JP2007012421A - リチウムイオン電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】負極活物質の膨張・収縮に伴う応力を吸収する十分な空間を確実有し、サイクル特性劣化の少ないリチウムイオン電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】リチウムと合金化しない金属からなり、高さが1μm以上である複数の柱状凸部12が表面に形成された集電体と、複数の柱状凸部の上面のみに形成された負極活物質13と、を有する負極とすることにより、負極活物質13がリチウムの吸蔵・放出に伴って体積膨張・収縮を繰り返しても、柱状凸部12の表面はその影響を受けるが、集電体には活物質を有さない空白部があるので、集電体全体に亘って活物質の膨張収縮の影響を受けることがなくなる。
【選択図】図1
【解決手段】リチウムと合金化しない金属からなり、高さが1μm以上である複数の柱状凸部12が表面に形成された集電体と、複数の柱状凸部の上面のみに形成された負極活物質13と、を有する負極とすることにより、負極活物質13がリチウムの吸蔵・放出に伴って体積膨張・収縮を繰り返しても、柱状凸部12の表面はその影響を受けるが、集電体には活物質を有さない空白部があるので、集電体全体に亘って活物質の膨張収縮の影響を受けることがなくなる。
【選択図】図1
Description
本発明はリチウムイオン電池に関し、特に負極の構造に関するものである。
現在、高容量リチウム二次電池が要望されている。これを実現するために負極材料(負極活物質)の新規開発が特に重要である。新たな負極として、集電体の上にリチウムと合金化するSiまたはSnあるいはこれらの合金を負極に応用する技術が公開されている(特許文献1参照)。しかしこれらの材料は、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う体積膨張・収縮が大きいため、実用化が困難であった。
この課題を解決するために、上記材料の薄膜を集電体上に形成した負極が注目されている(特許文献2参照)。この技術は、負極集電体に負極活物質の厚み以下の凹凸を設け、柱状の活物質粒子を形成する。これにより柱状粒子間に空間を作り、膨張による応力を緩和してサイクル特性の改善をおこなうものである。
特開平10−255768号公報
特開2002−83594号公報
しかしながら、特許文献2に記載の負極では、凹凸を有する集電体表面に、CVD法やスパッタリング法などを用いて負極活物質を形成するため、負極活物質も集電体の表面形状の影響を受け、凹凸を有する。この時、集電体の凹部にも負極活物質が形成される。このように、集電体の表面の全体に亘って負極活物質層が形成されるので、負極活物質がリチウムイオンの吸蔵・放出に伴って体積膨張・収縮を繰り返すと、集電体の表面全体がその影響を受ける。その結果、負極活物質の膨張・収縮により発生する応力の緩和ができず、集電体に皺や切断が生じ、最終的にはサイクル特性の低下を招いていた。
本発明は、前記課題を解決するもので、負極活物質の膨張・収縮に伴う応力を吸収する十分な空間を確実有し、サイクル特性劣化の少ないリチウムイオン電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のリチウムイオン電池用負極は、リチウムと合金化しない金属からなり、高さが1μm以上である複数の柱状凸部が表面に形成された集電体と、複数の柱状凸部の上面のみに形成された負極活物質と、を有する。
本構成により、負極活物質がLiの吸蔵・放出に伴って体積膨張・収縮を繰り返しても、柱状凸部の表面はその影響を受けるが、集電体には活物質を有さない空白部があるので、集電体全体に亘って活物質の膨張収縮の影響を受けることがなくなる。
本発明の構造の負極によれば、電池の充放電に伴う負極活物質の膨張・収縮に伴う応力を緩和する空白部を設けてあるので、充放電に伴う集電体に皺や切断が生じることが無く、電池の充放電サイクル特性の劣化を低減できるリチウム二次電池を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明による負極の概略断面図である。負極10は、集電体基材11上に設けられた高さが1μm以上である複数の柱状凸部12を表面に有しており、柱状凸部12の上面にのみ負極活物質13が形成されている。
図1は、本発明による負極の概略断面図である。負極10は、集電体基材11上に設けられた高さが1μm以上である複数の柱状凸部12を表面に有しており、柱状凸部12の上面にのみ負極活物質13が形成されている。
集電体基材11および柱状凸部12としては銅、ニッケル、白金および金といったリチウムと合金化しない金属およびその合金を使用することが出来る。集電体基材11と柱状凸部12とは同じ材料であることが好ましい。
柱状凸部12は、集電体基材11に対して略垂直に形成されている。略垂直でない場合には、柱状凸部12の上面に形成された負極活物質13が膨張した時に、隣り合う負極活物質13同士がぶつかりあうことを防ぐための空間が、略垂直とした場合と比べて多く必要になる。その結果、負極の単位面積あたりの活物質の量が少なくなり、実用的ではない。
柱状凸部12の高さは1μm以上必要である。上部に形成する負極活物質13の厚みにもよるが、1μm以下では応力を緩和する効果が十分得られない。柱状凸部12の高さの上限は特に制限はない。しかし円柱あるいは角柱が高くなると、結果として負極に占める集電体の割合が高くなり、負極としての容量が低下する。従って高さの上限は実用的な容量を考慮して決められる。
本発明の効果をさらに高めるためには、柱状凸部12の上面に形成された負極活物質13の厚さ(t)と、隣り合う柱状凸部12の間の距離(X)との比(X/t)が、2以上であることが好ましい。隣り合う柱状凸部12の間の距離とは、柱状凸部12の側面とその隣りの柱状凸部12の側面とを結ぶ最短距離のことを指す。負極活物質13がリチウムイオンを吸蔵し、膨張する際は、柱状凸部12の上面との接合部での膨張が他の部分と比べて小さいため、扇形に膨れる。X/tの値が2よりも小さいと、柱状凸部12に形成された負極活物質13が膨張する時に、隣り合う負極活物質13ぶつかり合うことになる。その結果、集電体に応力がかかり、最悪の場合は集電体の破断が生じる。X/tの上限は、実用的な容量と負極に占める活物質の割合を考慮して決めればよい。
柱状凸部12は円柱状であっても角柱状であっても良く、角柱状の場合の形状は三角柱、四角柱、五角柱および六角柱が、空間を効率的に確保するために望ましい。
ここで集電体基材11の柱状凸部12が形成されていない箇所(空白部)の形状は、平坦であることが好ましい。空白部に三角溝部などの応力が集中しやすい形状が形成されていない方が、本発明の効果を得やすいためである。
負極活物質13としてはリチウムイオン電池の負極として一般に用いられている材料を使用することができる。特にリチウムイオンを吸蔵するときの膨張が大きい材料を用いた場合、本願の効果が大きい。膨張の大きい材料としてはSi、Sn、SiOx(0<X≦2)およびSnOx(0<X≦2)からなる群より選ばれた少なくとも1つを含む材料が挙げられる。例えばSi単体、Sn単体、Ni3Sn4、Mg2Snといった合金や固溶体、SiB4、SiB6といった化合物が挙げられる。
本発明の負極10は、例えば以下のようにして作製することができる。図2を参照しながら説明する。表面が平滑な圧延銅箔からなる集電体基材11上に、2.3.5トリメチルフェノールからなるレジスト21を塗布する(図2a)。その後、露光法によりレジストへのパターニングを施す(図2b)。その上に蒸着法などで銅からなる柱状凸部12を形成ずる(図2c)。その上にSiを含む負極活物質層22を形成する(図2d)。負極活物質層22の形成は、活物質材料の粉体にバインダーと溶媒を加えてペーストを作り、それをドクターブレード法などで形成する。あるいはスパッタリング法、真空蒸着法、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの乾式薄膜プロセスで形成してもよい。その後、レジスト剥離液に浸漬するリフトオフ工程を行う(図2e)。
以上のようにして得られた本発明による負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質であるコバルト酸リチウムなどを含む正極活物質層をアルミニウムなどの正極集電体上に形成した正極とを、多孔質ポリプロピレン製などのセパレーターで挟み、アルミラミネート等の袋に入れ、リチウムイオン伝導性の電解液またはポリマー電解質を加えることによってリチウムイオン電池を作製できる。
このようにして得られたリチウムイオン電池は、負極膨張による応力が緩和され、極板の皺や切断が抑制され、サイクル劣化の少ないために信頼性が得られる。
以下、具体的な実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
下記の手法にて図1に示す負極10を作製した。集電体基材11として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、表面にレジスト21を形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。露光機はオーク製作所製のEXM−1201、光量計はオーク製作所製のUV−350SD型を用いた。
下記の手法にて図1に示す負極10を作製した。集電体基材11として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、表面にレジスト21を形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。露光機はオーク製作所製のEXM−1201、光量計はオーク製作所製のUV−350SD型を用いた。
次に、その上から銅を蒸着した。膜厚は10μmとし、抵抗加熱蒸着により製膜した。真空度は10−6Torrとして、板状のタングステンのヒーターを用いてその上に銅のインゴットを300mg置き、ヒーターに50Aの電流を流して銅を融解させ蒸発させて成膜した(装置:SVC−700T サンユー電子株式会社製)。
更にその上から負極活物質層22としてのSiO0.3膜を1μmの厚みで電子ビーム(EB)蒸着法により成膜した。蒸着条件は、EBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
次に、水酸化ナトリウム水溶液(2.0wt%、50℃)に10秒間浸して、レジストとその上の銅膜と更にその上のSiO0.3膜を除去するリフトオフを行った。これにより、柱状凸部12の形状は一辺が10μmの正立方体になった。また、隣り合う柱状凸部12の距離は2.5μmとした。空白部はほぼ平坦であった。
その後で水酸化ナトリウムを完全に除去するために純水に10分間浸漬して取り出し、大気中で乾燥した。
このようにして形成されたSiO0.3からなる負極活物質13は、柱状凸部12の上面に成膜され、空白部には成膜されなかった。
(比較例1)
次に比較例1として、図3に示すような、柱状凸部を有しない負極30を作製した。電極作製方法は、集電体基材31として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、その上に負極活物質層32としてのSiO0.3膜を1μmの厚みでEB蒸着法により成膜した。蒸着条件はEBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
次に比較例1として、図3に示すような、柱状凸部を有しない負極30を作製した。電極作製方法は、集電体基材31として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、その上に負極活物質層32としてのSiO0.3膜を1μmの厚みでEB蒸着法により成膜した。蒸着条件はEBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
(比較例2)
更に比較例2として、図4に示すような、柱状凸部を有さず、活物質のみパターニングした負極40を作製した。電極作製方法は、集電体基材41として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、上記実施例1と同様に表面にレジストを形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。次にその上から負極活物質層42としてのSiO0.3膜を1μmの厚みでEB蒸着法により成膜した。蒸着条件はEBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
更に比較例2として、図4に示すような、柱状凸部を有さず、活物質のみパターニングした負極40を作製した。電極作製方法は、集電体基材41として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、上記実施例1と同様に表面にレジストを形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。次にその上から負極活物質層42としてのSiO0.3膜を1μmの厚みでEB蒸着法により成膜した。蒸着条件はEBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
次に、水酸化ナトリウム水溶液(2.0wt%、50℃)に10秒間浸して、レジストとその上のSiO0.3膜を除去するリフトオフを行った。その後で水酸化ナトリウムを完全に除去するために純水に10分間浸漬して取り出し、大気中で乾燥した。
(比較例3)
更に比較例3として、図5に示すような、柱状凸部を有する集電体の上にSiO0.3膜を形成した負極50を作製した。電極作製方法は、集電体基材51として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、表面にレジストを形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。
更に比較例3として、図5に示すような、柱状凸部を有する集電体の上にSiO0.3膜を形成した負極50を作製した。電極作製方法は、集電体基材51として20mm×20mm、厚み35μmの電解銅箔を用い、表面にレジストを形成した。レジストは日立化成工業(株)製のRY−3315を用いた。次に一辺が10μmの正方形を並べてパターニングした石英マスクを通して紫外光を照射し(光量:50mJ/cm2)、炭酸ナトリウム水溶液(0.8wt%、25℃)に10秒間浸して、レジストのパターニングを行った。
次に、その上から銅を蒸着した。膜厚は10μmとし、抵抗加熱蒸着により製膜した。次に、水酸化ナトリウム水溶液(2.0wt%、50℃)に10秒間浸して、レジストとその上の銅膜を除去するリフトオフを行った。その後で水酸化ナトリウムを完全に除去するために純水に10分間浸漬して取り出し、大気中で乾燥した。これにより、柱状凸部53を形成した。柱状凸部53の形状は一辺が10μmの立方体であった。また、隣り合う柱状凸部12の距離は2.5μmであった。空白部はほぼ平坦であった。
更にその上から負極活物質層52としてのSiO0.3膜を1μmの厚みでEB蒸着法により成膜した。蒸着条件はEBパワー:500mA、真空度:4×10−3Pa、酸素流量:10SCCM、製膜時間:1時間とした(成膜装置は神港精機株式会社製)。
(電池の作製)
次に、上記実施例1および比較例1〜3で作製した負極と組み合わせるための正極を以下のように作製した。まず、基板12として20mm×20mm、厚み50μmの白金箔を用い、その上に、第一活物質13としてLiCoO2を、厚み2μmでスパッタ法(200Wパワー、Ar/O2=3/1を20SCCM、20mTorr)により形成し、さらに大気中にて800℃2時間で管状炉にて熱処理を行ない、正極とした。
次に、上記実施例1および比較例1〜3で作製した負極と組み合わせるための正極を以下のように作製した。まず、基板12として20mm×20mm、厚み50μmの白金箔を用い、その上に、第一活物質13としてLiCoO2を、厚み2μmでスパッタ法(200Wパワー、Ar/O2=3/1を20SCCM、20mTorr)により形成し、さらに大気中にて800℃2時間で管状炉にて熱処理を行ない、正極とした。
電解液としては1mol/lのLiPF6を、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合溶媒(混合体積比=1:2)に溶解したものを用いた。
セパレーターとしては、セルガード社製のポリプロピレン製セパレーター(厚さ20μm)を用いた。
上記正極と、上記実施例および比較例1〜3の負極とをそれぞれ活物質同士が対抗するように組み合わせて、その正極と負極との間にセパレーターを配置して積層後、アルミラミネート製の袋に挿入し、上記電解液を1cm3注入し、袋の電解液注入口をヒートシールにより封印して、2mm厚のガラス板で袋を挟み込み、クリップで固定してモデルセルを作製した。
(評価)
得られたモデルセルのサイクル特性は次のようにして求めた。充電を0.1mAの電流で4.2Vまで行い、その後の放電は0.1mA電流で3.0Vまで行う。この充放電サイクルを200回行い、1サイクル目の放電容量を200回目の放電容量で割った値を100倍してサイクル特性を求めた。作製したモデルセルの1サイクル目の放電容量はおおむね0.5mAhであった。更に前記の充放電の200サイクル後にアルミラミネートの袋を開封して負極を取り出し、負極集電体の皺の有無を調べた。結果を表1に示す。
得られたモデルセルのサイクル特性は次のようにして求めた。充電を0.1mAの電流で4.2Vまで行い、その後の放電は0.1mA電流で3.0Vまで行う。この充放電サイクルを200回行い、1サイクル目の放電容量を200回目の放電容量で割った値を100倍してサイクル特性を求めた。作製したモデルセルの1サイクル目の放電容量はおおむね0.5mAhであった。更に前記の充放電の200サイクル後にアルミラミネートの袋を開封して負極を取り出し、負極集電体の皺の有無を調べた。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1は比較例1〜3に比べてサイクル特性が高く、負極集電体の皺もなかった。これは、実施例1では、活物質の体積膨張による応力を集電体の空白部が緩和したためであると考えられる。比較例2については、空白部を有するものの集電体基材に活物質を直接形成したため、また比較例3については、空白部が無かったため、応力緩和が不十分であったと考えられる。また、空白部のない比較例1については集電体に皺が多数発生し、集電体の切断が観察された。
(実施例2)
次に、上記実施例1の負極と同様の構造で、柱状凸部の高さを変化させ、実施例1と同様の評価を行った結果を示す。柱状凸部の高さは、実施例1における銅の蒸着時間を調整することで行った。その他は実施例1と同様とした。結果を表2に示す。
次に、上記実施例1の負極と同様の構造で、柱状凸部の高さを変化させ、実施例1と同様の評価を行った結果を示す。柱状凸部の高さは、実施例1における銅の蒸着時間を調整することで行った。その他は実施例1と同様とした。結果を表2に示す。
これにより、柱状凸部の高さは1μm以上あれば、サイクル特性の向上に効果があることが判った。これは、柱状凸部に成膜された活物質の膨張によって基板にかかる応力が、柱状凸部を高くすることで、減少するからと考えられる。
(実施例3)
次に、上記実施例1の負極と同様の構造で、隣り合う柱状凸部の距離(X)とを変化させ、実施例1と同様の評価を行い、負極活物質の厚さ(t)とXとの関係について求めた。隣り合う柱状凸部の距離は、実施例1におけるレジストのパターニングを変更することで行った。その他は実施例1と同様とした。結果を表3に示す。
次に、上記実施例1の負極と同様の構造で、隣り合う柱状凸部の距離(X)とを変化させ、実施例1と同様の評価を行い、負極活物質の厚さ(t)とXとの関係について求めた。隣り合う柱状凸部の距離は、実施例1におけるレジストのパターニングを変更することで行った。その他は実施例1と同様とした。結果を表3に示す。
表3から明らかなようにX/tは2以上で特性の向上が見られた。
また、柱状凸部の形状が、円柱、三角柱、四角柱、五角柱、または六角柱についても同様の結果が得られた。
なお、1つの集電体における柱状凸部の形状は、全て同一である必要はなく、例えば円柱と四角柱とが混ざっていても、柱状凸部の高さが1μm以上であり、柱状凸部の上面にのみ負極活物質が形成されていれば、柱状凸部の形状に依らず本発明の効果を得ることができる。
本発明にかかる負極は、集電体に複数の柱状凸部を設けて、柱状凸部の上面にのみ負極活物質を形成し、また、複数の柱状凸部以外の集電体には、活物質が形成されない空白部を確実に設けることで、活物質の体積変化による応力の集中を緩和することができ、集電体の皺や切断の発生を防止してサイクル特性の低下を抑制することが可能である。このため、本発明の電極を用いることでサイクル特性などの信頼性に優れた高容量のリチウム二次電池の作製が可能となる。
10,30,40,50 負極
11,31,41,51 集電体基材
12,53 柱状凸部
13 負極活物質
21 レジスト
22,32,42,52 負極活物質層
11,31,41,51 集電体基材
12,53 柱状凸部
13 負極活物質
21 レジスト
22,32,42,52 負極活物質層
Claims (5)
- リチウムと合金化しない金属からなり、高さが1μm以上である複数の柱状凸部が表面に形成された集電体と、
前記複数の柱状凸部の上面のみに形成された負極活物質と、
を有するリチウムイオン電池用負極。 - 隣接する前記柱状凸部の間の距離(X)と前記負極活物質の厚さ(t)との比(X/t)が2以上であること、
を特徴とする請求項1記載のリチウムイオン電池用負極。 - 前記柱状凸部が、円柱、三角柱、四角柱、五角柱、および六角柱からなる群より選ばれた1つであること、
を特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン電池用負極。 - 前記負極活物質は、Si、Sn、SiOx(0<X≦2)およびSnOx(0<X≦2)からなる群より選ばれた少なくとも1つを含むこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用負極。 - 請求項1から4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極と、
リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、
リチウムイオン伝導性の電解液またはポリマー電解質と、
を備えたリチウムイオン電池。
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