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JP2006313132A - 試料分析方法およびx線分析装置 - Google Patents

試料分析方法およびx線分析装置 Download PDF

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JP2006313132A
JP2006313132A JP2005136527A JP2005136527A JP2006313132A JP 2006313132 A JP2006313132 A JP 2006313132A JP 2005136527 A JP2005136527 A JP 2005136527A JP 2005136527 A JP2005136527 A JP 2005136527A JP 2006313132 A JP2006313132 A JP 2006313132A
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Kenji Nomura
健二 野村
Naoki Awaji
直樹 淡路
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

【課題】 非破壊で、試料中に存在する特定の化学結合状態をもつ元素と、その深さ方向への濃度分布を分析する。
【解決手段】 X線を試料に照射して、試料から発生する蛍光X線のX線吸収端スペクトルを測定し、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークから、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定する。そして、プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求める。好ましくは、前記X線を、プリエッジピークの波長において、試料に対して2以上の異なる入射角で照射し、異なる入射角の各々で、プリエッジピークの蛍光強度を測定する。前記異なる入射角でのプリエッジピークの蛍光強度に基づいて、前記化学結合状態が特定された元素の深さ分布を求める。
【選択図】 図2

Description

本発明は、試料中に存在する特定の化学結合状態を持つ化合物の検出と、その深さ方向の分布の測定を非破壊で行う試料分析方法、およびX線分析装置に関する。
従来、試料中で特定の化学結合状態(たとえば、特定の価数での結合など)を持った化合物を有する化合物等の検出は困難とされてきた。高感度の試料分析方法としてSIMS(二次イオン質量分析法)が知られているが、SIMSでは、単体元素の量や深さ分布は評価できても、化学結合状態を決めることができない。
これに対しXPS(光電子分光法)では、化学結合に応じて、検出される光電子のエネルギーが僅かに変化するが、検出器のエネルギー分解能のため、その分離が困難である。そこで、試料薄膜を高密度の膜で挟み込み、多重反射を利用して膜中のX線強度を増大させて、検出を容易にする方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この方法では、薄膜中の微量な元素の濃度や化学結合状態を評価することができる。
しかし、光電子は試料表面からしか放出されないため、評価対象の膜厚が厚く、元素濃度や化学結合状態が深さ方向で変化する場合は、その深さ方向の分布を評価することができない。
一方、化学分析法では、特定元素を溶出法などにより抽出し、その濃度を薬液により定量するが、溶出の割合は試料により変わることや、溶出処理自体によって、化学結合状態が変化するおそれがある。
特開2000−55841号公報
このように、従来の分析法では、SIMSでは、化学結合状態を決定することができず、XPSでは、深さ分布を評価することができないという問題がある。
また、溶出法などの化学分析法では、化学結合状態そのものを変化させてしまう可能性が高い。
そこで、本発明は、非破壊で試料中に存在する化合物の化学結合状態を特定し、その量や深さ方向の分布を分析する手法を提供することを課題とする。
また、非破壊で求めた特定の化学結合状態を有する化合物の含有量を、従来の化学分析方法による分析結果の補正値として用いる補正方法の提供を課題とする。
さらに、特定の化学結合状態を持つ化合物の含有量や深さ分布の分析を行なうX線分析装置の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、X線を試料に照射し、発生する蛍光X線のX線吸収端スペクトルを測定することにより、吸収端近傍に現われる化学結合状態に特有なプリエッジピークを用いて、試料中に存在している元素の化学結合状態(価数など)を特定する。
ここで、光電子収量法や試料電流法ではなく、蛍光X線を用いるのは、試料中で発生する蛍光X線は、同時に発生する光電子よりも脱出深さが大きいため、試料の深い位置までの分布測定が可能になるためである。
検出された蛍光強度から、特定の化学結合状態を有する化合物の深さ方向の濃度を分析する。
さらに、蛍光X線による分析結果を補正値として用い、従来の化学分析法による分析結果を補正する。
本発明の第1の側面では、試料分析方法を提供する。試料分析方法は、
(a)X線を試料に照射するステップと、
(b)前記試料から発生する蛍光X線のX線吸収端スペクトルを測定し、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークから、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定するステップと、
(c)前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求めるステップと、
を含む。
好ましい実施例では、
(d)前記X線を、プリエッジピークの波長において、試料に対して2以上の異なる入射角で照射するステップと、
(e)前記異なる入射角の各々で、プリエッジピークの蛍光強度を測定するステップと、
(f)前記異なる入射角でのプリエッジピークの蛍光強度に基づいて、前記化学結合状態が特定された元素の深さ分布を求めるステップと、
をさらに含む。
本発明の第2の側面では、試料分析補正方法を提供する。この補正方法は、
(a)化学分析法により、試料中で特定の化学結合状態を持って存在する元素の濃度を測定し、
(b)前記測定した濃度を、上述した蛍光X線スペクトルから求めた含有濃度に基づいて補正する
ステップを含む。
本発明の第3の側面では、非破壊で特定の化学結合状態を持つ元素の存在と濃度を分析することのできるX線分析装置を提供する。X線分析装置は、
(a)試料に対してX線を照射する光源と、
(b)前記試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出器と、
(c)前記測定結果から、蛍光X線の吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを抽出し、前記プリエッジピークに基づいて、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定し、前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を分析する分析部と、
を備える。
試料中に存在する特定の化学結合状態を持つ化合物の検出およびその深さ分布測定を、非破壊で正確に行うことができる。
また、蛍光X線強度に基づいて算出した含有濃度を利用して、溶出法などの簡易な破壊分析方法で取得した結果を補正して、正確な分析結果を導くことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の良好な実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るX線分析装置の概略構成図である。X線分析装置1は、試料10に対して放射X線を照射する光源11と、試料10で発生する蛍光X線を検出する検出器13と、検出器によって検出された測定結果から、試料10中に存在する化学結合状態の化合物を特定し、その含有率および深さ方向の分布を分析する分析部15を備える。
図1の例では、放射X線はイオンチャンバ12を介して試料10へ導かれる。イオンチャンバ12は、試料10への入射X線の強度をモニタし、時間などによる強度のばらつきを規格化するために用いられる。検出器13は、たとえばSDD(Silicon Drift Detector:シリコンドリフト検出器)であり、照射X線を吸収して出てきた蛍光を測定する。
試料10へのX線の入射角φは、図示しない入射角調整機構(回転メカニズム等)により、X線に対する試料10の相対角度を変えることによって、調節される。
本実施形態では、試料として鉄基材に防錆用にコーティングされた黒クロメート膜を用いる。クロメート膜には、6価クロム(Cr6+)や3価クロム(Cr3+)、基材には0価のクロム(Cr0+)が含まれているが、実施形態では、6価クロムを測定対称として、分析を行う。
まず、クロムの吸収端近傍で入射X線のエネルギーを変えながら、X線を試料10に対して照射し、クロメート膜のX線吸収端での蛍光X線測定を行う。このとき、X線に対する試料10の角度を変化させて(すなわち、試料10への入射角φを変化させて)、入射角に依存する蛍光X線スペクトルを取得する。
光電子ではなく蛍光X線を用いるのは、試料10中で発生する蛍光X線は、同時に発生する光電子よりも脱出深さが大きいため、試料10の深い位置までの分布測定が可能になるからである。
図2は、検出器13により測定された蛍光X線スペクトルのグラフである。蛍光X線の測定は、入射角φを0.1°、0.5°、1.0°、5.0°、20.0°の5つの角度で行なっている。入射角を変えることで、試料10へのX線の侵入深さが変わり、試料10の深さ方向の情報を得ることができる。たとえば、入射角が0.1°では、膜の表面近傍だけを測定しており、入射角が20°では、表面から深い領域までをカバーして測定している。
グラフにおいて、矢印Bで示すピークがクロメート膜の吸収端である。吸収端Bよりも低エネルギー側の5.993(keV)に現われるピーク(矢印A)が、6価クロムのプリエッジピークである。すなわち、この入射エネルギー(波長)でプリエッジピークが検出されることにより、試料(クロメート膜)中に6価クロムが存在することがわかる。2価あるいは4価のクロムが含まれていれば、それぞれ対応するエネルギー位置にプリエッジピークを示すので、そのようなプリエッジピークの有無により、2価または4価のクロムが存在するか否かを判断することができる。なお、3価クロムは、プリエッジピークを示さない。
矢印Cで示す領域、すなわち6.087〜6.124(keV)では、入射角度依存性を示さず、クロメート膜から出てきた蛍光X線の強度I1は、ほぼ一定となる。
分析部15は、このような蛍光X線スペクトルから、各エネルギーにおいてクロメート膜から生じる蛍光X線の強度I1と、入射X線強度I0とに基づいて、I1/I0を算出する。さらに、矢印Cで示す6.087〜6.124(keV)の領域でI1/I0の平均値が1になるように規格化を行う。6.087〜6.124(keV)におけるI1/I0は、ほぼ一定値であり、クロメート膜を構成するクロム全量の情報を示している。
図3は、図2のグラフの5.993(keV)におけるプリエッジピーク近傍の拡大図である。上述したように、5.993(keV)におけるプリエッジピークは、6価クロム特有のピークである。6価クロムのプリエッジピークの強度がX線入射角度によって異なるということは、深さ方向に6価クロムの含有量(濃度)の分布があることを意味する。図3の例では、入射角1.0°でのプリエッジピークの強度が最も強く、表面からこの入射角における侵入深さまでの6価クロムの平均含有量が、最も多いことがわかる。
6価クロム特有のピークはクロム全量で規格化されているため、分析部15は、このピークの強度を解析することで、クロム全量(Cr)に対する6価クロム(Cr6+)の含有比率を算出する。クロム全量とは、例えば試料が0価のクロムと3価のクロムと6価のクロムから構成されているとすると、Cr=Cr0++Cr3++Cr6+であり、これに対する6価クロムの比率を算出する。
すなわち、6価クロムの含有量が100%であることが分かっている標準試料について同様の測定を行い、式(1)を用いてクロム全量に対する6価クロムの比率(Cr6+/Cr)を算出する。
Figure 2006313132
ここで、I(標準試料)は6価クロムが100%である酸化クロム(VI)の5.993(keV)におけるピークの積分強度、I(クロメート膜)は、クロメート膜の5.993(keV)におけるピークの積分強度を示す。
図4は、各入射角における6価クロムの含有比率(Cr6+/Cr)の算出結果を示すグラフである。入射角0.1°、0.5°、1.0°、5.0°、20.0°におけるCr6+/Cr比率は、それぞれ14.1%、15.3%、25.9%、15.9%、11.8%である。なお、これらの含有比率は、表面から対応する入射角での侵入深さまでの平均情報である。このように、吸収端近傍に現れるピークの蛍光強度を、複数の異なる入射角で測定することで、特定の化学結合状態の化合物の深さ分布がわかる。
次に、第2実施形態に係る深さ分布分析を説明する。第2実施形態においても、試料10として、一般的なクロメート膜を用いる。
図5は、第2実施形態のクロメート膜におけるクロム全量と6価クロムの入射角依存性測定の結果を示すグラフである。第1実施形態のスペクトラム測定結果から、5.993(keV)に6価クロムのピークがあることがわかっている。そこで、X線分析装置1は、
(1)5.993(keV):6価クロムピーク、
(2)5.988(keV):6価クロム低エネルギー側バックグラウンド、
(3)5.997(keV):6価クロム高エネルギー側バックグラウンド、
(4)6.120(keV):クロム全量、
の4つの入射エネルギーで、入射角を変化させて蛍光X線を測定する入射角スキャンを行う。
分析部15は、低エネルギーバックグラウンドと高エネルギーバックグラウンドからバックグラウンドの強度を見積り、見積もり結果を6価クロムピークの強度から差し引くことで、6価クロムの強度を算出する。算出された6価クロムの入射角依存強度は、図5のグラフで三角形の測定点(ラインA)で示される。一方、クロム全量の強度は、6.120(keV)における測定強度をそのまま使用する。クロム全量の入射角依存強度は、グラフにおいて黒丸の測定点(ラインB)で示される。
次に、分析部15は、試料10を膜厚方向に等分割(たとえば10分割)する。クロメートの膜厚が1550nmだとすると、155nmずつ10層に分割する。そして、各層の密度と表面ラフネスから、各層における電場強度を算出する。電場強度は、たとえば、L.G. Parratt, “Surface Studies of Solids by Total Reflection of
X-rays”, Physical Review Vol. 95, at 359 (1954) の手法を応用して算出する。
表面からj番目の層における屈折率をnjとすると、
j=1−δj−iβj (2)
と表わされる。ここで、
δj=NA(ρj/Aj)reλ2(f0j+f'j)/(2π)
βj=NA(ρj/Aj)reλ2(f"j)/(2π) (3)
であり、NAはアボガドロ数、ρjは第j層の密度、Ajは原子量、reは古典電子半径、λはX線の波長、f0jはトムソン散乱項、f'jは異常分散項の実部、f"jは異常分散項の虚部を意味する。
また、j層と(j+1)層の界面での反射rjと透過tjに対するフレネル係数は、それぞれ、
j=(Nj−Nj+1)exp(−2Njj+1σ2 j)/(Nj+Nj+1) (4)
j=2Njexp((Nj−Nj+12σ2 j)/(Nj+Nj+1) (5)
で表わされる。ここで、Nj=(θ2−2δj−2iβj1/2であり、θはX線の入射角、σはラフネスを意味する。
また、j層における透過電場Et jと反射電場Er jは、それぞれ、
t j+1=ajt jj/(1+a2 j+1j+1j) (6)
r j=a2 jjt j (7)
である。ここで、
j=exp(−2πidjj/λ)
j=(rj+a2 j+1j+1)/(1+a2 j+1j+1j) (8)
であり、djはj層の厚さを意味する。
以上より、j層の深さZにおける電場Ej(Z)は、
j(Z)=Et jexp(−2πiNjZ/λ)+Er jexp(2πiNjZ/λ)
(9)
となり、電場強度|Ej(Z)|2が算出される。
蛍光強度は、電場強度と、ターゲットである6価クロムの深さ方向の濃度に比例するので、上記のようにして求めた電場強度に、10分割した6価クロムの深さ濃度分布Cjを乗算し、深さ方向に積算することで、蛍光強度Icalを計算することができる。
cal∝ΣCj|Ej(Z)|2 (10)
計算上の蛍光強度Icalを、図5に示す測定された蛍光強度Iと比較し、
χ2=Σ(I−Ical2 (11)
用いて、その差が最小となるように深さ濃度分布Cjを求める。
図6は、上記のようにして求めた6価クロムの深さ濃度分布である。図6の横軸は、表面側からの層の番号(すなわち表面からの深さ)、縦軸は、クロム全量(Cr)に対する6価クロム(Cr6+)の含有率(%)である。
試料10の膜厚を何層に分割して行うかは、試料10の膜厚、蛍光X線の測定効率、目標とする分析精度等によって、適宜設定することができる。
次に、第3実施形態に係る濃度校正方法を説明する。第3実施形態では、蛍光X線の測定結果から求めた6価クロムの濃度を用いて、溶出試験法を利用した化学分析法の測定結果(濃度)を校正する例を示す。
図7は、蛍光X線測定より算出した6価クロム含有量と、溶出試験より算出した6価クロム溶出量を比較した結果を示す。溶出試験では、クロメート膜の下地に亜鉛膜が存在する場合や、クロメート膜が厚い場合に溶出しにくくなり、膜中に含まれる6価クロムのうち、どの程度の6価クロムが溶出しているか明確ではない。
そこで、図7のように、X線吸収端測定より算出した6価クロム含有量を基準とする校正表を作成することで、化学分析の濃度校正が可能となる。図7において、点線は蛍光X線測定により求めた6価クロムの含有量、実線は、溶出法により測定した6価値クロムの溶出量との相関を示す。相関が直線にならないのは、試料の厚さによる溶出の効率の違いを示している。すなわち、膜厚が厚くなると溶出効率が落ち、実際の含有濃度を反映できなくなる。図7の例では、表面から6層目くらいまでは、蛍光X線測定と溶出法による測定結果は、ほぼ一致するが、それよりも深い領域では、溶出量が不十分になる。
溶出法は大がかりな測定装置を必要とせずに、簡便に特定の化学結合状態の化合物の含有濃度を測定できるので、化学溶出法による実測結果に、蛍光X線測定結果(基準含有量)に基づく補正をかけることによって、特定の化合物の含有量を正確かつ簡便に求めることが可能になる。
図8は、図1のX線分析装置1で用いられる分析部15の概略ブロック図である。SDDなどの検出器(蛍光強度測定部)13による蛍光X線測定結果は、分析部15に入力される。分析部15において、プリエッジピーク検出部21は、蛍光X線のX線吸収端スペクトルから、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを検出する。化学結合状態特定部22は、検出されたプリエッジピークから、試料10中に存在する元素(化合物)の化学結合状態を特定する。化学結合状態の特定は、あらかじめ種々の元素と化学結合状態に、プリエッジピークでの吸収エネルギーを関連づけて格納したテーブル等を利用してもよい。
深さ濃度分布算出部23は、特定された化学結合状態の化合物について、そのプリエッジピークの蛍光強度から、その化合物の濃度(含有比率)を求める。
深さ濃度分布算出部23はまた、プリエッジピークの波長での入射角スキャン、すなわち2以上の異なる入射角でX線を試料10に照射した結果得られた蛍光X線の強度から、試料10の深さ方向の濃度分布を算出する(第1実施形態)。
深さ濃度分布算出部23はさらに、X線吸収端スペクトルの測定結果から、プリエッジピークでの蛍光強度と、吸収端よりも高いX線エネルギー(図2の領域C)での蛍光強度とを測定し、その強度比から、試料10中の特定の化学結合状態の化合物(元素)の濃度を算出する。
さらに、試料10の膜厚を所定の数で分割し、分割された膜厚ごとに特定の化学結合状態の化合物の含有比率を算出することで、深さ方向の分布を求める(第2実施形態)。
このような分析部15の動作は、ソフトウェアプログラムによって実現されてもよい。その場合、ソフトウェアプログラムは、分析部15に、検出器(蛍光強度測定部)13によって測定されたX線吸収端スペクトルから、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを検出し、試料10中に存在する元素の化学結合状態を分析する手順と、プリエッジピークの強度から、試料10中に存在する特定の化学結合状態を持つ元素の濃度を分析する手順を実行させる。
さらに、分析部15に、プリエッジピークの波長で2以上の異なる入射角でX線照射された試料10から発生する蛍光X線の測定強度から、試料10中に存在する特定の化学結合状態を持つ元素の深さ分布を求める手順を実行させる。
また、分析部15に、X線吸収端スペクトルの測定結果から、プリエッジピークでの蛍光強度と、吸収端よりも高いX線エネルギー(図2の領域C)での蛍光強度とを抽出し、その強度比から、試料10中の特定の化学結合状態の化合物の濃度を算出する手順を実行させる。
また、分析部15に、試料10の膜厚を所定の数で分割し、分割された膜厚ごとに特定の化学結合状態の化合物の含有比率を算出して深さ方向の分布を求める手順を実行させる。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
実施形態ではクロメート膜を用いて測定、分析を行ったが、クロメート膜以外のクロム含有試料に適用しても構わない。また、分析対象もクロムに限定されず、特定の価数を有するバナジウムや銅など、他の遷移元素でも構わない。
また、X線光源には放射光を用いたが、タングステン、モリブデン等の実験室系X線光源を用いても構わない。
さらに、本測定では、蛍光の検出をSDDで行ったが、SSD(Solid State Detector)やライトル検出器等、他の検出器を用いても構わない。
また、種々の化学結合状態での化合物のプリエッジピークに対応するX線入射エネルギーを、あらかじめ多数準備しておき、特定の化合物の濃度分布を求める際には、そのプリエッジピークの入射エネルギーで、入射角スキャンを行なうようにすると、多種多様な化合物の濃度分布を効率よく求めることができる。
最後に、以上の説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) X線を試料に照射するステップと、
前記試料から発生する蛍光X線のX線吸収端スペクトルを測定し、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークから、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定するステップと、
前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求めるステップと、
を含むことを特徴とする試料分析方法。
(付記2) 前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度が100%である場合の蛍光X線強度を標準強度として測定するステップをさらに含み、
前記プリエッジピークの蛍光強度と前記標準強度の比から、前記化学状態が特定された元素の含有濃度を求めることを特徴とする付記1に記載の試料分析方法。
(付記3) 前記X線を、前記プリエッジピークの波長において、前記試料に対して2以上の異なる入射角で照射するステップと、
前記異なる入射角の各々で、プリエッジピークの蛍光強度を測定するステップと、
前記異なる入射角でのプリエッジピークの蛍光強度に基づいて、前記化学結合状態が特定された元素の深さ分布を求めるステップと、
をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の試料分布方法。
(付記4) 前記X線吸収端スペクトルの測定結果から、前記プリエッジピークでの蛍光強度と、前記吸収端よりも高いX線エネルギーでの蛍光強度とを測定し、その強度比から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を算出するステップ、をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の試料分析方法。
(付記5) 前記試料の膜厚を所定の数で分割し、分割された膜厚ごとに前記化学結合状態が特定された化合物の含有比率を算出して深さ方向の分布を求めるステップ、をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の試料分析方法。
(付記6) 化学分析法により、試料中で特定の化学結合状態を持って存在する元素の濃度を測定し、
前記測定した濃度を、付記1〜5のいずれかに記載の方法で求められた含有濃度に基づいて補正する
ことを特徴とする試料分析補正方法。
(付記7) 試料に対してX線を照射する光源と、
前記試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出器と、
前記測定結果から、蛍光X線の吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを抽出し、前記プリエッジピークに基づいて、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定し、前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を分析する分析部と、
を備えることを特徴とするX線分析装置。
(付記8) 前記プリエッジピークの波長において、前記X線が前記試料に対して2以上の異なる入射角で照射するように入射角を調節する入射角調整機構をさらに備え、
前記検出器は、前記異なる入射角の各々で、プリエッジピークの蛍光強度を測定し、
前記分析部は、前記異なる入射角で測定されたプリエッジピークの蛍光強度に基づいて、前記化学結合状態が特定された元素の深さ分布を求める
ことを特徴とする付記7に記載のX線分析装置。
(付記9) 前記検出器は、前記蛍光X線の吸収端スペクトルを測定し、
前記分析部は、前記X線吸収端スペクトルから、前記プリエッジピークでの蛍光強度と、前記吸収端よりも高いX線エネルギーでの蛍光強度とを測定し、その強度比から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を算出する
ことを特徴とする付記7に記載のX線分析装置。
(付記10) X線分析装置にインストールされて、X線分析装置に、
試料から発生する蛍光X線を測定したX線吸収端スペクトルから、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを抽出する手順と、
前記プリエッジピークに基づいて、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定する手順と、
前記プリエッジピークの強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求める手順と
を実行させることを特徴とするX線分析プログラム。
本発明の一実施形態に係るX線分析装置の概略構成図である。 クロメート膜のX線吸収端近傍の蛍光X線スペクトルの入射角依存性を示すグラフである。 図2のグラフのプリエッジピーク近傍の拡大図である。 クロメート膜に存在する6価クロムの含有比率の入射角依存性を示すグラフである。 クロム全量に対する6価クロムの強度比率を示すグラフである。 6価クロムの深さ方向の分布を示すグラフである。 溶出法での6価クロムの検出結果の補正に用いるグラフである。 図1の分析部の概略構成図である。
符号の説明
1 X線分析装置
10 試料
11 光源
12 イオンチャンバ
13 検出器(蛍光強度測定部)
15 分析部
21 プリエッジピーク検出部
22 化学結合状態特定部
23 深さ濃度分布算出部

Claims (5)

  1. X線を試料に照射するステップと、
    前記試料から発生する蛍光X線のX線吸収端スペクトルを測定し、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークから、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定するステップと、
    前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求めるステップと、
    を含むことを特徴とする試料分析方法。
  2. 前記X線を、前記プリエッジピークの波長において、前記試料に対して2以上の異なる入射角で照射するステップと、
    前記異なる入射角の各々で、プリエッジピークの蛍光強度を測定するステップと、
    前記異なる入射角でのプリエッジピークの蛍光強度に基づいて、前記化学結合状態が特定された元素の深さ分布を求めるステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の試料分布方法。
  3. 化学分析法により、特定の化学結合状態で試料中に存在する元素の濃度を測定し、
    前記測定した濃度を、請求項1または2に記載の方法で求められた含有濃度に基づいて補正する
    ことを特徴とする試料分析補正方法。
  4. 試料に対してX線を照射する光源と、
    前記試料から発生する蛍光X線の強度を測定する検出器と、
    前記測定結果から、蛍光X線の吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを抽出し、前記プリエッジピークに基づいて、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定し、前記プリエッジピークの蛍光強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を分析する分析部と、
    を備えることを特徴とするX線分析装置。
  5. X線分析装置にインストールされて、X線分析装置に、
    試料から発生する蛍光X線を測定したX線吸収端スペクトルから、吸収端の低エネルギー側に現われるプリエッジピークを抽出する手順と、
    前記プリエッジピークに基づいて、前記試料中に存在する元素の化学結合状態を特定する手順と、
    前記プリエッジピークの強度から、前記化学結合状態が特定された元素の含有濃度を求める手順と
    を実行させることを特徴とするX線分析プログラム。
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