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JP2007014666A - 外部灌流型血液浄化器 - Google Patents

外部灌流型血液浄化器 Download PDF

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JP2007014666A
JP2007014666A JP2005201219A JP2005201219A JP2007014666A JP 2007014666 A JP2007014666 A JP 2007014666A JP 2005201219 A JP2005201219 A JP 2005201219A JP 2005201219 A JP2005201219 A JP 2005201219A JP 2007014666 A JP2007014666 A JP 2007014666A
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Hidehiko Sakurai
秀彦 櫻井
Akira Ashidaka
暁 足高
Yoshiteru Shimamura
佳照 島村
Yuko Iwasaki
優子 岩崎
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

【課題】大きな膜面積が得られ、境膜物質移動係数が高く、透析液のチャンネリングを抑制し、かつ高い安全性を有しながら、内部濾過を促進できる血液浄化器を提供する。
【解決手段】本発明は、中空糸膜を含む血液浄化器において、中空糸膜の外側を血液が流れ、中空糸膜の内側を透析液が流れ、かつ該中空糸膜が血液を濾過した際に、中空糸膜の外側から内側に向かって濾過する場合の濾過係数が中空糸膜の内側から外側に向かって濾過する場合の濾過係数よりも大きいことを特徴とする外部灌流型血液浄化器である。
【選択図】なし

Description

本発明は、腎不全の治療などに用いる血液浄化器に関する。より詳しくは、コンパクトで透析効率が高く、また安全に内部濾過を促進することができる血液浄化器に関する。
中空糸膜を使用した血液浄化器は、腎不全患者の血液浄化治療に一般的に用いられている。これらの血液浄化器は、数千から数万本の中空糸膜を束ね、これらが略平行に、円筒形のジャケット内に配置され、中空糸膜の内側に血液が流れ、透析液は中空糸膜の外側を血液とは反対方向に流れる仕組みとなっている。一般的な血液浄化用中空糸膜の内径は200μmであり、血液流量200mL/min〜500mL/minでは、中空糸膜の内側の血液流れは層流であり、境膜抵抗が物質透過に対して大きな抵抗を示すが、安全上、血液の流量を増やして境膜抵抗を小さくすることは困難である。
ポリスルホン膜に代表される合成高分子膜は、中空糸膜内側にスキン層を有し、このスキン層が分離活性層として働くため、分画性能に優れ、また血球成分やタンパク質成分の目詰まりが少ない特徴を有する。一方、合成高分子膜は中空糸外側には、比較的大きな細孔を持っており、中空糸外側から内側に向かって濾過をおこなうと、被処理液中の成分が膜中にトラップされ、目詰まりにより濾過抵抗が著しく大きくなる問題がある。
特許文献1には中空糸膜の内径を小さくしたり、中空糸膜の長さを長くすることにより、中空糸膜内側を流れる血液の圧力損失を高め、内部濾過を促進する内部濾過促進透析器が開示されている。これは、濾過量を増加させることで、β2ミクログロブリン(以下β2MGと略す)などの低分子タンパク質の除去性能が向上するためである。しかし中空糸膜内径を小さくしたり、中空糸膜の長さを長くして血液の圧力損失を高めると、血液に対してダメージを与えることがあり、溶血や凝血が発生することがある。
内部濾過を促進するための別の方法として、特許文献2には中空糸膜の外側にプラグなどを設置し透析液の圧力損失を高める方法が開示されている。透析液の圧力損失の増加も、内部濾過の促進に効果があることが確かめられている。しかし透析液側の圧力損失を高めるためのプラグ設置は、血液浄化器組立効率が下がり、コストアップを招く。
透析液のチャンネリングを防ぎ、透析効率を高めるために、中空糸膜へのクリンプ付与や、スペーサーヤーンを挿入することがおこなわれているが、コストアップを招いたり、これだけでは効果が不十分な場合がある。
特開2002−143298号公報 特開平11−9684号公報
血液接触表面の凹凸を制御することによって血液適合性を向上させる技術が開示されている(特許文献3、4参照)。これらの技術においては表面の凹凸はいずれも白色干渉顕微鏡によって測定された値から規定されている。特許文献3では血小板の粘着として、10-6個/膜面積(cm2)以下であるのが好ましいとされている。この特性を持つ膜は、本発明における血小板保持率(詳細については後述する)がほぼ100%と概算される。しかしながら、極端に血小板保持率が高い膜では、膜との接触によって活性化された血小板が血液中に放出され、これが引き金となって体内の循環血液全体の活性化を招き、結果として生体適合性悪化の原因となることが考えられ、むしろ好ましくない。
また上記特許文献の技術に共通して言えることだが、平滑すぎる血液接触面は、血球との接触面積が大きくなることも考えられ、血球の活性化を招く原因となる可能性も考えられる。表面の物理的な性状の制御は血液適合性向上のひとつの手法として有効であるとは考えられるが、生体にとって本質的に異物である材料を使用している以上、このアプローチだけではおのずと限界が有ると言わざるを得ない。
特開2000−126286号公報 特開平11−309353号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、境膜抵抗を小さくし、安全に内部濾過を促進し、透析液のチャンネリングを抑制することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)中空糸膜を含む血液浄化器において、中空糸膜の外側を血液が流れ、中空糸膜の内側を透析液が流れ、かつ該中空糸膜が血液を濾過した際に、中空糸膜の内側から外側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRinと中空糸膜の外側から内側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRoutがBFRout≧BFRinであることを特徴とする外部灌流型血液浄化器。
(2)中空糸膜の内径が50μm以上300μm以下、中空糸膜の外径が80μm以上400μm以下、中空糸膜の膜厚が10μm以上100μm以下であることを特徴とする(1)記載の外部灌流型血液浄化器。
(3)中空糸膜の外表面凹凸度が0.1μm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の外部還流型血液浄化器。
(4)中空糸膜がクリンプを有することを特徴とする(1)乃至(3)いずれか記載の外部灌流型血液浄化器。
(5)中空糸膜がクロスワインド配置されていることを特徴とする(1)乃至(4)いずれか記載の外部灌流型血液浄化器。
本発明の血液浄化器は、チャンネリングのない透析液流れが得られ、また透析液圧損を大きくすることにより血液に負担を与えずに内部濾過促進ができ、クリンプもしくは交差配置を取ることにより血液側の境膜抵抗を下げることができるので、低分子量物質から低分子量タンパク質まで幅広い溶質の高い除去効率を安全に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、これまでの中空糸膜を使用した血液浄化器が中空糸膜の内側に血液を、外側に透析液を流す構造をとっていることに対して、特定の性質を有する中空糸膜を使用し、中空糸膜の外側に血液を、内側に透析液を流すことを特長とする。このような仕組みを採用することにより、従来にない透析性能と安全性を達成することができる。本発明の血液浄化器は、中空糸膜の外側に血液を流すため、血液流れのチャンネリング発生を抑制するために中空糸膜にクリンプ付与すること、充填率を適正範囲に設定すること、中空糸膜をクロスワインドに巻き上げること、また、血液の滞留と凝固を抑制するために、血液と直接接触するハウジング内側に平滑性を持たせたり、抗血栓性を付与すること、デットスペースを極力少なくすることが好ましい形態であることが、従来の血液浄化器と大きく異なる点である。
本発明は、血液を濾過した際に、中空糸膜の内側から外側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRinと中空糸膜の外側から内側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRoutにおいてBFRout≧BFRinの関係である中空糸膜を用いる血液浄化器において、中空糸膜の外側を血液が流れ、中空糸膜の内側を透析液が流れることを特徴とする外部灌流型血液浄化器である。このような特徴をもつ膜は、血液を中空糸膜の内側から外側に濾過するよりも、外側から内側に濾過するほうが、濾過性能が高いことを示している。このような膜を用いることにより、中空糸膜外表面と血液とが接触した時に、膜の目詰まりを防ぐことができ、膜の性能が効果的に発現されるので、中空糸膜内側に血液を通すよりも飛躍的に性能を向上できる。
また、このような外部灌流型血液浄化器とすることにより、例えば以下のような副次的な効果を期待することができる。
・中空糸膜の表面積は、当然内表面積より外表面積のほうが大きい。そのため、外表面に血液が接触するほうが尿毒症物質の透過性能が高くなる。
・中空糸膜の内側を透析液が流れることにより、チャンネリングの発生が抑制され透析液の流れは均一になり、膜の持つ性能を充分に発揮できる。
・血液は中空糸膜の外側を自由に流れるため中空糸膜外側の境膜が薄くなり、その結果、総括物質移動係数が向上し血液浄化器としての性能を向上することができる。
・中空糸膜内径を小さくすると、透析液流れの圧力損失が大きくなり、その結果、血液浄化器内の内部濾過が促進される。このとき、内部濾過を促進するための圧力損失はすべて透析液にかかるため、血液側に大きな圧力損失を付与するよりも安全性が飛躍的に向上する。
BFRin>BFRoutの中空糸膜を用いると、中空糸膜外表面と血液が接触したときに、膜が目詰まりしてしまい、外部灌流による効果が得られないことがある。
BFRoutは、値が大きくなると、血液濾過係数が大きいので、β2MGなどの中高分子量物質の透過が増えるほか、内部濾過量も増加するので、10mL/(Hr・mmHg)以上が好ましく、15mL/(Hr・mmHg)以上がより好ましく、20mL/(Hr・mmHg)以上が特に好ましい。一方、BFRoutが大きくなりすぎると、アルブミンなどの有用物質のリークを抑えきれないことがあり、500mL/(Hr・mmHg)以下が好ましく、350mL/(Hr・mmHg)以下がより好ましく、200mL/(Hr・mmHg)以下が特に好ましい。
血液浄化器内で内部濾過が発生するときに、水分が透過できることが必要であり、BFRinは、5mL/(Hr・mmHg)以上が好ましく、10mL/(Hr・mmHg)以上が特に好ましいが、BFRoutより小さいことが必要である。
なお、本発明においてBFRinおよびBFRoutは、血液浄化器自体の物性値であり、膜面積による換算はおこなわない。これは、中空糸膜内径と外径を基準とした場合で、中空糸膜の膜面積が異なること、また同じ中空糸膜を用いても本数や膜面積が異なると、BFRinおよびBFRoutが異なるために、比較することが困難になるためである。
用いる中空糸膜の細孔径を示す指標である、β2MGの篩い係数(以下、SCと略す)は、大きければ、内部濾過を促進した時の物質除去性能が高まるので、0.10以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.50以上が特に好ましい。一方、β2MGのSCの理論的な最大値は1.0であるが、大きすぎると、アルブミンなどの有用物質のリークを抑えきれないことがあり、0.99以下が好ましく、0.97以下がより好ましく、0.95以下が特に好ましい。
本発明において、透析液が中空糸膜の内側を流れるときの透析液の圧力損失は、大きいほど内部濾過が促進されるので好ましく、37℃の透析液を500mL/minの流量で流した場合、10mmHg以上が好ましく、30mmHg以上がより好ましい。一方、圧力損失が大きすぎると、透析液を送液するポンプに負荷がかかりすぎることがあり、750mmHg以下が好ましく、500mmHg以下がより好ましい。
本発明において、中空糸膜の内径は50μm以上、300μm以下が好ましい。中空糸膜の内径を小さくすることにより、透析液が流れる際の圧力損失が大きくなり、血液浄化器内の内部濾過を促進することができる。しかし、中空糸膜の内径が50μmより小さくなると、透析液の圧力損失が大きくなりすぎて、透析液を流すことが困難になることがある。したがって、中空糸膜の内径は60μm以上がより好ましく、70μm以上がさらに好ましい。また、中空糸膜内径が300μmより大きいと、必要な膜面積を得るための中空糸膜本数が多くなり、血液浄化器のサイズが大きくなりすぎることが有る。したがって、中空糸膜の内径は290μm以下がより好ましく、280μm以下がさらに好ましい。
本発明において、中空糸膜の外径は80μm以上、400μm以下が好ましい。中空糸膜の外径を小さくすると中空糸膜間の間隙が小さくなり、境膜抵抗を小さくすることができ好ましいが、80μmより小さくなると血液の圧力損失が大きくなりすぎて、凝血が発生したり、血液が均一に流れ難くなることがある。したがって、中空糸膜外径は100μm以上がより好ましく、120μm以上がさらに好ましい。また、中空糸膜の外径が400μmより大きいと、必要な膜面積を得るための中空糸膜本数が多くなり、血液浄化器のサイズが大きくなりすぎることが有る。したがって、中空糸膜外径は380μm以下がより好ましく、350μm以下がさらに好ましい。
本発明において、中空糸膜の膜厚は10μm以上、100μm以下が好ましい。中空糸膜の膜厚を薄くすることにより、物質移動抵抗が小さくなるので好ましいが、10μmより小さくすると、糸強度が低下したり、外圧によって中空糸膜がつぶれることがある。したがって、中空糸膜の膜厚は11μm以上がより好ましく、12μm以上がさらに好ましい。また、100μmより厚くすると、物質移動抵抗が大きくなりすぎることがある。したがって、膜厚は90μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましい。
本発明における血液浄化とは、血液透析のほか、血液透析濾過、持続的血液透析、持続的血液透析濾過など、血液浄化器に、血液と透析液を流すことによる治療をいう。
本発明において、中空糸膜にはクリンプを付与することが好ましい。クリンプを付与することにより、中空糸膜の外側を流れる血液の流れを均一にすることができる。本発明の中空糸膜は、振幅が0.1mm以上のクリンプが付与されていることが好ましい。また、中空糸膜10cmあたりのクリンプ数は5個以上あることが好ましい。中空糸膜のクリンプが振幅0.1mm未満、5個未満(中空糸長さ10cmあたり)の場合、血液浄化器組立て工程において中空糸膜のずれによる血液浄化器組み立て性が悪化したり、中空糸膜同士の密着及び血液の偏流により尿素等の小分子量物質の透過性能が低下することがある。したがって、クリンプの振幅は0.12mm以上がより好ましく、0.15mm以上がさらに好ましい。また、クリンプ数は7個以上がより好ましく、10個以上がさらに好ましい。一方、クリンプの振幅が大きくなりすぎると中空糸膜束が嵩高くなるため、血液浄化器組み立て工程で中空糸膜束を血液浄化器容器に挿入する際の抵抗が大きくなり、中空糸膜表面に傷をつけてしまい、リーク発生の原因になることがある。したがって、クリンプは好ましくは振幅5mm以下、より好ましくは振幅4mm以下である。また、クリンプ数は50個以下が好ましく、45個以下がさらに好ましい。
また、中空糸膜の外側を流れる血液の流れを均一にするための他の態様として、スペーサーヤーンを用いることも好適に採用できる。
本発明において、中空糸膜の充填率は、血液流路幅と血液浄化器内の血液体積を決定する重要な因子である。中空糸膜充填率が高いと、中空糸膜間隙が小さくなり、血液流路幅が小さくなるので、境膜抵抗が減るほか、血液浄化器内の血液体積も減るが、中空糸膜同士が密着しやすくなり、端部の接着不良が起こりやすくなることがあるので、80%以下が好ましく、70%以下がより好ましい。一方、中空糸膜充填率が低いと、端部接着は容易になるが、中空糸膜間隙が大きくなり、血液流路幅が大きくなるので境膜抵抗が増えるほか、血液浄化器内の血液体積も増えるので、中空糸膜の充填率は40%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。
本発明において、中空糸膜の配置は、血液の流れに対して平行としてもよいが、交差配置を採用し、血液の流れる方向に対して、斜めあるいは垂直に配置すると、血液が中空糸膜外表面に、斜めあるいは垂直にぶつかることになり、血液側の境膜を効果的にはがすことができるのでより好ましい。このような構造は、例えば、複数の中空糸膜をクロスワインド型に巻き上げたり、中空糸膜を縦横に並べる事などにより得ることができる。
本発明の血液浄化器は、現在市販されている中空糸膜を使用した血液浄化器の血液入口出口と透析液入口出口を取り替えるだけでも、十分な効果が得られるが、この場合も、血液と透析液の溶質の濃度差を最大にするために、血液と透析液は向流で流すことが好ましい。
さらに、血液側の境膜抵抗を減らすため、現在市販されている外部還流型人工肺と同じ構造とし、人工肺で酸素を流す流路に透析液を流すことも好ましい態様として推奨される。
本発明の血液浄化器に用いる中空糸膜の素材は、特に限定するものではなく、再生セルロース、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエーテルスルホン/ポリアリレート系ポリマーアロイなどを用いることが可能である。
本発明の血液浄化器に用いる膜を得る方法は特に限定するものではないが、例えば、中空糸膜を製造する際に、中空形成材として流動パラフィンや、窒素ガスなどの不活性な流体を使用し、ノズルから製膜溶液と一緒に中空形成材を空気中に吐出し、その後、凝固浴中で溶媒除去する乾湿式紡糸法により得ることができる。この場合、中空糸膜内部の中空形成材は、非凝固性であり、凝固液に進入後、中空糸膜外側から、膜構造が形成されるため、中空糸膜外側の細孔径が内側より小さくなり、外側からの濾過に対して血中タンパク等の目詰まりが少なくなり、より安定な構造となる。
一方、水溶液などの凝固性液体を中空形成材に使用すると、中空糸膜内面にスキン層が形成され、中空糸膜外側の細孔径が大きくなり、BFRin≧BFRoutの膜となりやすく、目詰まりが起こり性能が低下することがある。ただし、このような作り方でも、例えば、中空形成材中の溶媒濃度を高め、エアギャップを短くして、凝固液濃度を下げることで外表面にスキン層を有する構造を持つ膜を作製できるので、このような外スキン膜も、本発明に好適に使用することができる。
また、中空糸膜外表面の凹凸度(PV値)は0.1μm以下であることが好ましい。中空糸膜外表面の凹凸度が大きすぎる場合には、血液を流した際に血小板が刺激を受けて残血が起こる可能性がある。したがって、中空糸膜外表面の凹凸度は0.07μm以下がより好ましく、0.05μm以下がさらに好ましい。下限は限定されないが、工業的生産においてコスト、生産性を考慮すると0.001μm程度が下限と思われる。
なお、PV値とは、膜表面の凹凸を測定した際の、基準点に対する全測定点の凹凸の最大値と最小値の差を表わす。また、これら膜表面の平滑性は、走査型白色干渉法を用いた3次元表面構造解析顕微鏡のような解析装置により得られ、測定値から算出することができるもので、測定装置は公知の装置が利用でき、例えば、試験片に対し、走査型白色干渉顕微鏡によって干渉対物レンズを光軸方向に走査しながら干渉像を収集し、デジタル化された干渉強度の情報をワークステーションで処理し、目的のPV値を得ることができる。
本発明の中空糸膜は、該中空糸膜を用いて作成した膜面積1.5m2(中空糸膜内径基準)の血液浄化器の中空糸膜外側にヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流した際、60分後の血小板保持率が70%以上98%以下であることが好ましい。
血液適合性を示す指標として、血液と接触した際の血小板の粘着を評価する方法がある。従来、血液適合性向上のために、血小板粘着量を減少させること(血小板保持率を向上させること)を目標に検討がなされてきているが、生体にとって異物である材料との接触による血液成分の活性化は、その程度の差はあってもある意味で不可避であると考えられる。血小板保持率が非常に高い膜では、見かけの血液適合性は良好であると判断されてしまうが、見方を変えた場合、異物である材料との接触で活性化された血小板までもが血液中に放出されてしまっている可能性がある。このような観点から、さらに鋭意検討を行った結果、実は血小板の保持率は70%〜98%であることが好ましいということがわかり、本発明に到った。血小板保持率がこの範囲よりも小さいと血小板の粘着量が多くなり、血栓ができやすくなったり、血液浄化機能が低下したりすることがある。したがって、血小板保持率は75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。また、この範囲よりも大きいと活性化された血小板までも血液中に放出されるため、生体内を循環する血球や血漿などの血液成分が刺激され、生体内の血液全体が活性化された状態となり、凝血傾向や、場合によっては塞栓を生じる危険性も否定できない。したがって、血小板保持率は97%以下がより好ましく、96%以下がさらに好ましく、95%以下がよりさらに好ましい。
本発明における血小板保持率とは、次の方法によって血液灌流前後の血液中の血小板数から算出した値を示す。
(1)採血バッグに、濃度が5U/mLとなるよう予めヘパリンカルシウムを入れておき、健康な成人の血液をひじの内側の静脈からこの採血バッグに採取する。血液灌流に先立ち、血液成分の分析用に血液のサンプリングを行う。
(2)外表面基準膜面積1.7±0.5m2の血液浄化器の中空糸膜内側、外側に生理食塩水を適量流してプライミングし、この血液浄化器に上記ヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流する。この際、採血バッグから流れ出た血液は血液浄化器の外側を通過し、採血バッグに戻るように回路を組む。
(3)37℃の環境下で60分の血液灌流を行った後、血液のサンプリングを行い、血液成分の分析を行う。
(4)灌流前後の血液中の血小板数から、次の式により1.7m2あたりの血小板保持率を算出する。
(血小板保持率)[%]=100×[1−{(1−Y)×(1.7/A)}]
Y={(灌流後の血液中の血小板数)×(灌流前の血液のヘマトクリット)}/{(灌流後の血液のヘマトクリット)×(灌流前の血液中の血小板数)}
A=膜面積
また、血液適合性の性能保持性の指標としてC特性がある。C特性とは、血液を使用して測定した透水性の、血液灌流開始15分後の値に対する血液灌流開始120分後の値のパーセンテージであり、この値が小さいことは血液成分の吸着などによって性能が経時的に低下することを意味する。性能保持性の観点から、本発明の中空糸膜におけるC特性は70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。通常の血液透析においては、3〜5時間程度の治療時間が一般的であり、C特性がこれ以下である場合には性能保持性が低いため、十分な治療効果を得られないことがある。また、血液灌流中の血液成分の吸着により透水性は経時的に低下していくので、C特性が高いということは血液成分の吸着が低いと見ることもでき、血液適合性を示す値と考えることもできる。
中空糸膜に上記した特性を付与するための製造方法の特徴として、中空糸膜構造が固定された後に実質的に延伸をかけないことが好ましい。実質的に延伸を掛けないとは、外部凝固液から引き出した中空糸膜をその後の工程において走行する中空糸膜に弛みが生じない程度の張力のみを与えて走らせ、最終的に綛に巻き取ることを意味する。完全に膜構造が固定された中空糸膜に延伸をかけると、孔の変形や、潰れ、裂け、配向が起こり、透析液中のエンドトキシンが血液側に浸出しやすくなることがある。製膜工程中の接触部材との摩擦や液抵抗により、走行中の中空糸膜には伸びが発生するため全てのローラー速度を等速にして製膜することは困難である。弛みが生じない程度の張力とは、具体的にはノズルから吐出された製膜溶液に弛みや過度の緊張が生じないように紡糸工程中のローラー速度をコントロールすることを意味する。ここで言う延伸比とはローラー間の速度比である。ローラー間の延伸比の好ましい範囲は、0.01〜1.5%である。より好ましい範囲は、0.03〜1%、さらに好ましい範囲は0.05〜0.5%である。
さらに、中空糸膜外表面の凹凸度を制御する方策として、中空糸膜表面の傷や異物および気泡の混入を少なくし潜在的な欠陥を低減するのも有効な方法である。傷発生を低減させる方法としては、中空糸膜の製造工程のローラーやガイドの材質や表面粗度を最適化する、血液浄化器の組み立て時に中空糸膜束を血液浄化器ハウジングに挿入する時に容器と中空糸膜との接触あるいは中空糸膜同士のこすれが少なくなるような工夫をする等が有効である。本発明では、中空糸膜製造において使用するローラーは走行する中空糸膜がスリップして外表面に傷が付くのを防止するため、表面が鏡面加工されたローラーを使用するのが好ましい。また、ガイドは中空糸膜との接触抵抗をできるだけ避ける意味で、表面が梨地加工されたものやローレット加工されたものを使用するのが好ましい。中空糸膜束を血液浄化器ハウジングに挿入する際には、中空糸膜束を直接ハウジングに挿入するのではなく、中空糸膜との接触面が例えば梨地加工されたフィルムを中空糸膜束に巻いたものをハウジングに挿入し、挿入した後、フィルムのみハウジングから抜き取る方法を用いるのが好ましい。
本発明において、血液は中空糸膜の外側を流れるため、中空糸膜を収納するハウジングと血液が直接接触するので、ハウジングの素材と形状は血液浄化器の血液適合性にとって重要である。血液と接触するハウジングは、ポリエステルやポリカーボネート、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレンなどが使用できるほか、血液接触表面を平滑にすること、ヘパリンコーティングやポリウレタンコーティングなどの抗血栓処理を施すこともより好適に採用できる。また、血液流れの滞留を少なくして、血液凝固を抑制することも好適に採用できる。
本発明の血液浄化器の形状の一例を図1に示す。血液浄化器1は、筒状のハウジング2内に選択透過性中空糸膜束3を装填し、該中空糸膜束3の両端部をハウジング2の両端部に接着剤等4により固定し、ハウジング2の両端部をキャップ5a,5bにより被覆してなる。そして、ハウジング2の側部で一方の端部近傍には、ハウジング2内に血液を導入する血液導入口6aを、他方の端部近傍には、血液を排出する血液排出口6bをそれぞれ突出形成してある。また、一方のキャップ5aにはハウジング2内に透析液を導入する透析液導入口7aを、他方のキャップ5bには透析液を排出する透析液排出口7bをそれぞれ突出形成してある。
そして血液は、矢印Aに示すように、血液導入口6aからハウジング2内に入り、中空糸膜束3の外側を流れ、矢印Bに示すように、血液排出口6bから排出される。一方、透析液は、矢印Cに示すように、透析液導入口7aからキャップ5aと中空糸膜束3の一方の端面とにより形成される空間内に入り、中空糸膜束3の内側を通り、中空糸束3の他方の端面とキャップ5bとにより形成される空間内に入り、透析液排出口7bから矢印Dに示すように排出される。このとき、透析される血液の流れと透析液の流れとは逆方向の所謂対向流とする。この間に、中空糸膜外側を流れる血液中の老廃物が中空糸膜を通して内側の透析液中に透析される。
(BFRinとBFRoutの関係の測定およびBFRoutの計算)
ヘマトクリット30±2%、総タンパク質濃度6±1g/dLの牛血液を用意する。実験温度を37±1℃、血液流量200mL/min、濾過流量を20mL/minとする。中空糸内径換算の膜面積1.5±0.5m2の血液浄化器を2本用意し、一本は中空糸膜内側に血液を流し、1時間後の膜間圧力差TMPinを測定する。他の1本は中空糸膜の外側に血液を流し、1時間後の膜間圧力差をTMPoutとする。このとき、TMPin≧TMPoutのとき、BFRout≧BFRinとする。これは、同一濾過流量を得るために、圧力が低いほうが、濾過係数が高くなる関係を示している。
また、以下の式によりBFRoutを計算する。
BFRout(mL/hr/mmHg)=20(mL/min)×60(min/hr)/((TMPout(mmHg)−25))
ここで、TMPoutから25mmHgを差し引くのは、総タンパク質濃度6g/dLの血漿の平均的な膠質浸透圧が25mmHgのためである。
(透水性の測定)
血液浄化器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗子により封止し、全濾過とする。37℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、37℃恒温槽で保温した血液浄化器へ純水を送り、流出した濾液量をメスシリンダーで測定する。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とする。ここでPiは血液浄化器入口側圧力、Poは血液浄化器出口側圧力である。TMPを4点変化させ、濾液流量を測定し、それらの関係の傾きと中空糸膜内径基準の膜面積から透水性(mL/m2/hr/mmHg)を算出する。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上なくてはならない。また、回路による圧力損失誤差を少なくするために、TMPは100mmHg以下の範囲でなくてはならない。
(クリアランスの測定)
ヒトβ2MGを溶解した総タンパク質濃度6±1g/dLの牛血液を用意する。実験温度を37±1℃、血液流量200mL/min、濾過流量を15mL/min、透析液流量を500mL/minとし、実験開始から10min、20min、30min時のクリアランス値を以下の式により計算し、3点の平均を血液浄化器のクリアランスとして採用する。
クリアランス(mL/min)=[(200×CBi)−(185×CBo)]/CBi
ここでCBiは血液浄化器入口側濃度、CBoは血液浄化器出口側濃度である。
(SCβ2MGの測定)
ヒトβ2MGを溶解した総タンパク質濃度6±1g/dLの牛血液を用意する。実験温度を37±1℃、血液流量200mL/min、濾過流量を15mL/minとし、実験開始から30min、45min、60min時のSC値を以下の式により計算し、3点の平均をSCとして採用する。
SC=(CBi+CBo)/(2×Cf)
ここでCfは濾液中の濃度である。
(中空糸膜の内径、膜厚の測定)
中空糸型膜を長さ方向に対して垂直に鋭利な剃刀でカットし、断面を倍率200倍で顕微鏡で観察する。内径値と外径値をそれぞれn=5で測定し、平均値を算出する。
膜厚[μm]={(外径)−(内径)}/2
(中空糸膜外表面の最大突起高さ(PV値))
複数本の中空糸膜からなる束から、任意の中空糸膜を10本選び、それぞれの中空糸膜について、任意の1箇所について0.1mmずつ測定し、その平均の凹凸度を求めた。測定はZYGO社製走査型白色干渉顕微鏡(NewView100)を用い、20倍の対物レンズを用いてシステム倍率2倍の条件で測定しその平均値で表示した。測定はフイルターを用いずに行った。
(血小板保持率)
本発明における血小板保持率とは、次の方法によって血液灌流前後の血液中の血小板数から算出した値を示す。
(1)採血バッグに、濃度が5U/mLとなるよう予めヘパリンカルシウムを入れておき、健康な成人の血液をひじの内側の静脈からこの採血バッグに採取する。血液灌流に先立ち、血液成分の分析用に血液のサンプリングを行う。
(2)外表面基準膜面積1.7±0.5m2の血液浄化器の中空糸膜内側、外側に生理食塩水を適量流してプライミングし、この血液浄化器に上記ヘパリン加ヒト全血を150mL/minの流量で灌流する。この際、採血バッグから流れ出た血液は血液浄化器の外側を通過し、採血バッグに戻るように回路を組む。
(3)37℃の環境下で60分の血液灌流を行った後、血液のサンプリングを行い、血液成分の分析を行う。
(4)灌流前後の血液中の血小板数から、次の式により1.7m2あたりの血小板保持率を算出する。
(血小板保持率)[%]=100×[1−{(1−Y)×(1.7/A)}]
Y={(灌流後の血液中の血小板数)×(灌流前の血液のヘマトクリット)}/{(灌流後の血液のヘマトクリット)×(灌流前の血液中の血小板数)}
A=膜面積
(C特性値)
血液浄化器を使用し、ヘマトクリット35%の牛血液を200mL/minの流量で中空糸膜の外側に灌流した。同時に、中空糸膜外側から中空糸膜内側に向かって20mL/minの流量で濾過を行った。灌流・濾過開始15分後の膜間圧力と濾過液量から、牛血液系での透水率(以下MFRと略記する。)を算出した。この値を(A)とし、灌流・濾過開始120分後、同様の操作により求めたMFRの値(B)とから、100(%)×(B)/(A)の計算によりC特性値を算出した。
(実施例1)
セルローストリアセテート(ダイセル化学社製LT105)20wt%、N-メチルピロリドン(以下NMPと略す)(三菱化学社製)56wt%、トリエチレングリコール(以下TEGと略す)(三井化学社製)24wt%を高温で溶解し、脱泡し、フィルターにて不溶解分を除去して製膜溶液を作製した。チューブインオリフィスノズルの内側より、芯液として流動パラフィンを吐出、外側より製膜溶液を吐出し、凝固浴にて凝固させ、水洗槽にて、溶媒、非溶媒を除去後、グリセリンを付与、乾燥してボビンに巻き取った。中空糸膜を巻き取ったボビンを80℃で熱処理することにより、中空糸膜にクリンプを付与した。中空糸膜製造工程で用いたローラーは表面が鏡面加工されたものを使用した。また、全てのローラー間の延伸比は0.1%とした。中空糸膜は内径200μm、外径230μm、透水性は150mL/m2/hr/mmHg、付与されたクリンプは振幅0.4mm、中空糸膜10cmあたりのクリンプ数は25個であった。中空糸膜外表面のPV値は0.05μmであった。
この中空糸膜10000本を束ね、円筒形ハウジングに挿入し、両端をウレタン樹脂で接着、端部を切り落として端部の中空糸膜を開口させて、中空糸膜内表面換算で膜面積1.5m2の血液浄化器を作製した。
このような血液浄化器を2本準備して、前述したBFRinとBFRoutを比べた。TMPinは45mmHg、TMPoutは40mmHgであり、得られた中空糸膜からなる血液浄化器はBFRout>BFRinの関係にあることが判った。また、BFRoutは65mL/hr/mmHgであり、血液を外部灌流した時のSCβ2MGは0.93、血小板の保持率は96%、C特性は92%であった。一方、BFRinは42mL/hr/mmHg、血液を内部灌流したときのSCβ2MGは0.82、血小板保持率は95%、C特性は88%であった。
得られた血液浄化器の中空糸膜外側に血液を200mL/minで、中空糸内側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは70mL/minと良好な値を示した。このとき、透析液の圧力損失は20mmHgであった。
(比較例1)
実施例1で作製した血液浄化器の中空糸膜内側に血液を200mL/min、中空糸膜外側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは50mL/minであり、実施例1に比べて低い値だった。同じ血液浄化器を用いたにもかかわらず、実施例1の方が高いクリアランスを示したのは、血液を外部に灌流したため膜面積が増加したことと、膜の目詰まりが抑制されたこと、透析液の圧力損失が大きくなったことにより、内部濾過が促進されたためと考えられた。
(実施例2)
中空糸膜を作製するときの芯液と製膜溶液の流量を調整した他は、実施例1と同様に中空糸膜を作製した。中空糸膜は内径150μm、外径180μmで、透水性は130mL/m2/hr/mmHg、付与されたクリンプは振幅0.3mm、中空糸膜10cmあたりのクリンプ数は28個であった。中空糸膜外表面のPV値は0.03μmであった。
この中空糸膜13300本の束から、実施例1と同様に中空糸膜内表面換算で膜面積が1.5m2の血液浄化器を作製した。TMPinは48mmHg、TMPoutは43mmHgであり、BFRout>BFRinであった。また、BFRoutは58mL/hr/mmHgであり、血液を外部灌流した時のSCβ2MGは0.92、血小板の保持率は97%、C特性は95%であった。一方、BFRinは33mL/hr/mmHg、血液を内部灌流したときのSCβ2MGは0.75、血小板保持率は97%、C特性は83%であった。
得られた血液浄化器の中空糸膜外側に血液を200mL/minで、中空糸膜内側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは80mL/minと良好な値を示した。このとき、透析液の圧力損失は40mmHgであり、実施例1より大きく、この圧力損失の増大が内部濾過を促進して、β2MGクリアランスの向上に寄与したものと考えられた。
(比較例2)
実施例2で作製した血液浄化器の中空糸膜内側に血液を200mL/min、中空糸膜外側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは52mL/minであり、実施例1に比べて低い値だった。
(実施例3)
実施例2で作製した中空糸膜を2次元のX−Y方向に交差するように織り、この織物を重ねて、直方体のケースに充填し、ウレタンで端部を接着し、端部を切断し、中空糸膜を開口させた。中空糸膜の内側に透析液が流れる流路を作製し、中空糸膜の外側を血液が、中空糸膜に対して垂直に当たって流れるように血液流路を作製した、中空糸膜内表面換算で膜面積1.5m2の血液浄化器を作製した。TMPinは48mmHg、TMPoutは42mmHgであり、BFRout>BFRinであった。また、BFRoutは60mL/hr/mmHgであり、血液を外部灌流した時のSCβ2MGは0.92、血小板の保持率は96%、C特性は96%であった。
得られた血液浄化器の中空糸膜外側に血液を200mL/minで、中空糸膜内側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは90mL/minと良好な値を示した。このとき、透析液の圧力損失は40mmHgであった。血液の流れが中空糸膜に対して垂直となり、中空糸膜外表面の境膜が薄くなり、物質移動が促進され、β2MGクリアランスの向上に寄与したものと考えられた。
(比較例3)
旭化成メディカル社製ポリスルホン血液浄化器APS150Sを使用した。中空糸膜外表面のPV値は1.5μmであった。この血液浄化器のTMPinは40mmHg、TMPoutは125mmHgであり、BFRout<BFRinであった。BFRoutは12mL/hr/mmHg、血液を外部灌流した時のSCβ2MGは0.38、血小板の保持率は48%、C特性は38%であった。
この血液浄化器の中空糸膜外側に血液を200mL/min、中空糸膜内側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは15mL/minであり、実施例1に比べて低い値だった。一方、血液浄化器の中空糸膜内側に血液を200mL/min、中空糸膜外側に透析液を500mL/minで向流に送り、透析実験をおこなったところ、β2MGクリアランスは65mL/minであり、外部灌流に比べて顕著に高いβ2MGクリアランスを得ることができた。この血液浄化器より中空糸膜を取り出し、中空糸膜内外表面をSEMで観察したところ、内表面にはスキン層があり0.1μm以上の細孔は認められなかったが、外表面には、1〜2μm程度の細孔が存在していた。そのため、この中空糸膜は、外側から内側に物質が移動する場合、細孔径が減少するので目詰まりが発生しやすく、外部に血液を灌流すると目詰まりのため性能低下が著しいことが考えられた。
Figure 2007014666
本発明の外部還流型血液浄化器は、中空糸膜の表面積を大きくでき、血液は中空糸膜の外側を自由に流れるため、中空糸膜外側の境膜が薄くなり、その結果、総括物質移動係数が向上し血液浄化器としての性能を向上することができる。また、中空糸膜の内側を透析液が流れることにより、チャンネリングの発生が抑制され透析液の流れは均一になり、膜の持つ性能を充分に発揮できる。さらに中空糸膜内径を小さくすると、透析液流れの圧力損失が大きくなり、その結果、血液浄化器内の内部濾過が促進される。このとき、内部濾過を促進するための圧力損失はすべて透析液にかかるため、血液側に大きな圧力損失を付与するよりも安全性が飛躍的に向上するという利点がある。従って、産業界に寄与することが大である。
血液浄化器の断面図である。
符号の説明
1:血液浄化器
2:ハウジング
3:中空糸膜束
4:接着樹脂
5:キャップ
6a:血液導入口
6b:血液排出口
7a:透析液導入口
7b:透析液排出口

Claims (5)

  1. 中空糸膜を含む血液浄化器において、中空糸膜の外側を血液が流れ、中空糸膜の内側を透析液が流れ、かつ血液を濾過した際に、中空糸膜の内側から外側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRinと中空糸膜の外側から内側に向かって濾過する場合の濾過係数BFRoutがBFRout≧BFRinであることを特徴とする外部灌流型血液浄化器。
  2. 中空糸膜の内径が50μm以上300μm以下、中空糸膜の外径が80μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1記載の外部灌流型血液浄化器。
  3. 中空糸膜の外表面凹凸度が0.1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の外部還流型血液浄化器。
  4. 中空糸膜がクリンプを有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の外部灌流型血液浄化器。
  5. 中空糸膜が交差配置されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の外部灌流型血液浄化器。
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