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JP2007136811A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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JP2007136811A
JP2007136811A JP2005332670A JP2005332670A JP2007136811A JP 2007136811 A JP2007136811 A JP 2007136811A JP 2005332670 A JP2005332670 A JP 2005332670A JP 2005332670 A JP2005332670 A JP 2005332670A JP 2007136811 A JP2007136811 A JP 2007136811A
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Kenichi Okubo
賢一 大久保
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】大判のさまざまな記録媒体に対して、光沢の違和感がない高画質な画像を高能率で形成可能なインクジェット記録方法を提供することである。
【解決手段】キャリッジ、キャリッジ駆動手段、インクジェットヘッド及び活性エネルギー線発生部を有し、活性エネルギー線を照射する照射手段を備え、前記キャリッジと前記キャリッジに搭載される物とを合わせた質量が1〜10kgであり、前記キャリッジ駆動手段が前記キャリッジを往復移動させるための駆動力が40N以下であるインクジェット記録装置を用い、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を少なくとも含有するインクを前記インクジェットヘッドより吐出し、インクが吐出された記録媒体に活性エネルギー線を照射して画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性エネルギー線反応性高分子化合物を含むインクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、小部数ごとの画像形成を前提としたオン・デマンド印刷に適用可能な画像記録方法であり、近年注目されている。活性エネルギー線硬化インクジェット方式は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線の照射によって硬化する活性エネルギー線硬化性化合物を含んだインクをインクジェットヘッドから吐出して記録媒体に着弾させた後、この記録媒体に活性エネルギー線を照射することでインクを硬化させるという画像記録方式である。活性エネルギー線として紫外線(UV)が使われることが多いことから、しばしばUVインクジェット方式とも呼ばれ、記録媒体上でインクを硬化させるために、記録媒体のインク吸収性によらず記録が可能であるという特長を有している。
UVインクジェット方式による画像形成において、記録媒体に高画質な画像を形成するには、UVインクが記録媒体に着弾した後、速やかに紫外線を照射し、このUVインクを硬化させてドット径を制御する必要がある。そのため、例えば特許文献1で開示された技術のように、キャリッジにインクジェットヘッドとともに紫外線ランプ等の光源を搭載し、インクジェットヘッドが記録媒体上を走査する際にはインクジェットヘッドとともに光源が移動するようにする方法や、特許文献2で開示されている技術のようにキャリッジに光ファイバーやコリメータ、鏡といった光学系を搭載し、インクジェットヘッドから離れた位置に設置された紫外線光源から上記光学系でインクジェットヘッド横へ紫外線を誘導する方法等がこれまでに開発されている。
しかし、A0やB0といった大判の記録媒体に画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、キャリッジに重い質量の光源や光学系を搭載した場合、キャリッジの速度が減少することとなり、生産性の低下を招いていた。また、生産性を高くするため、キャリッジを移動させるために駆動力を高めた場合、キャリッジを所定位置で停止させてインクの吐出位置を制御することが困難となり画像の画質が低下するという問題が生じていた。この問題を解決する方法として、キャリッジ質量、駆動力を特定の範囲としたプリンタが開示されている(特許文献3参照)。これにより、大判の記録媒体に高能率で画像を形成することが可能となった。
しかし、これらのUVインクジェットプリンタに搭載するインクの多くは、色剤以外の硬化性成分を多量に含有し、かつ揮発しないため、記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせていた。さらに、従来公知の硬化性成分に対しては安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても物質選択の狭さがあり素材、物性の自由な設計を行えないという課題があった。
一方、揮発成分として水を含有する水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されているが(例えば、特許文献4参照)、従来公知の水系のUV硬化性インクは活性エネルギー線に対する感度が不十分であり、結果として出力の大きい大型の光源が必要となることが多かった。従って、大判記録媒体に対する高能率な画像形成と、光沢性に優れた高画質な画像形成とを両立することは、困難であった。
特開昭60−132767号公報 米国特許第6,145,979号明細書 特開2003−341021号公報 特開平7−224241号公報
本発明の目的は、大判のさまざまな記録媒体に対して、光沢の違和感がない高画質な画像を高能率で形成可能なインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.記録媒体の上を往復移動するキャリッジと、前記キャリッジを往復移動させるキャリッジ駆動手段と、前記キャリッジに搭載して設置され、前記記録媒体に向けてインクを吐出するインクジェットヘッドと、活性エネルギー線発生部を有し、インクが吐出された記録媒体に向けて活性エネルギー線を照射する照射手段とを備え、
前記キャリッジと前記キャリッジに搭載される物とを合わせた質量が1〜10kgであるとともに、
前記キャリッジ駆動手段が前記キャリッジを往復移動させるための駆動力が40N以下であるインクジェット記録装置を用い、
水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を少なくとも含有するインクを前記インクジェットヘッドより吐出し、インクが吐出された記録媒体に活性エネルギー線を照射して画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記インクジェットヘッドが吐出するインクの色が、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を含むことを特徴とする1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記活性エネルギー線発生部は、前記キャリッジに搭載されることを特徴とする1または2に記載のインクジェット記録方法。
4.前記活性エネルギー線発生部は、蛍光灯を有することを特徴とする3に記載のインクジェット記録方法。
5.前記活性エネルギー線発生部は、LDまたはLEDを有することを特徴とする3に記載のインクジェット記録方法。
6.前記インクを前記インクジェットヘッドより吐出し、インクが吐出された記録媒体に活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とする1〜5いずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
7.前記記録媒体が、印刷用塗工紙であることを特徴とする1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
8.前記記録媒体が、非吸収性記録媒体であることを特徴とする1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明により、大判のさまざまな記録媒体に対して、光沢の違和感がない高画質な画像を高能率で形成可能なインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
インクジェット記録装置において、キャリッジとキャリッジに搭載される物とを合わせた質量である搭載質量を10kg以下とすることで、キャリッジを移動させる際の駆動力を40N以下とした場合でも、高い初速度でキャリッジを移動させ、高い応答性でインクジェットヘッドによる走査を行うことができる。よって、高画質な画像を高い能率で形成することができる。
上記搭載質量が10kgを超える場合でも、40Nを超えた値に上記駆動力を設定することでインクジェットヘッドの高応答性での走査を行うことができる。しかし、この場合には、インクジェットヘッドの速度や位置の制御が困難となり、形成される画像の画質を劣化させることとなる。
また、キャリッジの搭載質量が10kgを超え、駆動力が40N以下の場合には、高速でのキャリッジ移動時のキャリッジの初速度が低下するために、インクジェットヘッド走査時の応答性が低くなり、結果として高速で画像を形成する際の生産性が低くなる。よって、キャリッジの搭載質量が10kgを超え、駆動力が40N以下の場合には画像形成時の能率が低くなるという問題が生じる。
一方、キャリッジの搭載質量を1kg未満とした場合には、例えばA0判、B0判といった大判の記録媒体に画像を形成するようなインクジェットプリンタにおいて、記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドの数や大きさ、質量に制約を受けるという問題が生ずる。
キャリッジに搭載可能なインクジェットヘッドの数に制約を受けた場合、ユーザーの意図に合った階調でカラー画像を形成したり、画像が透過しないよう透明な記録媒体に白色インクをオペークホワイトとして吐出したりするといったことが困難となる問題があった。また、キャリッジに搭載可能なインクジェットヘッドの大きさや質量に制約を受けた場合、例えば印字幅の広いインクジェットヘッドを搭載することで高速での画像形成を行えないといった問題があった。
これらのことにより、キャリッジの搭載質量を1〜10kg、キャリッジの駆動力を40N以下とすることで、大判の記録媒体に対して高画質な画像を高い効率で形成するインクジェットヘッドを作成することができる。
また、キャリッジの搭載質量を10kg以下とすることで、キャリッジを移動させるためのキャリッジ駆動手段等の各構成要素をコンパクトに形成することができる。よって、インクジェットプリンタを設置場所に制約を受けないコンパクトな形態で提供することができる。
さらに、キャリッジに活性エネルギー線発生部を搭載することで、照射手段を簡略な構成とすることができる。このことで、照射手段の制御を容易になるとともに照射手段の耐久性を高めることができる。よって、高画質、高能率で画像を形成可能なインクジェットプリンタを容易に制御できるとともに安価に提供することができる。
活性エネルギー線発生部として、蛍光灯、LD、LEDを有することで、キャリッジの搭載質量を10kg以下とすることが容易となる。よって、インクジェットヘッドの数や大きさ、質量に係る制約を低くしてインクジェットプリンタを作製することができる。また、照射手段を安価に作製することができる。これらのことにより、高画質、高能率で画像を形成できるインクジェットプリンタを安価に提供することができる。さらに、活性エネルギー線照射時のオゾンの発生を抑えることができるため、悪臭を発することなしに、高画質、高能率で画像を形成できるインクジェットプリンタを安価に提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体または中間転写媒体上へ吐出したインクジェット用インクに活性エネルギー線を照射して硬化させた後、不要の水溶性有機溶媒等を除去する目的で乾燥を行うことが好ましい。
インクの乾燥手段としては、特に制限はないが、例えば、記録媒体や中間転写媒体の裏面を加熱ローラあるいはフラットヒータ等に接触させて乾燥させる方法、印字面にドライヤー等で温風を吹き付ける手段、あるいは減圧処理により揮発成分を除去する方法等を適宜選択あるいは組み合わせて用いることができる。
〔インクジェット記録装置、インクジェット記録方法〕
以下、本発明の実施形態について、UVインクを記録媒体に吐出して画像形成を行うタイプのインクジェットプリンタを例に取って、図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書では、インクの硬化性の高さや活性エネルギー線源に係るコストの低さの点で好ましい例としてUVインクに紫外線を照射するタイプのインクジェットプリンタ1を例に取って説明するが、本発明に係るインクジェットプリンタはUVインクを用いるものに限らない。
他に、赤外線、可視光線、電子線、X線といった活性エネルギー線の照射により硬化する性質のインクを用いるものとしてもよい。なお、ここで活性エネルギー線とは広義の活性エネルギー線であり、空気を電離させる能力を有するものだけを指すのではなく、上述のように赤外線、可視光線、紫外線、電子線といった電磁波を含むものである。
図1は、本発明に係るインクジェットプリンタ1の概略を示す斜視図である。インクジェットプリンタ1は、プラスチックシートのようなUVインクに対する吸収性が極めて低く、かつA0判やB0判といった大判の記録媒体Pにカラー画像を形成するためのプリンタである。インクジェットプリンタ1はインクジェットヘッド2及び記録媒体Pの双方を移動させながらインクジェットヘッド2からUVインクを吐出することで、記録媒体P上に画像を形成するキャプスタン方式で画像形成を行う。インクジェットプリンタ1は、図1、図2に示すように、インクジェットヘッド2、キャリッジ3、照射手段4、ガイドレール5、搬送手段、温度調整手段、キャリッジ駆動手段、制御手段(図示省略)等を備えて構成される。
図示しない制御手段は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インターフェース等を備えて構成され、記録媒体Pに形成する画像のデータや記録媒体Pに係るデータ等に基づいてインクジェットプリンタ1の各構成要素を制御する。ガイドレール5はキャリッジ駆動手段の作動によってキャリッジ3が図1におけるX方向に移動する際、キャリッジ3をガイドする。
キャリッジ3はインクジェットヘッド2、照射手段4等を搭載するための筐体であり、X方向に移動自在な形態でガイドレール5に設置される。キャリッジ3にはインクジェットヘッド2、照射手段4、中間タンク6、二次照射手段8、図示しない温度調整手段、インクジェットヘッド駆動回路等を搭載する。
キャリッジ駆動手段は図示しない電動モータ等を備えて構成され、キャリッジ3がX方向に往復移動するための駆動力をキャリッジ3に付与する。ここで、上記駆動力の条件については後述する。
インクジェットヘッド2はそれぞれ図示しない複数個の吐出部と吐出口とを備えて構成される。吐出部は例えばピエゾ素子を備えており、インクジェットヘッド駆動回路から電圧を印可されることでUVインクを吐出口から吐出して記録媒体Pにインクドットを形成する。インクジェットヘッド2は、インクジェットプリンタ1で使用するインクの色に応じて複数個が、X方向に1列に並ぶとともに、吐出口が記録媒体Pと対向するよう下を向いた形態でキャリッジ3に搭載される。
ここで、図2では、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(B)という4色のカラーインクを使用し、1色について1個のインクジェットヘッド2を用いる場合を例に取って描図を行っている。このように、インクジェットプリンタ1でマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のUVインクをインクジェットヘッド2から吐出できるようにすることで、記録媒体Pに対してカラー画像を形成することができる。
また、上述の4色のカラーインクを吐出するインクジェットヘッド2に加えて、白色(W)インクを吐出するインクジェットヘッド2をキャリッジ3に搭載することで、透明のフィルムからなる記録媒体Pに白打ちを施し、その後あるいは前に形成される画像が透過しないようにして画像の画質を向上させることができる。白色インクのインクジェットヘッド2の配置の形態としては、例えば図3(a)に示すように、カラーインクY、M、C、Kのインクジェットヘッド2をX方向で挟むようにして2個設置する形態や、図3(b)に示すように、Y、M、C、Kのインクジェットヘッド2に対してY方向上流側と下流側とに1個ずつ設置する形態等が挙げられる。なお、白色のインクジェットヘッド2は2個設置するものとは限らず、例えば図3(a)において左右の白色インクジェットヘッド2の一方を省略した形態や、Y、M、C、Kのインクジェットヘッド2に対してY方向の上流側または下流側の一方に白色インクジェットヘッド2を1個設置した形態としてもよい。
ここで、インクジェットプリンタ1で吐出するUVインクの色は設計事項である。ユーザーの意図によっては、記録媒体Pに形成される画像の特徴に応じて、インクジェットプリンタ1が上述の色に加えて、イエロー、マゼンタ、シアンの二次色である、オレンジ、レッド、パープル、ブルー、グリーン等のインクや、色材濃度が低いいわゆる淡色インクを吐出するインクジェットをさらに搭載してもよい。淡色インクとしては、各色の淡色インクのいずれを搭載してもよいが、少なくともライトマゼンタ(LM)やライトシアン(LC)といった色を搭載することが好ましい。
インクジェットヘッド駆動回路は制御手段の制御に基づいて印加電圧を発生し、インクジェットヘッド2の各吐出部に対する電圧の印加を行う。
照射手段4は紫外線を発生する発生部を備えて構成され、記録媒体PのUVインクが吐出された領域に紫外線を照射する。こうして記録媒体P上のインクドットに照射を行うことで、上記インクドットの表層部を硬化させて記録媒体P上での滲みや必要以上の広がりを防止する。照射手段4は、発生部と、他の構成要素とが1体となった形態を有し、記録媒体Pと対向する形態でキャリッジに搭載される。
照射手段4の配置の形態としては、例えば図2(a)に示すようにインクジェットヘッド2をX方向に挟んだ形態でキャリッジ3のX方向両端部に合わせて2個を配置する形態や、図2(b)に示すようにインクジェットヘッド2とX方向に交互に配列する形態が挙げられる。また、図3に示すようにY、M、C、Kといったカラーインクのインクジェットヘッド2に対してY方向上流側と下流側とに白色のインクジェットヘッド2を配置した場合には、それぞれのインクジェットヘッド2を挟む形態でさらに照射手段4を設置する。
ここで、照射手段4は、UVインクが記録媒体Pに着弾してから紫外線の照射を受けるまでの時間が0.02〜500msとなるように設置されることが好ましい。上記時間が0.02ms未満の場合には、記録媒体Pに着弾したUVインクがインクドットとして十分にレベリングせずに硬化するためにドット径は極めて小さくなり、記録媒体P上に形成された画像の画質が低くなるとともに、このインクドットの記録媒体Pに対する接着性が低くなって画像の強度が低くなるという問題が生ずる。一方、上記時間が500msを超える場合には、UVインクが記録媒体P上で滲む等して、画像の画質を低下させる。
発光源は記録媒体P上のUVインクに照射するため紫外線を発光する。上記発生部に適用する光源は、例えば水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ、蛍光灯、LD (Laser Diode)、LED(Light Emitting Diode)等が適用可能であり、照射によってUVインクが速やかに硬化する波長の光を発生するもので、軽量なものが適宜選択される。
発生部に適用される光源としては、例えば蛍光灯が好ましい。光源として蛍光灯を適用することで、発生部を軽量に作製できる。こうして発生部を軽量に作製することで、後述するように目的でキャリッジ3の搭載質量を10kg以下に抑えることが容易となり、インクジェットヘッド2の数、大きさ、質量に係る制約を低くすることができる。また、光源に蛍光灯を適用することで、発生部を安価に作製することができる。
蛍光灯以外の光源としては、LD (Laser Diode)及びLED (Light Emitting Diode)が好ましい。LDやLEDを発生部に適用することで、発生部を軽量に作製して、蛍光灯の場合と同様な効果を奏することができる。また、LDやLEDを適用することで、紫外線の照射に伴うオゾンの発生を抑え、悪臭の発生を防止することができる。
また、照射手段4において、発生部は本実施例のようにキャリッジ3に搭載する方式の方が、照射手段4の耐久性や制御性の点で好ましい。こうして照射手段4に耐久性を具備することで、インクジェットプリンタ1の維持管理に係る労力や経費を軽減することができる。また、照射手段4の制御性を高めることで、インクジェットプリンタ1の操作を容易にすることができる。
ここで、キャリッジ3と、キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド2、照射手段4、中間タンク6、インクジェットヘッド駆動回路といったUVインク吐出、紫外線照射に係る構成要素とを合わせた質量であるキャリッジ3の搭載質量は、1〜10kgであることが好ましく、1〜7kgであることがさらに好ましい。また、インクジェットヘッド2による走査を行う際にキャリッジ3を移動させるための駆動力は40N以下とすることが好ましい。
上記搭載質量が1kgを下回る場合には、搭載質量を軽くするためにキャリッジ3に搭載可能なインクジェットヘッド2の数や大きさ、質量が著しく制限される。
インクジェットヘッド2の数に制約を受けることで、Y、M、C、Kというプロセスカラーのインクを吐出するインクジェットヘッド2に加えて、画像の特徴に応じた特色を吐出するインクジェットヘッド2をキャリッジ3に搭載してユーザーの意図にかなった階調を具備したカラー画像を形成したり、透過性の高い記録媒体Pにオペークカラーによる白打ちを行ってから画像することで、透過のない明瞭な画像を形成したりすることが困難になるという問題が生じる。
また、インクジェットヘッド2の大きさや質量に制約を受けることで、インクジェットヘッド2に印字幅の広いものを適用し、1回の走査でインクを吐出可能な領域を広げるといったことに制約を受ける。このことで、高速での画像形成が困難となるという問題が生ずる。
上記搭載質量が10kgを超え、駆動力が40N以下の場合には、キャリッジ3をX方向に往復移動させてインクジェットヘッド2の走査を行う際、キャリッジ3の初速度が著しく低くなる。こうしてキャリッジ3の初速度が低くなると、インクジェットヘッド2を高速で走査する際の応答が遅くなり、結果として記録媒体Pに対する画像形成作業の生産性が低下するため、画像形成作業の効率を向上できないという問題が生じる。
一方、キャリッジ3の応答性を高めるため、搭載質量が10kgを超えたキャリッジ3に40Nを超える高い駆動力を付与した場合、キャリッジ3の速度や位置を高精度で制御することが困難となり、記録媒体Pに形成されるインクドットの位置や形状の精度が低下するために結果として記録媒体Pに形成される画像の画質が低下するという問題が生じる。
さらに、キャリッジ3の搭載質量が10kgを超える場合には、インクジェットヘッド2、走査時にキャリッジ3を往復移動するためのキャリッジ駆動手段や、インクジェットプリンタ1の各構成要素を収納、保護するシャーシといった構成要素を容積、質量の大きな物に形成する必要が生ずる。そのためインクジェットプリンタ1全体が容積、質量の大きな物となり、設置場所に制約を受けるという問題が生ずる。
キャリッジ3の搭載質量を10kg以下とすることで、駆動力が40N以下でも高い応答性でキャリッジ3をX方向に往復移動させることができる。よって、大判の記録媒体Pに対して画像を高画質、高能率で形成することができる。
記録媒体Pに対して高生産性での画像形成を可能にするために、インクジェットヘッド2、照射手段4といったキャリッジ3に搭載される各構成要素の軽量化や、中間タンク6の低容量化を行うことで、キャリッジ3の搭載質量を10kg以下に抑える。なお、キャリッジ3の搭載質量を抑える具体的な手段は設計事項であり、記録媒体Pに形成される画像の画質を低下させないことを条件にして適宜決定される。
二次照射手段8は、照射手段4の発生部とは異なる波長領域の紫外線を発光する発生部を備えて構成され、キャリッジ3よりもY方向下流側に、記録媒体Pの全幅にわたって紫外線を照射可能な形態で設置される。
記録媒体P上に形成され、照射手段4による紫外線の照射を受けて表層部が硬化したインクドットは、二次照射手段8で照射を受けることにより内部まで硬化し、記録媒体Pに対して堅固に接着される。
二次照射手段8の発生部に適用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、フラッシュ光源、蛍光灯等が適用可能であり、インクドットを内部まで効果的に硬化可能なものが適宜選択される。
〔インクジェット用インク〕
次に本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクについて説明する。本発明の記録方法に用いるインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)では、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物(以下、架橋性高分子化合物ともいう)を含有することを特徴とする。
(架橋性高分子化合物)
本発明に係る架橋性高分子化合物をインクに適用することにより、低エネルギーの活性エネルギー線照射により充分な硬化性を示すため、より軽量の光源をキャリッジに搭載することが可能となる。これにより、充分なインクの硬化性とキャリッジ質量を所定の範囲とすることの両立が可能となった。形成された画像の解像度が高く、光沢が良好であり、かつ、色間の滲みも少ないインクジェット用インクが得られる。
次いで、本発明に係る架橋性高分子化合物について説明する。
本発明に係る架橋性高分子化合物の親水性主鎖としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
これらの中でも親水性主鎖をポリ酢酸ビニルのケン化物とすることにより、側鎖の導入が簡便となり、また取り扱い性も向上する。主鎖の重合度は200〜2000の範囲であるが、本発明の目的効果を十分に発揮できる観点からは、重合度が200〜500であることが特に好ましい。重合度が200以上であれば、架橋反応時の適度の粘度上昇を付与することができ、後述するカラーブリードやビーディングを十分に防止することができる。また、重合度が2000以下であれば、インクに添加した際の粘度の上昇を抑制でき、良好な出射安定性を得ることができる。
側鎖については、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入することができる。組み合わせる色材との反応性の観点から、側鎖としてはノニオン性、アニオン性、両性(ベタイン化合物)が好ましく、特に、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性顔料と組み合わせる場合には、側鎖はノニオン性またはアニオン性であることが好ましく、特に好ましくはノニオン性である。
親水性主鎖に対する側鎖の変性率は、0.8モル%以上、4.0モル%以下であることが好ましく、さらには1.5〜3.0モル%であることが反応性の観点からより好ましい。親水性主鎖に対する側鎖の変性率が0.8モル%以上であれば十分な架橋性を有し、本発明の目的効果を得ることができる。また、4.0モル%以下であれば適度な架橋密度であるために、柔軟性のある画像膜を得やすく、膜強度が特に良好である。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007136811
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007136811
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007136811
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007136811
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2)m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007136811
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の高分子化合物においては、元々ある程度の分子量を持つ主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介してモノマーが重合して生成した従来公知の活性エネルギー線硬化型樹脂に対し、光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型樹脂を用いたインクが、色材以外のほぼ全量が硬化に関与する成分であり、そのため、硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質劣化が著しいのに対し、本発明に係る高分子化合物は、インク中での使用量が少量ですみ、それに対し乾燥成分が多いため、乾燥後の画質向上が図られ、かつ定着性もよい。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物のインク中の添加量は、0.8〜5.0%であることが好ましい。
添加量がこの範囲であれば、架橋効率が向上し、ヘッドからインクを出射して基材に付着した後架橋させることで、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディング耐性やカラーブリード耐性が向上する。添加量が0.8%未満であると、架橋性が不足して得られる本発明の目的効果が小さくなり、5.0%を超えるとインク粘度が増加し、間欠出射安定性に影響を及ぼすことがある。
本発明のインクジェット用インクにおいては、光重合型の変性基を有する高分子化合物を用いる場合、公知の光重合開始剤を用いることが好ましく、中でも水溶性光重合開始剤を用いることは特に好ましい。
本発明のインクジェット用インクで適用可能な水溶性の光重合開始剤としては、下記一般式(7)で表される化合物が、高分子化合物との相溶性、感度の観点から好ましい。
Figure 2007136811
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、上記光重合開始剤は、本発明に係る高分子化合物の親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
次いで、本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクのその他の構成要素について説明する。
(色材)
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクで使用される色材としては、染料または顔料を用いることができる。
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
以下、本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2
等を挙げることができる。
さらに、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007136811
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007136811
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
(分散染料)
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
これら上記列挙した染料は、「染色ノート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
この他に、キレート染料やシルバーダイブリーチ(銀色素漂白法)感光材料(例えば、チバガイギー製チバクローム)に用いられるアゾ染料を挙げることができる。
キレート染料に関しては、例えば、英国特許第1,077,484号に記載されている。また、銀色素漂白法感光材料用のアゾ染料に関しては、例えば、英国特許第1,039,458号、同第1,004,957号、同第1,077,628号、米国特許第2,612,448号に記載されている。
本発明で用いることのできる顔料としては、従来公知の有機あるいは無機顔料を挙げることができる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な顔料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する顔料にのみ限定されるものではない。
マゼンタまたはレッド用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
(自己分散顔料)
また、本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクでは、顔料として自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくは、スルホン酸基である。
表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、同11−323232号公報、特開2000−265094号公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤でさせることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸等で酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383号公報、同2000−303014号公報等に記載の顔料誘導体をミリング等の処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特開2002−179977号公報、同2002−201401号公報等に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
極性基は、フリーでも塩の状態でもよいし、あるいはカウンター塩を有していてもよい。カウンター塩としては、例えば、無機塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(例えば、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
(顔料分散体の製造方法)
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
(顔料分散に適用可能な界面活性剤)
顔料分散体の調製において、必要に応じて、顔料分散剤として界面活性剤、高分子分散剤を含有させてもよい。界面活性剤、高分子分散剤の種類は特に制限されないが、界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤を挙げることができ、また、高分子分散剤としては、吐出安定性の観点から水溶性樹脂を用いることが好ましく、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができ、さらに詳しくは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
上記の各高分子分散剤のインク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。これらの高分子分散剤は、2種以上併用することも可能である。
(顔料粒子の粒径)
顔料粒子の粒径には、電子顕微鏡で粒子を直接観察することで得られる粒径(一次粒径)と、光散乱を利用した粒径測定装置を利用した分散粒径(二次粒径)、固有粘度から求める粘度換算粒径がある。
本発明のインク中の顔料の一次粒径は、耐光性と分散安定性の観点から、10〜1000nmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜70nmである。10nmより小さいと、耐光性が悪化していまい、100nmよりも大きくなると、凝集により、ヘッドの目詰まりの原因となるためである。ここで、一次粒子を求めるためには、顔料粒子1000個を透過型電子顕微鏡で長径を測定し、その平均値(数平均)より求めることができる。
(溶媒)
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいては、水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用してもよい。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜60質量%であり、好ましくは10〜35質量%である。
(インクジェット用インクセット)
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクセットは、3色または4色以上のインクジェット用インクから構成される。
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクセットを構成する色相の異なるインクとしては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクジェット用インクから構成されているインクセットを用いることが好ましい。
さらに前記4色のインクに加えて、淡色シアンインク、淡色マゼンタインク、濃色イエローインク、淡色黒インク(グレーインク)を用いてもよい。また、ブルー、レッド、グリーン、オレンジ、バイオレット等のいわゆる特色インクを使用することも可能である。
〈濃淡インク〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクセットにおいて、少なくとも一色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いてもよい。さらに、二色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いてもよく、特に、三色以上のインクにおいて、少なくとも二つの濃度の異なる同色のインクから構成されるインクジェット用インクセットを用いることが階調性の点から好ましい。特には、人間の視感度の高いマゼンタインクあるいはシアンインクにおいて、濃度の異なる少なくとも二つのインクを用いることが好ましい。
この濃度が異なるインクジェット用インクセットの濃度比は任意な値としてよいが、滑らかな階調再現を行うためには、高濃度インクと低濃度インクとの比(低濃度インクの色材濃度/高濃度インクの色材濃度)は、0.1〜1.0の間にあることが好ましく、0.2〜0.5の間にあることがさらに好ましく、0.25〜0.4の間にあることが特に好ましい。
〈白色インク〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクセットにおいては、上記の有色顔料に加えて、白色顔料を含有する白色インクを用いてもよい。用いられる白色顔料は、インクジェット用インクを白色にするものであればよく、例えば、無機白色顔料や有機白色顔料、白色の中空ポリマー微粒子を挙げることができる。
無機白色顔料としては、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。特に、酸化チタンは高い屈折率を有するために、微粒子で高い隠蔽性、着色性を有しており、好ましく用いることができる。
有機白色顔料としては、特開平11−129613号に示される有機化合物塩や特開平11−140365号、特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。上記白色顔料の具体的な商品としては、Shigenox OWP、Shigenox OWPL、Shigenox FWP、Shigenox FWG、Shigenox UL、Shigenox U(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)等が挙げられる。
白色の中空ポリマー微粒子としては、米国特許第4,089,800号に開示されている実質的に有機重合体で作った熱可塑性を示す微粒子等が挙げられる。
本発明においては、白色顔料は単独で用いてもよいし、併用してもよい。顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。
分散剤は通常の分散剤を用いることができるが、高分子分散剤を用いることが好ましい。
顔料の分散は、平均粒径を0.05〜1.0μmとすることが好ましく、さらに好ましくは0.08〜0.3μmである。
〈無色インク〉
本発明のインクジェット用インクセットにおいては、実質的に色材を含まない無色インク(透明インクともいう)を併用することもできる。
本発明でいう実質的に色材を含まない無色インクとは、全インク質量に対し、色材の含有量が0.1%以下の状態を意味し、好ましくは全く色材を含まないことである。
本発明に係る無色インクの含有成分は、均一溶解していても不均一分散系で存在してもどちらでも構わない。添加可能なものとしては、水系で溶解状態の樹脂、水系で分散状態の樹脂、有機溶媒系で溶解状態の樹脂、有機溶媒系で分散状態の樹脂等が挙げられるが、水系で溶解状態の樹脂及び水系で分散状態の樹脂が好ましい。使用するインクジェット用インクから色材のみを除いた無色インクでも使用可能であるが、種々の機能を付加するため、以下の添加剤を加えることが好ましい。
水系で溶解状態の樹脂として、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を加えることができる。
水系で分散状態の樹脂としては、特に、熱可塑性樹脂の微粒子を添加することは、画像の光沢性を向上するので好ましい。熱可塑性樹脂の微粒子については、上記の記録媒体の表層に添加することのできる熱可塑性樹脂あるいはその微粒子の説明で記載した種類を利用できる。特に、インクに添加しても増粘、沈澱等の起こらないものを適用するのが好ましい。熱可塑性樹脂の微粒子の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましい。添加する熱可塑性樹脂の微粒子は、0〜150℃の範囲で溶融、軟化するものが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、必要に応じて、吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
〈ラテックス〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいては、ラテックスをインク中に加えてもよい。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体及びアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
また、本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクでは、ソープフリーラテックスを用いることが特に好ましい。ソープフリーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、及びスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用いたラテックスのことを指す。
近年、ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいて、ラテックス中のポリマー粒子の平均粒径は10〜300nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいて、ラテックスは固形分添加量としてインクの全質量に対して0.1〜20質量%となるように添加することが好ましく、ラテックスの固形分添加量を0.5〜10%質量%とすることが特に好ましい。ラテックスの固形分添加量が0.1質量%未満では、耐候性に関して十分な効果を発揮させることが難しく、また20質量%を越えると、経時でインク粘度の上昇が起こったりしてインク保存性の点で問題が生じることが多い。
〈サーマル用出射安定剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクは、サーマル型インクジェットプリンターに用いてもよい。このとき、コゲーションと呼ばれるヘッドの目詰まりを解決するために、特開2001−81379号に開示されている(M12SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M12SO3及び(M12CO3から選ばれる塩を加えてもよい。ここでM1は、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表し、Phはフェニル基を表す。上記のアルカリ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。また、有機アンモニウムとしては、例えば、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリヒドロキシメチルアミン、ジヒドロキシメチルアミン、モノヒドロキシメチルアミン、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、N−メチルモノエタノールアンモニウム、N−メチルジエタノールアンモニウム、モノプロパノールアンモニウム、ジプロパノールアンモニウム、トリプロパノールアンモニウム等が挙げられる。
〈架橋剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクには、架橋剤を含有させてもよい。架橋剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ酸またはその塩等が挙げられる。
〈退色防止剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクでは、従来インクジェット用インクで公知の退色防止剤を用いることができる。この退色防止剤は、光照射による退色及びオゾン、活性酸素、NOx、SOx等の各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。そのような退色防止剤としては、例えば、特開昭57−74192号、同57−87989号及び同60−72785号に記載の酸化防止剤、特開昭57−74193号に記載の紫外線吸収剤、特開昭61−154989号に記載のヒドラジド類、特開昭61−146591号に記載のヒンダードアミン系酸化防止剤、特開昭61−177279号に記載の含窒素複素環メルカプト系化合物、特開平1−115677号及び同1−36479号に記載のチオエーテル系酸化防止剤、特開平1−36480号に記載の特定構造のヒンダードフェノール系酸化防止剤、特開平7−195824号及び同8−150773号に記載のアスコルビン酸類、特開平7−149037号に記載の硫酸亜鉛、特開平7−314882号に記載のチオシアン酸塩類等、特開平7−314883号に記載のチオ尿素誘導体等、特開平7−276790号及び同8−108617号に記載の糖類、特開平8−118791号に記載のリン酸系酸化防止剤が、特開平8−300807号に記載の亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩等が、また、特開平9−267544号に記載のヒドロキシルアミン誘導体等を退色防止剤として挙げることができる。さらに、特開2000−263928号等に記載のジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物等も、インクジェットにおける有効な退色防止剤の一つである。
〈pHバッファー剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクでは、pHバッファ剤をインク中に添加してもよい。例えば、有機酸や無機酸である。有機酸としては、例えば、非揮発性のフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、安息香酸、セバチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、蓚酸、ポリアクリル酸、ベンジル酸等各種の有機酸を挙げることができる。
〈消泡剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクでは、消泡剤を添加することができ、消泡剤としては特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば、信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明のインク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生しやすく、また、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
〈界面活性剤〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
(インクの調製)
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクの調製については、特に制限はないが、顔料、分散染料、無機微粒子、樹脂微粒子等の分散物を含むインクの調製を行う場合、調製過程での凝集、沈降が生じないようにインクを調製することが好ましい。必要に応じて、分散体、溶媒、水、感光性樹脂及びその他の添加物の添加順序、添加速度を調節する等の調合方法を取ることができる。また、調合中もしくは調合後のインクについて、分散の安定化、調合時に生じた凝集を再分散すること等を目的として、ビーズミルや超音波による分散処理、加熱処理等を行ってもよい。
(インクの物性)
〈粘度〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクの粘度は、特に制限はないが、2〜100mPa・sであることが好ましい。また、本発明のインクジェット用インクの粘度は、速度依存性がない方が好ましい。
本発明のインクジェット用インクにおいては、25℃における粘度が15mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは5〜15mPa・sである。
本発明でいうインク粘度(mPa・s)は、JIS Z 8809に規定されている粘度計校正用標準液で検定されたものであれば特に制限はなく、公知の方法に従って25℃で測定した粘度値であり、粘度測定装置としては、回転式、振動式や細管式の粘度計を用いることができ、例えば、Saybolt粘度計、Redwood粘度計等で測定でき、例えば、トキメック社製、円錐平板型E型粘度計、東機産業社製のE Type Viscometer(回転粘度計)、東京計器社製のB型粘度計BL、山一電機社製のFVM−80A、Nametore工業社製のViscoliner、山一電気社製のVISCO MATE MODEL VM−1A、同DD−1等を挙げることができる。
〈表面張力〉
また、本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいては、表面張力が40mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは20〜35mN/mである。
本発明でいうインクの表面張力(mN/m)は、25℃で測定した表面張力で値であり、その測定法は一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができる。具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、白金プレート法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができるが、本発明においては、白金プレート法により測定した表面張力値(mPa・s)で表し、例えば、協和界面科学製の表面張力計CBVP−Zを使用して測定できる。
〈電気伝導度〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクにおいては、インク保存安定性の観点から、電気伝導度が1〜500mS/mであることが好ましく、より好ましくは1〜200mS/mであり、さらに好ましくは、10〜100mS/mである。インクの電気伝導度が500mS/mを越えると、色材の析出等による出射不良が発生してしまう。また、1ms/m以下では、分散物を安定に存在させるための静電反発が十分に得られず、やはり凝集してしまう。従って、電気伝導度を1〜500mS/mにすることで、安定に分散物を存在させることができる。
本発明に係るインクにおいて、所望の電気伝導度を達成する手段として、特に制限はないが、本発明においては色材として顔料を用い、顔料の分散剤として高分子化合物(高分子分散剤)を用いる方法、あるいは電気伝導度調節剤、例えば、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機塩や、トリエタノールアミン等の水性アミン等を用いる方法を適宜選択、あるいは組み合わせることにより達成することができる。
本発明でいうインクの電気伝導度の測定は、JIS K 0400−13−10(1999)に記載の方法、あるいは特開昭61−61164号公報に示されているような方法に従って容易に行うことができる。
〈イオン濃度の調整〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インクの調製においては、イオン濃度を適宜調整することが好ましい。
所定濃度の染料水溶液をICP−AESにより測定し、インクで使用される染料濃度に換算してインクの状態のイオン濃度を算出する。水は蒸留水またはイオン交換水を使用することによりインク形成時のイオン濃度が推定できる。
次にその他の添加剤等を加えて、インクを調製し、インク中のイオン濃度をICPAESにより測定する。目標のイオン濃度を超えるときは、染料水溶液をイオン交換樹脂に通してイオン濃度を低下させることができる。イオン交換を複数回行い、さらにイオン濃度を低下することができる。これによっても所望のイオン濃度に至らなかった場合は、染料以外の添加剤についてもイオン交換等の処理を行う。また、必要に応じて、活性炭処理や限外濾過膜による濾過等の処理を加えてもよい。
〈脱気処理〉
本発明の記録方法に用いるインクジェット用インク中の溶存酸素濃度は、2ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1ppm以下である。インクジェットインク中の溶存酸素濃度が2ppmを超えると、インク吐出時にキャビテーションが発生し、出射不良が起こりやすくなる。
溶存酸素濃度を調節する方法に関しては特に制限はないが、インクジェットインクを減圧下で脱気する方法、超音波を照射して脱気する方法、特開平11−209670に記載のごとく、脱気用中空糸膜による脱気方法等が挙げられる。特に脱気用中空糸膜による脱気が好ましい。
〔記録媒体〕
次に、本発明に用いられる記録媒体について説明する。
本発明のインクジェット記録方法で適用可能な記録媒体としては、各種紙、各種フィルム、各種布、各種木材、各種インクジェット用記録媒体等が使用できるが、記録媒体が、印刷用塗工紙または非吸収性記録媒体であることが好ましい。
(印刷用塗工紙)
印刷用塗工紙とは、印刷でしばしば用いられる塗工紙であり、一般的には上質紙や中質紙を原紙とし、紙の表面に白土等の顔料を塗布した後、平滑性を高めるためにカレンダー処理をかけて作製される。このような処理により、白色度や平滑性、印刷インクの受理性、あるいは網点再現性、印刷光沢、印刷不透明度等が向上する。塗工量により、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の分類があり、また、紙の光沢によりグロス系、ダル系、マット系等に分類される。
アート紙は、塗工量が片面20g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、紙表面に顔料を塗工した後、カレンダー処理をかけて作製される。特アート、並アート、マット(艶消し)アート、片アート(片面塗工)、両アート(両面塗工)等の種類があり、具体的には、OK金藤N、サテン金藤N、SA金藤、ウルトラサテン金藤N、OKウルトラアクアサテン、OK金藤片面、Nアートポスト、NK特両面アート、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥アートN、雷鳥ダルアートN、ハイマッキンレーアート、ハイマッキンレーマット、ハイマッキンレーピュアダルアート、ハイマッキンレースーパーダル、ハイマッキンレーマットエレガンス、ハイマッキンレーディープマット等がある。
コート紙は、塗工量が片面10g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、抄紙機の途中に設けた塗工装置で加工して作製される。コート量がアート紙より少なく、平滑度はやや落ちるものの廉価、軽量という利点がある。また、軽量コートや微塗工紙というコート量のさらに少ない種類の塗工紙も存在する。これらのコート紙の具体例として、PODグロスコート、OKトップコート+、OKトップコートS、オーロラコート、ミューコート、ミューホワイト、雷鳥コートN、ユトリロコート、パールコート、ホワイトパールコート、PODマットコート、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、シルバーダイヤ、ユーライト、ネプチューン、ミューマット、ホワイトミューマット、雷鳥マットコートN、ユトリログロスマット、ニューVマット、ホワイトニューVマット等が挙げられる。
(非吸収性記録媒体)
非吸収性記録媒体とは、インクが着弾する表層がインクを吸収する空隙のないほぼ均質な状態となっている媒体のことである。ここで、インクを吸収する空隙とは、例えば紙等を形成する繊維間の空隙、インクを吸収して膨潤する性質を有した樹脂を形成する高分子間の空隙、及びフィラ−や樹脂粒子で形成された層内の空隙等である。
表層部にインク吸収する空隙を有した記録媒体は、高価である上に、耐久性、耐候性が低いという問題がある。一方、インク非吸収性の材料からなる記録媒体は安価である上に耐構成や耐久性を具備しているものが多数ある。よって、本発明に係るインクジェットプリンタで、インク非吸収性の材料に画像を形成できるようにすることで、広告媒体や包装材料等に適した印刷物を安価に作成することができる。
インクを吸収する空隙を表層に有さないインク非吸収性の材質としては、具体的には金属、ガラス、吸収層を有さないプラスチック、表面に樹脂をコートした紙等が挙げられる。上記材料の内、表面に樹脂をコートした紙や軟包装材料用のプラスチックフィルムが、安価かつ耐久性、耐候性を具備し、広告媒体や包装材料に適用が容易な点で好ましい。
軟包装材料用のプラスチックフィルムの具体的な材質としてはポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンが好ましく、上述の材質の共重合体、混合物や、上述のポリマーを互いに架橋して形成された材質も適用可能である。上述の材質の中では、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロンが透明性、寸法安定性、剛性、環境負荷、コストの面で好ましい。
上記プラスチックフィルムは厚み2〜100μmのものが包装材料として適用可能である。また、上記プラスチックフィルムは厚みが6〜80μmであるものが好ましい。上記プラスチックフィルムの厚みが2μmを下回る場合、強度が低いために容易に破れて内容物を収納、保護できなくなるという問題が生ずる。また、上記厚みが100μmを上回る場合、内容物を包装するための設備が特殊なものになり、コストが高くなるという問題が生ずる。また上記プラスチックフィルムは、厚みが10〜70μmのものがさらに好ましい。
〔画像形成〕
次に、図1を用い、インクジェットプリンタを用いて記録媒体に画像を形成する手順について説明する。
画像形成は、インクジェットヘッド2によるUVインクの吐出によって進行する。このとき、インクジェットヘッド2はキャリッジ駆動手段の動作によるキャリッジ3の往復移動により、記録媒体P上をX方向に走査する。この走査と併行してインクジェットヘッド2の吐出口からUVインクが吐出される。UVインクの吐出は、記録媒体P上に形成する画像のデータに基づいた制御手段の制御により、インクジェットヘッド駆動回路から吐出部に向けて電圧が印加されることによって行われる。
インクジェットヘッド2から吐出されるUVインクは順次記録媒体Pに着弾し、インクドットを形成する。このインクドットはレベリングにより記録媒体P上に広がる。
インクジェットヘッド2からのUVインクの吐出に引き続いて、記録媒体Pのインクドットが形成された領域に対する紫外線の照射が行われる。
インクジェットヘッド2の走査はUVインクの吐出と併行して行われる。よって、インクジェットヘッド2からUVインクが吐出され、このUVインクが記録媒体Pに着弾してインクドットを形成し、レベリングによって適度に広がった後、照射手段4がこのインクドットの直上に移動して紫外線を照射することとなる。こうして上記インクドットは滲んだりしないよう表層部で硬化する。
インクジェットヘッド2が記録媒体Pの全幅にわたってX方向に走査を行い、UVインクの吐出を行った後、搬送手段によって記録媒体PがY方向に適宜搬送される。記録媒体PのY方向への搬送後、さらにインクジェットヘッド2の走査とUVインク吐出が行われるとともに、吐出により形成されたインクドットが照射手段4による照射を受けて表層部で硬化する。
搬送手段によるY方向への搬送により、記録媒体Pのインクドットが形成された領域は二次照射手段8の直下の領域へ移動する。二次照射手段8で紫外線の照射を受けることにより、上記インクドットは内部まで硬化して記録媒体Pに堅固に接着される。
上述の動作を繰り返すことにより、記録媒体P上に画像が形成される。ここで、記録媒体Pが透明な材質の場合には、上述の動作を白色インクについて行うことで記録媒体Pの画像を形成する領域に白色インクをオペークホワイトとして塗布し、白打ちを行った後、Y、M、C、Kというプロセスカラー等を含むカラーインクについて上述の動作を繰り返すことで画像形成を行う。また、記録媒体Pが透過性を有さない材質の場合には、上記カラーインクについてのみ上記動作を繰り返すことで画像形成を行う。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例
《架橋性高分子化合物の合成》
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化率98%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水の225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が3.5モル%になるように加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂の30gを加え1時間攪拌した。イオン交換樹脂を濾過した後、純水により希釈し、架橋性高分子化合物3の15質量%水溶液を得た。架橋性高分子化合物3は、親水性主鎖であるポリ酢酸ビニルのケン化物に複数の側鎖を有しており、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物である。
《インクセットの調製》
〔インクセット1の調製〕
下記の方法に従って、イエローインク1、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
(イエローインク1の調製)
下記の組成物を順次混合し、ビーズミルを用いて分散した後、#3000の金属メッシュフィルターでろ過してイエローインク1を調製した。
架橋性高分子化合物3 固形分として2部
プロピレングリコール 10部
2−ピロリジノン 10部
活性剤:BYK347(ビックケミー社製) 0.05部
重合開始剤:イルガキュア2959 1部
顔料:Cab−O−Jet270(キャボット社製 イエロー自己分散顔料)
固形分として3部
防黴剤:Proxel GXL(アビシア社製) 0.2部
以上の各組成物にイオン交換水を加え、100部に仕上げた。
(マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1の調製)
上記イエローインク1の調製において、顔料をCab−O−Jet270に代えて、それぞれCab−O−Jet260(キャボット社製 マゼンタ自己分散顔料)、Cab−O−Jet250(キャボット社製 シアン自己分散顔料)、Cab−O−Jet300(キャボット社製 ブラック自己分散顔料)を用いた以外は同様にして、マゼンタインク1、シアンインク1、ブラックインク1を調製した。
〔インクセット2の調製〕
下記の方法に従って、イエローインク2、マゼンタインク2、シアンインク2、ブラックインク2から構成されるインクセット2(比較例)を調製した。
(イエローインク2の調製)
下記の組成物を順次混合し、ビーズミルを用いて分散した後、ディゾルバーを用いて1時間プレ分散を行った。さらにビーズミルを用いて練肉し、#3000の金属メッシュフィルターでろ過してイエローインク2を調製した。
活性エネルギー線反応性化合物:A−TMPT−3EO 5部
エチレングリコール 15部
1,2−ヘキサンジオール 8部
活性剤:オルフィンE1010(日信化学工業社製) 1部
重合開始剤:イルガキュア2959 0.5部
顔料:C.I.ピグメントイエロー74 3部
顔料分散剤:Solsperse20000(アビシア社製) 1部
防黴剤:Proxel GXL(アビシア社製) 0.2部
以上の各組成物にイオン交換水を加え、100部に仕上げた。
上記イエローインク2の調製において、顔料をC.I.ピグメントイエロー74に代えて、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントブルー15:3、カーボンブラックをそれぞれ用いた以外は同様にして、マゼンタインク2、シアンインク2、ブラックインク2を調製した。
〔インクセット3の調製〕
以下の組成で顔料、分散剤等を配合してイエロー顔料分散物Y1、マゼンタ顔料分散物M1、シアン顔料分散物C1及びブラック顔料分散物K1を得た。
配合は、まず少量のフェノキシエチルアクリレートを所定量の顔料、分散剤、及びアクリル系樹脂とともに加圧ニーダーによりプレ分散し、十分に顔料表面を濡らした後、3本のロールミルによって練肉を行ない、引き続いて残りのフェノキシエチルアクリレートを足すとともにビーズミルによる分散を行なうことで行なった。
〈イエロー顔料分散物Y1〉
ピグメントイエロー180(顔料) 15.0質量部
ノニオン系分散剤(分散剤) 1.5質量部
フェノキシエチルアクリレート(重合性組成物) 80.0質量部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5質量部
〈マゼンタ顔料分散物M1〉
ピグメントバイオレット19(顔料) 15.0質量部
ノニオン系分散剤(分散剤) 1.5質量部
フェノキシエチルアクリレート(重合性組成物) 80.0質量部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5質量部
〈シアン顔料分散物C1〉
ピグメントブルー15:3(顔料) 15.0質量部
ノニオン系分散剤(分散剤) 1.5質量部
フェノキシエチルアクリレート(重合性組成物) 80.0質量部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5質量部
〈ブラック顔料分散物M1〉
ピグメントバイオレット19(顔料) 15.0質量部
ノニオン系分散剤(分散剤) 1.5質量部
フェノキシエチルアクリレート(重合性組成物) 80.0質量部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5質量部
上記の顔料分散物Y1、M1、C1、K1を用い、表1に示すように配合して、イエローインク3、マゼンタインク3、シアンインク3、ブラックインク3から構成されるインクセット3を調製した。インクの配合は、まず顔料分散物以外の表1に示す全ての材料を配合し、十分に溶解したことを確認してから、前記の顔料分散物を少しづつ加えた後、ディゾルバーを用い十分に攪拌することで行なった。配合後、10μmのフィルターでプレろ過を行ない、引き続き0.8μmのフィルターでろ過を行なった。
Figure 2007136811
ここで、表1における略号が示すものは下記の通りである。
DPCA60:日本化薬社製、KAYARAD DPCA(カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
TEGDA:大阪有機化学社製、ビスコート#335HP(テトラエチレングリコールジアクリレート)
PO−A:共栄社化学製、ライトアクリレートPO−A(フェノキシエチルアクリレート)
I369:開始剤、チバ・スペシャリティ・ケミカル製、Irgacure369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
《画像形成》
上記インクセットを用いて、インクジェットプリンタによる記録媒体に対する画像形成を行った。画像形成を施す記録媒体には、インク吸収性のほとんどない印刷用キャストコート紙であるミラーコートプラチナ(王子製紙製)を用いた。
図1のキャリッジ3をX方向に移動させるための駆動力を発生するキャリッジ駆動手段にはワイ・イー・ドライブ社製UGFMED−B5L(定格電圧:DC30V、定格トルク:0.0529N・m、定格回転数:4200rpm、定格出力:23W、定格電流:1.1A、停動トルク:0.392N・m以上、無負荷回転数:4635rpm±10%)を動力源として用いた。
インクジェットヘッド2は、ノズル径23μm、128ノズルのピエゾ型インクジェットヘッドを用いた。照射手段4の発生部には、Vzero85(Integrated technology社製)を用い、二次照射手段8の発生部には超小型冷陰極ブラックランプTBB30シリーズ(ハイベック社製)を用いた。
インクジェットヘッド2にUVインクを供給するインク供給系はメインタンク、中間タンク6の他に供給パイプ、フィルター付き配管を備え、中間タンク6からインクジェットヘッド2にかけて遮光を行った。
1回に吐出されるインクの量は7plに設定した。駆動周波数は、後述する画質及び点質の評価の際には720×720dpi(dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像形成を行えるよう、10kHzに設定した。また、後述する高速印字適性の評価の際には360×360dpiの解像度で画像形成を行えるよう40kHzに設定した。また、照射手段4及び二次照射手段8から照射する紫外線の照度は記録媒体Pにおいて30mW/cm2となるよう調整した。
上述のインクジェットプリンタ1、記録媒体P、インクセット1について、各実施例及び比較例における画像形成を下記の条件で行った。
インクジェット記録方法1では、Y、M、C、Kの4色についてそれぞれ1個のインクジェットヘッド2を用いて画像形成を行った。照射手段4は発生部にVzero85を用い、図2(b)に示すようにインクジェットヘッド2と交互に配列した。
インクジェット記録方法2では、記録媒体にポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、インクジェット記録方法1と同じ条件とした。
インクジェット記録方法3では、照射手段4の発生部にLEDを用い、記録媒体にSA金藤+(王子製紙製)を用いた以外は、インクジェット記録方法1と同じ条件とした。
インクジェット記録方法4では、照射手段4の発生部にVzero85(Integratedtechnology社製)を用い、発生部に用いる光源の種類以外は実施例1と同じ条件とした。また、インクジェット記録方法5、6では、搭載するインクセットをインクセット2,3とした以外は、インクジェット記録方法1と同じ条件とした。
インクジェット記録方法1〜6の条件では、キャリッジ3の搭載質量はそれぞれ表1に示すようになった。これらの条件で、キャリッジ3に駆動力を30N付与することによりキャリッジ3の往復移動を行い、記録媒体Pに対して画像形成を行って形成された画像の画質等について評価を行った。
さらに、インクジェット記録方法4におけるキャリッジ3の駆動力を45Nに設定して記録媒体Pに対して画像形成を行い、形成された画像の画質等について評価を行った。これをインクジェット記録方法7とした。
《画像形成》
インクジェット記録方法1〜7で作成した画像の評価を行った。
(画質)
下記の基準に従い、目視により評価した。
○:画像のムラがほとんどなく、良好な画質である
×:画像に白抜けやムラが見られる
(高速印字性)
解像度を360×360dpi、駆動周波数を40kHzに設定し、インクジェットヘッド2が走査する速度である主走査速度を1.0m/s、1.5m/s、2.0m/sと変えて印字を行い、画像形成の生産性を評価した。
◎:主走査速度2.0m/sでも安定して印字可能
○:主走査速度1.5m/s以上でも安定して印字可能
×:主走査速度1.0m/sでは印字が不安定
(インク硬化性)
インク硬化性の評価として、異なる色間の滲みを下記基準に従って目視評価した。
○:色間の滲みは、ほとんど生じていない
×:色間の滲みが発生している
(画像光沢)
下記の基準に従い、目視により評価した。
○:印字部と非印字部の違和感が少なく、光沢感の良好な画像である
×:画像部と非画像部の違和感があり、光沢感に劣る画像である
評価の結果を表2に示す。
Figure 2007136811
表2より、本発明のインクジェット記録方法1〜3では、大判の記録媒体に対して、光沢の違和感がない高画質な画像を高能率で形成可能であることが分かる。
表2に示すように、インクジェット記録方法1〜3では、キャリッジ3の搭載質量を1〜10kgに設定することで、ムラがきわめて少ない安定した画質で画像を形成できた。また、キャリッジ3を往復移動させる際の駆動力を30Nとすることで、主走査速度を1.5m/s以上とした場合でも高い生産性で能率よく画像形成を行うことができた。さらに活性エネルギー線により架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクセット1を用いることにより、前記構成のインクジェット装置において、インクは良好な硬化性を示し、かつ光沢に優れた画像を得ることができた。
このように、キャリッジ3にインクジェットヘッド2や照射手段4といったUVインクの吐出や紫外線照射に係る構成要素を搭載した状態の質量である搭載質量を10kg以下とし、キャリッジ3を移動させる駆動力を40Nとすることで、キャリッジ3が移動する際の初速度を高めて、高い応答性でインクジェットヘッド2を走査させた場合でも、インクジェットヘッド2の速度や位置を高精度で制御して大判の記録媒体Pに画像を形成することができる。よって、大判の記録媒体Pに画像を高画質、高能率で形成することができる。
また、キャリッジ3の搭載質量を10kg以下とすることで、キャリッジ駆動手段等の他の構成要素をコンパクトに作成することができる。よって、インクジェットプリンタ1を設置場所に制約を受けないコンパクトなものとすることができる。
また、キャリッジ3の総裁質量を1kg以上とすることで、キャリッジ3にプロセスカラーインクを吐出するインクジェットヘッド2に加えて特色インクを吐出するインクジェットヘッド2を搭載することができる。よって、ユーザーの意図に合った階調でカラー画像を形成したり、透明な記録媒体Pに対して白打ちを施したりすることができる。また、印字幅の広いインクジェットヘッド2を適用して高速での画像形成を行うといったこともできる。
また、本発明に係るインクジェットプリンタ1は、大判の記録媒体Pに画像を高画質、高能率で形成できる。こうして耐候性、耐久性を具備した安価な材料に画像を高画質、高能率で形成できるようにすることで、耐候性、耐久性を具備した安価な印刷物を、高画質、高能率で提供することができる。
なお、本発明に係るインクジェットプリンタ1において、キャリッジ3の搭載質量を1〜10kgとする手段は、上述の実施例のように発生部に適用する光源を軽量化するものとは限らない。
搭載質量を上記範囲とするためには、例えば中間タンク6やインクジェットヘッド駆動回路といった構成要素を軽量化したり、キャリッジ3の外部に設置したりするといった方法もある。
また、照射手段4の発生部をキャリッジ3に搭載せず、キャリッジ3から離間して設置する構成としてもよい。この場合、キャリッジ3にはミラーやプリズムといった光学系を搭載し、発生部で発生した紫外線等の活性エネルギー線をこの光学系によって記録媒体P上に導くことで、インクドットの形成後、速やかにこのインクドットに活性エネルギー線を照射することとしてもよい。また、照射手段4は、キャリッジ3が往復移動する領域の直上に、記録媒体Pの全幅にわたって活性エネルギー線を照射可能な形態で設置することとしてもよい。
キャリッジ3の搭載質量を1〜10kgとする手段は設計事項であり、画像を高画質、高能率で記録媒体Pに形成できることを条件にして適宜決定される。
なお、本発明に係るインクジェットプリンタ及び画像記録方法は上述のものに限らない。インクドットに対して走査により照射される活性エネルギー線は、紫外線とは限らない。本発明に係るインクジェットプリンタ1及び画像記録方法では、可視光線、赤外線、電子線、X線といった活性エネルギー線を用いてインクドットを硬化させることとしてもよい。
例えば、本発明に係るインクジェットプリンタ及び画像記録方法は、電子線を記録媒体上のインクドットに照射する構成としてもよい。活性エネルギー線として電子線を適用することで、重合開始剤を含まない安価なインクを適用した場合でも、速やかにインクドットを硬化させることができる。よって、記録媒体Pに高画質な画像を、高生産性かつ安価に形成することができる。
それに加えて、活性エネルギー線として電子線を適用した場合、発生や照射に伴う熱の発生は紫外線の場合に較べて少ないので、インクジェットプリンタ1の冷却に要する経費を軽減することができる。
活性エネルギー線として電子線を照射するタイプの照射手段としては、例えば「UV・EB硬化技術の展開」(ラドテック研究会編、1999年版、95ページ)や「塗装技術」の2001年10月号90ページといった文献で公知のものが適用可能である。
上記照射手段に適用される電子線照射用の電子加速器としては、カーテンビーム式のものが、比較的安価で大出力を実現できる点で好ましい。
また、電子線照射の際の加速電圧は100〜300kVであることが好ましい。上記加速電圧が100kVを下回る場合には、インクドットに照射する電子線に十分なエネルギーが付与されず、インクドットが十分に硬化できないという問題が生じる。一方、上記加速電圧が300kVを超える場合には、照射手段の作成製電子線照射、維持管理に係る経費が増大するという問題が生じる。
また、インクドットが電子線を吸収する吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。上記吸収線量が0.5Mradを下回る場合にはインクドットは記録媒体P上で十分に硬化せず、インクの滲んだり画像の強度が低くなったりするといった問題が発生する。また、上記吸収線量が10Mradを超える場合には記録媒体Pが劣化するといった問題が発生する。
また、その他の種類の活性エネルギー線として、波長800nm以上の赤外線をエネルギー線として適用することとしてもよい。この場合には、熱反応により硬化する性質を有するエネルギー線硬化インクが適用可能である。上記エネルギー線硬化インクとしては、熱反応開始剤としてベンゾイルパーオキサイド等の過酸化化合物、AIBN等のジアゾ化合物(熱ラジカル発生剤)や先述の実施例で例示した光酸発生剤と共通の化合物を適用したもの等が適用可能である。また、開始助剤として、シアニン色素、スクワリリウム色素、ポリメチン色素、カーボンブラック、チタンブラックといった近赤外線を吸収して熱を輻射する傾向が強い物質を適用することとしてもよい。
また、本発明に係るインクジェットプリンタは二次照射手段を備えるものとは限らない。照射手段の照射のみでインクドットを硬化させた際、インクドットが十分な強度を具備して硬化するとともに、記録媒体に対して高い接着性で接着することで画像に十分に高い強度を付与するのであれば、インクジェットプリンタは二次照射手段を備えない構成としてもよい。
本発明に係るインクジェットプリンタの概略を示す斜視図である。 本発明に適用されるキャリッジに搭載される構成要素の配置の例を示す要部斜視図である。 本発明に適用されるインクジェットヘッドの配置の例を示す要部上面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
3 キャリッジ
4 照射手段
6 中間タンク
8 二次照射手段
P 記録媒体

Claims (8)

  1. 記録媒体の上を往復移動するキャリッジと、前記キャリッジを往復移動させるキャリッジ駆動手段と、前記キャリッジに搭載して設置され、前記記録媒体に向けてインクを吐出するインクジェットヘッドと、活性エネルギー線発生部を有し、インクが吐出された記録媒体に向けて活性エネルギー線を照射する照射手段とを備え、
    前記キャリッジと前記キャリッジに搭載される物とを合わせた質量が1〜10kgであるとともに、
    前記キャリッジ駆動手段が前記キャリッジを往復移動させるための駆動力が40N以下であるインクジェット記録装置を用い、
    水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を少なくとも含有するインクを前記インクジェットヘッドより吐出し、インクが吐出された記録媒体に活性エネルギー線を照射して画像形成することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インクジェットヘッドが吐出するインクの色が、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記活性エネルギー線発生部は、前記キャリッジに搭載されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記活性エネルギー線発生部は、蛍光灯を有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記活性エネルギー線発生部は、LDまたはLEDを有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インクを前記インクジェットヘッドより吐出し、インクが吐出された記録媒体に活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記記録媒体が、印刷用塗工紙であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記記録媒体が、非吸収性記録媒体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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