JP2006000783A - 光触媒組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光触媒粒子(a)を、トリオルガノシラン単位、モノオキシジオルガノシラン単位、ジオキシオルガノシラン単位、及びフッ化メチレン(―CF2−)単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られた変性光触媒(A)と該変性光触媒(A)より表面エネルギーが大きいバインダー成分(B)を含有し、該バインダー成分(B)がビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基からなる群より選ばれる少なくとも一つの反応性基を含有することを特徴とする光触媒組成物。
【選択図】 なし
Description
即ち、上記のような物質は、励起光照射下において触媒のように用いることができる。そのため、上記のような物質は光触媒と呼ばれており、その最も代表的な例として酸化チタンが知られている。 この光触媒によって促進される化学反応の例としては、種々の有機物の酸化分解反応を挙げることができる。従って、この光触媒を種々の基材の表面に固定化させれば、基材の表面に付着した種々の有機物を、光エネルギーを利用して酸化分解することができることになる。
一方、ある種の光触媒に光を照射すると、その光触媒の表面の親水性が高まることが知られている。従って、この光触媒を種々の基材の表面に固定化させれば、光の照射によりその基材の表面の親水性を高めることができるようになる。
光触媒を固定化する方法については、これまでに種々の提案がなされているが、特に有用な方法の1つとして、光触媒を含む組成物によって基材の表面をコーティングし、光触媒を含む皮膜を形成させることにより、光触媒を基材の表面に固定する方法が注目されている。
この方法によって光触媒の固定化を行う場合、(1)光触媒の活性を損なうことなく、光触媒を基材の表面に強固に固定化できること、および(2)形成される皮膜およびその皮膜によって被覆された基材が、光触媒の作用で劣化しない耐久性を有すること、が要求される。
さらに、固定化する基材の適応範囲を広げるための好ましい条件として(3)固定化条件が穏和であり(室温〜150℃程度)、(4)コーティング膜は透明性に優れ、耐久性、耐汚染性、硬度等に優れた皮膜を形成することがあげられる。
コーティングによって光触媒を固定化する方法については、これまでに種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、光触媒の前駆体、例えば有機チタネートを含有するゾルを基材の表面に塗布した後、焼成によって光触媒の前駆体をゲル化させ、光触媒に変換すると共に、生成した光触媒を基材の表面に固定化する方法が提案されている。しかしこの方法は、光触媒の微粒子状結晶を基材の表面で生成させる工程を含んでおり、この工程には高温での焼成が必要である。そのため、基材の表面積が広い場合には光触媒の固定化が困難になる、という欠点がある。
また、光触媒を混合した樹脂塗料を用いて基材の表面をコーティングする方法も提案されている。例えば、特許文献3〜5では、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等の、光触媒の作用によって分解されにくい樹脂を塗膜形成要素として含む樹脂塗料に光触媒を混合し、この樹脂塗料を用いて基材の表面をコーティングする方法が提案されている。しかしこれらの方法では、樹脂塗料に対する光触媒の分散性が悪いため、樹脂塗料が白濁してしまう。また、これらの方法によって良好な物性を示す被膜を得るためには、上記の樹脂の使用量を多くする必要があるが、そのようにするとコーティングによって形成された皮膜の中に光触媒が埋没してしまい、十分な活性を示さないという欠点がある。
さらに、光触媒を固定化する基材として、プラスチック成形体、フィルム、有機塗膜等の有機基材を用いた場合、上述した従来技術で得られる光触媒皮膜は光触媒作用により該有機基材を酸化分解し、有機基材と光触媒皮膜との間の界面劣化を生じ、長期にわたる耐久性を維持できないという欠点も有している。
特許文献6では、樹脂塗料と、その樹脂塗料を構成する溶剤に対する濡れ性を調整した光触媒粒子を併用する方法が提案されている。即ち、まず基材の表面に樹脂塗料を塗布し、次いでその樹脂塗料が硬化する前に、樹脂塗料の上に光触媒粒子を塗布する方法が提案されている。しかしこの方法では、工程が煩雑な上、均質で透明な塗膜が得られない欠点がある。なおこの特許公報中では、さらに、工程の簡略化を目的として、溶剤に対する濡れ性を調整した光触媒粒子を樹脂塗料中に混合したものを塗布することによりコーティングを行う方法も提案されている。しかし、溶剤に対する濡れ性を調整しただけでは、コーティングによって形成された皮膜の中への光触媒粒子の埋没を阻止することはできず、ほとんどの光触媒粒子が皮膜の中に完全に埋没してしまうので光触媒作用による有機基材の劣化を防止する効果はない。
1.式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びジフルオロメチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)で光触媒粒子(a)を変性処理することによって得られる変性光触媒(A)と該変性光触媒(A)より表面エネルギーが大きいバインダー成分(B)を含有し、該バインダー成分(B)がビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の反応性基を含有することを特徴とする光触媒組成物。
R3 Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(R2 SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
2.該変性剤化合物(b)が、Si−H基、アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応性基を含有することを特徴とする発明1の光触媒組成物。
3.該変性光触媒粒子(A) と該バインダー成分(B)の質量比(A) /(B)が0.01/99.99〜50/50であることを特徴とする発明1または2に記載の光触媒組成物。
R1 p R2 q Xr Ys SiO(4-p-q-r-s)/2 (4)
(式中、各R1 はフェニル基を表し、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。Yは、各々独立に炭素数1〜20のエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を表す。そしてp、q、r及びsは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、0<s<4及び0<(p+q+r+s)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。)
5.該バインダー成分(B)の反応性基としてエポキシシクロヘキシル基を含有することを特徴とする発明1〜4のいずれかの光触媒組成物。
7.該バインダー成分(B)がヒドロキシシリル基及び/又は加水分解性シリル基をさらに含有することを特徴とする発明1〜6のいずれかの光触媒組成物。
8.酸発生型カチオン重合開始剤(D)をさらに含有することを特徴とする発明1〜7のいずれかの光触媒組成物。
9.高エネルギー線を照射することにより硬化することを特徴とする発明1〜8のいずれかの光触媒組成物。
10.高エネルギー線源として、高圧水銀灯および/またはメタルハライドランプを用いることを特徴とする発明9の光触媒組成物。
11.該変性光触媒(A)が可視光応答型光触媒であることを特徴とする発明1〜10のいずれかの光触媒組成物。
12.発明1〜11のいずれかの光触媒組成物から形成されてなる光触媒体。
13.該変性光触媒(A)のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより光触媒活性及び/又は親水性を示すことを特徴とする発明12の光触媒体。
14.発明12または13の光触媒体が基材上に形成されてなる機能性複合体。15.光触媒体の膜厚が0.01〜100μmであることことを特徴とする発明14の機能性複合体。
16.該光触媒体が変性光触媒(A)の分布について異方性を有し、該変性光触媒(A)の濃度が、該光触媒体の基材に接する面より他方の露出面の方が高いことを特徴とする発明14または15の機能性複合体。
本発明の光触媒組成物は、変性光触媒(A)と該変性光触媒(A)より表面エネルギーが大きいバインダー成分(B)を含有し、該バインダー成分(B)がビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の反応性基を含有することを特徴とする。
本発明の光触媒組成物に含まれる変性光触媒(A)と該変性光触媒(A)より表面エネルギーが大きいバインダー成分(B)の組み合わせは、それから形成する光触媒体が変性光触媒(A)の分布について大きな自己傾斜性を有することが可能である。
ここで自己傾斜性とは、光触媒体の形成過程において変性光触媒(A)が、光触媒体が接する界面の性状(特に親水/疎水性)に対応して、変性光触媒(A)の濃度勾配を有する構造を自律的に形成することを意味し、特に光触媒体が空気と接するように形成される場合は、変性光触媒(A)は空気と接する光触媒体表面に多く存在するようになる。
また、本発明において親水性とは、好ましくは20℃での水の接触角が60゜以下である場合を言うが、特に水の接触角が20゜以下の親水性を有する表面は、降雨等の水による自己浄化能(セルフクリーニング)による耐汚染性を発現するので好ましい。さらに優れた耐汚染性発現や防曇性発現の点からは表面の水の接触角は10゜以下であることが好ましく、更に好ましくは5゜以下である。
本発明の変性光触媒(A)は、光触媒粒子(a)を、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を用いて変性処理することによって得られる。
本発明において変性とは、後述する少なくとも1種の変性剤化合物(b)を、光触媒粒子(a)の表面に固定化することを意味する。上記の変性剤化合物の光触媒粒子の表面への固定化は、ファン・デル・ワールス力(物理吸着)または化学結合によるものと考えられる。特に、化学結合を利用した変性は、変性剤化合物と光触媒との相互作用が強く、変性剤化合物が光触媒粒子の表面に強固に固定化されるので好ましい。
これらの光触媒(a)の中でTiO2 (酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれも使用できる。
また、本発明に使用する光触媒粒子(a)として、可視光(例えば約400〜800nmの波長)の照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現することが出来る可視光応答型光触媒を選択すると、本発明の光触媒組成物から形成される光触媒体は、室内等の紫外線が十分に照射されない場所等においても抗菌・防汚効果等を十分に発現することが出来るため好ましい。
更に、上述した光触媒粒子(a)は、好適にPt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又はこれらの酸化物を添加あるいは固定化したり、多孔質リン酸カルシウム等で被覆したり(例えば特開平10−244166号公報参照)して使用することもできる。
本発明においては、用いる光触媒粒子(a)の性状が、変性光触媒(A)の分散安定性、成膜性、及び種々の機能の発現にとって重要な因子となる。本発明に使用される光触媒粒子(a)としては、1次粒子と2次粒子との混合物(1次粒子、2次粒子何れかのみでも良い)の数平均分散粒子径が400nm以下の光触媒粒子が変性後の光触媒の表面特性を有効に利用できるために望ましい。特に数平均分散粒子径が100nm以下の光触媒粒子を使用した場合、生成する変性光触媒(A)からなる光触媒組成物からは透明性に優れた皮膜を得ることができるため非常に好ましい。より好ましくは80nm以下3nm以上、さらに好ましくは50nm以下3nm以上の光触媒粒子が好適に選択される。
ここで、上記光触媒ゾルまたは光触媒分散液に使用される上記有機溶媒としては、例えばエチレングリコール、ブチルセロソルブ、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等、さらにはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上述した酸化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販もされている。(例えば、石原産業株式会社製 製品名「STS−02」、田中転写株式会社製 製品名「TO−240」等)
さらに、本発明で好適に使用できる可視光応答型の光触媒ゾルも市販されている。(例えば、昭和電工(株)製 製品名「NTB−200」、住友化学工業(株)製 製品名「TSS」等)
また、光触媒分散液は、上述した光触媒粒子(a)の粉体を、必要に応じて分散安定剤を添加し、強力なせん断力の下で水中及び/または有機溶媒中に分散させることにより得ることができる。
R3 Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す)
−(R2 SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
本発明において、光触媒粒子(a)の変性剤化合物(b)による変性処理は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、前述した光触媒粒子(a)と、同じく前述した変性剤化合物(b)を好ましくは質量比(a)/(b)=1/99〜99.99/0.01、より好ましくは(A)/(b)=10/90〜99.5/0.5の割合で混合し、好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜80℃にて加熱したり、(減圧)蒸留等により該混合物の溶媒組成を変化させる等の操作をすることにより得ることができる。
ここで上記変性処理を行う場合、使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、上記変性剤化合物(b)の他の例としては、例えば光触媒粒子(a)とファン・デル・ワールス力、クーロン力等により相互作用する構造、例えばポリオキシアルキレン基、スルホン酸基、カルボキシル基等を有する、ケイ素化合物、フルオロアルキル化合物、フルオロオレフィン重合体等を挙げることができる。
Hx Ry Qz SiO(4-x-y-z)/2 (7)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。
また、式中Qは、又は下記(あ)〜(う)からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能性付与基を含有する基である。
(あ)カルボキシル基あるいはその塩、リン酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩、アミノ基あるいはその塩、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基。
(い)エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基(本発明において環状酸無水物基と非環状酸無水物基をまとめて表す)、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基。
(う)少なくとも1つの分光増感基。
また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
これらのことより、変性剤化合物(b)として上記式(7)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)を選択した場合は、本発明の変性光触媒(A)は、Si−H基含有ケイ素化合物(b1)と光触媒粒子(a)との単なる混合物ではなく、両者の間には化学反応に伴う何らかの相互作用を生じていることが予測できるため非常に好ましい。実際、この様にして得られた変性光触媒(A)は、溶媒に対する分散安定性や化学的安定性、耐久性等等において非常に優れたものとなる。
本発明において、光触媒粒子(a)の上記式(7)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)による変性処理は、Si−H基に対する脱水素縮合触媒を使用して好ましくは0〜150℃で実施することもできる。
この場合、あらかじめ光還元法等の方法で脱水素縮合触媒を光触媒粒子(a)に固定し、上記Si−H基含有ケイ素化合物(b1)で変性処理しても良いし、脱水素縮合触媒の存在下に上記Si−H基含有化合物ケイ素(b1)で光触媒粒子(a)を変性処理しても良い。
ここでSi−H基に対する脱水素縮合触媒とは、Si−H基と光触媒表面に存在する水酸基(酸化チタンの場合はTi−OH基)やチオール基、アミノ基、カルボキシル基等の活性水素基、さらには水等との脱水素縮合反応を加速する物質を意味し、該脱水素縮合触媒を使用することにより温和な条件で光触媒粒子表面を変性することが可能となる。
ここで、上記白金の化合物としては、例えば塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体等を使用することができる。
本発明の上記式(7)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物において、Si−H基は光触媒を穏和な条件で選択性良く変性するために好ましい官能基である。これに対し、加水分解性基は、同様に光触媒の変性に利用することもできるが、副反応を抑制し、得られる変性光触媒の安定性を向上するためには、その含有量は少ない方が好ましい。
Hx R’y Qz SiO(4-x-y-z)/2 (8)
(式中、R’は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基を表す。また、式中Qは式(7)で定義した通りである。また、0<x<4、0<y<4、0≦z<4、及び(x+y+z)≦4である。)
また、本発明に好適に使用できる上記一般式(7)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)としては、例えば式(9)や式(10)で表されるモノSi−H基含有化合物、式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物、式(12)で表されるHシリコーン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のSi−H基含有ケイ素化合物を挙げることができる。
−O−(R6 2 SiO)n −SiR6 3 ・・・(13)
(式中、R6 はそれぞれ独立に直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基から選ばれた1種以上からなる基を表す。また、nは整数であり、0≦n≦1000である。))
H−(R5 2 SiO)m −SiR5 2 −Q ・・・(10)
(式中、R5 は式(9)で定義した通りである。Qは式(7)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
H−(R5 2 SiO)m −SiR5 2 −H ・・・(11)
(式中、R5 は式(9)で定義した通りである。mは整数であり、0≦m≦1000である。)
(R5 HSiO)p (R5 2 SiO)q (R5 QSiO)r (R5 3 SiO1/2 )s
・・・(12)
(式中、R5 は式(9)で定義した通りであり、Qは式(7)で定義した通りである。pは1以上の整数であり、q及びrは0又は1以上の整数であり、(p+q+r)≦10000であり、そしてsは0又は2である。但し、(p+q+r)が2以上の整数であり且つs=0の場合、該Hシリコーン化合物は環状シリコーン化合物であり、s=2の場合、該Hシリコーン化合物は鎖状シリコーン化合物である。)
本発明において、上記式(11)で表される両末端Si−H基含有化合物の具体例としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジメチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジエチルシロキサン類や、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリジフェニルシロキサン類や、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチル−ジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニル−トリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニル−テトラシロキサン等の数平均分子量50000以下のH末端ポリフェニルメチルシロキサン類や、ジメチルシラン、エチルメチルシラン、ジエチルシラン、フェニルメチルシラン、ジフェニルシラン、シクロヘキシルメチルシラン、t−ブチルメチルシラン、ジ−t−ブチルシラン、n−オクタデシルメチルシラン、アリルメチルシラン等を例示することができる。
本発明に用いることができる上記式(12)で表されるHシリコーン化合物としては、光触媒の変性処理時における分散安定性(光触媒粒子の凝集の防止)の点より、数平均分子量が、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは2000以下のHシリコーン化合物が好適に使用できる。
また、上記一般式(7)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1)として、機能性付与基含有基(Q)を有するもの(式(10)、式(12)であってrが1以上の正数のもの等)を選択すると、本発明で得られる変性光触媒(A)に種々の機能を付与できるため好ましい。
−Z−(W)c ・・・(14)
(式中、Zは分子量14〜50,000のa価の有機基(当該有機基Zの珪素原子との結合以外にc価である基)を表し、Wは上記式(7)中の機能性付与基(あ)〜(う)からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、aは1〜20の整数である。)
例えば機能性付与基含有基(Q)として、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、リン酸基あるいはその塩を含む1価の基、スルホン酸基あるいはその塩を含む1価の基、アミノ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基からなる群から選ばれた少なくとも1つの親水性基[式(7)中の(あ)]を有するものを選択すると、得られる変性光触媒(A)の水に対する分散安定性が非常に良好なものとなる。
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、チオール基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1つの反応性基[式(7)中の(い)]を含有する基を選択すると本発明の変性光触媒(A)は架橋性を有し、本発明の光触媒組成物から形成される光触媒体の硬度や耐薬品性が向上するため好ましい。
また、例えば機能性付与基含有基(Q)として、分光増感基を有するものを選択すると、本発明の変性光触媒(A)は、紫外線領域だけでなく、可視光領域及び/又は赤外光領域の光の照射によっても触媒活性や光電変換機能を発現することができる。
増感色素としては、例えばキサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素(金属錯体を含む)、ポルフィリン系色素(金属錯体を含む)、トリフェニルメタン系色素、ペリレン系色素、コロネン系色素、アゾ系色素、ニトロフェノール系色素、さらには例えば特開平1−220380号公報や特許出願公表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体や、他にルテニウムレッド等の金属錯体を挙げることができる。
これらの増感色素の中で、400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ最低空軌道のエネルギー準位(励起状態の酸化還元電位)が光触媒の伝導帯のエネルギー準位より高いという特徴を有するものが好ましい。このような増感色素の特徴は、赤外・可視・紫外領域における光の吸収スペクトルの測定、電気化学的方法による酸化還元電位の測定( 例えばT.Tani, Photogr. Sci. Eng., 14, 72 (1970); R.W.Berriman et al., ibid., 17. 235 (1973); P.B.Gilman Jr., ibid., 18, 475 (1974)等) 、分子軌道法を用いたエネルギー準位の算定( 例えばT.Tani et al., Photogr. Sci. Eng., 11, 129 (1967); D.M.Sturmer et al., ibid., 17. 146 (1973); ibid., 18, 49 (1974); R.G.Selby et al., J. Opt. Soc. Am., 33, 1 (1970)等) 、更には光触媒と分光増感色素によって作成したGratzel 型湿式太陽電池の光照射による起電力の有無や効率等によって確認することができる。
本発明において、上述した機能性付与基含有基(Q)を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得る方法としては、
(Q−1):下記一般式(15)で表されるSi−H基含有化合物と、機能性付与基[式(4)中の(あ)〜(う)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させる方法。
(Q−2):下記一般式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と、反応性基[式(7)中の(い)]を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させて反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得た後、該反応性基と反応性を有する機能性付与基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
H(x+z) Ry SiO( 4-x-y-z)/2 (15)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基を表す。 また、0<(x+z)<4、0<y<4、及び(x+y+z)≦4である。)
上記親水性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えば式(16)で表されるポリオキシエチレン基含有アリルエーテルや、さらには5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルコハク酸無水物等を挙げることができる。
CH2 =CHCH2 O(CH2 CH2 O)d R7 (16)
(式中、dは1〜1000の整数を表す。R7 は、水素原子或いは直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基を表す。)
また、上記式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に反応性基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、(環状)酸無水物基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
また、上記式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物に分光増感基を導入するのに用いる炭素−炭素不飽和結合化合物としては、前述した分光増感色素を有するオレフィン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは、例えば前述した反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物と、該反応性基と反応性を有する分光増感色素との反応によって容易に得ることができる。
上記反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とそれに反応性を有する分光増感色素との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、分光増感色素の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
(Q−1)−方法において、上記炭素−炭素不飽和結合化合物と上記式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物とのヒドロシリル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存在下あるいは非存在下において0〜200℃で炭素−炭素不飽和結合化合物(F)と式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物(b1’)を、質量比(F)/(b1’)=0.01以上、より好ましくは(F)/(b1’)=0.01〜2、さらに好ましくは(F)/(b1’)=0.01〜1で接触させることにより行うことができる。
また、ヒドロシリル化反応に使用できる有機溶媒としては、例えばトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(Q−2)−方法において使用される反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物としては、(Q−1)−方法において述べたものを挙げることができる。また、上述した式(15)で表されるSi−H基含有ケイ素化合物と該反応性基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物とのヒドロシリル化反応は、(Q−1)−方法で述べたヒドロシリル化反応と同じ条件で実施することができる。
(Q−2)−方法によると、上記ヒドロシリル化反応によって反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物を得ることができる。この反応性基を有するSi−H基含有ケイ素化合物とそれに反応性を有する機能性付与基含有化合物との反応は、各々の反応性基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、Si−H基の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。
上記フッ素系化合物としては、例えば式(17)で表されるフルオロアルキル化合物、及び式(18)で表されるフルオロオレフィン重合体が挙げられる。
CF3 (CF2 )g −Y−(V)w (17)
(式中、gは0〜29の整数を表す。Yは分子量14〜50000のw価の有機基を表す。wは1〜20の整数である。Vは、エポキシ基、水酸基、アセトアセチル基、チオール基、環状酸無水物基、カルボキシル基、スルホン酸基、ポリオキシアルキレン基、及び下式で表される基からなる群から選ばれた少なくとも1つの官能基を表す。
−SiWx Ry
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか或いは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上3以下の整数であり、yは0以上2以下の整数である。また、x+y=3である。))
上記フッ素系化合物の具体的な例としては、例えば2−パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、2−パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、2−パーフルオロオクチルエチルメチルジメトキシシラン、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルエチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン類、ナフィオン樹脂、クロロトリフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン等のフルオロオレフィン類とエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アセトアセチル基、チオール基、環状酸無水物基、スルホン酸基、ポリオキシアルキレン基等を有するモノマー類(ビニルエーテル、ビニルエステル、アリル化合物等)との共重合体等を挙げることができる。
本発明における変性光触媒(A)の好ましい形態は、変性光触媒の一次粒子と二次粒子との混合物の数平均分散粒子径が800nm以下、さらに好ましくは1nm以上400nm以下、特に好ましくは5nm以上100nm以下である。ゾルまたは分散液の状態であることが好ましい。
また、特に数平均分散粒子径が400nm以下の変性光触媒ゾルまたは変性光触媒分散液を本発明の光触媒組成物に用いると、それから形成される光触媒体において、該変性光触媒粒子の濃度が光触媒体の内部、あるいは光触媒体が基材と接する界面近傍では小さく、光触媒体の露出面である表層部の表面近傍では大きく分布するような表面方向に異方分布した光触媒体を形成するのに有利となり、光触媒活性が大きい光触媒体を形成するため非常に好ましい。この様な変性光触媒ゾルは、上記変性剤化合物(b)で変性処理をする光触媒粒子(a)として前述した光触媒ゾルまたは光触媒分散液を用いることにより得ることができる。また、光触媒粉体を変性剤化合物(b)で変性処理した場合は、変性処理後にビーズミル、ボールミル等で溶媒に分散させて本発明の光触媒組成物に供するのが好ましい。
なお、従来、二酸化チタンなどで単に粒径として表示されている数値は、多くの場合一次粒子径(結晶子径)であり、凝集による二次粒子径を考慮した数値ではない。
本発明の光触媒組成物において、変性光触媒(A)より表面エネルギーの高いバインダー成分(B)としては、例えば合成樹脂及び天然樹脂、各種単量体等が挙げられ、また光触媒体の形成後に、乾燥、加熱、吸湿、光照射等により硬化するものを特に好ましく挙げることができる。
上記合成樹脂としては、変性光触媒(A)より表面エネルギーの高い全ての熱可塑性樹脂と硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂等)の使用が可能であり、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン−アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、さらには水ガラスやジルコニウム化合物、過酸化チタン等の無機系化合物等を挙げることができる。
また、上記天然高分子としては、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂やでんぷん等を挙げることができる。
バインダー成分(B)の有する反応性基の当量は、バインダー成分(B)の200g〜5000g当たり1molが好ましく、より好ましくは250g〜2500g/molであり、よりさらに好ましくは300g〜1500g/molである。
本発明において、上記表面エネルギーや表面エネルギーの相対差は、例えばPolymer Handbook(米国 A Wiley-interscience publication 出版)等を参照したり、ぬれ張力試験(JIS K 6768)や、さらには以下の方法等で測定することにより好ましく求めることができる。
例えば、バインダー成分(B)の皮膜を有する基材を調整し、脱イオン水を滴下して20℃における接触角(θ)を測定し、下記のSellとNeumannの実験式により、表面エネルギーを求めることもできる。
本発明の光触媒組成物に用いるバインダー成分(B)としては、上述した変性光触媒(A)より、表面エネルギーが好ましくは2mN/m以上、より好ましくは5mN/m以上、更に好ましくは10mN/m以上大きいものを選択すると、上記自己傾斜性が大きくなり非常に好ましい。
本発明の光触媒組成物に変性光触媒(A)と共に用いることができる表面エネルギーの比較的大きなバインダー成分(B)としては、例えば、下式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)が、その骨格を成すシロキサン結合(−O−Si−)は光触媒作用による酸化分解がおこらないため、最も好適に使用できる。
R1 p R2 q Xr Ys SiO(4-p-q-r-s)/2 (4)
(式中、各R1 はフェニル基を表し、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。Yは、各々独立に炭素数1〜20のエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を表す。そしてp、q、r及びsは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、0<s<4及び0<(p+q+r+s)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。)
R1 t Xu Yv SiO(4-t-u-v)/2 (19)
(式中、R1 はフェニル基を表し、Xは各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。Yは、各々独立に炭素数1〜20のエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を表す。そして、t、u及びvは、0<t<4、0≦u<4、0<v<4であり、そして0<(t+u+v)<4である。)
本発明の光触媒組成物であって、金属化合物(C)をさらに含有するものはバインダー成分(B)が有するビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の反応性基の反応性が非常に向上するため好ましい。該金属化合物(C)としては、ジルコニウム、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄、コバルト、クロム、鉛、銅、白金、ルテニウム、ニオブ、モリブテン、バナジウム等の酸化物や窒化物、硫化物、錯体等の有機化合物等が例示でき、それらの中でジルコニウム、アルミニウムの化合物が好ましく、特に有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物が本発明のバインダー成分(B)の反応性向上に最も有効であるので好ましい。
また、上記有機アルミニウム化合物としてはアルミニウム−トリイソプロポキシド、アルミニウム−トリアセチルアセトナート、トリス−(エチルアセトアセトナト)アルミニウム等が例示できる。 本発明において、変性光触媒(A)と反応性基としてエポキシシクロヘキシル基を有するバインダー成分(B)、及び金属化合物(C)としてジルコニウム化合物、好ましくはジルコニウム−テトラアセチルアセトナートを組み合わせて使用した光触媒組成物は、非常に貯蔵安定性が優れるだけでなく、それから形成する光触媒体は硬度、耐薬品性、耐沸騰水性、耐候性等に非常に優れたものとなるため好ましい。また、この組成物は変性光触媒(A)の自己傾斜性に非常に優れるという特徴を有する。
更に、バインダー成分(B)がヒドロキシシリル基及び/又は加水分解性シリル基を有すると、硬化性が非常に向上し好ましい。
また、本発明の光触媒組成物は酸発生型カチオン重合開始剤(D)を含有することにより、より硬化が促進する。
酸発生型カチオン重合開始剤(D)としては、公知のスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩およびフェロセン類等が挙げられる。以下に具体的に例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
ジアゾニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
アンモニウム塩系の酸発生型カチオン重合開始剤としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、などが挙げられる。
これらの酸発生型カチオン重合開始剤ではヨードニウム塩系の開始剤が硬化速度、安定性の面から好ましい。市販品としては、「ロードシルフォトイニシエーター(RHODORSIL PHOTOINITIATOR)2074」;(ローディア社製4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)等が挙げられる。
これら酸発生型カチオン重合開始剤は、上述した材料の中から選択し、単独で使用することもでき、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。酸発生型カチオン重合開始剤の使用量の好適な範囲は、特に制限がないが、変性光触媒(A)とバインダー成分(B)の合計量100質量%に対して、好ましくは0.05〜25質量%、より好ましくは1〜10質量%である。添加量が0.05質量%より少ないと感度不良となり硬化するために著しく大きな光照射エネルギーや長時間の高温処理が必要である。また、25質量%を超えて添加しても感度の向上はせず、経済的にも好ましくない。
本発明の光触媒組成物は、高エネルギー線を照射することにより硬化時間の短縮が可能である。ここでいう高エネルギー線とは、紫外線、X線、電子線、γ線等を示す。
本発明において、バインダー成分(B)として上述したフェニル基含有シリコーン(BP)等のシリコーン樹脂を含有する場合であって、該シリコーン樹脂がヒドロキシシリル基及び/又は加水分解性シリル基を有する場合、従来公知の加水分解触媒や硬化触媒を、該シリコーン樹脂に対し、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜15質量%の割合で添加することができる。
また上記硬化触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのごとき塩基性化合物類;トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのごときアミン化合物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートのようなチタン化合物;アルミニウム−トリイソプロポキシド、アルミニウム−トリアセチルアセトナート、トリス−(エチルアセトアセトナト)アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウムのようなアルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物;ジルコニウム−テトラアセチルアセトナート、テトラ−(エチルアセトアセトナト)ジルコニウム、ジルコニウム−トリブトキシ−アセチルアセトナート、ジルコニウム−ジブトキシ−ジアセチルアセトナート、ジルコニウム−ジクロロ−ジアセチルアセトナート、テトラブチルジルコネートのようなジルコニウム化合物;コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナートのごとき含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸のごとき酸性化合物類などが挙げられる。
また、本発明の光触媒組成物におけるバインダー成分(B)としては、水酸基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基、エノキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの加水分解性基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体分子鎖の末端及び/又は側鎖に有するアクリル重合体も、表面エネルギーが比較的高く、耐候性に優れるため好ましく用いることができる。
本発明において、エポキシ基を有する化合物をさらに加えることにより、密着性・硬度・対薬品性がさらに向上する。このエポキシ化合物は1分子中に1個以上のエポキシ基を有する物であれば特に限定されない。
具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂(例えばフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂)、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等を用いることができる。
これらのエポキシ化合物は単独でまたは2種以上混合して使用することができる。その配合量(2種以上を併用する場合はそれらの合計量)は本発明における変性光触媒(A)とバインダー成分(B)の合計量100質量%に対して、0.1〜100質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜50質量%である。
これらのエポキシ化合物の中では、密着性、硬度の面から(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましく、商品例として、ユニオンカーバイト社製CYACURE UVR−6110が挙げられる。
沸点が150℃以上で分子量が1000以下の化合物を配合することにより、光触媒体形成過程における環境(温度、湿度、塗装条件等)の影響がより小さくなり、上述した変性光触媒(A)に関する自己傾斜光触媒体の形成再現性をより向上することが可能となる。
本発明の光触媒組成物において、沸点が150℃以上で分子量が1000以下の化合物としては、沸点が150℃以上の各種溶剤や可塑剤を挙げることができる。
上記溶剤としては、例えばブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類、デカン、ウンデカン、ドデカン、ソルベッソ類等の炭化水素類、セロソルブアセテート等のエステル類、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルカルビトール、ジブチルカルビトール等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は組み合わせて用いられる。
これらの中で、本発明に用いる沸点が150℃以上で分子量が1000以下の該化合物として好ましい化合物は、下式(5)で表されるエチレングリコール誘導体、下式(6)で表されるプロピレングリコール及びその誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい例としてブチルカルビトールを例示することができる。
R3 O(CH2 CH2 O)a R4 (5)
(式中、aは1〜20の整数を表す。R3及びR4は各々独立に水素原子或いは一価の有機基を表す。)
R3 O(CH2 CH(CH3 )O)b R4 (6)
(式中、bは1〜15の整数を表す。R3 及びR4 は各々独立に水素原子或いは一価の有機基を表す。)
この際、本発明の光触媒組成物に用いる粘度調整用の溶媒としては、上述した溶媒以外に沸点が150℃以下の溶媒を挙げることができる。これらの例としては、水やエチレングリコール、イソプロパノール、n−ブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が例示できる。これらの溶媒は、単独で又は組み合わせて用いられる。
また、本発明の光触媒組成物には、必要により通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、分散剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、防錆剤、染料、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合わせて配合することができる。
本発明における光触媒体を皮膜状とする場合は、例えば上記光触媒組成物を基材に塗布し、乾燥した後、所望により好ましくは20℃〜500℃、より好ましくは40℃〜250℃の熱処理および/または高エネルギー線照射を行い、基材上に皮膜を形成することにより得ることができる。上記塗布方法としては、例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
この際、本発明の光触媒組成物から形成される皮膜の膜厚は、好ましくは0.01〜100μmであり、より好ましくは0.01〜20μmであり、よりさらに好ましくは0.01〜1μmである。 なお、本明細書では、皮膜という表現を使用しているが、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
この様にして得られた基材上に本発明の光触媒体である皮膜を有する機能性複合体は、光照射により疎水性あるいは親水性及び/又は光触媒活性、さらには光電変換機能を発現することが可能である。即ち、本発明の別の態様においては、上記光触媒組成物から形成される光触媒体として、成形体や、基材上に皮膜を有する機能性複合体が提供される。
本発明の機能性複合体を得るのに用いられる基材としては、特に限定はされなく、例えば本発明で開示した用途に使用される基材は全て用いることができる。
本発明の機能性複合体においては、光触媒で分解する有機基材を用いた場合でも、耐久性は非常に優れたものとなる。すなわち、本発明の光触媒組成物は、耐久性の問題から従来用いることができなかった有機基材に対しても、耐久性の優れた機能性複合体を提供することができる。
本発明の機能性複合体の製造方法は、基材上に本発明の光触媒体を形成する場合に限定されない。基材と本発明の光触媒組成物を同時に成形、たとえば、一体成形、してもよい。また、本発明の光触媒組成物を成形後、基材の成形を行ってもよい。また、本発明の光触媒組成物と基材を個別に成形後、接着、融着等により機能性複合体としてもよい。上記方法で、本来の基材と接しない状態で成形する場合は別の基材を用いても良い。この場合の基材は固体に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で、液体、気体でも良い。
本発明の成形体または機能性複合体は、必要により、樹脂成形に用いる方法により、フィルム、シート、ブロック、ペレットさらに複雑な形状の成形体とすることができる。成形にあたり、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂と併用する事も可能である。
本発明のための成形方法は、押出し成形法、射出成形法、プレス成形法等が可能である。また、熱可塑性樹脂を併用する等、樹脂の選定によってはカレンダー成形法も可能である。また、天然繊維を含む有機繊維、ガラス等の無機繊維(及びこれらの織物を含む)などを補強材に用いて本発明の成形体または機能性複合体、及びこれらと他の樹脂混合物を含浸し、積層成形する事も可能である。
繊維は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面形状においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。 繊維状とした本発明の成形体または機能性複合体は織物や不織布(短繊維又は長繊維)として用いる事もできる。
又、使用できる繊維の形態は、糸条、糸条の集合体であるチーズ状、織物、編物、不織布等が挙げられ、他の樹脂の繊維と混用されていても良い。糸条の形態としては、原糸、仮撚糸(延伸仮撚糸を含む)、先撚仮撚糸、空気噴射加工糸、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸等の紡績糸、マルチフィラメント原糸(極細糸を含む)、混繊糸等が挙げられる。又、混用する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系等の弾性繊維(酸化マグネシウム、酸化亜鉛に代表される金属酸化物、金属水酸化物等の塩素水劣化防止剤を添加したものを含む)等の合成繊維や、綿、麻、ウール、絹等の天然繊維やキュプラ、レーヨン、ポリノジック等のセルロース系繊維やアセテート系繊維がある。
上記繊維状に加工した本願発明の成形体または機能性複合体は抗菌、防汚、防臭、有毒ガス分解を目的として衣料用、ガス、液体のフィルター用に用いることができる。
この際、変性光触媒(A)が、上述した式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)で光触媒粒子(a)を変性処理したものである場合、励起光照射により光触媒粒子(a)の近傍に存在する該変性剤化合物(b)の珪素原子に結合した有機基(R)の少なくとも一部は、光触媒の分解作用により水酸基に置換される。その結果、本発明の光触媒体表面の親水性が高まると共に、生成した水酸基同士が脱水縮合反応してシロキサン結合が生成した場合には、該光触媒体の硬度が非常に高くなる。この様な状態は、本発明の様態において好ましい。
また、バインダー成分(B)として上述したシリコーン系樹脂を用いたときも同様に、励起光照射により変性光触媒(A)の近傍に存在するシリコーンの珪素原子に結合した有機基の少なくとも一部は、光触媒の分解作用により水酸基に置換され、本発明の光触媒体表面の親水性が高まると共に、生成した水酸基同士の脱水縮合反応が進行しシロキサン結合が生成した場合には、該光触媒体の硬度が非常に高くなる。この様な状態は、本発明の様態において好ましい。
本発明の光触媒組成物によって提供される上記光触媒体又は機能性複合体であって、有機物分解等の光触媒活性を有するものは、抗菌、防汚、防臭、NOx分解等の様々な機能を発現し、大気、水等の環境浄化等の用途に使用することができる。
本発明の光触媒組成物によって提供される上記光触媒体又は機能性複合体であって、光照射により20℃における水との接触角が60゜以下(好ましくは10゜以下)となった親水性のもの(親水性膜、及び該親水性膜で被覆された基材等)は、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術や帯電防止技術等への応用が可能である。
本発明の光触媒体又は機能性複合体の防汚技術分野への応用例としては、例えば建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、住宅等建築設備、特に便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇等、また、乗物の外装および塗装、用途によってはその内装にも使用でき、車両用照明灯のカバー、窓ガラス、計器、表示盤等透明性が要求される部材での使用に効果があり、また、機械装置や物品の外装、防塵カバーおよび塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用、鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装および塗装、トンネル内装および塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で使用される電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装、特に透明部材、また、室内にあっても汚染のおそれのある環境、たとえば医療用や体育用の施設、装置等の用途を挙げることができる。
本発明によって提供される上記光触媒体又は機能性複合体であって光電変換機能を有するものは、太陽エネルギーの電力変換等の機能を発現することが可能であり、(湿式)太陽電池等に用いる光半導体電極等の用途に使用することができる。
また、本発明によって提供される、光照射によって水との濡れ性が変化(疎水性から親水性への変化、あるいは親水性から疎水性への変化)する部材は、オフセット印刷用原版等への応用に対し非常に有用である。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。1.粒径分布及び数平均粒子径
試料中の光触媒含有量が1〜20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
2.重量平均分子量
ポリスチレン標品を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めた。
GPCの条件は以下の通りである。
・装置:東ソー製HLC−8020LC−3A型クロマトグラフ
・カラム:TSKgelG1000HXL、TSKgelG2000HXLおよびTSKgelG4000HXL(いずれも東ソー製)を直列に接続して用いた。
・データ処理装置:島津製作所製CR−4A型データ処理装置
・移動相:
テトラヒドロフラン(フェニル基含有シリコーンの分析に使用)
トルエン(フェニル基を含有しないシリコーンの分析に使用)
・流速:1.0ml/min.
・サンプル調製法
移動相に使用する溶媒で希釈(濃度は0.5〜2重量%の範囲で適宜調節した)して分析に供した。
日本分光製FT/IR−5300型赤外分光計を用いて測定した。
4.29Si核磁気共鳴の測定
日本電子製JNM−LA400を用いて測定した。
5.皮膜硬度
JIS−K5400に準じ、鉛筆硬度(皮膜のすり傷)として求めた。
6.紫外線照射後の皮膜硬度
皮膜表面に、東芝ライテック製FL20SBLB型ブラックライトの光を7日間照射後、上記の方法(5)にて測定した。
なおこのとき、日本国トプコン製UVR−2型紫外線強度計{受光部として、日本国トプコン製UD−36型受光部(波長310〜400nmの光に対応)を使用}を用いて測定した紫外線強度が1mW/cm2となるよう調整した。
7.透明性
日本電色工業製濁度計NDH2000を用いて、JIS−K7105に準じてヘイズ値を測定した。
8.皮膜表面に対する水の接触角
皮膜の表面に脱イオン水の滴を乗せ、20℃で1分間放置した後、協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて測定した。
皮膜に対する水の接触角が小さいほど、皮膜表面は親水性が高い。
皮膜の表面に、上記6の方法で紫外線を7日間照射した後、上記8の方法にて水の接触角を測定した。
10.光触媒活性
皮膜表面にメチレンブルーの5質量%エタノール溶液を塗布した後、上記6の方法にて紫外線を5日間照射した。
その後、光触媒の作用によるメチレンブルーの分解の程度(皮膜表面の退色の程度に基づき、目視で評価)に基づき、光触媒の活性を以下の3段階で評価した。
◎:メチレンブルーが完全に分解。
△:メチレンブルーの青色がわずかに残る。
×:メチレンブルーの分解はほとんど観測されず。
11.耐候性(透明性)
スガ試験器製サンシャインウェザーメーターを使用して曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。曝露1000時間後の水の接触角、透明性を評価した。
12.耐候性(光沢保持率)
スガ試験器製DPWL−5R型デューパネル光コントロールウェザーメーターを使用して曝露試験(照射:60℃4時間、暗黒・湿潤:40℃4時間)を行った。曝露1000時間後の60°−60°鏡面反射率を最終的な光沢値として測定し、これを初期光沢値で割り、この値を光沢保持率として算出した。また、色差計でL値を測定し、初期L値との差から△Lを求めて外観変化の尺度とした。(△Lが小さいほど外観の変化は少ない)
13.耐候性試験後のテープ剥離試験
◎:外観は全く変化せず。
△:若干の剥がれが生じる。
×:皮膜表層が全て剥がれる。
14.耐汚染性
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに3ケ月間張りつけた後、試験板表面を水洗し、汚染の度合いを目視にて評価した。
フェニル基含有シリコーン(BP)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたジオキサン78gにフェニルトリクロロシラン26.0gを添加した後、室温にて約10分間撹拌した。これに水3.2gとジオキサン12.9gからなる混合液を、反応液を10〜15℃に保ちながら約30分かけて滴下した後、さらに10〜15℃で約30分撹拌し、続いて反応液を60℃に昇温させ3時間撹拌した。得られた反応液を25〜30℃に降温させ、392gのトルエンを約30分かけて滴下した後、再度反応液を60℃に昇温させ2時間撹拌した。
得られた反応液を10〜15℃に降温させ、メタノール19.2gを約30分かけて添加した。その後さらに25〜30℃にて約2時間撹拌を続行し、続いて反応液を60℃に昇温させ2時間撹拌した。得られた反応液から60℃で減圧下に溶媒を溜去することにより重量平均分子量2600のラダ−骨格を有するフェニル基含有シリコーン(BP)を得た。(得られたフェニル基含有シリコーン(BP)には、IRスペクトルにおけるラダ−骨格の伸縮振動に由来する吸収(1130cm-1及び1037cm-1)が観測された。)
また、29Si核磁気共鳴の測定結果より求めた上記フェニル基含有シリコーン(BP)の式は、(Ph)1 (OCH3 )0 . 58SiO1 . 21であった。(ここでPhはフェニル基を表す。)
エポキシ基含有シリコーン(BE)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたトルエン100gに参考例1で得たフェニル基含有シリコーン(BP)を100g加え、室温にて約10分間撹拌した。これに、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100g、触媒としてジブチル錫ジラウレートを1g加えた。その後反応液を80℃に昇温させ3時間撹拌した。
得られた反応液から60℃で減圧下に溶媒を溜去することにより重量平均分子量3000のエポキシ基含有シリコーン(BE)を得た。(得られたエポキシ基含有シリコーン(BE)には、IRスペクトルにおけるエポキシ骨格に由来する吸収(790cm-1)が観測された。)
変性光触媒(A)の合成。
還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたTKS−251{酸化チタンオルガノゾルの商品名(テイカ製)、分散媒:トルエンとイソプロパノールの混合溶媒、TiO2濃度20質量%、平均結晶子径6nm(カタログ値)}40gにビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン8gを40℃にて約5分かけて添加し、さらに40℃で12時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な変性光触媒オルガノゾル(A)を得た。この時、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシランの反応に伴い生成した水素ガス量は23℃において718mlであった。また、得られた変性酸化チタンオルガノゾルをKBr板上にコーティングしIRスペクトルを測定したところ、Ti−OH基の吸収(3630〜3640cm-1)の消失が観測された。
また、変性光触媒オルガノゾル(A)の粒径分布は単一分散(数平均粒子径は17nm)であり、さらに変性処理前のTKS251の単一分散(数平均粒子径は12nm)の粒径分布が大きな粒径側に平行移動していることが確認できた。
参考例2で合成したエポキシ基含有シリコーン(BE)6.2gに、トルエン30.7g、イソプロパノール3.6gを添加し、室温で撹拌した後、1.7gのX−1044{テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウムの20質量%溶液(質量比がトルエン/メタノール=5/1)の商品名(松本製薬製)}を添加した。これに参考例3で調整した変性光触媒オルガノゾル(A)6.2gを室温にて撹拌下において添加して光触媒組成物(E−1)を得た。
5cm×5cmのアクリル樹脂板(厚み2mm)に上記光触媒組成物(E−1)を膜厚が0.2μmとなるようにバーコートした後、室温で30分乾燥し、80℃で30分加熱する事により、光触媒含有皮膜を有する試験板(G−1)を得た。
上記操作を、日を変えて9回繰り返し、同様の試験板(G−1)を10枚得た。得られた10枚の試験板(G−1)の試験・測定を実施し、それぞれの測定値の平均値として性能を評価した。
透明性は平均ヘイズ値が0であり、外観の透明性も良好であった。
得られた光触媒含有皮膜を有する試験板(G−1)の紫外線(ブラックライト)照射後の鉛筆硬度はHBであり、水の接触角は0゜であった。さらに光触媒活性評価の結果も全て非常に良好(◎)であった。
また、得られた試験板(G−1)の耐汚染性評価の結果は、全ての試験板で表面に全く汚れは見受けられず、非常に良好な耐汚染性を示した。 さらに、サンシャインウェザーメーターによる曝露試験(1000時間後)による透明性は平均ヘイズ値0.8であり、外観変化もほとんどなく、水の接触角も0°と、非常に良好な耐候性を示した。
得られた試験板(G−1)をFIB加工し、TEMによる皮膜断面の観察を行った結果を図1(a)の写真に示す。また、図1(a)の写真のイラストレーションが図1(b)である。光触媒含有皮膜(図1(b)中の参照番号1で示す)と、基材であるアクリル樹脂(図1(b)中の参照番号2で示す)との界面には変性光触媒粒子は存在せず、光触媒含有皮膜方面に変性光触媒粒子が存在することが観察される。
参考例2で合成したエポキシ基含有シリコーン(BE)6.2gに、トルエン30.7g、イソプロパノール3.6gを添加し、室温で撹拌した後、0.31gの4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを添加した。これに参考例3で調整した変性光触媒オルガノゾル(A)6.2gを室温にて撹拌下において添加して光触媒組成物(E−2)を得た。
黒色のアクリルウレタン塗装を行ったアルミ板に上記光触媒組成物(E−2)を膜厚が0.5μmとなるようにスプレー塗布した後、室温で30分乾燥し、高圧水銀灯(20mw/cm2)で10分間照射する事により、光触媒含有皮膜を有する試験板(G−2)を得た。
上記操作を、日を変えて9回繰り返し、同様の試験板(G−2)を10枚得た。得られた10枚の試験板(G−2)の試験・測定を実施し、それぞれの測定値の平均値として性能を評価した。
得られた光触媒含有皮膜を有する試験板(G−2)の平均鉛筆硬度は2Hであり、水との平均接触角は100゜であった。
得られた光触媒含有皮膜を有する試験板(G−2)の紫外線(ブラックライト)照射後の平均鉛筆硬度は3Hであり、水の接触角は0゜であった。さらに光触媒活性評価の結果も全て非常に良好(◎)であった。
また、得られた試験板(G−2)の耐汚染性評価の結果は、全ての試験板で表面に全く汚れは見受けられず、非常に良好な耐汚染性を示した。
さらに、デューパネル光コントロールウェザーメーターによる曝露試験(1000時間後)による平均光沢保持率は91%であり、全て外観変化もなく(平均△Lは0.1)非常に良好な耐候性を示した。
エポキシ基含有シリコーン(BE)6.2gの代わりに参考例1で得たフェニル基含有シリコーン(BP)6.2gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い光触媒組成物(E−3)を得た。
得られた光触媒組成物(E−3)を用い、実施例1と同様の操作を行って光触媒含有皮膜を得ようとしたが、被膜は硬化せず、評価不能であった。
2 アクリル樹脂
3 変性光触媒粒子(A)
4 バインダー成分(B)
Claims (16)
- 式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、及びジフルオロメチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物(b)で光触媒粒子(a)を変性処理することによって得られる変性光触媒(A)と該変性光触媒(A)より表面エネルギーが大きいバインダー成分(B)を含有し、該バインダー成分(B)がビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の反応性基を含有することを特徴とする光触媒組成物。
R3 Si− (1)
(式中、Rは各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(R2 SiO)− (2)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。)
(式中、Rは式(1)で定義した通りである。) - 該変性剤化合物(b)が、Si−H基、アルコキシシリル基、ヒドロキシシリル基、ハロゲン化シリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基、アセトアセチル基、チオール基、酸無水物基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、水酸基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの反応性基を含有することを特徴とする請求項1に記載の光触媒組成物。
- 該変性光触媒粒子(A) と該バインダー成分(B)の質量比(A) /(B)が0.01/99.99〜50/50であることを特徴とする請求項1または2に記載の光触媒組成物。
- 該バインダー成分(B)が、式(4)で表されるフェニル基含有シリコーン(BP)であることを特徴とする請求項1〜3に記載の光触媒組成物。
R1 p R2 q Xr Ys SiO(4-p-q-r-s)/2 (4)
(式中、各R1 はフェニル基を表し、R2 は各々独立に直鎖状または分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、又は直鎖状または分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基を表す。Xは、各々独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアシロキシ基、アミノキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、ハロゲン原子を表す。Yは、各々独立に炭素数1〜20のエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を表す。そしてp、q、r及びsは、0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、0<s<4及び0<(p+q+r+s)<4であり、そして0.05≦p/(p+q)≦1である。) - 該バインダー成分(B)の反応性基としてエポキシシクロヘキシル基を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 金属化合物(C)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 該バインダー成分(B)がヒドロキシシリル基及び/又は加水分解性シリル基をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 酸発生型カチオン重合開始剤(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 高エネルギー線を照射することにより硬化することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 高エネルギー線源として、高圧水銀灯および/またはメタルハライドランプを用いることを特徴とする請求項9に記載の光触媒組成物。
- 該変性光触媒(A)が可視光応答型光触媒であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光触媒組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の光触媒組成物から形成されてなる光触媒体。
- 該変性光触媒( A) のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光を照射することにより光触媒活性及び/又は親水性を示すことを特徴とする請求項12に記載の光触媒体。
- 請求項12または13に記載の光触媒体が基材上に形成されてなる機能性複合体。
- 光触媒体の膜厚が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項14に記載の機能性複合体。
- 該光触媒体が変性光触媒(A)の分布について異方性を有し、該変性光触媒(A)の濃度が、該光触媒体の基材に接する面より他方の露出面の方が高いことを特徴とする請求項14または15に記載の機能性複合体。
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