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JP2006328261A - 無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子 - Google Patents

無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子 Download PDF

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JP2006328261A
JP2006328261A JP2005155372A JP2005155372A JP2006328261A JP 2006328261 A JP2006328261 A JP 2006328261A JP 2005155372 A JP2005155372 A JP 2005155372A JP 2005155372 A JP2005155372 A JP 2005155372A JP 2006328261 A JP2006328261 A JP 2006328261A
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inorganic fine
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thermoplastic resin
fine particle
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Shinichi Kurakata
慎一 藏方
Hiroaki Ando
浩明 安藤
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Konica Minolta Opto Inc
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Konica Minolta Opto Inc
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Abstract

【課題】極性基を有さないオレフィン系樹脂に対して多量の無機微粒子を容易にかつ均一に分散させるとともに、得られた熱可塑性樹脂組成物及び光学素子における透明性及び屈折率の温度依存性の向上を図る。
【解決手段】オレフィン系樹脂0.1〜20重量部及び樹脂添加剤0.1〜10重量部の少なくとも1つと、無機微粒子100重量部と、表面処理剤5〜20重量部とを含有する無機微粒子分散組成物と、環状ポリオレフィン樹脂とを混合させ、熱可塑性樹脂組成物を作製し、さらにこの熱可塑性樹脂組成物を用いて光学素子を作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子に係り、特に、レンズ、フィルター、グレーティング、光ファイバー、平板光導波路等として好適に用いられ、熱安定性が高く、透明性の優れた無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子に関する。
MO(Magneto Optics)、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の光情報記録媒体に対して、情報の読み取り動作や、記録動作を行うプレーヤー、レコーダー又はドライブ等の情報機器には、光ピックアップ装置が備えられている。この光ピックアップ装置には、光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットが具備されており、この光学素子ユニットには、これらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズ等の光学素子が具備されている。
上述した光ピックアップ装置の光学素子には、射出成形等の手段によって製造コストの抑制を図ることが可能である等の観点から、プラスチックを材料として適用することが好ましく、現状において光学素子に適用可能なプラスチックとしては、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体等が知られている。
ところで、従来、樹脂素材に対して無機微粒子等のフィラーを混合することにより、剛性又は耐熱性等の物性の改良を図る研究開発が盛んに行われている。
そこで、この方法を利用して、物性の向上を図ることが可能な熱可塑性樹脂組成物として、光学材料であるポリオレフィン樹脂に、アルキルアンモニウム塩による有機化処理が施された層状珪酸塩を充填させるポリオレフィン系複合材料が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、透明性の向上を図ることが可能な熱可塑性樹脂組成物として、表面に極性基及び一部疎水基を有する酸化化合物に表面処理を施した後、溶媒溶液に分散させ、この分散溶液に極性基を有するオレフィン樹脂を混合させる樹脂組成物が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、無機充填剤が多量に含有されている場合であっても、主材と混合した際に、全体として無機充填剤を均一に分散させることが可能な熱可塑性樹脂組成物として、オレフィン系樹脂と、ゴム成分と、無機充填剤と、酸変性樹脂とを含有し、オレフィン系樹脂、ゴム成分、無機充填剤及び酸変性樹脂の合計を100質量部とした場合に、酸変性樹脂が0.2〜5質量部となるように混合させるマスターバッチが開発されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−30039号公報 特開2004−155942号公報 特開2004−149565号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物の場合、フィラーの充填を伴う物性の向上が不十分であり、コンポジット材料として十分な分散性を得ることが困難であるといった問題が生じている。
また、特許文献2に記載の熱可塑性樹脂組成物の場合、使用される無機微粒子溶液が高価であり、保存性も悪いため、製造コストの上昇するとともに、製造効率の低下を引き起こすといった問題が生じている。また、製造工程中に溶媒除去工程を有するため、フィラーが高充填された熱可塑性樹脂組成物の作製には適していないといった問題も生じている。
さらに、特許文献3に記載の熱可塑性樹脂組成物の場合、無機微粒子に対する表面処理方法に関する具体的な記載が存在せず、その光学特性についても何ら言及されていないため、光学用途に適用可能であるか否かについては、全くの不明である。
このように、現状においては、光学用途に最適なポリオレフィン系の熱可塑性樹脂組成物は得られていない。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、オレフィン系樹脂に対する無機微粒子の分散性の向上とともに、透明性及び屈折率の温度依存性に優れた無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、オレフィン系樹脂0.1〜20重量部及び樹脂添加剤0.1〜10重量部の少なくとも1つと、無機微粒子100重量部と、表面処理剤5〜20重量部とを含有すること特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、無機微粒子とともに添加される樹脂添加剤がオレフィン系樹脂との結合剤として作用することで、オレフィン系樹脂に対する無機微粒子の相溶性の向上を図ることにより、混練時において無機微粒子を容易に分散させることができる。また、無機微粒子の分散性の向上に伴って、光線透過率及び線膨張係数の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、前記オレフィン系樹脂が、極性基を有し、混合する熱可塑性樹脂に対して相溶性を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、極性基を有するオレフィン系樹脂を用いることにより、ホスト材であるオレフィン系樹脂と無機微粒子との結合性の向上が図られ、表面処理剤及び無機微粒子が均一に分散した熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
請求項3に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、前記樹脂添加剤が、脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルの少なくとも1つを含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、極性基を有する脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルを用いることにより、ホスト材であるオレフィン系樹脂と無機微粒子との結合性の向上が図られ、表面処理剤及び無機微粒子が均一に分散した熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
請求項4に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、前記無機微粒子が、平均粒径が30nm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、オレフィン系樹脂における無機微粒子の分散性の向上を図り、無機微粒子に起因した光散乱の発生を抑制することができる。
請求項5に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、前記表面処理剤が、シラン系カップリング剤及びチタン系カップリング剤の少なくとも1つであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、予め混合されたシラン系カップリング剤及びチタン系カップリング剤の少なくとも1つにより、無機微粒子の表面が均一に表面処理されることで、カップリング剤の局在化を防止し、オレフィン系樹脂における無機微粒子の分散性の向上を図ることができる。
請求項6に記載の発明に係る無機微粒子分散組成物は、前記オレフィン系樹脂及び樹脂添加剤の少なくとも1つと、前記無機微粒子と、前記表面処理剤とを溶媒中で均一に混合した後、乾燥処理を施すことによって作成されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、溶媒除去時に凝集が発生し易い無機微粒子であっても、予め配合された表面処理剤の作用により、凝集の発生を抑制することができる。
請求項7に記載の発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の無機微粒子分散組成物と、環状ポリオレフィン樹脂とを混合することによって作成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、無機微粒子分散組成物に多量の環状ポリオレフィン樹脂を混合した場合であっても、無機微粒子が容易にかつ均一に分散されるので、熱可塑性樹脂組成物における光線透過率及び線膨張係数を維持することができる。
請求項8に記載の発明に係る光学素子は、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、成形された光学素子における透明性及び屈折率の温度依存性の向上を図ることができる。
本発明によれば、極性基を有さないオレフィン系樹脂に対して多量の無機微粒子を容易にかつ均一に分散させるとともに、得られた熱可塑性樹脂組成物及び光学素子における透明性及び屈折率の温度依存性の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
まず始めに、熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本実施形態における熱可塑性樹脂組成物は、オレフィン系樹脂及び樹脂添加剤の少なくとも1つ、並びに無機微粒子及び表面処理剤の混合物である無機微粒子分散組成物と、この無機微粒子分散組成物が添加される熱可塑性樹脂とからなる。
ここで、以下において、無機微粒子分散組成物及び熱可塑性樹脂の詳細について、それぞれ説明する。
まず始めに、熱可塑性樹脂について説明する。
本実施形態における熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が用いられ、特に、環状ポリオレフィン樹脂が好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの樹脂には、相溶性のある2種類以上の樹脂が用いられてもよい。
具体例として、特開2003−73559号公報等に記載の化合物を挙げることができ、その好ましい化合物を下記表1に示す。
Figure 2006328261
なお、光学材料として用いる場合には、寸法安定性の観点から、吸湿率は0.2%以下が望ましいため、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、デュポン製:テフロン(登録商標)AF、旭硝子製:サイトップ)、環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン製:ZEONEX、三井化学製:APEL、JSR製:アートン、チコナ製:TOPAS)、インデン/スチレン系樹脂、ポリカーボネート等が好適に用いられる。
また、これらの熱可塑性樹脂と相溶性のある他の樹脂を併用してもよい。
ここで、本実施形態における相溶性とは、任意の割合で分子状態に溶け合う完全相溶の状態と、任意の組成や、温度等条件下で相溶する部分相溶の状態のことをいう。
さらに、2成分以上樹脂を相溶化する場合、相溶化後の樹脂は各成分の物理的及び化学的性質の平均であるか、両者の最善の特性が示される物理的及び化学的性質を有する。例えば、2種以上の樹脂を用いる場合、その吸水率は、個々の樹脂における吸水率の平均値と略同一であると考えられ、それらの平均の吸水率が0.2%以下となればよい。
次に、無機微粒子分散組成物におけるオレフィン系樹脂について説明する。
本実施形態におけるオレフィン系樹脂は、上述した熱可塑性樹脂であってもよいが、フィラー及び表面処理剤との相互作用の観点から、極性基を有するオレフィン系樹脂が好ましい。極性基の具体例としては、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基等が挙げられる。これらの極性基を有するオレフィン系樹脂は、2種類以上の極性基を有していてもよく、2種類以上の極性基を有するオレフィン系樹脂と、極性基を有さないオレフィン系樹脂との混合物であってもよい。
また、オレフィン系樹脂の配合量は、重合体100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内である。これは、オレフィン系樹脂の配合量が0.1重量部以下であると、粒子分散効果等が発揮されず、20重量部以上であると、最終的にオレフィン樹脂中に混合した場合に、無機微粒子の充填率が低下して所望の効果が発揮されない可能性があるためである。
なお、上述したオレフィン系樹脂は、光学用途として用いられる場合、透明性の観点から、ホスト材料であるオレフィン系樹脂との相溶性が要求されるため、ホスト材料に任意の方法で極性基を導入したオレフィン系樹脂も好適に用いられる。
極性基を有するオレフィン系樹脂の製造方法としては、極性基を持つ不飽和単量体をオレフィン系樹脂と共重合させる方法等、公知の技術を適用することが可能である。
次に、樹脂添加剤について説明する。
本実施形態における樹脂添加剤としては、様々な種類の樹脂添加剤を単独で又は組合わせて使用してもよい。本実施形態における添加剤としては、白化剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、着色剤、耐衝撃性改良剤、増量剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、加工助剤等の各種物質が挙げられる。
また、その範囲は、発明に記載の効果を損なわない範囲で適宜使用可能である。
本実施形態における樹脂添加剤は、マスターバッチに添加されることにより、マスターバッチ作成時における無機微粒子の分散化効果や、バインダ機能を持たせることを目的としている。これらの樹脂添加剤は、使用される各材料と相溶化できる範囲内において適宜選択して用いられる。
樹脂添加剤の配合量は、重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内であり、1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。これは、配合量が少なすぎると、無機微粒子分散組成物の作成時に無機微粒子の分散効果が十分に発揮されないことによって高充填が困難となり、配合量が多すぎると、樹脂との相溶性を維持することが困難となり、レンズの透明性が低下するためである。
また、樹脂添加剤はマスターバッチ作成時を含め、何れのタイミングで添加されてもよい。
以下において、上述した各種樹脂添加剤の中で主な樹脂添加剤の具体例を挙げるが、これらに特に限定されるものではない。
また、上述した樹脂添加剤の配合量は、下記の各種添加剤の総量とする。
本実施形態における可塑剤としては、特に限定されるものではないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等を、フタル酸エステル系可塑剤では、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等を、トリメリット酸系可塑剤では、例えば、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等を、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、例えば、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等を、グリコレート系可塑剤では、例えば、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を、クエン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等がそれぞれ挙げられる。
なお、本実施形態における樹脂添加剤には、耐熱性や、無機微粒子の分散性の観点から、脂肪酸アミド又は脂肪酸エステル等の可塑剤が含有されていることが好ましい。
本実施形態における酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成型時における酸化劣化等に起因したレンズの着色や、強度低下を防止することが可能である。
また、酸化防止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上の酸化防止剤を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、重合体100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲であることが好ましく、0.01〜1重量部の範囲であることがより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが適用可能であり、特開昭63−179953号公報に記載の2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等や、特開平1−168643号公報に記載のアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリトリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス−(2,6−ジメチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
本実施形態における耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明においては、レンズの透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤を用いるのが好ましい。ヒンダードアミン系耐光安定剤(以下、HALS:Hindered Amine Light Stabilizer)の中でも、テトラヒドロフラン(THF:Tetra Hydro Furan)を溶媒として用い、GPC(Gel Permeation Chromatography)によって測定したポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mn:Number-average Molecular weight)が1000〜10000の範囲内であるものが好ましく、2000〜5000の範囲内であるものがより好ましく、2800〜3800の範囲内であるものが特に好ましい。これは、Mnが小さすぎると、HALSをブロック共重合体に加熱溶融混練して配合する際に、揮発のため所定量を配合することが困難となる、また射出成型等の加熱溶融成型時に発泡やシルバーストリークが生ずる等、加工安定性が低下からである。また、ランプを点灯させた状態でレンズを長時間使用する場合に、レンズから揮発性成分がガスとなって発生するからである。逆に、Mnが大き過ぎると、ブロック共重合体への分散性が低下して、レンズの透明性が低下し、耐光性改良の効果が低減する。
したがって、本発明においては、HALSのMnを上述した範囲内とすることにより、加工安定性、低ガス発生性、透明性に優れたレンズが得られる。
このようなHALSの具体例としては、N,N′,N′′,N′′′−テトラキス−〔4,6−ビス−{ブチル−(N−メチ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ}−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,6−ヘキサンジアミン−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕等のように、ピペリジン環がトリアジン骨格を介して複数結合した高分子量HALSや、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物等のように、ピペリジン環がエステル結合を介して結合した高分子量HALS等が挙げられる。
上述したHALSの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物等であって、Mnが2000〜5000の範囲内であるものが好ましい。
次に、無機微粒子について説明する。
本実施形態における無機微粒子は、平均粒子径が1nm以上、30nm以下の範囲であることが好ましく、1nm以上、20nm以下の範囲であることがより好ましく、1nm以上、10nm以下の範囲であることが特に好ましい。平均粒子径が1nm未満の場合、無機微粒子の分散が困難になり所望の性能が得られないおそれがあることから、平均粒子径は1nm以上であることが好ましく、また、平均粒子径が30nmを超えると、得られる熱可塑性材料組成物が濁るなどして透明性が低下し、光線透過率が70%未満となるおそれがあることから、平均粒子径は30nm以下であることが好ましい。
ここで、平均粒子径とは、粒子と同体積の球に換算した時の直径のことを示す。
なお、無機微粒子の形状は、特に限定されるものではないが、球状の無機微粒子が好適に用いられる。これは、無機微粒子が球状であることにより、無機微粒子の混練時における増粘を防止することが可能となるからである。
また、無機微粒子の粒径分布についても、特に限定されるものではないが、目的の効果を効率よく発現させるために、比較的狭い分布を有する無機微粒子が好適に用いられる。
無機微粒子としては、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子、燐化物、複酸化物微粒子、オキソ酸塩微粒子、複塩微粒子、錯塩微粒子等が挙げられる。より具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、これら酸化物との組み合わせで形成されるリン酸塩、硫酸塩等、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウム、等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、無機微粒子には、半導体結晶組成の微粒子を好適に用いることができる。半導体結晶組成には、特に限定されるものではないが、光学素子として使用する波長領域において吸収、発光又は蛍光等が生じないものが好ましい。具体的な組成例としては、炭素、ケイ素、ゲルマニウム及び錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン又はテルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II,IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。
なお、G.Schmidら、Adv.Mater.、1991年、第4巻、p.494に記載の(BN)75(BF1515や、D.Fenskeら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、1990年、第29巻、p.1452に記載のCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
上述した無機微粒子は、1種類の無機微粒子が用いられてもよく、また複数種類の無機微粒子が併用されてもよい。また、複合組成の無機微粒子を用いることも可能である。
なお、本実施形態における無機微粒子分散組成物は、最終的に熱可塑性樹脂との混合により、所望の熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的としており、このような無機微粒子分散組成物中における無機微粒子濃度は、最終生成物である熱可塑性樹脂組成物中における無機微粒子濃度よりも高濃度となっている。これは、熱可塑性樹脂と混合することによって所望の熱可塑性樹脂組成物を得るためには、ある程度の無機微粒子濃度が必要となるからであり、より具体的には、無機微粒子分散組成物における無機微粒子の体積分率が10%以上であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物に含有される無機微粒子の体積比率は、1〜70vol%の範囲内であることが好ましく、10〜50vol%の範囲内であることがより好ましい。これは、熱可塑性樹脂組成物における無機微粒子の含有量が1vol%以下である場合、所望する物性の向上が得られない可能性があるためである。また、無機微粒子の含有率が70vol%以上である場合、経済性及び成形性において問題が生ずるためである。
無機微粒子の作成方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることが可能であり、ハロゲン化金属や、アルコキシ金属を原料として用いて、水を含有する反応系において加水分解することにより、所望の酸化物微粒子を得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有機酸や、有機アミン等を併用する方法も用いられる。具体例として、二酸化チタン微粒子の場合には、Journal of chemical engineering of Japan、1998年、第1巻、第1号、p.21−28に、硫化亜鉛の場合には、Journal of physical chemistry、1996年、第100巻、p.468−471に記載の公知の方法を用いることが可能である。
上述した作成方法により、平均粒子直径5nmの酸化チタンは、チタニウムテトライソプロポキサイドや、四塩化チタンを原料として適当な溶媒中で加水分解させる際に、適当な表面修飾剤を添加することによって容易に作成することができる。
また、平均粒子直径40nmの硫化亜鉛は、ジメチル亜鉛や、塩化亜鉛を原料として、硫化水素又は硫化ナトリウム等で硫化する際に、表面修飾剤を添加することによって作成することができる。
このようにして作成された無機微粒子の表面修飾方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の何れの方法も適用することが可能である。例えば、水が存在する条件下において加水分解によって無機微粒子の表面を修飾する方法が挙げられる。この方法においては、酸又はアルカリ等の触媒が好適に用いられ、無機微粒子の表面における水酸基と、表面修飾剤の加水分解によって生ずる水酸基とが、脱水して結合が形成されていると考えられている。
上述したようなクラスターからのボトムアッププロセスによる無機微粒子の作成の他に、無機微粒子を粉砕することで微粒子を作成するトップダウンプロセスも提案されている。トップダウンプロセスにおいて使用される粉砕機としては、ウルトラアペックスミル(コトブキ技研製);カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業製);クロスジェットミル(栗本鉄工所製);ウルマックス(日曹エンジニアリング製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業製);クリプトロン(川崎重工業製);ターボミル(ターボ工業製);スーパーローター(日清エンジニアリング製)等が挙げられる。
このような方法によって作成された無機微粒子は、表面処理剤であるシラン系、シリコーンオイル系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系等のカップリング剤により、表面処理が施されている。
これらカップリング剤は、使用する無機微粒子の種類に応じて適宜選択される。また、2種以上の表面処理を施す場合には、各種表面処理が同時に又は異なる時期に施されてもよい。
シラン系のカップリング剤としては、ビニルシラザントリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等の従来公知のものを用いることが可能であるが、広範囲に渡って微粒子の表面を被覆するために、ヘキサメチルジシラザン等が好ましく用いられる。
シリコーンオイル系のカップリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。
また、これらの処理剤は、ヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトン水等により、適宜希釈して用いられてもよい。
上述したカップリング剤による表面改質手法としては、湿式加熱法、湿式濾過法、乾式攪拌法、インテグルブレンド法、造粒法等が挙げられるが、上述したマスターバッチ作成前に、これらの方法によって無機微粒子に予め表面処理を施してもよい。
カップリング剤の添加量は、無機微粒子がナノオーダーであるため、比表面積が大きいことや、熱可塑性樹脂中への混練時の反応性の問題等を考慮して、比較的多量に用いられており、熱可塑性樹脂組成物中における微小空間の発生による線膨張係数の増大や、無機微粒子の凝集の発生による光線透過率の低下を考慮すると、無機微粒子100重量部に対して5重量部以上であって、さらに、製造コストの増加及び粘度の増大を考慮すると、無機微粒子100重量部に対して20重量部以下となっている。
なお、上述したオレフィン系樹脂若しくは樹脂添加剤、無機微粒子及び表面処理剤を混合する場合、溶媒を用いることによって均一に混合することができる。
本実施形態における溶媒としては、オレフィン系樹脂、樹脂添加剤及び表面処理剤が溶解するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン等のエステル類、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は、単独又は2種以上を混合して使用することが可能である。
本実施形態における溶媒の大気圧時における沸点は、30〜200℃の範囲内であることが好ましく、50〜100℃の範囲内であることがより好ましい。これは、沸点が30℃よりも低いと、取扱い上危険であるためである。一方、沸点が100℃より高いと、溶媒除去が困難になるとともに、分解物の残留や、加熱の影響によって最終生成物である熱可塑性樹脂組成物に悪影響を与えるためである。
上述したオレフィン系樹脂、樹脂添加剤、無機微粒子及び表面処理剤の混合物、すなわち、無機微粒子分散組成物を作製方法としては、上述した溶媒中で撹拌混合させる方法の他に、混練装置や、造粒装置等の従来公知である分散装置及び混合装置を用いて混合させる方法が挙げられる。
なお、溶媒中で撹拌混合させる方法の場合、最終生成物である熱可塑性樹脂組成物への悪影響及び経済性の観点から、溶媒等の揮発性の残留物が総体積の2%以下であることが好ましい。
次に、本実施形態における熱可塑性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態における熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、無機微粒子が高度に分散した組成物を得るために、無機微粒子分散組成物と、熱可塑性樹脂とを溶媒中で混合しながら溶融混練装置によって剪断力を与えることにより、分散及び表面改質を行うことによって製造される。
また、最終生成物である熱可塑性樹脂組成物における無機微粒子分散組成物の含有率は、通常、5〜50%の範囲内である。これは、無機微粒子の含有率が非常に少ない場合、無機微粒子による所望の物性改善効果が損なわれるためである。一方、含有率が非常に大きい場合、混練装置中において、均一な混合を行うために多くの時間が費やされることで樹脂が劣化するとともに、混練装置の内壁面に無機微粒子分散組成物が付着してしまうからである。
なお、上述した無機微粒子分散組成物と熱可塑性樹脂との混合は、酸化による機能低下を防ぐため、アルゴンガスや、窒素ガス等に置換した雰囲気下で行われることが好ましい。
溶融混練に用いられる混練装置としては、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等が挙げられ、特に、剪断効率の高い混練装置が好ましい。具体的な混練装置としては、KRCニーダー(栗本鉄工所製)、ポリラボシステム(HAAKE製)、ナノコンミキサー(東洋精機製作所製)、ナウターミキサーブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所製)、PCM混練機(池貝鉄工所製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所製)、ニーデックス(三井鉱山製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所製)、バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)等が挙げられる。
なお、混合の程度が不十分の場合には、熱可塑性や、溶融成形性等の樹脂加工性に影響を与えるおそれがあり、特に、光線透過率に影響を与えるおそれがある。このように、混合の程度は、その作成方法の影響を受けることが考えられ、使用される熱可塑性樹脂及び無機微粒子の特性を十分に勘案して、最適な方法を選択する必要がある。
以上の方法によって作成された熱可塑性樹脂組成物を成形することにより、各種成形材料を得ることができる。その成形方法としては、特に限定されるものではないが、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形物を得るためには、溶融成形が特に好ましい。溶融成形法としては、市販のプレス成形、市販の押し出し成形、市販の射出成形等が挙げられるが、成形性及び生産性の観点から、射出成形が好ましい。
また、成形工程における成形条件は、使用目的又は成形方法によって適宜選択されるが、射出成形における樹脂組成物の温度は、成形時に適度な流動性を樹脂に付与して成形品のヒケやひずみの発生とともに、樹脂の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、さらには、成形物の黄変を効果的に防止する観点から、150℃〜400℃の範囲であることが好ましく、200℃〜350℃の範囲であることがより好ましく、200℃〜330℃の範囲であることが特に好ましい。
成形物としては、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルム又はシート形状等の種々の形態で使用することが可能であり、また、低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れるため、各種光学部品への適用が可能である。
具体的な適用例としては、光学レンズや、光学プリズムとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)等の光ディスクのピックアップレンズ;レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズ等のレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズ等が挙げられる。
また、その他の光学用途としては、液晶ディスプレイ等の導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム等の光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板等が挙げられる。
上述した成形物の中でも、低複屈折性が要求されるピックアップレンズや、レーザ走査系レンズ等の光学素子として好適に用いられ、以下、図1を参照しながら、本実施形態における熱可塑性樹脂組成物によって成形された光学素子が用いられた光ピックアップ装置1について説明する。
図1に示すように、本実施形態における光ピックアップ装置1には、光源としての3種類の半導体レーザ発振器LD1,LD2,LDが具備されている。このうち、半導体レーザ発振器LD1は、BD(又はAOD)10用として波長350〜450nm中の特定波長、例えば405nm,407nmの波長の光束を出射するようになっている。また、半導体レーザ発振器LD2は、DVD20用として波長620〜680nm中の特定波長の光束を出射するようになっている。さらに、半導体レーザLD3は、CD30用として750〜810nm中の特定波長の光束を出射するようになっている。
半導体レーザ発振器LD1から出射される青色光の光軸方向には、図1中下方から上方に向かって、シェイバSH1、スプリッタBS1、コリメータCL、スプリッタBS4,BS5及び対物レンズ15が順次配設されており、対物レンズ15と対向する位置には、光情報記録媒体であるBD10、DVD20又はCD30が配置されるようになっている。また、スプリッタBS1の図1中右方には、シリンドリカルレンズL11、凹レンズL12及び光検出器PD1が順次配設されている。
半導体レーザ発振器LD2から出射される赤色光の光軸方向には、図1中左方から右方に向けてスプリッタBS2,BS4が順次配設されている。また、スプリッタBS2の図1中下方にはシリンドリカルレンズL21、凹レンズL22及び光検出器PD2が順次配設されている。
半導体レーザ発振器LD3から出射される光の光軸方向には、図1中右方から左方に向けてスプリッタBS3,BS5が順次配設されている。また、スプリッタBS3の図1中下方にはシリンドリカルレンズL31、凹レンズL32及び光検出器PD3が順次配設されている。
光学素子である対物レンズ15は、光情報記録媒体としてのBD10、DVD20又はCD30に対向配置されるものであり、各半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3から出射された光を、BD10、DVD20又はCD30に集光するようになっている。このような対物レンズ15には、2次元アクチュエータ2が具備されており、この2次元アクチュエータ2の動作により、対物レンズ15は、上下方向に移動自在となっている。
次に、光ピックアップ装置1の作用について説明する。
本実施形態における光ピックアップ装置1は、記録媒体の種類よってそれぞれ異なる動作をするため、以下において、BD10、DVD20及びCD30に対する動作態様の詳細について、それぞれ説明する。
まず始めに、BD10に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
BD10への情報の記録動作時や、BD10に記録された情報の再生動作時には、半導体レーザ発振器LD1が光を出射する。その光は、図1に示すように、光線L1となって、シェイバSH1を透過して整形され、スプリッタBS1を透過して、コリメータCLで平行光とされる。そして、各スプリッタBS4,BS5及び対物レンズ15を透過し、BD10の記録面10aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した光は、BD10の記録面10aで情報ピットにより変調され、記録面10aによって反射される。そして、この反射光は、対物レンズ15、スプリッタBS5及びコリメータCLを透過し、スプリッタBS1で反射した後、シリンドリカルレンズL11を透過して、非点収差が与えられる。その後、凹レンズL12を透過して、光検出器PD1で受光される。以後、このような動作が繰り返し行われ、BD10に対する情報の記録動作や、BD10に記録された情報の再生動作が完了する。
次に、DVD20に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
DVD20への情報の記録動作時や、DVD20に記録された情報の再生動作時には、半導体レーザ発振器LD2が光を出射する。その光は、図1に示すように、光線L2となって、スプリッタBS2を透過し、スプリッタBS4によって反射される。反射された光線L2は、スプリッタBS5及び対物レンズ15を透過し、DVD20の記録面20aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した光は、DVD20の記録面20aで情報ピットにより変調されて、記録面20aによって反射される。そして、この反射光は、対物レンズ15及びスプリッタBS5を透過し、各スプリッタBS4,BS2で反射した後、シリンドリカルレンズL21を透過して、非点収差が与えられる。その後、凹レンズL22を透過して、光検出器PD2で受光される。以後、このような動作が繰り返し行われ、DVD20に対する情報の記録動作や、DVD20に記録された情報の再生動作が完了する。
最後に、CD30に対する光ピックアップ装置1の動作について説明する。
CD30への情報の記録時や、CD30に記録された情報の再生時には、半導体レーザ発振器LD3から光が出射される。出射された光は、図1に示すように、光線L3となって、スプリッタBS3を通過し、スプリッタBS5によって反射される。反射された光線L3は、対物レンズ15を透過し、CD30の記録面30aに集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した光は、CD30の記録面30aで情報ピットにより変調されて、記録面30aによって反射される。そして、この反射光は、対物レンズ15を透過し、各スプリッタBS5,BS3で反射した後、シリンドリカルレンズL31を透過して、非点収差が与えられる。その後、凹レンズL32を透過して、光検出器PD3で受光される。以後、このような動作が繰り返し行われ、CD30に対する情報の記録動作や、CD30に記録された情報の再生動作が完了する。
なお、光ピックアップ装置1には、BD10、DVD20又はCD30に対する情報の記録動作時や、BD10、DVD20又はCD30に記録された情報の再生動作時には、各光検出器PD1,PD2,PD3でのスポットの形状変化又は位置変化による光量変化を検出して、合焦検出又はトラック検出を行うようになっている。そして、このような光ピックアップ装置1は、各光検出器PD1,PD2,PD3の検出結果に基づいて、2次元アクチュエータ2が半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3からの光をBD10、DVD20又はCD30の記録面10a,20a,30aに結像するように対物レンズ15を移動させるとともに、半導体レーザ発振器LD1,LD2,LD3からの光を各記録面10a,20a,30aの所定のトラックに結像させるように対物レンズ15を移動させるようになっている。
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の実施例について説明する。
[実施例1]
環状オレフィン樹脂(日本ゼオン製:ZEONEX330R)10g、アルミナ(大明化学社製:TM−300、1次粒径7nm)100g、カップリング剤(東レダウコーニング社製:SZ−6187)10g、アミド系滑剤(日本油脂製:WA−1)5gをシクロヘキサン溶液200ml中に溶解させ、混合撹拌させた後、80℃の温度で乾燥させ、無機微粒子分散組成物を得た。その後、無機微粒子分散組成物と、環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン製:ZEONEX330R)とを無機微粒子が20vol%になるような比率に調整し、二軸混練押出装置(日本製鋼製:TEX)を用いて、190℃の温度で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を作成した。その後、射出成形によって光学素子1を作成した。
[実施例2]
アルミナ(日本アエロジル製:アルミナC、1次粒径12nm)100gと、カップリング剤(東レダウコーニング製:SZ−6187)10gと、アミド系滑剤(日本油脂製:WA−1)5gとをシクロヘキサン溶液200ml中に溶解させ、混合撹拌した後、80℃の温度で乾燥させ、無機微粒子分散組成物を得た。その後、無機微粒子分散組成物と、環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン製:ZEONEX330R)とを無機微粒子が20vol%になるような比率に調整し、二軸混練押出装置(日本製鋼製:TEX)を用いて、190℃の温度で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を作成した。その後、射出成形によって光学素子2を作成した。
[実施例3]
シリカ(日本アエロジル製:A−300、1次粒径7nm)100gと、カップリング剤(信越シリコーン製:HMDS)10gと、変性オレフィン樹脂(チコナ製:Topas TMG2050)10gとを、シクロヘキサン溶液400ml中に溶解し、混合撹拌させた後、80℃の温度で乾燥させ、マスターバッチを得た。その後、マスターバッチと、環状ポリオレフィン樹脂(三井化学製:APEL5014)とを、無機微粒子が20vol%になるような比率に調整し、二軸混練押出装置(日本製鋼製:TEX)を用いて、190℃の温度で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を作成した。その後、射出成形によって光学素子3を作成した。
[比較例1]
実施例1において、シランカップリング剤を使用しないこと以外は、同様の方法によって光学素子4を作製した。
[比較例2]
実施例2において、アミド系滑剤を使用しないこと以外は、同様の方法によって光学素子5を作製した。
[比較例3]
実施例1において、シランカップリング剤を無機微粒子分散組成物に添加せず、二軸混練押出装置(日本製鋼製:TEX)を用いて、190℃の温度で混練しながら、滴下させた。それ以外は、同様の方法によって光学素子6を作製した。
[比較例4]
実施例1におけるアミド系滑剤(日本油脂製:WA−1)の質量を、5gから0.05gに変更し、使用した無機微粒子の種類を、アルミナ(大明化学社製:TM−300、1次粒径7nm)からシリカ(日本アエロジル製:A−200、1次粒径12nm)100gに変更した以外は、同様の方法によって光学素子7を作製した。
[比較例5]
実施例1におけるアミド系滑剤(日本油脂製:WA−1)の質量を、0.05gから20gに変更し、使用した無機微粒子の種類を、アルミナ(大明化学社製:TM−300、1次粒径7nm)からシリカ(日本アエロジル製:A−300、1次粒径7nm)100gに変更した以外は、同様の方法によって光学素子8を作製した。
[比較例6]
実施例1におけるカップリング剤(東レダウコーニング社製:SZ−6187)10gの質量を、10gから1gに変更し、使用した無機微粒子の種類を、アルミナ(大明化学社製:TM−300、1次粒径7nm)からシリカ(日本アエロジル製:A−200、1次粒径12nm)100gに変更した以外は、同様の方法によって光学素子9を作製した。
[比較例7]
実施例1におけるアミド系滑剤(日本油脂製:WA−1)の質量を、5gから25gに変更し、使用した無機微粒子の種類を、アルミナ(大明化学社製:TM−300、1次粒径7nm)からシリカ(日本アエロジル製:A−300、1次粒径7nm)100gに変更した以外は、同様の方法によって光学素子10を作製した。
[比較例8]
実施例1における環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン社製:ZEONEX330R)の質量を、10gから0.05gに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって光学素子11を作製した。
[比較例9]
実施例1における環状ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン社製:ZEONEX330R)を、酸変性オレフィン樹脂(チコナ社製:Topas TMG2050)に変更するとともに、添加量を10gから30gに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって光学素子12を作製した。
最後に、熱可塑性樹脂組成物の評価方法について説明する。
評価項目として、光線透過率及び線膨張係数の計2項目が挙げられ、以下、各項目の測定方法の詳細について、それぞれ説明する。
まず始めに、光線透過率の測定方法について説明する。
分光光度計(島津製作所製:UV−3150)を用いて、上述した各光学素子1〜12の厚さ方向(3mm厚)の波長587.5nmにおける透過率を測定し、得られた結果を下記表2に示した。
次に、線膨張係数の測定方法について説明する。
熱分析装置(リガク製:CN8098F1)を用いて、熱機械的分析法(TMA:Thermo Mechanical Analysis)により、上述した各光学素子1〜12の線膨張係数を測定した。なお、測定前に設定温度90℃で1時間アニール処理を行った後、40〜60℃における線膨張係数を測定し、得られた結果を下記表2に示した。
Figure 2006328261
この結果、無機微粒子分散組成物にオレフィン系樹脂及び樹脂添加剤の少なくとも1つと、無機微粒子と、表面改質剤とが含有された光学素子1,2,3を、無機微粒子分散組成物にオレフィン系樹脂及び樹脂添加剤が含有されていない光学素子4や、無機微粒子分散組成物に表面改質剤が含有されていない光学素子5や、表面改質剤が無機微粒子分散組成物ではなく環状ポリオレフィン樹脂に添加された光学素子6と比較すると、光学素子1,2,3の方が、光線透過率の値が高く、線膨張係数の値が低い、すなわち透明性に優れ、屈折率の温度依存性が抑制されていることが確認された。
また、無機微粒子分散組成物に含有されるオレフィン系樹脂の配合量が0.1〜20重量部の範囲内である光学素子1,3と、オレフィン系樹脂の配合量が0.05及び30重量部である光学素子11,12とを比較すると、光学素子1,3の方が、光線透過率の値が高く、線膨張係数の値が低い、すなわち透明性に優れ、屈折率の温度依存性が抑制されていることが確認された。
さらに、無機微粒子分散組成物に含有される樹脂添加物の配合量が0.1〜10重量部の範囲内である光学素子1,2と、樹脂添加物の配合量が0.05及び20重量部である光学素子7,8とを比較すると、光学素子1,2の方が、光線透過率の値が高く、線膨張係数の値が低い、すなわち透明性に優れ、屈折率の温度依存性が抑制されていることが確認された。
さらに、無機微粒子分散組成物に含有される表面改質剤の配合量が5〜20重量部の範囲内である光学素子1,2,3と、表面改質剤の配合量が1及び25重量部である光学素子9,10とを比較すると、光学素子1,2の方が、光線透過率の値が高く、線膨張係数の値が低い、すなわち透明性に優れ、屈折率の温度依存性が抑制されていることが確認された。
以上より、本実施形態における無機微粒子分散組成物、熱可塑性樹脂組成物及び光学素子によれば、結合剤としての樹脂添加剤が含有されているため、オレフィン系樹脂と無機微粒子との相溶性が改善されることにより、混練時における無機微粒子の分散性の向上が図られ、光線透過率の向上を図ることができる。
また、無機微粒子分散組成物の作成時に、シラン系カップリング剤及びチタン系カップリング剤の少なくとも1つを予め添加し、無機微粒子の界面に対して配向を行うことで、混練時における表面処理剤の局在化を防止するとともに、無機微粒子に対する均一な表面処理が行うことが可能となる。
このため、多量の無機微粒子分散組成物をオレフィン系樹脂に均一に添加することが可能となるとともに、得られた熱可塑性樹脂組成物における光線透過率及び線膨張係数の向上が図られ、透明性及び屈折率の温度依存性に優れた光学素子を作製することができる。
本発明に係る光学素子が用いられた光ピックアップ装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
15 対物レンズ

Claims (8)

  1. オレフィン系樹脂0.1〜20重量部及び樹脂添加剤0.1〜10重量部の少なくとも1つと、無機微粒子100重量部と、表面処理剤5〜20重量部とを含有すること特徴とする無機微粒子分散組成物。
  2. 前記オレフィン系樹脂は、極性基を有し、混合する熱可塑性樹脂に対して相溶性を有することを特徴とする請求項1に記載の無機微粒子分散組成物。
  3. 前記樹脂添加剤は、脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の無機微粒子分散組成物。
  4. 前記無機微粒子は、平均粒径が30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の無機微粒子分散組成物。
  5. 前記表面処理剤は、シラン系カップリング剤及びチタン系カップリング剤の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の無機微粒子分散組成物。
  6. 前記オレフィン系樹脂及び樹脂添加剤の少なくとも1つと、前記無機微粒子と、前記表面処理剤とを溶媒中で均一に混合した後、乾燥処理を施すことによって作成されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の無機微粒子分散組成物。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の無機微粒子分散組成物と、環状ポリオレフィン樹脂とを混合することによって作成されたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されたことを特徴とする光学素子。
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