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JP2007016102A - 環状オレフィン系重合体組成物および成形材料 - Google Patents

環状オレフィン系重合体組成物および成形材料 Download PDF

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JP2007016102A JP2005197615A JP2005197615A JP2007016102A JP 2007016102 A JP2007016102 A JP 2007016102A JP 2005197615 A JP2005197615 A JP 2005197615A JP 2005197615 A JP2005197615 A JP 2005197615A JP 2007016102 A JP2007016102 A JP 2007016102A
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olefin polymer
polymer
norbornene
crystalline
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Shigetaka Hayano
重孝 早野
Yasuo Tsunokai
靖男 角替
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】
透明性及び耐ソルベントクラック性に優れる環状オレフィン系重合体組成物、及びこの組成物を含有する成形材料を提供する。
【解決手段】
重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であり、融点を有する結晶性環状オレフィン系重合体(A)と、重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、融点を有しない非晶性環状オレフィン系重合体(B)とを含有する重合体組成物であって、前記結晶性環状オレフィン系重合体(A)の全重合体組成物に対する割合が、1〜99重量%である環状オレフィン系重合体組成物、及びこの組成物を樹脂成分として含有する成形材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、結晶性環状オレフィン系重合体と非晶性環状オレフィン系重合体とを含有する重合体組成物に関し、より詳しくは、透明性及び耐ソルベントクラック性に優れた環状オレフィン系重合体組成物、及び該組成物からなる成形材料に関する。
ノルボルネン系開環重合体水素化物やノルボルネン系付加共重合体などの環状オレフィン系重合体は、非晶性で透明性や光学特性に優れる上、耐熱性、低吸水性にも優れるため、光学レンズや光学フィルムなどの光学材料;シリンジ、バイアルなどの医療用途;食器などの容器用途;電子絶縁部材などの電子・電気部品用途;などに広く使用されている。
しかしながら、これらの非晶性環状オレフィン系重合体は、主鎖構造が炭化水素からなるため、油脂などの有機溶剤に対する限界応力が低く、成形品に油脂などが付着するとクラックが発生するなどの問題があり、使用範囲が限定されていた。
その対策として、結晶性ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)などを添加する方法が提案されている(特許文献1、2)が、非晶性環状オレフィン系重合体との相溶性が悪く、透明性が低下するという問題がある。
したがって、透明性や低吸水性、耐熱性を維持したまま、耐ソルベントクラック性を持つ環状オレフィン系重合体の開発が強く望まれていた。
特開平5−51512号公報 特開平5−70641号公報
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、透明性及び耐ソルベントクラック性に優れる環状オレフィン系重合体組成物、及び該組成物からなる成形材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の結晶性環状オレフィン系重合体と非晶性環状オレフィン系重合体とを混合すると、結晶性環状オレフィン系重合体が非晶性環状オレフィン系重合体中に相溶または分散することにより、高い透明性を維持しつつ、油脂などに対する限界応力が大幅に増大して、高い耐ソルベントクラック性を有する重合体組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であり、融点を有する結晶性環状オレフィン系重合体(A)と、重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、融点を有しない非晶性環状オレフィン系重合体(B)を含有する重合体組成物であって、前記結晶性環状オレフィン系重合体(A)の全重合体組成物に対する割合が、1〜99重量%である環状オレフィン系重合体組成物が提供される。
本発明の組成物においては、前記結晶性環状オレフィン系重合体(A)が、ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物であるのが好ましい。
本発明の第2によれば、本発明の環状オレフィン系重合体組成物を樹脂成分として含有する成形材料が提供される。
本発明によれば、透明性及び耐ソルベントクラック性に優れた環状オレフィン系可塑性樹脂、及び成形材料が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の環状オレフィン系重合体組成物は、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であり、融点を有する結晶性環状オレフィン系重合体(A)と、重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、融点を有しない非晶性環状オレフィン系重合体(B)とを含有する重合体組成物であって、前記結晶性環状オレフィン系重合体(A)の全重合体組成物に対する割合が、1〜99重量%であることを特徴とする。
(1)結晶性環状オレフィン系重合体(A)
本発明に用いる結晶性環状オレフィン系重合体(A)は、環状オレフィンを重合(場合によっては、さらに水素化)して得られる重合体のうち、示差走査熱量計(DSC)で融点を観測することができ、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000である結晶性を有する環状オレフィン系重合体であれば、特に制約はない。
具体的には、ノルボルネン開環重合体水素化物やジシクロペンタジエンのシンジオタクチック開環重合体水素化物や、イソタクチック開環重合体水素化物、テトラシクロドデセンのシンジオタクチック開環重合体水素化物やイソタクチック開環重合体水素化物などのノルボルネン系単量体の結晶性開環重合体水素化物(A−1)、あるいは、ノルボルネン−エチレン交互付加共重合体などの結晶性ノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体(A−2)、さらに、シクロペンテンやノルボルネンの立体規則付加重合体などの結晶性環状オレフィン付加重合体(A−3)などを挙げることができる。
本発明の環状オレフィン系重合体組成物においては、結晶性環状オレフィン系重合体(A)として、上記した重合体を一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、結晶性環状オレフィン系重合体(A)としては、結晶化度が高く、耐ソルベントクラック性の効果が高いことから、結晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物(A−1)が好ましく、ノルボルネン開環重合体水素化物とジシクロペンタジエン開環重合体水素化物が特に好ましい。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)は、ノルボルネン開環重合体水素化物以外は規則性の高い構造を有する重合体であるため、立体規則性を発現する重合触媒を用いて重合することにより製造することができる。立体規則性を発現する重合触媒としては、例えば、WO2001/14446号パンフレットや特開2005−89744号公報に記載されているW、Mo触媒を挙げることができる。
ノルボルネン開環重合体水素化物(A−1に含まれる。)は立体規則性が低くても結晶性を有するので、一般に知られているメタセシス開環重合触媒、例えば、“Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization”(ACADEMIC PRESS,1997年)に記載されている重合触媒などで重合後、水素化することにより得られる。例えば、結晶性を有するノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物(A−1)を合成する重合触媒として、WO2001/14446号パンフレットに記載のW系触媒やMo系触媒を用いることができる。
結晶性を有するノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体(A−2)を合成する重合触媒としては、例えば、WO1996/40806号パンフレットに記載のメタロセン系触媒を用いることができる。
なお、ノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体において、ノルボルネン系単量体の共重合組成比が低いと、ポリオレフィン連鎖による結晶性が発現されるが、本発明にはポリオレフィンに由来する結晶性重合体は含まれない。したがって、本発明の結晶性を有するノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体は、ノルボルネン系単量体の共重合組成比が30モル%以上で、ポリオレフィンの融点よりも高い融点を有する結晶性重合体である。
結晶性を有する環状オレフィン付加重合体(A−3)を合成する重合触媒としては、例えば、特表2000−515195号公報に記載されたNi,Pd触媒などを挙げることができる。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)の融点(Tm)は、50〜450℃が好ましく、80〜400℃がより好ましく、100〜350℃が特に好ましい。融点が低すぎると耐熱性に問題があり、高すぎると熱可塑性樹脂として溶融成形するのが困難となる。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜1,000,000、好ましくは2,000〜800,000、より好ましくは5,000〜500,000である。分子量が小さすぎると、耐ソルベントクラック性の効果が低くなり、分子量が大きすぎると、溶融粘度が高くて溶融成形が困難となる。
(2)非晶性環状オレフィン系重合体(B)
本発明に用いる非晶性環状オレフィン系重合体(B)は、環状オレフィンを重合して得られる重合体のうち、示差走査熱量計(DSC)で融点が観測できず、ガラス転移温度(Tg)のみが観測でき、重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000である結晶性のない環状オレフィン系重合体であれば、特に制約はない。
具体的には、ノルボルネン系単量体の非晶性開環重合体水素化物(B−1)、非晶性ノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体(B−2)、非晶性環状オレフィン付加重合体(B−3)などを挙げることができる。
本発明の環状オレフィン系重合体組成物においては、非晶性環状オレフィン系重合体(B)として、上記した重合体を一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、非晶性環状オレフィン系重合体(B)としては、溶融成形性に優れることから、非晶性ノルボルネン系開環重合体水素化物(B−1)または非晶性ノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体(B−2)が好ましい。
非晶性環状オレフィン系重合体(B)は、一般的に知られている重合触媒で重合することにより製造することができる。
ノルボルネン系単量体の非晶性開環重合体水素化物(B−1)は、例えば、特開平4−77520号公報、WO00/73366号公報に記載の重合触媒、水素化触媒、製造方法を用いて製造することができる。
非晶性ノルボルネン系単量体/α−オレフィン付加共重合体(B−2)は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開平3−45612号公報、特表平11−508635号公報、特開2004−107442号公報、特開2004−107486号公報などに記載されている重合触媒、重合方法を用いて製造することができる。
非晶性環状オレフィン付加重合体(B−3)は、例えば、特開平3−258814号公報、特表平9−5086号公報、特開2004−107442号公報などに記載されている重合触媒、重合方法を用いて製造することができる。
非晶性環状オレフィン系重合体(B)のガラス転移温度(Tg)は、40〜400℃が好ましく、45〜350℃がより好ましく、50〜300℃が特に好ましい。Tgが低すぎると耐熱性に問題があり、高すぎると熱可塑性樹脂として溶融成形するのが困難となる。
非晶性環状オレフィン系重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜1,000,000、好ましくは15,000〜800,000、より好ましくは20,000〜500,000である。分子量が小さすぎると機械強度が低くなり、分子量が大きすぎると溶融粘度が高くて溶融成形が困難となる。
(3)環状オレフィン系重合体組成物
本発明の環状オレフィン系重合体組成物は、上述の結晶性環状オレフィン系重合体(A)と、非晶性環状オレフィン系重合体(B)との混合物である。該混合物の組成比は、結晶性環状オレフィン系重合体(A)の全重合体組成物に対する割合が、1〜99重量%であり、この範囲で、目的に応じて任意の組成を選択することができる。
例えば、耐ソルベントクラック性をできる限り高めたい場合には、(A)の含有率を高めればよく、良好な溶融成形性を維持したい場合には、(A)の含有率を下げればよい。また、(A)と(B)の両者の特長をバランスよく有する重合体組成物としたい場合には、(A)の全重合体組成物に対する割合を、組成物全体に対して、2〜95%重量%とするのが好ましく、5〜90重量%とするのがより好ましく、10〜50重量%が特に好ましい。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)と非晶性環状オレフィン系重合体(B)の混合方法は、両者が均一に混合できればいかなる方法でもよい。例えば、(i)顆粒状または粉末状の(A)と(B)を混合した後、溶融混練する方法、(ii)(A)または(B)の少なくともどちらかが溶解する溶剤中で両者を混合した後、溶剤を留去する方法、(iii)(A)または(B)の少なくとも一方が溶解する溶剤中で両者を混合した後、両者の貧溶媒と混合して凝固回収する方法などが挙げられる。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)と非晶性環状オレフィン系重合体(B)は互いの主鎖構造が似通っているので、両者が完全に相溶するか、ミクロに分散した状態となるため、高い透明性が維持される。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)である(A−1)、(A−2)、(A−3)と、非晶性環状オレフィン系重合体(B)である(B−1)、(B−2)、(B−3)とは、いずれの組み合わせでも混合することができるが、より主鎖構造が近い(A−1)と(B−1)との組み合わせ、(A−2)と(B−2)との組み合わせ、(A−3)と(B−3)との組み合わせが、相溶性や分散性に優れるため好ましい。
さらに、好ましい組み合わせとしては、(A)としてノルボルネン開環重合体水素化物または結晶性ジシクロペンタジエン開環重合体水素化物を用い、(B)として、無極性のノルボルネン系開環重合体水素化物を用いる場合である。ここで、無極性のノルボルネン系開環重合体水素化物とは、極性基を有さず、炭化水素基を置換基として有していても良いノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物である。
無極性のノルボルネン系開環重合体水素化物としては、具体的には、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン)、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの開環重合体水素化物を挙げることができる。
結晶性環状オレフィン系重合体(A)と非晶性環状オレフィン系重合体(B)の重合体組成物は、(i)(A)と(B)が完全に相溶した非晶性の重合体組成物となる場合、(ii)(A)と(B)の完全相溶物の一部が結晶化した結晶性を有する組成物となる場合、(iii)(A)と(B)は相溶せず、分散した状態の非晶性重合体組成物となる場合、および(iv)(A)と(B)は相溶せず、分散した状態で(A)の一部が結晶化した結晶性を有する組成物となる場合などがある。これらの違いは、それぞれDSCを測定することによって区別することができる。
(i)の場合は、融点による融解ピークが観測されず、(A)と(B)のTgと組成比から計算される温度付近に1つのTgが観測される。
(ii)の場合は、(A)由来のTmが観測され、結晶化した(A)を除いた(A)と(B)のTgと組成比から計算される温度付近にTgが1つ観測される。但し、Tgが融解ピークに重なって観測できない場合もある。
(iii)の場合は、融解ピークは観測されず、(A)と(B)に由来する2つのTgが観測される。
(iv)の場合は、融解ピークと(A)と(B)に由来する2つのTgが観測される。但し、Tgが融解ピークに重なって観測できない場合もある。
(i)〜(iv)のいずれの場合も本発明に含まれるが、透明性が高く、耐ソルベントクラック性に優れる観点から、(i)と(ii)の場合が好ましい。なお、(i)、(iii)の場合は融点が観測されないが、組成物を溶媒に溶かして溶液中で結晶化したり、溶融状態で(A)の結晶化温度に保持して結晶化すると、融点が観測されるので、(A)と(B)の混合物であることがわかる。
本発明の環状オレフィン系重合体組成物は、結晶性環状オレフィン系重合体(A)と非晶性環状オレフィン系重合体(B)と所定割合で混合することにより、結晶性環状オレフィン系重合体(A)が非晶性環状オレフィン系重合体(B)中に相溶または分散させることができ、高い透明性を維持しつつ、油脂などに対する限界応力が大幅に増大して、高い耐ソルベントクラック性を有するものである。従って、本発明の重合体組成物は、結晶性環状オレフィン系重合体(A)と非晶性環状オレフィン系重合体(B)とからなるものであるのが好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲で他の樹脂を含有していてもよい。
他の樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの公知の樹脂が挙げられる。他の樹脂の含有量は、重合体組成物全体に対して、通常0〜1重量%、好ましくは0〜0.5重量%である。
本発明の環状オレフィン系重合体組成物は、耐ソルベントクラック性に優れているため、後述するように、熱可塑性樹脂として広範な用途の成形材料として有用である。
(4)成形材料
本発明の成形材料は、本発明の環状オレフィン系重合体組成物を樹脂成分として含有することを特徴とする。
本発明の成形材料は、本発明の重合体組成物を樹脂成分として含有するものであるが、必要に応じて公知の添加剤を含有させることができる。
公知の添加剤としては、充填材、酸化防止剤、離型材、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコンオイル、発泡剤、界面活性剤、光安定剤、滑剤や分散助剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、結晶化核剤、防曇剤、有機物充填材、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの添加剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
添加剤の添加量は、特に制限されず、本発明の効果を損なわない範囲で、添加する目的に応じて適宜定めることができる。
成形材料を製造する方法としては、本発明の環状オレフィン系重合体組成物及び必要に応じて添加する添加剤等とを混練りすることによりペレット状の成形材料を得る方法;適当な溶媒中で本発明の環状オレフィン系重合体組成物及び必要に応じて添加する添加剤等を混合し、溶媒を除去することにより成形材料を得る方法等が挙げられる。
混練は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、フィーダールーダー等の溶融混練機等を用いることができる。混練り温度は、200〜400℃の範囲であると好ましく、240〜350℃の範囲であるとより好ましい。また、混練りするに際しては、各成分を一括添加して混練りしても、数回に分けて添加しながら混練りしてもよい。
成形材料は、公知の成形手段、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法等を用いて成形体にすることができる。成形体の形状は用途に応じて適宜選択できる。
得られる成形体の用途としては特に限定されないが、光ディスク、光学レンズ、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学材料;液体、粉体、又は固体薬品の容器(注射用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリング容器(血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具(注射器等)、医療器具等の滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ用、コンタクトレンズ用等)、実験・分析器具(ビーカー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用光学部品(医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材料(医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等)、人工臓器やその部品義(歯床、人工心臓、人造歯根等)等の医療用器材;
ボトル、リターナブルボトル、哺乳瓶、フィルム、シュリンクフィルム等の食品用容器;処理用又は移送用容器(タンク、トレイ、キャリア、ケース等)、保護材(キャリアテープ、セパレーション・フィルム等)、配管類(パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等)、液体用容器類(サンプリング容器、ボトル、アンプルバッグ等)の電子部品処理用器材;被覆材(電線用、ケーブル用等)、民生用・産業用電子機器匡体(複写機、コンピューター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、ビデオカメラ等)、構造部材(パラボラアンテナ構造部材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部材等)等の電気絶縁材料;
一般回路基板(硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等)、高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等)等の回路基板;透明導電性フィルム(液晶基板、光メモリー、面発熱体等)の基材;半導体封止材(トランジスタ封止材、IC封止材、LSI封止材、LED封止材等)、電気・電子部品の封止材(モーター封止材、コンデンサー封止材、スイッチ封止材、センサー封止材等)の封止材;ルームミラーやメーター類のカバー等自動車用内装材料;ドアミラー、フェンダーミラー、ビーム用レンズ、ライト・カバー等自動車用外装材料;等が挙げられる。
以下、実施例、および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。実施例中の部および%は、特に断りのない限り重量基準である。実施例および比較例中の試験および評価は以下の方法で行った。
(1)重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラン、またはクロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(2)重合体の共重合比と水素化率は、H−NMR測定により求めた。
(3)融点(Tm)とガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)を用い、10℃/分で昇温して測定した。
(4)油脂に対する限界応力は、以下の方法で測定した。後述するポリマーサンプルを用いて200〜280℃で熱プレス後、急冷して成形した10mm×100mm×1mmの試験片を、断面が長径200mm、単径80mmの楕円形の、高さl0mmの楕円柱を同形に4等分した治具の曲面に固定して、室温でサラダ油に1時間浸潰した後に、クラックの発生した位置から限界応力を計算した。
[製造例1]結晶性環状オレフィン系重合体(A)の合成
窒素置換した撹拌機付きオートクレーブに、70%ノルボルネン/トルエン溶液35.7部と1−ヘキセン0.048部、シクロヘキサン49.3部を加えて撹拌した。続いてビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.022部を8.6部のトルエンに溶解した溶液を加えて、60℃で30分間撹拌した。
得られた重合溶液の1部をサンプリングして分子量を測定したところ、Mn=109,200、Mw=195,400であった。
さらに、重合溶液にエチルビニルエーテル0.019部を加えて撹拌した後、水素圧力1.0MPa、150℃で20時間水素化反応を行った。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、ろ別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥し、34部の重合体水素化物を得た。
得られたノルボルネン開環重合体水素化物は、室温ではテトラヒドロフランとクロロホルムに溶解しないため、GPCの測定を行うことができなかった。H−NMR測定において、重合体主鎖中の炭素−炭素二重結合由来のピークは観測されず、主鎖水素化率は99%以上であった。融点(Tm)=142℃(融解熱(ΔH)=52J/g)であった。
[製造例2]結晶性環状オレフィン系重合体(A)の合成
窒素置換した撹拌機付きオートクレーブに、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド・ジエチルエーテル0.060部とシクロヘキサン1.0部を添加した。さらにジエチルアルミニウムエトキシド0.047部をヘキサン0.50部に溶解した溶液を添加して、室温にて30分撹拌した。得られた混合物に、ジシクロペンタジエン7.5部、シクロヘキサン27.0部、1−オクテン0.3部を添加し、50℃で3時間重合反応を行った。
得られた重合溶液の一部をサンプリングして分子量を測定したところ、Mn=10,300、Mw=28,000であった。
さらに、重合溶液にビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.047部及びエチルビニルエーテル1.1部をシクロヘキサン35.0部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧1.0MPa、160℃で20時間水素化反応を行った。反応溶液を大量のイソプロパノールに注いでポリマーを完全に析出させ、ろ別洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥し、7.5部の重合体水素化物を得た。
得られたノルボルネン開環重合体水素化物は、室温ではテトラヒドロフランとクロロホルムには溶解しないため、GPCの測定を行うことができなかった。H−NMR測定においては、炭素−炭素二重結合由来のピークは観測されず、水素化率は99%以上であった。開環重合体水素化物のラセモ・ダイアッドの割合は、80%であった。Tm=272℃(ΔH=51J/g)であった。
[製造例3]非晶性環状オレフィン系重合体(B)の合成
70%ノルボルネン/トルエン溶液35.7部、1−ヘキセン0.048部、シクロヘキサン49.3部を、それぞれ9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン25.0部、1−ヘキセン0.17部、シクロヘキサン65.0部に変更した以外は、製造例1と同様にして重合し、さらに水素化して開環重合体水素化物を得た。
得られた開環重合体は、Mn=14,600、Mw=31,200であり、開環重合体水素化物は、Mn=23,100、Mw=44,400であった。H−NMR測定において、重合体主鎖中の炭素−炭素二重結合由来のピークは観測されず、主鎖水素化率は99%以上であった。ガラス転移温度(Tg)=138℃であり、融点は観測されなかった。
[実施例1]
製造例1で得た結晶性環状オレフィン系重合体16部と、製造例3で得た非晶性環状オレフィン系重合体64部とをシクロヘキサン1200部に加え、60℃に加熱しながら撹拌して溶解させた。このポリマー溶液を大過剰のイソプロパノール中に滴下し、析出物をろ取して回収し、80℃で一昼夜真空乾燥して、粉末状のポリマーサンプルを得た。
このポリマーサンプルを10mm×l00mm×1mmの型内で200℃で熱プレスして限界応力測定用平板1を作製した。平板1は透明であった。平板1の一部を採取して(採取したサンプルをサンプル1とする)DSC測定を行ったところ、Tm=138℃(ΔH=9.5J/g)であり、Tgは観測できなかった。また、サンプル1のサラダ油に対する限界応力は、128kgf/cmであった。
[実施例2]
製造例2で得た結晶性環状オレフィン系重合体32部と、製造例3で得た非晶性環状オレフィン系重合体48部とをシクロヘキサン1200部に加え、60℃に加熱しながら撹拌して溶解させた。溶液は完全に溶解せず、白濁した状態であった。このポリマー溶液を大過剰のイソプロパノールに滴下した。得られた析出物をろ取して回収後、80℃で一昼夜真空乾燥して、粉末状のポリマーサンプルを得た。
このポリマーサンプルを10mm×100mm×lmmの型内で280℃で熱プレスして限界応力測定用平板2を作製した。平板2は透明であった。平板2の一部を採取して(採取したサンプルをサンプル2とする)DSC測定を行ったところ、Tg=115℃であり、Tmは観測できなかった。また、サンプル2のサラダ油に対する限界応力を測定したが、クラックは発生せず、限界応力は186kgf/cm以上であった。
[比較例1]
製造例1で得た結晶性環状オレフィン系重合体を、実施例1と同様にして、200℃で熱プレスして限界応力測定用平板3を作製した。平板3は白色で透明性は全くなかった。平板3の一部を採取して(採取したサンプルをサンプル3とする)DSC測定を行ったところ、Tm=142℃(ΔH=52J/g)であり、Tgは観測できなかった。また、サンプル3のサラダ油に対する限界応力を測定したが、クラックは発生せず、限界応力は186kgf/cm以上であった。
[比較例2]
製造例3で得られた非晶性環状オレフィン系重合体を、実施例1と同様にして、200℃で熱プレスして限界応力測定用平板4を作製した。平板4は透明であった。平板4の一部を採取して(採取したサンプルをサンプル4とする)DSC測定を行ったところ、Tg=138℃でありTmは観測できなかった。また、サンプル4のサラダ油に対する限界応力は56kgf/cmであった。

Claims (3)

  1. 重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000であり、融点を有する結晶性環状オレフィン系重合体(A)と、重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、融点を有しない非晶性環状オレフィン系重合体(B)とを含有する重合体組成物であって、前記結晶性環状オレフィン系重合体(A)の全重合体組成物に対する割合が、1〜99重量%である環状オレフィン系重合体組成物。
  2. 結晶性環状オレフィン系重合体(A)が、ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンの開環重合体水素化物である、請求項1に記載の環状オレフィン系重合体組成物。
  3. 請求項1または2に記載の環状オレフィン系重合体組成物を樹脂成分として含有する成形材料。


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