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JP2006286929A - 樹脂膜保持基板の製造方法及びその利用 - Google Patents

樹脂膜保持基板の製造方法及びその利用 Download PDF

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JP2006286929A JP2005104794A JP2005104794A JP2006286929A JP 2006286929 A JP2006286929 A JP 2006286929A JP 2005104794 A JP2005104794 A JP 2005104794A JP 2005104794 A JP2005104794 A JP 2005104794A JP 2006286929 A JP2006286929 A JP 2006286929A
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Abstract

【課題】 仕切部材を劣化させることなく、仕切部材と基板間の液状導電性材料の濡れ性に十分なコントラストを有する樹脂膜保持基板を得る方法、及び、該基板のパターン凹部にインクジェット法による微細な配線形成を実現できる電子機器用回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板1の上にパターン状の樹脂膜2を形成した後、該樹脂膜の表面をフッ素ガス雰囲気に曝し、次いで該樹脂膜を有する面に対してアルカリ性溶液を接触させることを特徴とする樹脂膜保持基板の製造方法により上記課題が解決される。特に、前記アルカリ性溶液が0.1〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液であると好適である。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂膜保持基板の製造方法、それによって得られる基板を用いる電子機器用回路基板の製造方法及びそれにより得られる該回路基板を備えた表示装置に関する。
電子機器用回路基板(以下、「回路基板」と記すことがある。)は、ガラスや合成樹脂などの基板又は少なくとも表面に絶縁体層が形成された基板に多数の薄膜トランジスタ、及び、これらのトランジスタの相互間若しくはトランジスタと電源や入出力端子とを接続するための電気配線層を単層又は多層に配置して構成されている。代表的な回路基板の用途の一つにアクティブマトリクス液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と表記す。)表示装置などの表示装置がある。走査線、信号線などを含む基板全体はアクティブマトリクス基板とも呼ばれ、回路基板の表面に減圧雰囲気で形成される絶縁層やフォトリソグラフィなどによって形成される複数の回路パターン層により構成されている。しかしながら、上記アクティブマトリクス基板の製造方法は煩雑なため、減圧雰囲気における成膜工程やフォトリソグラフィ工程の削減によって簡素化を図ることが求められている。
特に、配線をスパッタにより成膜する工程では、全面に成膜した配線材料をフォトリソグラフィ法により加工して配線部を形成するため、膜厚を均一にすることを目的として基板面積より大きなターゲットにスパッタしたり、材料の大部分をエッチングで除去したりする。そのため、配線材料の利用効率が著しく低く、回路基板の製造工程を複雑にし、多量の廃棄物を出す要因になっている。
このような問題を解決するために、印刷法により必要な部位のみに配線を形成し配線材料の利用効率を高める手法が開発されている。例えば、特許文献1にはインクジェット法を用いて所定の場所に配線を形成する方法が開示されている。このような印刷法を用いることで、減圧成膜工程を削減することができる。
ところで、インクジェット法を用いて基板上に配線を形成する場合、通常、配線を形成しようとする基板の上で、樹脂膜からなる凸状の仕切部材(「凸部」又は「バンク」とも呼ばれる。)で囲まれた領域(以下、「凹部」と記すことがある。)に液状の導電性材料を充填する方法が採られる。このとき、仕切部材が導電性材料に対して親液性を有する場合は、仕切部材に引っ張られて仕切部材の外周にまで濡れ広がり、所望の微細な配線幅を得ることができなくなる。一方、凹部の底面全体に液状の導電性材料が均一に濡れ拡がるためには、凹部底面(基板表面)は導電性材料に対して高い濡れ性を有する必要がある。底面が導電性材料に対する濡れ性に劣ると凹部に導電性材料が濡れ拡がらず、断線の原因になりかねない。
この濡れ性の問題に対して、特許文献2〜4は仕切部材の上部を撥液性にし、それ以外の部分を親液性にする表面処理技術を提案している。これらにおける仕切部材上部の撥液化表面処理技術は、減圧雰囲気下や大気圧雰囲気下でフッ素化合物を含むガスのプラズマを照射するなどの技術である。また、凹部底面の親液化の表面処理技術は、親水性基含有界面活性剤を塗布する方法や紫外線照射する方法などである。
しかし、幅10μm以下の微細幅配線をインクジェット法にて形成する場合は、基板面での液状の導電性材料に対する親液性(濡れ性)の差がより大きいことが必要であるが、未だ十分な差を実現できないためしばしば導電性材料の溢れや余分な濡れ拡がりが生じる。いまだ親液、撥液の大きな差が得られていないのは次の事情による。例えば、フッ素化合物を含むガスのプラズマ照射によって撥液部を形成する場合、仕切部材が有機材料であると、フッ化物形成と同時にフッ化物のエッチングも進行するので一定の撥液性しか得られない。また、一般的に界面活性剤溶液の塗布や紫外線照射により親液部を形成した後にフッ素化合物をプラズマ照射して撥液部を形成する手順を採るが、本来親液化されるべき部位も一部フッ化物が形成されてしまい、親液性のコントラストを拡大する効果が小さくなるという問題がある。さらに、プラズマ処理は垂直方向から行うため、フッ素化されるのは仕切部材の上面のみであり、仕切部材の側壁部は撥液性が低いままとなる。これらの事情により、微細配線形成の際は、液状の導電性材料の、基板上にある凹部底面での収納性が悪いのである。また、プラズマ装置が非常に高価なため、プラズマを多用する回路基板の製造方法は製造コストを押し上げるという問題もある。
撥液化の別法として、仕切部材用の有機材料をフッ素ガス雰囲気に曝してフッ化物を形成させる技術が以前より知られている。例えば特許文献5は、感光性樹脂をフッ素ガス雰囲気中に曝してフッ素樹脂膜を形成させる技術を提案している。これは、フッ素ガス雰囲気に曝すことにより樹脂中のC−H結合をC−F結合に変換し、炭素−炭素不飽和結合にフッ素を付加してフッ素樹脂を得るものである。しかし特許文献5の方法を実施するとフッ酸を生成することがあり、生成したフッ酸によって、有機材料からなる仕切部材である樹脂膜やシリコン系の基板が劣化することがある。
特開2002−026014号公報 特開平9−203803号公報 特開平9−230129号公報 特開2000−353594号公報 特開平6−69190号公報
本発明の目的は、仕切部材である樹脂膜を劣化させることなく、該樹脂膜と基板間の液状導電性材料の濡れ性に十分なコントラストを有する樹脂膜保持基板を得る方法、及び、該基板のパターン凹部にインクジェット法による微細な配線形成を実現できる電子機器用回路基板の製造方法を提供し、さらに、該回路基板を用いた表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、基板上に形成した感光性樹脂による仕切部材をフッ素ガスに曝した後に行うアルカリ性溶液による洗浄処理が基板面の親液化に効果的で仕切部材と基板との間の導電性材料に対する濡れ性の大きなコントラストが得られて配線の微細化形成が可能となり、更に仕切部材と基板との劣化も防ぐ効果があることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記1〜14が提供される。
1. 基板の上にパターン状の樹脂膜を形成した後、該樹脂膜の表面をフッ素ガス雰囲気に曝し、次いで該樹脂膜を有する面に対してアルカリ性溶液を接触させることを特徴とする樹脂膜保持基板の製造方法。
2. 前記樹脂膜が、基板上に熱硬化性で未硬化の樹脂膜を形成した後、該未硬化の樹脂膜を、マスクを介して露光後に現像し、又はエッチングし、残存する樹脂膜を加熱硬化してから乾燥してなるものである上記1記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
3. 前記アルカリ性溶液が、0.1〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液である上記1又は2記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
4. 樹脂膜の加熱硬化を不活性ガス雰囲気で行う上記2記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
5. 上記1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られる樹脂膜保持基板の上で、樹脂膜の凸部に囲まれた凹部に、導電性材料を充填して電気配線を形成することを特徴とする電子機器用回路基板の製造方法。
6. 前記導電性材料の充填をめっき法又は印刷法によって行う上記5記載の電子機器用回路基板の製造方法。
7. 前記印刷法がインクジェット印刷法又はスクリーン印刷法である上記6記載の電子機器用回路基板の製造方法。
8. 前記電気配線の上面と樹脂膜の上面とが実質上同一平面にある上記5〜7のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
9. 前記基板がガラス基板又はシリコンウェハである上記5〜8のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
10. 前記導電性材料が有機物を含有している上記5〜9のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
11. 前記樹脂膜が酸性基を有する樹脂を用いて得られる膜である上記5〜10のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
12. 前記樹脂膜がカルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂及び感放射線成分を含有する感光性樹脂組成物で形成されたものである上記5〜11のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
13. 上記5〜12のいずれかに記載の製造方法によって得られる電子機器用回路基板。
14. 上記5〜12のいずれかに記載の製造方法によって得られる電子機器用回路基板を備えた表示装置。
本発明によれば、仕切部材である樹脂膜を劣化させることなく、仕切部材と基板間の液状導電性材料の濡れ性に十分なコントラストを有する樹脂膜保持基板を得ることができる。また、基板上で、この樹脂膜の凸部で仕切られた領域にインクジェット法などにより導電性材料で電気配線を形成して微細な電気配線を有する回路基板を容易に得ることができる。さらに、該回路基板を用いることにより、低コストの液晶表示装置、有機EL表示装置又はプラズマアドレス表示装置などの表示装置が提供される。
本発明の樹脂膜保持基板の製造方法及び電子機器用回路基板の製造方法の最良の形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、本発明の樹脂膜保持基板及び電子機器用回路基板の製造方法の最良の形態の一実施態様を示す工程説明図のその一及びその二である。
(1)樹脂膜形成工程
図1(a)は、基板1の上に熱硬化性で未硬化の樹脂膜2を形成する工程を示す。
本発明で用いる基板としては、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマアドレス表示装置などの電子機器に使用される回路基板に通常用いられるものであれば限定されず、ガラス基板、シリコンウェハ、配線層と絶縁層とを有する内層基板などが挙げられる。
本発明で用いる樹脂膜としては、熱硬化性の感光性樹脂膜が好ましい。該樹脂膜は光の照射により現像液に対する溶解性が変化する樹脂組成物から成り、更に加熱により硬化することができる膜であれば限定されず、通常、アルカリ可溶性高分子、感放射線成分、架橋剤、溶剤等を含有する感光性樹脂組成物を塗布して形成される。
アルカリ可溶性高分子としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂にカルボキシル基、フェノール性水酸基などの酸性基を有する樹脂が用いられる。なかでもカルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂(例えばカルボキシル基含有ノルボルネン樹脂)のようなアルカリ可溶性脂環式オレフィン樹脂がパターニング性、機械特性、耐熱性に優れる点から好ましい。
感放射線成分としては、キノンジアジドスルホン酸塩、オニウム塩、アセトフェノン化合物、アジド化合物などが挙げられ、ナフトキノンジアジド化合物が好ましい。
架橋剤としては、前記樹脂と反応する官能基を分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上有するものが用いられ、官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、ビニル基などが挙げられ、好ましくはアミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、更に好ましくはエポキシ基などが例示される。好ましい架橋剤としては、(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル化学社製、商品名「EHPE3150」)等が挙げられる。
溶剤としては、その沸点に格別な限定はないが、通常は100℃以上、好ましくは130〜300℃、より好ましくは150〜250℃、最も好ましくは160〜220℃の範囲のエーテル類、ケトン類、エステル類及び多価アルコール類などの有機溶剤が例示される。好ましい溶剤としては、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性高分子の含有量は、通常、10重量%以上であり、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。感放射線成分の含有量は、アルカリ可溶性高分子100重量部に対して通常1〜100重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
感光性樹脂組成物の具体例としては、特開2004−4733号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開2003−288991号公報記載の感放射線性組成物、特開2003−302642号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平10−26829号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平9−230596号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平9−146276号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平8−262709号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平10−10734号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平8−240911号公報記載の感放射線性樹脂組成物、特開平8−183819号公報記載の感放射線性樹脂組成物などが挙げられる。また、樹脂膜には機械的特性及び耐熱性を向上させるためにシリカやアルミナなどの金属酸化物微粒子、ガラスファイバーなどの無機物が含まれていてもよい。
熱硬化性で感光性の樹脂膜の形成方法は特に限定されないが、感光性組成物をスピンコート,スリットコート又はスクリーン印刷によって塗布した後、加熱して乾燥する方法が挙げられる。5μm以下の薄膜を形成しようとする場合は、スピンコートやスリットコートによって塗布するのが好ましい。特に基板内の膜厚を均一にさせるためには、スピンコートによるのがより好ましい。
(2)露光工程
図1(b)は、感光性樹脂組成物を塗布した後、乾燥して形成された樹脂膜2に、所定のパターンを有するマスク3を介して放射線4を照射して、樹脂膜に樹脂露光部21と樹脂遮光部22とを形成させる工程を示す。感光性の樹脂膜には樹脂露光部21が現像剤で除去されやすくなるもの(ポジ型)と、現像剤で除去されにくくなるもの(ネガ型)とがある。図1はポジ型の例であるが、本発明における樹脂膜はポジ型に限定されない。
放射線の照射としては、パターンの精細さに応じて適宜選択される。例えば、波長365nm、光強度10mW/cmの紫外線を空気中で100mJ/cmのエネルギー量となる照射を行う。放射線の照射による露光後、現像解像度を高めるために、例えば120℃のホットプレートで1分間程度プリベークすることが好ましい。
(3)現像工程又はエッチング工程
図1(c)は、樹脂露光部21を現像剤により溶解して除去(現像)し、残存する樹脂遮光部22によってパターンを形成する現像工程を示す。現像剤としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、アミン類、有機アンモニウム塩などのアルカリ性有機現像剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性無機現像剤が挙げられる。現像剤で現像した後、リンス処理を加えることもできる。
パターンを、露光及び現像によって形成する代わりに、エッチングによって形成してもよい。具体的には、樹脂膜の上にポジ、あるいはネガフォトレジストを成膜し、露光、現像によりパターンを形成し、ドライ又はウェットエッチングにより該樹脂膜をパターニングした後、該レジストを剥離することにより行う。
(4)加熱硬化工程
図1(d)は、露光後、現像又はエッチングした樹脂膜を加熱硬化させて、パターンを固定する工程を示す。加熱方法は特に制限されない。例えば240℃のホットプレート上で30分間加熱する。加熱によりパターン状樹脂遮光部22が硬化する。透明性維持の観点から、加熱硬化工程は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気で行われることが好ましい。
(4a)酸素プラズマ又は紫外線照射処理工程
図1(e)は、基板表面に対して酸素プラズマ処理又は紫外線照射処理を行う工程を示す。この工程は本発明の樹脂膜保持基板の製造方法に必須ではないが、樹脂膜の上面と基板面との間の液状導電性材料に対する濡れ性のコントラストを拡大することができるので、後述の樹脂遮光部22のフッ素ガス処理工程の前工程として設置することが好ましい。また、本工程は、前記の露光及び現像、又は、エッチングにより熱硬化性の樹脂膜にパターンを形成する際に基板表面に残った樹脂残渣を除去するためにも有効である。基板の露出部分に樹脂残渣が残ったまま後述のフッ素ガス処理を行うと、樹脂残渣の表面にフッ素化合物が形成されて熱硬化性樹脂の表面と開口部分の濡れ性の差が小さくなるおそれがある。
酸素プラズマ処理及び紫外線照射処理は、大気圧下又は減圧下で行う。
(5)樹脂膜乾燥後フッ素ガス雰囲気に曝す工程(フッ素化工程)
図2(f)は、乾燥を経た樹脂膜保持基板をフッ素ガス雰囲気に曝す工程を示す。樹脂膜保持基板の乾燥条件は、通常50〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度で、通常10〜200分間、好ましくは30〜150分間置く。乾燥によって、樹脂膜の水分含有量を好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下にする。水分含有量が多いと、フッ素ガスと水分が反応してフッ化水素が生じ、樹脂の表面処理を妨げるとともに、樹脂膜の変質や基板からの剥離などの不具合を生ずるおそれがある。
フッ素ガス雰囲気のフッ素ガスは、希ガス類や窒素などの不活性ガスで希釈して使用することが好ましい。フッ素ガス濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1〜50容量%、より好ましくは0.3〜30容量%、特に好ましくは0.5〜20容量%である。フッ素ガス濃度が低すぎると、樹脂膜表面のフッ化物の生成が不十分になるおそれがある。一方、濃度が高すぎると、フッ素と樹脂膜との反応が急激すぎて好ましくない事態を生ずる可能性がある。また、樹脂膜保持基板をフッ素ガス雰囲気に曝す方法に特に限定はない。例えば、樹脂膜保持基板を容器中に置いてフッ素ガスを常圧で流通させる、又は、密封下でフッ素ガスを加圧状態で充満させるなどの方法が挙げられる。
フッ素ガス雰囲気の水分含有量は、少ない方が樹脂膜の表面処理に有効である。フッ素ガス雰囲気の水分含有量は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。水分濃度が上記範囲であると、フッ化水素が生成しにくくなる。
フッ素化工程における樹脂膜保持基板の温度は、通常23〜300℃、好ましくは50〜250℃である。
(5a)加熱工程(アニーリング工程)
図2(g)は、樹脂膜保持基板をフッ素ガス雰囲気に曝した後、樹脂表面の撥液性を増強するために不活性ガス中で加熱する(アニーリング)工程を示す。この工程は本発明の樹脂膜保持基板の製造方法に必須ではないが、アニーリングによって、フッ素化が不十分だった部位のフッ素化を促進させるとともに過剰のフッ素を揮散させる効果があるので、前記フッ素化工程に後続して行われることが好ましい。アニーリングに用いる不活性ガスの種類は特に限定されないが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの希ガス類や窒素が挙げられる。アニーリング温度は、用いる硬化樹脂の軟化点によって異なるが、50〜350℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。アニーリング温度が上記範囲であると、アニーリングの上記の効果が十分発現し、また、生成したフッ化物が揮発するおそれがない。
本発明の樹脂膜保持基板の製造方法においては、基板上の樹脂膜を、マスクを介して露光後現像する工程、又はエッチングする工程〔前記現像工程又はエッチング工程(3)〕、樹脂膜を加熱硬化する工程〔前記加熱硬化工程(4)〕及び樹脂膜を乾燥後フッ素ガス雰囲気に曝す工程〔前記フッ素化工程(5)〕の3工程の順序には限定がなく、任意の順序で行うことができる。
図1及び図2においては、本発明の樹脂膜保持基板の製造方法の最良の形態の一実施態様として、上記(3)、(4)及び(5)の3工程をこの順に行っている。
酸素プラズマ処理又は紫外線照射処理工程(4a)を加える場合は、フッ素化工程(5)の前工程として設けることが好ましい。また、アニーリング工程(5a)を入れる場合は、フッ素化工程(5)に続く次の工程として設けることが好ましい。
(6)アルカリ性溶液による洗浄工程
図2(h)は、樹脂表面と基板面との間の濡れ性のコントラストを拡大するために、表面がフッ素ガス雰囲気に曝された樹脂膜を載置した基板を、アルカリ性溶液に接触させて洗浄する工程を示す。この工程は、前記の酸素プラズマ処理又は紫外線照射処理によって樹脂残渣を除去しても、フッ素化工程で基板の開口部にしばしばフッ素化合物層が形成されるので、これをアルカリ性溶液との接触で除去する工程である。
使用するアルカリ性溶液としては、アルカリ化合物を水又は有機溶剤に溶解したものであれば限定されないが、操作性の観点から水に溶解したものが好ましい。アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、N−メチルピロリドンなどの環状アミン類;等が挙げられ、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましい。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、その水溶液が電気透析により容易に回収することができるので、リサイクルの面においても優れている。アルカリ性溶液の濃度は、好ましくは0.1〜5重量%、よりこのましくは0.1〜3重量%である。アルカリ性溶液の濃度が上記範囲であると、開口部のフッ素化合物層の除去効果が十分得られ、また、樹脂膜の劣化や基板からの剥離などが生じない。アルカリ性溶液との接触方法に限定はないが、樹脂膜保持基板をフッ素樹脂等の容器中のアルカリ性溶液に浸漬する方法や、樹脂膜保持基板にアルカリ性溶液を噴霧又は散布する方法などが挙げられる。
アルカリ性溶液で洗浄された樹脂膜保持基板は、リンス液、剥離液、水などで洗浄された後、乾燥される。こうして仕切部材を劣化させることなく、仕切部材と基板間の液状導電性材料の濡れ性に十分なコントラストを有する樹脂膜保持基板が得られる。
続いて、本発明方法により得られた樹脂膜保持基板を用いて本発明の回路基板を製造する方法について図面に示す実施態様に基づいて説明する。
(7)配線形成工程
図2(i)は、基板の上で、樹脂膜の凸部に囲まれた凹部に、導電性材料を充填し、焼成して電気的な配線を形成する工程を示す。
導電性材料の凹部への充填は、めっき法又は印刷法によることが好ましく、また、印刷法においてはインクジェット印刷法又はスクリーン印刷法が好ましい。特に、インクジェット印刷法によると、仕切部材の上面と基板の開口部露出面との液状の導電性材料に対する濡れ性の差が大きいことから、選択的に導電性材料を凹部に充填することができるので好ましい。
導電性材料の種類は特に限定されないが、含有する金属種は、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、マンガン、クロム又はアルミニウムを含むことが好ましい。特に金、銀、銅、ニッケルなどは、1μm以下の微粒子として用いることが可能であるため、微細配線の形成にとって好ましい。
導電性材料は、テトラデカン、ドデシルアミン、オレイン酸などの有機物を含有すると金属が溶剤中に均一に分散した状態となるので好ましい。有機物の含有量は、金属に対して、好ましくは25〜90重量%、より好ましくは60〜80重量%である。
導電性材料用の溶剤としては、水、有機溶剤又はこれらの混合物など限定されないが、仕切部材と基板表面の間に、より明瞭な濡れ性のコトラストを発現する溶剤種を用いることが好ましい。
凹部に導電性材料が充填された基板は、通常、200〜500℃で10〜120分、好ましくは250〜350℃で30〜60分焼成されて、電子機器用回路基板が形成される。
本発明の製造方法により得られる本発明の電子機器用回路基板は、電気配線の上面と樹脂膜(仕切部材)の上面とが実質上同一平面にあることが好ましい。両者を実質上同一平面とすることで、断線、短絡等の発生を低減することができる。
本発明の電子機器用回路基板の製造方法によって得られる電子機器用回路基板は、微細配線が可能で断線、短絡が起こりにくいので、これを用いてTFT、STN、TFD等として液晶表示装置、有機EL表示装置又はプラズマアドレス表示装置に組み込むことによりドット抜けが少ない表示装置が得られる。
本発明の液晶表示装置の一例として、アクティブマトリクス液晶表示装置の構造を示す断面図を図5に示す。ガラス基板上に形成された走査線と、信号線と、該走査線と該信号線の交差部付近に、該走査線にゲート電極が接続され、該信号線にソースあるいはドレイン電極が接続された薄膜トランジスタを有しており、信号線、ソース電極、及びドレイン電極を囲むように平坦化層が形成され、信号線、ソース電極、ドレイン電極と該平坦化層とは実質的に同一平面を形成している。この平面上に層間絶縁膜を介して画素電極が配置され、アクティブマトリクス基板を構成し、対向基板との間で液晶を挟持して構成される。上記走査線及びゲート電極配線は、本発明の電子機器用回路基板の製造方法を適用することにより微細な配線が形成される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
また、実施例及び比較例における試験、評価は下記によった。
(1)昇温脱離分析(以下「TDS分析」と略す。)
硬化した樹脂膜の水分含有量は、TDS分析計(EMD−WA1000S/W、電子科学社製)を用いて測定した。
(2)接触角
基板表面の液滴の接触角は、接触角測定器(CA−D、協和界面科学社製)を用いて測定した。液としてはテトラデカンを用い、液滴が基板に接触して30秒経過したときの値と定義した。
(3)導電性材料の収納限界幅
幅が10、20、30、40及び50μmの5種類で、長さが50mmの直線溝に滴下された導電性材料を観察して各幅の溝についてはみ出した箇所の数を調べ、はみ出しの無い下限の幅を収納限界幅とした。
(実施例1)
熱硬化性樹脂(カルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂)を100g、架橋剤のEHPE3150(ダイセル化学工業社製)25g、感放射線性化合物である1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物25g、接着助剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、酸化防止剤のイルガノックス1010(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)1g、及び界面活性剤のKP−341(信越化学工業社製)0.05gをプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート200g、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル100g、N−メチル−2−ピロリドン100gからなる混合溶媒に溶解させた後、孔径0.45μmのミリポアフィルタでろ過して感放射線性樹脂組成物を調製した。
得られた感放射性樹脂組成物を、あらかじめ洗浄し高純度窒素中で加熱して脱水を行い、その後、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)の蒸気を当ててHMDS密着層を形成した無アルカリガラス基板(縦40mm、横10mm、厚み1mm)にスピンコート法によって塗布し、100℃のオーブンに10分間置いて焼成して厚さ1μmの樹脂膜を形成した。樹脂膜を形成した無アルカリガラス基板の半面をマスクで遮蔽して、マスクアライナーにより200mJ/cmにて露光後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に25℃で70秒間現像処理を行い、次いで超純水で30秒間リンス処理を行った。これにより、前記感放射線樹脂組成物はポジ型であるため、樹脂露光部が溶解し、ガラス基板上半面の樹脂膜が除去された。これを水洗、乾燥後、図3に示す焼成装置を用いて99.99999容量%の高純度窒素雰囲気にて280℃で60分間加熱し、樹脂膜を硬化し、マスクアライナーで500mJ/cmにて基板全面を紫外線で照射した。この後、この樹脂膜保持基板サンプルを図4に示す電気炉に入れ、高純度窒素ガスを流通させ、150℃で60分間加熱して乾燥した。乾燥したサンプルの一部についてTDS分析により硬化した樹脂膜の水分含有量を分析したところ、0.02%であった。次に、引き続き同装置で同サンプルを180℃に加熱しつつ、高純度アルゴンガスで希釈した10容量%のフッ素ガスを1分あたり200mlのレートで導入し、1分間フッ素化処理を行った。フッ素化処理後、同装置を用いて同サンプルを高純度窒素ガス中で、300℃で10分間アニーリングを行った。アニーリング後のサンプルを2.38%TMAH水溶液に10秒間浸漬し、次いで、純水で5分間リンスして乾燥し、樹脂膜保持基板を得た。該基板の樹脂面及びガラス面につきテトラデカンにて接触角の測定を行った結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、樹脂膜保持基板サンプルにつき、図3に示す焼成装置での高純度窒素ガス雰囲気での加熱硬化工程まで行った段階で操作を終了した他は実施例1と同様に行い、樹脂膜保持基板を得た。該基板の樹脂面及びガラス面につきテトラデカンにて接触角の測定を行った結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、樹脂膜保持基板サンプルにつきフッ素化処理及びアニーリングを行った段階で操作を終了した他は実施例1と同様に行い、樹脂膜保持基板を得た。該基板の樹脂面及びガラス面につきテトラデカンにて接触角の測定を行った結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、樹脂膜保持基板サンプルのフッ素化処理及びアニーリングを行った後、樹脂膜保持基板サンプルを2.38%TMAH水溶液に浸漬する操作に代えて、酸素プラズマ処理を行った他は実施例1と同様に行い、樹脂膜保持基板を得た。該基板の樹脂面及びガラス面につきテトラデカンにて接触角の測定を行った結果を表1に示す。
なお、酸素プラズマ処理は、樹脂膜保持基板サンプルをRFプラズマ装置に入れ、酸素を充満後圧力2.67Paで10秒間プラズマ処理した。
(比較例4)
実施例1において、樹脂膜保持基板サンプルを2.38%TMAH水溶液に浸漬する操作に代えて、樹脂膜が除去されて露出したガラス面にフッ素系界面活性剤による親液塗膜形成を行った他は実施例1と同様に行い、樹脂膜保持基板を得た。該基板の樹脂面及びガラス面につきテトラデカンにて接触角の測定を行った結果を表1に示す。
なお、フッ素系界面活性剤による親液塗膜は、樹脂膜が除去されて露出したガラス面にフッ素系界面活性剤(製品名フロラードFC−170C、住友スリーエム社製)3%水溶液をスピンコート法により塗布した後100℃で5分間加熱することにより、厚さ0.1μmの塗膜として得られた。
Figure 2006286929
表1が示すように、表面がフッ素ガス雰囲気に曝されたパターン状に硬化した樹脂膜の上面のテトラデカン接触角は62度で極めて低い濡れ性を示し、また、該樹脂膜を載置した絶縁基板をTMAH水溶液に接触させることによりガラス面のテトラデカン接触角は9度で極めて高い濡れ性を呈した。これにより両接触角の較差は53度と大きな濡れ性のコントラストを実現した(実施例1)。
これに対して、樹脂膜を載置した絶縁基板に対するTMAH水溶液接触処理のみを省略すると、ガラス面の濡れ性が改善されないため、テトラデカン接触角の較差は49度に縮小した(比較例2)。TMAH水溶液接触処理に代えて酸素プラズマ処理を行うと、樹脂表面の濡れ性も向上するためテトラデカン接触角の較差は31度に縮まった(比較例3)。TMAH水溶液接触処理に代えてフッ素系界面活性剤を用いてガラス面上に親液皮膜形成を行っても、親液化の効果は小さく、テトラデカン接触角の較差は27度に縮小した(比較例4)。
また、樹脂膜に対するフッ素化処理、及び、樹脂膜を載置した絶縁基板に対するTMAH水溶液接触処理を、共に実施しないとテトラデカン接触角の較差は1度と、樹脂面及び基板面の濡れ性がほとんど同等となった(比較例1)。
(実施例2)
実施例1と同様にして無アルカリガラス基板上に厚さ1μmの熱硬化性の樹脂膜を形成した後、幅が10、20、30、40及び50μmの5種類で、長さが50mmの直線帯状パターンを有するマスクを介してマスクアライナーにより200mJ/cmで露光した後、実施例1と同様にして現像した。これにより、樹脂露光部が溶解して幅10〜50μm、長さ50mmの直線溝パターンを有する樹脂膜が形成された。これを実施例1と同様にして露光、現像及び加熱硬化した後、RFプラズマ装置にて圧力2.67Paで10秒間、酸素プラズマ処理を行った。図4に示す電気炉に樹脂膜保持基板サンプルを入れ、実施例1と同様にしてアルゴンガス流通下で乾燥後フッ素化処理、アニーリング、TMAH水溶液接触処理、水洗及び乾燥を行って樹脂膜保持基板を得た。
この基板サンプルの樹脂膜の直線溝部に、マイクロシリンジを用いて導電性材料(銀インク、藤倉化成製)を滴下して充填した。導電性材料の収納限界幅を調べた結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例2において、樹脂膜保持基板サンプルにつき、図3に示す焼成装置での高純度窒素ガス雰囲気での加熱硬化工程まで行った段階で操作を終了して、樹脂膜に対するフッ素化処理も、樹脂膜を載置した絶縁基板に対するTMAH水溶液接触処理も、共に実施しないで作製した樹脂膜保持基板を用いた他は実施例2と同様に行って導電性材料が充填された基板を得た。導電性材料の収納限界幅を調べた結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例2において、フッ素ガスによるフッ素化処理に代えて、樹脂膜保持基板サンプルをRFプラズマ装置に入れ、四フッ化炭素を充満後圧力6.67Paで1分間プラズマ処理して作製した樹脂膜保持基板を用いた他は実施例2と同様に行って導電性材料が充填された基板を得た。導電性材料の収納限界幅を調べた結果を表2に示す。
Figure 2006286929
表2が示すように、フッ素ガス雰囲気に曝された表面を持つ樹脂膜からなる仕切部材と、TMAH水溶液に接触されたガラス面からなる溝底部とを有する樹脂膜保持基板は、幅が10μmの溝でも導電性材料のはみ出しがなく、微細な配線が可能であることを示した(実施例2)。
一方、樹脂膜に対するフッ素ガスによるフッ素化処理も、樹脂膜を載置した基板に対するTMAH水溶液接触処理も、共に実施しないと、幅が50μmの溝でも導電性材料が全面的にはみ出し、微細な配線は不可能であった(比較例5)。また、樹脂膜の表面を、フッ素ガスに曝す代わりに四フッ化炭素プラズマによる撥液処理を行い、その後樹脂膜保持基板をTMAH水溶液に接触させる親液処理を行っても、導電性材料の収納限界幅は30μmで微細部位収納性は不十分であった(比較例6)。
(実施例3)
ガラス基板の表面にカルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂による感光性の厚さ1μmの透明樹脂膜をスピンコート法により形成した。この感光性の樹脂膜はフォトレジスト膜としての機能を有している。次に、樹脂膜を活性放射線を用いて選択的に露光、現像及び加熱硬化をすることにより、図6(a)に示す、ガラス基板上に配線溝を有する透明の樹脂膜を載置した樹脂膜保持基板を得た。この樹脂膜保持基板をRFプラズマ装置にて2.67Paで10秒間の酸素プラズマ処理後、フッ素ガス雰囲気に曝して表面をフッ素処理し、その後23℃にて2.38%TMAH水溶液に10秒間浸漬した。
次にインクジェット印刷法により、前記溝部に導電性材料を充填した。本実施例では導電性材料として、市販されている超微粒子の銀の分散液(パーフェクトシルバー、真空冶金社製;平均粒径8nmの銀微粒子100部、ドデシルアミン15部、ターピネオール75部)の銀100部に対し、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸6.8部、レゾール型フェノール樹脂(PL−2211、群栄化学社製)5部、トルエン35部を混合後0.5μmのフィルタでろ過して調製した銀ペーストインクを用いて配線を形成した。導電性材料を充填後250度の温度で30分間焼成し、走査線及びゲート電極配線とした〔図6(b)〕。次に、マイクロ波励起プラズマを用いたプラズマCVD法によりSiHガス、Hガス、Nガス及びArガスを用いてシリコン窒化膜(SiN膜)を形成した。
次に、マイクロ波励起プラズマを用いたプラズマCVD法により300℃にて、SiHガスを通気してアモルファスシリコン層を、次いで、SiHガス、PHガス及びArガスを通気してn+型アモルファスシリコン層を順次成膜した〔図6(c)〕。次に、全面にフォトレジストをスピンコート法により塗布し、100℃で1分間、ホットプレート上で乾燥し溶剤を除去した。次にg線ステッパを用いて、36mJ/cmのエネルギー量で露光した。露光に際しては、素子領域を残存するようにマスクを形成し、素子領域内部のチャネル領域に相当する部分はスリットマスクを用いて、露光量を調整した。2.38%TMAH水溶液を用いてパドル現像70秒間を行った結果、図6(d)に示すフォトレジスト形状を有するサンプルを得た。
次に、プラズマエッチング装置を用いて、n+型アモルファスシリコン層及びアモルファスシリコン層のエッチングを行った。この際、フォトレジストも若干エッチングされ、膜厚が減少するため、フォトレジスト膜厚の薄いチャネル領域部のレジストはエッチング除去され、n+シリコン層もエッチングされた。素子領域部以外のn+型アモルファスシリコン層及びアモルファスシリコン層がエッチング除去され、チャネル領域のn+型アモルファスシリコン層がエッチング除去された時点で、エッチング処理を終了し、図6(e)に示す形状を有するサンプルを得た。ソース電極部及びドレイン電極部のn+型アモルファスシリコン層上のフォトレジストは残存したままの状態で、Arガス、Nガス、Hガスを用いて、マイクロ波励起プラズマ処理を行い、チャネル部のアモルファスシリコン表面に直接、窒化膜を形成した〔図7(f)〕。
次に、ソース電極、及びドレイン電極領域上に残存するフォトレジスト膜を、酸素プラズマアッシングを施した後、レジスト剥離液などにより除去することで図7(g)の形状を有するサンプル得た。続いて、信号線、ソース電極配線及びドレイン電極配線をインクジェット印刷法などの印刷法やメッキ法で形成する際に必要となる仕切部材として、アルカリ可溶性高分子であるカルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂を100g、架橋剤のEHPE3150(ダイセル化学工業■製)25g、感放射線性化合物である1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物25g、接着助剤のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5g、酸化防止剤のイルガノックス1010(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)1g、及び界面活性剤のKP−341(信越化学工業社製)0.05gとをプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート200g、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル100g、N−メチル−2−ピロリドン100gからなる混合溶媒に溶解させた溶液を孔径0.45μmのミリポアフィルタによりろ過して得られる感放射線性樹脂組成物を、あらかじめ洗浄し高純度窒素中で加熱して脱水を行い、その後、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)の蒸気を当ててHMDS密着層を形成しておいた無アルカリガラス基板(縦40mm、横10mm、厚み1mm)にスピンコート法によって塗布し100℃のオーブンに10分間置いて焼成して厚さ1μmの樹脂膜を形成し、信号線、ソース電極配線及びドレイン電極配線用フォトマスクを用いて露光、現像及び加熱硬化を行って透明樹脂層を形成し、図7(h)に記載のように、信号線、ソース電極配線及びドレイン電極配線領域となる溝を有するサンプルを得た。
前記サンプルを酸素プラズマ処理後、フッ素ガス雰囲気に曝して表面をフッ素処理し、次いで2.38%TMAH水溶液に浸漬した。次にインクジェット印刷法により、溝部に前記銀ペーストインクの導電性材料を充填した。導電性材料を充填後250度の温度で30分間焼成し、配線とした〔図6(i)〕。このようにして、TFTの形成を完了した。
次に、層間絶縁膜として、カルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂による感光性で透明の樹脂膜を形成し、露光、現像を行って画素電極からTFT電極へのコンタクトホールを形成した。感光性透明樹脂の硬化は、感光性透明樹脂の光線透過率を高めるため、装置内表面をSUS316の電解研磨処理した加熱装置を用い、また、残存酸素濃度を10ppmに制御し、250℃で60分焼成した。これに引き続き、基板全面にITOをスパッタ成膜し、パターニングすることで画素電極とした。この表面に液晶の配向膜としてポリイミド膜を形成し、対向基板との間に液晶を挟持することにより図5に示す構造を有するアクティブマトリクス液晶表示装置を得た。
同表示装置は、平坦化層の透明性が高いため、輝度が高く、かつ、消費電力が低かった。
本発明の樹脂膜保持基板及び電子機器用回路基板の製造方法の一実施態様を示す工程説明図(その一)である。 本発明の樹脂膜保持基板及び電子機器用回路基板の製造方法の一実施態様を示す工程説明図(その二)である。 本発明実施例で用いる焼成装置の概念図である。 本発明実施例で用いる乾燥、フッ素ガス処理などのための電気炉の概念図である。 本発明の一例のアクティブマトリクス液晶装置の構造を示す断面図である。 本発明実施例4の工程説明図(その一)である。 本発明実施例4の工程説明図(その二)である。
符号の説明
1.基板
2.樹脂膜
3.マスク
4.紫外線
5.酸素プラズマ又は紫外線
6.フッ化物層
7.フッ素ガス
8.テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
9.金属配線
10.インクジェットノズル

Claims (14)

  1. 基板の上にパターン状の樹脂膜を形成した後、該樹脂膜の表面をフッ素ガス雰囲気に曝し、次いで該樹脂膜を有する面に対してアルカリ性溶液を接触させることを特徴とする樹脂膜保持基板の製造方法。
  2. 前記樹脂膜が、基板上に熱硬化性で未硬化の樹脂膜を形成した後、該未硬化の樹脂膜を、マスクを介して露光後に現像し、又はエッチングし、残存する樹脂膜を加熱硬化してから乾燥してなるものである請求項1記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
  3. 前記アルカリ性溶液が、0.1〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液である請求項1又は2記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
  4. 樹脂膜の加熱硬化を不活性ガス雰囲気で行う請求項2記載の樹脂膜保持基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られる樹脂膜保持基板の上で、樹脂膜の凸部に囲まれた凹部に、導電性材料を充填して電気配線を形成することを特徴とする電子機器用回路基板の製造方法。
  6. 前記導電性材料の充填をめっき法又は印刷法によって行う請求項5記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  7. 前記印刷法がインクジェット印刷法又はスクリーン印刷法である請求項6記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  8. 前記電気配線の上面と樹脂膜の上面とが実質上同一平面にある請求項5〜7のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  9. 前記基板がガラス基板又はシリコンウェハである請求項5〜8のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  10. 前記導電性材料が有機物を含有している請求項5〜9のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  11. 前記樹脂膜が酸性基を有する樹脂を用いて得られる膜である請求項5〜10のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  12. 前記樹脂膜がカルボキシル基含有脂環式オレフィン系樹脂及び感放射線成分を含有する感光性樹脂組成物で形成されたものである請求項5〜11のいずれかに記載の電子機器用回路基板の製造方法。
  13. 請求項5〜12のいずれかに記載の製造方法によって得られる電子機器用回路基板。
  14. 請求項5〜12のいずれかに記載の製造方法によって得られる電子機器用回路基板を備えた表示装置。

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