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JP2006280571A - 血液ポンプ装置 - Google Patents

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JP2006280571A
JP2006280571A JP2005103729A JP2005103729A JP2006280571A JP 2006280571 A JP2006280571 A JP 2006280571A JP 2005103729 A JP2005103729 A JP 2005103729A JP 2005103729 A JP2005103729 A JP 2005103729A JP 2006280571 A JP2006280571 A JP 2006280571A
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厚司 大川
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Abstract

【課題】 ポンプの負荷変動、コイルの配置に応じて、電力電送効率が最適となるように制御できる血液ポンプ装置を提供するものである。
【解決手段】 血液ポンプ装置1は、ポンプ5と、送電用コイル70を備える電力電送部71と送電用コイルの電圧検出部73と電送電力制御部76を備える体外側装置7と、送電用コイルより電力を受信する受電用コイル65を備える電源部61と、電源部61の負荷電流検出部64と、検出電流値を体外側装置7に送信する電力情報送信部62を備える体内埋込側装置6を有する。電送電力制御部76は、最適周波数関連関係式記憶部74と、最適周波数関連関係式、入力されたコイル間距離、受信する負荷電流値、送電用コイル電圧値とを用いて、送電用コイルの最適周波数を演算する最適周波数演算機能(演算部75)と、最適周波数により送電用コイルによる電力供給を行わせる制御機能とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、経皮的に電力供給を受けるタイプの血液ポンプ装置に関する。
血液ポンプ装置としては、生体内に埋め込まれるポンプと、このポンプと直接結線されず、かつ、ポンプに電力を経皮的に供給する体外側装置とにより構成されるものがある。
経皮的な電力伝送システムの制御方式では、一般に、体内の負荷に供給される電流ないし電圧を検出し、供給電力が最大になるように周波数を変える、PWM制御方式の場合はデューティ比、周波数を変えるという方式が使われている。具体的には、送電用コイル間の電圧を検出し、この電圧が最大となるように周波数を変える。さらに、効率を向上させるために、同期整流方式や、力率で制御する方式がある。いずれの方式でも、コイルの位置ずれは効率低下をまねくため、その検出方法が提案されている。
例えば、特許文献1(特開平11‐123244号公報、体内埋込み型装置への電力伝送方法及び装置)では、2次側コイル間の電圧値(受電電圧情報)からコイルの位置ずれを判断する方式が提案されている。
特開平11‐123244号公報
体外埋込型の経皮電力伝送システムにおいて、ポンプの負荷変動や、対向するコイルの位置ずれに対して、常に高効率で電力を供給することが課題となっている。
本発明の目的は、ポンプの負荷変動、コイルの配置に応じて、電力電送効率が最適となるように制御できる血液ポンプ装置を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、前記ハウジング内で回転し、血液を送液するインペラと、該インペラを回転させるためのインペラ回転トルク発生部とを備えるポンプと、前記インペラ回転トルク発生部を駆動するための電源回路とを備える生体内に埋め込まれる体内埋込側装置と、電力を前記体内埋込側装置に送信する送電用コイルを備える電力電送部と、該送電用コイルの両端にかかる電圧を検出する電圧検出部と、電送電力制御部を備え、かつ前記体内埋込側装置と接続されない体外側装置とからなる血液ポンプ装置であって、
前記体内埋込側装置は、前記送電用コイルより電力を受信する受電用コイルを備えるとともに前記電源回路に電力を供給する電源部と、該電源部より前記電源回路に送られる負荷電流を検出する電流値検出部と、該電流値検出部により検出された電流値を前記体外側装置に送信する電力情報送信部とを備え、
前記体外側装置は、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向の距離を入力するコイル間距離入力部と、前記電力情報送信部からの情報を受信する電力情報受信部とを備え、
前記電送電力制御部は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置の負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を記憶する関係式記憶部と、前記最適周波数関連関係式、前記コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、前記電力情報受信部により受信する負荷電流値、前記送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、送電用コイルの最適周波数を演算する最適周波数演算機能と、該最適周波数演算機能により演算された最適周波数により、前記送電用コイルによる電力供給を行わせる周波数制御機能とを備えている血液ポンプ装置。
(2) 前記体外側装置は、表示部を備え、前記電送電力制御部は、あらかじめ測定した多数の前記送電用コイルと前記受電用コイル間の径方向ずれ量における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置における負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を記憶する関係式記憶部と、前記コイル間径方向ずれ量関係式、前記コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、前記電力情報受信部により受信する負荷電流値、前記送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、コイル間径方向ずれ量を演算するコイル間径方向ずれ量演算機能と、該コイル間径方向ずれ量演算機能により演算されたコイル間径方向ずれ量を前記表示部に表示させる機能とを備えている上記(1)に記載の血液ポンプ装置。
(3) 前記体外側装置は、警報手段を備え、前記電送電力制御部は、コイル間径方向ずれ許容量を記憶するとともに、前記コイル間径方向ずれ量演算機能により、演算されたコイル間径方向ずれ量が、記憶するコイル間径方向ずれ許容量より大きい場合に、前記警報手段を作動させる警報機能を備えている上記(2)に記載の血液ポンプ装置。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置の負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を算出する関係式算出工程と、該最適周波数関連関係式算出工程により得られた最適周波数関連関係式を前記電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶させる記憶工程とを行う血液ポンプ装置の製造方法。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(5) 上記(2)または(3)のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、あらかじめ測定した多数の前記送電用コイルと前記受電用コイル間の径方向ずれ量における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置における負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、前記入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を算出するコイル間径方向ずれ量関係式算出工程と、該コイル間径方向ずれ量関係式算出工程により得られたコイル間径方向ずれ量関係式を前記電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶させる記憶工程とを行う血液ポンプ装置の製造方法。
(6) 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである上記(4)または(5)に記載の血液ポンプ装置の製造方法。
この血液ポンプ装置によれば、最適周波数演算機能と、最適周波数演算機能により演算された最適周波数により、送電用コイルによる電力供給を行わせる制御機能を備えているので、効率のよい電力供給を行うことができる。
本発明の血液ポンプ装置および血液ポンプ装置の製造方法を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。図2は、本発明の血液ポンプ装置に使用されるポンプの正面図である。図3は、図2に示したポンプの平面図である。図4は、図2に示したポンプの縦断面図である。図5は、図2のポンプのA−A線断面図である。
本発明の血液ポンプ装置1は、血液流入ポート22と血液流出ポート23とを有するハウジング20と、ハウジング20内で回転し、血液を送液するインペラ21と、インペラを回転させるためのインペラ回転トルク発生部3とを備えるポンプ5と、インペラ回転トルク発生部3を駆動するための電源回路とを備える生体内に埋め込まれる体内埋込側装置6と、電力を体内埋込側装置に送信する送電用コイル70を備える電力電送部71と、送電用コイル70の両端にかかる電圧を検出する電圧検出部73と、電送電力制御部76を備え、かつ体内埋込側装置6と接続されない体外側装置7とから構成されている。
そして、体内埋込側装置6は、送電用コイルより電力を受信する受電用コイル65を備えるとともに電源回路52に電力を供給する電源部61と、電源部61より電源回路52に送られる負荷電流を検出する電流値検出部64と、電流値検出部64により検出された電流値を体外側装置7に送信する電力情報送信部62とを備える。ポンプ5および体内埋込側装置6が、体内埋込側システム10を構成する。
そして、体外側装置7は、送電用コイル70と受電用コイル65間の軸方向の距離を入力するコイル間距離入力部77と、電力情報送信部62からの情報を受信する電力情報受信部72とを備える。
そして、電送電力制御部76は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、体内埋込側装置の負荷電流と、送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を記憶する関係式記憶部74と、最適周波数関連関係式、コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、電力情報受信部により受信する負荷電流値、前記送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、送電用コイルの最適周波数を演算する最適周波数演算機能(演算部75)と、最適周波数演算機能により演算された最適周波数により、前記送電用コイルによる電力供給を行わせる周波数制御機能とを備えている。
使用時に送電用コイルと受電用コイル間に径方向のズレが生じた場合、電力電送効率が低下する。この場合、周波数を変化させることにより、そのずれた状態における最適効率の電力電送が可能となる。本発明のポンプ装置では、上記の最適周波数の演算および演算された周波数による制御機能を備えている。本発明では、いわゆる交流に限定されるものではなく、電力電送効率に周波数が影響する電送方式であればどのようなものでもよい。例えば、PWM方式による電力電送における周波数制御においても有効である。
さらに、この実施例のように血液ポンプ装置1のように、体外側装置7は、表示部59を備え、電送電力制御部76は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルと受電用コイル間の径方向ずれ量における、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、体内埋込側装置における負荷電流と、送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を関係式記憶部74にて記憶し、このコイル間径方向ずれ量関係式、コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、電力情報受信部72により受信する負荷電流値、送電用コイル電圧検出部73により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、コイル間径方向ずれ量を演算するコイル間径方向ずれ量演算機能(演算部75)と、コイル間径方向ずれ量演算機能により演算されたコイル間径方向ずれ量を表示部59に表示させる機能とを備えていることが好ましい。
特に、体外側装置7は、警報手段78を備え、電送電力制御部76は、コイル間径方向ずれ許容量を記憶するとともに、コイル間径方向ずれ量演算機能により、演算されたコイル間径方向ずれ量が、記憶するコイル間径方向ずれ許容量より大きい場合に、警報手段78を作動させる警報機能を備えていることが好ましい。
警報手段としては、鳴動手段、点灯手段などが好適である。鳴動手段としては、ブザーが好ましい。点灯手段としては、ランプが好ましい。
そして、図2ないし図5に示すポンプ5は、液体流入ポート22と液体流出ポート23を有するハウジング20と、内部に磁性体25を備え、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって液体を送液するインペラ21を有する遠心式液体ポンプ部2と、遠心式液体ポンプ部2のインペラ21の磁性体25を吸引するための磁石33を備えるロータ31と、ロータ31を回転させるモータ34を備えるインペラ回転トルク発生部3と、電磁石41を備えるインペラ位置制御部4とを備え、ハウジング20に対してインペラ21が非接触状態にて回転するものである。
なお、本発明の血液ポンプ装置に使用されるポンプ5は、上記のようなインペラが非接触状態にて回転するタイプのものに限定されるものではない。例えば、インペラがモータのシャフトに接合され、モータの回転によりインペラが回転するタイプのものに用いることができる。
図2ないし図5に示すように、このポンプ5は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式液体ポンプ部2と、インペラ21のためのインペラ回転トルク発生部(非制御式磁気軸受構成部)3と、インペラ21のためのインペラ位置制御部(制御式磁気軸受構成部)4とを備える。
インペラ21は、図4に示すように、非制御式磁気軸受構成部3および制御式磁気軸受構成部4の作用により、ハウジング20内の所定位置に保持され、ハウジング内面に接触することなく通常は回転する。
ハウジング20は、血液流入ポート22と血液流出ポート23とを備え、非磁性材料により形成されている。ハウジング20内には、血液流入ポート22および血液流出ポート23と連通する血液室24が形成されている。このハウジング20内には、インペラ21が収納されている。血液流入ポート22は、ハウジング20の上面の中央付近よりほぼ垂直に突出するように設けられている。血液流出ポート23は、図3および図5に示すように、ほぼ円筒状に形成されたハウジング20の側面より接線方向に突出するように設けられている。
図5に示すように、ハウジング20内に形成された血液室24内には、中央に貫通口を有する円板状のインペラ21が収納されている。インペラ21は、図4に示すように、下面を形成するドーナツ板状部材(下部シュラウド)27と、上面を形成する中央が開口したドーナツ板状部材(上部シュラウド)28と、両者間に形成された複数(例えば、7つ)のベーン18を有する。そして、下部シュラウドと上部シュラウドの間には、隣り合うベーン18で仕切られた複数(7つ)の血液通路26が形成されている。血液通路26は、図5に示すように、インペラ21の中央開口と連通し、インペラ21の中央開口を始端とし、外周縁まで徐々に幅が広がるように延びている。言い換えれば、隣り合う血液通路26間にベーン18が形成されている。なお、この実施例では、それぞれの血液通路26およびそれぞれのベーン18は、等角度間隔にかつほぼ同じ形状に設けられている。
そして、図4に示すように、インペラ21には、複数(例えば、24個)の第1の磁性体25(永久磁石、従動マグネット)が埋設されている。この実施例では、第1の磁性体25は、下部シュラウド27内に埋設されている。埋設された磁性体25(永久磁石)は、後述するインペラ回転トルク発生部3のロータ31に設けられた永久磁石33によりインペラ21を血液流入ポート22と反対側に吸引され、回転トルクをインペラ回転トルク発生部より伝達するために設けられている。
また、この実施例のようにある程度の個数の磁性体25を埋設することにより、後述するロータ31との磁気的結合も十分に確保できる。磁性体25(永久磁石)の形状としては、円形であることが好ましい。あるいは、リング状のマグネットを多極(例えば、24極)に分極したもの、言い換えれば、複数の小さな磁石を磁極が交互となるように、かつ、リング状に並べたものでもよい。
また、インペラ21は、上部シュラウドそのものもしくは上部シュラウド内に設けられた第2の磁性体28を備える。この実施例では、上部シュラウドの全体が、磁性体28により形成されている。磁性体28は、後述するインペラ位置制御部の電磁石41によりインペラ21を血液流入ポート22側に吸引するために設けられている。磁性体28としては、磁性ステンレス等が使用される。
インペラ位置制御部4およびインペラ回転トルク発生部3により、非接触式磁気軸受が構成され、インペラ21は、相反する方向より引っ張られることにより、ハウジング20内において、ハウジング20の内面と接触しない適宜位置にて安定し、非接触状態にてハウジング20内を回転する。
インペラ回転トルク発生部3は、図4に示すように、ハウジング20内に収納されたロータ31とロータ31を回転させるためのモータ34を備える。ロータ31は、ポンプ部2側の面に設けられた複数の永久磁石33を備える。ロータ31の中心は、モータ34の回転軸に固定されている。永久磁石33は、インペラ21の永久磁石25の配置形態(数および配置位置)に対応するように、複数かつ等角度ごとに設けられている。
インペラ回転トルク発生部3としては、上述のロータおよびモータを備えるものに限られず、例えば、インペラ21の永久磁石25を吸引し、かつ回転駆動させるための複数のステーターコイルからなるものでもよい。
インペラ位置制御部4は、図3および図4に示すように、インペラの磁性体28を吸引するための固定された複数の電磁石41と、インペラの磁性体28の位置を検出するための位置センサ42を備えている。具体的には、インペラ位置制御部4は、ハウジング20内に収納された複数の電磁石41と、複数の位置センサ42を有する。インペラ位置制御部の複数(3つ)の電磁石41および複数(3つ)の位置センサ42は、それぞれ等角度間隔にて設けられており、電磁石41と位置センサ42も等角度間隔にて設けられている。電磁石41は、鉄心とコイルからなる。電磁石41は、この実施例では、3個設けられている。電磁石41は、3個以上、例えば、4つでもよい。3個以上設け、これらの電磁力を位置センサ42の検知結果を用いて調整することにより、インペラ21の回転軸(z軸)方向の力を釣り合わせ、かつ回転軸(z軸)に直交するx軸およびy軸まわりのモーメントを制御することができる。
位置センサ42は、電磁石41と磁性体28との隙間の間隔を検知し、この検知出力は、電磁石41のコイルに与えられる電流もしくは電圧を制御する制御機構(言い換えれば、コントローラ)6の制御部51に送られる。また、インペラ21に重力等による半径方向の力が作用しても、インペラ21の永久磁石25とロータ31の永久磁石33との間の磁束の剪断力および電磁石41と磁性体28との間の磁束の剪断力が作用するため、インペラ21はハウジング20の中心に保持される。
そして、体内埋込側装置6は、図1に示すように、送電用コイル70より電力を受信する受電用コイル65を備えるとともに電源回路52に電力を供給する電源部61と、電源部61より電源回路52に送られる負荷電流を検出する電流値検出部64と、電流値検出部64により検出された電流値を体外側装置7に送信する電力情報送信部62とを備える。
さらに、この実施例の血液ポンプ装置1では、体内埋込側装置6は、電源部61より電源回路52に供給される電圧を検出する電圧値検出部63を有し、電力情報送信部62は、電圧値検出部63により検出された電圧値を体外側装置7に送信する機能を備えている。そして、体外側装置7には、上記の電力情報送信部62より送信される電圧値検出部63により検出された電圧値に関する信号を受信する機能を備えるとともに、作動情報演算部58は、ポンプ5および体内埋込側装置6が消費する消費電力を演算する機能、ならびに、消費電力を表示部59に表示させる機能を備えている。
さらに、体内埋込側装置6は、図1に示すように、磁気カップリング用のモータ34のためのパワーアンプ52およびモータ制御回路53、電磁石41のためのパワーアンプ54、センサ42のためのセンサ回路55、センサ出力をモニタリングするためのセンサ出力モニタリング部(図示せず)、制御部51、電源回路52を備える。制御部51は、モータ電流モニタリング機能を備える。
また、体外側装置7は、図1に示すように、電力を体内埋込側装置6に送信する送電用コイル70を備える電力電送部71と、送電用コイル70の両端にかかる電圧を検出する電圧検出部73と、電送電力制御部76と、送電用コイル70と受電用コイル65間の軸方向の距離を入力するコイル間距離入力部77と、電力情報送信部62からの情報を受信する電力情報受信部72とを備える。この体内埋込側装置6は、体外側装置7とは、結線による接続は行われていない。
さらに、この血液ポンプ装置1では、図1に示すように、上記の電力情報に関する通信機能とは別の通信機能を備えている。具体的には、体外側装置7は、体外側通信インターフェース89を備え、体内埋込側装置6は、体外側通信インターフェース89と通信可能な体内側通信インターフェース88を備えている。2つのインターフェース間により、体内埋込装置6に検知されたモータ電流値もしくはその関連信号の送受信が行われるものとなっている。なお、両者間の通信は、アナログ通信、デジタル通信のいずれでもよい。通信形式は、公知のものが使用できる。
そして、体外側装置7は、電源部79、作動情報演算部58、血液情報入力部(言い換えれば、血液粘度、比重もしくはヘマトクリット値)57を備えている。そして、作動情報演算部58は、モータ電流値、モータ回転数値、血液情報入力部より入力された血液情報値より、吐出流量を演算する機能を備えている。
そして、電送電力制御部76は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、体内埋込側装置の負荷電流と、送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を記憶する関係式記憶部74と、最適周波数関連関係式、コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、電力情報受信部により受信する負荷電流値、送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、送電用コイルの最適周波数を演算する最適周波数演算機能(演算部75)と、最適周波数演算機能により演算された最適周波数により、送電用コイルによる電力供給を行わせる周波数制御機能とを備えている。
また、本発明の血液ポンプ装置は、図6に示すようなものであってもよい。
この実施例の血液ポンプ装置30と、上述したポンプ装置1との相違点は、体内埋込側装置6の電力情報送信部62と、体外側装置7の電力情報受信部72の有無のみである。この血液ポンプ装置30では、ポンプ装置1のような形式での、電力情報送信部62および電力情報受信部72は設けられていない。その代わりに、電圧検出器63による検出信号は、制御部51に送られ、通信インターフェース88により送信される。体内埋込側装置6の通信インターフェース88より発信された、電圧に関する情報は、体外側装置7の通信インターフェース89により受信され、電送電力制御部76に送られるものとなっている。よって、この実施例においても電源部61の電圧値に関する情報は、体外側装置7に送られるものであり、血液ポンプ装置30としては、電力情報送信機能および電力情報受信機能を備えるものとなっている。
次に、本発明の血液ポンプ装置の製造方法および本発明の血液ポンプ装置の演算部に記憶される、最適周波数関連関係式関係式(シグモイド関数を利用する)について説明する。
本発明の血液ポンプ装置の製造方法は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置の負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を算出する関係式算出工程と、該最適周波数関連関係式算出工程により得られた最適周波数関連関係式を前記電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶させる記憶工程とを行うものである。
そして、この実施例の血液ポンプ装置では、体外側装置7の電送電力制御部76に記憶される、あらかじめ測定した多数の送電用コイルと受電用コイル間の径方向ずれ量における、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、体内埋込側装置における負荷電流と、送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を算出するコイル間径方向ずれ量関係式算出工程を行うものであり、さらに、このコイル間径方向ずれ量関係式算出工程により得られたコイル間径方向ずれ量関係式を電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶する工程を行うものとなっている。
よって、説明する実施例では、最適周波数の演算およびそれによる電力電送部の制御およびコイル間径方向ずれ量を算出するものとなっている。
上記の各関係式の算出は、ニューラルネットワークを用いて行われる。
ニューラルネットワークとしては、3入力2出力の3層のフィードフォワード型ネットワークを用いることが好ましい。3層は、入力層、中間層、出力層で構成される。入力層には、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、体内埋込側装置における負荷電流と、送電用コイルの両端にかかる電圧が入力され、出力層からは、送電用コイルの最適周波数とコイル間径方向ずれ量が出力される。中間層は、複数個の人工素子(非線形素子)より構成される。3層ニューラルネットワークは、「連続性の条件」もしくは「2乗可積分の条件」のいずれかを満たす全ての関数を高い精度で近似できる。ニューラルネットの出力の精度を高めるためには中間層の素子数を増やさなければならないがその分計算量は増える。
ニューラルネットは、生体のニューロンを模擬した複数の人工素子を用いて構成される。ここで、ニューラルネットに使われる人工素子は、生体のニューロンを厳密に模倣したものではなく、その特定の機能を抽出し、単純化した工学モデルである。人工素子としては、決定的アナログモデルを使用する。これは、出力yを0≦y≦1の範囲のアナログ値として、この出力を入力から決定的に決めるモデルである。決定的アナログモデルを、図7に示す。
まず、他の素子、あるいは外部から与えられる信号がモデルへ入力する。これらの値を{x1, x2, x3, … xN}と記す。これに重み{w1, w2, w3, … wN}を掛け、加え合わせて、細胞内電位に相当する量sを得る。重みはシナプス結線重みに該当する。細胞内電位sから出力yを求める際に、シグモイド関数を用いて連続的な出力を得る。シグモイド関数は以下の式1により表される。
Figure 2006280571

シグモイド関数のゲインαを大きくすると、シグモイド関数はステップ関数に近づく。シグモイド関数とゲインαの関係を図8に示す。このモデルの出力計算手続きは次式により表される。
Figure 2006280571

Figure 2006280571

ここでθは、細胞内電圧の閾値である。
本発明の最適周波数およびコイルのずれ量演算部は、フィードフォワード型ニューラルネットにより構成される。これは、信号が入力側から出力側に向けて1方向に流れていくように構成したニューラルネットである。本発明で使用するニューラルネットは、入力層、中間層、出力層の3層からなるフィードフォワード型ニューラルネットである。中間層は1層であることが望ましいが、2層以上でも構わない。入力層は3つの素子からなり、それぞれ、対向する2つのコイルの軸方向の距離、ポンプへの負荷電流、体外コイルの両端にかかる電圧が入力される。中間層は複数の素子からなり、入力層および出力層の各素子と結合している。最適周波数およびコイルのずれ量の演算精度を高めるためには中間層の素子数を増やす必要があるが、素子数を増やし過ぎると計算が複雑になるため、素子数は3から10個が望ましい。本発明で使用するフィードフォワード型ニューラルネットの一例を図9に示す。中間層のj番目の中間層素子は、入力xiに結線の重みwij (1)をかけてi=1,2,3について総和し、まず、細胞内電位(重み付け総和)
Figure 2006280571

を得る。これを重み付け総和と呼ぶ。次に、sj (1)をシグモイド関数に通して、素子の出力
Figure 2006280571

を得る。
中間層素子がj=1,2,…、NのN個あるとき、これらの全てについて上述の手続きにより出力を求める。こうして中間層素子の出力を求めた後、k番目の出力層素子は、中間層素子の出力yj (1)、出力層素子の出力をyk (2)(k=1,2 )とすると、これはyj (1)(j=1,2,…,N)をその入力として受け取り、これに結線の「重み」wjk (2)をかけて総和し、まず、重み付け総和
Figure 2006280571

を得る。続いて、sk (2)をシグモイド関数に通して、素子の出力
Figure 2006280571

を得る。ここで、yk (2)(k=1,2)は、最適周波数とコイルの径方向のずれ量である。具体的には、y1 (2)は、最適周波数であり、y2 (2)は、コイルの径方向のずれ量である。
次に、最適周波数およびコイルの径方向のずれ量演算部に実装されている人工ニューラルネットの結線の重みwについて、その値の決定方法について説明する。
wの決定には、逐次更新学習法を用いる。本発明では、逐次更新学習法の一つである誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)を用いて、訓練データが与えられる都度、結線重みを微小調整する。
実現したい入出力関係の訓練データが複数の入出力対として与えられる。本発明では、訓練データは、入力として用いる対向するコイル間の軸方向の距離、ポンプおよび体内埋込側装置が消費する電流(負荷電流)、体外コイルの両端にかかる電圧の3入力と、対応する最適周波数、コイルの径方向のずれ量である。最適周波数とコイルの径方向のずれ量は、学習の教師信号として与えられる。
今、訓練データがL個あり、そのm番目は、入力(x1 (m), x2 (m), x3 (m))に対して、出力y(m)を要求するものとする。この方法では、学習を行う前に、対向するコイル間の径方向の距離、ポンプおよび体内埋込側装置が消費する電流(負荷電流)、体外コイルの両端にかかる電圧、最適周波数、コイルの径方向のずれ量に関して、あらかじめ校正データを取っておく必要がある。具体的には、あらかじめ,対向するコイル間の軸方向の距離6,8,10,…,20mm(2mm刻み)の各々について,径方向のずれ量0,2,4,…,16mm(2mm刻み)、負荷電流0.2,0.4,…,2.4A(0.2A刻み)での、最適周波数と体外コイルの両端にかかる電圧を実験によって求めておく。ここで、最適周波数は、与えられたコイルの位置と負荷に対して最も伝送効率が高くなる周波数である。校正データ点数は、対向するコイル間の軸方向の距離が8通り、径方向のずれ量が9通り、負荷電流が12通りであるので、8×9×12=864点である。
ここでは、対向するコイル間の軸方向の距離を2mm間隔、コイルの径方向のずれ量を2mm間隔、負荷電流を0.2A間隔として校正データを取得しているが、ニューラルネットの出力となる最適周波数の精度を上げることを考慮すれば、測定間隔はできる限り細かくすることが望ましい。しかしながら、校正データ量(測定点数)が多くなると、校正にかなりの時間を要するので、測定の間隔は上記の条件が妥当である。
図10に、誤差逆搬法の学習手続(学習ルーチン)を示す。図10の内側の繰り返しループは、訓練データに関するループであって、毎度訓練データを選択しては(以下のStep1)、その訓練データに対する誤差評価尺度を小さくするようにパラメータを修正する(以下のStep2,3)。さらに外側のループを全訓練データの誤差評価尺度が十分小さくなるまで繰り返す。
以下、誤差逆伝搬法について詳細に説明する。
<Step1> 訓練データの選択
図10の内側のループにおいて、最初の手続きとして、m番目の訓練データを選択し、このデータに対して、以下の2つのステップを実行する。そのm番目の入力を、(x1 (m), x2 (m), x3 (m))と表記するが、2つのステップの実行中は訓練データを固定するため、右肩の添え字(m)は必要ないため省略する。その代わり、変数の右肩の添え字(m)を層の識別に用いる。すなわち、変数右肩の添え字(1)は第1層(中間層)の変数であること、添え字(2)は第2層(出力層)の変数であることを示す。入力層は第0層とする。
<Step2> 出力の計算
図11に、入力層、中間層、出力層の3層からなるフィードフォワード型ニューラルネットを示す。入力層は、黒ドットで示されるノード(信号の中継点)からなる。中間層、出力層は、白丸で示される素子(ニューロンの工学モデル)からなる。誤差逆伝搬法では、素子として決定的アナログモデルを用いる。
ここで、この素子の動作を図13に示す。素子の入力をx0,x,…,xN,出力をy,結合の重みをw0,w,…,wN,重み付け総和(細胞内電圧)をsとすると、素子の動作は以下のように定式化できる。
Figure 2006280571

Figure 2006280571
なお、ネットワーク中の結線の重み全てに、初期値として、乱数などで発生した無作為な値を割り当てておく。ただし、初期値は全て0としてはならない。 入力ノードに入力を与えた後、j番目の中間層素子は、入力xi(=yi (0))に結線の重みwij (1)をかけて、i=1,2,3について総和し、まず、重み付け総和
Figure 2006280571

を得る。続いて、sj (1)をシグモイド関数に通して、素子の出力
Figure 2006280571

を得る。中間層素子がj=1,2,…,Nの N個あるとき、これらの全てについて上述の手続きにより中間層素子の出力を求める。出力層素子の出力yk (2)(k=1,2)は、中間層素子の出力yj (1)(j=1,2,…,N)をその入力として受け取り、結線の「重み」wjk (2)をかけて、重み付け総和
Figure 2006280571

を得る。
続いて、sk (2)をシグモイド関数に通して、素子の出力
Figure 2006280571

を得る。これがネットワークの出力bk (=yk (2))となる。
ここで、このネットワークの出力を学習の目標出力と比較する。目標出力をtkとすると,誤差評価尺度Eは、
Figure 2006280571

と表される。勾配法の原理により、この評価関数を小さくするように、ネットワーク内部の重みを修正する。
<Step3> 結合重みの修正
結合の重みの修正手続きを次に示す。まず、結線の重みの修正時(誤差逆伝搬モード)のネットワークの流れを、図12に示す。ノード数、素子数、素子間の結線構造、及び結線の重みは、出力計算時(出力計算モード)に用いた図6と同じであるが、素子の機能と信号の流れる向きが異なる。
誤差逆伝搬モードにおける素子機能を図13に示す。素子内部にはメモリがあり、Step2で自分の出力y(=yj (m) 、以下、添え字を省略しyで略記する)を保持しておく。素子の右側から与えられる入力z,z,…,zNに、素子の右側の結線の重みw,w,…,wNを掛け、重み付け総和
Figure 2006280571

を求めたあと、メモリに保持されているyを用いてα(1-y)yを計算し、これにuを掛け、
Figure 2006280571

を出力する。zは左側の層の素子への入力となる。
ここで,α(1-y)yは,
Figure 2006280571

Figure 2006280571

なる関係で、シグモイド関数の微分が求まることから出てきたものである。以上のように動作する素子を図12のように接続する。図12の結線構造と結線の重みは図11と全く同様である。図12の右から、Step2で求めたネットワークの出力bjと目標出力tjとの誤差bj−tjを加える。この入力に基づき、各層で図14に示した素子機能が働き、素子出力zj (m) が次々と定まる。こうして、誤差逆伝搬モードで各層の素子出力zj (m) を求めた後、これと出力計算モード(Step2)で求めた各層の素子出力yj (m) を用いて、次式により結線の重みを修正する。

Figure 2006280571

wij (m+1)は、第m層の第i素子と第 (m+1)層の第j素子を結ぶ結線の重みである。
以上の方法により、結線の重みwij (m+1)を修正する。学習は、図10に示した学習手順の外側のループを全訓練データの誤差評価尺度(式14)が十分小さくなるまで繰り返す。
本発明の最適周波数およびコイルの径方向のずれ量演算部における人工ニューラルネットの各素子間の結線の重みwij (m+1)は、上記の学習方法により最終的に決まった値を実装する。
このようにして、人工ニューラルネットの各素子間の結線の重みwij (m+1)が、上記の学習方法により最終的に決定される。これにより、最適周波数関連関係式およびコイルの径方向のずれ量関係式を算出する関係式算出工程が終了する。
そして、上記のように決定された結線の重み項を含む下記式10ならびに最終的に算出するための他の式11〜13からなる関係式が、関係式記憶部74に記憶される。なお、最適周波数およびコイルの径方向のずれ量について、個々の関連関係式が記憶される。
本発明の血液ポンプ装置1では、関係式記憶部74には、最適周波数関係式(10)〜式(13)が記憶されるとともに、コイルの径方向のずれ量関連関係式(10)〜式(13)(式としては同じであるが、結線重み等は異なる)を記憶する。
そして、血液ポンプ装置1の電送電力制御部76は、実際に与えられる送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離、ポンプおよび体内埋込側装置における負荷電流値、送電用コイルの両端にかかる電圧値と、上記の各関係式(10)〜(13)セットを用いて、最適周波数、コイルの径方向のずれ量を演算する機能を備えている。
具体的には、実際に与えられる送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離、ポンプおよび体内埋込側装置における負荷電流値、送電用コイルの両端にかかる電圧値を用いて下記式(10)より、中間層素子の重み付け総和sj (1)を算出する。
Figure 2006280571

続いて、このsj (1)を下記式のシグモイド関数を用いて、中間層素子の出力yj (1)を求める。
Figure 2006280571
そして、下記式12を用いて、出力層素子の重み付け総和sk (2)(k=1,2)を求める。
Figure 2006280571

そして、下記式13を用いて、出力層素子の出力yk (2)(k=1,2)を算出する。
Figure 2006280571
よって、この血液ポンプ装置は、送電用コイルと受電用コイル間の軸方向のコイル間距離、ポンプおよび体内埋込側装置における負荷電流値、送電用コイルの両端にかかる電圧値を入力とし、3層フィードフォワード型人工ニューラルネットを用いて得た関係式より、最適周波数、コイルの径方向のずれ量を算出して出力する機能を備えている。
なお、上述した実施例では、最適周波数およびコイルの径方向のずれ量の両者を算出するものとなっているが、最適周波数のみを算出するものであってもよい。
以上の方法により、対向するコイル間の軸方向の距離と、負荷電流と、体外コイルの両端にかかる電圧を入力とし、最適周波数とコイルの径方向のずれを算出して出力する3層フィードフォワード型人工ニューラルネットを備えた人工心臓用電力伝送システムを提供することができる。また、本発明の人工心臓用電力伝送システムは、人工ニューラルネットが演算して出力するコイルの径方向のずれ量を具体的に数値として表示する表示部を備える。また、コイルの径方向のずれ量の増加に伴い、電力伝送効率が低下し、システム全体の動作に影響を及ぼすことが想定されるため、本発明の人工心臓用電力伝送システムはコイルのずれ量が大きくなったときに、そのことを報知する報知手段を備える。
図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。 図2は、本発明の血液ポンプ装置の実施例の正面図である。 図3は、図2に示した血液ポンプ装置の平面図である。 図4は、図2に示した実施例の血液ポンプ装置の縦断面図である。 図5は、図2の血液ポンプ装置のA−A線断面図である。 図6は、本発明の血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。 図7は、決定的アナログモデルを説明する説明図である。 図8は、シグモイド関数の説明および細胞内電位とインパルス頻度の関係を説明する説明図である。 図9は、フィードフォワード型ニューラルネットを説明する説明図である。 図10は、逐次更新学習法の学習手続を説明する説明図である。 図11は、誤差逆伝搬法で学習するフィードフォワード型ニューラルネットを説明する説明図である。 図12は、誤差逆伝搬法モードの信号の流れを説明する説明図である。 図13は、出力計算モードにおける素子の動作を説明する説明図である。 図14は、誤差逆伝搬モードの素子機能を説明する説明図である。
符号の説明
1 血液ポンプ装置
2 血液ポンプ部
3 インペラ回転トルク発生部
4 インペラ位置制御部
5 ポンプ
6 体内埋込側装置
7 体外側装置
21 インペラ
25 磁性体
31 ロータ
34 モータ
41 電磁石
59 表示部
60 関係式記憶部
61 電源部
64 電流値検出部
62 電力情報送信部
74 関係式記憶部
76 電送電力制御部

Claims (6)

  1. 血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、前記ハウジング内で回転し、血液を送液するインペラと、該インペラを回転させるためのインペラ回転トルク発生部とを備えるポンプと、前記インペラ回転トルク発生部を駆動するための電源回路とを備える生体内に埋め込まれる体内埋込側装置と、電力を前記体内埋込側装置に送信する送電用コイルを備える電力電送部と、該送電用コイルの両端にかかる電圧を検出する電圧検出部と、電送電力制御部を備え、かつ前記体内埋込側装置と接続されない体外側装置とからなる血液ポンプ装置であって、
    前記体内埋込側装置は、前記送電用コイルより電力を受信する受電用コイルを備えるとともに前記電源回路に電力を供給する電源部と、該電源部より前記電源回路に送られる負荷電流を検出する電流値検出部と、該電流値検出部により検出された電流値を前記体外側装置に送信する電力情報送信部とを備え、
    前記体外側装置は、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向の距離を入力するコイル間距離入力部と、前記電力情報送信部からの情報を受信する電力情報受信部とを備え、
    前記電送電力制御部は、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置の負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を記憶する関係式記憶部と、前記最適周波数関連関係式、前記コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、前記電力情報受信部により受信する負荷電流値、前記送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、送電用コイルの最適周波数を演算する最適周波数演算機能と、該最適周波数演算機能により演算された最適周波数により、前記送電用コイルによる電力供給を行わせる周波数制御機能とを備えていることを特徴とする血液ポンプ装置。
  2. 前記体外側装置は、表示部を備え、前記電送電力制御部は、あらかじめ測定した多数の前記送電用コイルと前記受電用コイル間の径方向ずれ量における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置における負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を記憶する関係式記憶部と、前記コイル間径方向ずれ量関係式、前記コイル間距離入力部に入力されたコイル間距離、前記電力情報受信部により受信する負荷電流値、前記送電用コイル電圧検出部により検出された送電用コイル電圧値とを用いて、コイル間径方向ずれ量を演算するコイル間径方向ずれ量演算機能と、該コイル間径方向ずれ量演算機能により演算されたコイル間径方向ずれ量を前記表示部に表示させる機能とを備えている請求項1に記載の血液ポンプ装置。
  3. 前記体外側装置は、警報手段を備え、前記電送電力制御部は、コイル間径方向ずれ許容量を記憶するとともに、前記コイル間径方向ずれ量演算機能により、演算されたコイル間径方向ずれ量が、記憶するコイル間径方向ずれ許容量より大きい場合に、前記警報手段を作動させる警報機能を備えている請求項2に記載の血液ポンプ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、あらかじめ測定した多数の送電用コイルの最適周波数における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置の負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関する送電用コイルの最適周波数を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと最適周波数との関係式である最適周波数関連関係式を算出する関係式算出工程と、該最適周波数関連関係式算出工程により得られた最適周波数関連関係式を前記電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶させる記憶工程とを行うことを特徴とする血液ポンプ装置の製造方法。
  5. 請求項2または3のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、あらかじめ測定した多数の前記送電用コイルと前記受電用コイル間の径方向ずれ量における、前記送電用コイルと前記受電用コイル間の軸方向のコイル間距離と、前記体内埋込側装置における負荷電流と、前記送電用コイルの両端にかかる電圧とを入力層データとし、前記各入力層データに関するコイル間の径方向ずれ量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、前記入力層データとコイル間径方向ずれ量との関係式であるコイル間径方向ずれ量関連関係式を算出するコイル間径方向ずれ量関係式算出工程と、該コイル間径方向ずれ量関係式算出工程により得られたコイル間径方向ずれ量関係式を前記電送電力制御部が利用可能となるように前記血液ポンプ装置に記憶させる記憶工程とを行うことを特徴とする血液ポンプ装置の製造方法。
  6. 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである請求項4または5に記載の血液ポンプ装置の製造方法。
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