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JP2006018250A - Memsミラースキャナ - Google Patents

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JP2006018250A
JP2006018250A JP2005163283A JP2005163283A JP2006018250A JP 2006018250 A JP2006018250 A JP 2006018250A JP 2005163283 A JP2005163283 A JP 2005163283A JP 2005163283 A JP2005163283 A JP 2005163283A JP 2006018250 A JP2006018250 A JP 2006018250A
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Osamu Imai
今井  修
Yoshifumi Kawakami
佳史 川上
Kyoji Shimoda
亨志 下田
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Sumitomo Precision Products Co Ltd
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Sumitomo Precision Products Co Ltd
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Abstract

【課題】 MEMSミラースキャナにおいて、ポリゴンミラースキャナと同等以上の高速スキャニングを実現でき、例えば、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的とし、特にスキャニングミラー自体の形状、寸法などの最適化を図った構成のMEMSミラースキャナの提供。
【解決手段】 入射角が浅く(小さく)なるほどかかる光経路の範囲を大きくする必要があり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸方向長さbと揺動軸に直交する方向長さaの比がa≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2)が必要であり、ミラー周辺の空間を入射側が小さく、出射側が大きくし、光透過窓は当該ミラーに対して入出射側で非対称の形状とすることで、高精度化と小型化が達成できる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、高速スキャニングが可能なレーザープリンタ用途に最適な小型ミラースキャナに関し、詳しくはシリコン基板を用いたマイクロ-エレクトロ-メカニカルシステム(micro-electro-mechanical system、以下MEMSという)による新規な静電駆動型MEMSミラースキャナに関する。
従来、レーザープリンタなどの用途でスキャナエンジンとして使用されるデバイスに、ポリゴンミラースキャナが用いられ、これは多角柱状ミラーをその軸中心に高速回転させることができ、高速のスキャニング動作を実現できた(特許文献1)。
近年、シリコンなどの半導体基板に、エッチングや成膜などのマイクロマシニング技術を用い、例えば所要のグルーブを形成して構成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動可能に支持し、ミラー部とグルーブ周辺に設けた電極対により静電力を発生させて、前記ミラーを揺動運動させる静電駆動型ミラースキャナが種々提案されている(特許文献2,特許文献3)。
前記静電駆動型ミラースキャナーは、文字どおり静電力で駆動され、サスペンションビームを軸とする回動角によって、入射させた光の反射経路を変換することが可能であり、レーザー光のスイッチングやスキャニングが実施できる。しかし、その駆動速度は、ポリゴンミラースキャナと比較してずっと低速度しか得られないものであった。
一方、基本構造に平行磁場を発生させる磁場発生手段と、棒状トーションバーで揺動可能に支持したスキャニングミラーを有した電磁駆動型ミラースキャナは、電磁型の駆動力が大きく、偏向角度と動作周波数を向上させやすい利点がある。
また、ジンバル構造の光偏向器の構成を採り、シリコン基板と複数のポリイミド膜、金属膜とを積層し平行磁場中に配置された偏向ミラー素子アレイとを有した電磁駆動型ミラースキャナは、弾性部材としてのメッシュ状部を有するポリイミド膜を用いることで、例えば4.5mm×3.3mmのミラーサイズで4000Hzの共振周波数を有し、高速スキャニングを可能にしている(特許文献4)。
特開平5-119279 特開2002-311376 特開2003-015064 特開2003-270558
シリコン基板を用いて数mm角寸法のミラーをサスペンションビームで揺動可能に支持する構成のMEMSミラースキャナは、ポリゴンミラースキャナに対して、小型化が容易であり、光学系の小型化と省レンズが可能となり、また回転体がなく発塵フリーであり、さらに省電力、静音、低振動、起動時間短縮などさまざまなメリットが得られる。
ポリゴンミラースキャナに匹敵あるいはそれ以上の高速スキャニングを可能にするには、特にレーザープリンタ用途としては、必要な印字分解能を得るために大きな寸法のスキャニングミラーが必要となるため、スキャニングミラーを大型化し、高速で且つ大振幅で動作させる必要がある。
しかし、MEMSミラースキャナのスキャニングミラーについて、デバイスの構成や製造方法に関して多くの提案があるが、その光学系からみた形状性や大型化するに際しての最適な設計については何ら提案がなされていない。
また、大きなスキャニングミラーのMEMSミラースキャナを高速化(高周波化)するには、例えばトーションバーの剛性を上げる必要があるが、トーションバーの剛性を上げると、特に静電型では駆動力が低いためミラーを十分な動作振幅で駆動できなくなる問題がある。
この発明は、MEMSミラースキャナにおいて、ポリゴンミラースキャナと同等以上の高速スキャニングを実現でき、例えば、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的とし、特にスキャニングミラー自体の形状、寸法などの最適化を図った構成のMEMSミラースキャナの提供を目的としている。
さらにこの発明は、スキャニングミラー自体の最適化を図った静電駆動型MEMSミラースキャナにおいて、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なミラーの支持構造を有する構成、また駆動力を増加させるために静電容量を増大、確保できる構成からなるMEMSミラースキャナの提供を目的としている。
発明者らは、レーザープリンタ用途で高精度スキャニングを実現することを目的に、スキャニングミラーへの光の入射と反射する光経路について種々検討した結果、入射角が該ミラー面に対して25°から90°の範囲の場合、入射角が浅く(小さく)なるほどかかる光経路の範囲を大きくする必要があり、スキャニングミラーの揺動軸方向長さ(b)と揺動軸に直交する方向長さ(a)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))にしなければならないことを知見した。
また、発明者らは、揺動軸に直交する方向長さを大きくしたスキャニングミラーからの入反射光を支障なく通過させることについて種々検討した結果、目的達成には該ミラー周辺の空間を大きく取ればよいが、一方、小型化するためには最小必要限としなければならないが、必要範囲は入射側が小さく、出射側が大きくなるので、入射側と出射側の空間を非対称にすることで必要最小限の空間を得られること、また、スキャニングミラーを収納する筐体においても、光透過窓は当該ミラーに対して入出射側で非対称の形状とすることで、高精度化と小型化が達成できることを知見た。
また、発明者らは、上述の形状、寸法の最適化を図ったMEMSミラースキャナの構成は、駆動源の原理にかかわらずいずれの構成のMEMSミラースキャナにも適用できることを知見した。
そこで発明者らは、上述の形状、寸法の最適化を図った静電駆動型MEMSミラースキャナについて、さらに静電力の小さな駆動力でも駆動可能な柔軟なミラーの支持構造並びに十二分な静電容量を確保できる構成を目的に、鋭意検討した結果、所要寸法の正方形スキャニングミラーを想定した場合、ミラーを対向2辺の方向に一対(二本)のサスペンションビームで揺動可能に支持し、かつサスペンションビーム方向(揺動軸方向)に櫛歯状の電極を連接配置して静電容量駆動部を設ける構成となすことで、基本的にミラーの共振周波数を高め、駆動部の静電容量を増大させることが可能であることを知見した。
また、発明者らは、上記の一対(二本)のサスペンションビームで揺動可能に支持されるミラーは、正方形ミラーより長方形ミラーとなして長辺に長いサスペンションビームを設けるほうがその共振周波数を高めることができ、さらに矩形より楕円や長楕円として最外周部の質量を落とすことで、より共振周波数を高めることができることを知見し、この発明を完成した。
すなわちこの発明は、基板に形成したサスペンションビームで揺動支持可能に構成したスキャニングミラーを有するメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)とスキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))であるであることを特徴とするMEMSミラースキャナである。
また、この発明は、基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したことを特徴とするMEMSミラースキャナである。
また、発明者らは、上記の光透過窓を拡大した構成のMEMSミラースキャナにおいて、
光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲であり、高速スキャニングを実現できる構成、
スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)とスキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))であり、多様かつ種々の仕様にて高速スキャニングを実現できる構成、
光透過窓の形状が、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向が光の入射、反射方向であり、反射方向あるいは入射、反射両方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に非対称形あるいは対称形であり、機能的な構成、
スキャニングミラーを収容したギャップ内周部内からなる光透過窓は、ギャップ内周部内から基板外周側あるいは基板外周外へ伸びる通路またはスリットを有し、製造性に優れた構成構成、
スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向で光の反射方向に設ける拡大された揺動軸からのギャップ長さLは、同方向のスキャニングミラー長さの1/2以上であり、高速スキャニングを実現できる構成、
を併せて提案する。
この発明によるMEMSミラースキャナは、例えばレーザープリンタで要求される600dpiの性能を実現するに際して、必要な光学経路や該ミラー外径は3mm以上、該ミラーによる光振幅が50°以上が必要となり、ここでスキャニングドラムと平行方向から光が入射する場合、スキャニングミラー面には45°から90°の範囲で入射することになるが、高速化の大きな前記振幅で該ミラーを駆動しても極めて浅い角度で入射する光を支障なく通過させることができ、しかもデバイス作製で使用する基板サイズを必要最小限に最適化して、高精度スキャニングとデバイスの小型化の技術課題の両方を達成できる。
この発明によるMEMSミラースキャナは、当該ミラーへの光の入射角度が出射対象表面、すなわちスキャニングドラムの直交方向に対して25°〜90°の範囲となるように、例えば該ドラム前側にレーザー光ユニットを配置したプリンタ等を構成することができ、またこの構成において、最適な光学経路を有し且つ上述の高精度スキャニングとデバイスの小型化を達成したミラースキャナを配置することができる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なスキャニングミラーの支持構造を有し、さらに長いサスペンションビームに沿って静電容量駆動部が配置されて十分な静電容量が確保されるため、ポリゴンミラースキャナの代替が可能であり、回転体がないことから発塵フリーであり、従来に比してより小型化が可能で、光学系の小型化と省レンズ化、さらに省電力、静音化、起動時間短縮などが実現できる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、例えばミラー長さ4mm以上の大きなスキャニングミラー、特にレーザープリンタで使用される楕円や長楕円形状のレーザー光形状と合致する大型ミラーを、1.5kHz以上の共振周波数と±15°以上の振幅で駆動することができ、レーザープリンタで要求される300dpi、600dpiの性能を実現できる。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、シリコンなどの半導体基板にエッチングや成膜などのマイクロマシニング技術を用いて形成するものでさらに、静電駆動や制御用のDC電源、AC電源をも基板に形成でき、ポリゴンミラースキャナや電磁駆動型MEMSミラースキャナより、簡素且つ製造性の良い構成からなるため、安価に提供できる利点がある。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、シリコンなどの半導体基板に形成した同材質のサスペンションビームを剛性を上げることなく利用できる構成からなり、例えばポリミイド膜をトーションバーに使用する従来の構成に比してミラーの動作安定性(特にジッター)に優れる。
図1は、レーザープリンタでA4サイズ、600dpiの性能を実現する場合に必要な光学経路やスキャニングミラー外径を示す概念説明図であり、600dpiに必要な光学経路2の径(ビーム幅)は3.1mmである。ここで、スキャニングミラー3への入射光がスキャニングドラム1と平行方向として図で右側から来る構成を想定する。スキャニングミラー3の外径が光学経路2と同様の3.1mmである場合、高速化の大きな振幅で該ミラー3を駆動すると、ミラー3で入射光を反射してドラム1端へ出射することができないことが明らかである。
図2Aに示すように、光学経路2の径は3.1mmでこれがスキャニングミラー3に対して51°の角度で入射するものと想定すると、図2Bに示すように、前記分解能からスキャニングミラー3による光振幅は50°以上要求されるため、全ての入射光をドラムに反射するには、スキャニングミラー3の大きさは光学経路2の径よりもずっと大きくなることが分かる。
すなわち、ビーム幅をD、その入射角度をθ2、スキャニングミラー長さをx、スキャニングミラーの片振幅角度θ1、ビームの垂線に対するスキャニングミラー角度をθ4とすると、該ミラー角度θ4は、θ4=180-(θ2+90)+θ1 であり、スキャニングミラー長さaは、a=D/cosθ4 である。
ここで、スキャニングミラー3が必要とする長さaは、上記式にて計算すると、4.98mmとなり、光学経路2の径の1.61倍必要であることが分かる。そこで、スキャニングミラーの外径は、少なくとも光学経路径と同等であり、最大では光学経路径の2倍が必要である。
図3は、この発明による基板に形成されたスキャニングミラーと光透過窓を示すものである。図3Aに示すように、基板10に所要のギャップ11を設けて分離形成したスキャニングミラー12を一対のサスペンションビーム13,13で揺動支持されており、該ミラー12を収容したギャップ11内周部内が光透過窓14を形成した構成である。
図3Bに示すように、スキャニングミラー12の揺動軸方向Yに直交する方向Xの断面で該ミラー12を見た場合、ミラー12への入射角θ2が45°であると、前記分解能からスキャニングミラー12による光振幅は50°以上要求されるため、最初に設定されたギャップ11による光透過窓14では、反射光は基板10の裏面に当たりドラムへ出射することがない。
しかし、ここで、揺動軸方向Yに直交する方向Xのギャップ11を広げて拡大された光透過窓15とすることで、スキャニングミラー12による光振幅の範囲にある全ての入射光を問題なく反射することができる。
このようにスキャニングミラー12からの入反射光が支障なく通過するためには、当該ミラー12周辺の空間を大きく取ればよいが、前述の図2のように最大では光学経路径の2倍が必要であり、要求されるミラー外径は小型化するためには最小必要限としなければならない。
すなわち、図3A,Bに明らかなように、必要範囲は入射側が小さく、出射側が大きくなるので、入射側と出射側の空間を非対称にすることで必要最小限の空間が得られることがわかる。
サスペンションビーム数が1の場合は、スキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅は、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さよりも短い方が望ましく、ミラー長さ(a)の50%以下であることが好ましい、その理由は、ミラー長さaはプリンターの主走査方向の分解能に関連し、幅寸法bはプリンターの副走査方向の分解能に関連し、主走査方向の分解能はミラー長さと周波数で決まることによる。さらに、副走査方向の分解能はプリンターの機能上、主走査方向の分解能より低く設定できるため、ミラー幅bは極慣性能率に比例するので、これを50%以下にすると分解能要求と固有振動数を高くすることの両者をバランスよく満たすことができるので望ましい。しかし、サスペンションビーム数が複数のマルチビームを使用する場合は、ビーム数に対応して揺動軸方向の寸法を増加させることが必要になる時がある。
さらに詳述すると、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)とスキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))であることが好ましい。
この発明において、スキャニングミラーの形状は、矩形、菱形、多角形、円、楕円状のいずれでもよい。また、形状は、矩形、菱形よりも多角形、円より楕円状、さらにトラック形状が好ましい。
この発明において、スキャニングミラーの揺動軸方向長さと、揺動軸に直交する方向長さの比を上記範囲とするが、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大するとよい。
詳述すると、拡大すべき寸法は、図4において、スキャニングミラーの片振幅角度をθ1、入射角度をθ2、出射角度をθ3、スキャニングミラー長さをa、スキャニングミラーの揺動軸より光透過窓端までの距離をギャップ長さLとすると、出射角度θ3は、θ3=θ2-(2θ1) であり、ギャップ長さLは次式となる。
L=(a/2)sinθ1/tanθ3+(a/2)cosθ1
この発明において、光透過窓の形状は、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向が光の入射、反射方向であり、入射、反射両方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に対称形であってもよく、もちろんサイズの低減には、反射方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に非対称形が望ましい。
この発明において、スキャニングミラーを収容したギャップ内周部内からなる光透過窓は、ギャップ内周部内から基板外周側あるいは基板外周外へ伸びる通路またはスリットを有した構成であってもよい。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナ20は、図5Aに示すごとく、シリコンなどの半導体基板の同一直線上に形成配置される一対のサスペンションビーム22,23間にスキャニングミラー21を形成し、サスペンションビーム22,23の終端にS字型ヒンジを介して固定部を設けたトーションバー部24,25を有し、該直線を揺動軸として該ミラー21を揺動可能に支持する構成を基本構造とする。
なお、S字型ヒンジ40は、図5Bに示すごとく、サスペンションビーム22内に配置することができる。また、図示のスキャニングミラー21とサスペンションビーム22,23は、基板内に形成されるが、図示ではそのパーツのみを描いており、ビーム22,23の両端には基板と接続するヒンジを有しており、ここで支持される構成であり、光透過窓も省略している。
また、この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナ20は、基板を表示せずにパーツのみ表示する図5の例では、サスペンションビーム22,23に沿って静電容量駆動部26,27が配置され、各静電容量駆動部26,27は、サスペンションビーム22,23から延びる櫛歯が可動側で、基板側に固定される櫛歯26a,26b、27a,27bと噛合するように配置される構成を特徴とする。
図6は静電容量駆動部がサスペンションビームの片側にのみ配置される構成例であり、スキャニングミラーとサスペンションビームが形成される基板の構成を示す。
MEMSデバイスの構成は、2枚の基板を積層して構成するが、その上側基板は、図6に示すごとく、基板30の中央に円形のスキャニングミラー31を設け、その揺動軸方向にサスペンションビーム32,33が設けられ、その両端部のヒンジ34,35を介して基板30側に並びにスキャニングミラー31の接続部の根本にS字型トーションバー構造のヒンジ36,37を介してスキャニングミラー31が支持される。
サスペンションビーム32,33の長手側面には、揺動軸に直交する方向に延びる揺動側の櫛歯38が形成され、図示しない下層基板に設けられる固定側の櫛歯とで静電容量駆動源としてサスペンションビーム32,33を介してスキャニングミラー31を揺動駆動する。
なお、サスペンションビーム32,33の支持は、上述の直線状、S(Z)字状のヒンジほか、種々屈曲形状のヒンジを採用することができ、また、ビーム長さや静電容量駆動源の櫛歯が両側にある場合などの条件に応じて、複数箇所に該ヒンジを設けてスキャニングミラー31支持する構成とすることができ、ヒンジの屈曲形状等に応じて支持のために可動側と固定側とを設定した構成とすることができる。
図示しない下層側の基板には、上層の基板板30のスキャニングミラー31とサスペンションビーム32,33が揺動可能なように同部を空洞化してあり、上層側の揺動側櫛歯と対をなして静電容量駆動源を構成できる固定側櫛歯が多数配置されている。さらに上層基板と下層基板が積層される時、上層板側に形成される固定部が固着されるように、下層側にも対応するアイランド部が形成される。
図示しないが、スキャニングミラーの表面に細く深い形状の多数の溝条を形成することができ、多数の溝条はスキャニングミラーの質量低減と動的変形を低減する機能がある。すなわち、MEMSデバイスは、その全ての動的変形を最小にすることで、光学的分解能が向上する。
なお、多数の溝条は、スキャニングミラー上層部の各パーツをエッチングで形成する際に、同時にその溝幅や深さを所定値となるように制御される。あるいは、スキャニングミラーの表面以外が被覆されて当該表面に溝条をエッチングで形成する方法も採用できる。
さらには、スキャニングミラーの剛性と軽量化のために、基板と軽量化のためのビーム部材の張り合わせした構成とすること可能であり、ビーム部材もH型、I型、コ型、山型等種々の形状が採用でき、その配置や本数を有限要素法にて最適化するとよい。
以上、スキャニングミラーとサスペンションビームを設ける上層板と下層板を積層した構成のMEMSミラースキャナを説明したが、サスペンションビームとスキャニングミラーが形成される同一基板内の櫛歯状構造に電極が配置される構成など、静電容量駆動源を含めて上層板のみでMEMSミラースキャナを構成できることは当然である。
この発明において、スキャニングミラーの非反射裏面または各サスペンションビームあるいはその両方に質量軽減手段を施すことは、可動部の共振周波数を制御したり、動的なバランスを取るなどの場合に有効である。質量軽減手段としては、微小な貫通孔や穴を多数設けたり、所要箇所に多条リブ構造、ハニカム構造、断面が横H型(I-beam)構造、T字型構造、山型構造を設けるなど、目的と設置箇所に応じて適宜選定すると良い。さらに、慣性能率軽減手段を設けることことも可能である。例えば、ある箇所の質量を減らし、同時に他の箇所の質量を増やすことにより、質量は変化しないが、当該部の慣性能率が軽減されて、周波数増加や振り角の増加の効果を得ることができる。
この発明において、用いる基板は特に限定されないが、高速スキャニングを実現するには厚みが0.05mm以上であることが望ましく、単層基板または貼り合わせ基板からなる基板を適宜採用できる。
また、スキャニングミラーは、表面に成膜または貼り合わせ層を有する構成が採用できる。公知のシリコン基板、貼り合わせ層を有するシリコン基板、ガラス基板などを利用することもできる。
また、基板1枚でMEMSミラースキャナを構成する場合は、サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以上であることが望ましい。また、積層構造を採用する場合は、サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以下であることが望ましい。
この発明において、サスペンションビーム、スキャニングミラー、静電容量駆動部の可動部全体が真空雰囲気に配置される構成やミラーの振幅角の増幅を図るための抵抗低減構成を採用すると、空気の粘性等を考慮することなく、各部形状などを設計することが可能となる。
この発明において、対象とする半導体基板にサスペンションビームで揺動可能に支持するミラーを形成した静電駆動型MEMSミラースキャナーは、基板上に各種材料の薄膜をパターン加工、積層したりして製造する表面マイクロマシニング、あるいは基板自体をエッチング加工したり、さらには成膜を併せて行うなどのバルクマイクロマシニングで製造される。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナーにおいて、その駆動源の静電容量素子として、櫛歯型電極構成を説明したが、ミラーの位置決めや補正などに補助的に平面型電極構成を採用することが可能である。
この発明の静電駆動型MEMSミラースキャナーにおいて、静電駆動用の櫛歯型電極に、まずマイクロミラーの共振周波数に合致あるいは近似するようにDC電圧を印加するため、予め該DC電圧値を求めて電圧制御手段へ設定しておき、次に該ミラーを揺動駆動するために駆動用の電極間にAC電圧を印加することができる。
サスペンションビームの構成によって、スキャニングミラーの固有の共振周波数が決定されるが、さらに該ミラーの回転軸のばね定数、予定するミラーの揺動運動パターン、必要とされるミラーの振幅すなわち回動角度などの諸条件に応じて、どの程度共振すべきか、振れ角が最大となるようにするのか、ある範囲に収まるようにするかが考慮されて、該DC電圧値が決定されるとよい。
実施例1
前述した図5と同様構成において、片側のみの静電駆動源をサスペンションビームの両側に配置して、それに伴いスキャニングミラーの接続部に設けていたS字型ヒンジをサスペンションビームエンドとサスペンションビーム内に所定間隔で複数個配置し、静電駆動型MEMSミラースキャナとして、表1に示す寸法や特性を有する構成のものを作製した。その結果、スキャニングミラーの共振周波数は1500Hz、振れ角は±15°の性能が得られた。
実施例2
静電駆動型MEMSデバイスとして、基本的には前述した実施例1と同様の構成を採用し、上層基板に形成したスキャニングミラーには長楕円形状を採用している。また、各サスペンションビームには、その端部のS字型ヒンジを含めてそれぞれトーションバーを6個ずつ採用した構成である。
さらにここでは、該ミラーに近いトーションバーは固定部を介して1つのS字型ヒンジを有し、端部のヒンジ型を除く残りのトーションバーは、1つの固定部に対して2つの旋状ばねを有する構成のものを3個設けて、総数8個のトーションバーを設けた構成を作製した。その結果、スキャニングミラーの共振周波数は2000Hz、振れ角は±16.25°の性能が得られた。
実施例3
実施例3の静電駆動型MEMSデバイスは、基本的には前述した実施例と同様の構成を採用したものであり、上層板に形成したスキャニングミラーには各サスペンションビーム方向に長い長楕円形状を採用した。その結果、スキャニングミラーの共振周波数は3000Hz、振れ角は±22°の性能が得られた。
a : スキャニングミラーx軸方向(縦)寸法、
b: スキャニングミラーy軸方向(幅)寸法、
c: トーションバー幅、
L: トーションバー1本の長さ(展開長さ)
n: トーションバー本数、
nc: 櫛本数、
t: 基板厚さ(但し、t>cと想定する)、
w: 櫛切れ込み量、
δ: 駆動部電極間のギャップ
K: ばね定数(全体)、
I: 揺動軸回りの慣性能率
Figure 2006018250
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、デジタルコピー、バーコードリーダ、レーザープリンタ、共焦点顕微鏡、光ファイバ・ネットワーク構成部材、プロジェクタ用の映写ディスプレイ、背面映写TV、装着可能なディスプレイ、車載レーザーレーダー及び軍事用レーザ追跡・誘導システムなどの用途がある。
この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナは、静電力の少ない駆動力でも駆動可能な柔軟なスキャニングミラーの支持構造を有し、さらに長いサスペンションビームに沿って静電容量駆動部が配置されて十分な静電容量が確保されるため、ポリゴンミラースキャナの代替が可能であり、特にレーザープリンタで使用される楕円や長楕円形状のレーザー光形状と合致する大型ミラーを、1.5kHz以上の共振周波数と±15°以上の振幅で駆動することができ、レーザープリンタで要求される300dpi、600dpiの性能を実現できる。
レーザープリンタでミラースキャナが所要の性能を実現する場合に必要な光学経路やスキャニングミラー外径を示す概念説明図である。 A、Bはミラースキャナのな光学経路やスキャニングミラーとの関係を示す説明図である。 A、Bはスキャニングミラーを形成した基板におけるレーザー光の入射、出射と基板との位置関係を示す説明図である。 ミラースキャナの光学経路やスキャニングミラーとの関係を示す説明図である。 この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナの一実施例を示す説明図であり、Aは全体のパーツを示し、Bはサスペンションビームの他の実施例を示す。 この発明による静電駆動型MEMSミラースキャナの一実施例を示す説明図である
符号の説明
1 スキャニングドラム
2 光学経路2
3 スキャニングミラー
10 基板
11 ギャップ
12,21,31 スキャニングミラー
13,22,23,32,33 サスペンションビーム
14 光透過窓
20 MEMSミラースキャナ
24,25 トーションバー部
26,27 静電容量駆動部
26a,26b,27a,27b,38 櫛歯
40 S字型ヒンジ

Claims (22)

  1. 基板に形成したサスペンションビームで揺動支持可能に構成したスキャニングミラーを有するメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲で、スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)とスキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))であるであるMEMSミラースキャナ。
  2. 基板にギャップを設けて分離形成したスキャニングミラーをサスペンションビームで揺動支持可能にし、該ミラーを収容したギャップ内周部内が光透過窓を形成したメイン基板のみ、または他基板と積層して構成するMEMSミラースキャナであり、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向のギャップを、基板厚みと該ミラーの揺動角度並びに該ミラーへの光の入射角度から決定される該ミラーからの光の反射が光透過窓を通過可能になるよう拡大したMEMSミラースキャナ。
  3. 光の入射角度が出射対象表面の直交方向に対して25°〜90°の範囲である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  4. スキャニングミラーの揺動軸に直交方向のミラー長さ(a)とスキャニングミラーの揺動軸方向のミラー幅(b)の関係は、(a≧b,a:b=(1.0〜2.0):1) または(a<b,a:b=1:(1.001〜2))である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  5. 光透過窓の形状が、スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向が光の入射、反射方向であり、反射方向あるいは入射、反射両方向にギャップ長さが拡大され、該ミラーの揺動軸方向に非対称形あるいは対称形である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  6. スキャニングミラーを収容したギャップ内周部内からなる光透過窓は、ギャップ内周部内から基板外周側あるいは基板外周外へ伸びる通路またはスリットを有した構成である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  7. スキャニングミラーの揺動軸に直交する方向で光の反射方向に設ける拡大された揺動軸からのギャップ長さLは、同方向のスキャニングミラー長さの1/2以上である請求項2に記載のMEMSミラースキャナ。
  8. スキャニングミラーの形状は、矩形、菱形、多角形、円、楕円状である請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  9. 各サスペンションビームとスキャニングミラーとの間に孔部を有する接続部を備えている請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  10. スキャニングミラーとは反対側の各サスペンションビーム端にトーションバー部を備えている請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  11. 各サスペンションビーム内に少なくとも1つのトーションバー部を備えている請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  12. 各サスペンションビームの片側に沿って複数のトーションバー部を備えている請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  13. スキャニングミラーの非反射裏面または各サスペンションビームあるいはその両方に質量軽減手段又は慣性能率軽減手段が施されている請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  14. 質量軽減手段は、貫通孔、穴、多条リブ構造のいずれかあるいはそれらの組合せである請求項13に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  15. 静電容量駆動部は、サスペンションビームと同一基板内にスキャニングミラーの揺動軸に直交方向に形成する櫛歯状構造で構成される請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  16. 静電容量駆動部は、サスペンションビームとスキャニングミラーが形成される同一基板内に、櫛歯状構造で構成され、同構造内に電極が配置される請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  17. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板を上層板とし、所要形状のパターンを形成した他基板を下層板として積層配置し、下層板側にミラーの揺動空間を形成した請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  18. 上層板の静電容量駆動部は、サスペンションビームと同一基板内にスキャニングミラーの揺動軸に直交方向に形成する櫛歯状構造で構成され、下層板内に上層板の櫛歯状構造と対をなす櫛歯状構造を設けて静電容量駆動部を配置した請求項17に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  19. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板は、単層基板または貼り合わせ基板からなる請求項15から請求項17のいずれかに記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  20. サスペンションビームとスキャニングミラーを設ける基板厚みは、スキャニングミラーの厚みと同等以上である請求項15又は請求項16に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  21. スキャニングミラーは、表面に成膜または貼り合わせ層を有する請求項1または請求項15から請求項17のいずれかに記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
  22. サスペンションビーム、スキャニングミラー、静電容量駆動部の可動部全体が真空雰囲気に配置される請求項1又は請求項2に記載の静電駆動型MEMSミラースキャナ。
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