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JP2006063129A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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JP2006063129A
JP2006063129A JP2004245008A JP2004245008A JP2006063129A JP 2006063129 A JP2006063129 A JP 2006063129A JP 2004245008 A JP2004245008 A JP 2004245008A JP 2004245008 A JP2004245008 A JP 2004245008A JP 2006063129 A JP2006063129 A JP 2006063129A
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JP2004245008A
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Kentaro Minegishi
謙太郎 峰岸
Sadafumi Yagi
貞文 八木
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Nippon Miractran Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Nippon Miractran Co Ltd
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Abstract

【課題】溶融特性に優れ、熱成形することにより、種々の用途に好適な硬度を有し、耐黄変性に優れ、オリゴマー由来の物質が表面に析出するようなことが殆どなく、耐水性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる水酸基価20〜120のポリエステルポリオール含む高分子ポリオール、1,6−ヘキサンジオールを含む鎖延長剤、およびHDIを含むポリイソシアネートを特定の割合で反応させて得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂;加水分解防止剤;並びに酸化防止剤を含有する熱可塑性の樹脂組成物であって、これを熱成形して得られる成形品の硬度が、JIS−A硬度で80〜95である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に関し、更に詳しくは、溶融特性に優れ、これを熱成形することにより、耐黄変性に優れ、オリゴマー由来の物質が表面に析出することが殆どなく、耐水性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に関する。
例えば、チューブ、フィルム、シート、ベルト、ホース、スクリーン、キャスター、ギア、パッキング、自動車部品、スクィージ、紙送りロールなどのロール類、複写機用クリーニングブレード、スノープラウ、チェーン、ソリッドタイヤ、防振材、靴底、スポーツ靴、機械部品などの物品を成形するための材料として、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が広く使用されている。
上記のような用途に供される物品(熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を熱成形して得られる成形品)には、使用環境下における耐久性(例えば、その柔軟性により、振動や衝撃による破損を防止する性能)の観点から、一定の硬度(JIS−A硬度で80〜95)が要求される。
一方、光に対して安定で、耐黄変性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として、脂肪族ポリイソシアネートを用いて得られる脂肪族系の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
然るに、脂肪族系の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を熱成形してなる成形品においては、これを保存している間に、オリゴマー由来の物質が表面に析出(ブルームまたはブリード)して、当該表面の一部または全域に白色の層を形成するという問題がある。
このような問題に対し、成形品表面における析出物を抑制できる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として、下記のようなものが紹介されている。
(イ)ポリアジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリテトラヒドロフランおよびこれらに相応する共重合体からなる群から選択され、分子量が450〜4000であり、水酸基価が20〜235である、1以上の脂肪族ポリオールと、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートと、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオールからなる群から選択された連鎖延長剤との混合物の反応により生成され、ポリオールに対する1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの当量比が1:1.5〜1:14.0の範囲にあり、ポリオールおよび連鎖延長剤のヒドロキシル基の合計に対するイソシアネート基の当量比に100を乗じたイソシアネートインデックスが96〜105の範囲内にある熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(下記特許文献2参照)。
(ロ)ヘキサメチレンジイソシアネート100〜60モル%および他の脂肪族ジイソシアネート0〜40モル%を含有するジイソシアネート反応体;ポリテトラメチレン100〜30質量%および数平均分子量600〜5000の他のポリオール0〜70質量%を含有するポリオール反応体;並びに1,6−ヘキサンジオール80〜100質量%および数平均分子量60〜500の他の鎖延長剤0〜20質量%を含有する鎖延長剤の反応生成物を含んでなる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(下記特許文献3参照)。
しかしながら、上記(イ)または(ロ)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を熱成形してなる成形品は、十分な耐水性を有するものではなく、これが要請される用途に使用することができない。また、上記(イ)または(ロ)の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、溶融特性に劣るために、射出成形などの材料として適当ではない。
特開平10−110025号公報 特開2000―355619号公報 特開2001−354748号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、溶融特性に優れ、これを熱成形することにより、種々の用途に好適な硬度(JIS−A硬度で80〜95)を有し、耐黄変性に優れ、オリゴマー由来の物質が表面に析出することが殆どなく、しかも、耐水性にも優れた成形品を得ることができる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる水酸基価20〜120のポリエステルポリオール(以下、「特定のポリエステルポリオール」ともいう。)を50〜100質量%の割合で含む高分子ポリオール(a1)、1,6−ヘキサンジオールを50〜100質量%の割合で含む鎖延長剤(a2)、およびヘキサメチレンジイソシアネートを50〜100質量%の割合で含むポリイソシアネート(a3)の反応によって生成される熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、「ポリウレタン樹脂(A)」という。);加水分解防止剤;並びに酸化防止剤を含有する熱可塑性の樹脂組成物であって、前記高分子ポリオール(a1)の有する活性水素基モル数を〔m1 〕、前記鎖延長剤(a2)の有する活性水素基モル数を〔m2 〕、前記ポリイソシアネート(a3)の有するイソシアネート基のモル数を〔m3 〕とすると、〔m3 〕/(〔m1 〕+〔m2 〕)の値(R値)が0.9〜1.2であり、かつ、〔m1 〕/〔m2 〕の値(R’値)が0.1〜15.0であり、当該樹脂組成物を熱成形して得られる成形品の硬度が、JIS−A硬度で80〜95であることを特徴とする。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は溶融特性に優れている。すなわち、固化状態の当該樹脂組成物を昇温させた場合において、ある温度(通常、流動開始温度)に到達すると、当該樹脂組成物の溶融粘度が急激(シャープ)に低下し、射出成形などに好適な流動性が発現される。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を熱成形することにより、種々の用途に好適な硬度(JIS−A硬度で80〜95)を有し、耐黄変性に優れ、オリゴマー由来の物質が表面に析出することが殆どなく、しかも、耐水性にも優れた成形品を得ることができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂(A)、加水分解防止剤および酸化防止剤を必須成分として含有する。
<ポリウレタン樹脂(A)>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を構成するポリウレタン樹脂(A)は、特定のポリエステルポリオールを主成分とする高分子ポリオール(a1)と、1,6−ヘキサンジオールを主成分とする鎖延長剤(a2)と、ヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とするポリイソシアネート(a3)との反応によって生成される。
<高分子ポリオール(a1)>
ポリウレタン樹脂(A)を得るために使用される高分子ポリオール(a1)は、特定のポリエステルポリオールを主成分(50質量%以上)として含有する。
本発明において、高分子ポリオール(a1)を構成するポリオール(特定のポリエステルポリオールを含む)の分子量は、400〜10,000とされ、好ましくは1,000〜5,000とされる。
高分子ポリオール(a1)を構成する特定のポリエステルポリオールは、2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸との共重合体である。
特定のポリエステルポリオールを使用することにより、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に優れた溶融特性が発現され、これにより得られる成形品に、優れた耐水性が発現される。
このような優れた性能は、ポリエステルを形成するための成分(ジオール)として2−メチル−1,3−プロパンジオールを採用したことによるものである。
特定のポリエステルポリオールの水酸基価は、通常20〜120とされ、好ましくは30〜80とされる。この水酸基価が過小(分子量が過大)である場合には、得られる樹脂組成物の成形品の硬度を80〜95(JIS−A)とすることが困難となり、また、得られる樹脂組成物の粘度が過大となって均質混合性に劣り、さらに、樹脂組成物を得るために過酷な反応条件が要求される。一方、この水酸基価が過大(分子量が過小)である場合にも、得られる樹脂組成物の成形品の硬度を80〜95(JIS−A)とすることが困難となる。
高分子ポリオール(a1)は、特定のポリエステルポリオールのみから構成されることが好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲内で、他の種類のポリオールを併用することができる。ここに、併用されるポリオールとしては、分子量が400〜10,000であるポリエステル類、ポリエステルアミド類、ポリエーテル類、ポリエーテルエステル類、ポリカーボネート類などを挙げることができる。
任意成分として高分子ポリオール(a1)を構成するポリエステル類およびポリエステルアミド類としては、多価アルコール類と多価カルボン酸とから、場合によりジアミンまたはアミノアルコール類を併用して、縮合反応により得られるものが挙げられる。
ここに、多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール(アジピン酸との組合せを除く)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルオクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、琥珀酸、アジピン酸(2−メチル−1,3−プロパンジオールとの組合せを除く)、セバシン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フタル酸、フタル酸アルキルエステル類、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などが挙げられる。また、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなどの環状エステル類の開環重合によって得られるものも挙げられる。
高分子ポリオール(a1)を構成するポリエーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、エチレンオキシドなどの重合生成物、またはこれらの共重合生成物、あるいはポリエーテルのビニル単量体によるグラフト重合体などが挙げられる。
高分子ポリオール(a1)を構成するポリエーテルエステル類としては、ポリエステル類を得る際の縮合反応に使用する多価アルコール類の一部あるいは全部にポリエーテル類を用いるほかはポリエステル類と同じようにして得られるものが挙げられる。
高分子ポリオール(a1)を構成するポリカーボネート類としては、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール類と、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートまたはエチレンカーボネートのような環状カーボネートとのエステル交換反応によって得られるものが挙げられる。
高分子ポリオール(a1)に占める特定のポリエステルポリオールの割合は、50〜100質量%とされ、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは100質量%とされる。特定のポリエステルポリオールの割合が50質量%未満である場合には、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に十分な溶融特性を発現させることができず、また、そのような樹脂組成物により得られる成形品に十分な耐水性を発現させることができない。
<鎖延長剤(a2)>
ポリウレタン樹脂(A)を得るために使用される鎖延長剤(a2)は、1,6−ヘキサンジオールを主成分(50質量%以上)として含有する。
1,6−ヘキサンジオールを主成分とする鎖延長剤(a2)を使用することにより、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形品において、オリゴマー由来の物質が表面に析出することが抑制され、析出物による白色の層が当該成形品の表面に形成されることが確実に防止される。
鎖延長剤(a2)は、1,6−ヘキサンジオールのみから構成されることが好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲内で、他の化合物を併用することができる。
ここに、併用される化合物(鎖延長剤)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビス−β−ヒドロキシエトキシベンゼン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、N−フェニルジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミンなど、分子量が400未満の化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
鎖延長剤(a2)に占める1,6−ヘキサンジオールの割合は、50〜100質量%とされ、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは100質量%とされる。1,6−ヘキサンジオールの割合が50質量%未満である場合には、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形品において、オリゴマー由来の物質の表面析出を十分に抑制することができない。
<ポリイソシアネート(a3)>
ポリウレタン樹脂(A)を得るために使用されるポリイソシアネート(a3)は、ヘキサメチレンジイソシアネートを主成分(50質量%以上)として含有する。
ヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とするポリイソシアネート(a3)を使用することにより、耐黄変性(光安定性)に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物(成形品)を得ることができる。
ポリイソシアネート(a3)は、ヘキサメチレンジイソシアネートのみから構成されることが好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲内で、他のポリイソシアネートを併用することができる。
ここに、併用されるポリイソシアネートとしては、例えば、ドデカンジイソシアネート、トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルナン−ジイソシアネートメチルなどの脂環式ジイソシアネート;ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応によるイソシアネート基末端化合物;ポリイソシアネートの反応(例えばカルボジイミド化反応など)によるポリイソシアネート変性体;活性水素を分子内に1個有するブロック剤(例えばメタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、アセト酢酸エチル、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトンオキシム、フェノール、クレゾールなど)で一部を安定化したポリイソシアネートを挙げることができる。
ポリイソシアネート(a3)に占めるヘキサメチレンジイソシアネートの割合は、50〜100質量%とされ、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは100質量%とされる。ヘキサメチレンジイソシアネートの割合が50質量%未満である場合には、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形品に、十分な耐黄変性を発現させることができない。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を構成するポリウレタン樹脂(A)は、特定のポリエステルポリオールを主成分とする高分子ポリオール(a1)と、1,6−ヘキサンジオールを主成分とする鎖延長剤(a2)と、ヘキサメチレンジイソシアネートを主成分とするポリイソシアネート(a3)との反応によって生成される。
ポリウレタン樹脂(A)の生成反応に使用される高分子ポリオール(a1)、鎖延長剤(a2)およびポリイソシアネート(a3)の割合としては、高分子ポリオール(a1)の有する活性水素基モル数を〔m1 〕、前記鎖延長剤(a2)の有する活性水素基モル数を〔m2 〕、前記ポリイソシアネート(a3)の有するイソシアネート基のモル数を〔m3 〕とすると、〔m3 〕/(〔m1 〕+〔m2 〕)の値(R値)が0.9〜1.2であり、かつ、〔m1 〕/〔m2 〕の値(R’値)が0.1〜15.0である割合とされる。
R値が0.9未満(活性水素基が過剰)である場合には、得られる樹脂組成物が粘着性を有し、これをペレット化(フレーク状)にしたときにブロッキングが発生しやすくなる。一方、R値が1.2を超える(イソシアネート基が過剰)場合には、得られる樹脂組成物の成形品の硬度が過大となり、当該成形品が脆性を有し、その耐久性が著しく低下する。
R’値が0.1未満(鎖延長剤が過剰)である場合には、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物に十分な溶融特性を発現させることができず、また、そのような樹脂組成物により得られる成形品の成形品の硬度が過大となる。一方、R’値が15.0を超える(高分子ポリオールが過剰)場合には、得られる熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形品の硬度が過小となるとともに、得られる樹脂組成物の成形品が十分な強度を有するものとならない。
高分子ポリオール(a1)と、鎖延長剤(a2)と、ポリイソシアネート(a3)との反応(ポリウレタン樹脂(A)の生成反応)は、触媒の存在下に行ってもよい。
かかる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルイミダゾール、N−エチルモルホリンなどのアミン類、酢酸カリウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレートなどの有機金属類、トリブチルホスフィン、ホスフォレン、ホスフォレンオキサイドなどのリン系化合物などを挙げることができる。
<加水分解防止剤>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を構成する加水分解防止剤としては、カルボジイミド系化合物(例えばビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド等)、4−t−ブチルカテコール、アゾジカルボナミッド、アゾジカルボキシリック酸エステル、脂肪酸アマイドなどを挙げることができ、これらのうち、カルボジイミド系化合物が好ましい。
加水分解防止剤として好適なカルボジイミド系化合物(ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド)の市販品としては、「スタビライザー7000」(ラシッヒ社製)を挙げることができる。
加水分解防止剤の含有割合としては、高分子ポリオール(a1)100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を構成する酸化分解防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびイオウ系酸化防止剤などを挙げることができ、これらのうち、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
ここに、「フェノール系酸化防止剤」としては、ペンタエリスリチル−テトラキス−[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール類などを例示することができる。
また、「リン系酸化防止剤」としては、アルキルホスファイト、アルキルアリルホスファイト、アリルホスファイト、アルキルホスフォナイト、アリルホスフォナイトなどのリン系安定剤を挙げることができ、具体的にはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジフォスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどを例示することができる。
また、「イオウ系酸化防止剤」としては、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリストール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネート、チオジプロピオン酸ジラウリルなどを例示することができる。
酸化防止剤として好適なフェノール系酸化防止剤の市販品としては「イルガノックス1010」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)を挙げることができる。
<任意の樹脂成分>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を構成する樹脂成分は、ポリウレタン樹脂(A)のみから構成されることが好ましいが、本発明の効果が損なわれない範囲内で、他の樹脂を併用することができる。
ここに、併用される樹脂としては、例えばABS樹脂、SAN樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルエーテル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物において、ポリウレタン樹脂(A)と、任意の樹脂成分との含有比率としては、前者:後者=100:0〜100:100とされる。
<任意の添加成分>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて他の物質を添加することができる。
任意の添加成分としては、添加できる物質としては、例えば紫外線吸収剤、耐熱向上剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、導電付与剤、着色剤、無機および有機充填剤、繊維系補強剤、反応遅延剤などを挙げることができる。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法を採用することができる。
ここに、ポリウレタン樹脂(A)の生成反応においては、ワンショット法を採用しても、プレポリマーを採用してもよい。
また、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の製造方式としては、バッチ生産であっても、連続生産であってもよい。
更に、製造装置としても特に限定されるものではなく、ニーダー、押出機などを挙げることができる。
ここに、製造方法の一例を示せば、高分子ポリオール(a1)と、鎖延長剤(a2)と、加水分解防止剤と、酸化防止剤とをニーダーに仕込み、これを70〜150℃に加熱後、ポリイソシアネート(a3)を投入して10〜60分間反応させ、反応生成物を冷却する。これにより、粉末状またはブロック状の樹脂組成物(本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を得ることができる。
<樹脂組成物の成形方法>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の成形方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の成形方法(例えば押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、カレンダー加工法、ロール加工法、プレス加工法、延伸成形法)および成形条件を採用することができる。
<成形品の硬度>
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、これを熱変形して得られる成形品の硬度が、JIS−A硬度で80〜95であること必要とされる。
得られる成形品のJIS−A硬度が80未満である場合には、種々の用途に適用できる十分な機械的特性を有するものとならない。一方、成形品のJIS−A硬度が95を超える場合には、当該成形品が脆性を有し、使用環境下における振動や衝撃により破損する虞がある。
以下、本発明について、実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例および比較例において、「部」は全て「質量部」を意味する。
<実施例1>
下記表1に示す処方に従って、攪拌機を備えた反応容器に、高分子ポリオール(a1)として、2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=56、分子量=2,000のポリエステルポリオール「TA22−510A」(日立化成ポリマー(株)製)100.0部と、鎖延長剤(a2)として1,6−ヘキサンジオール8.61部と、加水分解防止剤として、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド「スタビライザー7000」(ラシッヒ社製)0.80部と、酸化防止剤として、「イルガノックス1010」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)0.04部とを仕込んで均一に混合し、120℃に調整後、ポリイソシアネート(a3)としてヘキサメチレンジイソシアネート20.64部を添加し、ウレタン化反応を行った。反応物の温度が120℃になったところで(ヘキサメチレンジイソシアネート添加して約1分経過後)反応容器から取り出してバット上に流し込み固化させた。得られた固形物を80℃の電気炉で24時間熟成させ、冷却した後、固形物を粉砕してフレーク状の樹脂組成物(本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)130部を得た。得られたフレーク状の樹脂組成物を射出成形機にて、成形温度150〜190℃、成形圧力600kgf/cm2 の条件で110×55×2mmのシート状に成形し、これを80℃で16時間加熱することにより後硬化させて成形品(シート)を得た。
<実施例2>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオール(a1)として、2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=40、分子量=2,800のポリエステルポリオール「TA22−513A」(日立化成ポリマー(株)製)100.0部を使用し、鎖延長剤(a2)である1,6−ヘキサンジオールの使用量を7.61部に変更し、ポリイソシアネート(a3)であるヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を16.55部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を125部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<実施例3>
下記表1に示す処方に従って、鎖延長剤(a2)である1,6−ヘキサンジオールの使用量を19.6部に変更し、酸化防止剤の使用量を0.05部に変更し、ポリイソシアネート(a3)であるヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を36.13部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を157部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<実施例4>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオール(a1)として「TA22−513A」(日立化成ポリマー(株)製)100.0部を使用し、鎖延長剤(a2)である1,6−ヘキサンジオールの使用量を20.2部に変更し、酸化防止剤の使用量を0.05部に変更し、ポリイソシアネート(a3)であるヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を34.28部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を155部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例1>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールとして、1,4−ブタンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=55、分子量=2,000のポリエステルポリオール100部を使用し、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール7.80部を使用し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を22.52部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を131部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例2>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールとして、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=49、分子量=2,300のポリエステルポリオール100部を使用し、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール7.98部を使用し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を21.93部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を131部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例3>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールとして、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=49、分子量=2,300のポリエステルポリオール100部を使用し、鎖延長剤である1,6−ヘキサンジオールの使用量を7.58部に変更し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を17.91部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を126部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例4>
下記表1に示す処方に従って、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール7.94部を使用し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を22.87部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を132部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例5>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールとして「TA22−513A」(日立化成ポリマー(株)製)100.0部を使用し、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール7.68部を使用し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を19.48部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を128部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例6>
下記表1に示す処方に従って、高分子ポリオールとして「TA22−513A」(日立化成ポリマー(株)製)100.0部を使用し、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール21.9部を使用し、酸化防止剤の使用量を0.06部に変更し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を46.11部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を169部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例7>
下記表1に示す処方に従って、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール22.5部を使用し、酸化防止剤の使用量を0.06部に変更し、ヘキサメチレンジイソシアネートの使用量を49.89部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を173部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。
<比較例8>
下記表1に示す処方に従って、加水分解防止剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にしてフレーク状の樹脂組成物(比較用の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物)を129部を得、これをシート状に成形し、後硬化させて成形品(シート)を得た。

Figure 2006063129
表1中の符号は、下記の物質を示している。
*『2MPA−1』:
2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=56、分子量=2,000のポリエステルポリオール「TA22−510A」(日立化成ポリマー(株)製)。
*『2MPA−2』:
2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=40、分子量=2,800のポリエステルポリオール「TA22−513A」(日立化成ポリマー(株)製)。
*『BA−1』: 1,4−ブタンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=55、分子量=2,000のポリエステルポリオール。
*『3MPA−1』:
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とから得られる、水酸基価=49、分子量=2,300のポリエステルポリオール。
*『1,6HD』:1,6−ヘキサンジオール
*『1,4BD』:1,4−ブタンジオール
*1)(加水分解防止剤):ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド「スタビライザー7000」(ラシッヒ社製)
*2)(酸化防止剤):「イルガノックス1010」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)
<成形品の評価>
実施例1〜4および比較例1〜13により得られたフレーク状の樹脂組成物および成形品の各々について、下記の項目の測定または評価を行った。結果を下記表2に示す。
(1)樹脂組成物の流動開始温度:
JIS K 7311に準拠して、高化式フローテスター「島津フローテスター CFT−500型」((株)島津製作所製)を用い、3℃/分の昇温速度で加熱された試料(フレーク状の樹脂組成物)を、荷重98Nの下で、直径1mm、長さ1mmのダイから押し出したときに、当該樹脂組成物が流動を開始しその結果として粘度の記録が始まる温度(流動開始温度)を測定した。なお、昇温開始温度は100℃、樹脂組成物の予熱時間は3分間とした。
(2)樹脂組成物の溶融特性:
上記(1)で測定された流動開始温度(T1 )より5℃高い温度(T2 )での溶融粘度を測定し、(T2 )での溶融粘度が、流動開始温度(T1 )での溶融粘度の0.125倍以下になる場合(すなわち、溶融粘度の急激な低下が認められる場合)を「○」、0.125倍を超える場合を(すなわち、溶融粘度の低下が緩慢である場合)「×」とした。
(3)成形品の引張特性:
成形品から試験片(3号ダンベル)を作製し、JIS K 7311に準拠して、引張強度および伸びを測定した。
(4)成形品の硬度:
JIS K 7311に準拠して、成形品についてのJIS−A硬度を測定した。
(5)成形品の表面状態(初期):
成形品の表面を目視によって観察し、析出物の発生状況について、下記の基準に従って評価した。
「○」:析出物は殆ど認められない。
「△」:析出物が僅かに認められる。
「×」:析出物による白色の層が一部に認められる。
「××」:析出物による白色の層が全域に認められる。
(6)成形品の表面状態(高温高湿雰囲気による促進試験):
上記(5)の評価が「○」であった成形品について、温度70℃、相対湿度95%の雰囲気下に成形品を72時間放置した後、上記(5)と同様の基準により析出物の発生状況を評価した。
(7)成形品の耐水性:
上記(3)の測定に使用したものと同じ形状の試験片(3号ダンベル)を作製し、これを85℃の水に2週間浸漬した後、上記(3)と同様にして引張強度を測定し、浸漬前の引張強度(上記(3)での測定値)に対する保持率を求めた。
(8)成形品の耐黄変性:
成形品を1ヶ月間屋外に放置した後、変色(黄変)の有無を目視により観察した。

Figure 2006063129
本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、耐黄変性、耐水性および溶融特性に優れ、析出物のない良好な表面状態が要求される種々の樹脂製品(例えばチューブ、フィルム、シート、ベルト、ホース、スクリーン、キャスター、ギア、パッキング、自動車部品、スクィージ、紙送りロールなどのロール類、複写機用クリーニングブレード、スノープラウ、チェーン、ソリッドタイヤ、防振材、靴底、スポーツ靴、機械部品など)を成形するための材料として利用される。

Claims (1)

  1. (A)2−メチル−1,3−プロパンジオールとアジピン酸とから得られる水酸基価20〜120のポリエステルポリオールを50〜100質量%の割合で含む高分子ポリオール(a1)、1,6−ヘキサンジオールを50〜100質量%の割合で含む鎖延長剤(a2)、およびヘキサメチレンジイソシアネートを50〜100質量%の割合で含むポリイソシアネート(a3)の反応によって生成される熱可塑性ポリウレタン樹脂、
    (B)加水分解防止剤、並びに
    (C)酸化防止剤を含有する熱可塑性の樹脂組成物であって、
    前記高分子ポリオール(a1)の有する活性水素基モル数を〔m1 〕、前記鎖延長剤(a2)の有する活性水素基モル数を〔m2 〕、前記ポリイソシアネート(a3)の有するイソシアネート基のモル数を〔m3 〕とすると、〔m3 〕/(〔m1 〕+〔m2 〕)の値(R値)が0.9〜1.2であり、かつ、〔m1 〕/〔m2 〕の値(R’値)が0.1〜15.0であり、
    当該樹脂組成物を熱成形して得られる成形品の硬度が、JIS−A硬度で80〜95であることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
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