JP2006016671A - Ni基合金部材とその製造法及びタービンエンジン部品並びに溶接材料とその製造法 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、溶接金属の粒界割れ抵抗を向上させ、疲労強度の高いNi基合金部材とその製造法及びタービンエンジン部品並びに溶接材料とその製造法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、Ni基合金からなる無処理領域と溶接修復領域とを含み、前記修復領域が層状のη相(Ni-Ti化合物)が析出したTiを含有するNi基合金からなることを特徴とするNi基合金部材にある。
【選択図】図1
Description
Cr:13.0〜15.0重量%
Crは、合金の高温における耐食性を改善するのに有効な元素であり、その効果がより顕著に現れるのは13.0重量%を超過する添加からである。そして、Cr含有量の増加に伴ってその効果は大きくなるが、多くなると固溶強化元素の固溶限度を下げるとともに、脆化相であるTCP相が析出して高温強度を害するため、その上限を15.0重量%とする。この組成範囲に於いて、強度と耐食性において高いバランスが得られる。
Coは、γ'相(NiとAlの金属間化合物Ni3Al)の固溶温度を低下させて溶体化処理を容易にするほか、γ相を固溶強化しクリープ強度を高めると共に高温耐食性を向上させる効果を有する。そのような効果が現れるのは、Coの含有量が5重量%以上である。一方、Coの含有量が15.0%を越えると、析出強化相であるγ'相の析出を抑制し、高温強度を低下させてしまうため、15.0重量%以下にする。この組成範囲に於いて、溶体化熱処理の容易性と強度とのバランスを考慮した場合、好ましくは8.5〜10.5重量%の範囲、より好ましくは9〜10重量%の範囲である。
Wは、マトリックスであるγ相と析出相であるγ'相に固溶し、固溶強化によりクリープ強度を高めるのに有効な元素である。そして、このような効果を十分に得るためには3重量%以上の含有量である。しかし、Wは比重が大きく、合金の重量を増大するばかりでなく、合金の高温における耐食性を低下させる。また、5重量%を越えると針状のα―Wが析出し、クリープ強度、高温耐食性及び靭性を低下させるため、その上限を5重量%とする。この組成範囲に於いて、高温における強度、耐食性及び高温での組織安定性のバランスを考慮した場合、好ましくは3.5〜4.5重量%の範囲である。
Taは、η相[Ni3(Ti・Ta)]を形成させる元素で、粒界に層状形成させるので、粒界クラックの進展を抑制するものである。この効果を十分に得るためには、4.5重量%以上の含有量であり、5.5重量%を超えると過飽和になって針状のδ相[Ni、Ta]が析出し、クリープ強度を低下させる。従って、その上限を5.5重量%とする。
Ti:4.5〜5.5重量%
Tiは、Taと同様にη相[Ni3(Ti・Ta)] を形成させる元素で、粒界に層状形成させるので、粒界クラックの進展を抑制するが、Taよりその効果は小さい。むしろ、Tiは合金の高温における耐食性を改善する効果があるので、4.5重量%以上の含有量とする。しかし、5.5重量%を越えて添加すると、耐酸化特性が劣化するため、その上限を5.5重量%とする。
Al:1.5〜2.5重量%
Alは、析出強化相であるγ'相[Ni3Al]の構成元素であり、これによりクリープ強度が向上する。また、耐酸化特性の向上にも大きく寄与する。それらの効果が十分発揮されるためには、1.5重量%以上の含有量が必要であるが、2.5重量%を超えると、η相[Ni3(Ti・Ta)]が不安定になり、粒界クラック進展の抑制が得られないことから、1.5〜2.5重量%の範囲とする。
C:0.02〜0.15重量%以下及びB:0.005〜0.03重量%以下
これらの元素は従来の普通鋳造合金及び一方向凝固柱状晶合金において粒界強化元素として用いられた元素である。しかし、単結晶合金では、これらの粒界強化元素は必要なく、むしろその製造の際には有害元素となるが、その後の表面への被覆処理には有効である。そして、これらの元素の含有を避けられないこともあり、極めて僅か含有される。
Claims (15)
- Ni基合金からなる無処理領域と溶接修復領域とを含み、前記修復領域が層状のη相(Ni-Ti化合物)が析出したTiを含有するNi基合金からなることを特徴とするNi基合金部材。
- 請求項1において、前記修復領域が、重量で、Cr 13〜15%、Al 1.5〜2.5%、Co 5〜15%、Ti 4.5〜5.5%、Ta 4.5〜5.5%、W 3〜5%、B O.O05〜O.03%、C O.02〜O.15%以下を含み、主成分がNiであることを特徴とするNi基合金部材。
- 請求項1又は2において、前記無処理領域が、重量で、Cr 14〜18%、Al 2.5〜4.5%、Co 7〜11%、Mo 1.0〜2.5、Ti 2.5〜6.0%、Ta 1.0〜4.0%、B O.O05〜O.003%及びC O.05〜O.15%以下を含み、主成分がNiであることを特徴とするNi基合金部材。
- Ni基合金部材の一部に、Tiを含むNi基合金によって肉盛溶接層を形成した後、1100〜1150℃で時効処理を行い、次いで825〜875℃で時効処理を行うことを特徴とするNi基合金部材の製造法。
- 請求項4において、前記Ni基合金部材を予熱し、次いで前記肉盛溶接層を形成することを特徴とするNi基合金部材の製造法。
- 請求項4又は5において、前記溶接は、プラズマアーク溶接又はレーザー溶接であることを特徴とするNi基合金部材の製造法。
- 請求項4〜6のいずれかにおいて、Ni基合金部材の一部を除去した後、該除去した部分を前記肉盛溶接によって補修することを特徴とするNi基合金部材の製造法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のNi基合金部材からなることを特徴とするタービンエンジン部品。
- 請求項8において、前記Ni基合金部材が翼部と植え込み部を有する発電ガスタービン用ブレードであり、前記修復領域が前記翼部の先端であることを特徴とするタービンエンジン部品。
- 請求項8又は9において、前記Ni基合金部材は、前記翼部から植え込み部に亘って一方向凝固された柱状晶を有することを特徴とするタービンエンジン部品。
- 請求7において、前記Ni基合金部材が翼部と該翼部の両端に設けられたサイドウォールとを有する発電用ガスタービン用ノズルであり、前記修復領域が前記翼部の前縁領域であることを特徴とするタービンエンジン部品。
- 請求項8〜11のいずれかにおいて、前記発電用ガスタービン用ブレード及びノズルの少なくとも一方は、少なくとも前記翼部にセラミック遮熱コーティングを有することを特徴とするタービンエンジン部品。
- 重量で、Cr 13〜15%、Al 1.5〜2.5%、Co 5〜15%、Ti 4.5〜5.5%、Ta 4.5〜5.5%、W 3〜5%、B O.O05〜O.03%、C O.02〜O.15%以下を含み、主成分がNiであるNi基合金からなることを特徴とする溶接材料。
- 請求項13において、前記Ni基合金は、粒径が5〜200μmである粉末からなることを特徴とする溶接材料。
- 重量で、Cr 13〜15%、Al 1.5〜2.5%、Co 5〜15%、Ti 4.5〜5.5%、Ta 4.5〜5.5%、W 3〜5%、B O.O05〜O.03%、C O.02〜O.15%以下を含み、主成分がNiであるNi基合金粉末を真空ガスアトマイズ法によって形成することを特徴とする溶接材料の製造法。
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