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JP2006192368A - フィルム状吸水材及びその製造方法並びに吸水性物品 - Google Patents

フィルム状吸水材及びその製造方法並びに吸水性物品 Download PDF

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JP2006192368A JP2005006592A JP2005006592A JP2006192368A JP 2006192368 A JP2006192368 A JP 2006192368A JP 2005006592 A JP2005006592 A JP 2005006592A JP 2005006592 A JP2005006592 A JP 2005006592A JP 2006192368 A JP2006192368 A JP 2006192368A
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Norihiro Naito
宣博 内藤
Satoshi Kawanaka
聡 川中
Satoko Wada
里子 和田
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Unitika Ltd
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Abstract

【課題】 優れた生分解性、優れた吸水性能とゲル強度を有するフィルム状吸水材及びその製造方法並びにそれを含む吸水性物品を提供すること。
【解決手段】 セルロース誘導体もしくはその塩を、架橋剤で架橋して形成してなるフィルム状吸水材であって、0.9%−生理食塩水に対する吸水量が自重の10倍以上であり、かつ、該水溶液を自重の20倍吸水した状態におけるゲル強度が3000×10-7N/mm2以上であることを特徴とするフィルム状吸水材を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた生分解性、優れた吸水性能とゲル強度を有するフィルム状吸水材及びその製造方法並びにそれを含む吸水性物品に関する。
吸水材は、自重の数十倍から数千倍の水を吸水できる樹脂であり、例えばアクリル系吸水材などが知られている。これらの吸水材は、その高い吸水性から広く使い捨て衛生用品に使用されている。しかし、これまでの吸水材は生分解性がなく、それを含む衛生用品の処理方法に問題があった。
生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレンオキシド架橋体(例えば、特許文献1参照)、ポリビニルアルコール架橋体(例えば、特許文献2参照)、カルボキシメチルセルロース架橋体(例えば、特許文献3〜10参照)、アルギン酸架橋体(例えば、特許文献11参照)、澱粉架橋体(例えば、特許文献12参照)、ポリアミノ酸架橋体(例えば、特許文献13〜17参照)、ガラクトマンナン金属イオン架橋体(例えば、特許文献18〜20参照)などが知られている。しかしいずれの吸水材も、アクリル系吸水材などの非生分解性のものに比べると、十分な性能を有しているとはいい難い。
また、生分解性、非生分解性に関わらず、これらの吸水材はそのほとんどが粒状であり、成形性に乏しいため、特に生鮮食品の鮮度保持材、生理用品、紙おむつ、使い捨て雑巾、ペーパータオルなどの高い吸水能が要求される製品の素材として使用する場合、パルプ等ではさみ、多層構造にして使用しているのが現状である。しかし、これらの組成物は粒状吸水材がバインダー樹脂等内に分散しているために、必ずしも吸水材の吸水能が完全に発現されることは難しく、またバインダー樹脂等によって嵩高くなり、見かけほどの吸水能を示さなかった。したがって、実質上優れた吸水能を有するフィルムが強く望まれていた。
吸水性フィルムとしては、熱可塑性吸水樹脂を含む親水性樹脂からなる吸水性フィルム(例えば、特許文献21参照)、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体を特定の割合で含む樹脂組成物からなる吸水性フィルム(例えば、特許文献22参照)、架橋ポリアスパラギン酸を含有してなる吸水性フィルム(例えば、特許文献23参照)、ポリエーテル・エステル・アミドブロック共重合体と吸水剤粒子からなる混合物を成形して得られる吸水性フィルム(例えば、特許文献24参照)等が知られているが、生分解性、吸水性、製造コストのいずれもを満足させるものはない。
従来、カルボキシメチルセルロースは、水溶液にして捺染糊剤、経糸サイジング剤、あるいは各種増粘安定剤等に使用されてきたが、フィルムはもとより吸水性フィルムとしての利用は、吸水性能、ゲル強度、製造上の問題等から進んでいない。
また、フィルムの物性向上のためにカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体をアルミニウム等の金属で架橋して得られるフィルムの製造方法がいくつか提案されている。例えば、カルボキシメチルセルロースの水溶液を調製し、この水溶液を平面上に流展したのち、半凝固状態とし、次いで水溶性金属塩溶液と接触させ、イオン交換することを特徴とする非水溶性カルボキシメチルセルロースフィルムの製造方法(例えば、特許文献25参照)、1種以上のアニオン性水溶性高分子及びアルミニウムを含む無機塩を含有する水溶液を、有機酸又は無機酸により酸性化した後にフィルムを得るフィルムの製造方法(例えば、特許文献26参照)等が提案されている。
しかし、通常、フィルム作成のためにカルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子の水溶液にカリミョウバン等の多価金属塩を直接添加すると水溶液が即座にゲル化してしまうため、基板上に流延することができない。また、上記の特許文献25の方法では半凝固状態物の表面からアルミニウムイオンが浸透するため、内部まで均一に架橋されにくく、むらが生じやすい。さらに、上記の特許文献26の方法では、アルカリ性のフィルム原液を酸性浴に浸漬する際に基板側とフィルム原液表面側で不均一性が生じたり、フィルム原液が酸性浴に流れでるなどし、得られるフィルム厚が一定しないなどといった製造上の問題があった。
また、本発明者らはガラクトマンナン又はその誘導体と多価金属イオンからなるフィルム状吸水材が、生分解性があり、吸水性能、ゲル強度が優れていることを報告した(例えば、特許文献27参照)。
特許文献27の技術は極めて有意義なものであるが、なおも改善の余地が有り、特にゲル強度と製造方法の改善が望まれていた。ゲル強度が3,000×10-7N/mm2以下だと液体を吸水後、ゲルは時間と共に強度を失い、同時にゲル表面及び内部がべとつくようになってしまう。その結果、例えば、衛生用品の装着時間が長くなるに連れて保液性が低下し、液洩れの増加、装着感の悪化等を引き起こす問題を生じている。
特開平6−157795号公報 特開平7−228616号公報 米国特許4650716号 特許第2538213号公報 特開昭56−28755号公報 特開昭58−1701号公報 特開平8−41103号公報 特開昭57−137301号公報 特開平4−161431号公報 特開平7−82301号公報 特開平5−105701号公報 特開昭55−15634号公報 特開平7−224163号公報 特開平7−309943号公報 特開平8−59820号公報 特開平8−504219号公報 特開平9−169840号公報 特開平8−59891号公報 特公平3−66321号公報 特開昭56−97450号公報 特開平5−285380号公報 特開2000−17168号公報 特開平10−292044号公報 特開平10−305228号公報 特公平7−45575号公報 特開2000−191802号公報 特開2001−278998号公報
一般に用いられる吸水材に求められる性能としては、一価以上のカチオンを含む尿、血液、経血、汗等の体液、さらに泥水、海水、河川水などの環境中の液体を大量に、かつ速やかに吸収し、保液することが要求される。
生分解性、非生分解性に関わらず、上記した吸水材はそのほとんどが粒状であり、これまれフィルム状吸水材としては、優れた吸水性能とゲル強度を有するものはなく、特に生分解性のものが強く望まれていた。
本発明の目的は、上記のような従来の問題点を解決し、生分解性を有し、吸水性能に優れ、製造コストの安価なフィルム状吸水材及びその製造方法並びにそれを含む吸水性物品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、セルロース誘導体もしくはその塩を特定の方法で架橋することによって、生分解性を有し、且つ優れた吸収性能及びゲル強度を併せ持ったフィルム状吸水材を安価に製造できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は第一に、セルロース誘導体もしくはその塩を、架橋剤で架橋して形成してなるフィルム状吸水材であって、0.9%−生理食塩水に対する吸水量が自重の10倍以上であり、かつ、該水溶液を自重の20倍吸水した状態におけるゲル強度が3000×10-7N/mm2以上であることを特徴とするフィルム状吸水材を提供する。
架橋剤は、アルミニウムイオン、鉄イオン、チタニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の多価金属イオンであることが好ましく、さらに、カルボジイミドを含むことがより好ましい。セルロース誘導体もしくはその塩として、カルボキシメチルセルロース塩(以下、CMCと略記する)、好ましくはカルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩、特にカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用い、且つ架橋剤である多価金属イオンとして、アルミニウムイオンを用いるものが特に好ましい。アルミニウムイオン含有量は、セルロース誘導体もしくはその塩重量1kg当たり1〜1000ミリモルであるのが好ましい。また、架橋剤であるカルボジイミドとしては、水溶性カルボジイミドが好ましい。水溶性カルボジイミド含有量は、セルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対して0.001〜10質量部であるのが好ましい。CMCを用いる場合、そのエーテル置換度(DS)が0.3〜2.8であり、且つその1質量%水溶液の粘度が10mPa・s〜20000mPa・sであるのが好ましい。
また、本発明は第二に、
a)セルロース誘導体もしくはその塩を含む乾燥フィルムに、多価金属イオンを含む水溶液を接触させ、水に対する膨潤度が1〜50g/g(乾燥フィルム)の範囲で膨潤させると同時にセルロース誘導体もしくはその塩を架橋させる工程、
b)得られたフィルムゲルを乾燥する工程、
を含む本発明のフィルム状吸水材の製造方法を提供する。
本発明の上記フィルム状吸水材の製造方法において、工程a)に用いる乾燥フィルムは、c)水にセルロース誘導体もしくはその塩を、添加後の混合液に対して固形分濃度0.1〜20質量%となるように添加し、セルロース誘導体もしくはその塩を水で膨潤させる工程、d)得られたセルロース誘導体もしくはその塩のゾルを基板上に流延する工程、
e)流延したゾルを乾燥する工程、により得られる乾燥フィルムであるのが好ましい。さらに、工程c)に用いる水に、カルボジイミドを添加し、且つ、pHを1.0〜7.0に調整する工程を含むのが好ましい。また、工程c)に用いる水に、可塑剤としてグリセリンを添加するのが好ましい。
また、本発明は第三に、本発明によるフィルム状吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品を提供する。
(用語の定義)
[0.9%−生理食塩水に対する吸水量]
吸水量の測定は、ティーバッグ法にて0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用いて行う。すなわち、255メッシュのナイロン製ティーバッグに吸水材1gを入れ、1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶液にティーバッグを60分間浸し、ティーバッグを引き上げ、10分間水切りを行った後、その重量を測定する。吸水材の吸水量は、60分間水に浸した吸水材が入っていないティーバッグの重量をブランクとし、吸水して膨潤した吸水材が入ったティーバッグの重量から、膨潤前の吸水材の重量とブランクの重量を減じた値を、膨潤前の吸水材の重量で除した値を吸水量(g/g吸水材)とする。
[ゲル強度]
0.9%−生理食塩水を20倍吸水時でのゲル強度の測定は、フィルム状吸水材に20倍量の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を吸水させ、サイエンティフィク社のレオメトリックSR−5000を用いて1Hz、室温にて粘弾性G*を測定し、その数値をゲル強度とする。
本発明の吸水材は、生分解性、且つ優れた吸水性能を有し、安全性の高いフィルム状吸水材であり、効率良く低コストで製造できるものである。本発明の吸水材は、化粧用パック材、医療用手当材、創傷被覆材、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして、動物用屎尿処理材、飼料添加剤、農園芸用分野、鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や保水を必要とする種々の用途に好適に利用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう「フィルム状吸水材」とは、膜厚が0.2mmより薄いものを呼び、膜厚の下限は限定的ではないが、十分な吸水性と乾燥時のフィルム強度を有するためには1μm以上とするのが好ましい。フィルムの表面積や幅は目的に応じて適宜選択すればよい。一般的には、フィルムは平滑で均一な厚みを有するものであるが、所望により、エンボス状等の平坦でない構造をとるものであってもよい。また、平面ではない3次元的な構造を取ったものでもよい。例えば、レンズ状とか、そりを持つものでもよい。本発明におけるフィルム状の吸水材は、その表面を加工してもよく、また、必要に応じて穴を空けたり、切り込み、ひびをいれてもよく、破砕してフレーク状としてもよい。
本発明において原料として用いられるセルロース誘導体もしくはその塩は、セルロースの有する水酸基をエーテル化したセルロースエーテル類およびその塩であって、吸水特性を与えるものであれば特に限定されるものではない。
本発明で用いられるセルロース誘導体もしくはその塩としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース等および、これらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また、二種類以上を適宜混合して使用してもよいが、コスト、性能面から、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、即ち、カルボキシメチルセルロース塩(以下、CMCという。)が好ましい。これはリンターパルプや木材パルプなどのセルロースをイソプロピルアルコール等の有機溶媒と水との混合溶媒中でアルカリ金属水酸化物存在下にクロロ酢酸等のエーテル化剤を反応させることにより得ることができる。
セルロース誘導体もしくはその塩の分子量としては、5万〜150万が好ましく、20万〜80万がさらに好ましい。
CMCとしては、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩であって、カルボキシル基による水酸基の置換度、即ち、エーテル置換度(DS)が0.3〜2.8の範囲内のものが好ましく、0.5〜1.0の範囲内のものが特に好ましい。DSが0.3未満ではCMCの溶解性が低いため、均一なゾルが得られない。逆にDSが2.8を超えると、アルミニウムイオン等による架橋が分子内で進行し、均一なゲルが得られない場合が生じる。
また、CMCとしては、1質量%水溶液とした時に粘度が10mPa・s〜20000mPa・sの範囲内にあるものが好ましい。10mPa・s未満の場合はアルミニウムイオン等で架橋しても強度のあるゲルを形成しないので不適当である。20000mPa・sを超えると粘性が非常に高くなるため、攪拌等の作業性が著しく悪化し、均一なフィルムが得られない。さらに、その高い粘性のために基板上に流延することができない場合があるので、好ましくない。
本発明においては、必要に応じて、グアガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム、カラギーナン、アルギン酸、キサンタンガム、寒天、ペクチン、タラガントガム、プルラン、ジェランガム、タマリンドシードガム、カードラン、アラビアガム、グルコマンナン、デンプン、セルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸又はこれらの誘導体などのセルロース誘導体もしくはその塩以外の天然多糖類を混合してもよい。これらを混合する割合としては、多糖類の組み合わせ等にもよるが、セルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し1〜100質量部の範囲内、より好ましくは10〜50質量部の範囲内とすればよい。
以下、本発明を、本発明のフィルム状吸水材の製造方法に言及して説明する。
工程a)は、セルロース誘導体もしくはその塩を含む乾燥フィルムに、多価金属イオンを含む水溶液を接触させ、水に対する膨潤度が1〜50g/g(乾燥フィルム)の範囲で膨潤させると同時にセルロース誘導体もしくはその塩を架橋させる工程である。
本発明の工程a)で用いられるセルロース誘導体もしくはその塩からなる乾燥フィルムは、水に膨潤し、折り曲げられる程度の柔軟性があれば、特に限定されない。
本発明の工程a)で用いられる多価金属イオンとしては、セルロース誘導体もしくはその塩の有する官能基(即ち、水酸基、カルボキシル基)と架橋を形成し得る多価金属イオンがあれば、特に限定されない。例えば、アルミニウムイオン、鉄イオン、チタニウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、銅イオン、クロムイオン、鉛イオン、スズイオン、銀イオン等の多価金属イオンが例示されるが、安全性、性能、価格からアルミニウムイオン、鉄イオン、チタニウムイオンが好ましく、これらの中でも、特にアルミニウムイオンが好ましい。架橋剤として、これらからなる群の1種だけを使用してもよいが、2種以上を使用してもよい。
多価金属イオンの形態(化合物の形態)としては特に限定されず、二価以上の金属イオンまたはセルロース誘導体もしくはその塩の有する官能基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物であれば特に制限されないが、好ましくは親水性、より好ましくは水溶性の金属塩である。例えば、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(カリミョウバン)、塩化アルミニウム、などのアルミニウム塩、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸二鉄などの鉄塩、その他無機または有機のバリウム塩、カルシウム塩、チタン酸塩などが例示される。
工程a)で調製される水溶液中の多価金属イオンの濃度としては、セルロース誘導体もしくはその塩1kg当たり金属原子に換算して1〜1000ミリモルが好ましく、より好ましくは10〜600ミリモル、特に好ましくは50〜250ミリモルである。1ミリモル未満では、十分に架橋できず、非常にゲル強度の弱いフィルム状吸水材になってしまう。一方、1000ミリモルを超えると吸水量が低下するため好ましくない。
工程a)における乾燥フィルムに多価金属イオンを含む水溶液を接触させる際の方法としては、均一に添加できれば特に限定されず、例えばスプレーで均一に噴霧したり、散布してもよいし、予め計算された量の水溶液をコーターによって塗工してもよく、浴に浸漬してもよい。また、水溶液は親水性揮発性有機溶媒が混合されていてもかまわない。
ここで使用する親水性揮発性有機溶媒は特に制限されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げることができるが、コストや安全性の面からメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類が好ましい。
工程a)における乾燥フィルムを多価金属イオンを含む水溶液で膨潤させるときの膨潤度としては、乾燥フィルム重量に対して水が1〜50g/g(乾燥フィルム)が好ましく、5〜20g/g(乾燥フィルム)がより好ましい。1g/g(乾燥フィルム)以下では均一な架橋が十分に進まず、ゲル強度の弱いフィルム状吸水材となるので、好ましくない。50g/g(乾燥フィルム)を超えると乾燥する際に時間がかかり、エネルギーコストもかかるため好ましくない。
工程b)は、工程a)で得られたフィルムゲルを乾燥する工程である。
工程b)において乾燥に供するゲルのpHは3.0〜9.0が好ましく、pH4.0〜7.0がさらに好ましい。このため、pHがこの範囲外にある場合は、適宜水酸化ナトリウムや塩酸などを添加してゲルpHを調整すればよい。
工程b)における乾燥方法としては、乾燥後の吸水性能、ゲル強度を低下させるような方法であればいかなる乾燥方法でも限定されず、例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥が挙げられる。好ましくは経済的な30〜100℃での加熱乾燥である。乾燥方法や乾燥温度、固形物の含水量などにもよるが、乾燥時間は1秒間〜6時間が好ましく、10秒間〜1時間がより好ましい。乾燥の程度としては、乾燥後のフィルムの含水率が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、5%以下が特に好ましい。
以下、上記工程a)に用いる乾燥フィルムの好ましい製造方法について説明するが、工程a)に用いる乾燥フィルムの製造方法はこれらに限定されない。
まず、工程c)は、水にセルロース誘導体もしくはその塩を、添加後の混合液に対して固形分濃度0.1〜20質量%となるように添加し、セルロース誘導体もしくはその塩を水で膨潤させる工程である。
工程c)において水にセルロース誘導体もしくはその塩を添加する量としては、固形分濃度がセルロース誘導体もしくはその塩の添加後の全質量に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。1質量%未満では製造コストの上昇を招くため好ましくない。20質量%を超えるとその高い粘性のために基板上に流延することができない場合があるだけでなく、吸水量が低下するため、好ましくない。
工程c)を行う際の温度は特に限定されないが、均一なゾルを得るためにも5〜100℃が好ましく、20〜50℃がさらに好ましい。
次いで、工程d)は、前記工程c)で得られたセルロース誘導体もしくはその塩のゾルを基板上に流延する工程である。
d)工程のセルロース誘導体もしくはその塩のゾルを基板上に流延する方法としては、膜厚の均一なフィルムが得られれば、特に限定されないが、既存のキャスト装置を用いて基板上に均一に流延すればよい。キャストに使用される基材としては、特に限定されないが、一般的にはガラス板、プラスチック板、金属板、紙等が挙げられる。離型性を必要とする場合は、ガラス板、テフロン板、金属板、またはシリコンコート処理されたプラスチック(PET、PP等)板等が好ましい。
工程e)は、工程d)で流延したゾルを乾燥する工程である。
工程e)において、前記工程d)で流延されたゾルを乾燥する方法としては、吸水性能、ゲル強度を低下させるような方法でなければいかなる乾燥方法でも限定されるものではないが、例えば常温乾燥、加熱乾燥や凍結乾燥、減圧乾燥、真空乾燥が挙げられる。好ましくは経済的な30〜100℃での加熱乾燥である。乾燥方法や乾燥温度、固形物の含水量などにもよるが、乾燥時間は1秒間〜6時間が好ましく、10秒間〜1時間がより好ましい。乾燥の程度としては、乾燥後のフィルムの含水率が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であり、5%以下が特に好ましい。
以上説明した本発明の吸水材の製造方法においては、工程c)の水にカルボジイミドを添加し、且つ、pH1.0〜7.0に調整する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の工程c)で水に添加されるカルボジイミドとしては、セルロース誘導体もしくはその塩の有する官能基(カルボキシル基、水酸基など)と架橋を形成し得るカルボジイミドであれば、特に限定されないが、水溶性カルボジイミドを用いるのが好ましい。
水溶性カルボジイミドとしては、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等のモノカルボジイミド類のほか、分子鎖中に2個以上のカルボジイミド基を持つカルボジイミド等が挙げられる。2個以上のカルボジイミド基を持つカルボジイミドとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等の有機ジイソシアネートを合成原料としたポリカルボジイミドの重合末端であるイソシアネート基を活性水素化合物で末端封止した変性ポリカルボジイミド等が挙げられる。なお、活性水素化合物としては脂肪族、芳香族又は脂環族であって−OH基、=NH基、−NH基、−COOH基、−SH基、エポキシ基を有する化合物、具体的には、メタノール、エタノール、シクロヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ブチルアミン、コハク酸、シクロヘキサン酸、安息香酸、エチルメルカプタン、チオフェノール等を例示することができ、これらの中では、水溶性付与の面からポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
また、上記の活性水素化合物でポリカルボジイミドの重合度を制御するとき、水への溶解性の面から変性ポリカルボジイミドの重合度は10以下のものが好ましい。
本発明において添加される水溶性カルボジイミドは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド メチオジド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド等が好適である。
水溶性カルボジイミドは、2種以上を添加することができる。水溶性カルボジイミドの添加量はセルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し0.001〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。上記の範囲内で水溶性カルボジイミドを用いることにより、さらにゲル強度を向上させることができる。
水溶性カルボジイミドの添加量が0.001質量部未満では、ゲル強度を向上させる効果が得られない。また、10質量部より多い場合には、セルロース誘導体もしくはその塩のゾルの流動性が高くなり基板に流延しづらくなるばかりか、原料コストも上がるため好ましくない。
また、工程c)の水にグリセリン等の可塑剤を添加するのが好ましい。添加する可塑剤としてはグリセリンの他には生分解性を有する可塑剤であれば特に限定されないが、例えば、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、マンニトール、イズロン酸、アジピン酸ジイソノニル、ガラクタル酸、α−ガラクツロン酸、グルカル酸、β−グルクロン酸、グルコン酸、グルロン酸、2−デオキシグルコン酸、マンヌロン酸−6,3−ラクトン、α−ガラクトサミン塩酸塩、α−マンノサミン塩酸塩、ムラミン酸、コンドロイチン−4−硫酸塩、コンドロイチン−6−硫酸塩、ヒアルロン酸などが挙げられ、グリセリンを含めたこれらのうちの1種以上を混合して使用してもよい。これら可塑剤は、セルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し、0.1〜70質量部を添加することが好ましく、1〜20質量部がより好ましい。かかる可塑剤の添加により、得られるフィルムに柔軟性を付与することができる。
また乾燥時のフィルムのヒビワレを防止する観点でトレハロースをセルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し、0.01〜10質量部を添加することが好ましく、0.1〜5質量部がさらに好ましい0.01質量部未満での添加ではヒビワレを防止する効果がほとんどみられず、10質量部以上の添加では保湿性が高くなりすぎてフィルムが常に付着性を有するような状態となるので取り扱いがたく好ましくない。
工程c)において、水に所望によりカルボジイミド、可塑剤を添加して得られた水溶液は好ましくは、pH1.0〜7.0、さらに好ましくは、pH2.0〜4.0に調整する。水溶液のpHがこの範囲外にある場合は、pH調整剤を添加してpHを調整すればよい。本発明で用いるpH調整剤としては、水溶液のpHを1.0〜7.0に調整できるものであれば特に限定されるものではなく、一般によく知られている酸性、塩基性試薬を用いればよい。pH値を下げる場合には、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸、酢酸等があり、pH値を上げる場合には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオンの水酸化物・炭酸塩・リン酸塩などが例示される。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ニカリウム、アンモニア水などが挙げられ、安価であることから水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。水溶液のpHが1.0未満の場合、セルロース誘導体もしくはその塩を含む多糖類が酸により加水分解され、低分子化し、ゲル強度が低下する場合があるので好ましくない。水溶液のpHが7.0以上の場合、ゲル強度が低下するため好ましくない。
本発明のフィルム状吸水材の製造方法では、さらに、必要に応じて、消臭剤、香料、各種の無機粉末、顔料、染料、抗菌剤、発泡剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を工程a)〜c)において適宜添加し、これによりフィルム状吸水材に種々の機能を付与してもよい。
ここで用いられる無機粉末としては、水性液体等に対して不活性な物質、例えば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が挙げられる。該無機粉体は、水に対して適度な親和性を有し、かつ、水に不溶もしくは難溶であるものが好ましい。具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合製ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち、二酸化珪素および珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素および珪酸(塩)がさらに好ましい。
ここでの無機粉末の使用量は、フィルム状吸水材および無機粉体の組み合わせ等にもよるが、セルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し0.001〜10質量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内とすればよい。フィルム状吸水材と無機粉体との混合方法は、特に限定されるものではなく、例えばドライブレンド法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法を採用するのが好ましい。
本発明のフィルム状吸水材は、上述した本発明の製造方法により得ることができるものであり、0.9%−生理食塩水に対する吸水量が自重の10倍以上であり、さらに該水溶液を自重の20倍吸水した状態におけるゲル強度が3000×10-7N/mm2以上である。
本発明のフィルム状吸収材は単独でも、他の素材と組み合わせて吸水性物品としても構わない。吸水性物品の構造は特に限定されないが、例えば、パルプ、不織布等にはさみ、サンドイッチ構造にする方法、他の材質の樹脂シート、フィルムを支持体として多層構造とする方法、樹脂シートにキャストし、二層構造とする方法等がある。
本発明のフィルム状吸水材は、血液や尿、汗、膿、胃液、唾液、鼻分泌粘液などの体液を吸収することを目的とした吸水性物品、例えば、子供用紙オムツ、大人用紙オムツ、生理用ナプキン、タンポン、パンティーライナー、生理用シーツ、失禁用パッド、携帯用トイレ、携帯用汚物処理袋、動物用屎尿処理剤、医療用手当材、創傷被覆材、肉や魚などの鮮度保持材、さらには生分解性を有するため、家畜の飼料添加物等に使用することができる。また体液だけでなく、化粧水、液体肥料、液体殺虫剤などの水溶液、あるいは泥水や海水、河川水などを吸水することを目的とした化粧用パック材などの美容化粧用品、防虫シートなどの生活雑品、建材や土壌保水材、汚泥固化剤、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材、保冷材等の食品用物品、油水分離材、結露防止材などの各種産業用物品、植物や土壌等の保水材、種子被覆材等の農園芸用物品などに好適に用いることができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例で得られたフィルム状吸水材の0.9%生理食塩水の吸水量、およびゲル強度は以下のようにして測定した。
[0.9%生理食塩水吸水量]
吸水量の測定は、ティーバッグ法にて0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用いて行った。すなわち、255メッシュのナイロン製ティーバッグに吸水材1gを入れ、1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶液にティーバッグを60分間浸し、ティーバッグを引き上げ、10分間水切りを行った後、その重量を測定した。吸水材の吸水量は、60分間水に浸した吸水材が入っていないティーバッグの重量をブランクとし、吸水して膨潤した吸水材が入ったティーバッグの重量から、膨潤前の吸水材の重量とブランクの重量を減じた値を、膨潤前の吸水材の重量で除した値を吸水量(g/g吸水材)とした。
[吸水後のゲル状態]
吸水後のゲル状態は、上記0.9%生理食塩水吸水量測定後のゲルを目視および感触で判断し、ゲルのヌメリがほとんどないものを良好とし、ゲルの部分的な溶解に伴うヌメリなどが発生した状態を評価した。
[ゲル強度]
0.9%−生理食塩水を20倍吸水時でのゲル強度の測定は、フィルム状吸水材に20
倍量の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を吸水させ、サイエンティフィク社のレオメトリック SR−5000を用いて1Hz、室温にて粘弾性G*を測定し、その数値をゲル強度とした。
純水100mlにCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは6.5であった。次に、この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延し、80℃で30分間乾燥し、乾燥フィルムを得た。
次に上記フィルムをガラス板上に担持させたまま、アルミニウムイオン濃度3mmol/Lに調整した硫酸アルミニウムカリウム水溶液を該フィルムに対して20g/g量噴霧し、CMCに対するアルミニウムイオン量が60mmol/kgになるよう膨潤させた後、80℃で30分間乾燥し、フィルム状吸水材を得た。
得られたフィルム状吸水材の膜厚は30μm、0.9%−生理食塩水に対する吸水量は35g/g、ゲル強度は12,000×10-7N/mm2であった。
純水100mlにあらかじめ架橋剤として水溶性カルボジイミド(日清紡社製;カルボジライトV−02−L2)をCMC100質量部に対し1質量部になるように添加した。pH調整剤として2N-HCl水溶液を該水溶液に適宜添加し、pHを2.4に調整した。
上記水溶液にCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは5.2であった。次に、この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延し、80℃で30分間乾燥し、乾燥フィルムを得た。
次に上記フィルムをガラス板上に担持させたまま、アルミニウムイオン濃度3mmol/Lに調整した硫酸アルミニウムカリウム水溶液を該フィルムに対して20g/g量噴霧し、CMCに対するアルミニウムイオン量が60mmol/kgになるよう膨潤させた後、80℃で30分間乾燥し、フィルム状吸水材を得た。
得られたフィルム状吸水材の膜厚は31μm、0.9%−生理食塩水に対する吸水量は
32g/g、ゲル強度は16,500×10-7N/mm2であった。
純水100mlにあらかじめ可塑剤としてグリセリン(石津製薬社製;特級)をCMC100質量部に対し5質量部になるように添加した。
上記水溶液にCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは5.2であった。次に、この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延し、80℃で30分間乾燥し、乾燥フィルムを得た。
次に上記フィルムをガラス板上に担持させたまま、アルミニウムイオン濃度3mmol/Lに調整した硫酸アルミニウムカリウム水溶液を該フィルムに対して20g/g量噴霧し、CMCに対するアルミニウムイオン量が60mmol/kgになるよう膨潤させた後、80℃で30分間乾燥し、フィルム状吸水材を得た。
得られたフィルム状吸水材の膜厚は30μmであり、非常に柔軟性に富んでいるものが
得られた。0.9%−生理食塩水に対する吸水量は34g/g、ゲル強度は11,400
×10-7N/mm2であった。
比較例1
純水100mlにCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは6.5であった。次に、この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延し、80℃で30分間乾燥し、乾燥フィルムを得た。
得られた乾燥フィルムの膜厚は31μm、0.9%−生理食塩水に対する吸水量は測定時にナイロン製ティーバッグから大量に漏れが生じ、測定不能となった。ゲル強度も同様に測定不能であった。
比較例2
純水100mlにCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは6.5であった。
次に、該水溶液にブレンダーで剪断しながら架橋剤;硫酸アルミニウムカリウムをアルミニウムイオン換算量としてCMC重量1kg当たり60ミリモルになるように攪拌しながら添加したが、ゲル化速度が速く、架橋剤を添加した部分のみ瞬時にゲル化し、ゲルとゾルが入り混じったものが得られた。この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延したが、平滑にならなかった。それをそのまま80℃で30分間乾燥し、乾燥フィルムを得た。
得られたフィルム状吸水材の膜厚は8〜42μmと測定値のバラツキが大きくむらがあった。0.9%−生理食塩水に対する吸水量は測定時にナイロン製ティーバッグから大量に漏れが生じ、測定不能となった。ゲル強度も同様に測定不能であった。
比較例3
純水100mlにCMC粉末(ダイセル化学工業社製;ダイセルCMC1150、DS=0.69、1質量%水溶液の粘度290mPa・s)を固形分濃度2.5質量%になるように攪拌しながら添加し、膨潤させ、水溶液を調整した。このときのCMC水溶液のpHは6.5であった。
次に、この水溶液の気泡を抜いた後、ガラス基板上に厚みが2.0mmになるようバーコーターを用いて流延し、アルミニウムイオン濃度3mmol/Lに調整した架橋浴;硫酸アルミニウムカリウム水溶液に30秒間浸漬したところ、得られたゲル表面に凹凸が生じた。それをそのまま80℃で30分間乾燥し、フィルム状吸水材を得た。
得られたフィルム状吸水材のアルミニウム含有量をICPにより元素分析したところ、CMC重量1kg当たり55ミリモル含まれていた。膜厚は7〜35μmと測定値のバラツキが大きくむらがあった。0.9%−生理食塩水に対する吸水量は49g/gであったが、基板側は吸水後触れると滑りが生じた。ゲル強度は6,900×10-7N/mm2であった。
Figure 2006192368
本発明を用いた実施例1〜3は、均一な膜厚のフィルムが得られた。また、表1からも明らかなように、吸水量とゲル強度のバランスが良く、優れた吸水性能を有していることが分かる。
比較例1は未架橋のCMCフィルムであり、水中で徐々に崩壊、溶解してしまい吸水材とは呼べない。
比較例2ではCMCゾルを作製し、それを架橋してゲルを作製し、それをガラス基板に流延し、乾燥するという従来の製造方法で行ったが、ゾルとゲルが混ざり合っているためキャストしても不均一となり、結果として得られたフィルムの膜厚も不均一であった。吸水性能についても、架橋部位と未架橋部位が混在し、吸収量、ゲル強度ともに測定不能となった。
比較例3ではCMCゾルを作製し、ガラス基板に流延し、架橋浴に浸漬してゲル化した後に乾燥するという従来の製造方法で行ったが、浸漬した際にゾルが流動し、架橋後ゲル表面に凹凸が生じた。結果として得られたフィルムの膜厚も不均一であった。吸水性能については、吸水量は問題ないものの、フィルムの基板に密着した方の面は吸水後触れると滑りが生じ、ゲル強度の値も比較的低かった。よって、架橋液と接触していた面に比べると基板側の内部までは架橋されにくく、架橋むらが生じてことがわかる。
以上のことから本発明のフィルム状吸水材は吸水量、ゲル強度に優れ、性能のバランスがとれていることが分かる。また、本発明の製造方法を用いることによって、均一な膜厚のフィルム状吸水材が容易に効率よく得られ、生産効率の向上とコスト削減が可能である。

Claims (14)

  1. セルロース誘導体もしくはその塩を、架橋剤で架橋して形成してなるフィルム状吸水材であって、0.9%−生理食塩水に対する吸水量が自重の10倍以上であり、かつ、該水溶液を自重の20倍吸水した状態におけるゲル強度が3000×10-7N/mm2以上であることを特徴とするフィルム状吸水材。
  2. セルロース誘導体もしくはその塩が、カルボキシメチルセルロース塩であることを特徴とする請求項1記載のフィルム状吸水材。
  3. カルボキシメチルセルロース塩が、エーテル置換度(DS)が0.3〜2.8であり、且つその1質量%水溶液の粘度が10mPa・s〜20000mPa・sであるカルボキシメチルセルロース塩であることを特徴とする請求項2記載のフィルム状吸水材。
  4. 架橋剤がアルミニウムイオン、鉄イオン、チタニウムイオンからなる群から選ばれる1種以上の多価金属イオンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフィルム状吸水材。
  5. 多価金属イオンが、アルミニウムイオンであることを特徴とする請求項4に記載のフィルム状吸水材。
  6. さらに架橋剤としてカルボジイミドを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のフィルム状吸水材。
  7. カルボジイミドが、水溶性カルボジイミドであることを特徴とする請求項6に記載のフィルム状吸水材。
  8. 多価金属イオン含有量がセルロース誘導体もしくはその塩質量1kgあたり1〜1000ミリモルであることを特徴とする請求項4または5に記載のフィルム状吸水材。
  9. 水溶性カルボジイミドがセルロース誘導体もしくはその塩100質量部に対し0.001〜10質量部であることを特徴とする請求項7に記載のフィルム状吸水材。
  10. a)セルロース誘導体もしくはその塩を含む乾燥フィルムに、多価金属イオンを含む水溶液を接触させ、水に対する膨潤度が1〜50g/g(乾燥フィルム)の範囲で膨潤させると同時にセルロース誘導体もしくはその塩を架橋させる工程、
    b)得られたフィルムゲルを乾燥する工程、
    を含む請求項1〜9いずれか記載のフィルム状吸水材の製造方法。
  11. 工程a)に用いる乾燥フィルムが、
    c)水にセルロース誘導体もしくはその塩を、添加後の混合液に対して固形分濃度0.1〜20質量%となるように添加し、セルロース誘導体もしくはその塩を水で膨潤させる工程、
    d)得られたセルロース誘導体もしくはその塩のゾルを基板上に流延する工程、
    e)流延したゾルを乾燥する工程、
    により得られる乾燥フィルムである請求項10記載のフィルム状吸水材の製造方法。
  12. 工程c)に用いる水に、カルボジイミドを添加し、pH1.0〜7.0に調整する工程をさらに含む請求項11記載のフィルム状吸水材の製造方法。
  13. 工程c)に用いる水に、グリセリンを添加する工程をさらに含む、請求項11または12記載のフィルム状吸水材の製造方法。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の吸水材を含んでなることを特徴とする吸水性物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009122989A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 ユニ・チャーム株式会社 吸収時に架橋を形成する吸収体
JP2017124529A (ja) * 2016-01-13 2017-07-20 凸版印刷株式会社 防曇フィルム及び防曇用組成物
CN113518793A (zh) * 2019-03-04 2021-10-19 乐天精密化学株式会社 羧甲基纤维素粒子的制备方法、通过所述方法制备的羧甲基纤维素粒子和包括它的吸水性物品

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