JP2006118943A - 塩素量導出方法及び塩素量導出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体中の塩素量を迅速にかつ非破壊で導出することができる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する工程と、前記輝度の強度から前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する工程と、前記輝度の強度から前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、電磁波(短波長の光、紫外線、X線、γ線)を用いた塩素量導出方法及びその装置に関するものである。
従来、廃油の回収に関しては、塩素を含有している廃油と含有していない廃油とを分別回収するのが困難という状況から、廃油を原料として製造された再生重油の塩素含有が問題視されてきた。再生重油については高温で燃焼するためにダイオキシンの発生はないとされているが、環境保全が声高に叫ばれる近年では、再生重油の塩素含有量を可能な限り低濃度にするために、塩素を含有する廃油と含有しない廃油との分別回収の促進が期待されている。このことから、廃油再生事業者では、使用済み潤滑油の塩素含有量を回収現場で簡易に推定できる塩素分簡易試験法を必要としている。
従来利用されている塩素濃度測定方法としては、質量分析計を用いた方法がある。これは、質量分析計をレーザー発生装置や真空ポンプと組み合わせて使用し、チップ上に置いた0.1マイクロリットル程度と微量な試料から、焼却灰や食品に含まれるダイオキシンなどの化学物質を検出する方法である。
ところで、PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、絶縁性に優れていることから電気設備等に広く使用されてきているが、現在では新規の製造・使用が禁止されている。PCB特措法が制定され、使用者が管理しているものについて処理期限が定められたことから、各地の自治体、企業等で処理施設の建設が進められている。例えば、特許文献1及び特許文献2にPCB汚染物質の解体方法が記載されている。
PCB廃棄物の処理については、法で認められた高温焼却法による処理が一時期実施されたものの、展開にあたっては住民の理解を得られず、事実上処理できない状況であったことから、事業者による保管が長期に渡り実施されてきた。
その後、PCB廃棄物が特別管理廃棄物に指定され、保管状況調査が行われた結果、全国で約7%(台数ベース)が不明・紛失という状況であったことから、国レベルで高温焼却法以外の処理基準・技術の評価検討及び法整備が行われ、新たに化学分解処理法が認められた。これを受けて、各種の化学分解処理方法が開発され、事業者におけるPCB無害化処理が行われてきている。この無害化処理にあたっては処理施設のプロセスにおいてPCB濃度の分析が必要となる。
このような状況から、PCB濃度を迅速・簡易かつ高感度で分析することを目的として、GC−MS/NCI法が開発された。また、この他にも、PCBを分析する方法として、国が定めた分析法(以下、公定法と称する)がある。
しかしながら、GC−MS/NCI法や公定法では、油などの妨害物質の影響を除くために、混在物質からPCB成分を完全に分離精製しなければならないため、その工程が煩雑で長期間を要し、分析費用も高額になる。このため、無害化処理中の分析には適していない。
このことから、処理施設の製造者などにより、処理施設の現場で迅速・簡易で高感度な分析を行うことを目的として、迅速分析方法の開発が行われてきた。
しかしならがら、これまで開発されてきた方法はいずれも、比較的簡易的ではあるものの、PCB成分を分離精製するという前処理が必要なことから、分析工程がなお煩雑であるため、さらに分析手法の簡略化、時間短縮が要望されている。
各メーカー等では、処理施設の現場で日常的なPCB分析(処理プロセスにおける確認分析)に使用できる、従来の迅速分析法より簡単な分析法の確立に向けて研究が取り組まれ、「ガスクロマトグラフ−負化学イオン化質量分析装置」を用いた新たな分析法が開発されている。
この分析法は、PCB成分の構成元素である塩素をイオン化させその塩素イオン量からPCB成分全体としての濃度を分析する方法で、PCB成分を分離精製する必要がないため前処理を簡素化できるという特徴を有している。更に、この方法では、従来ではイオン化を安定させることが困難であったが、質量測定装置への試料注入方法やイオン化温度など、最適条件を見つけ出したことから、公定法では1週間程度、従来迅速法では2〜3時間程度分析に要していた時間を1時間程度に短縮できると言われている。
しかしながら、上記したように、この分析法では、測定試料をサンプリングして分析を行わなくてはならないため、非破壊で容器内部の塩素量を同定することができない。これが、非常に毒性の強いPCBを扱う分野において大きな問題となっている。
ところで、最も一般的な消毒剤として用いられている塩素は、ほとんどの病原性細菌及びウイルスを殺すのに有効である。このため、市営飲料水供給施設では、通常、残留濃度が0.5〜2.0ppmになるように塩素添加を行っている。塩素添加による消毒効果は、遊離塩素の主要形態がHOClであるpH5〜7で最も効果的に現れる。pHが増加するに伴い塩素添加の有効性は減退するため、水のpHが高いときに消毒効果を確実にするには、より高濃度の塩素添加が必要となる。pH7.0〜8.5のときに、短時間(5〜10分)の接触時間で病原性の細菌やウイルスを確実に破壊するには5ppmの残留濃度の遊離塩素を維持するように推奨されている。
水中の塩素は不安定であり、濃度は急速に減少する。日光等に曝露したり、撹拌したりすると、塩素の減少がさらに促進されると言われている。このため、塩素の測定にあたっては、サンプリング後すぐに、過剰な光や撹拌を避けて開始しなければならず、サンプルを長期保存することはできない。
水の塩素要求量は水に注入された塩素の量と特定の接触時間、一般に20分、経過後に残っている塩素の量との差として定義されている。逆浸透(RO)純水については、化学的汚染物をあまり含んでいないので、塩素要求量は水道水に対する量よりも少ない。一方、塩素は、供給水中や配管システム内における有機物や他の酸化性汚染物と反応することから、配管内にバイオフィルム等が蓄積している古い自動給水装置では、新しく設置した配管よりも塩素要求量が高く、少なくとも最初だけは、多くの塩素を注入しなければならない。すなわち、塩素濃度は、供給水の水質や自動給水装置の大きさ及び条件に依存している。また、配管などを用いて塩素を注入する場合には、配管などの壁や内部に塩素と化学反応する物質が含まれていると、配管内を流れる溶液から塩素が反応体に移行して塩素濃度が変化する場合がある。この場合には、溶液サンプルの分析と配管内の有機物や酸化性汚染物の分析とをそれぞれ行わなければならない。
以上のことから、サンプリングした水では正確な塩素濃度を測定することができないため、配管内を流れる水の塩素濃度を、サンプリングすることなく、迅速に測定することができる方法の開発が要望されている。
ところで、食品業界においても、検査対象の塩素濃度を非破壊で測定することができる方法が求められる。すなわち、食品の塩加減を調整するために用いられる塩分は、バターや醤油などの種々の加工品に含まれている。工場内で生産される食品加工品の場合、一般的に、衛生上密封された無菌状態での工程管理が求められている。このため、これらの食品加工品に含まれる塩分量を、容器に密封された状態のまま非破壊で測定する方法が求められているのである。
特開2003−311235号公報
特開2003−285036号公報
本発明は、被検体中の塩素量を迅速にかつ非破壊で導出することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によれば、被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する工程と、前記輝度の強度から前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含むことを特徴とする塩素量導出方法が提供される。
本発明の他の側面によれば、流動性を有する被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を透過画像として観測する際に、前記被検体を流動させ、前記透過画像における被検体の界面の変位速度及び変位量のうちの少なくとも一方から粘性を求めて前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含むことを特徴とする塩素量導出方法が提供される。
本発明のさらなる他の側面によれば、被検体に電磁波を照射する線源と、前記電磁波のエネルギーを制御する線源コントローラと、前記被検体を透過した電磁波により発光する第1のシンチレータと、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させる光増幅器と、電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータと、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を画像処理する計算機と、前記複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する画像処理ユニットと、前記被検体における前記電磁波の透過距離を幾何学的に測定する距離計とを具備することを特徴とする塩素量導出装置が提供される。
本発明のさらなる別の側面によれば、流動性を有する被検体に電磁波を照射する線源と、前記電磁波のエネルギーを制御する線源コントローラと、前記被検体を透過した電磁波により発光する第1のシンチレータと、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させる光増幅器と、電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータと、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を画像処理する計算機と、前記計算機により処理された画像を表示する画像表示ユニット及び前記画像の経時変化を記録する画像記録ユニットを備える画像処理ユニットとを具備することを特徴とする塩素量導出装置が提供される。
本発明によれば、被検体中の塩素量を迅速にかつ非破壊で導出することができる方法及び装置を提供することができる。
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
本発明の第1の側面において、本発明に係る塩素量導出方法は、被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する工程と、前記輝度の強度から前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含む。
本発明において、電磁波には、短波長の光、紫外線、X線、γ線などが含まれる。以下、X線を例に挙げて説明するが、他の電磁波を用いても同様の効果が得られる。
被検体に照射するX線の強度と、被検体を透過したX線の強度との関係は、下記の式(1)で表される。
I=I0e-μρt …(1)
ここで、I0は、被検体を透過する前のX線の強度であり、
Iは、被検体を透過した後のX線の強度であり、
μ(cm2/g)は、X線の質量エネルギー吸収係数であり、質量エネルギー吸収係数μは、照射するX線のエネルギーに依存する物質固有の定数であり、
ρ(g/cm3)は、被検体の比重であり、
t(cm)は、被検体におけるX線の透過距離である。
ここで、I0は、被検体を透過する前のX線の強度であり、
Iは、被検体を透過した後のX線の強度であり、
μ(cm2/g)は、X線の質量エネルギー吸収係数であり、質量エネルギー吸収係数μは、照射するX線のエネルギーに依存する物質固有の定数であり、
ρ(g/cm3)は、被検体の比重であり、
t(cm)は、被検体におけるX線の透過距離である。
被検体としては、固体物質、液体物質及び気体物質を対象とすることができ、例えば、給水用水、PCB等の絶縁油、バター、チーズ、醤油等の加工食品などを挙げることができるが、これらに限られるものではない。
被検体の全体または同一箇所にX線を照射すれば、透過距離tを一定にすることができることから、透過したX線の強度Iは、式(1)に示すように、被検体の比重ρと質量エネルギー吸収係数μに依存する。炭素、酸素、水素及び塩素からなる被検体(例えば、PCB)では、塩素は他の元素に比べてX線の吸収量が大きいため、照射するX線のエネルギーを一定にすれば、被検体中に含まれる塩素量に依存してX線の透過強度Iが変わる。
X線の透過強度Iは、センサを介して検出することができる。より具体的には、センサにおいて、被検体を透過したX線を第1のシンチレータに照射して発光させ、この光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる。この複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出し、得られた輝度の強度の平均値をX線の透過強度Iとする。ここで、被検体として、容器に収容された状態にあるものをX線の透過強度Iの検出に供することができる。
センサとしては、例えば、カラーX線イメージインテンシファイア(color X-ray image intensifier、以下、I.I.と称する)を用いることができる。
式(1)の対数から下記の式(2)を導き出すことができる。
log(I/I0)=−μρt …(2)
得られたX線の強度I0、透過強度I、透過距離t及び質量エネルギー吸収係数μと式(2)とから得られる被検体の比重ρが、被検体中に含まれる塩素量を示す。
得られたX線の強度I0、透過強度I、透過距離t及び質量エネルギー吸収係数μと式(2)とから得られる被検体の比重ρが、被検体中に含まれる塩素量を示す。
この方法に従えば、被検体がPCBである場合には、被検体中に含まれる塩素量は、ビフェニル基に含まれるCl数を示すことから、PCBの種類(例えば、三塩化ビフェニル、四塩化ビフェニル、五塩化ビフェニル等)を同定することができる。
被検体が、炭素、酸素、水素及び塩素以外の元素を含む場合(例えば、給水用水、食塩水、加工食品など)や、PCBと他の物質が混合された絶縁油などの場合には、例えば、以下に説明する方法を用いて塩素濃度を導出することができる。
塩素濃度が既知で、塩素以外の成分が被検体と同じ対照標準を用意し、これについて前述したようにX線の透過強度I(輝度強度の平均値)を検出し、式(2)から吸収係数μρ(質量エネルギー吸収係数μと比重ρとを掛け合わせた値)を求める。かかる測定を、塩素濃度を種々に変更して行い、対照標準についての吸収係数μρに対する塩素濃度の検量線を作成する。前述したように被検体について検出されたX線の透過強度Iから求められる吸収係数μρを、この検量線に対応させることにより、被検体の塩素濃度を導出することができる。
この方法に従えば、塩分調整された加工食品の場合には、得られた塩素濃度から食品中に含まれる食塩(NaCl)濃度を算出することができる。ここで、被検体中に炭素、酸素、水素及び塩素以外の物質、例えば、アミノ酸、その他のミネラル等が含まれていても、塩素量に比較してこれらの含有量は十分に小さいことから、前述したようにX線の透過強度Iから導出される塩素濃度には有意に影響を及ぼすことはないものと考えることができる。
本発明の第2の側面において、前記被検体における電磁波の透過距離が異なるように、前記被検体の少なくとも異なる2箇所以上に電磁波を照射し、検出した輝度の強度の差から塩素量を導出することが望ましい。
被検体が収容されている容器がX線透過率の低い金属からなる場合や、容器の厚みが大きい場合には、かかる容器によるX線の吸収量が塩素による吸収量よりも大きくなることがある。この場合には、被検体における透過距離tが異なる2箇所以上に、エネルギーを一定にしてX線を照射し、それぞれ透過強度Iを検出し、この値とこのときの透過距離tとをそれぞれ式(2)に代入し、これらの差分から被検体中に含まれる塩素量を導出することができる。なお、この方法に従えば、塩素を含む材料(例えば、塩化ビニル)からなる容器に収容されている被検体についても、塩素量を導出することが可能になる。
本発明の第3の側面において、前記被検体に少なくとも2回以上エネルギーの異なる電磁波を照射し、検出した輝度の強度の差から塩素量を導出することが望ましい。
被検体における透過距離tが得られない場合には、被検体の同一箇所に、エネルギーを変更してX線を照射し、それぞれ透過強度Iを検出する。照射するX線のエネルギーを変更すると質量エネルギー吸収係数μも変わることから、それぞれ得られた透過強度Iの値とこのときの質量エネルギー吸収係数μとをそれぞれ式(1)に代入し、これらの差分から被検体中に含まれる塩素量を導出することができる。X線のエネルギーは、X線源の管電圧を変えることにより変更することができる。エネルギーの異なるX線を照射した時の透過強度Iの差分を算出する際には、例えば、レントゲン撮影等で使用されているエネルギーサブトラクションの技法を用いることができる。この方法に従えば、例えば、加工食品における食塩の偏りを検出したり、種々の材料を包含する被検体に含まれる塩素量を導出することができる。
本発明の第4の側面において、本発明に係る塩素量導出方法は、流動性を有する被検体に電磁波を照射する工程と、前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を透過画像として観測する際に、前記被検体を流動させ、前記透過画像における被検体の界面の変位速度及び変位量のうちの少なくとも一方から粘性を求めて前記被検体中の塩素量を導出する工程とを含む。
このときの被検体としては、容器に収容された液体物質(ゲル状の物質を含む)を対象とするものであり、特には、コンデンサ等に収容されたPCB等の絶縁油を対象とすることができる。X線の透過画像は、センサを介して観測することができる。かかるセンサには、前述したものと同様なものを用いることができ、このセンサからの複数色の光を透過画像として観測する。各色成分の透過画像を単一のイメージとして観測してもよい。この観測中に、被検体を傾けたり、振動させたりして流動させると、界面の動きを透過画像として観察することができる。このときの界面が平坦に戻るまでの時間(変位速度)や、界面の経時的な形状変化(変位量)から被検体の粘性が得られ、被検体に含まれる塩素の量を導出することができる。特に、PCBはビフェニル基に含まれるCl数が増えるごとに、その粘性が高くなるという性質を有することから、予め種類が既知であるPCBについて、前述したように液面が平坦に戻るまでの時間や、液面の経時的な形状変化を観測しておき、この結果(対照標準)と被検体で得られた結果とを対比させることにより、PCBの種類を同定することができる。液面が平坦に戻るまでの時間や、液面の経時的な形状変化の計測と、この結果と対照標準との対比による塩素量の導出には、画像処理装置を用いることができる。
次に、本発明に係る塩素量導出装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための塩素量導出装置を示す模式図である。
図1に示すように、塩素量導出装置10は、被検体1にX線を照射する線源2と、前記X線のエネルギーを制御する線源コントローラ3と、センサ4と、センサ4からの複数色の光を画像処理する計算機5と、この複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する画像処理ユニット6と、被検体1におけるX線の透過距離を幾何学的に測定する距離計7とを具備している。センサ4は、被検体1を透過したX線により発光する第1のシンチレータと、この第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させる光増幅器と、電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータとを具備している。センサ4としては、前述したI.I.を用いることができる。線源2と線源コントローラ3とは配線を介して接続されており、線源コントローラ3は、配線を介して画像処理ユニット6に接続され、画像処理ユニット6は、配線を介してセンサ4に接続されている。また、画像処理ユニット6には、配線を介して計算機5が接続されている。線源コントローラ3と画像処理ユニット6との間の配線には、距離計7が接続されている。線源コントローラ3には、X線のエネルギー(線源2の管電圧)だけでなく、X線の強度(線源2の管電流)やX線の照射位置を制御できるものを使用することができる。
測定を行う際には、線源2とセンサ4との間に、被検体1が配置される。被検体1は、容器に収容された状態のものを配置することができる。図1では、被検体1をセンサ4側に配置した例を示したが、被検体1は、線源2とセンサ4との間であれば、いかなる場所に配置してもよい。被検体1をセンサ4に近接して配置すると、得られる輝度をより鮮明にすることができる。
この塩素量導出装置10は、以下に説明するように用いることができる。
まず、被検体1を所定の位置に設置する。次に、X線のエネルギーや照射位置を線源コントローラ3により調整し、被検体1に線源2からX線を照射する。被検体1を透過したX線は、センサ4内において、第1のシンチレータを発光させ、この光は光増幅器で電気信号に変換されると共に電子増幅され、第2のシンチレータが、この電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する。この複数色の光を計算機5により画像処理し、これらの輝度の強度を画像処理ユニット6で色別に検出する。さらに、画像処理ユニット6において、色成分ごとの輝度の強度の平均値、すなわち、X線の透過強度Iを算出させる。このとき、被検体1におけるX線の透過距離tを距離計7により幾何学的に測定しておく。
このようにして得られたX線の透過強度I及びX線の透過距離tと、質量エネルギー吸収係数μとから、前述したように被検体1の塩素量を導出することができる。これらの計算には、計算機5を用いることができる。
また、被検体1におけるX線の透過距離tが様々になるように線源コントローラ3によりX線の照射位置を変更し、前述したように、それぞれ検出された透過強度Iとこのときの透過距離tから計算機5に塩素量を導出させることができる。
さらに、照射されるX線のエネルギーが様々になるように線源コントローラ3により線源2の管電圧を変更し、前述したように、それぞれ検出された透過強度Iとこのときの質量エネルギー吸収係数μから計算機5に塩素量を導出させることができる。
図1では、線源コントローラ3と画像処理ユニット6と距離計7とが、それぞれ配線で接続されている例を示したが、これらの装置のうちの少なくとも2つ以上が一体型に構成されていてもよい。また、画像処理ユニット6と計算機5とが、一体型に構成されていてもよい。
前記計算機は、前記被検体から得られる輝度の強度と、塩素以外の成分が前記被検体と同じであり、かつ塩素量が既知の対照標準から得られる輝度の強度との差から前記被検体中の塩素量を導出するものであることが望ましい。
特に、X線の場合、吸収係数μρ(質量エネルギー吸収係数μと被検体の比重ρとを掛け合わせた値)は、X線管の線質や散乱線などといった測定条件に応じて変わることがある。すなわち、実効的な吸収特性が測定条件によって異なる場合があることから、測定条件を一定にし、前述したように対照標準についての吸収係数μρと塩素濃度との関係(例えば、検量線)を予め計算機に取り込んでおき、これと被検体について得られた吸収係数μρを対応させることにより、被検体の塩素濃度を導出することができる。これにより、より正確な塩素濃度を導出することができる。これに対して、γ線の場合には、質量エネルギー吸収係数μは理論値と一致するものと仮定することができる。
次に、被検体が大きな容器に入っている場合につい、図2を参照して説明する。
前記被検体が角柱状容器内に収容されているものであって、前記線源は、前記電磁波が前記容器の断面または横断面の中心線上近傍から前記容器の角部に向かって斜めに照射されるように設置されており、前記画像処理ユニットに前記被検体における前記電磁波の透過距離が異なる2つ以上の輝度の強度を検出させることが望ましい。
例えば、厚板からなる角柱状のドラム缶に被検体が収容されている場合には、被検体の真横側や、上側あるいは下側からX線を照射すると、X線を透過させるために大きなエネルギーや強度が必要となる。図2に示すように、容器の角部を斜め方向に透過するようにX線を照射することにより、エネルギーや強度を大きくすることなくX線を透過させることができる。線源2Aは、容器の底面側からX線を照射した場合を示している。一方、線源2Bは、容器の上面側からX線を照射した場合を示している。図2中、矢印は、X線の照射方向を示す。被検体が液体物質である場合、線源2Bの位置からX線を照射すれば、容器内の被検体の液面21の状況も把握することができる。線源2A,2Bは、容器の上下方向の中心線上近傍に設置することがより好ましい。
このような線源2Aあるいは線源2Bを用いれば、図2に示すように、線源の位置を変えることなく、透過距離tが異なる2つ以上のX線の透過強度Iを検出することができるため、これらの透過強度Iとこのときのそれぞれの透過距離tとから前述したように塩素量を導出することができる。
図2においては、容器の垂直方向の断面を示しているが、容器の水平方向の断面においても同様のことが言える。すなわち、容器の水平方向の断面において、容器の中心線上の近傍に線源を設置し、ここから容器の角部に向かって斜めにX線を照射させることにより図2で説明したのと同様な効果が得られる。
次に、被検体が容器内を流動している場合について、図3及び図4を参照して説明する。
前記被検体が、電磁波の入射側と透過側とに前記電磁波の透過率が高い材料からなる窓が備えられた容器内に収容されているものであることが望ましい。
例えば、被検体が配管内を流れる場合には、図3に示すように、その配管31に、X線の入射側と透過側とに透過率の高い材料からなる窓32を設けることが望ましい。この際、図3に示すように、窓を設ける部分が他の部分よりも径が小さくなるようにしてX線の透過距離tを短縮することがより好ましい。このようにして設けられた窓32を透過するようにX線を照射することにより、X線のエネルギーや強度を大きくすることなく、優れた精度で塩素量を導出することが可能になる。また、窓を設ける代わりに、配管の一部分をX線透過率の高い材料から形成するようにしてもよい。X線透過率の高い材料としては、炭素系材料、樹脂、ベリリウムを挙げることができる。
また、被検体が厚肉配管内を流れる場合には、図4に示すように、その配管41の一部を角柱状にして、その角部を斜めに透過するようにX線を照射することにより、図2で説明したような効果を得ることができる。
本発明のさらなる実施形態に係る塩素量導出装置を、図5を参照して説明する。
図5に示す塩素量導出装置50は、画像処理ユニット51が、計算機52により処理された画像を表示する画像表示ユニット53と、前記画像の経時変化を記録する画像記録ユニット54とを備え、距離計が接続されていないこと以外には、図1に示す塩素量導出装置10と同じ構成になっている。
この塩素量導出装置50によれば、被検体1を傾けたり、振動させたりしながら、計算機52により処理された透過画像を画像表示ユニット53に表示させて観測することができる。同時に、画像記録ユニット54により、この透過画像の経時変化を記録することができる。これにより、被検体の液面が平坦に戻るまでの時間や、液面の形状変化から被検体の粘性を求めることができ、前述したように被検体に含まれる塩素量を導出することができる。これらの計算には、計算機52を用いることができる。
前記線源が、短時間間隔で前記電磁波を照射する高速パルス線源であって、かつ前記画像処理ユニットが、前記線源のパルス信号と同期を取る同期回路及び前記同期回路に対応した受光素子を具備することが望ましい。
これにより、高速パルス線源からX線を照射し、この線源と同期を取って透過画像を取得することができるため、液面の経時変化を静止画として捉えることができる。このため、被検体1を傾斜させた際の液面が平坦に戻るまでの時間や、液面の経時的な形状変化を静止画像として観察し、対照標準と比較することができ、より正確に塩素量を導出することが可能になる。対照標準について得られた画像データを画像記録ユニット54に取り込んでおき、計算機52において、対照標準の画像データと被検体1について得られた画像とを比較し、この差分から被検体1の粘性を求め、塩素量を導出させることも可能である。
また、工場内を流れる被検体のインライン検査や、配管内を流れる被検体の検査のために使用することもできる。かかる装置を用いれば、動いている被検体の画像を静止画として処理することができるため、より正確に輝度の強度を検出し、塩素量を導出することが可能になる。この場合には、高速パルス線源を用いてX線をパルス照射しながら、画像処理を連続的に行うようにしてもよい。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
[実施例]
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
実施例で用いた塩素量導出装置の模式図を図6に示す。塩素量導出装置60は、画像処理ユニット61が、モニタ(画像表示ユニット)62、イメージプロセッサ(画像記録ユニット)63及び線源コントローラ64が一体型に形成されたものであり、これに、さらにセンサコントローラ65が一体型に備え付けられ、かつ配線を介して計算機66が接続されているものである。センサ4は、第1のシンチレータ4a、第2のシンチレータ4b及び光増幅器4cを備え、さらに、光電変換機4dを具備している。以上説明したこと以外には、塩素量導出装置60は、図5に示した装置と同様な構成になっている。図6中、矢印はX線の照射方向を示す。線源1には、X線源を用い、センサ4には、株式会社東芝製カラーイメージインテンシファイヤ(I.I.)を用いた。X線のエネルギーに相当する管電圧及び強度に相当する管電流は、線源コントローラ3にて調整した。センサ4の出力や感度、測定エリアは、センサコントローラ65にて調整した。
(実施例1〜5)
ガラス製の同じ円筒状のビンを5つ用意し、それぞれ、三塩化ビフェニル(以下、実施例1の被検体と称する)、四塩化ビフェニル(以下、実施例2の被検体と称する)、五塩化ビフェニル(以下、実施例3の被検体と称する)、三塩化ベンゼンを含む五塩化ビフェニル(以下、実施例4の被検体と称する)、塩素を含まない絶縁油(以下、実施例5の被検体と称する)を入れ、それぞれ樹脂製のキャップで密閉した。これらの被検体を図7に示すように、センサ4の前に並べ、塩素量導出装置60を起動させた。この際、透過画像のグレースケールの輝度強度が8ビット256段階のうち100前後になるように管電圧及び管電流を制御した。このとき、ユニット62で表示された画像を図8の(A)及び(B)に示す。図8の(A),(B)では、各色成分ごとの透過画像を単一のイメージとして示した。図8の(A)は、左から、実施例4の被検体、実施例3の被検体、実施例2の被検体、実施例1の被検体、実施例5の被検体の順に配置したときの画像である。一方、図8の(B)は、左から、実施例4の被検体、実施例3の被検体、実施例5の被検体、実施例1の被検体、実施例2の被検体の順に配置したときの画像である。センサ4から得られる画像は、透過輝度が明るくなるネガ画像と、逆に透過輝度が暗くなるポジ画像とがあるが、図8の(A),(B)では後者の画像(X線の透過量が多いところが暗くなる画像)を示す。
ガラス製の同じ円筒状のビンを5つ用意し、それぞれ、三塩化ビフェニル(以下、実施例1の被検体と称する)、四塩化ビフェニル(以下、実施例2の被検体と称する)、五塩化ビフェニル(以下、実施例3の被検体と称する)、三塩化ベンゼンを含む五塩化ビフェニル(以下、実施例4の被検体と称する)、塩素を含まない絶縁油(以下、実施例5の被検体と称する)を入れ、それぞれ樹脂製のキャップで密閉した。これらの被検体を図7に示すように、センサ4の前に並べ、塩素量導出装置60を起動させた。この際、透過画像のグレースケールの輝度強度が8ビット256段階のうち100前後になるように管電圧及び管電流を制御した。このとき、ユニット62で表示された画像を図8の(A)及び(B)に示す。図8の(A),(B)では、各色成分ごとの透過画像を単一のイメージとして示した。図8の(A)は、左から、実施例4の被検体、実施例3の被検体、実施例2の被検体、実施例1の被検体、実施例5の被検体の順に配置したときの画像である。一方、図8の(B)は、左から、実施例4の被検体、実施例3の被検体、実施例5の被検体、実施例1の被検体、実施例2の被検体の順に配置したときの画像である。センサ4から得られる画像は、透過輝度が明るくなるネガ画像と、逆に透過輝度が暗くなるポジ画像とがあるが、図8の(A),(B)では後者の画像(X線の透過量が多いところが暗くなる画像)を示す。
図8の(A)及び(B)より、実施例4の被検体、実施例3の被検体、実施例2の被検体、実施例1の被検体、実施例5の被検体の順に、すなわち、被検体に含まれる塩素量が減少するに従って透過画像が暗くなっていくことが確認された。
この画像データから、カラー信号をR成分(赤色成分)、G成分(緑色成分)、B成分(青色成分)としてそれぞれ取り出し、その輝度強度を図9に示す。図9において、横軸はサンプルの位置を示し、縦軸は、輝度強度を示す。図9の(A)は、図8の(A)の配置に対応するものであり、図9の(B)は、図8の(B)の配置に対応するものである。また、R,G,B成分の輝度強度の平均値をグレースケールとして図9の(A),(B)にそれぞれ併記する。
図9から、塩素を含まない絶縁油(実施例5の被検体)の輝度が一番低く、実施例1の被検体、実施例2の被検体、実施例3の被検体、実施例4の被検体の順に輝度が高くなっていくのが確認された(ポジ画像のため、X線透過量が多いほど輝度は低くなっている)。このように、測定条件を一定にすれば、PCBの種類に応じて異なる輝度強度が得られることから、被検体の輝度強度の結果からPCBの種類が同定可能であることを確認できた。
(実施例6,7)
次に、水平に配置した実施例6の被検体の画像を図10の(A)に示し、傾斜させて配置した実施例7の被検体の画像を図10の(B)に示す。実施例6,7の被検体としては、コンデンサーに収容された絶縁油としてのPCB(三塩化ビフェニル)を用いた。測定条件は、透過画像の倍率を変更した以外には、実施例1と同様にした。
次に、水平に配置した実施例6の被検体の画像を図10の(A)に示し、傾斜させて配置した実施例7の被検体の画像を図10の(B)に示す。実施例6,7の被検体としては、コンデンサーに収容された絶縁油としてのPCB(三塩化ビフェニル)を用いた。測定条件は、透過画像の倍率を変更した以外には、実施例1と同様にした。
図10の(A),(B)から、被検体の液面21がはっきりと写っているのが確認できる。図10の(A),(B)において、実施例6,7の被検体共に、液面は水平な状態にある。実施例6の状態にある被検体を傾斜させると、液面が波打ち、実施例7の状態に落ち着くまでに時間を要する。この液面の動きを画像処理し、液面が水平な状態になるまでの時間を対照標準と比較することにより粘性を求め、得られた粘性からPCBの種類を同定することができる。PCBに含まれる塩素量が多いほど粘性は高くなり、水平な状態に安定するまでに要する時間が長くなるという傾向が得られた。
なお、流動性を有する被検体の粘性は、検出した液面の回復時間に基いて求めるが、さらに、液面の上下変位量の検出結果をも考慮して求めることができる。このようにすると、粘性の算出精度が向上する。また、液面の流動を複数の静止画像として処理して画像記録ユニットに取り込み、液面の上下変位量を対照標準と比較することにより、液面の上下変位量の検出結果のみから粘性を求めたり、PCBの種類を同定することも可能である。この際には、高速パルス線源と、同期回路及び受光素子とを用いるとより正確な上下変位量を検出することが可能になる。
(実施例8〜12)
実施例8の被検体として濃度1.0質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例9の被検体として濃度2.5質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例10の被検体として濃度5.0質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例11の被検体として濃度7.5質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例12の被検体として濃度10質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意した。これらの被検体を、サイズが種々異なるガラス製の角柱状容器に収容することにより透過距離tを変更した以外には、実施例1と同様にしてX線透過強度Iを測定した。この結果を図11に示す。図11において、縦軸がX線透過強度Iを示し、横軸が透過距離t(cm)を示す。なお、センサ4で得られたR,G,B成分の輝度強度の平均値(グレースケールの輝度強度)を、X線透過強度Iとした。
実施例8の被検体として濃度1.0質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例9の被検体として濃度2.5質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例10の被検体として濃度5.0質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例11の被検体として濃度7.5質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意し、実施例12の被検体として濃度10質量%の塩化ナトリウム水溶液を用意した。これらの被検体を、サイズが種々異なるガラス製の角柱状容器に収容することにより透過距離tを変更した以外には、実施例1と同様にしてX線透過強度Iを測定した。この結果を図11に示す。図11において、縦軸がX線透過強度Iを示し、横軸が透過距離t(cm)を示す。なお、センサ4で得られたR,G,B成分の輝度強度の平均値(グレースケールの輝度強度)を、X線透過強度Iとした。
次に、透過距離tを2cmとした時の実施例8〜12の被検体のX線透過強度Iを上記(2)式に代入することにより得られた吸収係数μρの結果を、図12に示す。図12において、縦軸は塩化ナトリウム水溶液の濃度(質量%)を示し、横軸は吸収係数μρ(cm-1)を示す。
図12から明らかなように、被検体の塩化ナトリウム濃度、すなわち塩素濃度と、吸収係数μρとは、比例関係にあることが分かる。このことから、濃度が不明である塩化ナトリウム水溶液のX線透過強度Iを測定すれば、図12の結果から塩化ナトリウム濃度を算出でき、この水溶液の塩素濃度(塩素量)を導出可能であることが確認できた。
1…被検体、2,2A,2B…線源、3,64…線源コントローラ、4…センサ、4a…第1のシンチレータ、4b…第2のシンチレータ、4c…光増幅器、4d…光電変換機、5,52,66…計算機、6,51,61…画像処理ユニット、7…距離計、10,50,60…塩素量導出装置、21…液面、31,41…配管、32…窓、53…画像表示ユニット、54…画像記録ユニット、62…モニタ(画像表示ユニット)、63…イメージプロセッサ(画像記録ユニット)、65…センサコントローラ。
Claims (10)
- 被検体に電磁波を照射する工程と、
前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、
前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、
前記第2のシンチレータで発光した複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する工程と、
前記輝度の強度から前記被検体中の塩素量を導出する工程と、
を含むことを特徴とする塩素量導出方法。 - 前記被検体における電磁波の透過距離が異なるように、前記被検体の少なくとも異なる2箇所以上に電磁波を照射し、検出した輝度の強度の差から塩素量を導出することを特徴とする請求項1記載の塩素量導出方法。
- 前記被検体に少なくとも2回以上エネルギーの異なる電磁波を照射し、検出した輝度の強度の差から塩素量を導出することを特徴とする請求項1記載の塩素量導出方法。
- 流動性を有する被検体に電磁波を照射する工程と、
前記被検体を透過した電磁波により第1のシンチレータを発光させる工程と、
前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させ、電子増幅された電気信号により、電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータを発光させる工程と、
前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を透過画像として観測する際に、前記被検体を流動させ、前記透過画像における被検体の界面の変位速度及び変位量のうちの少なくも一方から粘性を求めて前記被検体中の塩素量を導出する工程と、
を含むことを特徴とする塩素量導出方法。 - 被検体に電磁波を照射する線源と、
前記電磁波のエネルギーを制御する線源コントローラと、
前記被検体を透過した電磁波により発光する第1のシンチレータと、
前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させる光増幅器と、
電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータと、
前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を画像処理する計算機と、
前記複数色の光の輝度の強度を色別にそれぞれ検出する画像処理ユニットと、
前記被検体における前記電磁波の透過距離を幾何学的に測定する距離計と、
を具備することを特徴とする塩素量導出装置。 - 前記計算機が、前記被検体から得られる輝度の強度と、塩素以外の成分が前記被検体と同じであり、かつ塩素量が既知の対照標準から得られる輝度の強度との差から前記被検体中の塩素量を導出することを特徴とする請求項5記載の塩素量導出装置。
- 前記被検体が角柱状容器内に収容されているものであって、前記線源は、前記電磁波が前記容器の断面または横断面の中心線上近傍から前記容器の角部に向かって斜めに照射されるように設置されており、前記画像処理ユニットに前記被検体における前記電磁波の透過距離が異なる2つ以上の輝度の強度を検出させることを特徴とする請求項5記載の塩素量導出装置。
- 前記被検体が、電磁波の入射側と透過側とに前記電磁波の透過率が高い材料からなる窓が備えられた容器内に収容されているものであることを特徴とする請求項5または6記載の塩素量導出装置。
- 流動性を有する被検体に電磁波を照射する線源と、
前記電磁波のエネルギーを制御する線源コントローラと、
前記被検体を透過した電磁波により発光する第1のシンチレータと、
前記第1のシンチレータで発光した光を電気信号に変換すると共に電子増幅させる光増幅器と、
電子増幅された電気信号の強度に応じて複数色に発光する第2のシンチレータと、
前記第2のシンチレータで発光した複数色の光を画像処理する計算機と、
前記計算機により処理された画像を表示する画像表示ユニット及び前記画像の経時変化を記録する画像記録ユニットを備える画像処理ユニットと、
を具備することを特徴とする塩素量導出装置。 - 前記線源が、短時間間隔で前記電磁波を照射する高速パルス線源であって、かつ
前記画像処理ユニットが、前記線源のパルス信号と同期を取る同期回路及び前記同期回路に対応した受光素子を具備するものであることを特徴とする請求項9記載の塩素量導出装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004306007A JP2006118943A (ja) | 2004-10-20 | 2004-10-20 | 塩素量導出方法及び塩素量導出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006118943A true JP2006118943A (ja) | 2006-05-11 |
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| JP (1) | JP2006118943A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012528319A (ja) * | 2009-05-26 | 2012-11-12 | クロメック リミテッド | 容器内の物質の識別方法 |
-
2004
- 2004-10-20 JP JP2004306007A patent/JP2006118943A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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| US9116100B2 (en) | 2009-05-26 | 2015-08-25 | Kromek Limited | Method for the identification of materials in a container |
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