性セグメントと疎水性セグメントの両方をカーボン材料に導入することができる。
導入法5
導入法5は親水性セグメントと疎水性セグメントを、それぞれ別の導入法により導入する方法である。この場合、両セグメントをカーボン材料に導入する為には、少なくとも2回の反応が必要となるが、導入法4に比べ、両セグメントのカーボン材料への導入量が増えるため、好ましい。
触媒粒子の担持方法
本発明の燃料電池用触媒材料は、白金粒子等の触媒金属(電極触媒)の担体として好ましく用いられる。触媒金属を担持する方法としては、熱還元法、スパッタ法、パルスレーザーデポジション法、真空蒸着法などが挙げられる(例えば、WO2002/054514号公報など)。
本発明において、燃料電池用触媒材料の作製方法としては、カーボン材料にイオン官能基を導入後、触媒金属を担持する方法と、カーボン材料に触媒金属を担持した後にイオン官能基を導入する方法があるが、いずれの方法も好ましく用いられる。また、市販の触媒担持カーボン材料(例えば、白金担持ケッチェンブラック、田中貴金属工業(株)製、または、白金担持XC−72、E−TEK社製など)にイオン官能基を導入することによっても得られる。
燃料電池用触媒材料に触媒金属を担持後にイオン官能基を導入する場合、または市販の触媒担持カーボン材料にイオン官能基を導入する場合には、反応を無酸素条件下で行う方法、反応を難燃性溶媒中で行う方法、または反応系中に難燃剤を添加する方法が安全上好ましい。反応を無酸素条件下で行う方法としては、反応を不活性ガス雰囲気下で行う方法が挙げられ、不活性ガスとしてはヘリウム、アルゴン、ネオン、窒素などが挙げられ、アルゴン、窒素が特に好ましい。
不燃性溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、水などが挙げられる。これらは、反応試薬の溶解性・反応の温度・溶媒の沸点などを考慮して適宜選択して用いられる。また、これらの溶媒は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
難燃剤としては、ヘキサメチルホスホルアミド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェート、ヒドロキノールビス(ジフェニル)ホスフェート、フェニルジキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系の難燃剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。これらの難燃剤を添加する割合は反応溶媒に対して5%以上であることが好ましく10%以上であることがさらに好ましく、15%以上であることが特に好ましい。また、上記難燃剤の中で液体のものについては反応溶媒として使用してもよい。
また、本発明の燃料電池用触媒材料は、表面に親水性セグメントと疎水性セグメントの両方を導入した触媒材料(以後このような触媒材料を触媒材料Xと記載する)のみで構成されていても良いし、上記触媒材料Xと、表面に親水性セグメントと疎水性セグメントのいずれも有していない触媒材料(以後このような触媒材料を触媒材料Yと記載する)の混合物を用いてもよい。触媒材料Xと触媒材料Yの混合物を利用する際には、触媒材料Yの犠牲的腐食によって触媒材料Xの腐食を抑制し、耐久性に優れることが知られている(特開2005−190724号公報)。触媒材料Xと触媒材料Yの混合物を利用する場合、触媒材料Xの含有量は、50〜95重量%が好ましく、70〜95重量%がさらに好ましく、80〜95重量%が特に好ましい。
本発明の燃料電池用触媒材料は、燃料電池用電極、電極膜接合体(Membrane and Electrode Assembly)(以下「MEA」という)および、該電極膜接合体を用いた燃料電池に用いることができる。
図1は本発明の電極膜接合体の断面概略図の一例を示したものである。MEA10は、固体電解質膜11と、それを挟んで対向するアノード電極12及カソード電極13を備える。ここでいう固体電解質膜はナフィオン(登録商標)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、側鎖にリン酸基を有するポリ(メタ)アクリレート、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリベンズイミダゾール等の耐熱芳香族高分子、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリオキセタン、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンの膜が挙げられ、具体的には、特開2002−110174号公報、特開2002−105200号公報、特開2004−10677号公報、特開2003−132908号公報、特開2004−179154号公報、特開2004−175997号公報、特開2004−247182号公報、特開2003−147074号公報、特開2004−234931号公報、特開2002−289222号公報、特開2003−208816号公報に記載の膜が挙げられる。
アノード電極12とカソード電極13は、多孔質導電シート(例えば、カーボンペーパー)12a、13aと触媒層12b、13bからなる。触媒層12b、13bは、本発明の触媒膜を用いることができる。ここで、本発明の触媒膜は、例えば、白金粒子等の触媒金属を担持した本発明の燃料電池用触媒材料を、固体電解質に分散させた分散物からなる。
電極の作製方法について説明する。ナフィオンに代表される固体電解質を溶媒に溶解し、触媒金属を担持した本発明の燃料電池用触媒材料と混合した分散液を分散する。分散液の溶媒はヘテロ環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセタミド等)、水等が好ましく用いられ、この中でもヘテロ環化合物、アルコール類、多価アルコール類、アミド類が好ましく用いられる。
分散方法は、攪拌による方法でも良いが、超音波分散、ボールミル等を用いることもできる。得られた分散液はカーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等の塗布法を用いて塗布することができる。
分散液の塗布について説明する。塗布工程においては、上記分散液を用いて、押出成型によって製膜してもよいし、これらの分散液をキャストまたは塗布して製膜してもよい。この場合の支持体は特に限定されないが、好ましい例としては、ガラス基板、金属基板、高分子フィルム、反射板等を挙げることができる。高分子フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系高分子フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のエステル系高分子フィルム、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系高分子フィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。塗布方式は公知の方法でよく、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法等を用いることができる。特に、支持体として導電性多孔質体(カーボンペーパー、カーボンクロス)を用いると直接触媒電極が作製できる。
これらの操作はカレンダーロール、キャストロール等のロールまたはTダイを用いたフィルム成形機で行なうこともでき、プレス機器を用いたプレス成形とすることもできる。さらに延伸工程を追加し、膜厚制御、膜特性改良を行ってもよい。
塗布工程の乾燥温度は乾燥速度に関連し、材料の性質に応じて選択することができる。好ましくは−20℃〜150℃であり、より好ましくは20℃〜120℃であり、さらに好ましくは50℃〜100℃である。乾燥時間は短時間であるほうが生産性の観点から好ましいが、あまり短時間であると気泡、表面の凹凸等の欠陥の原因となる。このため、乾燥時間は1分〜48時間が好ましく、5分〜10時間がより好ましく、10分〜5時間がさらに好ましい。また湿度の制御も重要であり、25〜100%RHが好ましく、50〜95%RHがさらに好ましい。
塗布工程における塗布液(分散液)中には金属イオンの含量が少ない物が好ましく、特に遷移金属イオン、中でも鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオンは少ない物が好ましい。遷移金属イオンの含量は500ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましい。従って、前述の工程で使用する溶媒も、これらのイオンの含量の低い物が好ましい。
さらに塗布工程を経た後に表面処理を行なってもよい。表面処理としては、粗面処理、表面切削処理、除去処理、コーティング処理を行なってもよく、これらは固体電解質膜あるいは多孔質導電体との密着を改良できることがある。
本発明の電極膜接合体が有する触媒層の厚さは5〜200μmが好ましく、10〜100μmが特に好ましい。
触媒層12b、13bを固体電解質膜11に密着させるために、多孔質導電シート12a、13aに触媒層12b、13bを塗布(塗設)したものを、固体電解質膜11にホットプレス法(好ましくは120〜130℃、2〜100 kg/cm2)で圧着するか、適当な支持体に触媒層12b、13bを塗設したものを、固体電解質11に転写しながら圧着した後、多孔質導電シート12a、13aで挟み込む方法を一般が好ましく用いられる。
図2は燃料電池構造の一例を示す。燃料電池はMEA10と、MEA10を挟持する一対のセパレータ21、22と、セパレータ21、22に取り付けられたステンレスネットからなる集電体17およびパッキン14とを有する。アノード極側のセパレータ21にはアノード極側開口部15が設けられ、カソード極側のセパレータ22にはカソード極側開口16設けられている。アノード極側開口部15からは、水素、アルコール類(メタノール等)等のガス燃料またはアルコール水溶液等の液体燃料が供給され、カソード極側開口部16からは、酸素ガス、空気等の酸化剤ガスが供給される。
アノード電極およびカソード電極には、本発明の燃料電池用触媒材料が用いられる。通常用いられる活性金属の粒子サイズは、好ましくは、2〜10nmの範囲であり、粒子サイズを小さくすることにより、単位質量当りの表面積を大きくでき、活性がより高まり有利であり、また、ある程度大きくすることにより、凝集して分散しにくくなるのをより効果的に抑止できる。
水素−酸素系燃料電池における活性分極はアノード極(水素極)に比べ、カソード極(空気極)が大きい。これは、アノード極に比べ、カソード極の反応(酸素の還元)が遅いためである。酸素極の活性向上を目的として、Pt−Cr、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Cu、Pt−Feなどのさまざまな白金基二元金属を好ましく用いることができる。アノード燃料にメタノール水溶液を用いる直接メタノール燃料電池においては、メタノールの酸化過程で生じるCOによる触媒被毒を抑制することが重要である。この目的のために、Pt−Ru、Pt−Fe、Pt−Ni、Pt−Co、Pt−Moなどの白金基二元金属、Pt−Ru−Mo、Pt−Ru−W、Pt−Ru−Co、Pt−Ru−Fe、Pt−Ru−Ni、Pt−Ru−Cu、Pt−Ru−Sn、Pt−Ru−Auなどの白金基三元金属を好ましく用いることができる。
活性金属を担持させるカーボン材料としては、本発明の燃料電池用触媒材料が好ましく用いられる。
触媒層の機能は、(1)燃料を活性金属に輸送すること、(2)燃料の酸化(アノード極)、還元(カソード極)反応の場を提供すること、(3)酸化還元により生じた電子を集電体に伝達すること、(4)反応により生じたプロトンを固体電解質に輸送すること、である。(1)のために触媒層は、液体および気体燃料が奥まで透過できる多孔質性であることが必要である。(2)は上記で述べた活性金属触媒が、(3)は同じく本発明の燃料電池用触媒材料が担う。(4)の機能は本発明の燃料電池用触媒材料が担うが、充分な機能を果たすためには、触媒層に固体電解質を混在させることが好ましい。
触媒層の固体電解質としては、プロトン供与基を持った固体であれば制限はないが、固体電解質に用いられる酸残基を有する高分子化合物(例えば、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸、側鎖リン酸基ポリ(メタ)アクリレート、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリベンズイミダゾールなどの耐熱性芳香族高分子のスルホン化物など)が好ましく用いられる。固体電解質膜11と同種の材料を用いると、固体電解質膜と触媒層との電気化学的密着性が高まりより有利である。
活性金属の使用量は、0.03〜10mg/cm2の範囲が電池出力と経済性の観点から適している。活性金属を担持する燃料電池用触媒材料の量は、活性金属の質量に対して、1〜10倍が適している。固体電解質の量は、本発明の燃料電池用触媒材料の質量に対して、0.1〜0.7倍が好ましく、0.3〜3倍がより好ましい。
電極基材、透過層、あるいは裏打ち材とも呼ばれ、集電機能および水がたまりガスの透過が悪化するのを防ぐ役割を担う。通常は、カーボンペーパーやカーボン布を使用し、撥水化のためにPTFE処理を施したものを使用することもできる。
MEAの作製には、次の4つの方法が好ましい。
(1)触媒層塗布法:本発明の燃料電池用触媒材料、固体電解質および溶媒を含む触媒層塗布液(インク)を固体電解質膜の両側に直接塗布し、多孔質導電シートを(熱)圧着して5層構成のMEAを作製する。
(2)多孔質導電シート塗布法:触媒層塗布液を多孔質導電シート表面に塗布し、触媒層を形成させた後、固体電解質膜と圧着し、5層構成のMEAを作製する。
(3)Decal法:触媒層塗布液をPTFE上に塗布し、触媒層を形成させた後、固体電解質膜に触媒層のみを転写させ3層のMEAを形成させ、多孔質導電シートを圧着し、5層構成のMEAを作製する。
(4)触媒後担持法:白金未担持の本発明の燃料電池用触媒材料を固体電解質とともに混合した触媒層塗布液を固体電解質膜、多孔質導電シートまたはPTFE上に塗布・製膜した後、白金イオンを当該固体電解質膜に含浸させ、白金粒子を膜中で還元析出させて触媒層を形成させる。触媒層を形成させた後は、上記(1)〜(3)の方法にてMEAを作製する。
本発明の燃料電池用触媒材料を用いる燃料電池の燃料として用いることのできるのは、アノード燃料としては、水素、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタンなど)、ギ酸、水素化ホウ素錯体、アスコルビン酸などが挙げられ、水素、メタノールが特に好ましい。カソード燃料としては、酸素(大気中の酸素も含む)、過酸化水素などが挙げられる。
上記アノード燃料およびカソード燃料を、それぞれの触媒層に供給する方法には、(1)ポンプ等の補機を用いて強制循環させる方法(アクティブ型)と、(2)補機を用いない方法(例えば、液体の場合には毛管現象や自然落下により、気体の場合には大気に触媒層を晒し供給するパッシブ型)の2通りがあり、これらを組み合わせることも可能である。高出力が得られるアクティブ型が好ましい。
燃料電池の単セル電圧は一般的に1V以下であるので、負荷の必要電圧に合わせて、単セルを直列スタッキングして用いる。スタッキングの方法としては、単セルを平面上に並べる「平面スタッキング」および、単セルを、両側に燃料流路の形成されたセパレータを介して積み重ねる「バイポーラースタッキング」が用いられる。後者は、熱効率が高く、電池がコンパクトになるため燃料電池に適している。この他にも、MEMS技術を応用し、シリコンウェハー上に微細加工を施し、スタッキングする方法も提案されている。
燃料電池は、運輸用、家庭用、携帯機器用など様々な利用が考えられているが、例えば、好ましく適用できる運輸用途としては、自動車(乗用車、貨物車、二輪車、個人用ビーグル)、船舶、家庭用としてはコジェネシステム、掃除機、ロボット、携帯機器としては携帯電話、ノートパソコン、電子スチルカメラ、PDA、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、などが挙げられる。さらに、ポータブル発電機、野外照明機器などにも用いることができる。また、産業用や家庭用などのロボットあるいはその他の玩具の電源としても好ましく用いることができる。さらには、これらの機器に搭載された2次電池、キャパシタの充電用電源としても有用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1 燃料電池用触媒材料の作製(1)
[燃料電池用触媒材料 M−1の作製] (1−1タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、以下のスキーム(1)に従って反応を行った。(下記スキーム1中、CBはカーボンブラックの一部を示す。以下、CBについて同じ。)
スキーム(1)
Figure 2007258111
スキーム(1)に従って行った。すなわち、20gの上記カーボンブラック(a)、180mLのN,N−ジメチルホルムアミド、60gのジブロモペンタン、24gの炭酸カリウムを加え、窒素気流下で攪拌しながら110℃で24時間反応した。反応後、生成物を水、次いでジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥して、ブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−1Aを19.8g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−1Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメント前駆体のカーボン表面への導入)
スキーム(2)に従って行った。すなわち、2.5gのカーボン材料c−1A、9.9gの炭酸カリウム、64mLのN−メチル−2−ピロリドン、16mLのトルエンに、4.4gのビスフェノールAと5.5gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホンとを加え、窒素気流下200℃の油浴中で4時間攪拌した。反応後、生成物を水、次いでN−メチル−2−ピロリドンで洗浄し、減圧乾燥して、親水性セグメント前駆体を導入したカーボン材料c−1Bを2.4g得た。
スキーム(2)
Figure 2007258111
スキーム中、nは親水性セグメント前駆体の繰り返し単位数であり、元素分析の結果からnは5〜6であることがわかった。
(疎水性セグメントのカーボン表面への導入)
スキーム(3)に従って行った。すなわち、2.0gのカーボン材料c−1B、9.9gの炭酸カリウム、64mLのN−メチル−2−ピロリドン、16mLのトルエンに、5.5gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2,6−ジメチルフェノール)と5.5gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホンとを加え、窒素気流下200℃の油浴中で3時間攪拌した。反応後、生成物を水、次いでN−メチル−2−ピロリドンで洗浄し、減圧乾燥して、疎水性セグメントを導入したカーボン材料c−1Cを1.8g得た。
スキーム(3)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、元素分析の結果からmは4〜5であることがわかった。
(親水性セグメント前駆体へのスルホ基の導入)
スキーム(4)に従って行った。すなわち、1.5gのカーボン材料c−1Cに、142mgの塩化スズ、8.74gのクロロメチルメチルエーテル、50mLの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加え、窒素気流下110℃で8時間攪拌した。反応後、生成物をクロロホルム、アセトニトリル、水で洗浄し、減圧乾燥した。
得られた粉体に、3.6gの3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウム塩、2.3gのカリウム−tert−ブトキシド、50mLのN,N−ジメチルアセトアミドを加え、窒素気流下、40℃で8時間攪拌した。反応後、生成物を水で洗浄し、次いで1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。なお、元素分析により、親水性セグメントの1つの繰り返し単位当たり、1.7個のスルホ基が導入されたことがわかった。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料1.0gを、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−1を1.9g得た。
スキーム(4)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−2の作製] (1−1タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−2Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−2Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメント前駆体の合成)
スキーム(5)に従って行った。すなわち、20.0gのビスフェノールA、25.16gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、13.9gの炭酸カリウム、150mLのN−メチル−2−ピロリドン、75mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、減圧してトルエンを除去し、反応液を水中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿を水で洗浄後、減圧乾燥し、親水性セグメント前駆体p−2Aを30.2g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−2Aの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
スキーム(5)
Figure 2007258111
スキーム中、nは親水性セグメント前駆体の繰り返し単位数である。
(疎水性セグメントの合成)
スキーム(6)に従って行った。すなわち、24.9gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2,6−ジメチルフェノール)、25.2gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、13.9gの炭酸カリウム、150mLのN−メチル−2−ピロリドン、75mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、減圧してトルエンを除去し、反応液を水中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿を水で洗浄後、減圧乾燥し、疎水性セグメントp−2Bを33.3g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−2Bの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
スキーム(6)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数である。
(ブロック共重合体の合成)
スキーム(7)に従って行った。すなわち、8.9gのp−2A、10.0gのp−2B、13.9gの炭酸カリウム、150mLのN−メチル−2−ピロリドン、75mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、減圧してトルエンを除去し、反応液を水中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿を水で洗浄後、減圧乾燥し、ブロック共重合体p−2Cを15.1g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−2Cの重量平均分子量は約1万であることがわかった。
スキーム(7)
Figure 2007258111
(カーボン表面へのブロック共重合体の導入)
スキーム(8)に従って行った。すなわち、2.0gのc−2A、30mLのN,N−ジメチルホルムアミド、2.5gのp−2C、1.4gの炭酸カリウムを加え、窒素気流下で攪拌しながら130℃で8時間反応した。反応後、生成物を水、次いでN,N−ジメチルホルムアミドで洗浄し、減圧乾燥して、ブロック共重合体を導入したカーボン材料c−2Bを1.8g得た。
スキーム(8)
Figure 2007258111
(親水性セグメント前駆体へのスルホ基の導入)
カーボン材料c−1Cをカーボン材料c−2Bに置き換えた他は、スキーム(4)と同様に行い、燃料電池用触媒材料M−2を得た。なお、元素分析により、親水性セグメントの1つの繰り返し単位当たり、1.5個のスルホ基が導入されたことがわかった。
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−3の作製](1−1タイプ)
(カーボン材料の改質)
触媒担持カーボン材料として、白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−3Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−3Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメントの合成)
スキーム(9)に従って行った。すなわち、10.0gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2−(3−スルホプロピルチオメチル))フェノール二ナトリウム塩(I−73)、4.72gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、2.6gの炭酸カリウム、40mLのN−メチル−2−ピロリドン、20mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、反応液をアセトニトリル中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿をアセトニトリルで洗浄後、減圧乾燥し、親水性セグメントp−3Aを7.7g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−3Aの重量平均分子量は約4千であることがわかった。
Figure 2007258111
スキーム中、nは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
(疎水性セグメントの合成)
スキーム(10)に従って行った。すなわち、15.0gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2−(3−トリエチルシリルプロピル))フェノール(H−25)、8.0gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4.4gの炭酸カリウム、50mLのN−メチル−2−ピロリドン、25mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、減圧してトルエンを除去し、反応液を水中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿を水で洗浄後、減圧乾燥し、疎水性セグメントp−3Bを16.1g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−3Bの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
スキーム(10)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数である。
(ブロック共重合体の合成)
スキーム(11)に従って行った。すなわち、8.24gのp−3A、7.56gのp−3B、1.6gの炭酸カリウム、40mLのN−メチル−2−ピロリドン、20mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で2時間攪拌した。反応後、反応液をアセトニトリル中に注いで上澄み液を除去し、得られた沈殿をアセトニトリルで洗浄後、減圧乾燥し、ブロック共重合体p−3Cを12.1g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−3Cの重量平均分子量は約1万3千であることがわかった。
スキーム(11)
Figure 2007258111
(カーボン表面へのブロック共重合体の導入)
スキーム(12)に従って行った。すなわち、2.4gのc−3A、50mLのN,N−ジメチルホルムアミド、2.4gのp−3C、3.4gの炭酸カリウムを加え、窒素気流下で攪拌しながら130℃で8時間反応した。反応後、生成物を水、次いでN,N−ジメチルホルムアミドで洗浄し、減圧乾燥した。次に、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥して、燃料電池用触媒材料M−3を2.0g得た。
スキーム(12)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−4の作製](1−1タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−4Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−1Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメントの合成)
スキーム(9)と同様にして、親水性セグメントp−4Aを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−4Aの重量平均分子量は約4千であることがわかった。
(疎水性セグメントの合成)
スキーム(10)と同様にして、疎水性セグメントp−4Bを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−4Bの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
(カーボン表面へのブロック共重合体の導入)
スキーム(13)に従って行った。すなわち、2.5gのカーボン材料c−4A、9.9gの炭酸カリウム、64mLのN−メチル−2−ピロリドン、16mLのトルエンに、3.96gのp−4Aと3.62gのp−4Bとを加え、窒素気流下200℃の油浴中で3時間攪拌した。反応後、生成物を水、次いでN−メチル−2−ピロリドンで洗浄し、減圧乾燥した。次に、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥し、イオン官能基が導入されたカーボン材料を2.2g得た。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−4を得た。なお、元素分析の結果より、触媒材料M−4に対し、疎水性セグメントが重量分率で2重量%、親水性セグメントが3重量%導入されていることがわかった。
スキーム(13)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、nは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−5の作製](1−1タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−5Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−5Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメント前駆体の合成)
スキーム(5)と同様にして、親水性セグメント前駆体p−5Aを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−5Aの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
(疎水性セグメントの合成)
スキーム(10)と同様にして、疎水性セグメントp−5Bを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−5Bの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
(カーボン表面へのブロック共重合体の導入)
カーボン材料c−4Aをカーボン材料c−5A、p−4Aをp−5A、p−4Bをp−5Bに置き換えた他はスキーム(13)と同様にして、ブロック共重合体を導入したカーボン材料c−5Bを得た。
(親水性セグメント前駆体へのスルホ基の導入)
カーボン材料c−1Cをカーボン材料c−5Bに置き換えた他は、スキーム(4)と同様にして、燃料電池用触媒材料M−5を得た。なお、元素分析の結果より、触媒材料M−5に対し、疎水性セグメントが重量分率で2重量%、親水性セグメントが3重量%導入されていることがわかった。
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、nは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−6の作製](1−2タイプ)
(カーボン材料の改質)
触媒担持カーボン材料として、白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用い、以下のスキーム(14)に従って行った。すなわち、12.0gの上記カーボンブラック、6.9gの炭酸カリウム、13.2gの1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、90mLのN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素気流下で攪拌しながら110℃で8時間反応した。反応後、生成物を水、次いでクロロホルムで洗浄し、減圧乾燥して、臭化ベンジル部位を有するカーボン材料c−6Aを11.3g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−6Aにつき、0.4mmolの臭化ベンジル部位が導入された。
スキーム(14)
Figure 2007258111
(カーボン材料への親水性セグメントの導入)
スキーム(15)に従って行った。すなわち、2.4gの上記カーボンc−6A、600mgの塩化銅(I)、1.89gの2,2’−ビピリジン、50mLのN−メチル−2−ピロリドン
および、7.2gの3−スルホプロピルオキシスチレンリチウム塩(K−6)を加え、窒素気流下で160℃の油浴中で4時間攪拌した。反応後、生成物をN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水で洗浄し、親水性セグメントの導入されたカーボン材料c−6Bを2.4g得た。
Figure 2007258111
スキーム中、nは親水性セグメントの繰り返し単位数であり、元素分析の結果からnは5〜6であることがわかった。
(カーボン材料への疎水性セグメントの導入)
スキーム(16)に従って行った。すなわち、2.0gの上記カーボンc−6B、600mgの塩化銅(I)、1.89gの2,2’−ビピリジン、50mLのN−メチル−2−ピロリドンおよび、6.75gの3−トリメチルシリルプロピルオキシスチレン(L−17)を加え、窒素気流下で160℃の油浴中で3時間攪拌した。その後、ハイドロキノンを加えてさらに2時間攪拌した。反応後、生成物をN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水で洗浄し、疎水性セグメントの導入されたカーボン材料c−6Cを得た。次に、c−6Cを1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥して、燃料電池用触媒材料M−6を1.9g得た。
スキーム(16)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、元素分析の結果からmは1〜2であることがわかった。
[燃料電池用触媒材料 M−7の作製](1−1タイプ)
(ブロック共重合体の合成)
スキーム(17)に従って行った。すなわち、2.0gの3−スルホプロピルオキシスチレンリチウム塩(K−6)、20mLのN−メチル−2−ピロリドン、240mgの過酸化ベンゾイル、320mgの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルを加え、窒素気流下で160℃の油浴中で攪拌した。NMRにより、反応系中の(K−6)がすべて反応したことを確認した後、1.4gの3−トリメチルシリルプロピルオキシスチレン(L−17)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(10mL)を脱気条件下にて加え、さらに攪拌した。NMRにて(L−17)の消失を確認した後、2.0gの(K−6)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(10mL)を脱気条件下にて加え、さらに攪拌した。以下、同様の方法で(L−17)と(K−6)を交互に加えて反応を行い、4回目の(K−6)の反応が終了した時点で温度を室温に戻し、反応を終了した。反応液を酢酸エチル中に注ぎ、上澄み液を除去し、得られた沈殿をアセトニトリルで洗浄後、減圧乾燥し、ブロック共重合体p−7Aを9.6g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−7Aの重量平均分子量は約7千であることがわかった。
スキーム(17)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、nおよびoは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
(ブロック共重合体のカーボン表面への導入)
触媒担持カーボン材料として、白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用い、以下のスキーム(18)に従って行った。(下記スキーム(18)中、(b)はカーボンブラックのキノン部位、(c)はカーボンブラックの水素原子含有部位について特記しているだけであり、それぞれ同一のカーボンブラック(TEC10E50E)を表している。)
スキーム(18)
Figure 2007258111
すなわち、2.4gのTEC10E50E、3.0gのp−7A、30mLのN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素気流下、160℃の油浴で3時間反応した。反応後、生成物をN−メチル−2−ピロリドン、次いでアセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥した。次に、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥して、燃料電池用触媒材料M−7を得た。
[燃料電池用触媒材料 M−8の作製](1−2タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−8Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−8Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(疎水性セグメント主鎖のカーボン表面への導入)
スキーム(19)に従って行った。すなわち、2.5gのカーボン材料c−8A、10.0gの炭酸カリウム、80mLのN−メチル−2−ピロリドン、20mLのトルエンに、2.2gのビスフェノールA、5.2gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2−(3−トリエチルシリルプロピル))フェノール(H−25)、5.5gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホンとを加え、窒素気流下200℃の油浴中で5時間攪拌した。反応後、反応液を濾別し、沈殿をN−メチル−2−ピロリドン、次いで水で洗浄後、減圧乾燥して疎水性セグメント主鎖を導入したカーボン材料c−8Bを2.4g得た。元素分析の結果より、導入された疎水性セグメント主鎖は、カーボン材料c−8Bに対し、重量分率で4%であった。
スキーム(19)
Figure 2007258111
スキーム中、nは疎水性セグメントの繰り返し単位数である。
(親水性セグメント側鎖の導入)
スキーム(20)に従って反応を行った。すなわち、1.5gのc−8B、150mgの塩化スズ、8.75gのクロロメチルメチルエーテル、50mLの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加え、窒素気流下110℃で8時間攪拌した。反応後、生成物をクロロホルム、アセトニトリル、水で洗浄し、減圧乾燥した。
得られた粉体に、400mgの塩化銅(I)、1.26gの2,2’−ビピリジン、40mLのN−メチル−2−ピロリドンおよび、4.5gの3−スルホプロピルオキシスチレンリチウム塩(K−6)と120mgのメタクリル酸メチル(K−25)を加え、窒素気流下160℃の油浴中で8時間攪拌した。その後、1.0gのハイドロキノンを加え、さらに2時間攪拌した。反応後、室温に戻して2Mの水酸化ナトリウム水溶液を20mL加え、2時間攪拌した。その後、生成物を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水で洗浄し、次いで1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、疎水性セグメント主鎖に親水性セグメントが導入された燃料電池用触媒材料M−8を2.4g得た。なお、元素分析の結果より、導入されたグラフト鎖は、触媒材料M−8に対し、重量分率で4%であった。
スキーム(20)
Figure 2007258111
スキーム中、mおよびoは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−9の作製](1−2タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−9Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−9Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(疎水性セグメント主鎖のカーボン表面への導入)
カーボン材料c−1Aをc−9Aに置き換えた他はスキーム(2)と同様にしてカーボン表面に疎水性セグメント主鎖を導入したc−9Bを得た。c−9Bに導入された疎水性セグメント主鎖の導入量はc−1Bと同様であった。
(疎水性セグメント側鎖および親水性セグメント側鎖のブロック形式による導入)
スキーム(21)に従って行った。すなわち、1.5gのc−9B、150mgの塩化スズ、8.75gのクロロメチルメチルエーテル、50mLの1,1,2,2−テトラクロロエタンを加え、窒素気流下110℃で8時間攪拌した。反応後、生成物をクロロホルム、アセトニトリル、水で洗浄し、減圧乾燥した。
得られた粉体に、400mgの塩化銅(I)、1.26gの2,2’−ビピリジン、40mLのN−メチル−2−ピロリドンおよび、2.1gの3−トリメチルシリルプロピルオキシスチレン(L−17)を加え、窒素気流下160℃の油浴中で3時間攪拌した。その後温度を室温に戻し、生成物を濾別しN−メチル−2−ピロリドンで洗浄後、減圧乾燥した。
得られた粉体に、400mgの塩化銅(I)、1.26gの2,2’−ビピリジン、40mLのN−メチル−2−ピロリドンおよび、4.5gの3−スルホプロピルオキシスチレンリチウム塩(K−6)を加え、窒素気流下160℃の油浴中で4時間攪拌した。その後、1.0gのハイドロキノンを加え、さらに2時間攪拌した。室温に戻した後、生成物を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、水で洗浄し、次いで1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、疎水性セグメント主鎖に、疎水性セグメント側鎖と親水性セグメント側鎖がブロック形式で導入された燃料電池用触媒材料M−9を2.4g得た。なお、元素分析により、触媒材料M−9に対し、疎水性セグメント主鎖、疎水性セグメント側鎖、セグメント側鎖の重量分率は、それぞれ2重量%、1重量%、1重量%であることがわかった。
スキーム(21)
Figure 2007258111
スキーム中、m、n、oはそれぞれ疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、p、qはそれぞれ親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−10の作製](2タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(d)を用い、以下のスキーム(22)に従って反応を行った。(下記スキーム(22)中、(d)は、同一カーボンブラック粒子中の空間的に離れた2つの異なる官能基を表現しており、前記(a)〜(c)と同様のカーボンブラックを表している。)
スキーム(22)
Figure 2007258111
すなわち、5.0gの上記カーボンブラック(d)、50mLのN−メチル−2−ピロリドン、15.0gの四塩化ペンタエリスリチル、6.0gの炭酸カリウムを加え、窒素気流下で攪拌しながら110℃で9時間反応した。反応後、生成物を水、塩化メチレン、次いでアセトンで洗浄し、減圧乾燥して、トリクロロアルキル基を導入したc−10Aを4.8g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−10Aにつき、0.4mmolのトリクロロアルキル基が導入された。
次に、4.5gのc−10A、7.5gの亜硫酸ナトリウム、50mLの水を加え、窒素気流下で攪拌しながら12時間還流した。反応後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥して、スルホ基を導入したc−10Bを4.4g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−10Bにつき、0.9mmolのスルホ基が導入された。
次に、4.0gのc−10B、7.0gの4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド、9.0gの塩化アルミニウム、50mLの1、1、2、2−テトラクロロエタンを加え、窒素気流下で攪拌しながら110℃で15時間反応した。反応後、生成物を濾別し、ジクロロメタンおよび水で洗浄し、次いで1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した。その後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。なお、元素分析の結果より、1gのカーボン材料につき、0.6mmolの4−トリフルオロメチルベンゾイル基が導入されたことがわかった。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、親水性セグメントおよび疎水性セグメントの導入された燃料電池用触媒材料M−10を7.3g得た。
[燃料電池用触媒材料 M−11の作製](2タイプ)
(カーボン材料の改質)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−11Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−11Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメントの導入)
スキーム(23)に従って行った。すなわち、4.0gのc−11A、9.1gの4,4’−イソプロピリデンビス−(2−(3−スルホプロピルチオメチル))フェノール二ナトリウム塩(I−73)、4.3gの4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、15.0gの炭酸カリウム、80mLのN−メチル−2−ピロリドン、20mLのトルエンを、窒素気流下200℃の油浴中で6時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、N−メチル−2−ピロリドンで洗浄後、減圧乾燥して親水性セグメントの導入されたカーボン材料c−11Bを3.9g得た。
スキーム(23)
Figure 2007258111
スキーム中、nは親水性セグメント前駆体の繰り返し単位数であり、元素分析の結果からnは5〜6であることがわかった。
(疎水性セグメントの導入)
スキーム(22)と同様にして、4−トリフルオロメチルベンゾイル基を有する疎水性セグメントを導入した。元素分析の結果より、1gのカーボン材料につき、0.6mmolの4−トリフルオロメチルベンゾイル基が導入されたことがわかった。次に、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、親水性セグメントおよび疎水性セグメントの導入された燃料電池用触媒材料M−11を4.6g得た。
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−12の作製](2タイプ)
(カーボン材料の改質)
触媒担持カーボン材料として、白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用い、スキーム(1)と同様にしてブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−12Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−12Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
(親水性セグメントおよび疎水性セグメントの合成)
スキーム(9)と同様にして親水性セグメントp−12Aを、スキーム(10)と同様にして疎水性セグメントp−12Bを合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−12Aの重量平均分子量は約5千、p−12Bの重量平均分子量は約4千であることがわかった。
(カーボン材料表面への親水性セグメントおよび疎水性セグメントの導入)
スキーム(24)に従って行った。すなわち、2.5gのc−12A、9.9gの炭酸カリウム、50mLのN−メチル−2−ピロリドンに、3.3gのp−12Aと3.0gのp−12Bを加え、窒素気流下120℃にて7時間反応した。反応後、生成物を濾別し、N−メチル−2−ピロリドンで洗浄後、減圧乾燥した。次いで、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥して、親水性セグメントおよび疎水性セグメントの導入された燃料電池用触媒材料M−12を2.5g得た。元素分析の結果により、触媒材料M−12中、親水性セグメント・疎水性セグメント共に1重量%導入されたことがわかった。
スキーム(24)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、nは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−13の作製](2タイプ)
(カーボン材料表面への親水性セグメントの導入)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(a)を用い、スキーム(1)およびスキーム(23)と同様にして、親水性セグメントを導入したカーボン材料c−13Aを得た。
(疎水性セグメントの合成)
10.0gの4−トリメチルシリルプロピルオキシスチレン(L−15)、430mgの過酸化ベンゾイル、30mLのN−メチル−2−ピロリドン、600mgの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルを加え、窒素気流下、160℃の油浴中で9時間攪拌した。反応後、温度を室温に戻し、反応液をメタノール中に注ぎ、得られた沈殿を濾別してメタノールで洗浄後、減圧乾燥して疎水性セグメントp−13Aを8.7g得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、p−13Aの重量平均分子量は約3千であることがわかった。
(疎水性セグメントのカーボン表面への導入)
スキーム(25)に従って行った。すなわち、2.5gのc−13A、3.8gのp−13A、30mLのN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素気流下、160℃の油浴で3時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。次いで、1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。なお、元素分析により、疎水性セグメントの重量分率は、2重量%であることがわかった。
次いで、イオン官能基が導入されたカーボン材料を、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、親水性セグメントおよび疎水性セグメントの導入された燃料電池用触媒材料M−13を4.1g得た。
スキーム(25)
Figure 2007258111
スキーム中、mは疎水性セグメントの繰り返し単位数であり、nは親水性セグメントの繰り返し単位数である。
[燃料電池用触媒材料 M−14の作製]
(カーボン材料表面への親水性セグメントの導入)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(d)を用い、スキーム(1)と同様にして、ブロモペンチル基を導入したカーボン材料c−14Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−14Aにつき、0.4mmolのブロモペンチル基が導入された。
次に2.5gのc−14A、3.8gの亜硫酸ナトリウム、40mLの水を加え、窒素気流下で10時間還流した。反応後、生成物を濾別し、水で洗浄後、減圧乾燥してスルホペンチル基の導入されたカーボン材料c−14Bを2.4g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−14Bにつき、0.2mmolのスルホペンチル基が導入された。
(疎水性セグメントのカーボン表面への導入)
スキーム(26)に従って行った。すなわち、2.0gの4−トリフルオロメチルアニリンに40mLの2M塩酸水溶液、860mgの亜硝酸ナトリウムを加え、窒素気流下0℃で1時間攪拌した。その後、2.0gのカーボン材料c−14Bを加え、窒素気流下60℃で2時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、水で洗浄後、減圧乾燥することで、4−トリフルオロメチルフェニル基(疎水性セグメント)の導入されたカーボン材料c−14Cを1.7g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−14Cにつき、0.4mmolの4−トリフルオロメチルフェニル基が導入された。
次いで、カーボン材料c−14Cを、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−14を3.0g得た。
スキーム(26)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−15の作製]
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(d)を用い、スキーム(27)に従って行った。すなわち、2.0gの4−スルホプロピルオキシアニリン、1.4gの4−トリフルオロメチルアニリンに、50mLの2M塩酸水溶液、1.2gの亜硝酸ナトリウムを加え、窒素気流下0℃で1.5時間攪拌した。その後、2.0gのカーボンブラック(d)を加え、窒素気流下60℃で2時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、水で洗浄後、減圧乾燥することで、4−スルホプロピルオキシフェニル基(親水性セグメント)、および4−トリフルオロメチルフェニル基(疎水性セグメント)の導入されたカーボン材料c−15Aを1.7g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−15Aにつき、0.3mmolの4−スルホプロピルオキシフェニル基、0.2mmolの4−トリフルオロメチルフェニル基が導入された。
次いで、カーボン材料c−15Aを、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−15を3.1g得た。
スキーム(27)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−16の作製]
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(d)を用い、スキーム(28)に従って行った。すなわち、3.0gのカーボンブラック(d)に、4.0gの炭酸カリウム、2.0gの1−ヨウ化−1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキサン、50mLのN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下110℃で5時間反応した。反応後、生成物を濾別し、水およびジクロロメタンで洗浄後、減圧乾燥することで、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基(疎水性セグメント)の導入されたカーボン材料c−16Aを2.9g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−16Aにつき、0.1mmolの1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基が導入された。
次に、2.5gの4−スルホプロピルオキシアニリンに40mLの2M塩酸水溶液、750mgの亜硝酸ナトリウムを加え、窒素気流下0℃で1.5時間攪拌した。その後、2.0gのカーボン材料c−16Aを加え、窒素気流下60℃で2時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、水で洗浄後、減圧乾燥することで、4−スルホプロピルオキシフェニル基(親水性セグメント)の導入されたカーボン材料c−16Bを1.8g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−16Bにつき、0.4mmolの4−スルホプロピルフェニル基が導入された。
次いで、カーボン材料c−16Bを、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−14を3.4g得た。
スキーム(28)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−17の作製]
(カーボン材料表面への親水性セグメントの導入)
カーボン材料として、カーボンブラック(商品名:カーボンECP、ケッチェン・ブラックインターナショナル社製)(d)を用い、燃料電池用触媒材料 M−14の作製法と同様にしてスルホペンチル基の導入されたカーボン材料c−17Aを得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−17Aにつき、0.2mmolのスルホペンチル基が導入された。
(カーボン材料表面への疎水性セグメントの導入)
スキーム(29)に従って行った。すなわち、2.0gのカーボン材料c−17Aに、2.0gのノナフルオロ-n-ブチルヨージド、580mgの塩化銅(I)、1.8gの2,2’−ビ
ピリジン、30mLのN−メチル−2−ピロリドンを加え、窒素雰囲気下120℃の油浴中で18時間攪拌した。反応後、生成物を濾別し、N−メチル−2−ピロリドン、水で洗浄後、減圧乾燥することで、ノナフルオロブチル基(疎水性セグメント)の導入されたカーボン材料c−17Bを1.9g得た。元素分析の結果より、1gのカーボン材料c−17Bにつき、0.2mmolのノナフルオロブチル基が導入された。
次にカーボン材料c−17Bを1規定の硫酸水溶液中に室温で30分浸漬した後、生成物を水で洗浄し、減圧乾燥した。次いで、ヘキサアミン白金(IV)塩化物水溶液に室温で1時間浸漬し、洗浄・乾燥後、水素気流中180℃にて還元して、燃料電池用触媒材料M−17を3.4g得た。
スキーム(29)
Figure 2007258111
[燃料電池用触媒材料 M−18の作製]
カーボン材料M−10を80重量%、市販の白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を20重量%の割合で混合し、燃料電池用触媒材料M−18を得た。
[燃料電池用触媒材料 M−19の作製]
燃料電池用触媒材料M−10を90重量%、市販の白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を10重量%の割合で混合し、燃料電池用触媒材料M−19を得た。
赤外吸収スペクトル分析
上記工程で得られた各燃料電池用触媒材料について、赤外吸収スペクトル分析を行い、いずれの燃料電池用触媒材料も1150cm-1付近に吸収が存在することから、各燃料電池用触媒材料がスルホン酸基を有することを確認した。
比較例1 イオン性官能基含有ポリマーを導入した燃料電池用触媒材料の作製
[燃料電池用触媒材料 R−1の作製]
触媒担持カーボン材料として、白金担持カーボンブラック(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)を用いスキーム(30)に従って行った。すなわち、所定量のTEC10E50E、ホルムアルデヒド水溶液、水酸化ナトリウムを加え、70℃で24時間攪拌した。反応後、生成物を濾別して減圧乾燥してメチロール基を導入したカーボンブラックr−1を得た。次いで所定量のr−1、アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸、硝酸アンモニウムセリウム(IV)を加え、窒素気流下30℃で24時間反応した。反応後、生成物を水、次いでメタノールで洗浄し、減圧乾燥して燃料電池用触媒材料R−1を得た。
Figure 2007258111
実施例2 燃料電池の作製
[作製方法1]
前記実施例1の燃料電池用触媒材料を用い、燃料電池を作製した。各燃料電池用触媒材料2gと、バインダーとしてのナフィオン溶液(5%アルコール水溶液)15gを混合し、超音波分散器で30分間分散させた。得られた分散物をカーボンペーパー(厚さ350μm)上に塗設し、乾燥した後、直径9mmの円形に打ち抜き、触媒膜を作製した。
固体電解質膜としてはナフィオン117膜を用い、ナフィオン117膜の両面に上記で得られた触媒膜を塗布面がナフィオン117膜に接するように張り合わせ、ホットプレスにより熱圧着し、MEAを作製した。
[作製方法2]
固体電解質およびバインダーを、下記繰り返し単位より構成される高分子E−1より作製した他は、前記作成法1と同様にしてMEAを作製した。
高分子E−1
Figure 2007258111
(高分子E−1において、バインダーとして用いた時の重量平均分子量は3〜10万であり、固体電解質膜として用いた時の重量平均分子量は10〜30万である。)
実施例3 燃料電池評価
実施例2で得られたMEAを図2に示す燃料電池にセットし、アノード側開口部15に水素ガスをフローした。この時カソード側開口部16は大気をフローした。アノード電極12とカソード電極13間に、ポテンシオスタットを接続し400mVにおける電流値を記録した。結果を表1に示した。
Figure 2007258111
本発明の燃料電池用触媒材料は、燃料電池起動時に想定される強酸・高温化の条件においても耐久性を有し、また、高電流密度領域においても高い出力を維持できることが認められた。このようなカーボン材料は、例えば、燃料電池の触媒担持用材料として、好ましく利用できる。特に、バインダーとしての固体電解質として、本発明のポリマー主鎖と同一の主鎖を有するものを採用することにより、より効果的であることが認められた。
本発明の高分子電解質を用いた触媒電極接合膜の構成を示す概略断面図である。 本発明の燃料電池の構造の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10・・・燃料電池電極膜複合体(MEA)
11・・・高分子電解質膜
12・・・アノード電極
12a・・・アノード極多孔質導電シート
12b・・・アノード極触媒層
13・・・カソード電極
13a・・・カソード極多孔質導電シート
13b・・・カソード極触媒層
14・・・パッキン
15・・・アノード極側開口部
16・・・カソード極側開口部
17・・・集電体
21,22・・・セパレータ

Claims (21)

  1. カーボン材料と、
    該カーボン材料の表面に、同一または別々に、耐加溶媒分解性および耐熱性を有する連結基を介してまたは直接に連結して設けられた、1以上の親水性セグメントおよび1以上の疎水性セグメントを有し、
    前記親水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有し、
    前記疎水性セグメントは、耐加溶媒分解性および耐熱性を有し、かつ、イオン官能基を有さない、燃料電池用触媒材料。
  2. 前記親水性セグメントが、式(1)、式(6)および式(10)のいずれか1以上を含み、前記疎水性セグメントが式(2)、式(7)および式(11)のいずれか1以上を含む、請求項1に記載の燃料電池用触媒材料。
    Figure 2007258111
    (式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を含む基を表し、X1およびX2はそれぞれ、単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n1およびn4はそれぞれ8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
    Figure 2007258111
    (式(6)および(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、n14、n15およびn17はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
    式(10)
    Figure 2007258111
    (式(10)中、R8およびR9は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、Ar1は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。A6はイオン性官能基を表す。n22、n23およびn24は、それぞれ、0以上の整数であり、n22とn23とn24の和は1以上の整数である。n25は1〜10の整数、n26は1〜3の整数である。)
    式(11)
    Figure 2007258111
    (式(11)中、R10は、それぞれ、2〜4価の連結基を表し、R11は芳香環を含まない1価の基を表し、Ar2は芳香族炭化水素基または複素環基を含む2〜6価の連結基を表す。n27およびn28はそれぞれ、0以上の整数であり、n29は1以上の整数である。n30は1〜3の整数である。)
  3. カーボン材料が、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブである、請求項1または2に記載の燃料電池用触媒材料。
  4. 前記親水性セグメントおよび前記疎水性セグメントは、同一の連結基を介して設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
  5. 前記親水性セグメントと前記疎水性セグメントとが交互に繰り返しているブロック共重合体ポリマーとして前記カーボン材料表面に連結している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
  6. 前記親水性セグメントが式(1)からなり、前記疎水性セグメントが式(2)からなる、請求項4または5に記載の燃料電池用触媒材料。
    Figure 2007258111
    (式(1)および式(2)中、R1およびR2はそれぞれ芳香環を含む基を表し、X1およびX2はそれぞれ、単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n1およびn4はそれぞれ8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
  7. 請求項6に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、−(R1−X1n1−で表される主鎖構造を形成した後、−B1−(A1)n2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程と、−(R2−X2n4−で表される主鎖構造を形成後に−E1および/または−E2で表される基を前記主鎖構造に結合させる工程とを含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
  8. 式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物を重合させる工程と、式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物を重合させる工程とを含む、請求項6に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法。
    式(3)
    Figure 2007258111
    (式(3)中、X3は単結合または2価の連結基を表し、R3およびR4はそれぞれ芳香環を含む基を表す。B2およびB3はそれぞれ単結合または2〜6価の連結基を表す。A2およびA3はそれぞれイオン性官能基である。n7およびn8はそれぞれ1〜5の整数を表し、n9およびn10はそれぞれ0〜4の整数を表し、n9とn10の和は2以上である。Z1およびZ2は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
    式(4)
    Figure 2007258111
    (式(4)中、Z3およびZ4は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表し、R5は芳香環を含む基を表す。)
    式(5)
    Figure 2007258111
    (式(5)中、X4は単結合または2価の連結基を表し、R6およびR7はそれぞれ芳香環を含む基を表す。E3、E4およびE5はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n11、n12およびn13はそれぞれ0〜4の整数を表し、n11とn12とn13の和は1以上である。Z5およびZ6は、それぞれ、水酸基、ハロゲン基、アルキルスルホネート基またはニトロ基を表す。)
  9. 前記親水性セグメントが式(6)からなり、前記疎水性セグメントが式(7)からなる、請求項4または5に記載の燃料電池用触媒材料。
    Figure 2007258111
    (式(6)および(7)中、W11、W12、W13、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1およびD2はそれぞれ単結合または置換若しくは無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。n16およびn18はそれぞれ2以上の整数を表し、n14、n15およびn17はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
  10. 請求項9に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(8)で表される化合物を重合させる工程と、式(9)で表される化合物を重合させる工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
    Figure 2007258111
    (式(8)および(9)中、W21、W22、W23、W24、W25およびW26は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D3およびD4はそれぞれ単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B5は単結合または2〜6価の連結基を表す。A5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。E7は酸素透過性の高い置換基を表す。n19、n20およびn21は、それぞれ、1〜5の整数を表す。)
  11. 少なくとも、疎水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、親水性セグメントからなる側鎖がグラフトされている、請求項4または5に記載の燃料電池用触媒材料。
  12. 前記疎水性セグメントは式(2)からなり、前記親水性セグメントは式(6)からなる、請求項11に記載の燃料電池用触媒材料。
    Figure 2007258111
    (式(2)中、R2は芳香環を含む基を表し、X2は、単結合または2価の連結基を表し、E1およびE2はそれぞれ酸素透過性の高い置換基を表す。n4は8以上の整数を表し、n5およびn6はそれぞれ0〜4の整数を表す。)
    Figure 2007258111
    (式(6)中、W11、W12およびW13はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D1は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B4は単結合または2〜6価の連結基を表す。A4はイオン官能基を表す。n16は2以上の整数を表し、n14およびn15はそれぞれ1〜5の整数を表す。)
  13. 請求項12に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(2)中の−(R2−X2n4−で表される主鎖構造が有する芳香環をクロロメチル化し、該クロロメチル化した部位を重合開始点として、少なくとも、式(8)で表される化合物をグラフト重合する工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
    Figure 2007258111
    (式(8)中、W21、W22およびW23は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D3は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。B5は単結合または2〜6価の連結基を表す。A5はイオン性官能基あるいはイオン性官能基前駆体を表す。n19およびn20は、1〜5の整数を表す。)
  14. 少なくとも、親水性セグメントからなる主鎖に、少なくとも、疎水性セグメントからなる側鎖がグラフトされている、請求項4または5に記載の燃料電池用触媒材料。
  15. 前記親水性セグメントは式(1)からなり、前記疎水性セグメントは式(7)からなる、請求項14に記載の燃料電池用触媒材料。
    Figure 2007258111
    (式(1)中、R1は芳香環を含む基を表し、X1は単結合または2価の連結基を表し、B1は単結合または2〜6価の連結基を表し、A1はイオン性官能基を表す。n1は8以上の整数を表し、n2は1〜5の整数を表し、n3は0〜4の整数を表す。)
    Figure 2007258111
    (式(7)中、W14、W15およびW16はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D2は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。E6は酸素透過性の高い置換基を表す。18は2以上の整数を表し、n17は1〜5の整数を表す。)
  16. 請求項15に記載の燃料電池用触媒材料の製造方法であって、式(1)中の−(R1−X1n1−で表される主鎖構造が有する芳香環をクロロメチル化し、該クロロメチル化した部位を重合開始点として、少なくとも、式(9)で表される化合物をグラフト重合する工程を含む、燃料電池用触媒材料の製造方法。
    Figure 2007258111
    (式(9)中、W24、W25およびW26は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環を表す。D4は単結合または置換または無置換の芳香環からなる基を表す。E7は酸素透過性の高い置換基を表す。n21は、1〜5の整数を表す。)
  17. 前記親水性セグメントおよび前記疎水性セグメントは、それぞれ別々の連結基を介して前記カーボン材料の表面に設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料。
  18. 請求項1〜6、9、11、12、14、15および17のいずれか1項に記載の燃料電池用触媒材料と、固体電解質を含む触媒膜。
  19. さらに、カーボン表面に親水性セグメントおよび疎水性セグメントのいずれも有さない燃料電池用触媒材料を含む、請求項18に記載の触媒膜。
  20. 多孔質導電シートと、該多孔質導電シートに接して授けられた触媒層とを有し、かつ、前記触媒層が、請求項18または19に記載の触媒膜である、電極膜接合体。
  21. 請求項20に記載の電極膜接合体を有する、燃料電池。
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