JP2006014265A - 広帯域エレメント、および該エレメントを含む広帯域アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
細幅状導体(2)により開放端がない複数個のスリット(3)を形成し、該細幅状導体部分に単一の給電点(S1)を設ける。給電点(S1)には同軸ケーブル(5)の内部導体(5a)を接続し、グランド板(4)上のアースポイント(S2)には該同軸ケーブル(5)の外部導体(5b)を接続する。その際、広帯域エレメント(1)とグランド板(4)とは電気的に非接続状態とする。
【選択図】 図2
Description
多周波化の一例として、複数の閉ループ素子(エレメント)からなるアンテナが提案されている。(特許文献1)
しかしながら、この提案のアンテナは帯域が広い反面、放射器、導波器、及び連結部で構成されているためエレメント形状が複雑であるばかりでなく、製造工数が掛かるという問題がある。更に、寸法的にも小型化が実現できないという限界もかかえている。
そして、アンテナとしての更なる小型化を図るため、グランド板を該エレメントから電気的に分離しつつも、該細幅状導体部分に単一の高周波同軸ケーブルの内部導体を、同時に、グランド板には該ケーブルの外部導体を接続することに着目した。
又、グランド板をエレメントから分離・別体とすることは、各種の配設方法を可能にするもので、取付け自由度も増加する。この結果、本発明のエレメントはパソコン等の情報端末機器内蔵用アンテナとして極めて有用である。
図1は、本発明に係る広帯域エレメントの一例を示す平面図である。
図2は、図1のエレメントを含むアンテナの一例を示す斜視図である。
図3は、図2のアンテナの周波数特性(VSWR特性)を示す図(グラフ)である。
図4は、本発明に係る広帯域エレメントの他の態様を示す平面図である。
図5は、図4の広帯域アンテナの周波数特性(VSWR特性)を示す図である。
図6は、本発明に係る広帯域エレメントの更に他の態様を示す平面図である。
図7は、本発明に係る広帯域エレメントの更に別の態様を示す平面図である。
図8は、本発明に係る広帯域エレメントの更に別の態様を示す斜視図である。
図1には、3個の閉スリットを設けて、2.5GHz〜10.6GHzの範囲で広帯域化を実現した“目”の字状の平板エレメントが示されている。その際、(1)はエレメント、(2)は細幅状導体、(3)は細幅状導体(2)によって取り囲まれた閉スリット、(L1)はエレメント(1)の長手方向の長さ、(L2)はエレメント(1)の幅方向の長さ、(L3)は閉スリット(3)の長さ、(L4)は閉スリット(3)の幅、(L5)は細幅状導体(2)の幅、そして、(S1)は、高周波同軸ケーブルの内部導体が接続される給電点である。
図2には、上記の平板エレメントを含むアンテナが示されている。該図において、(1)、(2)、(3)及び(S1)の符号は図1の場合と同じである。他方、(4)は、エレメント(1)とは電気的に非接続状態にあるグランド板、(5)は給電用同軸ケーブル、(5a)は給電用同軸ケーブル(5)の内部導体、(5b)は給電用同軸ケーブル(5)の外部導体、そして、(S2)はアースポイントである。
図2のアンテナを、後揚の実施例に示す材質と寸法で作成し、その実験結果であるアンテナの周波数特性(VSWR特性)を示したのが図3である。
この点について再度、図1〜図3を参照しながら、更に詳細に説明する。
先ず、図1及び図2に示すように、細幅状導体(2)に設けられた給電点(S1)からの高周波電流は左右に分散するだけでなく、細幅状導体(2)のエレメント長が異なる各種経路を辿って流れ、これとともに、基本波のみでなく、倍周波等の高調波を含めた高周波電磁界が発生して多くの共振点が生じる。このとき、細幅状導体(2)は2.5GHz〜10.6GHzの範囲に多くの共振点を有する、モノポールアンテナエレメントとして機能することになる。同時に、夫々の閉スリット(3)は細幅状導体(2)と同様、2.5GHz〜10.6GHzの範囲に多くの共振点を有する、スリットアンテナエレメントとして機能する。
細幅状導体(2)及び夫々の閉スリット(3)を上記の周波数で共振させるためには、エレメント(1)の長手方向の長さ(L1)、エレメント(1)の幅方向の長さ(L2)、閉スリット(3)の長さ(L3)、閉スリット(3)の幅(L4)、及び細幅状導体(2)の幅(L5)を夫々に適宜な値に調整すればよい。図1〜図2の例で言えば、2.5GHzが下限であるので、給電点から最長パスが4分の1波長以上になるよう設定すればよい。その際、夫々の閉スリット(3)の幅(L4)はスリットアンテナエレメントとして安定に機能させるため、0.1mm〜4mmであることが好ましく、特に0.5mm〜1.5mmが好ましい範囲である。同時に、細幅状導体(2)の幅(L5)はリターンロスあるいはVSWR等アンテナ特性を考慮して1mm〜5mmの範囲から適宜採択する。
細幅状導体(2)の材質としては、洋白(白銅)、銅、鉄、あるいは黄銅等の導電性の金属が望ましい。その中でも洋白(白銅)が強度、加工性、耐腐食性に優れているので、特に好ましい。又、厚さについては格段の制約はなく、強度を考慮した適切な厚さとすればよい。
本発明において、給電点(S1)の位置は重要である。図2のアンテナにおいては、グランド板(4)に最も近い側の該細幅状導体部分に給電点(S1)を設けている。この理由は、広帯域化を実現するため、できるだけ多くのエレメント長が異なる経路を設けて、多くの共振点を生じさせるためである。その際、給電点(S1)の位置がエレメント(1)のほぼ中央に位置していると、高周波電流が細幅状導体部分上で均等に分散するので、より安定化する。
通常、エレメントとグランド板とは短絡板(あるいは短絡部)を介して一体的に接続されている。他方、アンテナを設置するパソコン等の機器はマグネシウム等の金属からなる筐体で構成されている。本発明では、この筐体を、エレメントとは電気的に非接続状態のグランド板として利用することで、前記の短絡板及び該短絡板に繋がるグランド板の両方が省略され、アンテナエレメントの大幅な小型化が実現できるからである。
このアンテナへの給電にあたっては、高周波同軸ケーブル等の給電線(5)の内部導体(5a)を前述の給電点(S1)と接続し他方、該ケーブルの外部導体(5b)をグランド板(4)に設けられたアースポイント(S2)に接続すればよい。高周波同軸ケーブル(5)としては、周知のフッ素樹脂被覆等の高周波同軸ケーブルが採用される。高周波同軸ケーブル(5)を給電点(S1)およびアースポイント(S2)に接続するには、ハンダ付あるいは超音波接続等を利用すればよい。
以上の態様は、エレメント(1)とグランド板(4)とを同一平面上で平行に配設した例である。しかしながら、両者は必ずしも平行である必要はなく、互いに所望の角度、例えば90度回転した位相で配設されてもよい。その他、不平行等のスペースに応じた各種の配設方法が採用される。
本発明のエレメントには種々の態様がある。これらについて、図4、図6、図7及び図8を参照しながら説明する。
図4の態様は、閉スリットを2個設けたもので、図1のものが目の字状であるのに対して、“日”の字状となっている。この場合、図1の平板エレメントに比べて構成が簡略化される。ただ、高周波電流の電流経路が減少し、共振点も減少するので、図5に示すように、周波数特性(VSWR)が2以下の範囲が、3GHz〜6GHzと若干、広帯域化される範囲が狭くなる。
更に、図6には台形形状の平板エレメントが、そして、図7には、図1の日の字状エレメントを横2列に配置した、いわゆる“田”の字形状の平板エレメントが示されている。この他、インピーダンス調整を容易にするため、エレメントの一部から突起状の細幅状導体を形成したり、あるいは給電点付近のエレメントの一部を円弧状にする態様等、各種態様が考えられる。
最後に、図8の態様は上述の平板エレメントの2枚を互いに対向・接続させて立体形状に構成したものである。この構成ではインピーダンス調整がより容易となる。なぜなら、この場合には、2枚の平板状エレメント間の対向距離(L6)を調整することで、図1〜図7の態様に比べて、インピーダンス調整の自由度が増すからである。
この図8では、2枚の平板エレメントを対向・接続させた態様を示したが、立体形状については、これに限ることなく、3枚以上としたり、あるいは、ブロック状とする等各種の態様がある。
先ず、縦7mm、横12mm、厚さ0.1mmの洋白からなる長方形の平板を放電加工機にて加工し、外形寸法が高さ(L2)が7mm、幅(L1)が12mmの、図1に示すエレメント(1)を得た。その際、3個の閉スリット(3)の夫々の長さ(L3)は10mm、閉スリットの幅(L4)は1mm、細幅状導体(2)の幅(L5)は1mmとした。
更に、給電点(S1)は、エレメント(1)の最下辺の細幅状導体部分の中央部、すなわち端面から6mmの位置に設けた。
以上により、高さ(L2)が7mm、幅(L1)が12mmという超小型エレメント(1)が完成した。
次に、上記にて作成したエレメント(1)を情報端末機器に内蔵させ、アンテナとして機能させるため、上記のエレメント(1)の給電点(S1)に外径0.93mm、導体径0.24mmのフッ素樹脂(PFA)高同軸ケーブル(5)の内部導体(5a)をハンダにより接続した。一方、グランド板(4)としてはエレメント(1)と同じ材質、厚さとし、縦、横ともに28mmとし、その上に設けられたアースポイント(S2)に、該ケーブル(5)の外部導体(5b)を接続して、情報端末機器内蔵用アンテナを得た。
最後に、このアンテナの周波数特性(VSWR)について試験したところ、図3に示す周波数特性が得られた。
この図からも明らかなように、本発明のアンテナにあっては、VSWRが2以下の範囲が2.5GHz〜10.6GHzと、広帯域に渡り共振しており、十分な帯域幅が確保されていることが分かる。
以上の例は、本発明の一例に過ぎず、本発明の思想の範囲内であれば、種種の変更および応用が可能であることは言うまでもない。
2 細幅状導体
3 閉スリット
4 グランド板
5 高周波同軸ケーブル
5a 高周波同軸ケーブルの内部導体
5b 高周波同軸ケーブルの外部導体
L1 エレメントの長手方向の長さ
L2 エレメントの幅方向の長さ
L3 閉スリットの長さ
L4 閉スリットの幅
L5 細幅状導体の幅
L6 平板状エレメント間の対向距離
S1 給電点
S2
アースポイント
Claims (9)
- グランド板と電気的に非接続状態で供され且つ、以下のa〜cの要件を具備することを特徴とする広帯域エレメント。
a.該エレメントは細幅状導体によって取り囲まれたスリットの複数個を有すること;
b.該スリットには開放端がないこと;そして
c.該細幅状導体には単一の給電点が設けられていること。 - 該エレメントとグランド板とが同一平面上に配設され、その際、該給電点が該グランド板に最も近い側の細幅状導体の長手方向に沿ってほぼ中央に位置している請求項1に記載の広帯域エレメント。
- 該細幅状導体がモノポールアンテナエレメントとして機能し他方、該複数個のスリットがスリットアンテナエレメントとして機能する請求項1又は2に記載の広帯域エレメント。
- 該スリットの幅が0.1mm〜4mmである請求項1〜3のいずれかに記載の広帯域エレメント。
- 該細幅状導体の幅が1〜5mmである請求項1〜4のいずれかに記載の広帯域エレメント。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の広帯域エレメントの2枚を対向・接続してなることを特徴とする立体状広帯域エレメント。
- 該対向距離が0.5mm〜10mmである請求項6に記載の立体状広帯域エレメント。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の広帯域エレメントの給電点に高周波同軸ケーブルの内部導体が接続され他方、該エレメントとは電気的に非接続状態のグランド板に該高周波同軸ケーブルの外部導体が接続されていることを特徴とする広帯域アンテナ。
- 該グランド板がアンテナ設置機器の金属筐体部である請求項8に記載の広帯域アンテナ。
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